私 たち の 暮 らし 、地 域 社 会 、地 球 環 境 。 全 てに つ な が るも の が 農 学 だった 。 求められる農学の発 展 。 社会のニーズに 応える力を習得する 。 2 1世紀は、人類が大量生産・大量消費・大量廃棄型社会か ら循環型社会へ大転換する時代です。 「 食料」、 「 生命」、 「環境」、 「情報」、 「エネルギー」および「地域社会」などどれをとって ぶ総合科学です。農学部には、 「 食料」、 「 生命」、 「 環境」、 「 情報」、 「エネルギー」および「地域社会」を対象とする様々な教育研究分 野が っています。 ミニ総合大学といっても過言ではありません。 も、今ほど人類がその重要性を強く意識した時代はないでしょう。 したがって、農学部の中には皆さんが希望する分野がきっと見つ そして、 これらの課題こそ農学が得意とするところであり、時代は農 かるはずです。 学の発展を必要としています。 農学は、理系から文系にわたる分野を含む、基礎から応用に及 新 た な 教 育 シ ス テムで 専 門 性 充 実 農学部では、21世紀の社会的要請に応えるために、学科の専門 性を明確にし、創造性豊かな専門職業人養成のための新しい教育 応 用生物 科 学 科 生 物環境 科 学 科 生 命機能 科 学 科 P . 106 P . 110 P . 114 システムを用意しています。農学部を卒業後、大学院へ進みたい学 生には充実した修士課程と、 さらに鹿児島大学、琉球大学、佐賀大 学からなる連合大学院博士課程へ進学することが可能です。 学年別男女比率(平成27年度) 1 年生 (計151人) 2 年生 (計155人) 43.2%(67人) 3 年生 44.9%(75人) 4 年生 41.5%(73人) (計167人) (計176人) 0 104 39.7%(60人) 50 ■ 男 ■ 女 60.3%(91人) 56.8%(88人) 55.1%(92人) 58.5%(103人) 100 150 200 105 農学部 | 応用生物科学科 農 学 部 学びのポイント 学生が語る! る知識が得られる ◎食料・環境問題に貢献す て幅広く学べる ◎さまざまな生物につい 個体まで研究できる ◎遺伝子から細胞、 で体験できる ◎研究室からフィールドま コレクションもある ◎日本有数の遺伝資源 応用生物科学科の魅力 Department of Applied Biological Sciences 応 用 生 物 科 学 科 幅広い分野の中から、 自分にあう分野が見付かります 受験勉強では苦手分野の克服に苦労しました。私の 場合は英語が苦手で、 特に単語が覚えられず、 勉強し 始めるのも遅かったので、 問題を解くコツを身につけ ようとひたすら過去問を解いていました。 その時はつら かったですが、 おかげで 多少英語にも慣 れ、大 学に 入ってからは論文を読んだり、 留学生とコミュニケー ションをとることが出来るようになったので、 頑張って よかったと思っています。 行う研究室を2年生の後期に決定します。 そ れまでに、作物や野菜、果実、 昆虫、 線虫、動 物、植物の病気などのいろんな授業を受け て興味のある分野を探すことが出来るので、 皆さんも、 きっと自分に合った研究室を見つ けられると思います。私は植物の遺伝子を扱 う研究室で、体に良い油の成分を多く含むダ イズ品種をつくる研究をしています。 また研 先生からのメッセージ 究室では、ダイズのほかにも皆でお米やいろ んな野菜の栽培もしており、 それを収穫して 芸 術 地 域 デ ザ イ ン 学 部 さまざまな生物機能を理解し人類の未来を支える 生物資源の応用について学ぶ 時間割のイメージ 月 ウイルスやカビなどの微生物、園芸植物や薬用・食用植物、 また昆虫、 線虫や哺乳動物など、 さまざまな生物を教育・研究対 象としています。教育研究分野についても、 遺伝子や細胞のレベルから、個体レベル、 さらには生物間相互作用を基本とする生 態系レベルまで、 幅広い内容の専門教育と研究をおこなっています。 フィールドワークや豊富な実験科目が組み込まれたカリ キュラムで学ぶことにより、生物機能を幅広く理解し、 新しい生物資源の開発や生物保護に応用できる専門知識と先端技術を 経 済 学 部 火 応用動物 生物化学 昆虫学 植物 生理学 スポーツ 実習 水 木 金 主題 熱帯 農業論 主題 遺伝学 穴井 第二 外国語 資源の開発と利用に携わる能力と知識を持つ専門的職業人を養成することを教育目標としています。 教育目標 1 多様な生物種を対象として、 様々な生命現 象および生物の諸特性の解明や、 その特性 を改良・活用するために必要となる知識と技 術を修得した人材を育成する。 2 有用生物資源の開発・利用に関する知識と 技術を身に付け、 人口問題、 食糧問題、 環境 問題およびエネルギー問題といった、 重要課 題の解決に寄与できる人材を育成する。 3 有用生物資源と相互作用し、 これらに影響を 与える可能性のある生物に対する知識とこ れらを制御する技術を身に付け、 社会に貢献 できる人材を育成する。 応用生物科で学ぶために必要な能力や適性等 産物をはじめ、様々な生物の利用によって支え られています。応用生物科学科では、 幅広い生 英語 康・環境問題に貢献出来る人材の育成を目的 とした講義や実験、 実習等の体系的なカリキュ ラムが組まれています。 また専門性を深めるた 生物 統計学 め、3年次からは各自が希望する分野に所属し て、卒業研究等を行うことになります。地球上で 農学部 応用生物科学科 について学習するための基礎学力として、 高等学校で履修する理 科や数学の基本事項を理解していることが必要です。 また、講義を 文書を作成するという国語力が必要になるだけでなく、 社会の仕 佐賀大学アプリ で動画視聴 医 学 部 物の機能を理解し、 これを活用して、 食料・健 生物に対する興味があり、 生物の機能また生物が生育する環境 理解し、 レポート等を作成・発表するためには、様々な文献を読み、 豊昭 教授 人類の日々の生活は、 食料となる農作物・畜 動物資源 開発学 我々と共存している生物は様々な驚きに満ちて 年 います。 あなたも、応用生物科学科で新たな発 駿河 奈那美 出身 理 工 学 部 見をしてみませんか? 福岡県立北筑高等学校 組みや地理・歴史といった高等学校の教科書レベルの一般常識も 農 学 部 求められます。 さらに、 専門的な知識や技術を得るためには、海外 の文献にも目を通す必要があるため、 高等学校の教科書レベルの 英語の読解力が不可欠です。 農学は、 実験や調査活動を自主的に かつ継続的に行なうことが重要です。 また、 その課題はグローバル な問題が多くあります。従って、自然科学全般に対する知識欲と、 勉強を続けるための目的意識を持つこと、 さらに、教員、 先輩、友人、 留学生等とコミュニケーションがとれる積極性が必要です。 取得可能な免許・資格 所定の単位を取得することにより、 卒業時に資格が得られるもの ■中学校教諭一種免許状 (理科) ■高等学校教諭一種免許状 (理科、 農業) ■家畜人工授精師受験資格 ■食品衛生管理者!※他学科で開講される所定の科目のうち8科目以上を履修し、 ■食品衛生監視員" 単位を修得すると、資格要件を満たす。 試験に必要な科目の単位を取得し 卒業後の実務経験後、受験資格が得られるもの ■農業改良普及指導員 ※大学卒業者であれば4年以上、 大学院修了者であれば2年以上、 国、 都道府県、 農協等に おいて農業又は家政に関する試験研究業務、 教育もしくは普及指導に従事すると、 受験資 格が得られる。 106 教 育 学 部 食べたりするのも楽しみの1つです。 修得することができます。 