日本語仮訳(マウンゴ・ムーキ氏)

2010年5月2-3日 第2回TICADフォローアップ閣僚級会合
第3セッション“ミレニアム開発目標(MDGs)の達成”でのスピーチ(日本語仮訳)
2010年9月開催国連MDGsサミットへの市民貢献
取り組みを倍増し、約束を守りましょう
アフリカ市民協議会(CCfA)代表
マウンゴ・ムーキ氏(ボツワナ)
Cheick Sidi Diarra大使兼国連特別顧問、Babacar Cisse議長兼UNDPアフリカ地域局長補佐官、他ご
来賓の皆様、
CCFA(アフリカ市民協議会)を代表し、今回のTICAD Ⅳ閣僚級フォローアップ会合において
MDGsに対する我々の見解を表明する機会を頂いたことに関し、主催者の皆様に深くお礼申し上
げます。
まず始めに、ミレニアム開発目標として世界中の人々の生活の質を高めることを目的とし、発展
度合いをはかる目標の設定を発案して下さったリーダーの皆様に感謝致します。このことは、私
たち人々、私たちの国々、ならびに私たちの世界のことを真に配慮し深く関与していく兆しの
表れでした。また、この機会にTICAD共催者の皆様が、国家レベルでのMDGsを達成に向けアフ
リカ各国でイニシアチブをとって開発支援して下さっていることを称賛致します。
アフリカ市民協議会、CCFAは、この機会に、日本のMDGs達成に向けた取り組みを倍増するとい
う、2009年国連総会における鳩山首相の演説を称賛致します。そして我々は、MDGsの達成、
なかでもMDG1’極度の貧困と飢餓の撲滅’、並びにMDG2’初等レベルの就学者数向上’についての
早期の進展に関して、アフリカ各国政府の努力を改めて評価致します。さらに、日本が2010年度
内に世界基金への支援を25%増額したことに感謝申し上げます。AIDS治療・予防への普遍的ア
クセスを達成するための資源需要を満たし、2011~13年のマラリア・結核国際行動計画の実現を
目指し、CCFAは日本や他ドナー国の世界基金への援助増額を要請致します。
しかしながら、UNDPや世界銀行の報告にあるような早期の進展にも関わらず、MDGs、特に貧
困・適正な雇用に関するMDG1、母子保健に関するMDG5においては後退、あるいは以前の状
況に逆戻りしてしまったことに対して、今私たちは憂慮しています。さらに、MDG5について
の援助が十分に約束されて来なかったことで、母子・新生児の保健に対しマイナスの影響がでた
ことについてもより懸念しております。私たちは、2010年のムスコカG8サミット(カナダ)、9
月のMDGsサミットにおきましては、2015年までのMDGs 達成にむけて十分な資金提供がなされ
ることを期待致しております。また、アフリカ各国政府には、特に保健衛生分野への予算増加を
要請致します。
市民社会として私たちは、MDGs実現へ向けて、グッド・ガバナンス、アカウンタビリティ、効
果的な公益事業が関連しているということを改めて強調致します。ゆえに、今日世界が直面する
現在の金融危機や全般的な課題があるにも関わらず、国家レベルでのガバナンスやアカウンタビ
リティ制度の向上が認められ、MDGs達成に向けた良い進展を見たアフリカ各国政府を称賛致し
ます。そして、私たちは、MDGs達成にとって悪い影響を及ぼすほどガバナンス・アカウンタビ
リティの制度が脆弱なアフリカ各国政府には、異議を唱えます。
私たちは、現在のMDGsモニタリング、報告メカニズムでは、一部の場合私たち市民社会が現場
で見ている現実を反映していないこともあります。したがって、私たちはTICADがMDGs達成の
進展を監視して不足を補って完全なものにしていくことを強く求めます。
さらに、私たちは気候変動がアフリカ諸国でのMDGs達成を引き続き妨げていることを危惧し、
日本政府が率先して、アフリカ政府の科学的根拠に基づいた要求を満たすような気候変動の緩
和策・適応策に関する公約の実行を加速させることを要請します。
2015年までの残された5年MDGs達成への努力を加速させるために、アフリカ市民社会協議会
(CCFA)は、9月の国連MDGsサミットにてTICADが次の項目を強調して頂きたいと考えており
ます;
1.アフリカの食糧危機に早急に対応し、
2.どの国の発展にとっても「女性が核」(女性の存在が重要)であり、実行の際に女性に関す
る問題解決を優先させることを確認し、
3.日本政府や他ドナー国が世界基金への拠出を拡大し、そのニーズ主導型モデルが維持される
よう、2011~13年の財源ニーズを満たすことを要請し、
4.特にMDG1「貧困・飢餓・適正な雇用」、MDG5「乳幼児・母子の健康」向けに最適な資
金提供をすることを確認し、
5.2015年のMDGs達成のために、残された5年間のうちに、TICADは早急に必要な新しい戦略
構想を開始しすること。
市民社会の声を、ご清聴いただき有難うございました。