第4節 動物

第4節 動物
4.1 調査手法
(1) 調査項目
調査項目は、対象事業実施区域及びその周辺の動物(哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、昆虫類、魚
類、底生動物)の生息状況、重要な種の生息位置及び生息状況とした。
(2) 調査方法
動物の現地調査方法を表 4-4-1(1)~(2)に示す。
表 4-4-1(1) 現地調査方法(動物)
調査項目
調査方法
調査対象範囲を踏査して、目視によりフィールドサイン(糞や足跡、
食痕、巣、爪痕、モグラ塚等の生息痕跡)を確認し、種名、確認位置と
哺乳類
フィールドサイン法
ともに糞や足跡等の確認内容について記録した。また、個体を目撃し
た場合は、種名及び確認位置を記録した。
トラップに
調査対象範囲の環境を代表する地点にシャーマントラップを設置
よる捕獲
し、翌日回収して捕獲されたネズミ等の小型哺乳類等を確認した。
(小型哺乳類)
捕獲された種については、体長、体重、捕獲数等を記録した。
哺乳類が頻繁に往来していると考えられる調査対象範囲内のけもの
自動撮影調査
道や林道等に自動撮影装置を設置し、カメラの前を横切った動物を記
録した。
飛翔時にコウモリ類が発する超音波を受信し、その周波数より種の
バットディテクター
推定(絞り込み)を行うとともに生息場所を確認した。
調査対象範囲内を踏査し、目視または鳴き声等で確認された種を記
鳥類
録した。
任意確認
(一般鳥類)
重要な種を確認した場合は、確認位置、鳴き声等の確認状況につい
て記録した。
調査対象範囲内に調査ルートを設定し、一定速度で歩きながら、一
ラインセン
定範囲内において確認された鳥類の種類・個体数を記録した。
サス法
重要な種を確認した場合は、確認位置、鳴き声等の確認状況につい
て記録した。
調査対象範囲内に観察地点を設定し、その定点から一定範囲で確認
される鳥類の種類・個体数を記録した。
定点観察法
重要な種を確認した場合は、確認位置、鳴き声等の確認状況につい
て記録した。
鳥類
観察地点を広範囲に複数配置し、目視または双眼鏡及びフィールド
定点観察法
(猛禽類)
スコープを用いて猛禽類の出現状況や行動を記録した。
営巣が確認された希少猛禽類の繁殖状況(繁殖の成否など)を巣及
繁殖状況調査
び巣周辺の状況により確認した。
落葉後の非繁殖期に営巣の可能性が高い林内を踏査し、各猛禽類の
営巣木調査
営巣地または古巣を確認し、周辺の状況や巣の状況を記録した。
調査対象範囲内を踏査し、目視または鳴き声等により確認された種
爬虫類
を記録した。
・
任意確認
重要な種を確認した場合は、確認位置、鳴き声等の確認状況につい
両生類
て記録した。
調査対象範囲内を踏査し、目視または鳴き声等により確認された種
を記録した。また、捕虫網を水平に振って草本上や花上の昆虫をすく
いとるスウィーピング採集、樹上等の昆虫を叩き落として下に落ちた
昆虫類
任意確認及び採集
昆虫を採集するビーディング採集により採取した種をすべて記録し
た。
重要な種を確認した場合は、種名及び確認位置を記録した。
44(4-4-1)
表 4-4-1(2) 現地調査方法(動物)
昆虫類
ライトトラップ法
ベイトトラップ法
魚類
任意採集
底生動物
任意採集
コドラート法
走光性のある昆虫類の確認を目的として、夜間に光源を用いて昆虫
類を誘引し、確認された種を記録した。
【カーテン法】
白布のスクリーン(カーテン)を見通しのよい場所に張り、その前に
蛍光管(ブラックライト等)を吊して点灯し、光に誘引されるガ類、
コウチュウ類等の昆虫を採集する。
【ボックス法】
光源の下に大型ロート部及び昆虫収納用ボックス部からなる捕虫器
を設置し、光源めがけて集まった昆虫類の捕虫器に落下したものを採
集する。日没前に光源の点灯を開始し、翌日ボックス内の昆虫類を採
集する。
主に地表徘徊性の昆虫類の確認を目的として、誘引餌(ベイト)を
入れたトラップ(コップ等の容器)を口が地表面と同じ高さとなるよ
うに 1 地点あたり 20 個埋設し、翌日落ち込んだコウチュウ類、アリ類
等の昆虫を採集して確認された種を記録した。
調査対象範囲内の水域を踏査して、投網、タモ網、サデ網、定置網、
セルびん、カゴ網を用いて捕獲した種を記録した。
確認した種は、水域毎に種名、個体数、確認環境等を記録した。
調査対象範囲内の水域を踏査して、個体の目視またはタモ網、サデ
網等を用いた採取により確認された種を記録した。
確認した種は、水域毎に記録するとともに、重要な種を確認した場
合は、種名及び確認位置、確認状況等を記録した。
調査対象範囲内の水域に方形枠(サーバーネット等)を設置し、枠
内の泥等をすべて採取して、方形枠内に生息する種を記録した。
確認した種は、水域毎に記録するとともに、重要な種を確認した場
合は、種名及び確認位置、確認状況等を記録した。
45(4-4-2)
(3) 重要な種の選定
生息が確認された種のうち、表 4-4-2に示す基準に該当するものを重要な種として選定した。
表 4-4-2 重要な種の選定基準(動物)
区分
A
B
C
D
E
法令・文献等
カテゴリー等
「文化財保護法」(昭和 25 年法律第 214 号)
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福
島県条例第 43 号)
「宮城県文化財保護条例」(昭和 30 年 8 月 1 日 宮
・国指定特別天然記念物(国特)
城県条例第 27 号)
・国指定天然記念物(国天)
「新地町文化財保護条例」(平成元年 10 月 4 日 条
・県指定天然記念物(県天)
例第 19 号 改正 平成 17 年9 月 26 日 条例第 21 号)
・町指定天然記念物(町天)
「山元町文化財保護に関する条例」(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
「亘理町文化財保護条例」
(昭和48年12月28日 亘
理町条例第 30 号)
「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関 ・国内希少野生動植物(国内)
する法律」(平成 4 年法律第 75 号)
・国際希少野生動植物(国際)
「環境省第 4 次レッドリスト」(平成 24 年、環境 ・絶滅(EX) ・野生絶滅(EW)
省報道発表資料)
・絶滅危惧 IA 類(CR) ・絶滅危惧 IB 類(EN)
・絶滅危惧 II 類(VU) ・準絶滅危惧(NT)
・情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅の ・絶滅(EX+EW) ・絶滅危惧 I 類(A)
おそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」(平 ・絶滅危惧 II 類(B) ・準絶滅危惧(C)
成 14 年、福島県)
・希少(D) ・注意(N) ・未評価(NE)
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅
のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/
哺乳類)」(平成 15 年、福島県)
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリス ・絶滅(EX) ・野生絶滅(EW)
ト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
・絶滅危惧 I 類(CR+EN)・絶滅危惧 II 類(VU)
・準絶滅危惧(NT) ・情報不足(DD)
・絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
・要注目種(要)
46(4-4-3)
(4) 調査期間
動物の調査期間を表 4-4-3に示す。
表 4-4-3 調査期間(動物)
調査項目
哺乳類
鳥類
調査方法
調査実施期間
フィールドサイン法
トラップによる捕獲
自動撮影調査
バットディテクター
任意確認
ラインセンサス法
定点観察法
鳥類
定点観察法
(猛禽類)
繁殖状況調査
営巣木調査
爬虫類
・両生類
任意確認
昆虫類
任意確認及び採集
ライトトラップ
ベイトトラップ
魚類
任意採集
・底生動物 コドラート法
季:平成 25 年 8 月 26 日~29 日
季:平成 25 年 9 月 24 日~27 日
季:平成 26 年 2 月 5 日~7 日
季:平成 26 年 5 月 12 日~16 日
平成 26 年 5 月 21 日~23 日
夏 季:平成 25 年 8 月 19 日~22 日
秋 季:平成 25 年 10 月 2 日~4 日
冬 季:平成 26 年 2 月 5 日~7 日
春 季:平成 26 年 5 月 28 日~30 日
平成 25 年 8 月 8 日~9 日
平成 26 年 3 月 13 日~14 日
平成 26 年 4 月 14 日~15 日
平成 26 年 5 月 19 日~20 日
平成 26 年 6 月 16 日~17 日
平成 26 年 7 月 10 日~11 日
平成 26 年 6 月 17 日
平成 26 年 7 月 1 日
平成 26 年 7 月 16 日
平成 25 年 12 月 9 日~11 日
夏
秋
冬
春
備考
フィールドサイン法のみ
フィールドサイン法以外
夜間調査も実施
夏 季:平成 25 年 8 月 26 日~29 日
秋 季:平成 25 年 9 月 24 日~27 日
早春季:平成 26 年 4 月 16 日~18 日
春 季:平成 26 年 5 月 12 日~16 日
夏 季:平成 25 年 8 月 26 日~30 日
秋 季:平成 25 年 9 月 24 日~27 日
平成 25 年 9 月 30 日~10 月 2 日
春 季:平成 26 年 5 月 12 日~16 日
夏 季:平成 25 年 8 月 26 日~30 日
秋 季:平成 25 年 10 月 7 日~11 日
春 季:平成 26 年 5 月 12 日~16 日
(5) 調査位置
動物の調査において設定した調査地点数を表 4-4-4、調査位置を図 4-4-1(1)~(6)に示す。
動物の調査においては、
対象事業実施区域及びその周辺 200m を含む範囲を調査対象範囲とした。
表 4-4-4 設定した調査地点数(動物)
調査項目
調査方法
地点数
哺乳類
トラップによる捕獲・自動撮影調査法
鳥類(一般鳥類) 定点観察法
鳥類(猛禽類) 定点観察法
昆虫類
ライトトラップ(カーテン法)
ライトトラップ(ボックス法)
ベイトトラップ
47(4-4-4)
福島県:1 地点、宮城県:5 地点
福島県:1 定点、宮城県:5 定点
福島県:1 定点、宮城県:6 定点
福島県:1 地点、宮城県:2 地点
宮城県:1 地点
福島県:1 地点、宮城県:5 地点
図 4-4-1(1) 調査地点位置図(哺乳類)
48(4-4-5)
図 4-4-1(2) 調査地点位置図(鳥類)
49(4-4-6)
図 4-4-1(3) 調査地点位置図(鳥類-猛禽類)
50(4-4-7)
図 4-4-1(4) 調査地点位置図(爬虫類・両生類)
51(4-4-8)
図 4-4-1(5) 調査地点位置図(昆虫類)
52(4-4-9)
図 4-4-1(6) 調査地点位置図(魚類・底生動物)
53(4-4-10)
4.2 調査結果の概要
(1) 哺乳類
1)
確認状況
哺乳類の現地調査結果の概要を表 4-4-5(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した哺乳類は、アカネズミ、タヌキ等の 3
目 4 科 5 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現地調査では、福島県に
おいてアズマモグラ、ヒナコウモリ科 1 等の 6 目 8 科 10 種、宮城県においてアズマモグラ、ヒナ
コウモリ科 1 等の 6 目 9 科 15 種、計 6 目 9 科 15 種の哺乳類の生息が確認された。
表 4-4-5(1) 現地調査結果の概要(哺乳類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
主な確認種
春季
1 目1 科1 種
ニホンイノシシ
夏季
3 目4 科5 種
アカネズミ、タヌキ、キツネ、イタチ、ニホンイノシシ
合計
3 目4 科5 種
表 4-4-5(2) 現地調査結果の概要(哺乳類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
福島県
確認種数
主な確認種
夏季
3 目4 科6 種
アズマモグラ、ヒナコウモリ科1*1、ヒナコウモリ科2*2、タヌキ、キツネ、イタチ
秋季
2 目2 科3 種
ニホンリス、タヌキ、キツネ
冬季
3 目3 科4 種
ノウサギ、アカネズミ、タヌキ、キツネ
春季
5 目6 科7 種
ヒナコウモリ科2*2、ノウサギ、ニホンリス、タヌキ、キツネ、イタチ、イノシシ
計
6 目 8 科 10 種
宮城県 夏季
6 目 8 科 13 種
アズマモグラ、ヒナコウモリ科1*1、ヒナコウモリ科2*2、ノウサギ、ニホンリス、
ハタネズミ、アカネズミ、カヤネズミ、タヌキ、キツネ等
秋季
5 目 7 科 12 種
アズマモグラ、ヒナコウモリ科1*1、ヒナコウモリ科2*2、ノウサギ、ニホンリス、
ハタネズミ、アカネズミ、カヤネズミ、タヌキ、キツネ等
冬季
5 目 8 科 10 種
アズマモグラ、ノウサギ、ニホンリス、カヤネズミ、タヌキ、キツネ、テン、イタ
チ、ハクビシン、イノシシ
春季
6 目 9 科 11 種
アズマモグラ、ヒナコウモリ科2*2、ノウサギ、ニホンリス、ハタネズミ、アカネズ
ミ、タヌキ、キツネ、イタチ、ハクビシン等
計
6 目 9 科 15 種
合計
6 目 9 科 15 種
*1:ヒナコウモリ科 1 は、確認した周波数のピーク(20-25kHz)やバットディテクターの入感音、確認環境や分布情報等よ
りヤマコウモリまたはヒナコウモリの可能性が高い。
*2:ヒナコウモリ科 2 は、確認した周波数のピーク(40-50kHz)であった。ヤマコウモリやヒナコウモリを除く、多く
のヒナコウモリ科の周波数は「45-50kHz」を含むため、種を推定することは困難である。
54(4-4-11)
重要種
2)
文献調査及び現地調査において確認した哺乳類の重要種を表 4-4-6、現地調査で確認した重要種
の位置を図 4-4-2に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった哺乳類のうち、
選定基準に該当する重要な種は、
ニホンザル、ヒナコウモリ科 1 等の 4 目 4 科 4 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査では確認されず、平成 25~26 年の現地調査では、福島県におい
てヒナコウモリ科 1 の 1 目 1 科 1 種、宮城県においてヒナコウモリ科 1、カヤネズミの 2 目 2 科 2
種、計 2 目 2 科 2 種が確認された。
表 4-4-6 確認された重要種(哺乳類)
選定基準*2
目名
科名
種名*1
A
B
C
D
確認状況*3
E
N
サル
オナガザル
ニホンザル
コウモリ
ヒナコウモリ
ヒナコウモリ科 1*4
ネズミ
ネズミ
カヤネズミ
ウシ
ウシ
カモシカ
国特
文献
現地
:H24
現地:H25-26
福島
宮城
○
VU
○
D
要
○
N
要
○
○
○
○
4目
4科
4種
1
0
0
3
3
4種
0種
1種
2種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成
15 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「第2 回自然環境保全基礎調査-福島県動植物分布図」
(昭和56 年、福島県)
、
「第2 回自然環境保全基礎調査-宮城
県動植物分布図」
(昭和56 年、宮城県)
、
「第4 回自然環境保全基礎調査-福島県自然環境情報図」
(平成7 年、福島
県)
、
「第4 回自然環境保全基礎調査-宮城県自然環境情報図」
(平成7 年、宮城県)
、
「平成11 年度 常磐自動車道 新
地~山元自然環境調査 報告書」
(平成12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然
環境調査 報告書」
(平成13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検
討 報告書」
(平成13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平
成22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社仙台工事事務所)
、
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブ
ック-」
(平成13 年、宮城県)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
*4:ヒナコウモリ科 1 は、確認した周波数のピーク(20-25kHz)やバットディテクターの入感音、確認環境や分布情報等よ
りヤマコウモリまたはヒナコウモリの可能性が高い。
55(4-4-12)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-2 重要種確認位置図(哺乳類)
56(4-4-13)
(2) 鳥類
1)
現地調査での確認状況
鳥類の現地調査結果の概要を表 4-4-7(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した鳥類は、カイツブリ、ダイサギ等の 9
目 20 科 30 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現地調査では、福島県
においてカワウ、ウミウ等の 9 目 26 科 60 種、宮城県においてカイツブリ、カワウ等の 15 目 37
科 91 種、猛禽類調査で 1 目 2 科 12 種の計 15 目 37 科 106 種の鳥類の生息が確認された。
表 4-4-7(1) 現地調査結果の概要(鳥類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
春季
2 目2 科4 種
夏季
9 目 20 科 30 種
合計
9 目 20 科 30 種
主な確認種
オオタカ、ノスリ、サシバ、オオヨシキリ
カイツブリ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、オオタカ、ノスリ、サシバ、
コジュケイ、ドバト等
表 4-4-7(2) 現地調査結果の概要(鳥類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
確認種数
主な確認種
福島県 夏季
8 目 19 科 26 種
ダイサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、ノスリ、キジ、ケリ、クサシギ、チュウシ
ャクシギ、キジバト等
秋季
9 目 19 科 27 種
ウミウ、ダイサギ、アオサギ、カルガモ、コガモ、ハシビロガモ、トビ、ノスリ、
ハヤブサ、チョウゲンボウ等
冬季
8 目 21 科 40 種
カワウ、ダイサギ、アオサギ、オオハクチョウ、コハクチョウ、コガモ、ホシハジ
ロ、トビ、ハイタカ、ノスリ等
春季
8 目 22 科 31 種
カワウ、ダイサギ、チュウサギ、アオサギ、カルガモ、トビ、ノスリ、キジ、コチ
ドリ、ウミネコ等
計
9 目 26 科 60 種
宮城県 夏季
14 目 28 科 51 種
カワウ、ゴイサギ、ササゴイ、ダイサギ、チュウサギ、コサギ、アオサギ、カルガ
モ、トビ、オオタカ等
秋季
10 目 25 科 41 種
ダイサギ、チュウサギ、アオサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、トビ、ノスリ、コ
ジュケイ、キジ等
冬季
11 目 27 科 62 種
カワウ、ゴイサギ、ダイサギ、コサギ、アオサギ、オオハクチョウ、マガモ、カル
ガモ、コガモ、オナガガモ等
春季
14 目 32 科 52 種
カイツブリ、カワウ、ササゴイ、アマサギ、ダイサギ、チュウサギ、アオサギ、カ
ルガモ、トビ、オオタカ等
計
15 目 37 科 91 種
猛禽類
1 目 2 科 12 種
合計
15 目37 科106 種
ミサゴ、ハチクマ、トビ、オオタカ、ハイタカ、ノスリ、サシバ、ハイイロチュウ
ヒ、チュウヒ、ハヤブサ等
57(4-4-14)
2)
重要種
文献調査及び現地調査において確認した鳥類の重要種を表 4-4-8(1)~(2)、現地調査で確認した重
要種の位置を図 4-4-3に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった鳥類のうち、選定基準に該当する重要な種は、
ヒメウ、ヨシゴイ等の 14 目 30 科 72 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査ではオオタカ、ノスリ等の 2 目 2 科 4 種、平成 25~26 年の現
地調査では、福島県においてチュウサギ、ミサゴ等の 4 目 7 科 15 種、宮城県においてはササゴイ、
チュウサギ等の 6 目 11 科 23 種、計 6 目 11 科 26 種が確認された。
58(4-4-15)
表 4-4-8(1) 確認された重要種(鳥類)
選定基準*2
目名
確認状況*3
*1
科名
種名
A
B
C
D
E
文献
ペリカン
ウ
ヒメウ
EN
B
VU
○
コウノトリ
サギ
ヨシゴイ
NT
B
NT
○
オオヨシゴイ
CR
A
CR+EN
ササゴイ
NT
チュウサギ
カモ
タカ
D
○
カラシラサギ
NT
クロツラヘラサギ
EN
カモ
コクガン
国天
VU
D
VU
○
マガン
国天
NT
D
要
○
ヒシクイ
国天
VU/NT
NT/NT
○
DD
VU
D
シノリガモ
LP
D
LP
○
ミサゴ
NT
B
NT
○
ハチクマ
NT
B
NT
○
B
VU
○
国内 NT
A
NT
○
ハイタカ
NT
C
NT
○
C
ツル
クイナ
VU
○
○
○
○
○
○
C
NT
○
○
ハヤブサ
国内 VU
○
○
○
○
○
○
○
○
C
A
NT
○
C
要
○
コチョウゲンボウ
D
D
VU
ウズラ
クイナ
NT
VU
タマシギ
シロチドリ
VU
ケリ
DD
キョウジョシギ
A
CR+EN
○
NE
要
○
B
CR+EN
ヘラシギ
CR
ツルシギ
VU
タカブシギ
VU
オオソリハシシギ
VU
ホウロクシギ
VU
○
D
○
○
D
○
○
A
○
○
D
○
○
D
○
要
○
NT
D
○
○
D
NT
NT
NT
B
セイタカシギ
VU
D
ツバメチドリ
ツバメチドリ
VU
59(4-4-16)
○
○
○
○
VU
国際 VU
○
○
オオジシギ
オオアジサシ
○
○
セイタカシギ
コアジサシ
○
C
NT
ハマシギ
○
○
チゴハヤブサ
タゲリ
カモメ
○
○
EN
オオバン
シギ
○
○
チュウヒ
バン
チドリ
○
C
ヒクイナ
タマシギ
○
VU
チョウゲンボウ
キジ
○
○
国天 国内 VU
ハイイロチュウヒ
キジ
○
○
オオタカ
サシバ
ハヤブサ
○
○
トモエガモ
ノスリ
○
○
○
オシドリ
オジロワシ
チドリ
○
トキ
タカ
現地:H25-26
福島 宮城
○
C
DD
現地
:H24
○
A
VU
○
○
表 4-4-8(2) 確認された重要種(鳥類)
選定基準*2
目名
チドリ
科名
ウミスズメ
確認状況*3
*1
種名
A
B
C
D
E
文献
マダラウミスズメ
DD
○
ウミスズメ
CR
○
ハト
ハト
アオバト
フクロウ
フクロウ
コミミズク
C
オオコノハズク
アオバズク
○
NE
要
○
B
VU
○
NT
○
ヨタカ
ヨタカ
ヨタカ
キツツキ
キツツキ
オオアカゲラ
アマツバメ
アマツバメ
ハリオアマツバメ
ブッポウソウ
カワセミ
ヤマセミ
スズメ
ヒバリ
ヒバリ
C
○
ツバメ
コシアカツバメ
D
○
D
○
要
○
サンショウクイ
VU
C
VU
○
モズ
アカモズ
EN
A
CR+EN
○
ウグイス
マミジロ
D
クロツグミ
B
国内 EN
オオセッカ
NE
○
○
○
○
NT
○
コヨシキリ
C
○
オオヨシキリ
C
○
セッカ
B
○
コサメビタキ
B
○
カササギヒタキ
サンコウチョウ
C
○
C
○
コジュリン
○
○
ヒタキ
ホオジロ
宮城
○
要
サンショウクイ
ツグミ
現地:H25-26
福島
○
要
NT
現地
:H24
○
○
○
○
○
○
○
○
ホオアカ
ノジコ
○
○
○
14 目
30 科
72 種
4
5
42
53
34
72
4
15
23
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしまI-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県
支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成2 年、山元町)
、
「平成11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平
成12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成13 年、日
本道路公団東北支社)
、
「平成24 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討業務 報告書」
(平成24 年、東日
本高速道路株式会社 東北支社相馬工事事務所)
、
「レッドデータブックふくしまI-福島県の絶滅のおそれのある野生生
物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島県)
、
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平
成13 年、宮城県)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
60(4-4-17)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-3(1) 重要種確認位置図(鳥類)
61(4-4-18)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-3(2) 重要種確認位置図(鳥類)
62(4-4-19)
(3) 爬虫類
1)
確認状況
爬虫類の現地調査結果の概要を表 4-4-9(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した爬虫類は、ニホンカナヘビ、シマヘビ
等の 1 目 2 科 4 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現地調査では、福
島県においてニホンカナヘビ、シマヘビ等の 1 目 2 科 4 種、宮城県においてニホンカナヘビ、シマ
ヘビ等の 1 目 3 科 6 種、計 1 目 3 科 6 種の爬虫類の生息が確認された。
表 4-4-9(1) 現地調査結果の概要(爬虫類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
春季
-
夏季
1 目2 科4 種
合計
1 目2 科4 種
主な確認種
-
ニホンカナヘビ、シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
表 4-4-9(2) 現地調査結果の概要(爬虫類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
福島県
宮城県
確認種数
主な確認種
夏季
1 目1 科1 種
ニホンカナヘビ
秋季
1 目2 科2 種
ニホンカナヘビ、ヤマカガシ
春季
1 目1 科3 種
シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
計
1 目2 科4 種
夏季
1 目2 科3 種
ニホンカナヘビ、シマヘビ、ヒバカリ
秋季
1 目3 科4 種
ニホンカナヘビ、シマヘビ、ヒバカリ、ニホンマムシ
春季
1 目2 科4 種
ニホンカナヘビ、シマヘビ、アオダイショウ、ヤマカガシ
計
1 目3 科6 種
合計
1 目3 科6 種
63(4-4-20)
重要種
2)
文献調査及び現地調査において確認した爬虫類の重要種を表 4-4-10、現地調査で確認した重要種
の位置を図 4-4-4に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった爬虫類のうち、
選定基準に該当する重要な種は、
アカウミガメ、タカチホヘビ等の 2 目 2 科 3 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査では確認されず、平成 25~26 年の現地調査では、福島県におい
て確認されず、宮城県においてヒバカリの 1 目 1 科 1 種が確認された。
表 4-4-10 確認された重要種(爬虫類)
選定基準*2
目名
科名
カメ
ウミガメ
有鱗
ナミヘビ
確認状況*3
*1
種名
アカウミガメ
A
B
C
国際 EN
タカチホヘビ
D
E
文献
D
DD
○
NE
DD
○
D
ヒバカリ
○
現地
:H24
現地:H25-26
福島
宮城
○
2目
2科
3種
0
1
1
3
2
3種
0種
0種
1種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成
15 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「宮城県の両生類・は虫類」
(平成12 年、宮城野野生動物研究会)
、
「平成11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討 報告書」
(平成
13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
64(4-4-21)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-4 重要種確認位置図(爬虫類)
65(4-4-22)
(4) 両生類
1)
確認状況
両生類の現地調査結果の概要を表 4-4-11(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した両生類は、ニホンアマガエル、ニホン
アカガエル等の 1 目 3 科 5 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現地調
査では、福島県においてアカハライモリ、ニホンアマガエル等の 2 目 4 科 6 種、宮城県においてア
カハライモリ、
ニホンアマガエル等の 2 目 4 科 7 種、
計 2 目 4 科 7 種の両生類の生息が確認された。
表 4-4-11(1) 現地調査結果の概要(両生類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
主な確認種
春季
1 目1 科2 種
ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル
夏季
1 目3 科5 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル、シ
ュレーゲルアオガエル
合計
1 目3 科5 種
表 4-4-11(2) 現地調査結果の概要(両生類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
福島県
宮城県
確認種数
主な確認種
夏季
1 目2 科4 種
秋季
2 目3 科4 種
アカハライモリ、ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル
早春季
1 目3 科3 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、シュレーゲルアオガエル
春季
1 目3 科5 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル、シ
ュレーゲルアオガエル
計
2 目4 科6 種
夏季
1 目2 科4 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル
秋季
1 目3 科6 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル、ツ
チガエル、シュレーゲルアオガエル
早春季
1 目3 科5 種
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル、シ
ュレーゲルアオガエル
春季
2 目4 科6 種
アカハライモリ、ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、
ウシガエル、シュレーゲルアオガエル
計
2 目4 科7 種
合計
ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル、ウシガエル
2 目4 科7 種
66(4-4-23)
重要種
2)
文献調査及び現地調査において確認した両生類の重要種を表 4-4-12、現地調査で確認した重要種
の位置を図 4-4-5に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった両生類のうち、
選定基準に該当する重要な種は、
トウホクサンショウウオ、ハコネサンショウウオ等の 2 目 4 科 7 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査ではトウキョウダルマガエルの 1 目 1 科 1 種、平成 25~26 年
の現地調査では、福島県においてアカハライモリ、トウキョウダルマガエルの 2 目 2 科 2 種、宮城
県においてアカハライモリ、トウキョウダルマガエル等の 2 目 2 科 3 種、計 2 目 2 科 3 種が確認さ
れた。
表 4-4-12 確認された重要種(両生類)
選定基準*2
目名
有尾
科名
種名*1
A
B
サンショウウオ トウホクサンショウウオ
確認状況*3
C
D
E
文献
NT
C
NT
○
NT
○
イモリ
アカハライモリ
NT
C
LP
○
アカガエル
トウキョウダルマガエル
NT
ハコネサンショウウオ
無尾
アオガエル
NE
NT
○
ツチガエル
C
NT
○
モリアオガエル
D
○
カジカガエル
D
○
現地
:H24
○
現地:H25-26
福島
宮城
○
○
○
○
○
2目
4科
7種
0
0
3
6
5
7種
1種
2種
3種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成
15 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「宮城県の両生類・は虫類」
(平成12 年、宮城野野生動物研究会)
、
「平成11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討 報告書」
(平成
13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
67(4-4-24)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-5 重要種確認位置図(両生類)
68(4-4-25)
(5) 昆虫類
1)
確認状況
昆虫類の現地調査結果の概要を表 4-4-13(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した昆虫類は、ホソミオツネントンボ、オ
ツネントンボ等の 8 目 43 科 78 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現
地調査では、福島県において、アオイトトンボ、キイトトンボ等の 12 目 120 科 398 種、宮城県に
おいて、ホソミオツネントンボ、アオイトトンボ等の 13 目 174 科 872 種、計 13 目 182 科 947 種
の昆虫類の生息が確認された。
表 4-4-13(1) 現地調査結果の概要(昆虫類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
春季
1 目1 科1 種
夏季
8 目 42 科 77 種
合計
8 目 43 科 78 種
主な確認種
ムカシヤンマ
ホソミオツネントンボ、オツネントンボ、キイトトンボ、アジアイトトンボ、セス
ジイトトンボ、オオイトトンボ、モノサシトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、ショ
ウジョウトンボ等
表 4-4-13(2) 現地調査結果の概要(昆虫類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
確認種数
主な確認種
キイトトンボ、アジアイトトンボ、アオモンイトトンボ、セスジイトトンボ、ハグ
福島県 夏季 11 目80 科230 種 ロトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、シオカラトンボ、オオシオカラトンボ、ウス
バキトンボ等
アオイトトンボ、アジアイトトンボ、ハグロトンボ、ギンヤンマ、ウチワヤンマ、
秋季 11 目86 科186 種 ショウジョウトンボ、コフキトンボ、シオカラトンボ、ウスバキトンボ、ナツアカ
ネ等
アジアイトトンボ、シオヤトンボ、ヒゲジロハサミムシ、オオハサミムシ、ケラ、
春季 10 目58 科118 種 トゲヒシバッタ、ハラヒシバッタ、トビイロツノゼミ、ツマグロオオヨコバイ、ミ
ミズク等
計
12目120科398種
アオイトトンボ、オオアオイトトンボ、オツネントンボ、キイトトンボ、アジアイ
宮城県 夏季 12目123科486種 トトンボ、アオモンイトトンボ、セスジイトトンボ、ハグロトンボ、ギンヤンマ、
オニヤンマ等
アオイトトンボ、オオアオイトトンボ、オツネントンボ、アジアイトトンボ、ハグ
秋季 10目112科364種 ロトンボ、ギンヤンマ、オニヤンマ、ショウジョウトンボ、シオカラトンボ、ウス
バキトンボ等
ホソミオツネントンボ、オツネントンボ、アジアイトトンボ、ニホンカワトンボ、
春季 10目102科375種 ギンヤンマ、ムカシヤンマ、オニヤンマ、ハラビロトンボ、シオヤトンボ、ヤマト
ゴキブリ等
計
合計
13目174科872種
13目182科947種
69(4-4-26)
2)
重要種
文献調査及び現地調査において確認した昆虫類の重要種を表 4-4-14(1)~(2) 、現地調査で確認し
た重要種の位置を図 4-4-6に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった昆虫類のうち、
選定基準に該当する重要な種は、
ヒヌマイトトンボ、モートンイトトンボ等の 5 目 29 科 54 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査ではチョウトンボ、オオムラサキの 2 目 2 科 2 種、平成 25~26
年の現地調査では、福島県においてチョウトンボ、コガムシ等の 4 目 5 科 5 種、宮城県においてチ
ョウトンボ、リスアカネ等の 5 目 8 科 11 種、計 5 目 8 科 11 種が確認された。