応用生物科学科では、 これらの課程により、将来の地球、 また人類の食糧と健康を支える新しい生物 応用生物科学科 私の合格体験記 応用生物科学科では、 自分が卒業研究を 卒業生の主な就職・進学先 主な就職先 ●佐賀県庁 ●熊本果実連 ●地方競馬全国協会 ●株式会社すかいらーく ●コトブキ製紙株式会社 ●山崎製パン ●西日本電信電話株式会社 ●伊藤ハムウエスト ●IVF 詠田クリニック ●フジ環境サービス ●WDB ●シャルトリュー ●武蔵野 ●福岡銀行 ●ヨコオ ●英進館 ●えがお ●ゼンショー ●プライムデリカ ●富田薬品 ●ジェイエイビバレッジ佐賀 ●日本農薬 ●八江農芸 ●トヨハシ種苗 ●丸進青果 ●渡辺パイプ ●ヤクルト本社 ●農水フーヅ ●九州大学大学院 ●帯広畜産大学大学院 主な進学先 ●佐賀大学大学院 107 農学部 | 応用生物科学科 年間で学ぶ授業 卒業単位 年次 年次 卒業研究 年次 必 修 研究室紹介 研究室を 紹介します システム生態学研究室 年次 徳田 大学入門科目 教 養 教 育 科 目 専 門 教 育 科 目 誠 准教授 植物と昆虫を中心とする生物同士の相互作用について研究しています。 生物の特徴がどの ように進化してきたのか、 環境に適応する上でどのような意義があるのかを解明し、 生物多様性 を産み出すメカニズムを明らかにする研究に取り組んでいます。 また、 地球温暖化などの環境 変動が生物に及ぼす影響、 害虫による被害を防ぐ方法、 生物の大発生や絶滅が生じる原因など についても研究を進めています。 遺伝子から生態系まで、 様々なレベルで研究を進めています。 共通基礎科目 「外国語」 共通基礎科目 「健康・スポーツ」 共通基礎科目 「情報リテラシー」 基本教養科目 (自然科学と技術、 文化、 現代社会) 佐賀大学アプリ で動画視聴 果樹園芸学研究室 インターフェース科目 ●生物学 ●土壌学 ●植物病原学 ●植物発生生理学 ●経営資源管理学 ●飼料資源学 ●化学 ●植物病理学Ⅰ ●昆虫学 ●植物分子遺伝学 ●科学英語 ●植物栄養学 ●作物生産学 ●植物育種学 ●動物繁殖生理学 ●植物生態生理学 ●生物科学英語 ●卒業研究 ●動物資源開発学 ●線虫学 ●熱帯作物改良学 ●動物遺伝育種学 ●生物情報処理演習 ●生物化学 ●動物行動生態学 ●生物学実験 ●動物生体生理学 ●各研究分野実験 ●植物生理学 ●システム生態学 ●応用生物学実験 ●観賞園芸学 ●遺伝学 ●果樹園芸学 ●応用化学実験 ●植物病理学" ●生物統計学 ●食料流通経済学 ●動物生産管理学 ●熱帯農業論 ●蔬菜園芸学 ●食用作物学 ●応用動物昆虫学 ●フィールド科学基礎実習! ●熱帯有用植物学 ●フィールド科学基礎実習" ●農業政策論 カリキュラムの特色 注目の授業・講義 応用生物科学科は、 生物学および化学を基 礎科目とし、1年次は植物、動物、 微生物などさ まざまな生物に関する遺伝学、 生理学また生態 学の基礎を学びます。2年次から、 生物と化学 に関連した学生実験科目が始まり、 幅広く、 基礎 動物遺伝育種学 植物生理学 について学びます。 3年次からは、 各研究室に 脊椎動物を材料に現代遺伝学と分子生物学の 植物が持っている特徴的な生理機能について 配属され、少人数での分野実験、 指導教員との 基礎をマスターするとともに、 それらの応用とし 解説します。植物は動けないことから、 さまざまな ての遺伝子工学や家畜育種等の技術の概要を 環境ストレスに対してすべて代謝物で応答してい マンツーマンでの実験指導やセミナーが始まり、 理解します。具体的には、 遺伝子と DNA、 遺伝子 ます。植物が地球上で生きていくために進化して 4年次の卒業研究まで一貫した、 より専門的で 工学とゲノム解析、家系分析、 連鎖と組換え、分 きた形態、組織の構造、 また細胞の機能(水の吸 先端的な教育・研究が行なわれます。 子進化と系統樹、動物の進化と遺伝子の進化、量 収・移動、光合成やさまざまな二次代謝物生産) 的形質の遺伝学、家畜の遺伝能力評価法、 我が について、古典的な植物個体レベルの実験の紹 国における家畜育種の体制、家畜におけるゲノム 介から、 最近の分子生物学分野における細胞・遺 解析などを講義します。 伝子レベルの研究データをもとに講義します。 熱帯作物改良学研究室 信博 准教授 紹輝 教授 動物資源開発学研究室 動物資源開発学研究室 和田 康彦 教授 山中 賢一 准教授 本研究室では、 最先端の学術理論と科学技術を用いて、 人間社会に役に立つ動物の開発と増殖についての研究を 行うとともに、 人間社会に役に立つ動物の開発と増殖に関わる業務に従事できる人材を養成することを目的としてい ます。 なお、 動物遺伝育種学部門では、 現在、 ブタの白血球表面抗原遺伝子や核内受容体遺伝子の発現解析、 烏骨鶏 特異的 DNA 領域の探索、 佐賀牛における脂肪交雑原因遺伝子の探索などの研究を実施しています。 私たちが消費する大量の乳製品や食肉を安定的かつ安価に得るためには、 ウシやブタといった産業動物をいかに 効率的に増やすかということが非常に重要となります。 私たちの研究室では、 主に卵子や精子といった生殖細胞を用 いた実験を通して、 効率的に子供を生産する技術の開発に取り組んでいます。 また、 これらの研究から得られた知識 や技術は、 ヒトの不妊治療にも応用することができ、 食糧生産だけでなく医学分野への貢献も視野に入れた研究を 行っています。 蔬菜花卉園芸学研究室 植物遺伝育種学研究室 一色 司郎 教授 穴井 豊昭 教授 野菜および花の品種改良ならびに効率的な繁殖技術の開発を目指した教育と研究を行います。 主なテーマは、 野 菜および花の遺伝分析、 ゲノム解析、 細胞質置換、 系統分類ですが、 現在、 特に、 ナスに関する細胞質雄性不稔性の 研究に力点を置いています。 野生種を種子親、 ナス栽培種を花粉親とし、 連続戻し交雑を行うことによって、 細胞質雄 性不稔性をもったナスができます。 これを研究することで、 ナスにおいて細胞質と核の関係などを探ることができま す。 我々の研究室では、 効率的な作物 (ダイズやイネ等) の品種改良を実現するための技術について研究を行っていま す。 特に近年力を入れて研究を進めているのは、 特定の標的遺伝子に突然変異を生じた植物を素早く探し出す方法 で、 逆遺伝学と呼ばれるアプローチです。 この方法を使うと、 ゲノム塩基配列情報が明らかになっている植物種であ れば、 思い通りの遺伝子についての突然変異体を作り出し、 作物の改良に使用することが出来ます。 植物代謝解析学研究室 動物行動生態学研究室 石丸 幹二 教授 野間口 眞太郎 教授 植物成分の探索、 新しい有用成分の構造解析とその生理機能について研究しています。 化学構造の解析には、 最先 端の分析機器を活用するとともに、 組織培養や遺伝子導入等のバイオテクノロジーを利用して、 特定成分の生産制 御も検討しています。 また、 食品や医薬分野で応用が期待される成分については、 新しい加工法 (生物発酵、 物理的加 熱、 また化学合成等) を開発しています。 最近、 微生物発酵茶から、 抗メタボリックシンドローム活性を有する新規カテ キン代謝成分を発見し、 特許を取得しました。 無脊椎動物や魚において、 親が子の保育をする種が小数ですが知られています。 どのような条件が保育行動の進 化につながったでしょうか?また、 動物の群れの中には、 先導的な個体や、 臆病な個体がいます。 このような他と少し 違った個体は、 群れの中でどのような役割を果たしているのでしょうか?このような動物行動への疑問を解く研究を 進めていきながら、 農地環境に生息する身近な動物の行動・生態を調べることで、 日本の農地や山林が果たしてきた 野生生物環境としての重要性も明らかにしていきます。 植物遺伝育種学研究室 植物ウイルス病制御学研究室 渡邊 啓史 講師 大島 一里 教授 作物の育種という営みは、 人間にとって役に立つ性質を集積し、 より良い品種を作り出す過程に他なりません。 選抜 の対象となる農業上の重要な性質の多くは、 遺伝子によってその特徴が決まります。 しかしながら、 農業形質を制御す る遺伝子の多くは未だ明らかとなっていません。 