製品・サービスによる環境貢献 当社は創立 100 周年を迎える 2015 年に向けたビジョンの中で、先進国の少子高齢化社会や環境エネルギー問題など、台頭する 地球規模の課題に対し当社のコア技術を生かすことで、問題解決に取り組んでいくことを掲げています。環境事業領域では、当社が 得意とするモータドライブ技術・エネルギー変換技術を進化させ、省エネルギーと創エネルギーの両面から貢献できる製品・サー ビスを提供していきます。 DC マルチリンク適用事例紹介 DC マルチリンクとは DC マルチリンクとは、既存の電機品を変換ロスの少ない直流(DC)で繋ぐシステムです。モータの回生発電エネルギーや、太 陽光・風水力発電といった自然エネルギーなどを、直接蓄電池に充電し、蓄電電力を直流(DC)のまま非常電源やピークシフト・ ピークカット、ピーク電力アシストに使い、節電効果を高めることが期待できます。 発電する自動倉庫 当社ロボット第 2 工場で稼動中の自動倉庫(スタッカークレーン)へ DC マルチリンクを適用し、回生蓄電制御技術の実証を行い ました*。モータは回すと電力を消費しますが、回されると発電し、このことを回生電力と言います。 この事例では、クレーン下降時にモータが回されて生じる回生電力を蓄電し、クレーン上昇時に放電することで起動電力のアシ ストを実施します。 従来捨てていた回生エネルギーを『拾う省エネ』に加え、起動時の『ピーク電力の抑制』が行われる様子をリアルタイムモニタで見 える化しており、お客様設備での回生エネルギー利用を検討していただくよい機会としていただいています。 昇降 m 走行20m アシスト 15 効果 ・ 『拾う省エネ』 :18% ・ 『ピーク電力の抑制』 :56%OFF 発電(回生) クレーン部 回生18% 電源回生 ピーク抑制 56%OFF 上昇運転(力行) アンプ モータ 13% モータ モード切替容易 停止時充電 7.5kW D1000 起動アシスト (放電) 入出力ロス 3% 下降運転モード 充放電 (回生・充電) コンバータ モータ 2.2kW リチウムイオン キャパシタ 入力電力 昇降軸速度 フォーク DCマルチリンク適用のシステム構成 56%OFF ピークカット 9kW 走行 モータ 0.75kW リアルタイムモニタ 昇降 5% (9kW) 入力電力 4.0kW 昇降軸速度 実証では、確実にピーク電力アシストを行う停 止充電モードや蓄電キャパシタ異常時にも運転を 4.0kW 継続する自動回避モード等、安心して設備をお使 DCDC コンバータ いいただくための機能を実装し、現在も評価を継 出力電流 DCDC コンバータ 出力電流 走行軸速度 走行軸速度 ピーク電力アシスト無し 続しています。 * <北九州環境未来技術開発助成>を活用し、実証を行っています。 ピーク電力アシスト有り ピーク電力アシスト有無の比較 YASKAWA レポート 2014 38 YASKAWA ELECTRIC CORPORATION FSDrive-MV1000 が「優秀省エネルギー機器表彰」 当社のスーパー省エネ高圧インバータ FSDrive-MV1000 は、 「第 34 回(2013 年度)優秀省エネルギー機器表彰」において「日本 機械工業連合会会長賞」を受賞しました。 当社の受賞製品 FSDrive-MV1000 は、低圧インバータ技術の 3 レベルセルと当社独自のスマートハーモニクス技術を直列多重方 式高圧インバータに組み合わせることで、業界最高水準の省エネ効果(効率:約 97% 力率:約 95%)を実現しました。また、インバー タ設置面積の世界最小寸法、メンテナンス時間大幅短縮(従来品比 50% 削減)を達成しました。 優秀省エネルギー機器 FSDrive-MV1000 表彰式 FSDrive-MV1000 の世界最高水準の性能 ❶効率97% ❷力率95% ❸最小寸法(従来比60%削減) ❹メンテナンス時間短縮(従来比50%削減) 本製品は、幅広い電源電圧範囲(2.4kV ∼ 11kV)と国際規格へ対応可能であることから、日本国内だけでなく世界各国において もファン・ポンプ・試験機など多様な用途で省エネ機器として採用実績が豊富です。 この結果、今後さらなる省エネに貢献できる期待が高く評価され本受賞となりました。 EV モータ適用事例紹介 急速充電型電池推進船「らいちょう」 東京海洋大学殿建造の急速充電型電池推進船「らいちょう」へ当社の EV 技術を採用いただきました。 この電池推進船は、リチウムイオン電池・推進モーターを動力とすることで、 「低騒音・低振動」、 「航行中の排気ガスや二酸化 炭素を出さない」、 「高出力かつ短時間の充電時間」などを実現しています。 当社の EV 駆動システム 急速充電型電池推進船「らいちょう」 YASKAWA ELECTRIC CORPORATION 39 YASKAWA レポート 2014
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