表 4-4-14(1) 確認された重要種(昆虫類)
選定基準*2
目名
トンボ
科名
種名
A
B
C
D
E
文献
EN
A
VU
○
CR+EN
○
B
CR+EN
○
C
CR+EN
○
CR+EN
○
イトトンボ
ヒヌマイトトンボ
モートンイトトンボ
NT
モノサシトンボ
オオモノサシトンボ
EN
アオイトトンボ
コバネアオイトトンボ
EN
ヤンマ
マダラヤンマ
NT
カトリヤンマ
トンボ
カメムシ
C
○
リスアカネ
VU
CR+EN
○
ハマスズ
CR+EN
○
バッタ
ヤマトバッタ
ヨコバイ
スナヨコバイ
NT
コオイムシ
コオイムシ
NT
N
VU
○
CR+EN
○
NT
○
ミズムシ
ミヤケミズムシ
NT
○
ヒラタカメムシ
ヤセオオヒラタカメムシ
NT
○
オサムシ
アイヌハンミョウ
NT
EN
セアカオサムシ
NT
ゲンゴロウ
ミズスマシ
ガムシ
コメツキムシ
CR+EN
○
NT
○
NT
C
DD
シマケシゲンゴロウ
VU
○
○
○
○
ケシゲンゴロウ
NT
ルイスツブゲンゴロウ
VU
キベリマメゲンゴロウ
NT
ゲンゴロウ
VU
マルガタゲンゴロウ
VU
シマゲンゴロウ
NT
オオイチモンジシマゲンゴロウ
EN
オオミズスマシ
NT
○
ヒメミズスマシ
EN
○
ミズスマシ
VU
○
シジミガムシ
EN
○
コガムシ
DD
○
コガタガムシ
VU
○
○
NT
○
○
N
NT
○
○
○
VU
NT
70(4-4-27)
○
○
アブクマナガゴミムシ
スナサビキコリ
○
○
B
ヒョウタンゴミムシ
オサムシモドキ
○
○
コノシメトンボ
カワラハンミョウ
現地:H25-26
福島 宮城
○
ヒバリモドキ
コウチュウ ハンミョウ
現地
:H24
○
ハッチョウトンボ
チョウトンボ
バッタ
確認状況*3
*1
○
○
○
○
○
表 4-4-14(2) 確認された重要種(昆虫類)
選定基準*2
目名
科名
コウチュウ ホタル
種名
A
B
C
D
E
文献
ヒメボタル
NT
○
ゲンジボタル
NT
○
テントウムシ
アイヌテントウ
NT
○
ゴミムシダマシ
キイロテントウゴミムシダマシ
D
カミキリムシ
ヤマトシロオビトラカミキリ
D
ゾウムシ
トビイロヒョウタンゾウムシ
モンスズメバチ
DD
NT
ミツバチ
クロマルハナバチ
NT
メイガ
ゼニガサミズメイガ
アゲハチョウ
ヒメギフチョウ本州亜種
NT
タテハチョウ
ウラギンスジヒョウモン
VU
オオムラサキ
NT
ギンボシヒョウモン本州亜種
ジャノメチョウ
キマダラモドキ
NT
ヤガ
ギンモンアカヨトウ
VU
キスジウスキヨトウ
VU
現地
:H24
現地:H25-26
福島
宮城
○
○
NT
フタモンベッコウ
スズメバチ
チョウ
確認状況*3
*1
○
○
○
○
B
DD
○
NT
○
○
○
N
○
D
CR+EN
○
B
NT
○
NT
○
○
○
○
○
○
○
○
5目
29 科
54 種
0
0
34
14
29 50種 2種
5種 11種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島
県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録2」
(平成22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「やまもとの昆虫」
(平成4 年、山元
町)
、
「第2 回自然環境保全基礎調査-宮城県動植物分布図」
(昭和56 年、宮城県)
、
「平成11 年度 常磐自動車道 新
地~山元自然環境調査 報告書」
(平成12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然
環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告
書」
(平成22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
、
「レッドデータブックふくしまI-福島県の絶
滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成14 年、福島県)
、
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッ
ドデータブック-」
(平成13 年、宮城県)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
71(4-4-28)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-6 重要種確認位置図(昆虫類)
72(4-4-29)
(6) 魚類
1)
確認状況
魚類の現地調査結果の概要を表 4-4-15(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した魚類は、ボラ、オオクチバス等の 1 目 3
科 5 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における現地調査では、福島県におい
て、ニホンウナギ、コイ等の 6 目 11 科 26 種、宮城県において、ニホンウナギ、コノシロ等の 10
目 15 科 39 種、計 10 目 17 科 43 種の魚類の生息が確認された。
表 4-4-15(1) 現地調査結果の概要(魚類-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
春季
-
夏季
1 目3 科5 種
合計
1 目3 科5 種
主な確認種
ボラ、オオクチバス、ブルーギル、スミウキゴリ、ヨリノボリ属の一種
表 4-4-15(2) 現地調査結果の概要(魚類-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
確認種数
主な確認種
福島県 夏季
4 目 7 科 20 種
ニホンウナギ、コイ、ギンブナ、オイカワ、マルタ、ウグイ、モツゴ、タモロコ、
スズキ、オオクチバス等
秋季
4 目 8 科 20 種
ニホンウナギ、コイ、ギンブナ、オイカワ、マルタ、ウグイ、モツゴ、タモロコ、
ドジョウ、カラドジョウ等
春季
5 目 9 科 20 種
ニホンウナギ、コイ、ギンブナ、オイカワ、マルタ、モツゴ、タモロコ、ドジョウ、
サケ、ブルーギル等
計
6 目 11 科 26 種
宮城県 夏季
7 目 11 科 30 種
ニホンウナギ、コノシロ、コイ、ゲンゴロウブナ、ギンブナ、タイリクバラタナゴ、
オイカワ、マルタ、ウグイ、モツゴ等
秋季
9 目 14 科 34 種
ニホンウナギ、コイ、ゲンゴロウブナ、ギンブナ、タイリクバラタナゴ、オイカワ、
マルタ、ウグイ、モツゴ、タモロコ等
春季
6 目 9 科 24 種
ニホンウナギ、ギンブナ、タイリクバラタナゴ、オイカワ、マルタ、ウグイ、モツ
ゴ、タモロコ、カマツカ、ニゴイ等
計
10 目 15 科 39 種
合計
10 目 17 科 43 種
73(4-4-30)
重要種
2)
文献調査及び現地調査において確認した魚類の重要種を表 4-4-16、現地調査で確認した重要種の
位置を図 4-4-7に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった魚類のうち、選定基準に該当する重要な種は、
スナヤツメ、ニホンウナギ等の 5 目 6 科 9 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査ではスミウキゴリの 1 目 1 科 1 種、平成 25~26 年の現地調査
では、福島県においてニホンウナギ、ドジョウの 2 目 2 科 2 種、宮城県においてニホンウナギ、ド
ジョウ等の 4 目 4 科 5 種、計 4 目 4 科 5 種が確認された。
表 4-4-16 確認された重要種(魚類)
選定基準*2
目名
種名*1
科名
A
B
C
D
E
文献
VU
C
NT
○
NT
○
B
CR+EN
○
ヤツメウナギ ヤツメウナギ
スナヤツメ
ウナギ
ウナギ
ニホンウナギ
EN
コイ
コイ
タナゴ
EN
ドジョウ
ダツ
メダカ
スズキ
ハゼ
確認状況*3
現地
:H24
現地:H25-26
福島
宮城
○
○
ドジョウ
DD
ホトケドジョウ
EN
D
NT
○
○
メダカ南日本集団
VU
C
NT
○
○
ヒモハゼ
NT
スミウキゴリ
LP
○
○
○
○
VU
アベハゼ
○
○
5目
6科
9種
0
0
8
4
6
7種
1種
2種
5種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成
15 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成5 年、新地町教育委員会)
、
「やまもとの昆虫」
(平成4 年、山元町)
、
「宮城県の希少
な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成13 年、宮城県)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
74(4-4-31)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-7 重要種確認位置図(魚類)
75(4-4-32)
(7) 底生動物
1)
確認状況
底生動物の現地調査結果の概要を表 4-4-17(1)~(2)に示す。
特定評価書時(平成 24 年)の現地調査で生息を確認した底生動物は、ヨコエビ科の一種、ムス
ジイトトンボ等の 2 綱 2 目 3 科 3 種であった。工事着手前の事後調査(平成 25~26 年)における
現地調査では、福島県において、ナミウズムシ、マルタニシ等の 10 綱 22 目 56 科 113 種、宮城県
において、ナミウズムシ、マルタニシ等の 10 綱 25 目 69 科 147 種、計 10 綱 27 目 80 科 174 種の
底生動物の生息が確認された。
表 4-4-17(1) 現地調査結果の概要(底生動物-特定評価書時:平成 24 年)
確認時期
確認種数
春季
-
夏季
2 綱2 目3 科3 種
合計
2 綱2 目3 科3 種
主な確認種
ヨコエビ科の一種、ムスジイトトンボ、コシアキトンボ
表 4-4-17(2) 現地調査結果の概要(底生動物-工事着手前の事後調査:平成 25~26 年)
確認 確認
エリア 時期
確認種数
主な確認種
福島県 夏季
9 綱18 目37 科67 種
ナミウズムシ、マルタニシ、カワニナ、ミズゴマツボ、カワコザラガイ、サカ
マキガイ、マシジミ属、マメシジミ属、ヤマトスピオ、オヨギミミズ科等
秋季
ナミウズムシ、マルタニシ、カワニナ、ミズゴマツボ、カワコザラガイ、コシ
9 綱18 目42 科77 種 ダカヒメモノアラガイ、サカマキガイ、マシジミ属、マメシジミ属、ヤマトス
ピオ等
春季
8 綱18 目37 科64 種
計
10綱22目56科113種
ナミウズムシ、マルタニシ、ミズゴマツボ、ヒメモノアラガイ、サカマキガイ、
マシジミ属、ヒメミミズ科、エラミミズ、Limnodrilus属、ミズミミズ属等
ナミウズムシ、マルタニシ、Assiminea属、ミズゴマツボ、カワコザラガイ、
宮城県 夏季 8 綱 18 目 47 科 89 種 ヒメモノアラガイ、ハブタエモノアラガイ、モノアラガイ、サカマキガイ、ヒ
ラマキガイ属等
秋季
10 綱 22 目 50 科 94
種
ナミウズムシ、マルタニシ、オオタニシ、Assiminea属、ミズゴマツボ、カワ
コザラガイ、ハブタエモノアラガイ、モノアラガイ、サカマキガイ、ヒラマキ
ガイ属等
ナミウズムシ、マルタニシ、Angustassiminea属、Assiminea属、ミズゴマツ
春季 7 綱 20 目 46 科 80 種 ボ、ヒメモノアラガイ、サカマキガイ、マシジミ属、ドブシジミ、オヨギミミ
ズ科等
計
合計
10綱25目69科147種
10綱27目80科174種
76(4-4-33)
2)
重要種
文献調査及び現地調査において確認した底生動物の重要種を表 4-4-18、現地調査で確認した重要
種の位置を図 4-4-8に示す。
文献調査及び現地調査において生息情報のあった底生動物のうち、選定基準に該当する重要な種
は、マルタニシ、オオタニシ等の 5 綱 11 目 19 科 25 種であった。
このうち、平成 24 年の現地調査では確認されず、平成 25~26 年の現地調査では、福島県におい
てマルタニシ、ミズゴマツボ等の 2 綱 4 目 4 科 4 種、宮城県においてマルタニシ、オオタニシ等の
3 綱 6 目 7 科 9 種、計 3 綱 7 目 8 科 11 種が確認された。
77(4-4-34)
表 4-4-18 確認された重要種(底生動物)
選定基準*2
綱名
目名
腹足 原始紐舌
盤足
確認状況*3
*1
科名
種名
A
B
C
D
DD
オオタニシ
NT
DD
ウミニナ
NT
NT
ミズゴマツボ ミズゴマツボ
VU
DD
サザナミツボ
NT
CR+EN
○
DD
○
ウミニナ
マルタニシ
ヘコミツララガイ マツシマコメツブガイ
基眼
モノアラガイ コシダカヒメモノアラガイ
モノアラガイ
ヒラマキガイ ヒラマキガイ属*4
ヒラマキガイモドキ
二枚貝 マルスダレガイ ニッコウガイ サビシラトリガイ
シジミ
○
○
○
○
DD
NT
○
○
NT
○
○
DD
○
NT
○
DD
オサガニ
オサガニ
DD
○
スナガニ
スナガニ
○
VU
○
ベンケイガニ アカテガニ
NT
○
ムツハアリアケガニ アリアケモドキ
NT
○
NT
N
NT
○
VU
B
CR+EN
○
コウチュウ ゲンゴロウ ゲンゴロウ
VU
N
NT
○
ミズスマシ ミズスマシ
VU
○
ガムシ
ガムシ
NT
○
コガムシ
DD
タガメ
○
○
カマカヨコエビ モリノカマカ
コオイムシ コオイムシ
○
○
○
イトゴカイ イトゴカイ シダレイトゴカイ
昆虫 カメムシ
現地:H25-26
福島 宮城
NT
NT
ヤマトシジミ
現地
:H24
DD
ゴカイ サシバゴカイ カギゴカイ ハナオカカギゴカイ
エビ
文献
VU
タニシ
頭楯
軟甲 ヨコエビ
E
○
○
5綱
11 目
19 科
25 種
0
0
17
3
16 15種 0種
5種
9種
*1:種名は、各出典をもとに「河川水辺の国勢調査のための生物リスト」
(平成 24 年、リバーフロント整備センター)に
準じて設定した。
*2:重要種の選定基準は以下のとおりである。
A
「文化財保護法」
(昭和 25 年法律第 214 号)
、
「福島県文化財保護条例」
(昭和 45 年 7 月 21 日 福島県条例第 43 号)
、
「宮城県文化財保護条例」
(昭和 30 年 8 月 1 日 宮城県条例第 27 号)
、
「新地町文化財保護条例」
(平成元年 10 月
4 日 条例第 19 号 改正 平成 17 年 9 月 26 日 条例第 21 号)
、
「山元町文化財保護に関する条例」
(昭和 47 年 3 月
23 日 山元町条例第 8 号)
、
「亘理町文化財保護条例」
(昭和 48 年 12 月 28 日 亘理町条例第 30 号)
国特:国指定特別天然記念物、国天:国指定天然記念物、県天:県指定天然記念物、町天:町指定天然記念物
B「絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律」
(平成 4 年法律第 75 号)
国内:国内希少野生動植物、国際:国際希少野生動植物
C「環境省第 4 次レッドリスト」
(平成 24 年、環境省報道発表資料)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR:絶滅危惧ⅠA 類、EN:絶滅危惧ⅠB 類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、
NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:絶滅のおそれのある地域個体群
D「レッドデータブックふくしま I-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫類・鳥類)」
(平成 14 年、福島
県)
、
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成 15 年、福島県)
EX+EW:絶滅、A:絶滅危惧Ⅰ類、B:絶滅危惧Ⅱ類、C:準絶滅危惧、D:希少、N:注意、NE:未評価
E「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドリスト 2013 年版-」
(平成 25 年、宮城県)
EX:絶滅、EW:野生絶滅、CR+EN:絶滅危惧Ⅰ類、VU:絶滅危惧Ⅱ類、NT:準絶滅危惧、DD:情報不足、LP:
絶滅のおそれのある地域個体群、要:要注目種
*3:確認状況の出典は以下のとおりである。
・文献:
「新地町史 自然・民俗編」
(平成5 年、新地町教育委員会)
「やまもとの昆虫」
(平成4 年、山元町)
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成14 年、宮城県)
・現地:H24:事業者による特定評価書時の現地調査(平成 24 年春季・夏季実施)
・現地:H25-26:事業者による工事着手前の事後調査における現地調査(平成 25 年夏季~平成 26 年春季)
*4:ヒラマキガイ属は、形状及び分布域から「ヒラマキミズマイマイ、ヒメヒラマキミズマイマイ、クロヒラマキガイ、
ハブタエヒラマキガイ」のいずれかである可能性が高いが、幼貝であったため、種の特定には至らなかった。
78(4-4-35)
※重要種の生息地点情報については、生息に関する場所が特定されるおそれがあるため非表示とした。
図 4-4-8 重要種確認位置図(底生動物)
79(4-4-36)
4.3 予測手法
(1) 予測項目
動物の予測項目は、文献調査及び現地調査で確認された重要な種に対する工事の実施(建設機械の
稼働、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行、造成等の施工による一時的な影響)
、土地又は工作物
の存在及び供用(鉄道施設(地表式又は掘割式及び嵩上式)の存在、列車の走行(地下を走行する場合を
除く。))による影響の程度とした。
(2) 予測方法
予測及び環境保全措置の検討の考え方を図 4-4-9に示す。
動物の予測は、工事の実施(建設機械の稼働、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行、造成等の
施工による一時的な影響)
、土地又は工作物の存在及び供用(鉄道施設(地表式又は掘割式及び嵩上式)
の存在、列車の走行(地下を走行する場合を除く。))による自然環境の改変に伴う重要な種の生息環
境の消失・縮小、移動経路の分断、生息環境の質的変化の影響について、対象事業実施区域との重ね
合わせ、科学的知見を参考に定性的に実施した。
対象事業実施区域及びその周辺
に生息する重要な種
Yes
対象事業実施区域内に重要な種 No
の生息環境が存在する
生息環境への
影響はない
Yes
生息環境が消失又は改変される Yes
おそれがあるが、影響を受ける量
は残存する量と比較して小さい
土地の改変に伴って生息環境の No
質的変化が生じる可能性がある
生息環境は
保存される
Yes
No
環境保全措置の検討
図 4-4-9 予測及び環境保全措置の検討の考え方(動物)
(3) 予測位置
動物の予測位置は、対象事業実施区域及びその周辺に生息する重要な種への環境影響が生じるおそ
れがあると認められる地域とした。
(4) 予測対象時期
動物の予測対象時期は、
工事の実施時期及び鉄道施設の完成時期並びに鉄道の供用する時期とした。
80(4-4-37)
4.4 予測対象種の選定
(1) 予測対象種
動物の予測対象種を表 4-4-19(1)~(7)に示す。
文献調査もしくは現地調査において生息情報のあった重要な種のうち、対象事業実施区域及びその
周辺に生息の可能性があり、対象事業が与える影響について予測及び評価が必要であると考えられる
種を予測対象種として選定した。
表 4-4-19(1) 予測対象種の選定(動物)
区分
哺乳類
鳥類
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
1
ヒナコウモリ科
2
ニホンザル
○
3
カヤネズミ
○
-
ニホンイノシシ
○
-
○
○
○
備考
○
○
○
○
○
○
○
-
-
ニホンカモシカ
○
-
-
-
ヒメウ
○
-
-
1
ヨシゴイ
○
○
○
2
オオヨシゴイ
○
○
3
ササゴイ
○
○
○
○
○
○
重要種選定除外*2
○
4
チュウサギ
○
○
-
カラシラサギ
○
-
-
クロツラヘラサギ
○
-
-
-
コクガン
○
-
-
5
マガン
○
○
○
6
ヒシクイ
○
○
○
7
オシドリ
○
○
○
8
トモエガモ
○
○
○
9
シノリガモ
○
○
○
10
ミサゴ
○
○
○
○
猛禽類調査時確認種
11
ハチクマ
○
○
○
○
猛禽類調査時確認種
12
オジロワシ
○
13
オオタカ
○
○
○
14
ハイタカ
○
15
ノスリ
16
17
-
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
サシバ
○
○
○
○
○
猛禽類調査時確認種
ハイイロチュウヒ
○
○
○
○
猛禽類調査時確認種
18
チュウヒ
○
○
○
○
19
ハヤブサ
○
○
○
○
20
チゴハヤブサ
○
○
21
コチョウゲンボウ
○
○
○
○
22
チョウゲンボウ
○
○
○
○
23
ウズラ
○
○
○
24
クイナ
○
○
○
25
ヒクイナ
○
○
26
バン
○
○
○
○
27
オオバン
○
○
○
○
28
タマシギ
○
○
○
-
シロチドリ
○
-
-
81(4-4-38)
○
○
表 4-4-19(2) 予測対象種の選定(動物)
区分
鳥類
爬虫類
両生類
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
29
ケリ
○
○
○
○
30
タゲリ
○
○
○
○
31
キョウジョシギ
○
○
○
-
ハマシギ
○
-
-
-
ヘラシギ
○
-
-
-
ツルシギ
○
-
-
32
タカブシギ
○
○
○
-
オオソリハシシギ
○
-
-
33
ホウロクシギ
○
○
34
オオジシギ
○
○
備考
○
○
○
-
セイタカシギ
○
-
-
35
ツバメチドリ
○
○
○
-
オオアジサシ
○
-
-
-
コアジサシ
○
-
-
-
マダラウミスズメ
○
-
-
-
ウミスズメ
○
-
36
アオバト
○
○
-
37
コミミズク
○
○
○
38
オオコノハズク
○
○
○
39
アオバズク
○
○
○
-
フクロウ
○
○
-
40
ヨタカ
○
○
○
41
オオアカゲラ
○
○
○
42
ハリオアマツバメ
○
-
○
重要種追加種*2
43
ヤマセミ
○
-
○
重要種追加種*2
44
ヒバリ
○
○
○
○
○
○
○
○
-
コシアカツバメ
○
-
45
サンショウクイ
○
○
46
アカモズ
○
○
○
-
ノビタキ
○
○
-
-
-
マミジロ
○
-
-
47
クロツグミ
○
○
○
48
オオセッカ
○
-
49
コヨシキリ
○
50
オオヨシキリ
○
51
セッカ
52
コサメビタキ
53
サンコウチョウ
○
○
54
コジュリン
○
○
55
ホオアカ
○
○
-
ノジコ
○
-
-
-
アカウミガメ
○
-
-
1
タカチホヘビ
○
○
2
ヒバカリ
○
○
1
トウホクサンショウウオ
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
82(4-4-39)
重要種選定除外*2
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
重要種選定除外*2
表 4-4-19(3) 予測対象種の選定(動物)
区分
両生類
昆虫類
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
2
ハコネサンショウウオ
○
○
3
アカハライモリ
○
○
○
○
-
ニホンアカガエル
○
○
○
○
-
4
トウキョウダルマガエル
○
○
○
○
○
5
ツチガエル
○
○
○
○
6
モリアオガエル
○
○
○
備考
○
重要種選定除外*2
-
カジカガエル
○
-
-
-
ムスジイトトンボ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
エゾイトトンボ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オゼイトトンボ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アオモンイトトンボ
○
-
-
重要種選定除外*2
1
ヒヌマイトトンボ
○
-
○
2
モートンイトトンボ
○
○
○
3
オオモノサシトンボ
○
○
○
4
コバネアオイトトンボ
○
○
○
-
ムカシヤンマ
○
-
重要種選定除外*2
-
ヤマサナエ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ダビドサナエ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ウチワヤンマ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ルリボシヤンマ
○
○
-
重要種選定除外*2
5
マダラヤンマ
○
○
○
-
オオルリボシヤンマ
○
○
-
○
6
カトリヤンマ
○
-
サラサヤンマ
○
-
タカネトンボ
7
重要種選定除外*2
○
○
○
-
重要種選定除外*2
○
○
-
重要種選定除外*2
ハッチョウトンボ
○
○
○
8
チョウトンボ
○
9
リスアカネ
10
コノシメトンボ
○
-
○
重要種追加種*2
-
トワダカワゲラ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ハマスズ
○
-
-
-
スズムシ
○
○
-
-
ヤマトバッタ
○
-
-
-
ヤスマツトビナナフシ
○
○
-
-
スナヨコバイ
○
-
-
-
オオコオイムシ
○
○
-
11
コオイムシ
○
○
12
ミヤケミズムシ
○
○
○
○
○
○
○
-
○
○
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
○
○
13
ヤセオオヒラタカメムシ
○
○
○
-
ヒメオオメナガカメムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
アカスジキンカメムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オオツノトンボ
○
○
-
重要種選定除外*2
14
アイヌハンミョウ
○
○
○
-
カワラハンミョウ
○
-
-
-
コアオマイマイカブリ
○
○
-
83(4-4-40)
重要種選定除外*2
表 4-4-19(4) 予測対象種の選定(動物)
区分
昆虫類
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
備考
15
セアカオサムシ
○
○
○
-
ヒョウタンゴミムシ
○
-
-
-
オサムシモドキ
○
-
-
-
ヒラタキイロチビゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アオマルガタミズギワゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ドウイロミズギワゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ヒラタコミズギワゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ヨツモンコミズギワゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ベーツナガゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オオナガゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
16
アブクマナガゴミムシ
○
-
○
重要種追加種*2
-
キンナガゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ニッコウヒメナガゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アシミゾナガゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
チャイロホソヒラタゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
サドモリヒラタゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
キンモリヒラタゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
コクロツヤヒラタゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ナガマルガタゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オオホシボシゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
クビナガゴモクムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ヒメツヤゴモクムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
コクロヒメゴモクムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ナガマメゴモクムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オオスナハラゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アカガネアオゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
キベリアオゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
キボシアオゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ヤマトトックリゴミムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ベーツホソアトキリゴミムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
17
シマケシゲンゴロウ
○
○
○
18
ケシゲンゴロウ
○
○
○
19
ルイスツブゲンゴロウ
○
○
○
20
キベリマメゲンゴロウ
○
○
○
21
ゲンゴロウ
○
○
○
22
マルガタゲンゴロウ
23
シマゲンゴロウ
○
○
24
オオイチモンジシマゲンゴロウ
○
○
25
オオミズスマシ
○
○
○
-
オナガミズスマシ
○
-
-
26
ヒメミズスマシ
○
○
○
27
ミズスマシ
○
○
○
-
マルガムシ
○
-
-
28
シジミガムシ
○
○
○
29
コガムシ
○
○
○
○
-
84(4-4-41)
○
○
○
○
○
○
○
重要種選定除外*2
重要種選定除外*2
表 4-4-19(5) 予測対象種の選定(動物)
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
区分
No.
昆虫類
30
コガタガムシ
○
○
○
-
ドウガネエンマムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
コツヤエンマムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
コエンマムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
チャイロヒメタマキノコムシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
キベリカワベハネカクシ
○
-
重要種選定除外*2
-
ウスアカバホソハネカクシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ホソアバタウミベハネカクシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
アカウミベハネカクシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
オオハネカクシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
クロサビイロハネカクシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オオセンチコガネ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ヒゲナガハナノミ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ウバタマムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
スナサビキコリ
○
-
-
重要種追加種*2
-
ヒメベニボタル
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ムネクリイロボタル
○
○
-
重要種選定除外*2
31
ヒメボタル
○
○
○
32
ゲンジボタル
○
○
○
-
クロマドボタル
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ルリヒメジョウカイモドキ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
クロキオビジョウカイモドキ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ムナビロオオキスイ
○
○
-
重要種選定除外*2
33
アイヌテントウ
○
-
○
重要種追加種*2
-
コクビボソムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ホソハマベゴミムシダマシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
ヒメホソハマベゴミムシダマシ
○
-
-
重要種選定除外*2
-
キイロテントウゴミムシダマシ
○
-
-
34
ヤマトシロオビトラカミキリ
○
○
○
-
キボシカミキリ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
スゲハムシ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
トビイロヒョウタンゾウムシ
○
-
-
35
モンスズメバチ
○
○
○
36
フタモンベッコウ
37
クロマルハナバチ
種名
○
○
-
○
○
○
○
○
備考
38
ゼニガサミズメイガ
○
○
○
-
アオバセセリ本土亜種
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ホソバセセリ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ミヤマチャバネセセリ
○
○
-
重要種選定除外*2
○
39
ヒメギフチョウ本州亜種
○
○
○
-
ツマキチョウ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ウラゴマダラシジミ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
コツバメ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ウラナミシジミ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ムラサキシジミ
○
○
-
重要種選定除外*2
85(4-4-42)
表 4-4-19(6) 予測対象種の選定(動物)
区分
昆虫類
魚類
底生動物
No.
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
備考
-
ウラギンシジミ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
テングチョウ本土亜種
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アサギマダラ
○
-
重要種選定除外*2
40
ウラギンスジヒョウモン
○
○
-
アサマイチモンジ
○
○
41
オオムラサキ
○
○
○
○
○
○
-
○
重要種選定除外*2
○
-
ギンボシヒョウモン本州亜種
○
-
-
42
キマダラモドキ
○
○
○
-
オオヒカゲ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
クロフシロエダシャク
○
-
-
重要種選定除外*2
-
クロフオオシロエダシャク
○
○
-
重要種選定除外*2
-
コウチスズメ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ヒメクロホウジャク
○
○
-
重要種選定除外*2
-
アカシャチホコ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
クロシタシャチホコ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
ウスチャヤガ
○
○
-
重要種選定除外*2
43
ギンモンアカヨトウ
○
-
○
○
44
キスジウスキヨトウ
○
○
○
-
シャクドウクチバ
○
○
-
1
スナヤツメ
○
○
2
ニホンウナギ
○
○
3
タナゴ
○
○
4
ドジョウ
○
-
○
○
5
ホトケドジョウ
○
○
○
○
○
○
○
○
6
メダカ南日本集団
○
○
ヒモハゼ
○
-
7
スミウキゴリ
8
アベハゼ
1
マルタニシ
-
○
○
2
オオタニシ
-
○
○
-
ウミニナ
3
ミズゴマツボ
○
○
-
サザナミツボ
○
-
-
-
マツシマコメツブガイ
○
-
-
4
コシダカヒメモノアラガイ
-
○
○
5
モノアラガイ
-
○
○
6
ヒラマキガイ属
-
○
○
-
○
○
○
特定評価書におけるメダカ
○
○
-
-
○
重要種追加種*2
-
○
-
特定評価書におけるウナギ
○
-
○
重要種選定除外*2
○
-
7
ヒラマキガイモドキ
-
サビシラトリガイ
○
-
-
重要種追加種*2
8
ヤマトシジミ
○
○
○
-
ハナオカカギゴカイ
○
-
-
重要種追加種*2
-
シダレイトゴカイ
○
-
-
重要種追加種*2
9
モリノカマカ
-
オサガニ
○
-
-
重要種追加種*2
-
スナガニ
○
-
-
重要種追加種*2
-
86(4-4-43)
○
○
表 4-4-19(7) 予測対象種の選定(動物)
区分
No.