私たちの研究室では、 ダイズを中心に、 収量性の向上などの農業上 の重要な課題を克服するために役立つ遺伝子を探索し、 それらの遺伝子がどのように機能しているのかを明らかに することで、 新しい品種の育成につながるような研究を目指しています。 植物ウイルスは農作物に甚大な被害を与えています。 研究室では、 植物に病気を引き起こすウイルスを対象に研 究しています。 中でも世界で最も大きな被害を与えている昆虫伝搬性のウイルス、 さらにアブラナ科や野生植物に被 害を与えているウイルスについて、 植物病理学を基礎・基盤として分子進化学、 生態学、 疫学、 集団遺伝学、 さらにバ イオインフォマティクスを融合させ研究しています。 またウイルスと植物の相互作用についても最先端の技術を用い て研究しています。 植物病制御学 線虫学研究室 草場 基章 准教授 吉賀 豊司 准教授 これまで、 多くの農作物で病気に強い品種 (抵抗性品種) が作られてきました。 一方、 このような抵抗性品種を長期 間栽培すると、 病原体に突然変異が起こり、 抵抗性品種に感染できるものが出現します。 植物病原菌の病原性変異が どのようにして起こるのかを突き止めれば、 病原菌の変異に対して安定した抵抗性品種を作ることができます。 私の 研究室では日本で最も重要な作物であるイネに病気を起こすイネいもち病菌を中心に、 病原性変異の原因となる遺 伝子の同定・そして変異機構の解明を目指した研究をしています。 当研究室は国内でも珍しい、 線虫に特化した研究室です。 線虫が寄生する際の宿主探索行動に関する基礎研究を 行い、 農作物に被害をおよぼす植物寄生性線虫の制御への応用を目指しています。 また、 昆虫に寄生することから害 虫に対する生物農薬として利用される昆虫病原性線虫について、 その病原性の解明などの研究を行っています。 さら に、 多様で様々な環境に適応している線虫の中から興味深い生態や現象を見いだし、 線虫の機能開発や線虫の新た な有効利用を目指しています。 昆虫学研究室 花卉園芸学 早川 洋一 教授 教員紹介 鄭 紹輝 教授 マメ科作物の栽培 授業を す ま 紹介し 鄭 世界人口の半分以上が熱帯・亜熱帯地域に分布しています。 昨今の異常気象により洪水・乾燥・塩害・土壌酸性化 など多くの問題が起き、 熱帯・亜熱帯地域の食糧生産の妨げとなっています。 当研究室では、 熱帯・亜熱帯地域の食 糧生産の増進と環境保全を目的に、 熱帯・亜熱帯地域環境に適応する作物の改良、 植物の環境ストレス耐性機構の 解明、 ならびに植物栽培による環境修復などをテーマに研究を展開しています。 昆虫は私達人類よりも遥か昔に地球に現れ、 現時点でも生態的に地上で最も繁栄している動物と言えます。 彼らは これまでも、 そして現在も、 様々な環境ストレスに抗して生き抜く為に行動や生理レベルで優れた調節能力を駆使し ています。 当研究室では、 そうした昆虫が持つ潜在能力を分子 (主に、 タンパク質や遺伝子) レベルで明らかにする為 の研究を行っています。 こうした基礎的昆虫分子生物学的研究は、 農業害虫の制御や有用昆虫の保護、 さらには、 基 礎医学的な分野においても貢献できるものと期待できます。 的な実験手法を修得します。 専門科目は、 より 高度な分子生物学、微生物学、生態学等の分野 古藤田 世界を旅すれば、 日本の果樹品種の素晴らしさにあらためて気づくことでしょう。 私たちは、 カンキツ遺伝資源に関 する研究、 果実形成期における植物ホルモン動態の解明、 果樹の幼若性・花芽形成・胚発生機構の解明、 果樹の機能 ゲノミクスなど、 形態・生理レベルから遺伝子レベルの研究を展開しています。 カンキツ遺伝資源等の常緑果樹と落 葉果樹の双方において教育・研究を進め、 果物を通して社会に貢献していきたいと考えています。 和田 康彦 教授 動物ゲノム解析 山中 賢一 動物生殖科学 石丸 幹二 渡邊 啓史 講師 ゲノム研究 大島 一里 教授 草場 基章 准教授 糸状菌病害 教授 早川 洋一 昆虫分子生物学 一色 野間口眞太郎 教授 タネなし 辻田 有紀 准教授 古藤田信博 穴井 月足 明紀 くのですが、 この際に溶媒を補充したり、 成分が分解 福岡県八女学院高等学校出身 徳田 誠 准教授 豊昭 吉賀 豊司 験は、 クロマトグラフィーによって成分を分離してい しないように素早く実験を進めるなど、実験を進め 理 工 学 部 ていく上で実験計画をきちんと管理する事が重要 教授 だと感じました。 うまく成果が出ない事も多かったですが、 時間を 准教授 生物間相互作用 カンキツ遺伝資源 医 学 部 私は、新規成分の発見により近年注目されている 微生物発酵茶の成分解析を行ってきました。 この実 行動の機能と進化 系統分類 経 済 学 部 有紀 准教授 花卉園芸植物を中心とした植物の系統進化、 野生植物の生態解明、 植物と菌類との菌根共生系の解明および絶 滅の危機に瀕した野生植物の保全について教育と研究を行っている。 主として野外に生育するラン科植物を対象に 生態・進化を解明するとともに、 種子発芽時や成熟個体に共生している菌根菌を調査し、 これらの情報を保全へ応用 する研究を行う。 また、 組織培養の技術を用いて植物の器官形成を解明する研究や、 植物と菌根菌との共生培養系 の確立も行っている。 六堡茶及び大理茶の 成分解析 教授 植物ポリフェノール 司郎 芸 術 地 域 デ ザ イ ン 学 部 卒業研究紹介 植物病理学 准教授 辻田 教 育 学 部 費やすだけ結果に反映する物なので、 とてもやりが 准教授 いを感じました。 寄生 教授 農 学 部 突然変異体の逆遺伝学 ◎ ウシ体細胞クローン後代胚のエピゲノム解析 昆虫学 108 植物病理学Ⅰ ◎ 根菜類のフェノール類の HPLC 分析 卒業生の 主な卒業論文 テーマ ◎ ナス雄性不稔系統の稔性回復遺伝子に連鎖する DNA マーカー 記載種だけでも80万種、 ヒト1人に対して数億 植物病理学は, 微生物学の基礎から病気の予 匹が現存すると言われる昆虫は、 地上に進出した 防・防除まで幅広い分野を含む総合的な学問で 動物の内で最も繁栄を遂げている生物と言えま す。 農作物などの有用植物を対象とし, 菌類,細 す。 そうした昆虫の起源、 形態、行動や生理につい 菌, ウイルスなど多様な病原体と植物とのかかわ て基本的知識を講義した上で、最後に最新の昆 りを研究することによって, 病気による被害を防 ◎ 西日本から採集した Scallion mosaic virus の外被タンパク質による多様性 虫分子生物学的研究知見を紹介します。 これらの ぐことを可能とします。病理学の歴史, 感染と発 ◎ in vitro 培養に成功した有明海産線虫の発育および生理的特性 講義を通して、 昆虫に興味を抱いてもらうことが 病,糸状菌病, 細菌病・ファイトプラズマ病, ウイ ◎ 共生細菌が寄生蜂の寄生行動に及ぼす影響 本講義の第一の目標と言えます。 その上で、公務 ルス病・ウイロイド病,病気の伝染, 病気の診断, ◎ フタボシツチカメムシにおけるブルードサイズによる保育パフォーマンスへの影響 員専門試験の 『昆虫学』 で出題される試験問題が 病害の防除, さらには植物病理学におけるバイオ ◎ ダイズの被食防御における恒常・誘導防御と物理的・化学的防御形質の使い分け 解ける程度の知識を付与することも目標の一つ サイエンスについて,病原体の制御に資する基本 と言えます。 的な概念を学びます。 ◎ TILLING 法によるダイズフラボノイド代謝関連遺伝子変異体の探索 ◎ 野外においてクローナルに増殖したイネいもち病菌集団における DNA フィンガープ リントパターンの変異 佐賀大学アプリ で動画視聴 109 農学部 | 生物環境科学科 農 学 部 学びのポイント 学生が語る! 