脳卒中発症予防に対する降圧治療の効果

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脳卒中発症予防に対する
降圧治療の効果
冠動脈疾患と脳卒中の発症予防に対するＡＣＥ阻害薬とCa拮抗薬
Verdecchia P et al : Hypertension 46 : 386-392, 2005
目的
高血圧患者または心血管疾患の高リスク患者において，ACE阻害薬とCa拮抗薬による冠
動脈疾患（CHD）および脳卒中の発症予防効果を検証する．
方法
2004年までに発表された，ACE阻害薬またはCa拮抗薬と他の降圧薬（利尿薬/β遮断薬）
もしくはプラセボを比較した28試験，179,122例から，ＣＨＤ発症率を比較した9,509例，
脳卒中の発症率を比較した5,971例を抽出し，メタ解析を行った．
図1 収縮期血圧の差と脳卒中発症リスクの相関
ACE阻害薬
2.0
1.8
1.4
Ca拮抗薬
MIDAS
PART-2
脳卒中発症リスクのオッズ比
CAPPP
1.2
VHAS
ALLHAT/ACE-I
CONVINCE
UKPDS39
1.0
ANBP2
ALLHAT/CCB
EUROPA
NICS
SHELL
INSIGHT
PREVENT
PROGRESS
PROGRESS Com
STOP2/ACE-I
0.8
PEACE
0.6
INVEST
ACTION
NORDIL
STOP2/CCB
SYST-CHINA
ELSA
CAMELOT
HOPE
IDNT2
CAMELOT
0.4
0.2
SYST-EUR
NICOLE
STONE
SCAT
−5
0
5
10
15 −5
0
5
10
15
5（mmHg）
到達した収縮期血圧の群間差
※各試験を示す円の直径は，個々の試験におけるオッズ比の分散を示す.
発行：バイエル薬品株式会社
Cerebro vascular disease
収縮期血圧の差が大きいほど，
脳卒中の発症リスクは低下した．
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Angiotensin-Converting Enzyme Inhibitors and
Calcium Channel Blockers for Coronary Heart Disease
and Stroke Prevention
脳卒中発症予防に対する降圧治療の効果
Ca拮抗薬による降圧治療により，
脳卒中の発症リスクは有意に低下した．
図2 降圧薬と脳卒中発症のオッズ比
オッズ比
試験
（95％信頼区間）
p値
0.44（0.24-0.79）
0.49（0.18-1.32）
0.58（0.30-1.09）
0.58（0.41-0.83）
0.60（0.18-1.95）
0.68（0.46-1.02）
0.78（0.58-1.05）
0.98（0.30-3.21）
0.65（0.55-0.78） p＜0.001
Ca拮抗薬 vs 利尿薬/β遮断薬
ELSA
NORDIL
STOP2/CCB
INVEST
INSIGHT
ALLHAT/CCB
SHELL
NICS
CONVINCE
VHAS
MIDAS
Subtotal Heterogeneity. df=10; p=0.74
0.64（0.28-1.46）
0.82（0.66-1.01）
0.87（0.71-1.06）
0.88（0.72-1.08）
0.91（0.65-1.26）
0.94（0.83-1.07）
0.97（0.61-1.54）
1.03（0.39-2.72）
1.15（0.89-1.47）
1.22（0.35-4.27）
1.87（0.51-6.89）
0.92（0.85-0.99） p=0.041
Total
Ca拮抗薬 vs プラセボ/利尿薬/β遮断薬
0.84（0.76-0.94） p=0.001
Heterogeneity. df=18; p=0.13
0.6
Ca拮抗薬群
が優位
1.0
1.5
2.0
利尿薬・β遮断薬/
プラセボ群が優位
Heterogeneity between subgroups: df=1; p=0.010
試験中に到達した収縮期血圧の群間における差と脳卒中発症リスクの相関についてメタ
結果
回帰分析を行った結果，到達した収縮期血圧の差が大きいほど脳卒中の発症リスクは
低下し（図1），そのリスク低下効果はACE阻害薬よりCa拮抗薬の方が有意に優れていた
（p=0.042）
．
またCa拮抗薬による降圧治療は，プラセボに比べて35％（オッズ比 0.65 ; 95％信頼
区間 0.55-0.78, p＜0.001）
，利尿薬/β遮断薬に比べて8％（オッズ比 0.92 ; 95％信頼
区間 0.85-0.99, p=0.041）
脳卒中の発症リスクを有意に低下させた（図2）．
結論
脳卒中の発症リスクを低下させるために，降圧治療が最も重要であることが改めて示
された．
また，降圧治療によって到達した収縮期血圧の群間差が同程度の場合，脳卒中の発症
予防効果はACE阻害薬よりCa拮抗薬の方が有意に優れていることが確認された．
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Verdecchia P et al : Hypertension 46 : 386-392, 2005
発行：バイエル薬品株式会社
Cerebro vascular disease
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Ca拮抗薬 vs プラセボ
STONE
CAMELOT
IDNT2
SYST-EUR
NICOLE
SYST-CHINA
ACTION
PREVENT
Subtotal Heterogeneity. df=7; p=0.75
L. JP. GM. 08. 2011. 0361

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