底生動物
10
アカテガニ
11
アリアケモドキ
-
ムスジイトトンボ
-
ヤマサナエ
-
種名
特定評価書
事後調査
確認状況
確認状況
予測対
予測対
文献
現地 象種*1 現地 象種*1
○
-
-
-
○
備考
重要種追加種*2
○
○
-
重要種選定除外*2
○
○
-
重要種選定除外*2
ダビドサナエ
○
○
-
重要種選定除外*2
-
オジロサナエ
○
○
-
重要種選定除外*2
12
コオイムシ
○
○
13
タガメ
○
○
○
14
ゲンゴロウ
○
○
○
15
ミズスマシ
○
○
○
16
ガムシ
○
17
コガムシ
○
○
○
-
○
○
○
○
*1:○・・・予測対象種、-・・・予測対象外とした種
*2:重要種追加種/重要種選定除外・・・平成 25 年の宮城県レッドリスト更新により重要種となった種/外れた種
87(4-4-44)
(2) 予測対象外とした理由
予測対象外とした種の一般生態及び予測対象外とした理由を表 4-4-20(1)~(39)に示す。
文献調査及び現地調査結果と周辺の生息環境の現状から、対象事業実施区域及びその周辺に主な生
息地が存在しないと考えられる種については、事業の実施による個々の種の生息環境への影響はない
ことから、予測対象外とした。
表 4-4-20(1) 予測対象外とした種の概要(哺乳類:ニホンカモシカ)
項目
内容
選定基準
文化財:国指定特別天然記念物、福島県:注意(N)
、宮城県:要注目種
一般生態*1
頭胴長 70cm、体重 30~45kg、肩高 70~75cm。雄と雌に黒い円錐形の角があり、
形態で性別を見分けることは難しい。全身白色または灰色、灰褐色の毛に覆われる。
日本固有種で本州、四国、九州に分布する。近年、東北地方、中部地方を中心に分布
域が拡大している。しかし、四国、九州の個体群は生息状況が悪化している。
これまでは阿武隈山地以東の地域を除く県内全域に生息していると考えられていた
が、近年阿武隈山地でも生息が確認された。森林性の動物でたいていは単独で行動する
が、ペア(雄雌 2 頭)や家族群(ペア+子供の 3~4 頭)で観察されることもある。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の森林環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境
保全対策検討 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
表 4-4-20(2) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ヒメウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
雌雄同色でウミウよりひとまわり小さく、体全体が細く頭部から頸まで同じ太さに見
える。全身黒色で成鳥では青紫色の光沢がある。目の下側の皮膚は裸出している。成鳥
の夏羽は裸出部が鮮やかな赤褐色になり、頭頂と後頭部に冠羽を生じ、腰に白い三角斑
を生ずる。成鳥の冬羽では裸出部が紫色になる。幼鳥は褐色を帯びて光沢がない。
北部日本、福岡県沖ノ島で繁殖するという。千島列島では周年生息し、本州太平洋岸
のものは越冬個体である。
いわき市泉町の照島、同勿来町九面の勿来漁港には、ウミウに混じって生息してい
るが、いずれも数は少なく、ウミウの下位に位置する場所で休息している。ここの個
体群は日中広範囲に採餌に出ると思われる。双葉郡広野町の海岸でもテトラポット上
の個体が観察された。県内での繁殖は確認できない。本種はウミウに比べ外洋性の種
であるといわれるが、沿岸の岩礁地帯や内湾、港、河口にも入って採餌する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
88(4-4-45)
表 4-4-20(3) 予測対象外とした種の概要(鳥類:カラシラサギ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:情報不足(DD)
一般生態*1
日本では旅鳥又は稀な冬鳥として記録され、繁殖の記録はない。
海岸線の干潟や河口域に生息することが多く、魚などを採食する。他のサギ類と共
に集団繁殖地を形成する。
まれな旅鳥として一時的に飛来する。1990 年代から観察例があり、仙台市蒲生海
岸では繁殖期を通して観察された記録がある。
生息環境である海岸線の干潟や河口域はわずかしか残っておらず、また、河川の汚
濁や人間の生活廃棄物により環境の悪化が著しい。近年、アウトドアレジャーを楽し
む人たちが不用意に生息地に近づくなど、人の影響が懸念される。他のサギ類が形成
する集団繁殖地(コロニー)をねぐらや休息地と利用するために糞による悪臭や鳴き声
騒音、樹木成長阻害などの理由のため、住民にいやがられることがないとはいえず、
そのような場合はコロニーの安定性がそこなわれることも考えられる。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
表 4-4-20(4) 予測対象外とした種の概要(鳥類:クロツラヘラサギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
一般生態*1
繁殖地は東アジアのごく限られた地域のみで、個体数も少ない。宮城県にはまれな
旅鳥として渡来する程度であるが、本種が生息できる環境を維持することは環境の多
様性とそれに依存している種の多様性を維持する上で重要である。
冬鳥又は旅鳥として日本に渡来する。九州北部の干潟や河口では毎年定期的に渡来
するが、繁殖地は東アジアのごく限られた地域のみで世界的に数が少ない。
まれな旅鳥として一時的に飛来する。仙台市蒲生海岸、鳴瀬町鳴瀬川河口、亘理町
鳥の海といった干潟環境で 1991 年にのみ観察されている。
生息環境である海岸線の干潟や河口域はわずかしか残っておらず、また、河川の汚
濁や廃棄物などによる生息環境の悪化が著しい。近年、アウトドアレジャーを楽しむ
人たちが不用意に生息地に近づくなど、人の影響が懸念される。
予測対象外
とした理由
文献*1、2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
89(4-4-46)
表 4-4-20(5) 予測対象外とした種の概要(鳥類:コクガン)
項目
内容
選定基準
文化財:国指定天然記念物、環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
ガン類の中では最も小さく、マガモより少し大きい。雌雄同色。頭から頸・胸は黒
色で、腹はやや色が淡く白色の横斑がある。喉に白色の首輪状の横縞があるが、大き
さには個体差がある。頸は比較的短い。脇、下腹部、上尾筒、下尾筒は白い。嘴と足
は黒い。若鳥の上面には淡色の横縞があり、喉の白斑のないものもいる。
極北部で繁殖し、日本には冬鳥として渡来する。宮城県蒲生海岸までは渡来する。
県内の観察例は、いわき市錦町の蛭田川河口(1982 年 12 月 12、18 日)
、小名浜
三崎公園の岩礁(2000 年 2 月 6 日)で確認されている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
表 4-4-20(6) 予測対象外とした種の概要(鳥類:シロチドリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
海辺に多いチドリ類。日本全国で普通に繁殖し、北海道では夏鳥、本州以南では主
に留鳥である。
川の下流や海岸に棲息し、繁殖期には砂礫地や砂地のところでややコロニー状に集
まって営巣し、非繁殖期には大きな群れで干潟や砂浜で生活することが多い。餌をと
る時は立ち止まって辺りの地面を注視し、小動物を見つけるとかけ寄ってそれをつい
ばみ、また 2、3 歩歩いて立ちどまって次の餌を探す。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
90(4-4-47)
表 4-4-20(7) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ハマシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
ユーラシアと北米大陸の寒帯で広く繁殖し、日本には旅鳥または冬鳥として全国に
数多く渡来する。
日本では他のシギ類よりも遅く 10 月頃から個体数がふえ、そのまま冬を越して 5
月頃、北方の繁殖地へ渡去する。しかし、日本を春秋に通過するだけの個体もある。
海岸の干潟に多く、ところによっては数千羽の大群も見られる。内陸の湿地にはほと
んど入らないが、川岸には小群が現れることがある。危険を感じると飛び立って、密
集した群れで飛び回る。繁殖期には丈の低い草の生えたツンドラ地帯に棲息し、地上
に営巣して 4 卵を産む。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
表 4-4-20(8) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ヘラシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
繁殖地が極東の北部のみと非常に狭く、個体数も多くない。宮城県にはまれな旅鳥
として渡来する程度であるが、本種が生息できる環境を維持することは環境の多様性
とそれに依存している種の多様性を維持する上で重要である。
旅鳥として日本を通過するが、稀に越冬の記録もある。干潟に生息しトウネンなど
の群れに混じって見られることが多い。渡りの時期の渡来数は全国で多くても数十羽
程度と推定され、渡来する個体数は減少していると考えられている。
まれな旅鳥として秋の渡りの時期に見られる。仙台市蒲生海岸より南の干潟や海岸
線波打ち際で記録されているが、少ない。
主な生息環境である干潟や海岸線は、人の影響を受けやすい不安定な所であるた
め、環境の維持が重要である。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
91(4-4-48)
表 4-4-20(9) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ツルシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
一般生態*1
シギ類では中型の種類で、アカアシシギやキアシシギに似るが、頸部及び足は長くツ
ル類を連想させる。嘴は細く棒状で基部は赤い。体色は夏羽ではすすけた黒色、冬羽は
全体に灰白色で灰褐色の斑紋がある。足は赤い。
ほぼ全国的に渡来し、太平洋岸の干拓地、干潟、塩田などで見られるが、まれに山地
の湖沼、湿原などに姿を見せる。
福島県内には 3 月下旬頃渡来し、秋期 9 月頃に再び渡来する。本県では相馬市松川浦
及びいわき市鮫川河口での確認例があるだけで、繁殖確認例はない。渡来地は海岸の干
潟やかっての塩田跡など半鹹水地域で、国内では秋よりも春の方が渡りの数が多い。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
表 4-4-20(10) 予測対象外とした種の概要(鳥類:オオソリハシシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
ユーラシア大陸とアラスカの一部の寒帯で繁殖し、日本には旅鳥として春秋に普通
に渡来する。春の方が渡来数が多い。
日本では 4~5 月と 7~11 月頃、主に河口や海辺の干潟で数十羽の群れが見られる。
泥の上や浅い水中を歩きながら、長いくちばしを泥の中に垂直に突き立てて、主にゴ
カイを捕える。繁殖地はツンドラ地帯に棲息し、乾いた草地に営巣する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
92(4-4-49)
表 4-4-20(11) 予測対象外とした種の概要(鳥類:セイタカシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
一般生態*1
名前のとおり背が高く、ピンクの足は非常に長い。雄の夏羽では頭上から後頸は黒く、
体の上面は緑色光沢のある黒で、残りは白い。まっすぐで黒い嘴は長い。雌は背や翼に
褐色味があり、頭部は白い。近年までのガイドブックには国内の繁殖例の記載はなく、
非常にまれな旅鳥または迷鳥と書かれてある。
「ケッ、ピューイッ、ピューイッ」と鳴
く。
東京湾周辺や愛知県で繁殖し、他では旅鳥。ユーラシア中部・アフリカ・インド・東
南アジアその他で繁殖。
本県における確認報告は非常に少ない。
1980 年から 85 年にかけていわき市海岸で数
例、1994 年 5 月、郡山市。1999 年 4 月相馬市。同年 6 月矢吹町での確認例のみであ
る。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
表 4-4-20(12) 予測対象外とした種の概要(鳥類:オオアジサシ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
海岸で生活するアジサシ類で、海上をゆっくり羽ばたいて飛び回り、低空飛翔から
水面に舞い下りたり、一直線にダイビングして魚やイカを捕らえる。繁殖期には海岸
や小島の砂浜、岩礁にコロニーを作って繁殖する。日本国内で繁殖している個体数は
少ないと思われる。巣は砂地を少し掘り固めるか岩の上をそのまま使い、巣材はまっ
たく使わないか少量の枯れ草を敷く。
産卵期は 5~6 月、卵数は 1~2 個、オス、メスともに抱卵し、抱卵日数は 21~23
日位である。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
93(4-4-50)
表 4-4-20(13) 予測対象外とした種の概要(鳥類:コアジサシ)
項目
内容
選定基準
種の保存法:国際希少野生動植物種、環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
アジサシよりひとまわり小さい小型のアジサシ。雌雄同色で夏羽では額が白く頭上
から後頭にかけて黒い。背と翼の上面は、淡青灰色で上尾筒、尾、体の下面は白い。
嘴は黄色で先端部は黒く、足は橙黄色。尾は凹尾で切れ込みは深い。飛翔時は翼下面
が一様に白く、外側初列風切は黒い。
「キリッ、キリッ」と鳴く。近似種のアジサシ
は大きく、背や翼の上面の色が濃く、夏羽は頭上全部が黒い。
夏鳥として本州以南に渡来し、繁殖する。海岸、岸、河口、河川、埋め立て地等に
コロニーをつくる。東南アジアで越冬する。
浜通りの鮫川河口、夏井川河口海岸、相馬松川浦、中通りの阿武隈川、会津阿賀川
河川敷で生息が確認されていたが、営巣することはごくまれとなった。河口、河川敷、
海岸でコロニーをつくるため人や車の侵入のない安全地帯が必要である。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
表 4-4-20(14) 予測対象外とした種の概要(鳥類:マダラウミスズメ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
一般生態*1
夏季に北海道東部で稀に出現。冬季には北海道の沿岸などで観察され、九州や沖縄、
伊豆諸島などでも記録がある。北海道の藻琴山麓で繁殖が確認されているが、詳しい
ことは不明。北太平洋に広く分布。オホーツク海沿岸やアラスカ半島、ブリティッシ
ュ・コロンビア州などで繁殖。最近、遺伝学的な手法により、日本やロシアで見られ
る亜種を別種とする学説が出されている。
樹木の枝のくぼみなどに営巣し、これまでに巣は数えるほどしか見つかっていな
い。高齢の針葉樹を好み、時に内陸に数十 km も入ったところに営巣することもある。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本動物大百科 3 鳥類Ⅰ」
(平成 8 年、平凡社)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
94(4-4-51)
表 4-4-20(15) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ウミスズメ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
一般生態*1
越冬期には岸から数キロ位の沖合いの海上で、数羽から数十羽の群れが見られる。
海岸で見られることは少ないが、その機会に恵まれれば、あまり人を恐れないのです
ぐ近くで観察することができる。活発に海へ潜り、小魚、甲殻類、貝類などを捕まえ
て餌とする。海面から飛び立つ時はかなりの距離を助走する。
繁殖期には島の草地に浅い穴を掘って巣とし、普通 2 卵を産む。日本国内の繁殖地
では個体数が少ないが、北方の繁殖地では大きなコロニーを作る。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成 14 年 宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
表 4-4-20(16) 予測対象外とした種の概要(鳥類:コシアカツバメ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
ツバメより大きくて尾が長く見える。雌雄同色で色彩はツバメに似ているが、喉の
黒帯はなく、頭から背は光沢のある黒色。目の後方から後頸は赤褐色。翼と尾羽は黒
く、腰は赤褐色。耳羽には赤味があり、黒褐色の縦斑がある。喉から腹までは淡い橙
褐色を帯びた白色で、黒色の細い縦斑がある。胸側と脇腹には橙色味がある。下尾筒
は黒い。
熱帯から温帯に繁殖地を持つ。夏鳥として渡来し、西日本の暖地に多い。近年北海
道でも繁殖が確認された。
東白川郡棚倉町では古くから記録があるが、他からの記録は乏しかった。いわき市
四倉町では繁殖が毎年観察されている。いわき市の海岸に沿った町並みには、古巣が
壊された痕跡が多数見られ、人為的な巣の破壊が行われたことを示している。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
95(4-4-52)
表 4-4-20(17) 予測対象外とした種の概要(鳥類:マミジロ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
ほぼムクドリ大。雄は全身が黒く、白い眉斑が目立つ。雌は上面がオリーブ褐色で
黄白色の眉斑がある。下面は白く、オリーブ褐色の縁取りが斑になって見える。嘴は
黒い。さえずりは単調な「キョロン、チリリ」の繰り返しで、早朝と夕方に聞かれる
ことが多い。姿は意外と見つけにくい。
日本には夏鳥として渡来。本州中部以北の森林で繁殖するが個体数は少ない。東南
アジアで越冬する。
中通り(奥羽山系)と会津地方の山地帯から亜高山帯のよく繁った落葉広葉樹林、針
広混交林、針葉樹林に生息するが、個体数は少ない。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の森林環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の森林環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
表 4-4-20(18) 予測対象外とした種の概要(鳥類:ノジコ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
、宮城県:要注目種
一般生態*1
夏鳥として渡来し、清流のある明るい広葉樹林に生息し、繁殖するがやや局地的で
ある。雄は、高い樹上でさえずるホオジロ科の中ではさえずりのテンポは速いが、な
かなかの美声の持ち主である。さえずりの時以外は容易に姿を見ることはできない。
背は灰緑色と黒の縦縞、下面は硫黄色で脇にわずかに灰緑色の縦斑がある。近似種の
アオジはやや大きくまた、嘴の基部の黒色も濃くはっきりしている。
本州中部から東北部に夏鳥として渡り、繁殖するが、局地的である。冬期は本州南
部から更に南へ渡り越冬する。
高原や亜高山帯下部の清流のある広葉樹林に生息し、繁殖する。吾妻山系の標高
600m付近の林地、裏磐梯高原、駒止湿原、尾瀬などで分布は広い。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は渡りの最中と考えられ、山麓の森林環境が本種の生息適地
と考えられるが、対象事業実施区域から離れているため、対象事業実施区域及びその
周辺は、本種の主な生息地に含まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年 宮城県)
96(4-4-53)
表 4-4-20(19) 予測対象外とした種の概要(爬虫類:アカウミガメ)
項目
内容
選定基準
種の保存法:国際希少野生動植物種、環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、
福島県:希少(D)
、宮城県:情報不足(DD)
一般生態*1
背甲は褐色で長さ約 1m、腹甲板は黄色を帯びる。肋甲板数は 5 枚。頭部が他のウ
ミガメと比較して大きい。四肢はひれ状、前肢の爪は普通左右 2 対あるが、成体では
摩耗して 1 対になることが多い。
日本には産卵のために一時的にやってくる。福島県・石川県以南の本州、四国、九
州琉球列島で産卵がみられる。
産卵のために上陸した記録があるのは、いわき市の勿来海岸と永崎海岸、四倉海岸
のみである。その中で自然孵化が観察されているのは勿来海岸のみで、最近では 2001
年 6 月末の産卵、8 月末の自然孵化が確認されている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県の両生類・は虫類」
(平成 12 年、宮城野野生動物研究会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調
査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(20) 予測対象外とした種の概要(両生類:カジカガエル)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
頭胴長 40~80mm、体色は茶褐色から灰白色、背中全面をまだら模様が覆う。イ
ボガエルとは背中にイボがないことや四肢に吸盤があることなどで見分けられる。
本州、四国、九州に分布する。
県内全域の山間部で生息が確認されている。川幅の広い渓流や湖及びその周辺の森
林や崖等に生息している。繁殖期は 4~8 月、繁殖は渓流中でおこなわれ、卵塊は岩
の下に産み付けられる。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の河川・池沼環境で確認された。また、平成 24 年の現地調
査(春季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の河川・池沼環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事
業実施区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息
地に含まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
97(4-4-54)
表 4-4-20(21) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:ハマスズ)
項目
内容
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
日本では主に砂浜海岸に生息する種。
北海道以南、国外ではウスリー・モンゴル等に分布。
おもに仙台湾海浜地帯。
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(22) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:ヤマトバッタ)
項目
内容
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北海道・四国・九州に分布。
砂浜海岸とその周辺。
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(23) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:スナヨコバイ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
海岸砂丘に生育するコウボウムギに生息する。国内では北海道と本州に分布する
が、産地は局限される。
近年の海岸砂浜植生の縮小・消滅によって、個体数は減少し、絶滅した産地もある。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック 5 昆虫類」
(平成 18 年、環境省)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
98(4-4-55)
表 4-4-20(24) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:カワラハンミョウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態*1
体長 14~17mm。上翅は緑銅色をしており、白色の斑紋を有する。福島県内には、
本種の他に 8 種のハンミョウが生息しているが、上翅の白色斑紋の形状から、他種と
の判別は難しくはない。
北海道、本州、四国、九州に分布しているが、海浜環境の悪化により、全国的に減
少傾向にある。
海浜性のハンミョウで、もともとの個体数が少ない。今のところ分布が確認されて
いるのは、いわき市の海岸部だけである。近年、個体数がさらに減少しつつある。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(25) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:ヒョウタンゴミムシ)
項目
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
内容
宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道・本州・四国・九州、;朝鮮半島、中国に分布する。
海岸砂地に生息する。
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(26) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:オサムシモドキ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
一般生態*1
体長 20~24mm。体の光沢が鈍いことや前胸の形が特異な 5 角形をしているので、
識別は容易である。
北海道、本州、四国、九州に分布している。
いわき市と楢葉町から見いだされており、いずれも砂浜の石下から得られている。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「仙台湾海浜県自然環境保
全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
99(4-4-56)
表 4-4-20(27) 予測対象外とした種の概要(スナサビキコリ)
項目
選定基準
内容
宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、海岸(砂浜)で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(28) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:キイロテントウゴミムシダマシ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
一般生態*1
体長 3mm 前後。体は半球形をしており、体全体が光沢のある黄赤褐色を呈してい
る。
本州と九州から生息が確認されているが、その分布は局地的である。
いわき市と相馬市の海岸部から見いだされている。相馬市では、河川河口部の広大
なヨシ原において、落葉層や枯茎から多数の個体が発見された。
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
表 4-4-20(29) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:トビイロヒョウタンゾウムシ)
項目
選定基準
一般生態*1
予測対象外
とした理由
内容
宮城県:準絶滅危惧(NT)
宮城県が分布北限の種。
本州(宮城県以南の太平洋岸)から沖縄までに分布する。
海岸の砂地に生息する。
文献*2 によると、海岸で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
100(4-4-57)
表 4-4-20(30) 予測対象外とした種の概要(昆虫類:ギンボシヒョウモン本州亜種)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態*1
ウラギンヒョウモンに似るが、本種は後翅裏面の亜外縁に銀色紋列が発達している
こと、その内側に褐色紋列がないことで区別は容易である。
国内では、北海道、本州び分布し、本州では高地に生息する。国外では、ヨーロッ
パからシベリア、朝鮮半島まで広く分布。
県内では、奥羽山脈の 700~800m以上の高地から西の地方に分布し、阿武隈山地
からの記録はない。本種は、開けた高原の草原や谷川沿いの林道などの花にも集まる。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、山地の草地環境で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地の草地環境は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
表 4-4-20(31) 予測対象外とした種の概要(魚類:ヒモハゼ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
最大全長 6cm。頭は小さくやや側扁し、体はかなり細長くやや側扁した円筒形。体
側に 1 黒色縦帯が走る。国内では青森県から宮崎県の太平洋、富山県から対馬・五島
列島を経て鹿児島県までの日本海・東シナ海、瀬戸内海、有明海などの沿岸、種子島、
屋久島、奄美大島、西表島、国外では朝鮮半島、渤海、黄海に分布。前浜干潟や河口
干潟の砂底に掘られたニホンスナモグリなどの生息孔に生息。主な減少要因は埋め立
て、河川改修、護岸整備、水質汚染。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、鳥の海(汽水湖)で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された汽水湖や河口付近の汽水域は本種の生息適地と考えられるが、対
象事業実施区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な
生息地に含まれていないと考えられる。
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 汽水・淡水魚類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(32) 予測対象外とした種の概要(底生動物:ウミニナ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
一般生態*1
北海道から九州のおもに太平洋岸に分布し、河川水の影響する内湾や河口に棲息す
る。
ホソウミニナと混棲することも多く、この場合は概ねウミニナの方が陸側(潮位の
高い方)に偏って棲息する。
予測対象外
とした理由
文献*2 によると、鳥の海(汽水湖)で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された汽水湖や河口付近の汽水域は本種の生息適地と考えられるが、対
象事業実施区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な
生息地に含まれていないと考えられる。
【出典】*1:
「日本産淡水貝類図鑑②汽水域を含む全国の淡水貝類」
(平成 16 年 ピーシーズ)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
101(4-4-58)
表 4-4-20(33) 予測対象外とした種の概要(底生動物:サザナミツボ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
一般生態
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、河口部で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された河口部は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から
離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれてい
ないと考えられる。
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(34) 予測対象外とした種の概要(マツシマコメツブガイ)
項目
選定基準
内容
宮城県:情報不足(DD)
一般生態
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
予測対象外
とした理由
24 年の現地調査(春季・夏
季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された干潟や海岸環境が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施
区域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含
まれていないと考えられる。
文献*1 によると、潟湖干潟で確認された。また、平成
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(35) 予測対象外とした種の概要(底生動物:サビシラトリガイ)
項目
選定基準
一般生態
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
文献*1 によると、海岸で確認された。また、平成
予測対象外
とした理由
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(36) 予測対象外とした種の概要(底生動物:ハナオカカギゴカイ)
項目
選定基準
内容
宮城県:情報不足(DD)
一般生態
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
予測対象外
とした理由
24 年の現地調査(春季・夏
季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された干潟が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
文献*1 によると、潟湖干潟で確認された。また、平成
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
102(4-4-59)
表 4-4-20(37) 予測対象外とした種の概要(底生動物:シダレイトゴカイ)
項目
内容
選定基準
宮城県:情報不足(DD)
一般生態
(※ 一般生態に関する既存文献なし)
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、潟湖干潟で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された干潟が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(38) 予測対象外とした種の概要(底生動物:オサガニ)
項目
内容
選定基準
宮城県:情報不足(DD)
一般生態*1
松川浦では、ヤマトオサガニと共に、北部干潟泥砂中に住む。暖地性のものでトウ
ホクには珍しい存在である。ただし、松川浦が北限かどうかは詳かでない。
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、干潟で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)
及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された干潟が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区域から離
れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含まれていな
いと考えられる。
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
表 4-4-20(39) 予測対象外とした種の概要(底生動物:スナガニ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
一般生態
砂浜にも僅か見出されるが、外洋砂浜・鵜尾岬から大州の砂浜に巣穴(直下坑型で
あるが、又分岐するものも多い)に住み、無風の日中は穴から出て砂上で活動する。
暖地海浜に普通見られるが仙台付近には居らず、松川浦から阿武隈河口の間にこの種
の北限界があると思われる。
予測対象外
とした理由
文献*1 によると、海岸(砂浜)で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)及び平成 25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸(砂浜)が本種の生息適地と考えられるが、対象事業実施区
域から離れているため、対象事業実施区域及びその周辺は、本種の主な生息地に含ま
れていないと考えられる。
【出典】*1:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
103(4-4-60)
4.5 予測結果
(1) 哺乳類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な哺乳類についての予測結果
を表 4-4-21(1)~(3)に示す。
表 4-4-21(1) 重要な哺乳類の予測結果(ヒナコウモリ科 sp.)
項目
選定基準
一般生態*1
(ヤマコウモリ)
生
息
情
報
一般生態*1
(ヒナコウモリ)
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
ヤマコウモリ・・・環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
ヒナコウモリ・・・福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
前腕長57~66mm、頭胴長89~113mm、尾長51~67mm、体重35~60g で、
ヒナコウモリ科の中では大型のコウモリである。光沢のある茶褐色の体毛をもつ。
北海道、本州、四国、九州、隠岐、対馬や朝鮮半島、中国東部に分布している。
しかし、近年は本州中部以南での生息の報告がない。
樹洞をねぐらとするが、
以前生息していた会津坂下町台の宮公園のケヤキの樹洞
や白河旭高校のサクラの樹洞では生息が確認できず、
新たな生息地が見つかってい
ない。
前腕長 47~54mm、頭胴長 68~80mm、尾長 35~50mm、体重 14~30g、黒
褐色系の体毛に先端の白っぽい刺し毛が多数混ざり、霜降り状に見える。
シベリア東部、中国東部、台湾、日本に分布する。日本では、北海道、本州(中
国地方を除く)、九州からの捕獲記録があるが、繁殖地の確認は少ない。
県内では1970 年代に湯川村に集団繁殖地が確認されていたが、現在は生息が確
認されていない。2000 年以降檜枝岐村、尾瀬、福島市、安達郡東和町で捕獲され、
福島市と東和町ではねぐらが確認された。なお、陸橋や新幹線の高架橋をねぐらと
している福島市の集団が繁殖していることも確認された。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においても、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の河
川・池沼・水田・耕作地・市街地環境の計 13 箇所で生息が確認され、そのうち 1
箇所は改変区域、3 箇所は対象事業実施区域内、9 箇所は対象事業実施区域外であ
った。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・水田・耕作地・市街地環境は、
生息地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地
及び低地の森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高架、
測 及び供用による影響 盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同
①鉄道施設(地表式又は掘 様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】
*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成15年、
福島県)
104(4-4-61)
表 4-4-21(2) 重要な哺乳類の予測結果(ニホンザル)
項目
内容
選定基準
福島県:注意(N)
頭胴長 53~60cm、体重 10~18kg、雄は雌より大きい。尾長は7~10cm であ
る。近年、野生化して問題となっているタイワンザルは、尾長が 40~66cm と本
種より長い。
本州、四国、九州、金華山島、淡路島、小豆島、屋久島などに分布する日本固有
種で、東北地方の分布は戦前の狩猟圧が原因で分断されている。屋久島に生息する
のものをヤクシマザル(M.f.fuscata ) とし,本土に生息するホンドザル
(M.f.fuscata ) と別亜種にして区別する。
県内では、浜通り北部に原町個体群、会津地域と中通り北部にかけて南奥羽・飯
豊・朝日個体群、只見個体群、日光志賀個体群の4地域個体群が確認されており、
特に原町個体群は孤立した個体群とされる。近年、すべての個体群において分布域
の拡大が顕著である。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
予 土地又は工作物の存在
切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
測 及び供用による影響
境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】
*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳類)」
(平成15年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保
全対策検討 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
105(4-4-62)
表 4-4-21(3) 重要な哺乳類の予測結果(カヤネズミ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
頭胴長50~80mm、尾長61~83mm、後足長14~16.7mm、体重7~14g であ
る。背面の毛の色は暗褐色で腹面の色は白色である。アカネズミ属に似るが、小型
で吻と耳介が小さい。尾は長く先端の上面は裸出していて、物に巻き付けることが
できるので、イネ科植物などに登って地上1m ぐらいのところに球形の巣を作る。
本州、四国、九州、壱岐及び対馬などに分布し、同一種が大陸の旧北区に広く分
布する。
福島市、伊達郡伊達町の阿武隈川河川敷草地などで確認されている。また、猪苗
代町でもカヤネズミのものと思われる球巣が確認された。
成獣が確認された太平洋
側の北限は、現在は宮城県丸森町の阿武隈川河川敷で、海岸部では原町市の新田川
河口が最北地である。成獣の捕獲が大変困難で、生息情報が少ない。
本州の太平洋側では宮城県以南、日本海側では新潟県・石川県以南、四国、九州、
隠岐諸島、淡路島、対馬などに分布する。低地から1,200m あたりまで広く分布す
る。通常、低地の草地、水田、畑、休耕地、沼沢地などのイネ科やカヤツリグサ科
植物が密生し、水気のあるところに多い。球形の巣を作り、巣材にはススキ、チガ
ヤ、エノコログサ、スゲ類などを用いる。巣のある高さは70~110cm で、晩春と
初冬に低く、夏~秋は高い位置にある。繁殖期は大部分の地域で春と秋の年 2 山
型であるが、まれに夏にも繁殖する。1 回に生まれる仔の数は2~8 頭で、平均5.4
頭である。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地及び低地の水田環境の計
4 箇所で生息が確認され、そのうち 1 箇所は対象事業実施区域内、3 箇所は対象事
業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の水田環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地・
水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地・水田・耕作地環境の改変面積は小さく、
同様の環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草
予 土地又は工作物の存在
地・水田・耕作地環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積
測 及び供用による影響
は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「日本の哺乳類〔改訂版〕
」
(平成 17 年、東海大学出版会)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台
湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
106(4-4-63)
(2) 鳥類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な鳥類についての予測結果を
表 4-4-22(1)~(55)に示す。
表 4-4-22(1) 重要な鳥類の予測結果(ヨシゴイ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
サギ類中もっとも小さい。雄は頭上が黒く、体は黄褐色。飛ぶと風切が黒く、雨
覆が黄褐色のためジャノメの異名がある。雌は頭上が赤褐色、下面に不明瞭な褐色
縦斑がある。幼鳥は下面は白く、黒褐色の縦斑がある。ヨシ原の中で「オー、オー」
と鳴き、飛び立つときに「カカカッカッ」という声を出す。
夏鳥として全国に渡来し、ヨシ原、水田、沼地、湖沼、河川などに生息し、マレ
ーシア等で越冬する。
全県的に夏鳥として渡来し、水辺に生育する。中通りでの確認情報が多い。ヨシ
原などに入っていると体色体型が保護色となり見つけにくい。
飛び立つとフワフワ
した飛翔とコントラストのあるジャノメがよく目立つ。
文献調査*2 によると、低地の池沼環境や海岸で確認された。また、平成24 年の現
地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境や海岸は、生息地として利用されていると考え
られ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境は
対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極
影 ③造成等の施工による一
力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道新地~山元自然環境調
査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
107(4-4-64)
表 4-4-22(2) 重要な鳥類の予測結果(オオヨシゴイ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠA 類(CR)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
ヨシゴイより少し大きい。雄は頭上が黒く、背は栗色、雨覆は黄灰色で風切は灰
黒色、下面は白っぽくて喉から胸の中央に1本黒線がある。雌は背と雨覆に白点が
散在し、下面は白くて縦斑がある。ヨシゴイに似て「オー、オー」と鳴く。草の中
で敵に向かって首を伸ばし、じっとする習性がある。
本州中部以北から北海道に渡来し、局地的に繁殖する。フィリピン、マレーシア
で越冬する。
県内全域に生息していることになっているが、
確認情報は中通りの水辺からだけ
で、1970 年頃から減少し、最近では 1998 年5月、7月に矢吹町で3例の確認情
報があるだけである。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・
湿地環境は広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
影 ③造成等の施工による一
る計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境
測
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
108(4-4-65)
表 4-4-22(3) 重要な鳥類の予測結果(ササゴイ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
ゴイサギより少し小さく、頭上黒色、背と羽覆は青緑色の光沢のある黒褐色。風
切りは黒褐色。下面は淡い紫灰色、ゴイサギの目は赤いのに対し、本種は黄色で、
足も黄色い。ゴイサギの冠羽は白いが、本種は黒い。飛翔中はゴイサギより首が長
めに見える。喉から体下面は白く、褐色の縦斑が明瞭である。主に夜間「キュウ」
または、
「ピュウ」という声で飛びながら鳴く。
夏鳥として九州から本州に渡来、小さなコロニーを作って繁殖する。オーストラ
リアやアフリカでも越冬する。
県内全域に渡来するが、1980 年後半から減少傾向になり、平成に入ると営巣木
となるアカマツの松くい虫被害による伐採や森林開発やカラスの増加により各地
で減少に拍車をかけ、最近の確認報告は郡山市を中心にしたものが多い。
日本には夏鳥として 4 月頃から渡来し、本州から九州の各地で繁殖する。九州
南部では冬にもとどまるものがいる。現在では著しく数が減っている種である。水
田、湖沼、河原、ヨシ原など低地や平地の水辺に生息する。時には海岸でも見られ
る。水田や河原など見通しの良い場所で魚、カエル、アメリカザリガニ、水生昆虫
を食べる。水辺近くのカワヤナギ、雑木林、マツ、スギなどの樹上に巣をつくる。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路2 箇所で生息が確認
され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、1 箇所は対象事業実施区域外であっ
た。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水路は餌場として利用されていると考えられ、本種の主
な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極
影 ③造成等の施工による一
力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
109(4-4-66)
表 4-4-22(4) 重要な鳥類の予測結果(チュウサギ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:希少(D)
いわゆるシラサギと言われるサギの一種。大きさはダイサギとコサギの中間。目
先が黄色である点が青緑色であるダイサギやコサギと異なる。
夏羽では嘴が黒いが
冬羽では全体が黄色でその先端が黒いことが多い。体はコサギより大きいが、嘴の
長さはコサギより短い。コサギの足指は黄色だが、チュウサギはダイサギと同じで
足指は黒い。
アフリカ、アジア、オーストラリアなど広く分布する。日本には夏鳥として渡来
し本州から九州まで各地で繁殖する。
水田や湿地で生活。松林、雑木林、竹やぶ等でダイサギ、コサギ、アマサギ、ゴ
イサギ等とともにいわゆるサギ山を形成し、集団繁殖する。各地で確認されている
が、数はきわめて少ない。
日本には夏鳥として渡来し、本州から九州までの各地で繁殖する。冬は南方に渡
去するが、西南日本や琉球諸島では越冬する個体もいる。平地の水田や湿地、時に
は大きな川に生息する。ほかのサギ類と一緒にマツ林、雑木林などの樹上で集団繁
殖することが多い。昼行性で浅瀬を静かに歩きながら餌を探し、昆虫類、クモ類、
ドジョウやフナなどの魚類、アメリカザリガニなどの甲殻類、カエルなどの両生類