多い! ◎野外での活動機会が 門教育! ◎コース別の体系的な専 生物環境科学科の魅力 Department of Agro-Environmental Sciences 生 物 環 境 科 学 科 生物環境科学科 ! ◎専門的職業人の養成 やりたいことが見つかる! 生物環境科学科に所属していて環境地盤 私の合格体験記 学を専攻しています。 この学科の魅力は、一 私は生物を習い始めた頃から生物が大好きになり、 生物をもっと勉強したいと思い佐賀大学の農学部を受 験しました。 志望大学が早くから決まっていたため、 セ ンター対策と平行に二次試験の勉強も行っていました。 センター前は暗記科目を中心に、 英語と数学は二次試 験でも必要なので、 基礎から応用まで様々な問題に取 り組みました。 高校生の頃にしっかり勉強したおかげで、 いまとても充実した生活がおくれています。 なぜなら ば、 この頃に勉強した内容は就職試験のための勉強に も繋がるからです。 年生の間に数学、物理、化学、生物を幅広く 勉強したうえで、二年生の時に自分の興味の あるコースに分属できることです。 また勉強 だけでなく、 田植えを行ったり、 アグリセン ターの農場で実習をしたり、研究室で実験を 行ったり、体を動かしながら多くのことを学べ ます。 まだやりたいことが見つからないという 人は、ぜひ 私 たちの 学 科に来てくだ さい。 先生からのメッセージ 様々な分野の研究があり、 きっと興味のある 芸 術 学 部 ことが見つかるはずです。 科学的合理性や科学的論理に基づいて判断し問題解決に取り組む 人間理解に立った良い人間関係の形成、 協調・協働した行動社会生活で守るべき規範を順守し、 自己の能力を社会の健全な発展に寄与しうる姿勢 月 火 生物学 環境保全と持続的食料生産の為の技術開発及び資源循環型地域社会の構築を担う人材の育成を目指して教育を行います。 木 スポーツ 実習Ⅰ そ の 他 金 近藤 化学 物理の 世界 情報基礎 概論 物理学 フランス語 Ⅰa 作物 生産学 英語A 大学入門 科目Ⅰ 高度な生物生産システムに関する教育研究を行います。地域社会開発学コースでは、 持続可能な循環型社会の構築を目指し、 物環境科学科では、 これらの課程により、将来の地球、 また人類の食糧と健康を支える能力と知識を持つ専門的職業人を養成 水 基礎数学 生物環境保全学コースでは、 地球・生物・人の調和を図り、 環境に負荷の少ない生物生産環境の創出・保全と豊な生活空間の 国際的視野で民族、 地域資源、 人類生態、 環境社会、 農林水産業に関わる地域ビジネス開発に関する教育研究を行います。 生 経 済 学 部 授業は基礎がメイン! 有意義に学んでいます。 創造に関する教育研究を行います。 資源循環生産学コースでは、 農業における資源、 エネルギー、環境などの課題に取り組み、 情報基礎 演習Ⅰ 世紀のエネルギーと環境問題 (ネット授業) 農学部 生物環境科学科 教育目標 生物環境科学科では、 3つのコースにおいて次のよう な人材を育成します。 生物環境保全学コースでは、 地球 上の環境や生態系を深く理解し、 これらの保全、 再生及 び活用を通して、 社会に貢献できる人材を育成します。 資源循環生産学コースでは、 生物科学及び生産情報科 学の理論と技術を学び、 環境に配慮した食糧生産と環境 問題の解決に貢献できる人材を育成します。 地域社会開 発学コースでは、 フィールドワークに基づく教育研究を通 して、 日本を含むアジア・太平洋諸地域における、 持続可 能な循環型地域社会の構築に貢献できる人材を育成し ます。 そのために、 以下に示すような学生を求めています。 ① 自然環境、 社会環境及び生物生産環境の保全と修 復に興味を持つ人 ② 永続的な農業を可能にする新たな生物生産システ ム及び経済社会システムの創造に意欲がある人 ③ 本学科で学んだことを活かして社会で活躍したいと いう目的意識と向上心がある人 生物環境科学科で学ぶために必要な能力や適性等 人間を含む生物やそれを取り巻く環境及び人間社会に対する 佐賀大学アプリ で動画視聴 文義 教授 農学部は、農業および関連する学問または産 業領域において、多様な社会的要請に応えうる 幅広い素養と実行力を身に付けた人材を育成 することを目的としています。 特に、 本学は日本 有数の農業地帯に立地しているため、 これらの 領域を学ぶための最適な環境にあるといえま す。生物環境科学科では、 環境の保全と再生、 環境に優しい持続的な食料生産システム、環境 を維持するための資源循環型社会の構築や生 活環境の向上に係わる教育と研究を行ってい ます。 このため、本学科では2年次から生物環 境保全学コース、 資源循環生産学コース、 地域 社会開発学コースの3コースに分かれて体系 的な専門教育を行っています。 することを教育目標としています。 110 教 育 学 部 年 中村 一歩 出身 佐賀県立鹿島高等学校 興味があり、 これらを総合的に学習するための基礎学力として、 高 等学校で履修する理科や数学の基本事項を理解していることが必 要です。 また、 講義を理解し、 レポート等を作成・発表するためには、 様々な文献を読み、文書を作成するという国語力が必要になるだ けでなく、 社会の仕組みや地理・歴史、文化といった高等学校の教 科書レベルの一般常識も求められます。 さらに、専門的な知識や技 術を得るためには、 海外の文献にも目を通す必要があるため、 高 等学校の教科書レベルの英語の読解力が不可欠です。 農学の課 題にはグローバルな問題が多くあり、 それを解決する糸口を得る ため、 実験や調査活動を自主的にかつ継続的に行なうことが重要 です。 従って、自然科学全般に対する知識欲と、 勉強を続けるため 取得可能な免許・資格 ■中学校教諭一種免許状 (理科) ■高等学校教諭一種免許状 (理科、 農業) ■食品衛生管理者 (所定の科目を履修すること) ■食品衛生監視員 (所定の科目を履修すること) 理 工 学 部 農 学 部 卒業生の主な就職・進学先 所定の単位を取得することにより、 卒業時に資格が得られるもの 医 学 部 主な就職先 ■土木施工管理技士受験資格 (生物環境保全学コースのみ) ■測量士補(生物環境保全学コースのみ) ■自然再生士補 (生物環境保全学コースのみ) ■家畜人工授精師 (資源循環生産学コースのみ) の目的意識を持つこと, さらに、教員、 先輩、 友人また留学生等とコ 試験に必要な科目の単位を取得し卒業後の実務経験後、 受験資格が得られるもの ミュニケーションがとれる積極性が望まれます。 ■農業改良普及指導員 ■測量士 (生物環境保全学コースのみ) ●福岡県庁 ●佐賀県庁 ●熊本県庁 ●エフコープ生活協同組合 ●旭化成アミダス㈱ ●山崎製パン㈱ ●㈱西日本シティ銀行 ●㈱大塚製薬工場 ●応研㈱ ●㈱佐賀共栄銀行 ●㈱ロック・フィールド ●㈱メディア・プライス ●熊本製粉㈱ ●㈱肥後銀行 ●ジェイエイ北九州くみあい飼料㈱ ●㈱興農園 ●福岡県警 ●佐賀県大町町役場 ●熊本県教職 ●㈲共栄資源管理センター小郡 ●日化エンジニアリング㈱ ●㈱ JA フーズさが ●英進館㈱ ●田島興産㈱ ●コトブキ製紙㈱ ●㈱ミゾタ ●㈱福岡中央銀行 ●㈱釜屋 ●タマホーム㈱ ●JR 九州システム ソリューションズ㈱ 主な進学先 ●佐賀大学大学院農学研究科 111 農学部 | 生物環境科学科 年間で学ぶ授業 卒業単位 卒業研究 必 修 研究室紹介 研究室を 紹介します せん かい 年次 年次 年次 大学入門科目 教 養 教 育 科 目 共通基礎科目 「情報リテラシー」 基本教養科目 (自然科学と技術、 文化、 現代社会) インターフェース科目 ●土壌学 ●実験生物環境保全学 ●植物栄養学 ●環境汚染化学 ●環境基礎解析学 ●食料流通経済学 ●実験水気圏環境学 ●地球環境学 ●土壌環境科学 ●水環境学 ●応用力学 ●地盤環境学 ●測地学! ●測地学演習! ●環境水理学! ●環境水理学演習! ●インターンシップ! ●環境植物学 ●現代環境学 ●環境浄化生物学 ●干潟環境学 ●生物環境保全学演習 ●卒業研究 ●土壌学 ●栽培環境制御学 ●生物科学実験実習 ●生産情報処理学" ●食料流通経済学 ●農業生産機械学 ●環境保全型農業論 ●植物遺伝資源学 ●農産食品流通貯蔵学 ●フィールド科学基礎実習! ●農業資源物質工学 ●植物生態生理学 ●土壌微生物学 ●動物生産管理学 ●設計・製図学 ●生産エンジニアリング ●フィールド科学総合実習 ●雑草学 ●飼料資源学 ●生物物理化学 ●生物有機化学 ●遺伝子工学 ●分子細胞生物学 ●各研究分野演習 ●卒業研究 地 域 社 会 開 発 学 コ ー ス ●国際環境農業論 ●食料流通経済学 ●経営資源管理学 ●地域ビジネス開発論 ●地域資源論 ●人類生態学 ●観光人類学 ●環境地理学 ●土壌学 ●フィールドワーク基礎演習 ●農業政策論 ●NPO・NGO 論 ●アジア比較農業論 ●国際地域開発論 ●生態人類学 ●食料市場論 ●アジア開発教育論 ●農業会計学 ●社会統計学 ●アジアフィールドワーク ●インターンシップ!