今からでも決して 遅くはない 会社にかける経営者の最初の想い、この本気度の持ちようが 決定的な岐路になることは確実である。最初の想いを忘れてい る限り、その後好転していくことはないといえる。これに気づき、経 営者が振り出しに戻って心を入れ替えて成功するケースは少な くない。それが創業の精神や原点に戻るということなのではない だろうか。 2000年から経営革新を断行したベルの奥斗志雄社長曰く、 腹をくくったという。それはそれまでワンマンタイプだった社長自ら が変わることを意味していた。売上げのことを云わない、一人ひ とりの人間力を高める経営に対する思いをとにかく語り続けていく ことにしたという。そのときは、「本当にこの経営で結果が出るの かはわかりません。とてもしんどかったけれども信じるしかなかっ た。」そうだ。だが正しき経営は必ず開花する。あの時、変わらな かったならば、今のベルはない。 栄えある第1回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞経済 産業大臣賞に輝いた未来工業。今でこそ、注目を浴びる企業に なったが、やはりこれまでの苦労は並大抵のものではなかっただ ろう。そのことが推し量れる瀧川克弘社長の言葉を最後に贈る。 楽をしない覚悟をする 「リストラは麻薬。楽をしたら見返りがある。楽をしな い覚悟をする。面倒くさいしお金もかかる。しかし、これ をひとつひとつ手間暇かけてやってきた。だからオンリ ーワンになれるのである。惑わされずぶれずにやってき た。会社で過ごす時間は長い。この時間を社員に楽し く過ごしてもらう。これに尽きるのではないか。安易な道 は選んでいない。人がやらないところをやっている。」 未来工業 瀧川克弘社長
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