を食べる。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田・耕作地環境の計40
箇所で生息が確認され、
そのうち1 箇所は改変区域、
11 箇所は対象事業実施区域内、
28 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の湿地・水田・耕作地環境は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河
川・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、河岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
影 ③造成等の施工による一
計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道新地~山元自然環境調
査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
110(4-4-67)
表 4-4-22(5) 重要な鳥類の予測結果(マガン)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
内容
国指定天然記念物、環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:希少(D)
、
宮城県:要注目種
ヒシクイより小型、体は灰褐色で背には淡色の横斑があり、腹に不規則な黒色の
横縞がある。下尾筒と上尾筒は白く、嘴の基部の周囲は白い。足は橙色。非常によ
く似たカリガネは小さい。
「カハハン、カハハン」
「クワワン、クワワン」とよく透
る声で飛翔中でも地上でもよく鳴く。群れの時は「ガガガ」という声もだす。
冬鳥として渡来するが、伊豆沼、蕪栗沼、片野鴨池、琵琶湖、宍道湖が大規模渡
来地。シベリア北部で繁殖。
従来は県内にも多く見られたらしいが、戦後の田園開発に伴い、渡来数は激減。
その大部分は伊豆沼に渡来するため、本県に飛来するものは少ない。しかし、1977
年2 月に相馬市松川浦に群れで飛来し、それから毎年数例の小群の報告があるが、
2001 年2 月、郡山市近郊に最大71 羽の群れを確認している。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
影 ③造成等の施工による一
としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
測
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮
城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
111(4-4-68)
表 4-4-22(6) 重要な鳥類の予測結果(ヒシクイ)
項目
内容
選定基準
国指定天然記念物、環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
宮城県に渡来する個体群は増加しているが、
安全と考えられるやぐらや餌場とな
っている水田地帯など生息可能な環境が限定される。
積極的な生息環境の保全が図
られないと渡来規模の縮小の可能性がある。
冬鳥として渡来し、東北地方北部以北では旅鳥。主な越冬地は局地的であり、宮
城県、新潟県、石川県、鳥取県などが知られている。日本には 2 亜種が渡来し、
亜種ヒシクイはほとんどが宮城県伊豆沼周辺で越冬する。
広い水域で夜を過ごし、日中は水田地帯で採食していることが多い。渡来数は亜
種オオヒシクイの1/4 程度である。
冬鳥として県北平野部で普通に見られる。伊豆沼、蕪栗沼をねぐらとし、主に周
辺農耕地で観察される。
ヒシクイを始めガン類の生息には、休息に適した安全な場所と、妨害を受けにく
い採食に適した広い農耕地や草地、湿草地を必要とする。現在、県内には休息地と
して伊豆沼湖沼群や蕪栗沼、化女沼など安全な広い水域が残されている。しかし、
主な採餌地である休息地周辺の水田地帯は、農業をめぐる社会環境の変化を受け
て、広い農道や住宅、工場建設などの開発により、広い一続きの水田地帯の細分化
が進んでおり、ガン類の生息にとって直接の脅威となっている。また、限られた地
域に多数のガン類が集中するため、
病原性細菌の集団感染などにより一挙に個体数
が減少する危険もはらんでいる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環
境は広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極
影 ③造成等の施工による一
力抑える計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
112(4-4-69)
表 4-4-22(7) 重要な鳥類の予測結果(オシドリ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
カモ類の中では小型で、夏羽の雄ではオレンジ、紫、緑など派手な色で、銀杏羽
が特徴的。雌と冬羽(エクリプス)の雄は灰褐色。繁殖期はおもに本州中部以北、
非繁殖期には沖縄から北海道まで分布する。
針葉樹人工林の増加により主要な食物
であるドングリのなる樹種の減少や越冬地となる水域の減少など生息環境が悪
化・減少している。越冬数は 2 万羽前後であるが、繁殖期の生息数に関する資料
は少ない。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
山間の渓流や山地の湖などに棲息し、開けた水面に出ることは好まず、木陰に隠
れるようにしていることが多い。他のカモ類よりもよく木にとまり、木の枝の上を
ねぐらとする。主に植物質のものを餌とし、いろいろな草木の実を食べるが、特に
カシ類、ナラ類などのどんぐりを好む。水棲昆虫など動物質のものも食べることが
ある。繁殖期には水辺の林の樹洞に営巣するが、巣箱もよく利用し、水辺からかな
り離れたところの樹洞に営巣することもある。市街地の公園で繁殖した例もある。
穴の中には枯れ草で皿型の巣を作り、自身の羽毛を敷く。
産卵期は 4~7 月、卵数は 4~12 個、抱卵日数は 28~30 日くらいである。孵
化したヒナはすぐに歩くことができ、巣穴から跳び下り、親鳥に導かれて水辺に向
かう。
越冬期には数十羽から数百羽の群れを作ることもあり、
公園の池などにも現れる
ほか、稀に海にも出る。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境は広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
影 ③造成等の施工による一
る計画としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
測
及び供用による影響 を高架構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
①鉄道施設(地表式又は掘 広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト附属説明資料-鳥類-」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
113(4-4-70)
表 4-4-22(8) 重要な鳥類の予測結果(トモエガモ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
全長約40cm で、コガモよりやや大きい。雄の顔には黄白色に緑黒色の巴形に似
た斑紋があるのでこの名がある。雌は褐色で黒い斑紋があり、嘴基部の羽毛に白い
円斑があるのが特徴。
東シベリアで繁殖し、朝鮮半島・日本・中国で越冬。淡水湖沼性。
中通りは主に阿武隈川と周辺の池や沼。
浜通りではダム湖や川などで観察されて
いる。会津地方でも川や湖、沼などで1~数羽の小群で観察されることが多い。
文献調査によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24 年
の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
影 ③造成等の施工による一
としている。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
測
及び供用による影響 構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
①鉄道施設(地表式又は掘 される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
114(4-4-71)
表 4-4-22(9) 重要な鳥類の予測結果(シノリガモ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
、福島県:希少(D)
、
宮城県:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
雌雄とも体型に丸みがあり、
成鳥雄は顔から腹まで光沢のある青色で白と黒の模
様が複雑に入る。成鳥雌は全体が灰黒褐色で耳羽と目の前方の上と下に白斑があ
る。幼鳥や若鳥は成鳥雌に似ている。
冬鳥として本州中部以北の岩の多い海岸に渡来するが、本州北・中部の山間渓流
部で小数が繁殖する。
浜通りの岩場及び磯場の多い海岸に生息する。いわき海岸での生息数は1999 年
2 月調査で119 羽で主に岩場のある漁港周辺で貝類や甲殻類を食べている。
文献調査*2 によると、低地の池沼環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された低地の池沼環境及び海岸は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境及び海岸は広く分布して
いる。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。ま
用いる車両の運行
た、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。なお、
影 ③造成等の施工による一
本事業による海岸の改変は無い。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境を高架構造で通過
測
及び供用による影響 する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。な
①鉄道施設(地表式又は掘 お、海岸を通過する計画は無い。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野
鳥」
(平成 2 年、山元町)
115(4-4-72)
表 4-4-22(10) 重要な鳥類の予測結果(ミサゴ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
トビと同じ大きさで全長55~63cm 翼開長157~174cm の湖沼や河口で見かけ
るやや大きなタカ。水面上を高く飛び魚を探す。獲物を見つけると低空飛行で狙い
急降下して足で魚を捕る。捕った獲物は定めた食事場所に運んで食べる。会津地域
の個体は冬期間温暖地に移動する。4 月頃海岸の岩棚や水辺の大きな木に枯枝で巣
を造り2~3 個産卵し、7 月に巣立つ。飛翔時翼下面・腹が白く翼幅が狭い。
北海道から沖縄県まで日本全土の湖沼や河口で繁殖する留鳥。
冬期間湖沼が結氷
する地域の個体は南下して越冬する。
浜通りの河口や沿岸、中通りの阿武隈川流域、山間地の沼池、会津地方では裏磐
梯の湖沼や奥只見の人工湖などでみられる。
近年は湖沼の釣り人口の増加などの影
響で観察例が少ない。
主に海岸や湖沼、大河川などの水辺に周年生息するが、冬季は暖地へ移動するも
のも多い。海岸や山中で繁殖し、大岩の頂や樹冠部に営巣する。海上の灯台や高圧
線の鉄塔など人工物に営巣する例も知られている。ボラやスズキ、トビウオなどの
魚類を餌とし、水面近くに浮上した魚を、ダイビングしたりすくいとったりして捕
らえる。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の河川環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、猛禽類調査の福島県及び宮城県の定点で
計15 回確認された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の河川環境は、餌場として利用されてい
ると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
及び海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
測 及び供用による影響 を高架構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
①鉄道施設(地表式又は掘 広く残される。なお、海岸を通過する計画は無い。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~
山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道新地~山元
自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
116(4-4-73)
表 4-4-22(11) 重要な鳥類の予測結果(ハチクマ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
夏鳥として東南アジアから全国に渡来し、低山や丘陵の林に生息している。地中
にある地バチ類の巣を見つける特技を持ち、
持前の丈夫な足で巣を掘り起こしクロ
スズメバチの幼虫やさなぎを好んで食べる。
地バチの攻撃から身を守る為羽毛が密
生し足にうろこがある。飛翔中、頭部がペン先のように細長く突出し、尾も長く、
翼が幅広で長く、トビよりやや小さい。繁殖期に「ピィヨ―」と鳴き 9 月頃に家
族連れで飛翔し「ピィヨ、ピィヨ―」と鳴く。
主に会津地域全般の山地でみられるが、
中通りの山地の一部でも繁殖が確認され
ている。
本州以北の低山から山地帯の森林に夏鳥として渡来する。
渡りの時には小群を形
成し、市街地の上空にも現れる。昆虫類、ネズミ類、トカゲ類、カエルなどを捕食
するが、ハチの幼虫や蛹を好んで食べる。クロスズメバチなどのジバチ類を特に好
む。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、猛禽類調査の宮城県の定点で計3 回確認
された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架、盛土、
測 及び供用による影響 切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「やまも
との野鳥」
(平成 2 年、山元町)
117(4-4-74)
表 4-4-22(12) 重要な鳥類の予測結果(オジロワシ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
国指定天然記念物、種の保存法:国内希少野生動植物種、環境省:絶滅危惧Ⅱ類
(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
全長約 85cm、翼を広げると 230cm に達する。トビよりかなり大きい。体は全
体的に褐色で、頭頸部は淡褐色。体の下方になるほど黒味を増す。尾は短く、くさ
び形をなし白い。幼鳥の尾は褐色に白斑を混じ、成長するにつれて白色部が多くな
る。嘴と足は黄色だがオオワシより黄色みが少ない。飛ぶときは翼の前縁がほぼ一
直線をなし、後縁も一直線で板のように見える。ゆっくりとした羽ばたきと滑翔を
まじえて飛び、高空で輪を描くこともある。
ユーラシア大陸の北部、一部は北海道の東部で繁殖し、冬期は主に日本の北部に
飛来する。
冬期主に浜通りの海岸でみられるが、数は少ない。湖沼の多い地域にも飛来し、
猪苗代湖、阿武隈川流域で観察されることがある。主に魚を餌とするが、水鳥類を
捕食することもある。阿武隈川では大きなニゴイを急降下して捕まえ、近辺の山林
で捕食していた。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環
境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境
測 及び供用による影響 を高架構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
①鉄道施設(地表式又は掘 広く残される。なお、海岸を通過する計画は無い。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の
会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
118(4-4-75)
表 4-4-22(13) 重要な鳥類の予測結果(オオタカ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
種の保存法:国内希少野生動植物種、環境省:準絶滅危惧(NT)
、
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
雄はハシブトガラス大、雌はこれより大きい。上面は暗青灰色、眉斑は白く明瞭
で目立つ。下面は白く、黒褐色の横斑がある。飛翔時は翼が短くて幅が広い。翼下
面は白く、黒褐色の横斑がある。嘴基部と足は黄色、虹彩は橙色または黄色。雌は
褐色味が強く、虹彩は黄色。ほとんど鳴かない鳥だが、繁殖期には「キッキッキッ」
と鋭く鳴き続ける。
留鳥で、四国・九州の一部、本州、北海道で繁殖する。ユーラシア、北アメリカ
に分布する。
平地から山地の林、農耕地に生息し、林縁部周辺で主に中型の鳥類を捕食する。
県内の分布状況を見ると、
中通りを中心に会津地方から浜通りにまで生息してい
る。山地、里山の林で繁殖しているのが各地で確認されている。秋冬は農耕地や市
街地にも出現し、ハトやカモを捕食する姿をしばしば見かける。
四国の一部および本州、北海道の広い範囲で繁殖するが、繁殖記録は東日本で多
く、西日本では少ない。留鳥として年中生息するが、秋から冬になると高地や山地
のものの一部は低地や暖地に移動する。平地から亜高山帯(秋・冬は低山帯)のア
カマツ林や、コナラとアカマツの混交林など森林に生息し、しばしば餌動物を求め
て農耕地、牧草地や水辺などの開けた場所にも飛来する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。
また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境 1 箇所
で生息が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。また、営巣木が確認さ
れた。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地及び低地の森林・水田・
耕作地環境の計5 箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、1 箇所は対
象事業実施区域内、3 箇所は対象事業実施区域外であった。また、猛禽類調査の福
島県及び宮城県の定点で計 20 回確認され、宮城県の丘陵地の森林環境(対象事業
実施区域外)では繁殖が確認された。
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林・水田・耕作地環境は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地
の森林・水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・水田・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境
は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・水田・耕
測 及び供用による影響 作地環境を高架、盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変
①鉄道施設(地表式又は掘 面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 24 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全
対策検討業務 報告書」
(平成 24 年、東日本高速道路株式会社 東北支社相馬工事事務所)
、
「仙台湾海浜県
自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の
(平成 2 年、山元町)
会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
119(4-4-76)
表 4-4-22(14) 重要な鳥類の予測結果(ハイタカ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県;準絶滅危惧(NT)
雄は全長約32cm、雌は一回り大きい。飛んでいる姿はオオタカに似るが、オオ
タカより小さく、羽ばたき速度はより早い。およそハト大である。背面は頭部から
尾部まで青灰色で、体下面は白く、胸から腹、脇に橙褐色の横斑がある。頬や喉は
縦斑となる。眉斑は無いかあっても細い。雌の上面は褐色味があることが多い。白
い眉斑は雄よりも顕著である。幼鳥は雌の背面に似るが、下面の褐色横斑は不規則
である。
ヨーロッパからカムチャッカにかけて分布する。
日本では北海道と本州の一部で
繁殖する。本県では留鳥。
繁殖期には県内各地の山地の森林地帯に生息するが、冬期には平地から山地の
林、農耕地、河川敷でもみられる。オオタカより数が少ない。林の中を巧みに飛ん
で主に小鳥類を捕食する。高い木の枝に営巣し、巣は毎年作ることが多い。
日本では本州以北で繁殖する留鳥、冬には少数が暖地に移動する。平地から亜高
山帯の林に生息し、林内や林縁、農耕地、草地などで獲物を捕まえる。主にツグミ
位までの鳥類を狩るが、ネズミやリス、ヒミズなどを捕まえることもある。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、低地の河川・草地・水田環境の計4 箇所
で生息が確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、3 箇所は対象事業実施
区域外であった。また、猛禽類調査の福島県及び宮城県の定点で計 14 回確認され
た。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林・河川・草地・水田・耕作地環境
は、生息地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘
陵地及び低地の森林・河川・水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布
している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・河川・水田・耕作地環境の改変面積は小さく、同様
の環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・河川・水
測 及び供用による影響 田・耕作地環境を高架、盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
120(4-4-77)
表 4-4-22(15) 重要な鳥類の予測結果(ノスリ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
トビより少し小さく、よく似ているが、翼の幅が広く、尾は短くて円尾で下面に
細い横帯がある。飛翔中の翼の下面は淡褐色で翼角に黒斑がある。顔に褐色の過眼
線と顎線がある。背から上面は淡褐色から暗褐色。体下面は白色からバフ色で、脇
や下腹に暗褐色の斑がある。ふ蹠は毛が無く、虹彩は暗色。口笛のように「ピーエ
ー」と鳴く。
北海道・本州・四国で繁殖するほか、冬鳥として全国に渡来する。ユーラシアに
分布し、冬は南に渡るものもある。
全県内に広く分布する。平地から山地の林や草原、農耕地、牧場、河原などでみ
られ、林の大木に枯れ枝を積み重ねて巣を作り、毎年使用することが多い。冬期は
鉄道沿線の電柱などの上にいるのをよく見かける。
ある地方ではマグソダカとかヘ
ンシロウと呼ばれている。一部は渡りをする。
北海道から四国で繁殖し、秋、冬には全国に分散する。平地から亜高山帯の林に
生息し、付近の荒地、河原、耕地、干拓地で狩りを行う。ネズミなどの小型哺乳類、
カエル類、ヘビ類、昆虫類、鳥類などを木の枝に止まって待ったり、帆翔したりし
ながら餌を探す。一夫一妻で繁殖し、番はなわばりをもって分散する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。
また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境 1 箇所
で生息が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。また、営巣木が確認さ
れた。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の森
林・水田・耕作地環境の計64 箇所で生息が確認され、そのうち5 箇所は改変区域、
5 箇所は対象事業実施区域内、54 箇所は対象事業実施区域外であった。また、猛禽
類調査の福島県及び宮城県の定点で計197 回確認され、宮城県の丘陵地の森林環境
(対象事業実施区域外)では繁殖が確認された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林・水田・耕作地環境は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地
の森林・河川・水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・河川・水田・耕作地環境の改変面積は小さく、同様
の環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・河川・水
測 及び供用による影響 田・耕作地環境を高架、盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 24 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全
対策検討業務 報告書」
(平成 24 年、東日本高速道路株式会社 東北支社相馬工事事務所)
、
「仙台湾海浜県
自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の
(平成 2 年、山元町)
会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
121(4-4-78)
表 4-4-22(16) 重要な鳥類の予測結果(サシバ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
ハシボソガラス大のタカ。雄は頭部が灰褐色で後頸からの上面、胸は茶褐色。喉
は白く、中央に1本縦斑がある。腹から体下面は白く、太い茶褐色の横斑がある。
虹彩は黄色。眉斑は不明瞭。雌は白い眉斑が明瞭で、頬の灰色部は狭い。胸から腹
にかけて淡褐色の横斑がある。暗色型は全身黒褐色。
「ピックイー」または「キン
ミー」とよく鳴く。
本州・四国・九州に夏鳥として渡来、南西諸島では越冬する。秋の渡りのタカ柱
は有名。中国東北部などでも繁殖する。
南会津と阿武隈山地北部が生息確認の空白地になっているほかは、
全県的に夏鳥
として確認されている。低山や山地の林で繁殖している。タカの中ではトビと同じ
くらいよく鳴くので、鳴き声だけでも確認できる。
日本には夏鳥として3~4 月ごろ渡来し、9~10 月ごろ渡去する。九州から青森
県にかけて繁殖する。低山から丘陵の森林に生息し、周辺の水田などの開けた環境
で狩りをする。森林や丘陵地の奥まった谷のマツやスギの枝上に、枯れ枝を積み重
ねて皿形の巣をつくる。へビを好んで食べるほか、ネズミ、モグラ、小鳥、カエル
や、バッタなどの昆虫類もよく食べる。
文献調査によると、山地・丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。ま
た、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境の計 3 箇
所で生息が確認され、3 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、
猛禽類調査の宮城県の定点で計37 回確認
され、宮城県の丘陵地の森林環境(対象事業実施区域外)では繁殖が確認された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林・耕作地環境は、生息地として利
用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森
林・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・水田環境
測 及び供用による影響 を高架、盛土、切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小
①鉄道施設(地表式又は掘 さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 24 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全
対策検討業務 報告書」
(平成 24 年、東日本高速道路株式会社 東北支社相馬工事事務所)
、
「宮城県の鳥類
分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
122(4-4-79)
表 4-4-22(17) 重要な鳥類の予測結果(ハイイロチュウヒ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
ハシボソガラスと同大か、やや小さい。飛翔時は翼を上へ反らし、V字型になる。
腰と上尾筒は白く、翼と尾が長めのタカで、足も他のタカに比べて長く、虹彩は黄
色。雄は頭部と背は灰色、下面は白い。飛翔時の外側初列風切 6 枚が黒い。雌は
全身褐色で黒褐色や茶褐色の斑がある。飛翔時、風切の黒い横帯、尾の褐色の斑が
目立つ。越冬中はほとんど鳴かないが、繁殖地では、
「ピョウピョウ」と鳴いてデ
ィスプレーフライトをする。
冬鳥として全国に渡来するが、少ない。ヨーロッパ、アジア北部、北アメリカで
繁殖し、冬期は南方へ渡る。
最近確認の 8 例についてみると平地から山地の農耕地や草原が多く、それも中
通りに集中して確認されている。
早朝や夕方には草原やヨシ原などを低く飛びなが
らネズミ類などを探し、捕食する。
北海道から九州にいたる地域のヨシ原、湿原、草原、刈り田跡、山間の草地など
で少数が越冬するが、生息地は局地的。
全長48cm。雄は頭部からの上面と胸にかけてが淡い青灰色で、体下面は白い。
飛翔時、初列風切の外側 6 枚と翼下面の翼後縁は黒い。嘴は黒く蠟膜は黄色。虹
彩も黄色い。雌は全体に褐色。顔は顔盤にみえる。腰と上尾筒は白い。飛翔時、風
切にタカ斑があり、尾羽に茶褐色の横帯がある。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、猛禽類調査の宮城県の定点で計3 回確認
された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生息地として利
用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・草
地・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺
③造成等の施工による一
に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環
測 及び供用による影響 境を高架、盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同
①鉄道施設(地表式又は掘 様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
123(4-4-80)
表 4-4-22(18) 重要な鳥類の予測結果(チュウヒ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:準絶滅危惧(NT)
全長雄約48cm、雌約58cm、ハシブトガラスぐらいの大きさ。羽色には個体差
が大きい。体全体が褐色で羽縁の灰白色によってマダラ模様に見えるものの他に、
雄の頭頸部から背部一帯に黒味の強い個体がある。翼と尾が長く、飛行時の形はト
ビに似ているが、
尾はトビと違って丸尾である。
正面から見ると翼はV字形をなし、
ヨシ原をかすめるように低空で飛行するのが特徴的である。
シベリア南部、中国東北地区、サハリン、日本の中北部で繁殖し、冬は南へ移動
する。
冬期に松川浦など開けたヨシ原の多い場所でみられる。ネズミ、カエル、小鳥な
どを捕食する。
北海道、青森、秋田の湿地や干拓地のヨシ原で繁殖している。冬季は日本全国の
草地、ヨシ原、ヨシ原に隣接する刈り田跡などで見られるが、北海道と東北地方で
は少ない。巣はヨシ原の中の地上につくる。
全長52cm。年齢や性別に関係なく羽衣に個体差が大きい。主に2 つのタイプが
あり、国内で繁殖し、雌雄ともに全体が褐色の国内型と、大陸や北海道の一部で繁
殖し、
雄の頭部や上面に灰色や黒色味がある大陸型がある。
国内型は全体に褐色で、
頸や胸から腹にかけてと背に暗褐色の縦斑がある。翼先は黒っぽい。嘴は鉛色で、
蠟膜は黄色い。脚は淡黄色。大陸型雄は頭部や上面が黒色または暗灰色で、雨覆や
風切は青灰色。
大陸型雌は頭部から頸にかけてと体下面にはバフ色地に褐色の縦斑
がある。両タイプとも成鳥は虹彩が黄色く、若鳥は暗褐色。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の河川・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県の丘陵地及び低地の森林・河川・
水田環境の計3 箇所で生息が確認され、3 箇所は対象事業実施区域外であった。ま
た、猛禽類調査の福島県及び宮城県の定点で計2 回確認された。
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の森林・河川・湿地・水田環境は、生息
地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の
河川・池沼・湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
124(4-4-81)
表 4-4-22(19) 重要な鳥類の予測結果(ハヤブサ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
内容
種の保存法:国内希少野生動植物種、環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、
福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
ハシボソガラスよりやや小さい。雌雄はほぼ同色で、上面は石版黒色。頬に目立
つヒゲ状の黒斑がある。下面は白く、黒褐色の横斑がある。翼下面は白と黒の横斑
がある。幼鳥は上面が褐色で羽縁は淡褐色。下面は淡褐色で黒褐色の縦斑がある。
「ケーケーケー・キイキイ・キッキッ」などと鳴く。
留鳥として九州以北で繁殖し、冬鳥として沖縄を含む全国に渡来する。南極を除
く全世界に広く分布する。
本種の県内での確認はオオタカに比べ少ない。
以前から南会津やいわきから繁殖
の報告はあったが、最近では冬期間に中通りや会津地方の平地から山地の河川、湖
沼、崖や浜通りの島嶼や海岸の崖から確認情報があった。繁殖の可能性を示す情報
が数ヶ所からあり今後の確認を待ちたい。
ほぼ全世界に分布している。北海道から九州北西部の島嶼(とうしょ)まで広く
分布し、特に東北地方と北海道の沿岸部に多い。多くは留鳥として繁殖するが、一
部暖地の海岸や平野部に移動する個体もいる。海岸や海岸に近い山の断崖や急斜
面、広大な水面のある地域や広い草原、原野などを生活域にする。営巣地は海岸や
海岸に近い山地の断崖の岩棚で、
繁殖に適した岩棚が無い場合には、
岩礁の頂上や、
岬先端部の草地や砂地の上に産卵する例もある。
全長35cm。雄は頭部から後頸が青灰色で、ハヤブサ髭がある。頬は淡色。肩羽
や雨覆は茶褐色で、黒い斑がある。風切は暗色。喉からの体下面は淡褐色で、胸か
ら腹にかけて暗色の斑がある。アイリングと蠟膜、脚は黄色、嘴は鉛色。雌は頭部
からの上面が淡褐色で、暗褐色の斑がある。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の河川環境及び海岸で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の水田環境の計
5 箇所で生息が確認され、そのうち 1 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事
業実施区域外であった。また、猛禽類調査の福島県及び宮城県の定点で計8 回確認
された。
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の河川・水田環境及び海岸は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地
の河川・池沼・草地環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・草
測 及び供用による影響 地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台
湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日
本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
125(4-4-82)
表 4-4-22(20) 重要な鳥類の予測結果(チゴハヤブサ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:要注目種
全長約30cm、翼開長69~76cm。ハヤブサより小さく、ハト大。上面は青灰黒
色、頬にヒゲ状の黒斑がある。胸から腹に黒い縦斑があり、腿と下尾筒は橙赤褐色。
翼の下面と尾には密に黒い横斑がある。翼が長いため、飛翔時には尾は短く、翼が
長くとがって見える。チョウゲンボウは尾が長く、褐色味が強い。早い羽ばたきと
短い滑空を交互に繰り返し直線的に飛び、飛びながら大型昆虫や小鳥を捕まえる。
ユーラシアの寒帯~温帯で繁殖し、北のものは冬期南へ移動する。日本では北海
道、東北北部で繁殖する。
福島県では春と秋の移動の際にみられる。福島市と会津地方に観察記録がある。
東北地方では青森、秋田、岩手の3 県で繁殖している。本県での記録は20~30 年
前のことであり最近の報告はない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・耕作地環境は、生息地として利用され
ていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地・耕作
地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林・草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺
に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地・耕作地環
測 及び供用による影響 境を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
126(4-4-83)
表 4-4-22(21) 重要な鳥類の予測結果(コチョウゲンボウ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
キジバトと同じくらいの大きさ。雄は頭上と体上面は鮮やかな青灰色。後頸、頸
側、体下面は橙褐色で黒褐色の縦斑がある。雌は頭上と体上面が灰褐色で淡バフ色
の斑がある。体下面はクリーム色で太い褐色の斑がある。雌雄共にクリーム色の眉
斑は比較的明瞭である。越冬中はほとんど鳴かないが、
「キィキィキィ・・・」と
鳴く。
冬鳥として全国の農耕地、草地、アシ原に渡来する。ユーラシア、北アメリカ北
部で繁殖し冬期は南へ渡る。
県内にも冬鳥として少数ではあるが、各地からの確認情報がある。広々とした草
原や川辺の荒地草原、農耕地、集落周辺の農耕地などで見られる。最近の確認例は
中通りが多い。
日本には主に冬鳥として九州以北の農耕地や干拓地、
原野、
湿地などに生息する。
杭や倒木、低木、電線などの見晴らしのよい高い場所に止まり、地上1mくらいの
高さを水平に飛び、地上あるいは空中で小鳥や小哺乳類、昆虫などを捕らえる。
全長31cm。雄は額から頭頂と、背から肩羽、雨覆にかけて青灰色で、各羽には
紺色の軸斑がある。初列風切は暗褐色。喉と頬、眉斑は白っぽく、頸と胸から体下
面は橙色。尾羽は青灰色で先が白く、その内側は暗色。嘴は黒く、蠟膜は黄色。虹
彩は暗褐色でアイリングは黄色い。脚は黄橙色。雌は上面が暗灰褐色で、淡色の羽
縁がある。体下面は汚白色で、褐色の縦斑がある。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の住宅地 1 箇所で生息が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。また、猛禽類調査の福島県の定
点で1 回確認された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環境及び住宅地は、生息
地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の
草地・耕作地環境及び海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の草地・耕作地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
127(4-4-84)
表 4-4-22(22) 重要な鳥類の予測結果(チョウゲンボウ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
ひらひら飛び停空飛翔を頻繁に行う尾が長く翼端があまり尖っていないハヤブ
サ類。農耕地や原野、広い川原、干拓地、丘陵地など日本各地で観察出来る。狩場
で木や杭など見張り場にとまりひとたび舞い上がった後次々と場所を変えて停空
飛翔をし、獲物を探す。ハタネズミ、昆虫、小鳥などを餌とする。営巣は断崖の横
穴や岩棚、樹洞などで行う。近年従来の生息環境を追われた個体が橋桁や広告塔な
ど建造物を利用する例が増加している。コウモリ等も捕食する。
福島県内各地に生息している。特に浜通り地域での観察例が多く、その中でもい
わき地域は頻度が高い。
北海道、
東北地方から中部地方にかけての本州で繁殖しているが北海道では少な
い。冬には各地の農耕地、湿地、原野、河原、埋立地で見られる。営巣地は農耕地
や草地、湿地、広い河原などが近くにある崖や林であるが近年、街中での繁殖が多
く知られるようになった。主な餌はネズミ類などで、鳥類やカエル、トカゲ、昆虫
類など捕れる獲物は何でも捕って食べる。
全長35cm。雄は頭部から後頸が青灰色で、ハヤブサ髭がある。頬は淡色。肩羽
や雨覆は茶褐色で、黒い斑がある。風切は暗色。喉からの体下面は淡褐色で、胸か
ら腹にかけて暗色の斑がある。アイリングと蠟膜、脚は黄色、嘴は鉛色。雌は頭部
からの上面が淡褐色で、暗褐色の斑がある。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の森林・耕作地環境で確認された。また、
平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかったが、福島県の
低地の崖地(対象事業実施区域外)では繁殖の兆候が確認された。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の草地・水田環
境の計9 箇所で生息が確認され、そのうち2 箇所は対象事業実施区域内、7 箇所は
対象事業実施区域外であった。また、猛禽類調査の福島県及び宮城県の定点で計30
回確認された。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・草地・水田・耕作地環境は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地
の森林・河川・草地・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・河川・草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様
の環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・河川・草
測 及び供用による影響 地・耕作地環境を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、
①鉄道施設(地表式又は掘 改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「図鑑日本のワシタカ類」
(平成 7 年、文一総合出
版)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
128(4-4-85)
表 4-4-22(23) 重要な鳥類の予測結果(ウズラ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
丸い体つきで尾は短い。コジュケイに比べると 2 回りほど小さく、白い眉斑が
目立つ。
留鳥。本州中部以南で越冬する。
昭和の初期には山地の草地や河川敷の草地にごく普通の種として分布していた
が、昭和20 年後半以降はいわき市、楢葉町で確認されているのみである。
文献調査*2 によると、山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生息地として利
用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の草
地・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺
に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の草地・耕作地環
測 及び供用による影響 境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同
①鉄道施設(地表式又は掘 様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
129(4-4-86)
表 4-4-22(24) 重要な鳥類の予測結果(クイナ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:要注目種
ハトよりやや小さく、雌雄同色、額から尾羽までの上面が茶褐色で、黒い縦斑が
ある。顔から胸まで青灰色で、黒い過眼線がある。下腹部は白黒の横斑がある。嘴
は比較的長く、繁殖期にはほとんど赤く、秋冬には黒褐色で下嘴の基部だけ赤い。
足は黄褐色。
「キュッ」と鳴き、繁殖期には「キュイキュイキュイ」と 10 声前後
鳴き続ける。
北海道と本州北部で繁殖し、秋冬には本州中部以南の湿地の草原に生息する。中
国南部やミャンマーで越冬する。
以前の記録には冬期水辺の叢地にまれとあったが、昭和54 年6 月に昭和村。平
成7 年6 月に会津若松市、9 年7 月会津若松市2 例、11 年7 月会津若松市。12 年
7 月会津若松市。同年 7 月岩瀬村は夏の確認であり、平成 4 年 1 月郡山市。7 年
10 月郡山市。9 年12 月いわき市が冬期の確認である。
文献調査*2 によると、低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。また、平成24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された低地の河川・池沼・湿地環境は、生息地として利用されている
と考えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼・湿地・水田環境は対象
事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼・湿地・水田環境を高
測 及び供用による影響 架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周
①鉄道施設(地表式又は掘 辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
130(4-4-87)
表 4-4-22(25) 重要な鳥類の予測結果(ヒクイナ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
バンよりも10cm も小さく、ムクドリ大。名のとおり全身が赤茶色で、後頭、背、
翼が暗緑褐色。脇と下腹、下尾筒は白と黒の横班、足は赤色。繁殖期に「キョッ、
キョッ、キョッキョキョ・・・」とはじめ遅く、次第にテンポの早くなる声で鳴く。
それを「たたく水鶏につい騙されて」と昔の人は詠んでいる。
夏鳥として全国に渡来し繁殖する。越冬例もある。インドネシア、マレーシア、
インド等で越冬する。
県内全域の水田や湿地から夏鳥としての情報があったが、昭和45 年頃から減少
傾向が進み、最近の確認情報は郡山市で1999 年5 月、2000 年5 月と6 月に、2001
年9 月に裏磐梯で確認されている。
文献調査*2 によると、低地の河川・池沼・湿地環境で確認された。また、平成24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された低地の河川・池沼・湿地環境は、生息地として利用されている
と考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田
環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告
書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野
鳥」
(平成 2 年、山元町)
131(4-4-88)
表 4-4-22(26) 重要な鳥類の予測結果(バン)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
体は黒く風切も黒い。脇に白色斑があり、下尾筒の両側も白いがなんといっても
嘴と額版の赤色が特徴的である。歩行は巧みであるが、首を前後に振っての泳ぎも
なかなかのものである。
「クルル」と鳴き、水面を足で蹴って助走して飛び立つ。
草陰や水田などにでて餌をとることが多い。
オオバンよりは個体数も多く容易に姿
を見ることが出来る。オオバンとの相違点は嘴と額版との色が赤と白の違いであ
る。
琉球、本州等日本国内で生息し、冬期は雪のない暖地に移動する。南中国、東南
アジア北部にも生息する。
ほぼ県内全域の河川、湖沼、草原の湿地、水田地帯に生息し繁殖するが、ここ
20 年来減少が目立っている。会津地方や中通りの積雪地帯では冬期暖地に移動し
ている。水田では別として河川、池沼については身を隠す事の出来る水面上までの
びる水草類が必要である。
北海道、本州北部では夏鳥、関東地方以南では留鳥として周年生息する。湖沼、
河川、水田、ハス田などのヨシやガマが生育する湿地に生息する。水面を泳いだり、
水辺や浮葉植物の上を歩いたりしながら、水草の葉、茎、種子を食べるほか、水辺
の昆虫や貝、甲殻類、オタマジャクシ、ミミズなども採食する。クイナ類に比べて
ヨシ原や草むらからずっと離れた見通しのきく場所で採食する。
全長32cm。頭部から頸にかけてが黒く、頸からの体下面は灰色味のある黒色。
嘴と額板は赤く、嘴の先は黄色い。上面は緑色味のある暗色。下尾筒の両側と脇は
白い。脚は黄緑色。幼鳥は全体に褐色味があり、顔と前頸は汚白色。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地及び低地の池沼・水田環
境及び水路の計16 箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、
15 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境及び水路
は、生息地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及
び低地の河川・池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
132(4-4-89)