・" ●卒業研究 農業生産機械学研究室 稲葉 施設農業生産学研究室 田中 112 地球上には膨大な量の水が存在しているが、 人間が容易に利用可能な河川水や湖沼水などの 淡水の割合はわずかである。 水は人々の生活お よび食料生産において欠かせない貴重な資源と いえる。 本講義では、 生活に潤いと安らぎをもた らし、 生態系にも配慮した水環境保全のあり方に ついて考える。 ①水循環、 ②水資源、 ③水質の基 礎、 ④水質汚濁、 ⑤水質浄化、 ⑥日本の水環境、 ⑦農業と水、 ⑧水田の水環境、 ⑨水環境保全など について学ぶ。 土木・建築構造物を構成する部材には荷重な どによる外力が作用する。 外力に対して安全な構 造物を設計するためには、 材料の性質、 部材の形 状、 荷重により部材内部により生ずる応力を知る 必要がある。 本講義では、 力とモーメント、 応力の 算定法などについてその考え方や解き方を解説 する。 この講義に加えて、 別途開講される地盤環 境学および環境水理学を履修することにより、 国 家公務員や地方公務員など、 農業農村工学に関 わる専門職受験に必要な基礎知識を習得するこ とができる。 環境保全型農業論 私たちの食生活は作物や野菜の新品種の恩恵 に大きく与っている。 これまで植物の新品種には、 耐病害虫性、 耐寒暑性、 品質特性、 収量性、 そして 採種性などについての改良が積み重ねられてお り、 これらの開発には植物遺伝資源の利用が欠か せない。 この講義では、 遺伝資源を利用するまで の準備段階、 遺伝資源を実際に利用するために 知っておかねばならない理論と技術、 さらに、 これ まで開発が困難であった新品種の育成を可能に するバイオテクノロジーの魅力と威力について解 説する。 これまでの農業は効率的であったが、 資源の 消費量が多く環境に対する負荷を増大させた。 今後の食糧生産においては効率だけでなく、 長 期的視点に基づいた農業生産環境への配慮が求 められる。 環境保全型農業論では生物系廃棄物 の農業への利用、 堆肥・厩肥・緑肥の役 割、 作物 を取りまく生き物などについて学ぶ。 環境保全、 資源循環との関わりで農業生産を考えることが できるようになることを到達目標とする。 作物生態生理学研究室 宗浩 教授 染谷 孝 教授 徳本 稲岡 司 教授、 藤村 裕幸 教授 助教 司 藤村 美穂 人類生態学 弓削こずえ 准教授 江原 浅海干潟環境学 家畜医療応用学 文義 教授 環境地盤学 宮本 章弘 教授 英揮 准教授 大介 准教授 生物環境学 稲葉 繁樹 准教授 北垣 浩志 上埜 史雄 喜八 松本 雄一 教授 進 教授 る上で無視できない土の中の水の動きについての 准教授 章弘 教授 小林 恒夫 駒井 史訓 孝 義治 教授 教授 地域ビジネス開発学 一成 智和 必要な知識・視点を養うのに十分な環境だと思いま 教授 す。 教授 准教授 勉* 五十嵐 教授 郡山 益実* 准教授 *印の教員は、 全学教育機構 所属で本学科で卒業研究 等を担当しています。 理 工 学 部 研究に取り組んでいます。 研究に取り組むと失敗と 講師 浅海干潟環境学 資源循環生物学 医 学 部 いう壁にぶつかります。 しかしそこから改善すると 講師 地域資源学 作物生態生理学 辻 処するための研究を行っています。 私は農業を考え 野中 美紀子 佐賀県立鹿島高等学校出身 海浜環境情報学 作物生態生理学 白武 生物環境保全学コース 験です。 環境問題に取り組む研究者・技術者として 原口 宗浩 施設農業生産学 地圏環境学分野では地球規模での環境問題に対 いった失敗から学ぶことは研究からできる貴重な体 伸二 田中 染谷 准教授 蒸発法による石礫を含む 土壌の水分移動特性の推定 福田 植物遺伝資源学 鈴木 准教授 オーガニックファーミング学 生産システム情報学 有馬 教授 島嶼社会経済学 教授 一成 准教授 資源循環型農業の推進や新しいアグリ・リソースの開発による農業・地域の振興、 中国や韓国を含む環黄海域に おける環境修復技術の開発や国際的経済連携、 さらには健康や福祉の向上に寄与するような農学における新領域 の開拓が求められています。 本センターは、 海浜台地生物環境研究センターと農学部附属資源循環フィールド科 学教育研究センターを統合した新センターとして、 これらの課題の解決のために学内外・海外の教育研究機関と 連携して、 中北部九州における農・医・文理融合型の教育研究―アグリ創生領域の拠点形成を目指しています。 フィールド資源開発学 農業生産機械学 義治 教授、 辻 経 済 学 部 准教授、上埜喜八 准教授、松本雄一 講師、福田伸二 講師、 (附属施設)アグリ創生教育研究センター 江原史雄 小林恒夫 教授、駒井史訓 教授、原口智和 准教授 美穂 准教授 アグロフィールド保全学 環境地盤学 佐賀大学アプリ で動画視聴 稲岡 人類生態学 家康 白武 芸 術 学 部 卒業研究紹介 地圏環境学 近藤 複雑かつ多様化する環境問題、 特に環境と人 間との関係をローカルな事例からグローバルに 考える。 講義内容としては、 環境地理学の定義、 西洋的自然観・環境観 (決定論と可能 論) 、 東洋 的自然観・環境観 (風土論の地平) 、 アジア・太平 洋地域における開発問題と環境 (森林破壊、 海面 干拓) 、 自然生態系の多様性と多様な生業システ ム、 景観生態学の手法と景観・環境管理、 地理情 報システム (GIS) の利用などである。 進 教授、 鈴木 日本や東・東南アジアなどを中心に世界の食料・農業・農村に関する経済的側面の問題を取り上げ、 それらの解 決と持続的な開発や発展の方法について教育・研究する研究室です。 フィールドワーク (現地調査) が好きで地域 資源の循環システムや農商工連携の構築を担う農業者の実践やその支援組織の役割に関心がある人におススメ の研究室です。 日本の地域社会の環境や自然にかかわる諸問題、 途上国の開発に伴う環境・健康問題について、 生物人類学・社 会学・民俗学的手法を用いたフィールドワークを基にして調査研究します。 具体的には地域社会の価値や技術、 環 境管理システムや環境政策のあり方、 ヒトの生物学的特性等を検討することにより、 環境・健康問題の本質である 環境変化に対するヒト及び地域社会の対応と変化を明らかにします。 現在研究室では、 日本やアジアの山村の地 域資源管理、 バングラデシュの地下水砒素汚染問題やラオス農村の健康問題等のテーマについて主に取り組んで います。 環境地理学 有馬 地域ビジネス開発学研究室 上野 植物遺伝資源学 浩志 教授 資源循環生物学研究室 人類生態学研究室 授業を す ま 紹介し 北垣 植物の発育生理と生存戦略ならびに農作物の生産生態を解析し、 得られた成果により、 安全で多収穫を可能と する作物栽培理論の構築及び品種開発に関する教育研究を行っています。 