さあ,合格への扉を開けよう‼ 公立小学校教員数は今年がピーク!(競争率の動向) 表2 公立小・中学校教員需要の全国推計:平成26-37年(各県計) 小学校 教員増減 「少子化の現在,教員採用数も減少し,競争率も高くなっているのでは?」 と思っている人もいるでしょう。しかし,近年の動向を見ると,競争倍 率は低い傾向が続いております。教員需要数は公立小学校では平成29年, 公立中学校では平成32年にピークを迎えるため,特に,小学校教諭は 今年度が最大のチャンスといえるでしょう。 教員採用試験の競争倍率の推移をみると低下傾向にあ に減少すると推計しています。一方,中学校の教員需要 り, 「全体」について10年前と比較すると,約2.5倍低減 のピークは小学校の3年後である平成32年に約9千人と しています(表1参照) 。これは教員の退職者数が依然 ピークを迎え,その後は減少して平成37年には約7千人 として多いことが主な原因としてあげられます。 弱になる見込であるとしています(表2,図1参照) 。 では,この傾向がずっと続く,つまり年を追うごとに したがって,公立小学校教員を目指す人にとっては,大 教員になりやすくなるのでしょうか。 『教員需要推計と 量採用がピークとなる今年が最大のチャンスと考えるこ 教員養成の展望』 (広島大学大学院教授 山崎博敏著, ともできるでしょう。 協同出版)によると,公立小学校の教員は平成29年に約 当然,自治体や志望する学校種,教科で倍率は異なっ 1万6千人強になりピークを迎え,東京オリンピック後 てくるので,自身が志望する自治体のホームページ等で の平成33年春から大幅に減少し,平成37年には約1万人 確認しておくことが肝要です。 表1 退職者 教員増減 退職者 教員需要 −999 15,293 14,794 −767 7,926 7,304 平成27年 (2015) −1,041 14,997 14,476 −776 7,475 6,837 平成28年 (2016) −19 16,082 16,073 −716 7,888 7,350 平成29年 (2017) −40 16,509 16,489 −726 8,073 7,520 平成30年 (2018) −63 16,397 16,366 −736 8,462 7,893 平成31年(2019) −86 16,064 16,021 −747 9,242 8,659 平成32年 (2020) −110 15,204 15,149 −758 9,413 8,814 平成33年 (2021) −1,917 13,871 12,913 −628 9,240 8,731 平成34年 (2022) −1,977 12,966 11,977 −636 8,780 8,257 平成35年 (2023) −2,036 12,201 11,183 −644 8,450 7,912 平成36年 (2024) −1,048 11,756 10,708 −653 7,970 7,417 平成37年 (2025) −1,078 11,271 10,193 −661 7,390 6,823 出典: 『教員需要推計と教員養成の展望』 (広島大学大学院教授 山崎博敏著,協同出版) 万人 6 5 4 3 2 1 0 中学校教員 万人 倍 7 20 6 15 5 11.8 11.7 9.8 4 9.1 8.4 8.7 7.8 11.8 11.7 7.7 7.5 7.5 10 3 2 5 1 0 0 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 実施年度 (平成) 受験者数 採用者数 競争率 倍 14 12 10 8 5.3 4.8 4.5 4.2 4.6 4.3 4.2 4.4 4.5 4.4 4.3 4.3 6 4 2 0 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 実施年度 (平成) 受験者数 採用者数 競争率 万人 5 4 3 2 1 0 小学校教員 高等学校教員 倍 16 14.1 13.3 14.2 14 10.8 13.9 14.0 12 9.4 10 8.1 7.7 7.3 7.7 7.7 8 6 4 2 0 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 実施年度 (平成) 受験者数 採用者数 競争率 図1 公立小・中学校教員需要の推移:平成26-37年(各県計) 18,000 16,000 14,000 教員需要 採用者数 競争率 SEP. 2015 教員需要 平成26年 (2014) 教員採用試験の競争率の推移 全 体 万人 倍 18 14 16 12 14 10 12 8.3 7.9 7.6 7.2 7.3 10 6.5 6.1 6.2 6.0 5.8 5.8 5.8 8 8 6 6 4 4 2 2 0 0 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 実施年度 (平成) 受験者数 074 中学校 12,000 小学校 10,000 中学校 小-文科 8,000 中-文科 6,000 4,000 2,000 0 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 年度 (平成) 出典: 『教員需要推計と教員養成の展望』 (広島大学大学院教授 山崎博敏著,協同出版) SEP. 2015 075
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