表 4-4-22(27) 重要な鳥類の予測結果(オオバン)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
クイナ科の中では最も大きく、体全体が黒い。嘴とそれに続く額が白く目立つ。
バンの額は赤い。飛ぶときは次列風切の先端が白いのが見える。
「キョキョーン」
とか「クエーン、クエーン」と甲高い声で鳴く。首を前後に動かしながら泳ぐ。
ユーラシア大陸、北アフリカに広く分布する。国内では本州中部以北で繁殖する
が局地的。
主として広い湖沼や池に生息する。局地的である。夏井川や鮫川の河口、猪苗代
湖、郡山周辺地の池などで確認されているが、数は少ない。最近の例では2000 年
10 月裏磐梯秋元湖において7羽を確認。県内では冬鳥とされているが、夏期に見
られた例もある。
日本では主に本州中部以北、北海道で繁殖するが、最近では滋賀、山口、福岡、
大分などの各県でも少数ながら繁殖することが記録されている。湖沼、河川、ハス
田などのヨシやガマが生育する湿地に生息する。水面を泳ぎ、潜水して水草の葉・
茎・種子を食べるほか、水辺の昆虫類、貝類、甲殻類も食べる。
全長約39cm。ほぼ全身が黒く、次列風切羽根に白線がある。額に白い額板があ
る。嘴は白く、太く短い。脚は夏季には黄緑色で、冬季は鉛色、趾は弁足状で、木
の葉状の蹼がある。
文献調査*3 によると、低地の池沼環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の池沼環境及び水路の計 2
箇所で生息が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境及び水路は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境は対象
事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
③造成等の施工による一
広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境
測 及び供用による影響 を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
133(4-4-90)
表 4-4-22(28) 重要な鳥類の予測結果(タマシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
形はタシギに似ているが、嘴は短く先が少し下に曲がっている。雌は雄より美し
く、抱卵、育雛も雄が行う。雌雄とも目の回りの白、胸側の白線とそれに続く背の
外側の黄色い線が目立つ。雄は喉から胸は灰褐色で雨覆には丸い斑紋が並ぶ。雌は
喉から胸は赤褐色で扇羽外側に白い線がある。
雌は繁殖期には夕方から夜にかけて
「コォーコォーコォー」と鳴き、この声を出す前に「ウッウフー」という声を数回
出すことが多い。
本州中部以南では留鳥として繁殖し、
中国からマレーシアにかけても生息してい
る。
1980 年に郡山市で確認され、また、相馬地方、いわき地方でも確認されたが、
最近の生息情報の大部分が中通り南部に集中し、2000 年6 月にはディスプレーや
交尾を平成13 年7 月には雛連れの雄を確認している。生息数は非常に少ない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
134(4-4-91)
表 4-4-22(29) 重要な鳥類の予測結果(ケリ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、宮城県:要注目種
タゲリよりやや大きい。足は黄色く長い。頭部は灰色、背は灰褐色で、地上にい
るときは目立たなく見つけにくい。飛行時は翼が白色で、その先端の三角形の黒色
が目立つ。警戒心が強く繁殖期には人、イヌ、猛禽などが巣やヒナに近づくと「キ
キリ、キキリ」と激しく鳴き回りながら接近し、威嚇したり擬傷を行う。近くにい
る他のつがいも集まり、集団で追い払おうとする。
漂鳥または留鳥として本州中部以北で繁殖するが局地的。
中通りの郡山市周辺や県南地方及び会津地方の一部地域に生息するが、
局地的で
数は少ない。草地、水田、畑、湿地などの広々としたところに好んで生息する。河
東町の大野原において繁殖が確認されている。1999 年 7 月には 27 羽が観察され
た。同地のケリは冬期に暖地へ移動する。
本州の中部以北で夏鳥として繁殖し、兵庫県あたりが南限である。これまで繁殖
が記録されているのは、青森、秋田、山形、栃木、静岡、愛知、岐阜、新潟、石川、
福井、滋賀、三重、京都、大阪、兵庫の各府県であるがどの府県でも全域ではなく、
限られた地域だけに繁殖する。巣は地上の砂地にくぼみを掘り、枯れ草、蘚類(せ
んるい)
、地衣類、木片などを敷く。草むらの中につくる場合は、周りの草を踏み
倒してくぼみに替える。湿田、水田、砂泥地などで、地上を歩いたり走ったりして
採餌する。昆虫類並びにイネ科及びタデ科などの草の種子などをついばむ。
全長36cm。成鳥は頭部から胸にかけてが青灰色で、胸に黒い帯がある。上面は
灰褐色で、腹からの体下面は白い。嘴は黄色く先は黒い。脚は黄色。アイリングは
黄色く、虹彩は赤橙色。冬羽になると頭部の青灰色がやや薄くなり、褐色味を帯び
る。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地・耕作地環境で確認された。
また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の低地の水田環境 1 箇所で生息が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地・水田・耕作地環境は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿
地・草地・水田・耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の湿地・草地・水田・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境
は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・草地・水田・耕
測 及び供用による影響 作地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さ
①鉄道施設(地表式又は掘 く、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
135(4-4-92)
表 4-4-22(30) 重要な鳥類の予測結果(タゲリ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
冬羽は頭上と長い冠羽は黒い。背中は黒ずんだ緑色。遠目では黒く見えることが
多い。下面は白く、上胸に幅の広い黒色帯がある。夏羽は額、眼先、喉が黒い。ケ
リよりやや大きく、大型のチドリ類。ケリより足が短い。飛行時の体の下面、翼と
体の白と黒のコントラストからケリと見間違えることがある。
秋冬に飛び立つとき
「ミュー」と特徴のある声を出す。
広くユーラシア大陸に分布。日本には主に冬鳥として渡来。北陸地方の一部で繁
殖する。
水田、沼地、湿地などでみられる。各地で確認されているが数は少ない。会津地
方では3月の雪解けの頃水田に集まっては移動する5 羽から20 羽くらいの群れを
よく見かける。
日本には冬鳥として、本州、四国、九州などの各地に渡来する。水田、湿田、干
潟、河原や湖沼の水辺、湿っぽい畑地、水たまりのある荒地などで見られる。地上
の昆虫類やその幼虫など、無脊椎動物をついばむ。地上を歩いたり走ったりして急
に立ち止まり、嘴を突き出して急襲する。水を含んだ泥地を片脚で叩いて、虫を追
い出してとることもある。
全長32cm。成鳥冬羽は額から頭頂にかけてが黒く、後頭に黒く長い冠羽がある。
顔は白く、眼先と眼の下部から耳羽へかけては線状に黒褐色の模様がある。後頭や
後頸は橙褐色で、頸側から胸にかけては黒い。上面は光沢のある緑色で一部の羽に
赤紫光沢がある。腹は白く、下尾筒は橙褐色。嘴は黒く、脚は赤い。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の低地の水田環境の2 箇所で生息
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・
湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
③造成等の施工による一
周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
136(4-4-93)
表 4-4-22(31) 重要な鳥類の予測結果(キョウジョシギ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
雌雄はほぼ同色、嘴は短く上に反り、足は赤く短い。夏羽では頭部から胸は白地
に特徴のある黒い縞模様があり、
体の上面は赤褐色、
黒と白のマダラで腹部は白い。
鳴き声は濁った声で「ゲレゲレ」
「ギョギョギョ」
「ビリリ」などと鳴く。
旅鳥として全国に渡来し、海岸、干潟、河口、河川、水田などに生息。繁殖はシ
ベリアや北部。
浜通り海岸、河口の磯場、砂浜で7 月から9 月に観察されているが、1980 年代
は夏井川河口、永崎海岸で数十羽の群れが確認されたが1990 年代に入り激減し、
数羽のみの生息となる。
文献調査*2 によると、低地の水田環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された低地の水田環境及び海岸は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の水田環境及び干潟・海岸は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
低地の水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。なお、本
事業による干潟・海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の水田環境を高架及び盛土構造で通
測 及び供用による影響 過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘 なお、計画路線は干潟・海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
137(4-4-94)
表 4-4-22(32) 重要な鳥類の予測結果(タカブシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
脚が長く、黒い背面に白い斑点を持つ小型のシギ。背面は濃いチョコレート褐色
で、腹面は白い。腰は灰黒色で上尾筒は白く、尾は白地に黒い横斑がある。翼の下
面は灰色で、嘴は灰黒色、脚は黄緑色である。全長約22cm、翼を広げた大きさは
約56cm。
水田、はす田、内陸の水たまり、河岸、湖沼畔などに渡来する。海岸より少し入
った低地、平地によく見られる。
ユーラシア大陸の北部で広く繁殖し、冬は北アフリカ、アラビア、インド、東南
アジア、フィリピンなどに渡る。日本には旅鳥として普通に渡来するが、ごく少数
は九州で越冬する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・
水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・湿地・水田環境
測 及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
①鉄道施設(地表式又は掘 は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
138(4-4-95)
表 4-4-22(33) 重要な鳥類の予測結果(ホウロクシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:希少(D)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
大きく下方に湾曲した長い嘴を持つシギ類の中で最も大型。
ダイシヤクシギに似
るが全体が一段と褐色味が強く、下腹部も淡褐色で白く見えない。雌雄同色。下背、
腰、上尾筒は褐色地に黒色の斑がある。翼の下面はダイシヤクシギより暗色に見え
黒色横斑がある。
シベリア東南部で局地的に繁殖し、日本には旅鳥として渡来する。県内の分布、
生息状況本県での記録は相馬市松川浦での観察のみである。
(1981 年8 月31 日相
馬市磯部、1993 年10 月10 日相馬市岩ノ子、1999 年9 月30 日相馬市柏崎日下)
文献調査*2 によると、低地の湿地環境及び海岸で確認された。また、平成24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された低地の湿地環境及び海岸は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・湿地・水田環境及び干潟・海岸は
対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
低地の河川・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。なお、本事業による干潟・海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・湿地・水田環境を高架及び
測 及び供用による影響 盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
①鉄道施設(地表式又は掘 く残される。なお、計画路線は干潟・海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
139(4-4-96)
表 4-4-22(34) 重要な鳥類の予測結果(オオジシギ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
シギの仲間としては、中型で繁殖期に入る頃から空中高く舞い上がり、
「ズビー
ヤク、ズビーヤク」と繰り返し鳴き、降下の際は尾羽をふるわせて「ザザザザ」ま
たは「ガガガガ」とけたたましい音をだし、再び舞い上がり、これを繰り返す。シ
ギの仲間ではよく鳴く方である。電柱や枯れ木などによく留まる。他の同型のシギ
との姿による識別は難しい。
東北地方から北海道の高原や草地に夏鳥として渡来する。
甲子高原や裏磐梯高原などの草原や西郷村台上、猪苗代湖西方の赤井谷地、布引
高原などの草地状の箇所が主な生息地であり繁殖地である。
比較的明るいところを
好むが、草地の周辺に灌木の広がりが必要のようである。繁殖期が終わると水田、
湿地や川岸等に移動する。
本州中部以北の北日本およびサハリン南部で繁殖し、オ-ストラリアで越冬す
る。繁殖期には、北海道、東北地方では平地、本州中部では高原に生息しているが、
本州で繁殖する個体は減少している。移動の時期には全国の水田・蓮田・湿地など
に飛来する。
繁殖期に見られるディスプレイフライトはカミナリシギの異名をとる
ほど顕著で壮観で、急降下と上昇をまじえ、急降下のときに「ズビャーク ズビャ
ーク」と激しく鳴き、尾羽を扇状に開いて動かし「ザザザ・・・」と風を切る音を立
てる。河川や湖沼縁の湿った泥地上で採食する。昆虫類の幼虫やミミズなど 5~6
割は動物質を食べる。植物質としては草の種子、葉、根などを食べる。
全長30cm。頭部には黄白色の頭央線、眉斑があり、頭側線と目先線、頬線は黒
褐色。耳羽から後頸は淡褐色で、暗色の縦斑がある。背と肩羽は暗色で、淡黄色の
羽縁がある。胸は淡褐色で茶褐色の横斑があり、腹から下尾筒は白い。脇には茶褐
色の横斑がある。嘴は直線的で長く肉色、脚は黄緑色。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田環境 1 箇所で生息が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・草地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・
湿地・草地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地・水田環境の改変面積は小さく、同様の
環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草
測 及び供用による影響 地・水田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<水鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
140(4-4-97)
表 4-4-22(35) 重要な鳥類の予測結果(ツバメチドリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
飛び方はツバメのように巧みで、急旋回を行い、トンボ、アブなど空中を飛んで
いる昆虫を捕まえる。また地上を歩きながら昆虫をとることもある。
日本では川原、
埋立地などの草の少ない開けた環境に小コロニーを作って繁殖す
る。コアジサシが繁殖しているところの近くで、巣が発見された例もある。巣は地
上を浅く掘り固め、貝殻、木片などを敷いたもので、2~3 卵を産む。オス、メス
ともに抱卵し、抱卵日数は18 日位である。巣に外敵が近づくと鳴きながら上空を
飛び回り、また擬傷行動も見られる。非繁殖期には、1~数羽が水田、畑、干潟な
ど各地で稀に記録されている。
文献調査*2 によると、低地の湿地・草地環境及び海岸で確認された。また、平成
24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された低地の湿地・草地環境及び海岸は、生息地として利用されてい
ると考えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・湿地・草地・水田環境及び
干潟・海岸は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
低地の河川・湿地・草地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
残される。なお、本事業による干潟・海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・湿地・草地・水田環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。なお、計画路線は干潟・海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
141(4-4-98)
表 4-4-22(36) 重要な鳥類の予測結果(アオバト)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
キジバト大。成鳥雄は額と喉から胸は黄色ないし緑黄色、頭頂から背は緑灰色。
中・小雨覆は赤紫色。腹から体下面は淡黄白色で下尾筒には黒褐色の軸斑がある。
成鳥雌は全体として雄より淡色で小雨覆は緑灰色。
本州でみられる緑色系のハトは
本種のみ。繁殖期に雄は「オーア、オアオーオー」と鳴く。
繁殖分布は日本列島に限られる。冬は暖地、台湾や中国南部に渡る。西日本の常
緑広葉樹林に多い。
主に春の渡りの時期(5~6 月)に中通り、
会津地方の低山~山地帯の落葉広葉樹林
や針広混交林で鳴き声で確認されるが、個体数は少なく、ほとんど確認できなくな
った地域もみられる。(博士山、沼沢湖、裏磐梯、山都町早稲沢)。夏期に確認され
る個体はさらに少ない。
繁殖分布は日本に限られる。北海道、本州、四国、九州などで繁殖し、北海道や
北日本では夏鳥、他は留鳥。本州中部以南に多い。山地帯の常緑広葉樹林、落葉広
葉樹林にすむ。亜高山帯の針広混交林や冷温帯のブナ林には少ない。樹木の枝の上
に小枝を集め粗雑な巣をつくる。採食は樹上で行い、特に小枝や葉の茂る樹冠部で
採食したり、林内や林縁の地上で採食したりする。樹木や草の、実や種子などを食
べ、ドングリのような堅果もむしりとり丸呑みする。
全長約33cm、額から喉、胸はほぼ黄色ないし黄緑色。頭頂から背は灰緑色。体
下部は淡黄白色で、下尾筒には黒褐色の長い軸斑がある。雄の中雨覆、小雨覆は紫
褐色をしている。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
③造成等の施工による一
る。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城
県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
142(4-4-99)
表 4-4-22(37) 重要な鳥類の予測結果(コミミズク)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
冬鳥、平地から山地の農耕地や草原などの開けた場所に生息する。日中は草薮な
どで過ごし夕方から活動を始める。水田の大規模化や河川の整備など、特に日中の
安全な休息地となる草薮が減少するとあまり見られなくなる。
冬鳥として沿岸から内陸の平野部で見られる。
草藪のある農耕地や草原のほか河
川敷や湖沼周辺で観察されている。
水田の大規模化や河川の整備など、
特に日中の安全な休息地となる草薮の減少に
よる生息環境の悪化や農薬の使用によって、餌となる小動物が汚染され、その体内
蓄積が懸念される。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の草地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙
台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
143(4-4-100)
表 4-4-22(38) 重要な鳥類の予測結果(オオコノハズク)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:要注目種
全長19~25cm。褐色に黒い縦斑と横斑がある。大きな羽角をもち、羽角の内側
から眼先は淡色。後頚が淡く新月形斑をなす。北海道から九州に生息するオオコノ
ハズクと沖縄のリュウキュウオオコノハズクがいる。北海道のものは冬に南下す
る。森林や村落周辺の林に生息するが高山帯にはあまりいない。
日本~インドにかけて、南はボルネオ・ジャワ島まで分布。
二本松市の市街地で繁殖が確認されている他数例の目撃情報しかない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
144(4-4-101)
表 4-4-22(39) 重要な鳥類の予測結果(アオバズク)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
雌雄ほぼ同色で体の上面は黒褐色、下面は白く黒色の太い縦斑がある。キジバト
位の大きさ。丸く見える頭で耳羽はない。金色の目が目立つ。尾には横黒帯があっ
て長くタカのように見え、昼間でも飛び回ることがある。翼の下面は白く黒褐色の
横斑がある。
夏鳥としてほぼ全国に飛来し、低山から山地の林にすむが、冬は中国南部、フイ
リピンなどに渡る。
県内一円に生息する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮
城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
145(4-4-102)
表 4-4-22(40) 重要な鳥類の予測結果(ヨタカ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
低山から山地の明るい林や草原に棲息する。
夕方から夜にかけて草原や林の上空
を飛び回り、飛んでいるガなどの昆虫を捕える。
くちばしは小さいが口は大きく開き、
口の周りのひげも昆虫を捕えるのに役立っ
ているといわれる。フクロウと同様に羽毛が柔らかく、羽音は立てない。昼間は木
の太い横枝上に枝と平行にとまって休む。その時、色彩がよいカムフラージュにな
り木のこぶのように見える。繁殖期には林内や草原の地上に直接産卵する。
産卵期は 5~8 月、卵数は普通 2 個、抱卵日数は 19 日位である。抱卵中の親鳥
は人が近づいても飛び立たないことが多く、口を大きく開けて威嚇する。また、抱
卵期間中に卵を別の場所に移動させることがある。孵化した雛は数日間、その場所
に留まる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・草地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・草地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・草地環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・草地環境
測 及び供用による影響 を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小
①鉄道施設(地表式又は掘 さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本の野鳥」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮
城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
146(4-4-103)
表 4-4-22(41) 重要な鳥類の予測結果(オオアカゲラ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
アカゲラより少し大きい。背と中央尾羽は黒く、外側尾羽は白地に黒い縦斑があ
る。腰は白い。翼は黒色で白色の横斑がある。体の下面は淡黄褐色で脇には黒い縦
斑がある。下腹から下尾筒は桃紅色。雄は頭頂から後頭まで赤いが、雌は黒色。ア
カゲラは背に目立つ逆ハ字型の白斑があり、脇の黒い縦斑はない。
「キョッ、キョ
ッ、キョッ・・・」という声はアカゲラより力強いが区別は困難。
ユーラシア大陸の中緯度地帯に分布。
日本では奄美大島から北海道までの山地に
留鳥として生息する。
県内では中通り(奥羽山系)や会津地方の山帯から亜高山帯の森林に生息するが、
個体数はアカゲラより非常に少ない。原生林や自然木の多い森林にすみ、造林地に
はまれ。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「や
まもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
147(4-4-104)
表 4-4-22(42) 重要な鳥類の予測結果(ハリオアマツバメ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
太くて紡錘形の体と長い翼と短い尾を持つ。
翼はアマツバメのような典型的な鎌
形ではなく、中央部の幅が広い。尾は角尾で、各羽の羽軸の先は針のようにとがっ
ている。体はだいたい黒褐色で喉、下尾筒、三列風切の一部が白く、背から腰は灰
白色。
夏鳥として本州の山地及び北海道の平地から山地の林の多い地方に渡来し、
北海
道では多い。飛翔力が大きいから原野、高山、湖沼の上空も飛び回り、渡りの時に
は、本州以南の平地や市街地の上空にも出現する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「フィールドガイド 日本の野鳥(増補版)
」
(平成 6 年、日本野鳥の会)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
148(4-4-105)
表 4-4-22(43) 重要な鳥類の予測結果(ヤマセミ)
項目
内容
選定基準
宮城県:要注目種
全長約38cm、翼を広げた大きさは約67cm の、ハト位の大きさである。
黒白の鹿子斑の模様をした大型のカワセミ類で、
日本産カワセミ科のなかでは最
も大きく、冠羽が目立つ。頭部から背面、尾羽まで細かい白黒のまだら斑で、喉、
頸の側面と後面、腹は白い。あご線から胸にも白黒のまだら斑があり、雄にはこの
部分に褐色斑が混じる。また、雌の翼裏面には褐色大斑がある。嘴は黒くて先端が
わずかに黄色く、脚は黒い。
日本、中国、インドシナ半島、ハイナン、ビルマ、カシミールからアッサム地方
に分布する。
日本では北海道から九州まで、各地に留鳥として分布し、繁殖する。
文献調査*2 によると、丘陵地の池沼環境で確認された。また、平成24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地の池沼環境は、生息地として利用されていると考えら
れ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の河川・池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の河川・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の河川・池沼環境を高架
測 及び供用による影響 構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
①鉄道施設(地表式又は掘 される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮
城県支部)
149(4-4-106)
表 4-4-22(44) 重要な鳥類の予測結果(ヒバリ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
河川敷の草原や麦畑等で地上生活をする。
雄は中天高く舞い上がり飛びながら長
い時間さえずり続けるなど個性的な種である。
地上生活に適した全身淡黄褐色の地
味な色彩であるが、後頭部の冠羽を立てるなど特徴的な面も持っている。歩行は巧
みで巣の遠くに舞い降り、
草の中などを警戒しながら巣に近づくなどなかなか用意
周到な面も持っている。
タヒバリは冠羽がないことと鳴き声が異なることで区別で
きる。
ほぼ国内全域に生息するが、積雪地方のものは暖地へ移動して越冬する。
県内全域の平地から山地の草原、畑、河川敷の草原等広く分布し生息する。平野
部の草地や麦畑は特に適した生息地である。
留鳥として九州以北で繁殖するが、積雪の多い地方では冬は南下し、北海道では
夏鳥。沖縄では旅鳥または冬鳥として渡来する。背丈の低い草地や砂地、農耕地、
川原、荒地などに生息し、露出した地面の多い乾燥地を好む。昆虫類、植物の種子
などを食べる。
全長17cm。頭部からの上面は淡褐色で、黒褐色の縦斑や羽縁がある。眉斑と喉、
頸は白っぽい。耳羽は褐色で赤味がある。胸は淡黄褐色で、黒褐色の縦斑がある。
腹からの体下面は白っぽく、脇に暗褐色の縦斑がある。嘴と脚は肉色。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・草地・
水田環境の計 225 箇所で生息が確認され、そのうち 5 箇所は改変区域、35 箇所は
対象事業実施区域内、185 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生息地として利用され
ていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・草地・
耕作地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・草地・耕作地環境の改変面積は小さく、同様の環境
は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・草地・耕
測 及び供用による影響 作地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さ
①鉄道施設(地表式又は掘 く、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
150(4-4-107)
表 4-4-22(45) 重要な鳥類の予測結果(サンショウクイ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
体長約20cm で雌雄とも体は細長く、額が白く、尾は長めで嘴の先は少し鈎形に
曲がって鋭い。背から腰は灰色で翼と中央尾羽は黒く、外側尾羽は白い。雄は額と
喉からの体下面が白い。過眼線から頭頂・後頭、風切と尾羽は黒く、背と雨覆は灰
黒色。翼は黒く風切基部が白色部で、飛行時に白線として見える。雌は雄に比べ額
の白い部分が狭く、体上面が灰色である。
ウスリーから朝鮮半島で繁殖し、日本には夏鳥として飛来し、本州以南の低山帯
の森林で繁殖する。
県内に広く分布するが個体数は少ない。
日本には夏鳥として平地から山地の明るい林に渡来し、広葉樹林に多い。高い木
の頂近くにいることが多い。近年、全国で著しく減少している。
全長約20cm。スマートな体形をしている。下面が白い。雄の後頭から背は濃青
灰色。
雌は後頭が淡青灰色。
日本には夏鳥として平地から山地の明るい林に渡来し、
広葉樹林に多い。高い木の頂近くにいることが多い。近年、全国で著しく減少して
いる。高木上部の枝の上に、木のこぶのように見える椀形の巣をつくる。内装は樹
皮や細枝等を使い、外装はウメノキゴケなどをクモの糸を使って貼り付ける。樹冠
部の葉や小枝が茂る下側で、ホバリングしながら昆虫類やクモをとる。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境1 箇所で生息
が確認され1 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
151(4-4-108)
表 4-4-22(46) 重要な鳥類の予測結果(アカモズ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
響
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
全長約20cm。頭上から背・尾は赤褐色。翼は黒褐色で赤褐色の羽縁がある。額
と眉斑は白黄色。過眼線は黒い。喉・頬・下面は白黄色、側胸から脇は淡い橙黄色
で雌にはこの部分に褐色波状斑を持つものがいる。
シベリア・モンゴル・アルタイ・ウスリー地方・中国北東部・朝鮮半島・日本で
繁殖し、冬はインド・東南アジア・フィリピン・インドネシアなどに渡る。
飯塚らにより数の多い野鳥として紹介されているが、近年では裏磐梯・土湯仁田
沼等で突発的に観察例があるのみである。
夏鳥として北海道から九州まで渡来する。先島諸島では少数が越冬する。平地か
ら山地の潅木のある草地や農耕地などに生息するが、近年全国的に減少している。
少ない夏鳥として平地から山地の開けた農耕地などで見られる。
近年渡来数は減少し、1990 年代の渡来地として蔵王町賽の河原、仙台市井戸浦、
岩沼市下野郷、矢本町大曲、河北町上品山があるが、1990 年代以降観察記録はな
い。
生息環境を含め、減少の要因は不明である。生息地に不用意に近づくと繁殖放棄
など直接の脅威となる。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の草地・耕作地環境で確認された。また、
平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地及び低地の草地・耕作地環境は、生息地として利用され
ていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・草地
環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林・草地環境
測 及び供用による影響 を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小
①鉄道施設(地表式又は掘 さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*3:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
152(4-4-109)
表 4-4-22(47) 重要な鳥類の予測結果(クロツグミ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
日本産ツグミ類では最も小さい。成鳥雄は頭から胸と上面が灰色がかった黒色。
腹から下尾筒まで白色で、脇腹に黒色の三角斑がある。嘴と目の周りは黄橙色。足
は黄褐色。成鳥雌は上面が暗褐色で、腰と尾はやや灰色を帯びる。翼の下雨覆は橙
黄色、下面は白く三角黒色斑があり、胸から脇腹にかけて橙色味がある。雌はマミ
ジロに似るが眉斑はない。
冬は中国南部、インドシナ半島に渡る。北海道では平地の林で、九州以北では低
山帯の広葉樹林で繁殖する。
県内一円の低山帯・亜高山帯の明るい広葉樹林に生息する。垂直分布はマミジロ
やアカハラより標高の低い1000m 位までを分布域とする。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台
湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日
本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
153(4-4-110)
表 4-4-22(48) 重要な鳥類の予測結果(オオセッカ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
内容
種の保存法:国内希少野生動植物種、環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、
福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
スズメ目/ヒタキ科/ウグイス亜科の小鳥。全長14cm。セッカに似るが尾は長
めで先端部の白い部分がない。背中には黒い斑点 が目立つ。
世界的に見ても日本及び中国東北部に限定して生息する貴重な種。
我が国では青
森、秋田、宮城など関東以北のアシなどが密生する湿地で繁殖し、冬は本州中部な
どへ移動する。
県内での記録はほとんどないが、
宮城県仙台湾や千葉県などとの環境の類似性か
ら、
浜通りの太平洋に接する河口や河口に隣接する湿地には生息する可能性も考え
られる。今後は、繁殖期、非繁殖期にわたり詳細な生息確認調査が望ましい。
日本と中国の一部に分布。ヨシなどが密生する湿地に生息し、湿ったヨシ群落と
草丈の低い乾燥した草地がモザイク状に入り混じる湿地帯を繁殖環境として好む。
全長13cm。頭部から上面は淡い茶色で、頭頂に暗色の斑がある。眉斑と喉から
の体下面は白く、胸と脇は淡い褐色味がある。背と肩羽、三列風切に黒い縦斑があ
り太い。尾羽は茶色で長く、凸尾。脚は肉色。
巣はヨシ、ススキ、下草の中にあり、地上から10cm 程度の所につくる。繁殖期
にはなわばりの草むら中から舞い上がりさえずりながら半円形を描いて舞い降り
るさえずり飛翔を行い、なわばり宣言をする。
文献調査*3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の池沼環境 1 箇所で生息が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された低地の池沼環境及び海岸は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼・湿地・草地環境及び海岸は
対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
低地の河川・池沼・湿地・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
残される。なお、本事業による海岸の改変は無い。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼・湿地・草地環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
①鉄道施設(地表式又は掘 境は周辺に広く残される。なお、計画路線は海岸を通過しない。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、
日本野鳥の会宮城県支部)
154(4-4-111)
表 4-4-22(49) 重要な鳥類の予測結果(コヨシキリ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
スズメより小さい。雌雄同色。全身オリーブ茶褐色。白っぽい眉斑の上に黒褐色
の頭側線がある。下面は汚白色で胸から脇にかけて淡褐色。ヨシの穂先や灌木の枝
先など、目立つところにとまって「ピッピッピ、ピッピッ、ピィピィ、ジジ、ピィ
ピィ」など変化の多いさえずりをする。
夏鳥として全国に渡来する。主に本州中部以北で繁殖するが、局所的。東南アジ
アで越冬する。
夏鳥として浜通り、中通り、会津地方の平地から高地までの草原で繁殖するが局
所的。低地の水辺のヨシ原、河川敷から高原の裏磐梯、駒止湿原、尾瀬等でもみら
れるが個体数は少ない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川・池沼・湿地環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の河川・池沼・湿地環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・
池沼・湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地環境の改変面積は小さく、同様の
環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
測 及び供用による影響 地・草地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
155(4-4-112)
表 4-4-22(50) 重要な鳥類の予測結果(オオヨシキリ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
スズメよりやや大きく、雌雄同色。成鳥は頭から体の上面はオリーブ茶褐色で腰
と上尾筒は少し淡く、眉斑は白、下面はバフ白色で胸側から脇が茶褐色を帯び、胸
に不明瞭な褐色の縦斑がある。
嘴は長く黒く下嘴基部は肉褐色で嘴基部にひげがあ
る。ヨシ原で大きく濁った声で「ギョギョシ、ギョギョシ」とさえずり、地鳴きは
「ゲッ」エゾセンニュウと似ているが嘴基部にヒゲがない。夏鳥。
夏鳥として九州以北の海岸、河口、川岸、湖沼畔の広いヨシ原に渡来。越冬は東
南アジア。
県内全域の海岸、河川、湖沼畔のヨシ原に生息。生息には広いヨシ原が必要で、
県内の河川開発、湖沼開発等でヨシ原が減少し、1980 年後半から急激に減少して
いる。
日本には夏鳥として北海道北・東部と沖縄を除く全国に渡来する。8~9 月には
渡去し、東南アジアで越冬する。水辺のヨシ原に生息し、海岸や河口などの低地の
湿原や山地の湖岸や川岸の湿地で普通に繁殖する。竹林で繁殖する地方もある。繁
殖期は5~8 月、年に1~2 回繁殖するが本州中部以北では年に1回の繁殖が普通。
雛の餌には鱗翅類の幼虫とクモ類が多く、双翅類や直翅類、鱗翅類の成虫、マイマ
イなども与える。
全長18cm。上面が灰褐色で、下面は全体的に白っぽいが、胸に淡褐色味がある。
不明瞭な汚白色の眉斑があり、嘴基部にしっかりした髭がある。繁殖期には頭部の
毛を立てていることが多く、角張って見える。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境及び海岸で確認さ
れた。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地及び低地の
河川・水田環境の計7 箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、6 箇所
は対象事業実施区域外であった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・池沼・
草地・水田環境の計 79 箇所で生息が確認され、そのうち 3 箇所は改変区域、9 箇
所は対象事業実施区域内、67 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地・水田環境及び海岸
は、生息地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘
陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布し
ている。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地環境の改変面積は小さく、同様の
③造成等の施工による一
環境は周辺に広く残される。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
測 及び供用による影響 地・草地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
156(4-4-113)
表 4-4-22(51) 重要な鳥類の予測結果(セッカ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
スズメより小さい。雌雄同色。夏羽では頭上が黒褐色、体上面は黄褐色と黒の縦
斑、尾は黄褐色で先が白い。下面は淡黄褐色。冬羽では頭上が黄褐色になり、黒い
縦斑がある。ヨシ原、水田などの湿地や草原の上を「ヒッヒッヒッヒッ・・・・」
と澄んだ声で鳴きながら高度を上げ、昇りきると「チャッ、チャッ、チャッ・・・・」
や濁った「ジャッ、ジャッ、ジャッ、
・・・」と鳴きながら降りてくる独特のさえ
ずり飛翔をする。
日本では沖縄から秋田県にかけて分布するが、本州中南部に多い。本州北部のも
のは冬期は暖地に移動する。
夏鳥として県内各地でみられるが、分布は局所的。浜通りの河口草原、休耕田、
牧草地、中通り中部から県南の河川敷・休耕田でみられるが、1970 年中頃から県
内全域で渡来数が減少している。中通り北部ではほとんどみられなくなった。会津
地方はまれ。
日本では沖縄から秋田県まで分布するが、特に本州中南部に集中し、北陸、東北
地方にかけては局地的に分布する。日本の多くの地方では夏鳥として繁殖する。低
地から山地の草原、水田に生息し、チガヤやカルカヤのようにやや丈が低いイネ科
が茂る草原を好む。海岸や河口のやや湿った草原や河原の草原に多い。植物の茎を
移動しながら、昆虫類、クモ類を食べる。
全長13cm。成鳥夏羽は頭部からの上面が黄褐色で、頭側線に沿って黒褐色味が
ある。背や肩羽、雨覆には黒褐色の縦斑がある。眉斑と頬は淡褐色で、喉は白っぽ
い。体下面は褐色味のある白色。嘴は黒っぽく、下嘴に肉色味がある。脚は肉色。
成鳥冬羽は頭部からの上面の色が淡くなり、胸と腹、脇の黄色味が強くなる。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・耕作地環境で確認さ
れた。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地及び低地の
湿地環境で生息が確認された。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の草地・水田環
境の計 47 箇所で生息が確認され、そのうち 11 箇所は対象事業実施区域内、36 箇
所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田環境は、生息地とし
て利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の
河川・草地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・草地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・草地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平
成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平
成 2 年、山元町)
157(4-4-114)
表 4-4-22(52) 重要な鳥類の予測結果(コサメビタキ)
項目
内容
選定基準
福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
全長13cm。雌雄同色。上面は褐色がかった灰色。下面は白色で顎線と胸に不明
瞭な縦斑がある。眼の周りと眼先は白い。嘴と足は黒色で細い。
日本では九州以北に夏鳥として渡来。
ロシアのバイカル湖付近から極東地域や中
国北東部・サハリン・インド・ヒマラヤで繁殖し、東南アジア・中国南部・インド
などで越冬する。
福島市・二本松市・郡山市・小野町・会津高田町等から観察記録がある。昭和
40 年代まではツバメより渡来数の多い種であったが、近年あまり観察されなくな
った。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
測 及び供用による影響 架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
158(4-4-115)
表 4-4-22(53) 重要な鳥類の予測結果(サンコウチョウ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
全長は雄約 45cm、雌 17.5cm。雄は頭から胸が黒色、背は紫褐色、尾は黒色で
中央 1 対は極端に長い。雄の眼瞼は鮮やかな青色で幅が広い。雌は雄ほど目立た
ない。
日本には夏鳥として本州以南に渡来。中国南部からスマトラ島で越冬。
県内全域の平地から低山の、うす暗い雑木林・スギの植林地などに生息。以前は
各地の公園内でも多くの観察例が報告されている。
本州以南の低地から山地のよく茂った比較的暗い林に夏鳥として渡来し、
繁殖す
る。スギ林にも生息する。
雄成鳥は全長約45cm であるが、
中央尾羽が長く、
全長の半分以上が尾羽である。
頭頂から顔にかけてと胸が黒く、後頭部には短い冠羽がある。上面は紫色味の強い
褐色で、腹部と下尾筒は白い。嘴とアイリングはコバルトブルー。雌は全長約
18cm。頭部や下面は雄とほぼ同じだが、背と腰、尾羽が褐色。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地及び低地の湿地環境で生息が確認
された。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域内であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
測 及び供用による影響 土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
①鉄道施設(地表式又は掘 の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境
調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城
県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
159(4-4-116)
表 4-4-22(54) 重要な鳥類の予測結果(コジュリン)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
全長14.5cm。オオジュリンに似るが、オオジュリンより一回り小さい。雄の夏
羽では白い頬線がないこと、後頸に白帯がないことでオオジュリンと区別される。
中国東北部と本州中部、北部、九州の一部で繁殖する。分布も局所的で不明な点
が多い。
県内での記録はいわき市や福島市、相馬市などで確認情報があるものの、観察例
は少ない。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境及び海岸で確認さ
れた。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境及び海岸は、生息地と
して利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地
の河川・池沼・湿地・草地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・草地環境の改変面積は小さく、同様の
環境は周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
測 及び供用による影響 地・草地環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は
①鉄道施設(地表式又は掘 小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
160(4-4-117)
表 4-4-22(55) 重要な鳥類の予測結果(ホオアカ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
ホオジロより少し小さい。成鳥雄の頭は灰色で細い黒斑がある。頬は赤褐色。上
面は薄茶色で下面は白く、胸にT字型の黒色帯と茶色の横帯がある。雌は全体とし
て淡い。草原の灌木の枝先など比較的目立つところにとまって「チョッチチチロチ