特に、 化学肥料 (窒素) の多用で世界的 に問題化している環境汚染の解決を目的に、 マメ科植物と根粒菌における共生窒素固定メカニズムならびに遺伝 情報の解析に基づいて、 ダイズなどのマメ科作物における根粒の窒素固定能力を高め、 その栽培利用ならびに減 化学肥料による環境保全型農業の確立に貢献しています。 長 応用力学 農業政策と農業との関係、 特に後者に注目して 日本農業の将来像を展望する。 講義内容として は、 日本の農業政策の流れ、 TPP 交渉 の 経 緯と 問題点、 農業政策の現局面と農業経営の現状、 地域農業の担い手 (集落営農、 個別大規模経営) の実態などを概説したうえで、 佐賀県における日 本酒・杜氏論、 佐賀県農業の歴史 (佐賀段 階・新 佐賀段 階) 、 佐 賀 県 農 業 の 地 域 類 型、 上場台地 (佐賀県東松浦半島) の農業発展 (実態と要因) 、 肉用牛飼養・茶業・葉たばこ経営・酪農などを取 り上げる。 佐賀大学アプリ で動画視聴 施設農業は、 様々な科学技術を総合的に利用しながら営まれており、 現代社会の食料生産に大きな貢献をして います。 この分野では、 農業生産施設の装置化、 園芸施設における肥料利用と栽培環境の制御、 バイオマスの有効 利用 (肥料や燃料変換) について研究教育を行っています。 また、 農産物や食品の貯蔵流通プロセスと品質変化を 解析し、 食品の種類に対応した最適な輸送及び貯蔵方法も検討しています。 地圏環境学 農業政策論 教 育 学 部 日本の伝統発酵食品の基盤である麹 (こうじ) や酵母の機能開発を行うことで、 化粧品や機能性食品に活用した り、 バイオエタノールの効率的な製造を可能にする研究を行っています。 例えば、 麹 (こうじ) や焼酎粕、 酒粕に含ま れる化粧品や機能性食品の素材であるセラミドを研究したり、 ミトコンドリアの研究を行うことでスパークリング清 酒の製造を容易にする酵母の育種・開発などの研究を行っています。 バイオマスの微生物学的資源化や土壌環境保全、 水資源の浄化再生利用に関わる微生物学的側面に関する教 育研究をおこなっています。 すなわち、 有機廃棄物の堆肥化やメタン発酵、 土壌・地下水浄化、 排水処理等に関わ る微生物の生理生態学的解明とその応用に取り組んでいます。 さらに、 農業生産環境におけるバイオセーフティの 改善など、 バイオマス利用における微生物的安全性に関わる課題にも重点を置いています。 主な授業紹介 水環境学 生産システム情報学研究室 繁樹 准教授 農業は、 労働の負担が大きい産業であるとされています。 その労力の軽減に果たす農業生産機械の役割は大き く、 その開発及び改良は重要です。 この研究室では、 農業技術を背景に機械工学や IT (情報技術) などの先端技術 を利用することで、 農業における労働負担の軽減や農産物への付加価値を高めることを目標とした、 農業生産・農 産物加工に必要な機械の高性能化とエネルギー利用効率の向上、 農業情報利用などの分野にわたる教育と研究 を行うことを目指しています。 教員紹介 生物環境科学科は、 農学分野の基礎的な知 識・技術を体系的に身に付けるために専門基礎 科目(数学、物理学、 生物学、化学) と農学基礎 科目(作物生産学、動物資源開発学、 生物化学、 土壌学、食料流通経済学) を1∼2年次に配置。 農学分野における課題発見と解決能力の修得 の為に、 情報収集・分析力、 研究技能と研究マ インド、 リーダーシップを発揮する指導力など の要請に関する講義科目、 実験・演習科目及び 卒業研究を専門科目として配置する。 生物環境 科学に関する専門的な知識、技術を修得し、 農 学に関わる業務を遂行する職業人としての実 践能力を養うために、 専門科目と実験科目、 演 習科目を体系的に配置する。 社会との関わりを 理解し、持続的な自己実現を図るための能力、 習慣を身に付けるために、 専門科目として演習 やインターンシップを配置する。 さらに、卒業研 究修了まで専門的な研究環境を長期間経験す ることにより、学士(農学) として十分な専門知 識と先端技術を修得するとともに、 研究チーム の一員としての協調性、高い倫理観と豊かな人 間性を養う専門科目(各研究分野実験、 卒業研 究) を配置する。 益実 准教授、 弓削こずえ 准教授 研究室·ゼミ一覧 資 源 循 環 生 産 学 コ ー ス カリキュラムの特色 がた 海と陸の境界に位置する浅海干潟域は、 多様な生態系を育む場所であると 同時に、 希少な生物が多く生息する 「生命のゆりかご」 として重要な場所でも あります。 私たちの研究分野は、 流域圏から浅海干潟域における水環境や生物 環境の保全について教育・研究を行っており、 フィールドワークは、 農地や農村 集落などの陸域から有明海干潟の沿岸海域と広範囲にわたっています。 例え ば、 有明海の調査では、 実際に船に乗って、 船酔いと戦いながら海洋環境をモ ニタリングします。 また、 陸域では、 農地の土壌などをサンプリングしたり、 生 態系などの農村環境の調査を行ったりして、 泥だらけになることもあります。 こ のような環境の調査は、 天気や潮汐などの自然が相手なので、 私たちがまま ならない場合が多く、 失敗することも多々あります。 当研究室では、 現場での 調査・研究を通じて、 学生たちがままならない自然にふれ、 体感することで、 環 境をより深く理解し、 生物多様性のつながりや環境保全のあり方を主体的に考 え、 取り組む実践力を身につけることを目指しております。 共通基礎科目 「健康・スポーツ」 生 物 環 境 保 全 学 コ ー ス 専 門 教 育 科 目 郡山 共通基礎科目 「外国語」 ●数学 ●物理学 ●化学 ●生物学 ●作物生産学 ●動物資源開発学 ●生物化学 ●生物環境保全学概説 ●資源循環生産学概説 ●地域社会開発学概説 ●生産情報処理学! ひ 浅海干潟環境学研究室 年次 卒業生の 主な卒業論文 テーマ 農 学 部 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ リーチングによる除塩プロセスにおける Na 粘土の透水性変化 ホテイアオイを利用した水質浄化システムの適正管理に関する研究 東日本大震災被災地で採取された二枚貝中 PCBs 濃度の時系列的変動 遠赤色光照射によるダイズ生育と共生窒素固定及び収量へ与える影響 水田におけるメタン発酵消化液の肥培かんがい効果 畑作病害を抑制する高付加価値堆肥の生産技術に関する基礎的研究 ミカンジュースの製造工程で発生する廃棄物がコマツナの収量と雑草の生育に及ぼ す影響 ◎ 大規模稲作農家の経営強化 ◎ ジャンボタニシとスッポン―白石平野における外来生物と農地・水・環境向上対策― ◎ 徳之島の世界自然遺産登録に向けた取り組みと課題 准教授 地域ビジネス開発学 113 農学部 | 生命機能科学科 農 学 部 学びのポイント 学生が語る! 的なカリキュラム編成 ◎基礎から応用に至る体系 午後は実験科目を履修 ◎ 年後学期から毎日 衛生監視員・管理者の ◎佐賀大学唯一の食品 養成施設 生命機能科学科の魅力 Department of Applied Biochemistry and Food Sicences 生 命 機 能 科 学 科 生命機能科学科 「実験」 は自分を成長させ 仲間との絆を深めてくれます 私の合格体験記 私は生命機能科学科で、 微生物や人につ いての生命現象や食品について学んでいま す。 2年後期からの学生実験では、 化学実験、 微生物学実験、生化学実験を行います。 実験 は思い通りにいかず、 戸惑うこともありますが、 色々な分野の実験を経験し日々成長を感じ ることができます。 また、実験を通して学科の 人たちとの絆が深まります。 大学では、先生から言われたことを理解す るだけではなく、 疑問を持ち、積極的に学ぶ 姿勢が大切です。 大学生には自由な時間が 多く、 それを有効に使うことで充実した大学 生活を送ることができると思います。 