2014年 4月号 - マネジメントスタッフ

労使慣行と
労使慣行と就業規則
◇労使慣行の
労使慣行の発見と
発見と対策
社内の就業ルールを変更した場合や、法律改正
がある場合など、就業規則は現状に合った内容
に整備する必要があるのはご存じの通りです。
では、就業規則を作成すれば、「就業ルールに
全く漏れはない」あるいは「就業規則に反した
行為は一切認められない」と言い切れるので
しょうか。
一旦定めた就業規則は遵守すべきですが、会社
には就業規則に基づかない、労使間で長年反復
継続された労使慣行がしばしば存在するのでは
ないでしょうか。今回は、その労使慣行と就業
規則の関係について整理いたします。
働いている中で生じる、あらゆる取扱い
を労働契約書や就業規則に記載すること
は不可能であり、従ってその記載されて
いない事案が、発生する可能性は十分考
えられます。また前述の4項目に合致し
ない事案であっても、発生している事実
に無関心で構わないとは言えません。労
使慣行の成否をめぐって労使紛争につな
がる危険もあるのです。
◇労使慣行とは
労使慣行とは
労働協約や就業規則に基
づかない、労働条件や職
場規律等に関する労使間
の事実上のルールをいいます。労働契約の内
容を補完し、労働協約や就業規則に定められ
た不明確な規定を解釈するため、あるいは具
体的に運用していくための基準にあたります。
この労使慣行が、就業規則と同等の拘束力を
持つためは更に条件があります。
1.長期間にわたって反復・継続して行われ
ている
2.労使双方が明示的に異議を唱えていない
3.使用者(当該労働条件の決定権や裁量権
を有する者)が、“そうしなければなら
ない”という規範意識(注)を持ってい
る*単に、ある事実が積み重ねられてい
るというだけでは足りません
4.法律に違反していない、就業規則の内容
を下回っていない
(注)規範意識長年繰り返されてきた慣行
を、規則・準則として従う意識。
改正を要する事案については、その合理
性の有無を検討し、労使で協議します。
合理性がある場合は、就業規則を変更す
るか、あるいは労使慣行の改廃を周知す
ることとなります。合理性に懸念がある
場合は、従業員の個別同意を取り、改廃
する必要があります。
これらは、いきなり一方的に行うのでは
なく、充分時間をかけて過去の経緯や変
更の必要性を説明し、意見交換を行うべ
きです。その上で、場合によっては経過
措置や猶予期間を置くことも必要です。
いつも大変お世話になっております。
今回の継栄通信では、「労使慣行と
就業規則」と「職場の安全衛生管理
体制」のご案内を掲載させていただ
きます。
何よりもまず、就業に関するルールは、
必ず就業規則を確認するよう心掛けて下
さい。就業規則の内容と異なる処理を行
わないこと、就業規則に違反する言動を
黙認、放置しないことが大切です。
ウラ面 もご覧ください
職場の
職場の安全衛生管理体制
最近の労働基準監督署の調査においては、「安全衛生管理体制」について
の指導が増えてきました。しかし、企業側としては、安全衛生管理体制ま
では「なかなか手が回らない」という声をよく耳にします。
企業が安全配慮義務を果たさず、労働災害を発生させた場合には、債務不
履行に基づく民事上の損害賠償責任(民法第415条)が生じます。
ここで改めて、安全衛生管理体制について、特に中小企業向けの安全衛生
に係るスタッフの種類を以下に列挙いたしますので、ご確認ください。
安全衛生推進者
【職務内容】①労働者の危険または健康障害を防止するための措置
②労働者の安全衛生教育の実施
③健康診断の実施など健康保持増進のための措置
④労働災害の原因の調査、再発防止対策 等
【選任要件】林業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含
む)、各種商品卸売業、各種商品小売業等
⇒常時使用する労働者が10人~49人の場合に選任
※代表的業種を抜粋※事業場(本社、支店、工場等を一つの
単位として)ごとに選任する。
【選任数及び専属要件】1人選任、事業場専属の者
安全管理者
【職務内容】①設備や作業場所、作業方法等に危険がある場合の応急措置
または適当な防止の措置
②作業の安全についての教育及び訓練等
【選任要件】林業、建設業、運送業、清掃業、製造業(物の加工業を含
む)、各種商品卸売業、各種商品小売業等
⇒常時使用する労働者が50人以上の場合に選任
※代表的業種を抜粋 ※事業場(本社、支店、工場等を一つ
の単位として)ごとに選任する
【選任数及び専属要件】1人以上の選任、事業場専属の者
【選任資格】厚生労働大臣が定める研修を修了した者であって、大学また
は高等専門学校における理科系の過程を卒業し、その後2年
以上産業安全の実務に従事した経験を有する者
※代表的なものを抜粋
衛生管理者
【職務内容】①労働災害の防止、危害防止基準の確立
②責任体制の明確化
③自主的活動の促進 等
【選任要件】全業種⇒常時使用する労働者が50人以上の場合に選任
※事業場(本社、支店、工場等を一つの単位として)ごとに
選任する。
【選任数及び専属要件】1人以上の選任(事業場規模により選任数は増員
あり)、事業場専属の者
【選任資格】①第一種または第二種衛生管理者の免許を受けた者
②衛生工学衛生管理者の免許を受けた者
③医師、歯科医師
④労働衛生コンサルタント
※代表的なものを抜粋
※労働安全コンサルタント、労働衛生コンサルタント等のう
ちから選任するときは専属要件不要
【選任資格】①大学または高等専門学校を卒業し、その後1年以上安全衛
生の実務に従事した者
②5年以上安全衛生の実務に従事した者
③厚生労働省労働基準局長が定める講習を修了した者 等
※代表的なものを抜粋
衛生推進者
【職務内容】安全衛生推進者の業務のうち、衛生に関する業務
【選任要件】安全衛生推進者の選任業種に該当しない業種
⇒常時使用する労働者が10人~49人の場合に選任
【選任数及び専属要件】安全衛生推進者と同様
【選任資格】安全衛生推進者と同様
産業医
【職務内容】①健康診断、面接指導等の実施およびその結果に基づく労働
者の健康を保持するための措置、作業環境の維持管理、作
業の管理等労働者の健康管理
②健康教育、健康相談
③労働衛生教育
④労働者の健康障害の原因調査、再発防止のための措置 等
※少なくとも月1回作業場等を巡視する
【選任要件】全ての業種
⇒常時使用する労働者が50人以上の場合に選任
【選任数及び専属要件】1人以上の選任(規模で選任数、専属要件有)
この他にも安全委員会、衛生委員会、安全衛生委員会もあります。
設置、選任要件等に関しては業種、規模、資格の有無などによって該当非
該当のケースがあります。掲載内容につきまして、ご質問等ございましたら、
どうぞお気軽にマネジメントスタッフまでお問い合わせ下さいませ。
TEL:042TEL:042-349349-7775
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