カスケード STATCOM の無効電力と モジュールコンデンサ電圧の制御 菅原 佑*,星野 修平,竹下 隆晴 (名古屋工業大学) (概要) 再生エネルギー源として,普及が進められている太陽光発電や風力発電など の分散型電源では,配電系統の電圧上昇を引き起こすと共に,天候変化による 発電量変化により,配電系統との電圧変動が大きくなっている。配電系統の電 圧を常時,連続値として電圧を制御するために無効電力補償装置である STATCOM(Static Synchronous Compensator)が提案されているが,変圧器を用い ているためシステムが大型になる。新たな STATCOM の回路構成として,低圧半 導体デバイスで構成されたモジュールを複数直列接続して,高電圧変換器を構 成するカスケード STATCOM が提案されている。高耐圧化する構成により,変換 器を直接配電系統に接続できるので,変圧器が不要になり,小型,低コスト化を 実現できる。カスケード STATCOM においては,各モジュールのコンデンサ電圧 を一定値に制御する必要がある。本論文では,まず,カスケード STATCOM の無 効電流制御原理と瞬時値に基づいた無効電流制御法を示す。次に,モジュール コンデンサ電圧の平均値,相間電圧バランス,直列モジュール間電圧の制御法 をそれぞれ示す。各モジュールの PWM 制御を示し,シミュレーションと実験に より,本提案制御法の有効性を確認する。
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