2015 年 10 月 2, 6 日 Ch.4. グローブス・メカニズム(Groves Mechanism) Implementation Problem(履行問題) f : A を実現させたい どのようなメカニズム ( M , g , x ) ならそれが可能か? 社会的選択ルール *ある戦略プロファイル s が存在して、以下の条件をみたせ g ( s ( )) f ( ) for all *さらにこの戦略プロファイルがなんらかの均衡になっている たとえば優位戦略プロファイル For every i N , every , and every m i M i , vi ( g ( si (i ), mi ), ) vi ( g (mi , mi ), ) for all mi M i しかしメカニズムといえども範囲が広すぎる 狭い範囲でさがせるもっと簡便な方法はないか? 1 4.1. 直接メカニズム(Direct Mechanism)と 表明原理(Revelation Principle) Direct Mechanism(直接メカニズム)とは? M i i for all i N M i iN 「あなたのタイプはなんですか?」と直接聞くから 「ダイレクト・メカニズム」と呼ぶ ( M , g , x) の代わりに ( g , x) g : i A xi : i R iN iN と表記する ( i の可能性があることに注意!) iN 2 Revelation Principle(表明原理)とは? 現実は Direct Mechanism とはいえない 現実は Indirect Mechanism が多い ( M i i ) しかし 「表明原理」成立! 「Indirect Mechanism によって達成できる社会的選択ルールは なんらかの Direct Mechanism によっても達成できる」 3 表明原理(優位戦略ヴァージョン) 任意の Indirect Mechanism ( M , gˆ , xˆ ) を考えよう。 そのメカニズムには優位戦略プロファイル ŝ が存在するとしよう。 直接メカニズム ( g , x ) を i iN xi ( ) xˆi ( sˆ( )) For every g ( ) gˆ ( sˆ( )) and for all iN と特定化しよう。 * * つまり、直接メカニズム ( g , x ) と正直戦略プロファイル s ( si (i ) i )は、 間接メカニズム ( M , gˆ , xˆ ) と優位戦略プロフアイル ŝ がもたらす配分と所得移転と まったく同じ配分と所得移転をもたらすように 直接メカニズム ( g , x ) をデザインしよう。 このとき 正直戦略プロファイルはこの直接メカニズムにおいて 優位戦略プロファイルになっている~! 4 正直戦略プロファイルが優位戦略プロファイルになっている場合 その直接メカニズムは 優位戦略誘因整合性(Incentive Compatibility in Dominant Strategy) をみたしている、と呼ぶ事にしよう Definition (Incentive Compatibility in Dominant Strategy): A Direct Mechanism ( g , x) is said to be incentive compatible in dominant strategy if for every i N , * the honest strategy si is a dominant strategy, i.e., for every , and every i N , vi ( g (i , i ), ) xi (i , i ) vi ( g ( ), ) xi () for all j . jN 5 表明原理とは 「正直が優位戦略になっている直接メカニズム「だけ」を考えれば事足りる!」 ということを意味する定理: 定理 4-1(Revelation Principle): For every indirect mechanism ( M , gˆ , xˆ ) , and for every dominant strategy profile ŝ in this mechanism ( M , gˆ , xˆ ) , the associated direct mechanism ( g , x) , which is specified as g ( ) gˆ ( s ( )) and x( ) xˆ ( s ( )) for all i iN satisfies incentive compatibility in dominant strategy. 証明: ŝ は ( M , gˆ , xˆ ) における優位戦略プロファイルだから: For every , every i N , and every j , jN vi ( gˆ ( sˆ(i , i ), ) xi ( sˆ(i , i )) vi ( gˆ ( sˆ(), ) xi ( sˆ()) , which implies vi ( g (i , i ), ) xi (i , i ) vi ( g (), ) xi () . Q.E.D. 6 この章でこれから考察する(大)問題 Incentive Compatible Direct Mechanism( g , x) によって 効率的配分が達成可能か? (そうでなければどのメカニズムでも達成無理) もし達成可能ならば 具体的にどのように直接メカニズムが デザインされればいいか? 答:Private Values の仮定( vi (a, ) vi (a, i ) )のもとでは、この問題は容易に解決できる。 つまり グローブス・メカニズム(Groves Mechanism)をデザインすればいい! 7 グローブス・メカニズムとは? Definition (Groves Mechanism): Direct Mechanism ( g , x) is said to be a Groves Mechanism if the allocation rule is efficient, i.e. for every i , iN v ( g ( ), ) v (a, ) iN i i iN i i for all a A , and for every i N , there exists a function hi : j R such that jN \{i} xi ( ) jN \{i} v j ( g ( ), j ) hi ( i ) (なんのこっちゃー) 8 次回 グローブス・メカニズムを徹底解明!! グローブス・メカニズムは 効率的配分を達成し 優位戦略誘因整合性(Incentive Compatibility) をみたす 直接メカニズム(のクラス)のことである しかも グローブス・メカニズム以外に 効率的かつ incentive compatible なメカニズムは な~い!(といっていい) 9
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