190 時間超の時間外でうつ病を発症した イベント会社のチーフ

190 時間超の時間外でうつ病を発症した
イベント会社のチーフディレクターが労災認定!
イベント会社でチーフディレクターとして勤務し、長時間労働と経営者からの「達成困難
なノルマ」
「パワハラ」でうつ病を発症し、自殺(未遂)となったTさん(58 才)の労災補
償が決まりました。たおれて 1 年 8 ヶ月、労災申請して 9 ヶ月、療養を続けながらの努力の
中での認定です。
休日は3ヶ月に1日
Tさんは、会社のイベント業務の企画から運営まで任されていました。発病前の3ヶ月の
月平均時間外は一七八時間という長時間労働で、休日を取ることもできない状態でした。労
災の認定基準で「強」となる一六〇時間を超える異常な勤務を余儀なくされていました。
その上、社長からの無理な予算でのイベント事業の強要、同時に生じた赤字の処理の押し
つけ、残業代の未払いなど、すべてのエネルギーを出し切って働いたTさんにとっては耐え
られない状態が続いていました。
一命を取り留めた後、いの健センターに相談し、労災補償とともに、残業代未払問題など
を含めて弁護団との話し合いと調査を通して、認定を勝ち取りました。
Tさんは、
「療養しながら、途中で入院治療もあり大変でしたが、弁護士の先生方、職場
の同僚の支援に支えられて認定を勝ち取ることができました。」と語っています。
こんな働き方は、無くさなければ・・・
Tさんは今回の体験を踏まえて、
、国会に提案されている「残業代ゼロ法案」などの労働法
制改悪案について次のように語っています。
「私の仕事は、イベントの企画・運営の仕事です。裁量労働制の『事業の運営の実施の管理』
という言葉に、ぴったりあてはまります。また、
『高度の専門的知識、技術、経験』といえ
るかもしれません。私たちの仕事はイベントの企画運営なので、長時間働いたからといって、
売上や成果があがる、というものではありません。
『高度プロフェッショナル制』について
も、あてはまる可能性があります。しかも、何かトラブルがあったら、休日を返上してでも
現場にかけつけなければなりません。私が、労働時間法制の改悪の話を聞いたときに、真っ
先に思ったのは、
『こんな法律が通ってしまったら、うちの業界は死人の山になる』という
ことでした。
会社は、残業代を払わなくても良くなったら、従業員らをさらに働かせようとするでしょ
う。その結果、私のように精根尽き果てるまで働かされ、その挙げ句に命を落としてしまう
人も沢山出るでしょう。私のような思いをするのは、私だけで十分です。ほかの誰にも、こ
のような思いをさせたくはありません。このような法制度の改悪は、絶対に許してはならな
いと思います。
」
この発言はTさんの様に働いている多くの人たちに届けることが重要です。