ッ」とさえずる。ホオジロに比べて抑揚に乏しく、後節にやや濁った声が入ること
がある。地鳴きは「チッ」
「チョッ」などの1~3 音で他のホオジロ類に似ている。
日本では、ほぼ全国の草原で繁殖するが、冬には関東地方以南で越冬するものが
多い。
県内では浜通りの河口草原、中通り、会津地方の河川敷、休耕田から、雄国沼、
尾瀬などの高地草原まで各地の草原に夏鳥として見られるが、個体数は少ない。
北海道、本州、四国、九州の各地で夏鳥として繁殖し、冬は本州南西部以南で越
冬するものがあり、九州南部ではかなり多数が越冬する。低地、低山帯、亜高山帯
の草原、あるいは草原状の所にすみ、あらゆる草原で見られる。草原のなかでも、
比較的草丈の低い乾いたところを好む。草が茂る地上や低木、藪の茂みでイネ科や
タデ科の種子などを食べる。雛には昆虫類を与える。
全長16cm。成長雄は頭部が灰色で、黒褐色の縦斑が密にある。頬は茶色で、後
方に小さな白斑がある。上面は淡い茶色で、背に黒褐色の縦斑がある。喉から胸に
かけては白く、胸に T 字形の黒い模様があり、その下に茶色いバンドがある。腹
から体下面にかけては淡い褐色味を帯びた汚白色。嘴は黒く、下嘴は肉色。脚は肉
色。成鳥雌は頭部の灰色がやや薄い。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・耕作地環境で確認さ
れた。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地及び低地の
湿地環境で生息が確認された。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の草地・水田環
境の計 30 箇所で生息が確認され、そのうち 3 箇所は改変区域、2 箇所は対象事業
実施区域内、25 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
影 ③造成等の施工による一
時的な影響
響
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・湿地・草地・水田・耕作地環境は、生
息地として利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及
び低地の河川・草地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・草地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・草地・水
測 及び供用による影響 田環境を高架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
①鉄道施設(地表式又は掘 同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としており、盛土区間においては、鉄道施設や
②列車の走行(地下を走行 列車の走行があるものの、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「原色日本野鳥生態図鑑<陸鳥編>」
(平成 7 年、保育社)
、
「山渓ハンディ図鑑 7 日本の野鳥」
(平成 10 年、
山と渓谷社)
*3:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「宮城県の鳥類分布」
(平成 14 年、日本野鳥の会宮城県支部)
、
「やまもとの野鳥」
(平成 2 年、山元町)
161(4-4-118)
(3) 爬虫類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な爬虫類についての予測結果
を表 4-4-23(1)~(2)に示す。
表 4-4-23(1) 重要な爬虫類の予測結果(タカチホヘビ)
項目
内容
選定基準
福島県:未評価(NE)
、宮城県:情報不足(DD)
全長30~60cm、頭部は細長く目が小さい。頸部にくびれがほとんどない。褐色
で光沢のある鱗を持ち、頸部から尾部まで1本の黒い線が入る。幼蛇は黒っぽい。
本州・四国・九州と沿岸島に分布する。中国大陸の中部から東部にも分布すると
言われているが、同種かどうかははっきりしていない。
夜行性のためか発見されることは希である。
本県では過去に富岡町や広野町で確
認された記録があるが、今回の調査では発見することができなかった。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
162(4-4-119)
表 4-4-23(2) 重要な爬虫類の予測結果(ヒバカリ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
全長40~60cm、背面は褐色から茶褐色。ジムグリに似るが、口角から首にかけ
て淡黄色のえり模様が入るのと、腹面の両側にある黒点列で区別できる。
本州・四国・九州と沿岸島に分布する。森林から平地、特に水田や湿地に多く、
人家近くにも現れることもある。
ほぼ全域で生息していると思われるが、
人家近くに生息するアオダイショウやシ
マヘビ、ヤマカガシと比較すると出現頻度が低く、希少であると思われる。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本州、四国、九州及びその周辺の沿岸島(佐渡島、隠岐、五島列島等)に分布する。
森林から草地、水田や畑まで幅広い環境に生息し、カエル、ミミズを食べるほか、
水にもよく入り小魚も採食する。主な活動時間は早朝や夕方である。5~6 月に交
尾し、7~8 月に4~10 の卵を産む。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の森林・湿地・草地・水田環境で確認され
た。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境3 箇所で生息
が確認され、3 箇所は対象事業実施区域外であった。
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・湿地・草地・水田環境は、生息地とし
て利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・
湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
丘陵地及び低地の森林・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
③造成等の施工による一 広く残される。
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
影
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架、盛土、
予 土地又は工作物の存在 切土及びトンネル構造、丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架、盛土及び切土構
測 及び供用による影響 造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①鉄道施設(地表式又は掘 れる。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
②列車の走行(地下を走行 設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
する場合を除く。)
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「日本動物大百科 第 5 巻 両生類・爬虫類・軟骨魚類」
(平成 12 年、平凡社)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮
城県の両生類・は虫類」
(平成 12 年、宮城野野生動物研究会)
、
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査
報告書」
(平成 14 年、宮城県)
163(4-4-120)
(4) 両生類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な両生類についての予測結果
を表 4-4-24(1)~(6)に示す。
表 4-4-24(1) 重要な両生類の予測結果(トウホクサンショウウオ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
成体の全長は 10~14cm 位。他種との区別は卵のうの形態を比較し行うのが良
い。本種の卵のうは、らせん状または、
「の」の形になることが多い。半透明で表
面にしわが多く、とても柔らかい。
日本固有種で東北地方および新潟県・群馬県・栃木県に分布する。
会津地方と阿武隈山地北部に広く分布する。
阿武隈山地南部は、
目撃例が少なく、
分布の南限に近いと思われる。4~5 月ごろ、林内または林のそばにある湧き水・
水たまり・水田・緩やかな流れなどに産卵する。水路整備の影響を受け、減少傾向
が著しい。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・池沼・
湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の森林・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
③造成等の施工による一
る計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・池沼・湿地・水
土地又は工作物の存在
測
田環境を高架盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、池沼内に
及び供用による影響
橋脚を建設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「宮城県の両生類・は虫類」
(平成 12 年、宮城野野生動物研究会)
164(4-4-121)
表 4-4-24(2) 重要な両生類の予測結果(ハコネサンショウウオ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
奥羽山脈の船形山から蔵王山にかけての山地地域での生息確認が多く、
栗駒山地
域では少なかった。また、北上山地あるいは阿武隈山地でも少数の生息確認がなさ
れた。
県内の阿武隈山地、奥羽山脈及び北上山地にも生息するが、森林の伐採が進み、
生息環境が悪化し、生息地の減少及び個体数の減少が考えられる。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林・河川環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・河川環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・河川環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の森林・河川環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、河岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
③造成等の施工による一
る。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・河川環境を高
土地又は工作物の存在
測
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、河川内に橋脚を建
及び供用による影響
設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:「新地町史 自然・民族編」(平成 5 年、新地町教育委員会)
、
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環
境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城県の両生類・は虫類」
(平成 12 年、宮城野野
生動物研究会)
165(4-4-122)
表 4-4-24(3) 重要な両生類の予測結果(アカハライモリ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、
宮城県:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
全長 7~13cm、全体に黒色であるが腹面が赤いことでサンショウウオとは区別
できる。腹面の模様は全体が赤いものから、黒色の部分が多いものまで個体差、地
域差が大きい。
日本固有種。本州・四国・九州と周辺諸島に広く分布する。池・水田・湿地など
流れの緩やかな水中に多い。
県内全域に分布している。以前は水田や水路でごく普通にみられたが、現在では
市街地やその周辺を中心にほとんどみられなくなった地域が少なくない。
山地のた
め池など、多くの個体が生息する場所が残っているものの、分布は局地的になりつ
つある。
本州、四国、九州、佐渡島、淡路島等の島々に分布する、日本固有種である。水
田や池、小川等に生息し、主にミミズ、昆虫、カエルの幼生等の小動物を捕食する。
昼間も活動するが、夜間の方が活発である。産卵期は、4 月から7 月上旬である。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認され
た。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の水
田環境(水路)の計2 箇所で生息が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であっ
た。
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生息地とし
て利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・
池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極
③造成等の施工による一
力抑える計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
土地又は工作物の存在
測
田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、河川・池沼内に橋脚を建
及び供用による影響
設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「日本動物大百科 第 5 巻 両生類・爬虫類・軟骨魚類」
(平成 12 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「宮城
県の両生類・は虫類」
(平成 12 年、宮城野野生動物研究会)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環
境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
166(4-4-123)
表 4-4-24(4) 重要な両生類の予測結果(トウキョウダルマガエル)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
頭胴長 39~87mm、雌雄に明確な体色差はみられない。背中の斑紋は独立して
いる。
本州(仙台平野、関東平野、新潟県中部・南部、長野県北部・中部)に分布する。
鳴き声による報告では、福島市、郡山市、いわき市、原町市、船引町、猪苗代町、
双葉町、小高町、岩瀬村において報告があり、トノサマガエルと考えられる個体と
分布域が重なっている。
関東地方、仙台平野、信濃川流域に分布する。平地や盆地の水田や池などに生息
し、生きている小動物のみ採食する。4~7 月に水田や湿地などで繁殖する。繁殖
期の雄は、集団でディスプレイを行う。変態した年の秋あるいはその翌年に性成熟
する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の湿地・水田環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地及び低地の水田環境の計13
箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、2 箇所は対象事業実施区域内、
10 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の水
田環境の計 102 箇所で生息が確認され、そのうち 3 箇所は改変区域、20 箇所は対
象事業実施区域、79 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の湿地・水田環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架
予 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
測 及び供用による影響
に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「日本動物大百科 第 5 巻 両生類・爬虫類・軟骨魚類」
(平成 12 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成
12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討 報告書」
(平成 13 年、
日本道路公団東北支社)
、
「や
まもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
167(4-4-124)
表 4-4-24(5) 重要な両生類の予測結果(ツチガエル)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
頭胴長 30~60mm、体色は暗灰色から灰褐色で背中や足にかけてイボ状の突起
がみられる。産卵場所は、沼、湿地(水田を含む)などで、幼生(オタマジャクシ)
は越冬する個体が多い。
本州、四国、九州、佐渡島、隠岐、五島列島、朝鮮半島、中国大陸東北部および
ロシア沿海州に分布する。なお、北海道西南部と伊豆諸島、ハワイは人為的に移入
され、定着した。
県内全域でみられ、中山間地の沼、水田で多く、かつては平坦地の水田において
代表的な種であったが、農薬使用等による個体数の激減から未だ回復していない。
本州、四国、九州、佐渡島、隠岐などに分布する。都市部の人工池から水田、河
川、山間の渓流、湿原までの水辺に生息している。繁殖期は 5 月末~8 月末で、1
回の繁殖期に2~3 回産卵する雌もいる。産卵場所は池、水田、溝、沼などの水溜
り、小川の流れの緩い場所である。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境で確認され
た。また、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の水田環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生息地とし
て利用されていると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の
河川・池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の
用いる車両の運行
環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発
③造成等の施工による一
生を極力抑える計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
土地又は工作物の存在
測
地・水田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、河川・池沼内に橋
及び供用による影響
脚を建設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「日本動物大百科 第 5 巻 両生類・爬虫類・軟骨魚類」
(平成 12 年、平凡社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社
仙台工事事務所)
168(4-4-125)
表 4-4-24(6) 重要な両生類の予測結果(モリアオガエル)
項目
内容
選定基準
福島県:情報不足(DD)
頭胴長 40~80mm、四肢の指は吸盤が発達しており、樹上生活に適した形態と
なっている。雌の方が大きく、雄は60mm 前後である。また、シュレーゲルアオ
ガエルとの区別は、
背中の皮膚のざらつきや目の虹彩の色が本種はオレンジである
点などで区別する。
本州(茨城県を除く)
、佐渡島に分布する。
産卵条件を満たす場所が少ない南会津の一部を除く全域で確認されている。
生息
数は比較的多く、現段階では絶滅の心配はないが、産卵場所は常に水の絶えない場
所(池沼等)
、卵塊を固定できる木の枝等が存在する場所など限定される。
*2
文献調査 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・池沼・湿地・
水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の森林・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
③造成等の施工による一
る計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・池沼・湿地・水
土地又は工作物の存在
測
田環境を高架盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、池沼内に
及び供用による影響
橋脚を建設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 相双地区自然環境保全対策検討 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
169(4-4-126)
(5) 昆虫類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な昆虫類についての予測結果
を表 4-4-25(1)~(44)に示す。
表 4-4-25(1) 重要な昆虫類の予測結果(ヒヌマイトトンボ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅰ類(A)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
腹長 22~25mm、後翅長 13~16mm。オスは黒地に緑色の眼後紋が 4 個あ
り、他のイトトンボ類とは容易に区別できる。メスの体色は橙色で、頭頂には
ほぼ五角形をした黒色斑がある。
宮城県から大阪府にかけての太平洋沿岸と対馬、福井、京都、兵庫などの日
本海沿岸、山口県の瀬戸内海沿岸に分布している。
新地町埒浜、相馬市松川浦大洲、原町市小沢の 3 箇所で生息が確認されて
いるが、相馬市では埋め立てにより生息地が消滅し、新地町でも河川の護岸工
事によるヨシ原の一部消失や淡水化による他生物の進入等により個体数は激
減している。原町市では生息域のヨシ原が狭く個体数も多くない。
国内では、太平洋岸の宮城、福島、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川、静岡、愛
知、三重、大阪、の各都府県、日本海側の福井、京都、兵庫の各府県および瀬戸内
海側の山口県、岡山県、大分県さらに長崎県(対馬)に分布している。
成虫は5~8 月に発生する。成虫・幼虫とも水位変動のある汽水域の、密生した
ヨシ原に生息する。幼虫は実験的に、汽水よりも淡水で成長が早く、生存率も高い
ことが分かった。淡水域では大形種の捕食圧があるため、このような環境を選択し
ていると推測される。メスは単独で植物組織内に産卵する。
文献調査*1、3 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された海岸は、生息地として利用されていると考えられ、本種の主な
生息環境である低地の河川・池沼・湿地環境(汽水)は対象事業実施区域周辺に広
く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
低地の河川・池沼・湿地環境(汽水)の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広
用いる車両の運行
く残される。また、河岸・池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える
③造成等の施工による一
計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼・湿地環境(汽水)を
土地又は工作物の存在
測
高架及び盛土構造で通過する計画としているが、河川・池沼内に橋脚を建設しない
及び供用による影響
ことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック 5 昆虫類」
(平成 18 年、環境省)
*3:
「第 2 回自然環境保全基礎調査 宮城県動植物分布図」
(昭和 56 年 環境庁)
170(4-4-127)
表 4-4-25(2) 重要な昆虫類の予測結果(モートンイトトンボ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:未評価(NE)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道南部、本州、四国、九州に分布する。国外では朝鮮半島、中国中部、ロシ
ア沿海州などに分布する。
雄の眼後紋は弧状で腹端部が広く燈色であることなどで
区別される。おもに平地から丘陵地の草丈の低い湿地に生息する。本種は湿地の遷
移初期に見られることが多く、永続的な生息地はきわめて限られる。休耕田や放棄
田にもしばしば生息するが、
植生遷移や乾燥化によって短期間の発生に終わること
が多い。熊本県では県条例による指定希少野生動植物に指定されている。
湿地に発生し、成虫期5~9 月。
北海道南端部から熊本・宮崎・粟島・佐渡・対馬、華中~アムールに分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 昆虫類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「原色日本昆虫図鑑(下)
」
(平成 8 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成
20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、
東日本高速道路株式会社 東北支社 仙
台工事事務所)
171(4-4-128)
表 4-4-25(3) 重要な昆虫類の予測結果(オオモノサシトンボ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
日本の一部と中国揚子江流域に分布する、分布と生息範囲が限られる種。(分布
図では、宮城県北部と中央部の南部・杉村ら:1999)
利根川と信濃川水系下流のデルタ地帯や、湿生植物(抵水植物)が繁茂する河跡池
沼(杉村ら:1999)。本県の最初の発見地は岩沼市相の釜の沼(仙台海浜の海岸林地
帯)。のちに富士沼でも記録された。杉村ら(1999)の分布図では、県北部と中央部
の南部。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
172(4-4-129)
表 4-4-25(4) 重要な昆虫類の予測結果(コバネアオイトトンボ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
腹長28~33mm、後翅長18~22mm。あざやかな金緑色をした中型のイトトン
ボ。日本産アオイトトンボ属中最も小型である。
本州、四国、九州に分布するが、産地は局地的である。
会津若松市、磐梯町、郡山市、相馬市での記録がある。現在の確実な生息地は会
津若松市の赤井谷地のみである。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「仙
台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
173(4-4-130)
表 4-4-25(5) 重要な昆虫類の予測結果(マダラヤンマ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
北海道・本州、シベリア、中国、小アジア、ヨーロッパに分布する。
ヨシやマコモの生育する平地の池沼。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架構造で
予 土地又は工作物の存在
通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、改変面積は小さ
測 及び供用による影響
く、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「仙台湾海浜県自然環境保全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
174(4-4-131)
表 4-4-25(6) 重要な昆虫類の予測結果(カトリヤンマ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
腹長51~57mm、後翅長42~50mm。複眼が著しく大きく、腹部第3 節が顕著
にくびれたやや細身の中型ヤンマ。
北海道、本州、四国、九州に分布するが、東北地方では産地が局限化する。
最近の記録としては梁川町、山都町、矢吹町などがあるが、確実な生息地は矢吹
町のみである。
文献調査*2 によると、低地の池沼・水田環境で確認された。また、平成 24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼・水田環境は、生息地として利用されていると考え
られ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・池沼・湿地・水田環境は
対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の森林・池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は
用いる車両の運行
周辺に広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
③造成等の施工による一
る計画としている。
時的な影響
影
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・池沼・湿地・水
予
土地又は工作物の存在 田環境を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、池沼内
測
及び供用による影響 に橋脚を建設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
①鉄道施設(地表式又は掘 る。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
②列車の走行(地下を走行 設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
する場合を除く。)
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「仙台湾海浜県自然環境保
全地域学術調査報告書」
(平成 14 年、宮城県)
、
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
175(4-4-132)
表 4-4-25(7) 重要な昆虫類の予測結果(ハッチョウトンボ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
本州・四国・九州;中国;東南アジアに分布。
山地の湿地・湿原から、丘陵地とその周辺部の湿地。丘陵地の沢添いの休耕田(沢
田)。一方、人為的な土地改変等によって生じた湿地状の場所にも生息することが
ある。例えば道路建設等でできた崖からの浸出水が潤す小湿地。土地造成が表流水
を塞き止めて生じた湿地。成虫は湿地内の草丈の低い植物によく止まり、低く飛ぶ
ことから、これまで本種は移動能力が乏しいとの印象が強いが、上記の生息状況は
新たな湿地(一次遷移の初期)を選好して移動する性質があること示している(小野
泰正)。
仙台市泉ケ岳の南山腹の芳の平の生息地では、
ミズバショウやハンノキ等の繁茂
とともに姿を消した。休耕田及び人為的な湿地では、植生の繁茂又は乾燥によって
消滅する。
文献調査*2 によると、低地の池沼・水田環境で確認された。また、平成 24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された低地の池沼・水田環境は、生息地として利用されていると考え
られ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の湿地・水田環境を高架
予 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
測 及び供用による影響
に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「やまもとの昆虫」
(平成 4
年、山元町)
176(4-4-133)
表 4-4-25(8) 重要な昆虫類の予測結果(チョウトンボ)
項目
内容
選定基準
福島県:準絶滅危惧(C)
腹長21~26mm、後翅長33~38mm。黒みの強い金緑色あるいは紫藍色に輝く
大きなはねを持ち、一見、チョウのような飛び方をする特異な中型トンボ。
本州、四国、九州に分布するが、東北地方では局地的である。
会津、
浜通りでは産地が散見できるが、
中通りでの確実な生息地はほとんどない。
腹長♂22~26mm、♀21~24mm。国内では本州、四国、九州および周辺の島々
に分布する。
東北地方北部では産地が限られる。
主に平地や丘陵地のヨシやマコモ、
ガマなどの丈の高い挺水植物が繁茂した腐植栄養型の泥深い池沼などに生息し、
成
虫は東海地方では6 月上旬から9 月末までみられ、7 月上旬から8 月上旬に多い。
産卵は雌が単独飛翔し、水面に腹端を打ちつけるように行う。幼虫は挺水植物の根
ぎわや、植物性沈積物の陰にひそんだり、水底の柔らかい泥に浅く潜ったりして生
活している。
文献調査*3 によると、低地の池沼・水田環境で確認された。また、平成 24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、低地の池沼環境で生息が確認された。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の草地・水田環
境の計2 箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、1 箇所は対象事業実
施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼・草地・水田環境は、生息地として利用されている
と考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事
業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」
(平成 11 年、北海道大学図書刊行会)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「やまもとの昆虫」
(平成 4
年、山元町)
177(4-4-134)
表 4-4-25(9) 重要な昆虫類の予測結果(リスアカネ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
本州、四国、九州に分布。幼虫は体長18~20mm、頭幅5~6mm。淡黄褐色ま
たは淡褐色の地に褐色と黒褐色の複雑な斑紋があるアカネ型の小型ヤゴ。
おもに丘
陵地や低山地の森林に覆われたやや鬱閉的で、植物性沈積物の多い池沼に生息す
る。幼虫は水底の植物性沈積物の陰に潜んでいることが多い。成虫は 5~11 月に
見られる。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田環境 1 箇所で生息が
確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水田環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・池沼環境は対象事業実施区域周
辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の森林・池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・池沼環境を高
土地又は工作物の存在
測
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建
及び供用による影響
設しないことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「原色日本トンボ幼虫・成虫大図鑑」
(平成 11 年、北海道大学図書刊行会)
178(4-4-135)
表 4-4-25(10) 重要な昆虫類の予測結果(コノシメトンボ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
腹張24mm 内外、後翅長33mm 内外。
本州、四国、九州及び朝鮮、満州(東南部)
、台湾、中支、南支等に広く分布す
るが、まだ北海道では確認されていない。
文献調査*2 によると、低地の水田環境で確認された。また、平成 24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水田環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業実施区域周
辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(下巻)
」
(昭和 52 年、保育社)
*2:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
179(4-4-136)
表 4-4-25(11) 重要な昆虫類の予測結果(コオイムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
体長 17~20mm。体は黄褐色~暗褐色、ほぼ卵形で扁平。前脚は捕獲脚となる
があまり太くなく、爪は2個。中後脚は遊泳脚となる。尾端に伸縮自在の短い呼吸
管がある。初夏の頃、雌は雄の背面に卵を産みつける。この亜科には雄に臭腺がな
い。
本州、四国、九州に分布する。
本州・四国・九州、ロシア極東部、朝鮮半島に分布する。
沼・水田などの止水域に生息し、蕪栗沼地域などでは浅い水溜まりで見かけるこ
ともある。雌は雄の背中(体の上面:畳んだ羽の上)に卵を並べて産み、雄は卵塊を背
負っ
て行動するのでこの和名がある。この間、雄は飛べない。卵殻は、幼虫が孵化し
たのちに脱落する。成虫は秋に飛翔する習性があり、県北部に隣接する岩手県の国
道 4 号線沿いの駐車場に、相当数が下りていたことがある。越冬に先立っての行
動と考えられる。
体長 17~20mm。尾端に伸縮自在の短い呼吸管があり、これを水面に出して呼
吸する。本州、四国、九州に分布する。水田や浅水の池沼に生息し、水生昆虫や幼
魚等の体液を吸う。初夏に♀は♂の背面に卵を並べて生みつける。乾田では土壌の
ひび割れに入って成虫越冬する。
文献調査*4 によると、山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の湿地環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
一般生態*3
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の池沼・湿地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・
水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
③造成等の施工による一
としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
土地又は工作物の存在
測
を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないこと
及び供用による影響
から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*3:
「原色日本昆虫図鑑(下巻)
」
(昭和 52 年、保育社)
*4:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
180(4-4-137)
表 4-4-25(12) 重要な昆虫類の予測結果(ミヤケミズムシ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
内容
環境省:準絶滅危惧(NT)
本州・九州や台湾・中国に分布する。特定の池に群生する。
一般生態*2
水生植生が豊富な池沼に生息し、高密度で群生するが、産地は局所的である。
確認状況
文献調査*3 によると、低地の池沼・水田環境で確認された。また、平成 24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、低地の池沼環境で生息が確認された。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の草地・水田環
境で生息が確認された。
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼・草地・水田環境は、生息地として利用されている
と考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事
業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
予 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
測 及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(下巻)
」
(昭和 52 年、保育社)
*2:
「日本産水生昆虫」
(平成 17 年、東海大学出版会)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
181(4-4-138)
表 4-4-25(13) 重要な昆虫類の予測結果(ヤセオオヒラタカメムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
体色は触角や脚も含めて全体黒褐色であるが、前翅の膜質部の基部は黄褐色で、
腹部の背板はやや赤色をおびる。頭部は前方に突出し、複眼の前後には突起物があ
る。触角第1、2、3 節はほぼ同長だが、第4 節は丸くて一番短い。口吻の基部(第
1 節)が同属内では例外的に露出するので、他種との区別が容易である。
ノルウェーではポプラ類の立ち枯れ木や倒木の樹皮下から多く記録されている。
山地の高標高地に生息すると思われる。
典型的なブナ帯から記録されることが多
いようである。
日本(本州、九州)
、ロシア極東地域、ヨーロッパに分布する。
*2
文献調査 においては、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「レッドデータブックとちぎ(平成 17 年、栃木県)
*2:
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支
社 仙台工事事務所)
182(4-4-139)
表 4-4-25(14) 重要な昆虫類の予測結果(アイヌハンミョウ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
河原とその付近の草地などで局所的に多い。
北海道、本州、四国、九州、対馬のほか、朝鮮半島、中国、シベリア南東部に分
布する。
文献調査*2 においては、丘陵地及び低地の草地環境で確認された。また、平成24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の草地環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・草地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・草地環境を高
予 土地又は工作物の存在
架・盛土及び切土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環
測 及び供用による影響
境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(平成 6 年、保育社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
183(4-4-140)
表 4-4-25(15) 重要な昆虫類の予測結果(セアカオサムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道・本州・四国・九州、朝鮮半島、シベリア;中国に分布する。
平地の湿地付近(海浜地帯、河川や溜池まわり)から丘陵地・山麓。
文献調査*2 によると、山地・丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・
湿地環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は
周辺に広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・湿
予 土地又は工作物の存在
地環境を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
184(4-4-141)
表 4-4-25(16) 重要な昆虫類の予測結果(アブクマナガゴミムシ)
項目
選定基準
一般生態
生
息
情
報
内容
宮城県:情報不足(DD)
(※一般生態に係る文献なし)
確認状況
文献調査*1 によると、山地・丘陵地及び低地の湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
生息地の分布状況
本種が確認された環境は不明だが、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の
森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「平成 12 年度 常磐自動車道常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東
北支社)
185(4-4-142)
表 4-4-25(17) 重要な昆虫類の予測結果(シマケシゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北海道・本州(中国)に分布。
鳥の海、閖上で記録されている。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
186(4-4-143)
表 4-4-25(18) 重要な昆虫類の予測結果(ケシゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境県:準絶滅危惧(NT)
池にふつう。
北海道、本州、四国、九州、琉球(トカラ以北)に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(平成 6 年、保育社)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
187(4-4-144)
表 4-4-25(19) 重要な昆虫類の予測結果(ルイスツブゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
本州・四国・九州、中国に分布。
伊豆沼で記録されている。
4.0~4.5mm。上翅の色彩は一様で明らかな斑紋がない。池にふつう。
北海道、本州、四国、九州、琉球、朝鮮半島、中国、ウスリーに分布する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(平成 6 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
188(4-4-145)
表 4-4-25(20) 重要な昆虫類の予測結果(キベリマメゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境県:準絶滅危惧(NT)
清流に生息する少産種。
北海道・本州・四国・九州・対馬、朝鮮半島、中国北東部に分布。
遠刈田で記録されている。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川・池沼環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の河川・池沼環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地・丘陵地及び低地の河川環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、河岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としてい
影 ③造成等の施工による一
る。
時的な影響
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川環境を高架
測
及び供用による影響 構造で通過する計画としているが、河川内に橋脚を建設しないことから、改変面積
①鉄道施設(地表式又は掘 は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
189(4-4-146)
表 4-4-25(21) 重要な昆虫類の予測結果(ゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
体長 36~39mm。体型は卵形をしており、背面は光沢のある黒色でやや緑色が
かり、前胸背板と上翅の側縁は広く黄褐色に縁取られる。体下面は黄褐色で、腹部
中央、各腹節前・後縁が黒色を呈している。
北海道、本州、四国、九州に分布。
県内各地の平地から低山地にある水生植物の生えた池沼やなどに生息しており、
個体数の多い所も見られる。
体長約 35~40mm。背が緑色を帯びた黒色で、まわりは黄褐色に縁取られてい
る。体は全体的に水中生活に適するよう油がにじみ出てなめらかな流線型、後肢は
平たく幅広く内側に毛列があって、
泳ぐときには左右の肢をいっしょに動かしオー
ルの役目をする。後肢は前・中肢より長く、長い毛がはえている。
ゲンゴロウ類は浅くて、水生植物がよく繁茂した池沼・川・用水路・水田・湿地
などに生息している。
北海道、本州、四国、九州に分布する。
文献調査*3 によると、山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境で確認された。ま
た、平成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の河川・池沼環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
190(4-4-147)
表 4-4-25(22) 重要な昆虫類の予測結果(マルガタゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北海道~九州に分布する。体長 13~14mm、汚黄色で、上翅に密な小黒点紋が
ある。以前は各地の池や水田に生息する普通種で個体数もかなり多かったが、近年
は個体数の減少が著しい。北海道では道北地方を除き広く分布するが、本州産とは
形態的に異なるとの指摘もある。近縁のカラフトマルガタゲンゴロウは、サロベツ
湿原を中心とした北海道の道北地方のみから記録されており、
混生地は知られてい
ない。池や水田等の止水環境の悪化により、他の大型ゲンゴロウ類とともに生息環
境が急速に悪化していると考えられる。
北海道、本州、四国、九州に分布。体長は 12~14.5mm。体型は卵型で強く盛
り上がり光沢がある。頭部は黄褐色で後頭部と頭頂の V 字紋は黒色。前胸背も黄
褐色で、前・後縁には黒色の帯紋がある。上翅は黄褐色で基部と会合部が細く黒色、
翅面の網目模様も黒色を呈するが側縁にそって黒色紋を欠く。
平地や丘陵地の休耕
田、放棄水田、池沼などの水域に生息している。昔は比較的どこにでも見られた種
であるが、現在では水質や環境の良好な場所に限って生息している。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水田環境 2 箇所で生息が