生命現象を分子レベルで解明 生物資源が持つ特異的な機能を開発・利用 生命科学を理解し科学的に思考できる人材の育成 源の構造と機能を実験によって明らかにしていくことにより、生命科学、 食糧科学について基本的な理解を深め、科学的に思考 できる人材、 社会の要請にかなう人材の育成を目指しています。 このため、 別記 1 ∼ 3 の教育目標を定めています。 先生からのメッセージ 月 火 英語D 分子 生物学 食品化学 栄養化学 芸 術 地 域 デ ザ イ ン 学 部 経 済 学 部 時間割のイメージ ( 年後学期) 多様な生物の生命現象を分子レベルで解明するとともに、生物資源が持つユニークな機能を開発・利用することを目的に 教育と研究を行います。本学科は生命化学講座と食糧科学講座から構成されており、ダイナミックな生命現象や様々な生物資 私は後期試験を受けて佐賀大学に入学しました。 前 期試験で希望通りの結果が出ずに落ち込みましたが、 すぐに気持ちを切り替えて、 過去問を解きました。 後期 試験は数学のみでしたが、 日々の授業の積み重ねに よって合格できたのだと思います。 センター試験も大 きく影響するので、苦手な日本史に力を入れた甲斐が ありました。 全教科まんべんなく点数をとれるようにす べきだと思います。 教 育 学 部 水 木 金 光富 記号論 勝 教授 生命機能科学科では様々な生物や生物資源、 佐賀の 歴史 文化Ⅱ ドイツ語 Ⅱb 食品 衛生学 食と健康に関する基礎から応用までの幅広い ます。私たちの研究室では、 生物資源の有効利 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 化学 実験Ⅱ 研究が、化学的な考え方に基づいて行われてい 医 学 部 用を目的として、生物資源からの機能性成分の 探索や酵素を利用した機能性食品素材の開発 を行っています。 カニやエビ の甲羅に含まれる 教育目標 1 幅広い教養に裏打ちされた広範な視野をも つ人材を育成する。 生命機能科学科で学ぶために必要な能力や適性等 キチン質から、酵素を使って生理機能を持つ糖 質を造る方法の開発や、植物種子に含まれる抗 生命現象に対する科学的興味があり、 微生物から高等生物まで 農学部 生命機能科学科 の生命体が持つ機能について学習するための基礎学力として、 高 等学校で履修する理科や数学の基本事項を理解していることが必 2 3 生命現象を探求し、 生物機能・生物資源を開 発・利用するために必要な、 基礎から応用に 至る化学的な教養および実践的な研究能力 を身につけさせる。 情報を収集する能力、 計画を作成する能力、 結果を集約し解析する能力、 プレゼンテー ションを行う能力を身につけさせる。 要です。 また、 講義を理解し、 レポート等を作成・発表するためには、 様々な文献を読み、文書を作成するという国語力が必要になるだ 佐賀大学アプリ で動画視聴 年 生物資源の食品や医薬品分野への応用に取り 林田 奈桜 出身 組んでいます。 長崎県立口加高等学校 けでなく、 社会の仕組みや地理・歴史、文化といった高等学校の教 科書レベルの一般常識も求められます。 さらに、専門的な知識や技 術を得るためには、 海外の文献にも目を通す必要があるため、 高 取得可能な免許・資格 農 学 部 卒業生の主な就職・進学先 等学校の教科書レベルの英語の読解力が不可欠です。 農学は、 実 験や調査活動を自主的にかつ継続的に行なうことが重要です。 ま た、 その課題はグローバルな問題が多くあります。 従って、 自然科 学全般に対する知識欲と、 勉強を続けるための目的意識を持つこ と、 さらに、教員、 先輩、 友人また留学生等とコミュニケーションがと れる積極性が必要です。 所定の単位を取得することにより、 卒業時に資格が得られるもの 主な就職先 ■中学校教諭一種免許状 (理科) ■高等学校教諭一種免許状 (理科、 農業) ■食品衛生監視員 ■食品衛生管理者 本学科は、 佐賀大学で唯一食品衛生監視員・食品衛生管理者の養成施設として 登録されており、 通常のカリキュラムを履修することにより、 卒業時には自動的に食 品衛生監視員・食品衛生管理者の有資格者になります。 ●山崎製パン㈱ ●フジパングループ本社㈱ ●キューピー㈱ ●伊藤ハム㈱ ●カルビー㈱ ●鳥越製粉㈱ ●アリアケジャパン㈱ ●クロレラ工業㈱ ●宮島醤油㈱ 試験に必要な科目の単位を取得し 卒業後の実務経験後、受験資格が得られるもの 主な進学先 ■農業改良普及指導員 114 カビペプチドの構造と機能を明らかにすること により、 より安全性の高い抗カビ剤の開発など、 理 工 学 部 ●佐賀大学大学院農学研究科 ●九州大学大学院医学系学府 ●㈱ダイショー ●一番食品㈱ ●㈱久原本家食品 ●㈱ JA ビバレッジ佐賀 ●旭化成㈱ ●久光製薬㈱ ●祐徳薬品工業㈱ ●㈶化学物質評価研究機構 ●㈶化学及血清療法研究所 ●厚生労働省 ●佐賀県庁 ●福岡市役所 ●佐賀県教育委員会高等学校 ●大学職員 ●全国酪農協同組合連合会 ●佐賀県農業協同組合 ●熊本大学大学院薬学教育部 ●九州大学大学院生物資源環境科学府 ●熊本大学大学院生命科学研究部 115 農学部 | 生命機能科学科 年間で学ぶ授業 卒業単位 年次 年次 卒業研究 年次 必 修 研究室紹介 研究室を 紹介します 食糧安全学研究室 年次 大学入門科目 教 養 教 育 科 目 専 門 教 育 科 目 濱 共通基礎科目 「外国語」 共通基礎科目 「情報リテラシー」 基本教養科目 (自然科学と技術、 文化、 現代社会) インターフェース科目 ●土壌学 ●植物病原学 ●食糧安全学 ●生物学 ●生物有機化学 ●地球環境学 ●食品工学 ●演習 ●物理学 ●生化学 ●人間生物学 ●食品機能化学 ●卒業研究 ● ●生物物理化学 ●応用微生物学 ●科学英語 ●微生物学 ●海洋生物資源化学 ● ●生命化学概説 ●食糧流通貯蔵学 ●生物化学 ●食糧科学概説 ●生化学実験 ●動物資源開発学 ●環境科学 ●微生物学実験 ●物理化学 ●食糧流通経済学 ●インターンシップ! ●有機化学 ●食品衛生学 ●インターンシップⅡ ●分析化学 ●栄養化学 ●植物栄養学 ●遺伝学 ●食品化学 ●分子細胞生物学 ●植物生理学 ●分子生物学 ●農産物利用学 ●生物統計学 ●化学実験! ●生物資源化学 ●化学実験" ●遺伝子工学 ●昆虫学 ●基礎放射線科学 カリキュラムの特色 生命機能科学科では、 効果的な学習成果を ●専門外書講読 ●生物学基礎実験 研究室·ゼミ一覧 生化学研究室 有機化合物は、炭素原子の連なりを骨格とした 私達が、安心・安全で快適な生活を営むために 機的かつ体系的に配置した4年間のカリキュラ 分子であり、生物と深いかかわりをもつ大変重要 は、 モノを “はかる (分析する) ”技術が極めて重要 ムが編成されています。 な物質である。 この有機化合物について、炭素原 である。特に、 農学部においては、 生物生産物を 子の特徴や原子同士を繋ぐ化学結合などの基礎 食品として取り扱うため、 それらに含まれる化学 的事項から分子の形やどのような反応を起こす 成分を正確に分析することが非常に大切となる。 ことにより広範な視野を育むことを目的として かなどの重要事項までを学ぶ。 また、 官能基(分 本授業では、 化学分析の基礎となる物質の定量 います。専門教育科目では、 基礎化学の体系的 子の特徴的な反応のカギとなる原子やグルー 的な取り扱いを身につけると共に、様々な機器を な学習に加え、農学分野の基礎的な知識・技術 プ)が炭素骨格に付くことで有機化合物はさらに 用いた分析法について、原理と方法の実際につい や、生物機能や生物資源を中心とする生命化 多彩となることから、代表的な官能基についても て学ぶ。 学を体系的に学習します。実験を通じて専門的 知識・技術を修得するとともに、 問題を正確に 解析し解決する実践的な応用能力を養うため、 2年次後学期から卒業まで、 連続的に実験科 目が配置されています。 啓一 教授、 本島 応用微生物学研究室 浩之 助教 小林 元太 教授 微生物は目には見えませんが、我々の身近に多数存在しています。