49 任意カウチ角度における透視画像を用いた 画像照合精度の検討 京都大学医学部附属病院 ○ 河淵聡・高倉亨・鶴田裕輔・佐々木誠 坪田恵里・中田学・東村享治 【目的】 頭蓋内定位照射は治療寝台の回転により位置ずれが発生するため,寝台回転後に位置補正を行うの が理想的である.位置補正を行うために,寝台回転時のExacTracの画像照合精度を検討した. 【方法】 (1)直径約10 mmの金属球を埋めた頭部ファントム(ALDERSON)をCTシミュレータ(GE Healthcare)で 撮影し,治療計画装置(BrainLAB)で金属球中心を基準点に設定する. (2)頭部ファントムをNovaLis(BrainLAB)の治療寝台に固定し,ExacTrac(BrainLAB)のIRマーカを用い てポジショニングする.そして6軸補正後,X線撮影を行いFig. 1に示すような各座標の骨構造照合の最終 誤差値を得る. (3)治療寝台は最終誤差値を取得した位置から動かさず,ファントム内金属球を用いたWLテストを実施 しDD-system(R-tech)で照射系中心に対する金属球中心の位置をExacTracの座標軸で算出する. 以上の(2)・(3)を寝台角度90°,45°,0°,315°,270°で実施し,各々の角度での画像照合の最終 誤差値とWLテストの解析結果値の差を画像照合の誤差とする. 【結果】 Table 1に示すように治療寝台角度90°,45°,0°の場合,Long,Vertical,Lateralのそれぞれの方向 で0.5 mm以内であったが,寝台角度315°,270°の場合,Vertical方向の画像照合の誤差が1.0 mm以 上であった. 【考察】 治療寝台角度90°,45°,0°の場合,画像照合の誤差は小さく画像照合精度は良好であった.治療 寝台角度315°,270°のVertical方向で画像照合の誤差が大きくなった原因として,リニアックのjawのた わみがWLテストの解析値に影響を及ぼしたことが考えられる. 【結語】 ExacTracによる画像照合精度は治療寝台角度によって若干の差異があることに注意して,寝台回転時 の位置補正を行わなければならない. Table 1:各治療寝台角度の照合精度 Fig. 1:ExacTracの座標軸 ― 106 ―
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