確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水田環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
③造成等の施工による一
としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
土地又は工作物の存在
測
を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないこと
及び供用による影響
から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 昆虫類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「図説日本のゲンゴロウ」
(平成 5 年、文一総合出版)
191(4-4-148)
表 4-4-25(23) 重要な昆虫類の予測結果(シマゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
各地の池沼に普通の種である。
分布:日本全土や台湾・朝鮮・支那に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・水田環境を高架
土地又は工作物の存在
測
及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、
及び供用による影響
改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「平成
20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙
台工事事務所)
192(4-4-149)
表 4-4-25(24) 重要な昆虫類の予測結果(オオイチモンジシマゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
関東地方から東北地方の低山帯の池沼に生息する日本固有種。
本州の関東地方から東北地方の低山帯に分布する。
農薬などが流入しない池沼に
生息するが、個体数は非常に少なく、産地も限定されている。
本種を含む種群のおもな分布域は東洋熱帯であり、
本州での記録は分布の北限と
して非常に貴重である。
体長 16~17mm。本州(東北、関東)に分布する。稀な種でヨシの茂る湿地や
湧水やしみ出し水などでできた小規模な水たまりや、
弱い流れのある浅い水域で得
られる。また、灯火にも飛来する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の湿地環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地の湿地環境は、生息地として利用されていると考えら
れ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
③造成等の施工による一
としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
土地又は工作物の存在
測
を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないこと
及び供用による影響
から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック 5 昆虫類」
(平成 18 年、環境省)
*2:
「図説日本のゲンゴロウ」
(平成 5 年、文一総合出版)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
193(4-4-150)
表 4-4-25(25) 重要な昆虫類の予測結果(オオミズスマシ)
項目
内容
選定基準
環境県:準絶滅危惧(NT)
止水域にふつう。
北海道、本州、四国、九州、琉球のほか、サハリン、シベリア、朝鮮半島、中国、
ベトナムに分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架及び盛
予 土地又は工作物の存在
土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、改変面
測 及び供用による影響
積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(平成 6 年、保育社)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
194(4-4-151)
表 4-4-25(26) 重要な昆虫類の予測結果(ヒメミズスマシ)
項目
内容
選定基準
環境県:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
池などの止水域に生息する。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架及び盛
予 土地又は工作物の存在
土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、改変面
測 及び供用による影響
積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本産水生昆虫」
(平成 17 年、東海大学出版会)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
195(4-4-152)
表 4-4-25(27) 重要な昆虫類の予測結果(ミズスマシ)
項目
内容
選定基準
環境県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
池や細流に生息する。
本州、四国、九州に分布する。
体長約 6~7mm。体全体が黒くて艶がある。体は流線型で、いかにも目まぐる
しい速さで泳ぐのにふさわしい形をしている。
前肢は長くて獲物を捕えるのに適し
た形となり、中肢と後肢は短くて平たくなり、水をかく櫂の役目をしている。
池沼、水田、小川などの一般に流れの緩やかな浅い場所に生息している。
本州、四国、九州に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、河岸・池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑え
③造成等の施工による一
る計画としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
土地又は工作物の存在
測
を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、河川・池沼内に橋脚を建設しな
及び供用による影響
いことから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「日本産水生昆虫」
(平成 17 年、東海大学出版会)
*2:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*3:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
196(4-4-153)
表 4-4-25(28) 重要な昆虫類の予測結果(シジミガムシ)
項目
内容
選定基準
環境県:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
池・水溜に多い。
日本全土のほか、満州に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架及び盛
予 土地又は工作物の存在
土構造で通過する計画としているが、池沼内に橋脚を建設しないことから、改変面
測 及び供用による影響
積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(上)」
(平成 7 年、保育社)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社
仙台工事事務所)
197(4-4-154)
表 4-4-25(29) 重要な昆虫類の予測結果(コガムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
春から夏にかけ各地の池や沼に多い。また、よく灯火にくる。
本州・四国・九州のほか、アジア東部に分布する。
北海道~九州の平地や丘陵の池沼、水田に生息する。
ガムシに似ているが、腹端がガムシよりも丸みを帯びていて、小あごとひげ、あ
しが赤い。コガムシのような大型のガムシ類は、水草でゆりかごのような卵のうを
つくって水面に浮かべ、その中にゼラチン状の物質を放出し、卵を産みつける。卵
のうには筒状の呼吸管がついていて、卵はそこから空気をとり入れる。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の湿
地・水田環境の計9 箇所で生息が確認され、9 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は、生息地として利用
されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・
水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
用いる車両の運行
広く残される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画
③造成等の施工による一
としている。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
土地又は工作物の存在
測
を高架及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境
及び供用による影響
は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(上)」(増刷版)(平成 7 年、保育社)
*2:
「水辺の昆虫」
(平成 12 年、山と渓谷社)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
198(4-4-155)
表 4-4-25(30) 重要な昆虫類の予測結果(コガタガムシ)
項目
内容
選定基準
環境県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
本州、四国、九州、琉球のほか、台湾、中国、東南アジア、カシミール、インド、
スリランカに分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の池沼環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の池沼環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼環境を高架及び盛
予 土地又は工作物の存在
土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く
測 及び供用による影響
残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(平成 6 年、保育社)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
199(4-4-156)
表 4-4-25(31) 重要な昆虫類の予測結果(ヒメボタル)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
本州・四国・九州・屋久島に分布。
おもに丘陵地や山地の樹林内に生息し、ときに集団的に発生する。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
200(4-4-157)
表 4-4-25(32) 重要な昆虫類の予測結果(ゲンジボタル)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
本州・四国・九州に分布。
山間を流下する清流から丘陵地の沢、またその裾部の用水路で、カワニナが生息
する水域に発生する。
仙台市青葉区や泉区では、丘陵地から流下する小河川の改修工事が終了した後、
生息地となった箇所が認められる。現在、各地で「ホタルの里づくり」が行なわれ
ているが、どの地域の個体を飼育し放流するかについては検討を要する。
金成町大釜堰は、水路の改良事業で土の水路から三面コンクリートの水路とな
り、生息地でなくなった。昭和15 年国の天然記念物に指定された金成町沢辺の板
倉堰は、生息環境として回復するよう工夫した水路改良工事が実施されたが、現在
も発生は確認されない。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の河川環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の河川環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。また、河岸に橋台を
建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「や
まもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
201(4-4-158)
表 4-4-25(33) 重要な昆虫類の予測結果(アイヌテントウ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
ナナホシテントウによく似ているが翅の外方に 2 個づつの余分な黒紋があり、
やや稀な種である。成虫は6・7 月頃あらわれ、幼虫とともにアブラムシを食べる。
北海道、本州に分布する。
文献調査*2 によると、丘陵地の森林・草地・耕作地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地の森林・草地・耕作地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の河川・草地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の河川・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の河川・草地環境を高架
予 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
測 及び供用による影響
に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(上)」(増刷改訂)(昭和 51 年、保育社)
*2:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
202(4-4-159)
表 4-4-25(34) 重要な昆虫類の予測結果(ヤマトシロオビトラカミキリ)
項目
内容
選定基準
福島県:希少(D)
体長6~11mm。体全体が黒色を呈し、上翅の白色微毛は前方の分断されたC 字
紋と先端3 分の1 の横帯を有し、ややまばらな端紋も形成する。
本州、四国、九州に分布しており、丘陵地から低山地にかけて生息域があるが、
産地はやや局所的である。
阿武隈高地のいわき市、楢葉町、相馬市から記録されており、カエデの花上から
見いだされることが多く、モミを寄主植物としている。福島県が分布の北限となっ
ている。
文献調査*1 によると、相馬市内で確認された。また、平成 24 年の現地調査(春
季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された環境は不明だが、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の
森林環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
③造成等の施工による一 る。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
影
時的な影響
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
203(4-4-160)
表 4-4-25(35) 重要な昆虫類の予測結果(モンスズメバチ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
内容
環境県:情報不足(DD)
土中や屋根裏などの閉鎖空間に巣をつくる。
確認状況
文献調査*2 によると、丘陵地及び低地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事の実施による影響
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
①建設機械の稼働
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
②資材及び機械の運搬に 運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
用いる車両の運行
丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
③造成等の施工による一 る。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本動物大百科 10 昆虫Ⅲ」
(平成 10 年、平凡社)
*2:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
204(4-4-161)
表 4-4-25(36) 重要な昆虫類の予測結果(フタモンベッコウ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
体長雌 20~30mm、雄 15~30mm の大型普通体型の種。本州、九州に分布。
体色は黒色、顔面に 1 対の黄斑、第 3 腹節に中央のえぐれた黄帯がある。森林よ
りも 平地の草地付近に生息する。成虫は年1 化で、夏場に活動し、オニグモの成
熟雌を狩り、地中に穴を掘って運びいれ、産卵してから埋め戻しておく。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地及び低地の森林・草地環
境の計2 箇所で生息が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・草地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境を高
予 土地又は工作物の存在
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
測 及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色昆虫大図鑑 Ⅲ」
(昭和 59 年、北隆館)
、
「青森県版レッドデータブック(2010 年改訂版)」(2010 年、
青森県)
205(4-4-162)
表 4-4-25(37) 重要な昆虫類の予測結果(クロマルハナバチ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
一般的な生息環境は山林、原野など、開花植物が多く、営巣場所となる野ネズミ
などの空き巣が多い。
体長 10~20mm。日本全土、朝鮮、南満州、支那、ウスリー等に分布する極め
て普通のもので、成虫は早春から秋おそくまで見られる。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の草
地環境2 箇所で生息が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地・丘陵地及び低地の草地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・草地環境を高
予 土地又は工作物の存在
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
測 及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本動物大百科 10 昆虫Ⅲ」
(平成 10 年、平凡社)
、
「京都府レッドデータブック」
(平成 15 年、京都府)
*2:
「原色日本昆虫図鑑(下)」
(昭和 30 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「やまも
との昆虫」
(平成 4 年、山元町)
206(4-4-163)
表 4-4-25(38) 重要な昆虫類の予測結果(ゼニガサミズメイガ)
項目
内容
選定基準
宮城県:情報不足(DD)
分布北限。
本州(宮城以南)・四国・九州、朝鮮半島に分布。
遠刈田・秋保大滝・作並・志津川で記録されている。
開張16~20mm。頭部は白鱗と黒褐鱗と黄鱗を混ぜる。触角は褐色で、微毛状。
小腮鬚は中程まで黒褐色で、末部は白鱗により開く。下唇鬚は下半分白色、他は黒
褐色で、斜に上向し、末節やや下向する。胸部背面は白鱗と淡い黄褐鱗と褐鱗を混
ぜる。腹部背面は第 3 節まで黒褐色鱗を混ぜ、他は黄褐色、環節端は色が淡く、
末節は黒褐鱗がある。胸腹部腹面は淡い白褐色で、腹部末端は色が濃い。脚も淡い
白褐色で、前脚前方のみ色が濃い。♂の中脚の基節後方には淡い白褐色の毛塊があ
る。7~8 月頃山地並びに平地で発生し、燈火にもよく飛来する。
本州、四国、九州、朝鮮に分布する。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残され
る。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。また、河岸に橋台を
建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林環境を高架・盛
予 土地又は工作物の存在
土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様
測 及び供用による影響
の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
*2:
「原色日本蛾類図鑑(上)」
(昭和 46 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「や
まもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成
22 年、東日本高速道路株式会社 東北支社 仙台工事事務所)
207(4-4-164)
表 4-4-25(39) 重要な昆虫類の予測結果(ヒメギフチョウ本州亜種)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
色彩、斑紋は雄、雌ほとんど同じである。雄は前翅前縁が上に反っている。成虫
は、普通年 2 回出現するが、寒冷地では年 1 回、暖地では年 3 回が常態のようで
ある。第 1 化の春型は、翅表の白斑が夏型に比べて、よく発達する。成虫は、陽
あたりの良い草地に多く見られる。地表近くを活発に飛び、好んで裸地や枯草に止
る習性がある。ミツバツチグリや、タンポポ、ゲンノショウコなどの各種の花で吸
蜜する。食草は、ミツバツチグリやキジムシロであり、蛹で越冬する。
国内では北海道、本州(東北、関東、中部)、四国。国外では、中国、アムール、
モンゴルなどに分布し東アジア特産種。
県内では、会津地方や那須からも記録されているが、分布の中心は阿武隈山地で
ある。阿武隈山地以外では、最近ほとんど見られなくなってしまった。県内では、
年 2 回の発生で、夏型も比較的多く見られる。いわき市では、ミツバツチグリに
産卵する個体が確認されている。県内の生息地は、水田や牧場の周辺、林縁の草地
になどである。
文献調査*1 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
土地又は工作物の存在
測
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
208(4-4-165)
表 4-4-25(40) 重要な昆虫類の予測結果(ウラギンスジヒョウモン)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北海道、本州、四国、九州に分布する。年 1 化で、暖地では 6 月中旬~下旬、
山地・寒冷地では7~8 月に出現する。成虫は陽当りのよい草原や樹林周辺の草地
に多く棲息し、オカトラノオ、アザミ類、ノリウツギ、ミヤマイボタなど多くの花
で吸蜜する。幼虫の食草はスミレ科の各種スミレ類。越冬態は卵。
北海道、本州、四国、九州に分布し、南限は鹿児島県下(薩摩半島の喜入町・指
宿市・山川町、大隅半島の鹿屋市)にある。島嶼では利尻、礼文、奥尻、佐渡、隠
岐、壱岐、対馬と五島列島に生息が確認されている。
本州中部では低部丘陵地から標高2000m 近い亜高山帯まで分布する。しかし本
州中部以南でもっとも高密度に分布しているのは、標高 800~1000m ぐらいであ
る。
地理的変異は斑紋よりも大きさに現れ、
一般に高標高地や寒冷地のものは小型と
なる傾向があり、九州地方の低標高地に産する個体が最大となる。
樹木のまったく見られない草原よりも、疎林、林縁、河辺林周辺の草地に多く、
森林伐採跡地にできた草本群落の花には、おびただしい数を見ることがある。また
河川流域の堤防草地にも、ウラギンヒョウモンとともによく姿を見かける。
文献調査*3 によると、山地及び丘陵地の草地環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の草地環境1 箇所で生息
が確認され、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の草地環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
予 土地又は工作物の存在
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
測 及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「原色日本蝶類図鑑」
(昭和 51 年、保育社)
*2:
「原色日本甲虫図鑑(Ⅱ)」
(昭和 60 年、保育社)
*3:
「平成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「や
まもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
209(4-4-166)
表 4-4-25(41) 重要な昆虫類の予測結果(オオムラサキ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
国内最大のタテハチョウで雌雄共、翅表には白、又は黄色の紋が多数配されてい
るが、
雄は中央部から基部にかけて紫色に輝くのに対し、
雌は全体が茶褐色である。
オオムラサキに対して小型のものにコムラサキが生息しているが、
大きさが全く異
なるので間違えることはない。
国内では、北海道から九州にかけて広く分布する。国外では、中国大陸、朝鮮半
島などに分布する。
県内では、広く分布している。幼虫はエノキ、エゾエノキを食べるが、これらの
木は旧街道沿いや寺院の裏庭に植えられることが多かったため、
身近な場所でも生
息している。
北海道、本州、四国、九州に分布し、1957 年秋、国蝶に指定されている。年 1
化で、北海道や高地、寒冷地では 7 月上~中旬、暖地では 6 月中~下旬に出現す
る。成虫は人家近くの雑木林に多く棲息し、クヌギ、クワなどの樹液やクリ、クサ
ギなどの花で吸汁、吸蜜する。幼虫は暖地ではニレ科のエノキ、寒冷地ではエゾエ
ノキを食樹とする。越冬態は4 齢幼虫(時に3 齢または5 齢)
。
*3
文献調査 によると、山地及び丘陵地の森林環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、丘陵地の森林環境3 箇所で生息が確認さ
れ、3 箇所は対象事業実施区域外であった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地の森林環境2 箇所で生息
が確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された山地及び丘陵地の森林環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
山地・丘陵地及び低地の森林環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の森林環境を高
予 土地又は工作物の存在
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
測 及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「原色日本蝶類図鑑」
(昭和 51 年、保育社)
*3:
「平成 11 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 12 年、日本道路公団東北支社)
、
「平
成 12 年度 常磐自動車道 新地~山元自然環境調査 報告書」
(平成 13 年、日本道路公団東北支社)
、
「山元町
歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
、
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山
元町)
、
「平成 20 年度 常磐自動車道 山元地区自然環境調査 報告書」
(平成 22 年、東日本高速道路株式会社
東北支社 仙台工事事務所)
210(4-4-167)
表 4-4-25(42) 重要な昆虫類の予測結果(キマダラモドキ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
翅表の斑紋は雌雄によってかなり違っている。雄では黄褐色で斑紋は不鮮明、雌
では黄班が発達していて、ややキマダラヒカゲ類やヒメキマダラヒカゲに似てい
る。成虫は年1 回、多くの産地では7~8 月に出現する。越冬態は1 齢幼虫である。
湿地を林床に持つ林縁やカシワの疎林などが生息地であるが、極めて局地的であ
る。幼虫の食草はススキなどである。成虫はクヌギやコナラの樹液で吸汁する。ま
た、一部の個体は、夏眠にはいるようである。
国内では北海道、本州、四国、九州に分布するが局地的。国外では朝鮮、満州、
アムールに分布する。
県内では磐梯山周辺と阿武隈山地で採集されている。産地は極めて局地的で、最
近の記録は、いわき市と北塩原村だけである。猪苗代町では見られなくなってしま
ったが、その理由としては別荘地造成などが考えられる。本種の生息には極めて微
妙な条件を必要とするらしく、
大変よく似た環境でもほとんどの地域で本種は生息
していない。成虫は7 月下旬から発生する。
文献調査*1 によると、山地及び丘陵地の森林・湿地環境で確認された。また、平
成24 年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された山地及び丘陵地の森林・湿地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
①建設機械の稼働
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
②資材及び機械の運搬に
山地及び丘陵地の森林・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
用いる車両の運行
される。また、池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画として
③造成等の施工による一
いる。
影
時的な影響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
予
計画路線は、本種の主な生息環境である山地及び丘陵地の森林・草地環境を高
土地又は工作物の存在
測
架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、
及び供用による影響
同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
工事の実施による影響
【出典】*1:「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成14年、福島県)
*2:
「山元町歴史民俗資料館収蔵資料目録 2」
(平成 22 年、山元町歴史民俗資料館)
211(4-4-168)
表 4-4-25(43) 重要な昆虫類の予測結果(ギンモンアカヨトウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
北海道、本州、四国、九州に分布する。年2 化以上。成虫は4~9 月に出現する。
低湿地や河川敷、火山草地などで採集される。蛹越冬。
文献調査においては、確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・
夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の丘陵地及び低地の森林・草地環
境の計4 箇所で生息が確認され、そのうち2 箇所は対象事業実施区域内、2 箇所は
対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された丘陵地及び低地の森林・草地環境は、生息地として利用されて
いると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・湿地・草地環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の森林・湿地・草地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に
広く残される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・湿地・草地環境
予 土地又は工作物の存在
を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としているが、改変面積は小
測 及び供用による影響
さく、同様の環境は周辺に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「日本産蛾類標準図鑑 Ⅱ」
(平成 23 年、学研教育出版)
212(4-4-169)
表 4-4-25(44) 重要な昆虫類の予測結果(キスジウスキヨトウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道・本州・四国・九州に分布。
山元町(水神沼)。湿原や湿地に生息域をもつ種で、幼虫はガマ属やミクリ属の茎
内に棲み、越冬する。
文献調査*1 によると、低地の池沼・湿地環境で確認された。また、平成 24 年の
現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
工事の実施による影響
①建設機械の稼働
②資材及び機械の運搬に
用いる車両の運行
③造成等の施工による一
影
時的な影響
本種が確認された低地の池沼・湿地環境は、生息地として利用されていると考え
られ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、資材及び機械の
運搬に用いる車両の運行は現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる
丘陵地及び低地の池沼・湿地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残
される。よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。また、河岸に橋
台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている。
響
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地環境を高架
予 土地又は工作物の存在
及び盛土構造で通過する計画としているが、改変面積は小さく、同様の環境は周辺
測 及び供用による影響
に広く残される。
①鉄道施設(地表式又は掘
また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
割式、及び嵩上式)の存在
設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
②列車の走行(地下を走行
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
する場合を除く。)
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
213(4-4-170)
(6) 魚類
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な魚類についての予測結果を
表 4-4-26(1)~(8)に示す。
表 4-4-26(1) 重要な魚類の予測結果(スナヤツメ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
国内では遺伝的に独立した北方型と南方型の 2 型が確認されているが、明確な
形態的差異が認められないため隠蔽種とされている。全長20cm、口には下あごが
無く吸盤状、眼の後方にえら穴が7対並ぶ。体は黒褐色で黄色の光沢があり、第2
背鰭は淡色。躯幹部の筋節数は56~67 個。アンモシーテス幼生は黒褐色、尾鰭は
黄褐色または白色。
北海道、本州、四国と、鹿児島県、宮崎県を除く九州に分布する。国外では、沿
海州、中国大陸北部、朝鮮半島に分布する。
浜通りの各河川、阿武隈川水系、久慈川水系、阿賀川水系の中流域に主に生息し、
淡水域で生活史が完結する。アンモシーテス幼生は主に淵などの砂泥底に生息す
る。産卵は粒径の小さい砂礫底で行う。分布域は広いが、稲葉(1999)
、河川水辺
の国勢調査(1996)により確認されていても今回確認されなかった地点もあり、
生息数、生息場所の減少が懸念される。
文献調査*2 によると、丘陵地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地の河川環境は、生息地として利用されていると考えら
れ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川環境
用いる車両の運行
の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸に橋台を建設
影 ③造成等の施工による一 する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する場合は
時的な影響
管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川環境を高架構造で
及び供用による影響 通過する計画としており、河川内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面
①鉄道施設(地表式又は掘 積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
214(4-4-171)
表 4-4-26(2) 重要な魚類の予測結果(ニホンウナギ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
背側は暗色で、腹側は白色、特別の斑紋はない。仔魚はその形から葉形仔魚(レ
プトセファルス)と呼ばれる。
太平洋側は北海道の日高地方以南、日本海側は石狩川以南の日本各地に分布す
る。国外では、朝鮮半島南部・西部沿岸域から中国大陸を経てベトナム北部まで、
また海南島、台湾島とフィリピンのルソン島北部から知られている。
産卵期は 4~12 月、シラスウナギに変態して河口や沿岸に現れるのは、産卵か
ら4~5 ヵ月後と推定されている。日本でのシラスウナギの遡上期は10~6 月で、
盛期は1~3 月。シラスウナギは、昼間は河口・沿岸の底土や礫の間や流下物など
に隠れている。夜間になると浮上して上り始める。この時期のウナギは、いったん
遡上を始めるとどんな障害物をもものともせず、川の上流へと遡る。時には河川の
最も上流や、
川とは直接連絡のない山間のため池にも達して生息する。
目的の小川、
淵、湖沼、沿岸などに落ち着くと、日中は石垣・土手の穴、底の泥の中などにひそ
み、夜間に摂餌活動を開始する。春から秋に主として水生昆虫類、小型の魚類、貝
類、エビ類、カエル類などを活発にとり、成長する。水温が10 度以下になるとほ
とんど摂餌せず、冬には泥にもぐっている。
全長 100cm、北海道中部以南の日本各地に分布する。主に河川の中・下流域や
河口域、湖に生息し、夜行性で魚類、甲殻類などを捕食する。8~10 月に産卵のた
め降海するが、産卵場所はグアム島沖であることが近年の研究で明らかになった。
孵化した仔魚(レプトセファルス)はシラスウナギに変態後、10~6 月に河川へ溯上
する。
文献調査*3 によると、低地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川環境及び
水路の計29 箇所で生息が確認され、そのうち1 箇所は改変区域、13 箇所は対象事
業実施区域内、15 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境及び水路は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業実
施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
用いる車両の運行
沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼
影 ③造成等の施工による一 岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を
時的な影響
利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 2 版」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚」
(平成 13 年、山と渓谷社)
、
「Field Selection 12 淡水魚」
(平成
4 年 北隆館)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
215(4-4-172)
表 4-4-26(3) 重要な魚類の予測結果(タナゴ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
全長 6~10cm。タナゴの仲間では、最も体高が低い。口ひげは短く、肩部に暗
点が顕著でないことなどで、類似種のアカヒレタビラと区別される。産卵期の雄は
背面が青緑色、腹部が淡紅色、腹面が黒色になる。
神奈川県から青森県にいたる太平洋側に分布。
河川の下流から、ヤマメが生息しているような上流部にもみられる。浜通り地方
を中心にやや不連続にみられる。夏季にドブガイ等の二枚貝に産卵し、稚魚は 1
ヶ月前後で貝から泳ぎ出る。
文献調査*2 によると、山地及び丘陵地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された山地及び丘陵地の河川環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
用いる車両の運行
沼環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼
影 ③造成等の施工による一 岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を
時的な影響
利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境を高架
及び供用による影響 構造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であること
①鉄道施設(地表式又は掘 から、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
216(4-4-173)
表 4-4-26(4) 重要な魚類の予測結果(ドジョウ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
全長11~12cm。腹面を除き、体全体が褐色を帯びる。体背側部に不明瞭な斑紋
を持つことがある。
腹面は淡色で斑紋がない。
尾鰭と背鰭に褐色の小斑が散在する。
尾鰭基部の上角の表層に小さな黒色斑がある。口ひげは 5 対、うち 3 対は上唇に
ある。下唇にある2 対のうち、内側のものは柔突起が変形したもの。
ほぼ全国に分布するが、北海道と琉球列島のものは移植の可能性が高い。国外で
は、中国大陸中部、台湾島、朝鮮半島に分布する。
水田や湿地と周辺の細流にすむ。平野部を中心に生息するが、圃場整備されてい
ない水田が近くにあれば、かなり上流域にもいる。雑食性。1 年で成熟する。
全長12cm、北海道から琉球列島に至る日本全国に分布するが、北海道と琉球列
島のものは天然分布かどうか明らかでない。背面は褐色を帯び、不明瞭な斑紋を持
つ。腹面は淡色で斑紋がない。尾鰭と背鰭に褐色の小班が散在し、尾鰭基部の上角
に小さな黒色班がある。口髭は 5 対、うち 3 対は上唇にある。水田や湿地とその
周辺の細流など、泥底域に生息する。動物主体の雑食性。産卵期は6~7 月で、水
路を経て水田内に侵入し、一時的な水たまりで産卵する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・池沼環
境及び水路の計62 箇所で生息が確認され、そのうち4 箇所は改変区域、15 箇所は
対象事業実施区域内、43 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び水路は、生息地として利
用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池
沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「山渓カラー名鑑 日本の淡水魚 2 版」
(平成 8 年、山と渓谷社)
*2:
「山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚」
(平成 13 年、山と渓谷社)
、
「川と湖の魚①」
(1989 年 保育社)
、
「山渓フィールドブックス 淡水魚」
(平成 9 年 山と渓谷社)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
217(4-4-174)
表 4-4-26(5) 重要な魚類の予測結果(ホトケドジョウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧ⅠB 類(EN)
、福島県:希少(D)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
全長 6cm、円筒状の体型だが、頭部は縦扁し、尾部は側偏する。口ひげは 4 対
でうち3 対が上唇にあり、1 対は鼻孔より伸びる。
青森県、中国地方西部を除く本州、四国東部に分布する。日本固有種。
浜通りの各河川、阿武隈川水系、久慈川水系、阿賀川水系の細支流、用水路、た
め池等の流れの緩やかな砂泥底に生息する。遊泳層は主に中層である。既往の知見
と比較して確認地点は大きく減少はしていないが、
多くの生息地において生息密度
が低く、注意が必要である。
全長 6cm、日本固有種で青森・中国地方を除く本州、四国東部に分布する。体
は円筒形で細長いが頭部は縦扁し、尾部は側扁する。口ひげは4対。流れの緩やか
な細流などに生息し、砂泥底の水草の間などの中層を中心に生活する。主に浮遊性
から底生性の小動物を捕食する。産卵期は3 月下旬~6 月上旬で、水草などに産卵
する。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の河川環境 4 箇所で生息が
確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、3 箇所は対象事業実施区域外で
あった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川環境は、生息地として利用されていると
考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環
境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚」
(平成 13 年、山と渓谷社)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
218(4-4-175)
表 4-4-26(6) 重要な魚類の予測結果(メダカ南日本集団)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:準絶滅危惧(C)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
全長最大 4cm。雄の背びれ外縁に欠刻があるが、雌にはない。雄の尻びれは大
きく平行四辺形に近い形をしている。雌の尻びれは幅が狭く、後端はさらに狭まっ
ている。口は上向きで、下顎がわずかに突き出る。
国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾島に分布し、アメリカでも移入繁殖している。
国内では本州、四国、九州、琉球列島の一部に分布する。
県内では広く分布していたが、各地で減少している。浜通りでは、いわき市や北
部の市町村に生息地が比較的残っている。県中や会津では絶滅したところが多く、
会津若松市、猪苗代町、山都町、高郷村などの山間丘陵地の溜池や小川などに少数
生息している。
全長2~4cm、長野県、京都府綾部、丹後半島竹野川水系、兵庫県竹野、鳥取県
岩美以西の本州日本海側、盛岡・大船渡以南の日本海太平洋側、瀬戸内海の沿岸、
四国、九州、対馬、沖縄島などに分布。体側後半の黒色素胞は網目模様を形成しな
い、体側後方に染み状の斑紋がない、雄の背鰭の決刻は深い個体が多い等の点で、
メダカ北日本集団と区別される。河川下流域や平地の池、用水等流れの緩い所を好
み、水面付近を群泳してプランクトンや小さな落下昆虫等を食う。産卵期は 4 月
~8 月に渡り、水草等に卵を産み付ける。
文献調査*3 によると、丘陵地及び低地の河川環境で確認された。また、平成 24
年の現地調査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路7 箇所で生息が確認
され、7 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川環境及び水路は、生息地として利用され
ていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田
環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸
用いる車両の運行
や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水
影 ③造成等の施工による一
路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となって
時的な影響
響
いる。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
*2:
「山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚」
(平成 13 年 山と渓谷社)
、
「日本産魚類検索 全種の同定 第三
版」
(平成 25 年 東海大学出版会)
*3:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」
(平成 13 年、宮城県)
219(4-4-176)
表 4-4-26(7) 重要な魚類の予測結果(スミウキゴリ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾島に分布し、アメリカでも移入繁殖している。
国内では本州、四国、九州、琉球列島の一部に分布する。
県内では広く分布していたが、各地で減少している。浜通りでは、いわき市や北
部の市町村に生息地が比較的残っている。県中や会津では絶滅したところが多く、
会津若松市、猪苗代町、山都町、高郷村などの山間丘陵地の溜池や小川などに少数
生息している。
国内では北海道から本州の茨城県・福井県までの河川に分布する。これまでのと
ころ、湖沼からは記録されていない。国外では朝鮮半島の河川に多数生息する。
河川の下流から中流域に生息している。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、低地の池沼環境(汽水)1 箇所で生息が確認され、1 箇所は対象
事業実施区域外であった。