我々人類の生存には微生 物の存在は欠かすことが出来ません。 微生物の能力を活用するために、新規な有用微生物を分 離したり、微生物が有する遺伝子機能を解明したり、微生物の利用について研究を行っています。 機能高分子化学研究室 生物資源利用学研究室 上田 敏久 准教授、 宗 伸明 准教授 林 信行 教授、 野間 水は大気圧下では100℃で沸騰して蒸気になりますが、加圧条件下で加熱すると374℃まで 液体の状態を保つことができます。 このような高温かつ液体の水は温度をコントロールするこ とで多糖を加水分解したり、ダイオキシンのような難分解性の物質を無毒化する特殊な性質を 発揮します。当研究室ではこのような高温高圧の水を用いて、植物を有用な物質に変換したり、 植物中に含まれる機能性の物質の抽出を行っています。 食品化学研究室 食品栄養化学研究室 光富 勝 教授、 関 清彦 講師 亀井 永尾 勇統 准教授 卒業研究紹介 学ぶ。 生化学 生化学は、 生命現象を化学的に分子レベルで 食品衛生学 授業を す ま 紹介し を引き起こすリスクが存在している。 これら食品 啓一 教授 生物化学 本島 全ての食品には、 程度の差こそあれ、健康被害 解明・理解しようとする学問である。本講義では、 渡邉 浩之 敏久 細胞の中で起こる物質代謝(分解と合成反応) と に潜在するリスクを正しく理解するとともに、 その エネルギー代謝およびその調節機構について学 防止手段を学ぶことが本講義の目的である。 本 助教 宗 ぶ。特に糖質代謝を中心に学び、生物が生命活動 講義は、生命機能科学科の必修科目であり、 生命 分析化学 に必要なエネルギーをどのようにして取り出し、 機能科学科学生が食品衛生監視員・管理者の有 小林 利用するかを分子レベルで理解することを目的 資格者となるにあたって、 基礎となる知識および 応用微生物学 としている。 情報を提供する。 主な授業内容は、 食品の変質・ 林 伸明 准教授 酵母、 カビ、 細菌およびバクテリオファージの 分系である。 食品中に含まれる個々の物質の性 代表的な数種を材料として、 基本操作から応用 質が、貯蔵、加工、調理の過程で変化する様子を 実験まで多くの項目を実施する。 具体的には、微 化学的に理解し、 より高い機能を備えた食品を作 生物の取り扱いで最も重要な無菌操作、顕微鏡 り出すための基礎知識を習得することが必要に の取り扱い、微生物の測長と計数、微生物の純粋 なる。食品化学では、食品の一般成分の化学と食 培養、抗生物質の力価検定、 アミノ酸生産菌のス 品成分が食品中に存在する状態や役割について クリーニングおよび組み換え DNA 基礎実験等 概説し、食品の品質に関わる成分変化や成分間 を行い、 それぞれの正しい技法と理論を習得する の反応について解説する。 ことを目標とする。 洋一郎 教授 光武 進 准教授 永尾 晃治 教授 勇統 准教授 好冷細菌の脂肪酸合成に 及ぼす環境温度の影響 家弓 紗矢香 長崎県立諫早高等学校出身 元太 信行 教授 亀井 永野 文献を調べて考え、 研究に取り入れる姿勢が大切だ 准教授 遺伝子 誠司 准教授 光富 勝 龍田 組成の関係性を明らかにすることを目的としていま 研究活動では、 十分な知識と思考力が必要だと 幸生 と学びました。身についた積極的な姿勢は、学問の 勝輔 理 工 学 部 に興味をもちました。環境温度と好冷細菌の脂肪酸 感じます。 大学の講義内容だけではなく、積極的に 天然物化学 教授 私は南極由来の好冷細菌において、低温適応に関 係すると考えられる多価不飽和脂肪酸の合成機構 医 学 部 す。 栄養化学 食品工学 微生物学実験 食品は生物に由来し、 きわめて複雑な複合成 濱 脂質生化学 食品製造工学 食品化学 講師 糖質化学 准教授 ペプチド化学 野間 清彦 生物資源化学 タンパク質工学 上田 関 経 済 学 部 晃治 教授 当研究室は、食品の栄養成分と生体との相互作用に関する栄養学的研究を通じて、人の健康 保持及び疾患の予防・改善に最適な食物の質と量に関する教育と研究を行っています。最近、 タマネギ、大豆、 レンコン、 ムキタケ、 ノリ、 ナルトビエイなど佐賀県で収穫量が多い農水産物中 に、抗メタボリックシンドローム作用成分が含まれていることが見出され、 その生理活性本体の 同定と生理作用メカニズムの解明に取り組んでいます。 生物が有する有用な生理活性物質の探索と構造解析並びに応用開発について教育と研究 を行っています。天然物、 とりわけ海洋生物由来の生理活性の探索やバイオアッセイに基づい た生理活性物質の単離と構造解析、 さらに、得られる活性物質の作用機序の解析とその応用に 関する研究を行っています。 教員紹介 芸 術 地 域 デ ザ イ ン 学 部 誠司 准教授 生体内では、生理活性をもつ様々な分子が精緻な役割を果たすことにより、生命活動を担っ ています。 しかし、 その詳細については、未だにかわっていないことも多く残されています。 そこ で私達は、生命機能の解析に貢献するために、 カビや細胞の成長を抑える合成ペプチドや蛍光 性をもつ新たな機能性分子の開発を目指しています。 また、生体分子の優れた機能材料として の側面を活かす生体分子+人工物ハイブリッド材料の開発も行っています。 活性天然物学研究室 腐敗、細菌性食中毒などである。 116 渡邉 生命活動を担うタンパク質の構造を解析し、働きの仕組みを解き明かしています。 特に氷温 でも活発に増殖する微生物が作る低温酵素を研究しています。 この低温でも高い活性を持つ 酵素は洗剤や食品メーカーが注目しています。 研究に欠かせないのが、数ナノメータの大きさ の酵素分子の立体構造を原子レベルで決定するX線結晶解析です。 また、生活に役立つ酵素 をより利用し易いものにするために、遺伝子を改変する研究も行っています。 カニやエビなどの甲羅を形作っている多糖類(キチン質) を分解して得られる糖質には様々 な生理機能があります。食品化学研究室では、 キチン質を分解する酵素の働きを調べたり、糖 質を分解する酵素を利用して生理作用を持つオリゴ糖を調製する方法を開発しています。 また、 穀類に含まれるキチン結合性抗真菌ペプチドの抗菌メカニズムの解析と抗真菌剤への応用に 取り組んでいます。 分析化学 得るために、 教養教育科目と専門教育科目を有 教養教育科目では、幅広い教養を身につける 教 育 学 部 佐賀大学アプリ で動画視聴 注目の授業・講義 有機化学 進 准教授 私たちは、食品成分の構造研究を基に、 食品の機能性、 有効利用ならびに品質評価、安全性などに関する研究を 行っています。 佐賀県は日本一の海苔生産地ですが、海 苔の主成分である多糖には独特の構造をもつものが多 量に含まれており、 この多糖の構造解析や生理機能の探 索に加えて、 海苔の品質評価法への応用、 新たな海苔製 品の開発などを目指しています。 また、細胞の機能制御 に細胞膜が重要な役割を果していることを見いだし、細 胞膜機能を変化させる食品成分の同定や作用機序の解 明をとおして、 食品のもつ新機能の発見を目指しています。 共通基礎科目 「健康・スポーツ」 ●化学 洋一郎 教授、 光武 助教 農 学 部 みならず多方面で役立っています。 応用昆虫学 教授 応用酵素学 卒業生の 主な卒業論文 テーマ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 酵素の触媒反応に必要な動きと構造の関係 合成ペプチドまたは酵素の機能の利用と応用 新規有用乳酸菌の分離と同定 糖質分解酵素を用いた機能性オリゴ糖の酵素合成 海藻に含まれる多糖の構造とそれらの生理機能に関する研究 肥満が誘発する糖・脂質代謝異常の発症機構の解明 バイオマスを原料としたバイオ燃料の生産 佐賀大学アプリ で動画視聴 117
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