。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境(汽水)は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境(汽水)は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境の改
用いる車両の運行
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を
影 ③造成等の施工による一 建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する場
時的な影響
合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境を高架構造で通過
及び供用による影響 する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変
①鉄道施設(地表式又は掘 面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅡ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(淡水魚類/両生・爬虫類/哺乳
類)」
(平成 15 年、福島県)
220(4-4-177)
表 4-4-26(8) 重要な魚類の予測結果(アベハゼ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅のおそれのある地域個体群(LP)
国外では朝鮮半島、中国大陸、台湾島に分布し、アメリカでも移入繁殖している。
国内では本州、四国、九州、琉球列島の一部に分布する。
県内では広く分布していたが、各地で減少している。浜通りでは、いわき市や北
部の市町村に生息地が比較的残っている。県中や会津では絶滅したところが多く、
会津若松市、猪苗代町、山都町、高郷村などの山間丘陵地の溜池や小川などに少数
生息している。
国内では北海道から本州の茨城県・福井県までの河川に分布する。これまでのと
ころ、湖沼からは記録されていない。国外では朝鮮半島の河川に多数生息する。
河川の下流から中流域に生息している。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の池沼環境(汽水)2 箇所
で確認され、2 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境(汽水)は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境(汽水)は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境(汽
用いる車両の運行
水)の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸
影 ③造成等の施工による一 に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利
時的な影響
用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境(汽水)を高架構
及び供用による影響 造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることか
①鉄道施設(地表式又は掘 ら、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「山渓カラー名鑑 改訂版 日本の淡水魚」
(平成 13 年、山と渓谷社)
221(4-4-178)
(7) 底生動物
対象事業実施区域及びその周辺に生息地が存在すると考えられる重要な底生動物についての予測結
果を表 4-4-27(1)~(17)に示す。
表 4-4-27(1) 重要な底生動物の予測結果(マルタニシ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:情報不足(DD)
北海道から沖縄諸島にかけて広く分布するが、
少なくとも沖縄諸島産は史前帰化
とみなされる。水田や湿地などを主な生息地としているが、ここ数十年の間に、各
地で冬季に著しく乾燥する水田管理が実施されるようになってから、
急激に生息地
の消出が目立つようになった。
北海道から沖縄に分布。沖縄諸島産は国内外からの移入と見なされる。殻高
40mm 前後、各螺層の膨らみは強く、縫合は深い。殻表面には刻点列状の彫刻が
ある。緑褐色から黒褐色の殻皮を有する。卵胎生。水田や湿地、水路や小川などの
年間を通じて、極度に乾燥しない場所に生息する。育児嚢(子宮)で稚貝を育てる
卵胎生で、成長段階の異なる胎児が保有されている。成長した胎児は順次産み出さ
れる。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の丘陵地及び低地の河
川・池沼環境及び水路の計 11 箇所で確認され、そのうち 2 箇所は対象事業実施区
域内、9 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び水路は、生息地として利
用されていると考えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池
沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック- 6 陸・淡水産貝類」
(平成 17 年、環
境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
222(4-4-179)
表 4-4-27(2) 重要な底生動物の予測結果(オオタニシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、宮城県:情報不足(DD)
殻高60mm 前後に成長する。螺層は近縁種のマルタニシ(C. chinensis laeta)
ほど膨らまず、縫合部は浅い。周縁部は角張り、とくに胎児殻ではその傾向が顕著
で菱型の概形を呈するが、大型個体では目立たなくなる。北海道から九州にかけて
分布し、河川や用水路、ため池、湖沼に生息するが、マルタニシのように水田内に
生息することはほとんどなく、
水田周辺では湧水があるなどあまり高温にならない
環境を好む傾向がある。本種の生息する水田周辺の環境は、ため池を含め圃場整備
等の人為的改変の影響を強く受け、各地で存続が脅かされている。
北海道から九州にかけて分布。殻高60mm 前後になり、北海道産では80mm に
達する。各螺層の膨らみは弱く、縫合は浅い傾向にある。殻底角があり、弱いなが
らも螺条脈も有る。流れの穏やかな河川や用水路、ため池や湖などの水量と水質の
安定した場所に生息する。育児嚢(子宮)で稚貝を育てる卵胎生で、成長段階の異
なる胎児が保有されている。成長した胎児は順次産み出される。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路1 箇所で確認され、1
箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水路は、生息地として利用されていると考えられ、本種
の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び水路は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・
②資材及び機械の運搬に
池沼環境及び水路の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼環境及び
及び供用による影響 水路を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。
①鉄道施設(地表式又は掘 また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、
割式、及び嵩上式)の存在 同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 貝類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
223(4-4-180)
表 4-4-27(3) 重要な底生動物の予測結果(ミズゴマツボ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、宮城県:情報不足(DD)
日本固有種。殻は楕円卵形で、背腹方向に大きく偏圧され、体層は 4 層程度か
らなる。殻表面は黄褐色で鈍い光沢があり、螺層表面には明瞭な刻点列がある。殻
高は6mm 程度である。本州(太平洋側は青森県以南、日本海側は新潟県以南)
、
四国、九州に分布する。汽水域の最奥部で、わずかに潮の影響がある場所のヨシ原
泥底に生息する。
内陸の良好な状態の水田などに海進時の遺存的な個体群が存在し
ていることもある。繁殖期は6~8 月と推定されている。河川開発や圃場整備等に
よって生息地が消失し、絶滅した個体群もある。
本州、四国、九州に分布。殻高 4~6mm の卵形。体層には明瞭な 10~15 本ほど
の刻点列彫刻がる。
大潮時に潮が入り込む感潮域やこれに近いレベルの水路や池な
どに生息し、時には水田でも確認されている。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、福島県及び宮城県の低地の河川・池沼環
境の計16 箇所で確認され、そのうち3 箇所は対象事業実施区域内、13 箇所は対象
事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川・池沼環境は、生息地として利用されていると考え
られ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺に
広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境の改
用いる車両の運行
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を
影 ③造成等の施工による一 建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する場
時的な影響
合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境を高架構造で通過
及び供用による影響 する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変
①鉄道施設(地表式又は掘 面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 貝類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
224(4-4-181)
表 4-4-27(4) 重要な底生動物の予測結果(コシダカヒメモノアラガイ)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
ヒメモノアラガイより小型で螺塔がやや高く、殻もやや厚く、殻口は殻高の 2
分の 1 程度である。本種はコンクリート壁に付着していることが多く、水から出
て過ごすこともできる。
日本各地に分布。殻高5mm、殻径2.5mm 前後で、殻口高は殻高の5 割程度を
占める。殻表面には微細な成長脈を刻み、殻質は薄く茶褐色である。殻は大型、膨
らみが強く、縫合は深くくびれる。殻表には刻点列が密に並ぶ。おもに水田の畦や
湿地などの水際に生息する。泥のくぼみや草本類の株元、湿ったコンクリート壁な
どに付着する。ヨーロッパ原産の外来種と考えられるが、在来も否定できない。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の低地の河川環境 1 箇所で確認さ
れ、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、池沼内に橋脚を
①建設機械の稼働
建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は現道を
②資材及び機械の運搬に 利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の池沼・湿地・水
用いる車両の運行
田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、池沼岸に橋
影 ③造成等の施工による一 台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用す
時的な影響
る場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の
割式、及び嵩上式)の存在 環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 貝類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
225(4-4-182)
表 4-4-27(5) 重要な底生動物の予測結果(モノアラガイ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
生物多様性調査動物分布調査においては報告数の多い種類であるが、
現状では多
産する場所はきわめて少ない。
生息環境であるため池や川の淀みの昨今の改変状況
を見る限り、楽観視できない。また、近似した外来種との置換や交雑の危険も高い。
日本各地に分布。殻高 20mm 前後。殻口高は殻高の 7~8 割ほどを占める。軸
唇は中程にねじれがある。殻表面は細かい成長脈がある他は目立った彫刻はない。
小川、川の淀み、池沼、水田などの水草や礫に付着している。泥底に直接いること
もある。水温が高くなる 6 月頃から産卵を繰り返す。雌雄同体で、集団で交尾す
ることもある。水生植物の葉や茎にゼラチン質の卵塊を産む。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の河川環境 3 箇所で確認さ
れ、そのうち2 箇所は対象事業実施区域内、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸
用いる車両の運行
や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水
影 ③造成等の施工による一
路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となって
時的な影響
響
いる。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の
割式、及び嵩上式)の存在 環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック- 6 陸・淡水産貝類」
(平成 17 年、環
境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
、
「川の生物図典」
(平成 8
年、山海堂)
226(4-4-183)
表 4-4-27(6) 重要な底生動物の予測結果(ヒラマキガイ属)
項目
内容
選定基準
環境省:情報不足(DD)
円盤形に巻いた平巻きの殻を有し、軟体の構造は左巻きになっているが、活動時
は殻口が右に位置するので、一見右巻きに見える。ヒラマキガイ類は世界中に同じ
ような形態の種類が分布し、水草の輸入に随伴して、分布が入り乱れている。分布
域からヒラマキミズマイマイ、ヒメヒラマキミズマイマイ、クロヒラマキガイ、ハ
ブタエヒラマキガイの可能性が高い。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成 25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の河川環境及び水路の計 5
箇所で確認され、そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、4 箇所は対象事業実施区
域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境及び水路は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境及び水
路は対象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境及び水路の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。ま
用いる車両の運行
た、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている
影 ③造成等の施工による一
ほか、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画と
時的な影響
響
なっている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
及び供用による影響 及び水路を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成 16 年、ピーシーズ)
、
「日本淡水生物」(昭和
48 年、北隆館)
227(4-4-184)
表 4-4-27(7) 重要な底生動物の予測結果(ヒラマキガイモドキ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
殻径 4~5mm。殻の底面は平らで螺塔の周辺部は殻底部が最も突出しているが
角張らない。螺塔は平巻き状で、殻の上面は殻頂部がわずかに凹む。臍孔は狭く深
い。殻の内部に白色に肥厚したヒダがあり、半透明な殻の外から透けて見える。殻
表はなめらかで光沢のある茶褐色を呈する。本州、四国、九州に分布し、池沼、水
田、河川の緩流部などに見られる。本種の生息する水田周辺の環境は、ため池を含
め圃場整備等の人為的改変の影響を強く受け、各地で存続が脅かされている。
全国に分布。内地産では殻径4~5mm、南西諸島産では殻径8mm ほどになる。
体層の底面は平らで、臍孔は急激に落ち込み、狭く深い陥没となる。螺塔は緩やか
な弧を描き殻頂部は浅く陥没する。
殻色は黄白色から淡い茶褐色の半透明で光沢が
あるが、生時は藻類や鉄分などが付着していることも多い。水田や水路、湿地など
に生息する。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路3 箇所で確認され、3
箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水路は、生息地として利用されていると考えられ、本種
の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境及び水路は対象事業
実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境及び水路の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。ま
用いる車両の運行
た、河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としている
影 ③造成等の施工による一
ほか、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画と
時的な影響
響
なっている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
及び供用による影響 及び水路を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 貝類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
228(4-4-185)
表 4-4-27(8) 重要な底生動物の予測結果(ヤマトシジミ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
殻長 20mm 前後の個体が多いが最大で 50mm 程度にまで成長する。殻表面に
はウルシ様の光沢があり、成長脈に沿った輪肋は細かく密である。殻色は黒褐色の
ものが多いが、淡い黄褐色のものもあり、大型個体ではほぼ真っ黒になる。北海道
から九州にかけての河川の河口周辺の汽水域や海岸沿いの汽水湖に生息する。
日本
で漁獲される食用シジミのほとんどが本種であるが、近年、各地の漁獲量は減少が
続き、この傾向が継続することが憂慮されている。減少の原因としては湖沼、河川、
海岸の開発のほか、漁獲圧も無視できないと考えられる。
北海道から九州にかけての河口や淡水の影響する内湾に棲息する。
大きい川の汽
水域ではアサリやハマグリと、
汽水と淡水の境界付近ではマシジミと混棲すること
もある。日本産食用シジミとしての漁獲量は最も多く、18,000t ほどが全国で水揚
げされている。
文献調査*3 によると、低地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境(汽水)は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境(汽
用いる車両の運行
水)の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸
③造成等の施工による一
に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利
影
時的な影響
用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境(汽水)を高架構
及び供用による影響 造で通過する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることか
①鉄道施設(地表式又は掘 ら、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「改訂レッドリスト 付属説明資料 貝類」
(平成 22 年、環境省)
*2:
「日本産淡水貝類図鑑 2-汽水を含む全国の淡水貝類-」
(平成16 年、ピーシーズ)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
229(4-4-186)
表 4-4-27(9) 重要な底生動物の予測結果(モリノカマカ)
項目
内容
選定基準
宮城県:情報不足(DD)
本州に分布。最大体長雄3.3mm、雌3.1mm。体が左右に扁平な小型の甲殻類。
雄の第 1 咬脚底節は中央部が暗褐色である。河川、汽水湖、干潟に生息する。雌
は胸部覆面にある覆卵葉で卵やふ化直後の幼体を抱え、保護する習性がある。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路4 箇所で確認され、
そのうち3 箇所は対象事業実施区域内、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水路は、生息地として利用されていると考えられ、本種
の主な生息環境である低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺に広く分布し
ている。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境の改
用いる車両の運行
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を
影 ③造成等の施工による一 建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する場
時的な影響
合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境を高架構造で通過
及び供用による影響 する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変
①鉄道施設(地表式又は掘 面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「日本産淡水ヨコエビ類の分類と見分け方」(平成 24 年、日本動物分類学会)、
「淡水性ヨコエビの生息環境」
(平成 13 年、海洋出版株式会社)
230(4-4-187)
表 4-4-27(10) 重要な底生動物の予測結果(アカテガニ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
ほとんど陸生で内湾の湿地・草むらから、山地まで見出される。動作も敏捷・勇
敢・闘争的である。東北大学の報告でも仙台付近には見られず、松川浦がこの種の
北限であろうとあり、貴重なものである。
文献調査*1 によると、海岸で確認された。また、平成24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された海岸は、生息地として利用されていると考えられ、本種の主な
生息環境である丘陵地及び低地の森林・河川・湿地環境及び海岸は対象事業実施区
域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川内に橋脚を
工事の実施による影響
建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は現道を
①建設機械の稼働
利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の森林・河川・湿
②資材及び機械の運搬に
地環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸に橋台
用いる車両の運行
を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する
③造成等の施工による一
場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。なお、本事
時的な影響
影
業による海岸の改変は無い。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の森林・河川・湿地環境
測
土地又は工作物の存在 を高架・盛土・切土及びトンネル構造で通過する計画としており、河川内に橋脚を
及び供用による影響 建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残さ
①鉄道施設(地表式又は掘 れる。なお、海岸を通過する計画は無い。
割式、及び嵩上式)の存在 また、計画路線は可能な限り高架としていること、盛土区間においては、鉄道施
②列車の走行(地下を走行 設や列車の走行により移動阻害が生じる可能性があるものの、計画路線にはボック
する場合を除く。)
スカルバート等を設置する計画としており、移動経路は確保される。
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
【出典】*1:
「相馬市史 2」(昭和 53 年、相馬市)
231(4-4-188)
表 4-4-27(11) 重要な底生動物の予測結果(アリアケモドキ)
項目
内容
選定基準
宮城県:準絶滅危惧(NT)
北海道から沖縄に分布。甲長9.8mm、甲幅13.5mm。甲は横長の六角形、甲背
は平滑で光沢があり、心域と鰓域上に横走する 1 条の稜線がある。この隆起線の
前方には、胃・肝域上に 3 条の短い横隆起がる。はさみ脚は歩脚より短小で、指
部の先端はスプーン状を呈する。雄の腹部は第2~第4 節が融合する。河口から汽
水域上限に生息し、ヨシや雑草の繁茂する高水敷の砂泥地に多い。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の池沼環境及び水路の計16
箇所で確認され、そのうち4 箇所は対象事業実施区域内、12 箇所は対象事業実施区
域外であった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の池沼環境及び水路は、生息地として利用されていると考
えられ、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境は対象事業実施区域周辺
に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
①建設機械の稼働
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
②資材及び機械の運搬に 現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる低地の河川・池沼環境の改
用いる車両の運行
変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸や池沼岸に橋台を
③造成等の施工による一
建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用する場
影
時的な影響
合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である低地の河川・池沼環境を高架構造で通過
及び供用による影響 する計画としており、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変
①鉄道施設(地表式又は掘 面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。
割式、及び嵩上式)の存在 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
②列車の走行(地下を走行
する場合を除く。)
【出典】*1:
「原色日本大型甲殻類図鑑Ⅱ」(昭和 58 年、保育社)、
「第 7 回自然環境保全基礎調査 浅海域生態系調査(干
潟調査)業務報告書」(平成 19 年、環境省自然環境局生物多様性センター)
232(4-4-189)
表 4-4-27(12) 重要な底生動物の予測結果(コオイムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
体長 17~20mm。体は黄褐色~暗褐色、ほぼ卵形で扁平。前脚は捕獲脚となる
があまり太くなく、爪は2個。中後脚は遊泳脚となる。尾端に伸縮自在の短い呼吸
管がある。初夏の頃、雌は雄の背面に卵を産みつける。この亜科には雄に臭腺がな
い。
本州、四国、九州に分布する。
本州・四国・九州、ロシア極東部、朝鮮半島に分布する。
沼・水田などの止水域に生息し、蕪栗沼地域などでは浅い水溜まりで見かけるこ
ともある。雌は雄の背中(体の上面:畳んだ羽の上)に卵を並べて産み、雄は卵塊を背
負っ
て行動するのでこの和名がある。この間、雄は飛べない。卵殻は、幼虫が孵化し
たのちに脱落する。成虫は秋に飛翔する習性があり、県北部に隣接する岩手県の国
道 4 号線沿いの駐車場に、相当数が下りていたことがある。越冬に先立っての行
動と考えられる。
体長 17~20mm。尾端に伸縮自在の短い呼吸管があり、これを水面に出して呼
吸する。本州、四国、九州に分布する。水田や浅水の池沼に生息し、水生昆虫や幼
魚等の体液を吸う。初夏に♀は♂の背面に卵を並べて生みつける。乾田では土壌の
ひび割れに入って成虫越冬する。
文献調査*4 によると、丘陵地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、福島県の低地の河川環境 1 箇所で確認さ
れ、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
一般生態*3
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、池沼内に橋脚を
①建設機械の稼働
建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は現道を
②資材及び機械の運搬に 利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の池沼・湿地・水
用いる車両の運行
田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、池沼岸に橋
③造成等の施工による一
台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用す
影
時的な影響
る場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は
割式、及び嵩上式)の存在 周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*3:
「原色日本昆虫図鑑(下巻)
」(昭和 52 年、保育社)
*4:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
233(4-4-190)
表 4-4-27(13) 重要な底生動物の予測結果(タガメ)
項目
選定基準
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
内容
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、絶滅危惧Ⅱ類(B)
、
宮城県:絶滅危惧Ⅰ類(CR+EN)
体長48~65mm。体は灰褐色~褐色。前脚は強大な捕獲脚となり末端に1 個の
爪がある。中・後脚は遊泳脚で脛節と節に長毛を生じる。口吻は短大。尾端に伸縮
自在の短い呼吸管がある。雄には後胸部に 1 対の臭腺があり、バナナ臭のある芳
香を放つ。
本州、四国、九州、沖縄に分布する。
県内各地での記録はあるが、近年の記録は少ない。また、灯火飛来によって記録
されたものも多く、分布域を特定することは困難である。
国内では本州・四国・九州・対馬・沖縄に分布し、国外ではロシア極東部、朝鮮
半島、台湾・中国に分布する。
山間~丘陵地~平地の沼や溜池。河川(小川などを含む)。かつては仙台の市街地
を流れる広瀬川にも数多く生息した。
しかし川内澱橋地区では、
橋が架け替えられ、
橋梁照明として高圧水銀灯が設置された後にほとんど絶滅した。
分布と生息地が限られる種であること、
及び山地~丘陵地等の草原の指標種とし
て学術的価値がある。
文献調査*3 によると、丘陵地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調
査(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
本種が確認された丘陵地の河川環境は、生息地として利用されていると考えら
れ、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対
象事業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる山地・丘陵地及び低地の河
②資材及び機械の運搬に
川・池沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である山地・丘陵地及び低地の河川・池沼・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「宮城県の希少な野生動植物-宮城県レッドデータブック-」(平成 13 年、宮城県)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
234(4-4-191)
表 4-4-27(14) 重要な底生動物の予測結果(ゲンゴロウ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
、福島県:注意(N)
、宮城県:準絶滅危惧(NT)
体長 36~39mm。体型は卵形をしており、背面は光沢のある黒色でやや緑色が
かり、前胸背板と上翅の側縁は広く黄褐色に縁取られる。体下面は黄褐色で、腹部
中央、各腹節前・後縁が黒色を呈している。
北海道、本州、四国、九州に分布。
県内各地の平地から低山地にある水生植物の生えた池沼やなどに生息しており、
個体数の多い所も見られる。
国内では本州・四国・九州・壱岐・屋久島に分布し、国外ではシベリア、朝鮮半
島、中国・台湾に分布する。
かつては身近な水田や池に普通であったが、諸開発、水質汚染など日本の経済発
典とともに激減した種である。生息域が平野部だけでなく、山地にまで広がってい
たことが幸いして、
そこで細々と残存しているのが現状である。
残された生息地も、
最近ではペット業者やマニアによる採集圧をひどく受けている。
文献調査*3 によると、低地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
一般生態*2
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸
用いる車両の運行
や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水
影 ③造成等の施工による一
路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となって
時的な影響
響
いる。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の
割式、及び嵩上式)の存在 環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「レッドデータブックふくしまⅠ-福島県の絶滅のおそれのある野生生物-(植物・昆虫・鳥類)」
(平成 14 年、
福島県)
*2:
「改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物-レッドデータブック 5 昆虫類」
(平成 18 年、環境省)
*3:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
235(4-4-192)
表 4-4-27(15) 重要な底生動物の予測結果(ミズスマシ)
項目
内容
選定基準
環境省:絶滅危惧Ⅱ類(VU)
本州、四国、九州に分布する。
体長約 6~7mm、体全体が黒くて艶がある。体は流線型で、いかにも目まぐる
しい速さで泳ぐのにふさわしい形をしている。
前肢は長くて獲物を捕らえるのに適
した形となり、中肢と後肢は短くて平たくなり、水をかく櫂の役目をしている。
この仲間の大きな特徴は上と下に分かれた複眼で、上方部は水面上に、また下方
は水面下に位置している。後肢はよく発達していて、水槽で飼っていると逃げてし
まう。
幼虫は腹部の両側に長い毛状の鰓があって呼吸と運動を助けている。
幼虫の大顎はゲンゴロウに似て鋭く、内側に管があって、捕えた小動物の体液を
吸収するのに適した構造となっている。
池沼、水田、小川などの一般に流れの緩やかな浅い場所に生息している。
文献調査*2 によると、低地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境は対象事業実施
区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、河岸
用いる車両の運行
や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水
影 ③造成等の施工による一
路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となって
時的な影響
響
いる。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の
割式、及び嵩上式)の存在 環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*2:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
236(4-4-193)
表 4-4-27(16) 重要な底生動物の予測結果(ガムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
北海道、本州、四国、九州に分布する。
体長約 32~35mm。全身緑色を帯びた黒色で、触角・口枝は黄褐色。ガムシの
触角は短く、頭部の下に隠れているが、呼吸のとき重要な働きをする。
幼虫は体長約 80mm。黄褐色で腹面はやや淡色。ゲンゴロウの幼虫に似ている
が肢は短く、体全体が太く、大顎は発達している。
水生植物がよく繁茂した池沼・川・用水路・水田・湿地などに生息している。
文献調査*2 によると、低地の河川環境で確認された。また、平成24 年の現地調査
(春季・夏季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、確認されなかった。
一般生態*1
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の河川環境は、生息地として利用されていると考えられ、
本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水田環境は対象事
業実施区域周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、河川・池沼内に
工事の実施による影響
橋脚を建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は
①建設機械の稼働
現道を利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の河川・池
②資材及び機械の運搬に
沼・湿地・水田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、
用いる車両の運行
河岸や池沼岸に橋台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほ
影 ③造成等の施工による一
か、水路上を利用する場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画とな
時的な影響
響
っている。
予
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
測
土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の河川・池沼・湿地・水
及び供用による影響 田環境を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としてい
①鉄道施設(地表式又は掘 る。また、河川・池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さ
割式、及び嵩上式)の存在 く、同様の環境は周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「川の生物図典」
(平成 8 年、山海堂)
*2:
「やまもとの昆虫」
(平成 4 年、山元町)
237(4-4-194)
表 4-4-27(17) 重要な底生動物の予測結果(コガムシ)
項目
内容
選定基準
環境省:準絶滅危惧(NT)
春から夏にかけ各地の池や沼に多い。また、よく灯火にくる。
本州・四国・九州のほか、アジア東部に分布する。
北海道~九州の平地や丘陵の池沼、水田に生息する。
ガムシに似ているが、腹端がガムシよりも丸みを帯びていて、小あごとひ
げ、あしが赤い。コガムシのような大型のガムシ類は、水草でゆりかごのよ
うな卵のうをつくって水面に浮かべ、その中にゼラチン状の物質を放出し、
卵を産みつける。卵のうには筒状の呼吸管がついていて、卵はそこから空気
をとり入れる。
文献調査においては確認されなかった。また、平成 24 年の現地調査(春季・夏
季)においては、確認されなかった。
平成25~26 年の現地調査においては、宮城県の低地の水路2 箇所で確認され、
そのうち1 箇所は対象事業実施区域内、1 箇所は対象事業実施区域外であった。
一般生態*1
一般生態*2
生
息
情
報
確認状況
生息地の分布状況
本種が確認された低地の水路は、生息地として利用されていると考えられ、本種
の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境は対象事業実施区域
周辺に広く分布している。
工事用道路及び工事施工ヤードは、計画路線上を極力利用する計画としている。
工事の実施による影響 また、建設機械は計画路線上を極力利用する計画としていること、池沼内に橋脚を
①建設機械の稼働
建設しない計画としていること、資材及び機械の運搬に用いる車両の運行は現道を
②資材及び機械の運搬に 利用することから、本種の生息適地と考えられる丘陵地及び低地の池沼・湿地・水
用いる車両の運行
田環境の改変面積は小さく、同様の環境は周辺に広く残される。また、池沼岸に橋
影 ③造成等の施工による一 台を建設する際には濁水の発生を極力抑える計画としているほか、水路上を利用す
時的な影響
る場合は管路を敷設することで移動経路を分断しない計画となっている。
響
よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
予
測 土地又は工作物の存在 計画路線は、本種の主な生息環境である丘陵地及び低地の池沼・湿地・水田環境
及び供用による影響 を高架及び盛土構造で通過する計画としており、可能な限り高架としている。また、
①鉄道施設(地表式又は掘 池沼内に橋脚を建設しない計画であることから、改変面積は小さく、同様の環境は
割式、及び嵩上式)の存在 周辺に広く残される。
②列車の走行(地下を走行 よって、本種の生息環境は保全されるものと予測される。
する場合を除く。)
【出典】*1:
「原色日本昆虫図鑑(上)」(増刷版)(平成 7 年、保育社)
*2:
「水辺の昆虫」(平成 12 年、山と渓谷社)
238(4-4-195)
4.6 環境保全措置の検討
(1) 保全対象種の選定
動物の保全対象種の選定結果を表 4-4-28(1)~(3)に示す。
予測結果より、
対象事業の実施により生息環境の質的変化が生じる可能性があると判断された種を
保全対象種とした場合、保全対象種はないものと予測される。
表 4-4-28(1) 保全対象種の選定(動物)
区分
哺乳類
鳥類
No.
種名
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
1
ヒナコウモリ科
B
B
2
ニホンザル
B
B
3
カヤネズミ
B
B
1
ヨシゴイ
B
B
2
オオヨシゴイ
B
B
3
ササゴイ
B
B
4
チュウサギ
B
B
5
マガン
B
B
6
ヒシクイ
B
B
7
オシドリ
B
B
8
トモエガモ
B
B
9
シノリガモ
B
B
10
ミサゴ
B
B
11
ハチクマ
B
B
12
オジロワシ
B
B
13
オオタカ
B
B
14
ハイタカ
B
B
15
ノスリ
B
B
16
サシバ
B
B
17
ハイイロチュウヒ
B
B
18
チュウヒ
B
B
19
ハヤブサ
B
B
20
チゴハヤブサ
B
B
21
コチョウゲンボウ
B
B
22
チョウゲンボウ
B
B
23
ウズラ
B
B
24
クイナ
B
B
25
ヒクイナ
B
B
26
バン
B
B
27
オオバン
B
B
28
タマシギ
B
B
29
ケリ
B
B
30
タゲリ
B
B
31
キョウジョシギ
B
B
32
タカブシギ
B
B
33
ホウロクシギ
B
B
34
オオジシギ
B
B
35
ツバメチドリ
B
B
36
アオバト
B
B
37
コミミズク
B
B
38
オオコノハズク
B
B
239(4-4-196)
備考
表 4-4-28(2) 保全対象種の選定(動物)
区分
鳥類
爬虫類
両生類
昆虫類
No.
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
種名
39
アオバズク
B
B
40
ヨタカ
B
B
41
オオアカゲラ
B
B
42
ヒバリ
B
B
43
サンショウクイ
B
B
44
アカモズ
B
B
45
クロツグミ
B
B
46
オオセッカ
B
B
47
コヨシキリ
B
B
48
オオヨシキリ
B
B
49
セッカ
B
B
50
コサメビタキ
B
B
51
サンコウチョウ
B
B
52
コジュリン
B
B
53
ホオアカ
B
B
1
タカチホヘビ
B
B
2
ヒバカリ
B
B
1
トウホクサンショウウオ
B
B
2
ハコネサンショウウオ
B
B
3
アカハライモリ
B
B
4
トウキョウダルマガエル
B
B
5
ツチガエル
B
B
6
モリアオガエル
B
B
1
モートンイトトンボ
B
B
2
オオモノサシトンボ
B
B
3
コバネアオイトトンボ
B
B
4
マダラヤンマ
B
B
5
カトリヤンマ
B
B
6
ハッチョウトンボ
B
B
7
チョウトンボ
B
B
8
リスアカネ
B
B
9
コオイムシ
B
B
10
ミヤケミズムシ
B
B
11
ヤセオオヒラタカメムシ
B
B
12
アイヌハンミョウ
B
B
13
セアカオサムシ
B
B
14
シマケシゲンゴロウ
B
B
15
ケシゲンゴロウ
B
B
16
ルイスツブゲンゴロウ
B
B
17
キベリマメゲンゴロウ
B
B
18
ゲンゴロウ
B
B
19
マルガタゲンゴロウ
B
B
20
シマゲンゴロウ
B
B
21
オオイチモンジシマゲンゴロウ
B
B
22
オオミズスマシ
B
B
23
ヒメミズスマシ
B
B
24
ミズスマシ
B
B
25
シジミガムシ
B
B
240(4-4-197)
備考
表 4-4-28(3) 保全対象種の選定(動物)
区分
昆虫類
魚類
底生動物
No.
種名
予測結果*1
土地又は工作物 保全対象種*2
工事の実施
の存在及び供用
26
コガムシ
B
B
27
コガタガムシ
B
B
28
ヒメボタル
B
B
29
ゲンジボタル
B
B
30
ヤマトシロオビトラカミキリ
B
B
31
モンスズメバチ
B
B
32
フタモンベッコウ
B
B
33
クロマルハナバチ
B
B
34
ゼニガサミズメイガ
B
B
35
ヒメギフチョウ本州亜種
B
B
36
ウラギンスジヒョウモン
B
B
37
オオムラサキ
B
B
38
キマダラモドキ
B
B
39
ギンモンアカヨトウ
B
B
40
キスジウスキヨトウ
B
B
1
スナヤツメ
B
B
2
ニホンウナギ
B
B
3
タナゴ
B
B
4
ドジョウ
B
B
5
ホトケドジョウ
B
B
6
メダカ南日本集団
B
B
7
スミウキゴリ
B
B
8
アベハゼ
B
B
1
マルタニシ
B
B
2
オオタニシ
B
B
3
ミズゴマツボ
B
B
4
コシダカヒメモノアラガイ
B
B
5
モノアラガイ
B
B
6
ヒラマキガイ属
B
B
7
ヒラマキガイモドキ
B
B
8
ヤマトシジミ
B
B
9
モリノカマカ
B
B
10
アカテガニ
B
B
11
アリアケモドキ
B
B
12
コオイムシ
B
B
13
タガメ
B
B
14
ゲンゴロウ
B
B
15
ミズスマシ
B
B
16
ガムシ
B
B
備考
17 コガムシ
B
B
*1:A・・・環境保全措置の検討を行う、B・・・生息環境は保全される、C・・・生息環境への影響はない。
*2:○・・・必要に応じて保全対象とする種。
(2) 環境保全措置の検討
路線位置及び基本構造の検討段階から、低地の水田、丘陵地の森林、水神沼及びその周辺の自然環
境の改変量を極力抑える計画としており、さらに、工事施工ヤード及び工事用道路は計画路線上を極
力利用する計画としていることから、
予測結果を踏まえた環境保全措置の検討は行わないものとする。
241(4-4-198)
4.7 事後調査
(1) 事後調査の必要性
予測は、重要な種の生息環境の消失・縮小、移動経路の分断、質的変化の影響について、対象事業
の実施による改変区域との重ね合わせや科学的知見を参考に行っており、
予測の不確実性は小さいと
考えられることから、事後調査は実施しないものとする。ただし、猛禽類の繁殖状況については、供
用による猛禽類への影響に不確実性が残ることから、供用後の事後調査を実施するものとする。
(2) 事後調査の概要
動物の事後調査の概要を表 4-4-29に示す。
事後調査は、
これまでに確認した対象事業実施区域周辺の猛禽類の営巣地を対象に繁殖状況を確認
する。現地調査は、調査中に対象事業実施区域周辺で新たな営巣地を確認した場合は、それについて
も対象として調査を実施する。
表 4-4-29 事後調査の概要(動物)
調査項目
調査内容
実施主体
○調査対象
鳥類(猛禽類)
対象事業実施区域
及びその周辺の
猛禽類の繁殖状況
○調査時期
供用後の平成 29 年 5 月、6 月、7 月の 3 回程度
○調査範囲
これまでに確認した対象事業実施区域周辺の猛禽類の営巣地
○調査方法
巣及び巣周辺の状況の確認
(3) 事後調査の結果により環境影響の程度が著しいことが明らかとなった場合の対応方針
事前に予測し得ない環境上の著しい影響が生じた場合は、事業者が関係機関と協議し、必要に応じ
て専門家に相談して、その指導・助言のもと、適切な措置を講じるものとする。
(4) 事後調査結果の公表の方法
事後調査結果の公表等については、原則として事業者が行うものとする。公表時期・方法等につい
ては関係機関と連携して適切に設定するものとする。
4.8 評価
路線位置及び基本構造の検討段階から、低地の水田、丘陵地の森林、水神沼及びその周辺の自然環境
の改変量を極力抑える計画とし、工事施工ヤード及び工事用道路についても計画路線上を極力利用する
計画としている。また、対象事業実施区域周辺で営巣が確認された猛禽類については、供用後の影響を
確認するための調査を実施することとしていることから、事業者の実行可能な範囲内で回避又は低減さ
れるものと評価する。
なお、事後調査の結果、環境影響が著しいことが明らかになった場合は、専門家の指導・助言を得て
適切な措置を講じるものとする。
242(4-4-199)