=轟 酵 鸞撃 グリコアルブミン 1)グ リコアルブミンは、糖化されたアルブミンで、主に最近2週 間の血糖コン トロールを反映する。 層 2)グ リコヘモグロビンは赤血球寿命が短くなる疾患、溶血性貧血や肝硬変 では偽低値を示すが、グリコアルブミンはこのような疾患でも、血精コント ロールを正確に反映する。ただし、肝硬変ではアルブミンの半減期が延長す るために、実際よりも高値を示すことがある。また、ネフローゼ症候群のよう にアルブミンの半減期が短縮する疾患では低値を示す。 3)正 常値は 124∼ 163%で HbAlcの 約3倍 である。 聖隷浜松病院 内分泌内科 源馬理恵子 本 日の 話題 ・ 糖尿病 とは ・ 妊 娠 中母 体 に起 こる変化 ・ 妊娠糖尿病 と糖尿病 合併 妊娠 ・ 耐糖 能異 常妊 娠が母体・胎児 に及 ぼす影 響 ・ 妊 娠糖 尿病 の 管理 (分 娩後も含めて) ・ 症例 ・ 女性糖 尿病 患者 の 現 状 インス リン作 用 の 不 足 により生 じる慢 性 の 高 血 糖 を主徴 とす る代 謝疾 患 群 インスリン作用の不足 インスリン分 泌不全 +イ ンスリン抵抗性 非妊娠 時・妊 娠 時 における各組織 による糖 消費量 回回 インスリンにより細胞 に取り込まれエネル ギーとして利用される 食物 中の炭水化物 は 消化吸収されて血液 中 にブドウ糖が出てくる <非 妊 娠 時 > 1性 ρ <妊 娠 時 > ⑪ ⑩ 糖尿病とはインスリン作用の不 足により生じる慢性の高血精を 主徴とする代謝疾患群 → ・― ・食物をエネルキ として利用できない '慢 性的な高血糖による合併症を起こす 22 ﹁ 一 や 一 ﹄ r い く 一 い . ヽ , , 妊娠母 体 の血 糖 、 インスリンの 日内変動 空腹時の血糖は低下 血中のブドウ糖は胎児へ供 給。→母体では脂肪を分解 し てエネルギーとする。 蟻 11 の胎児発育、授乳のためのエ ム ' i“ ネルギーとする。 1" I PII │ : は分角犀され る 1 摯 妊娠 は催糖尿病 的 糖尿病・糖尿病 の素因を持つ人 インスリン分泌不全 +イ ンスリン抵抗性 + 妊娠によるインスリン抵抗性 (特 に後期) ↓ インスリン必要量が増加 ↓ ン 文踏進馨∬∬リ ゛ ロケン、プログステロン、胎盤 性ラ ・ 胎 盤 由来 のホルモン(エ スト ーゲン)、 血 中月 旨質 、コルチゾール、TNFα などの作用 クト でインスリンが効きにくくなる。 ・ 肝臓 や骨格 筋の脂 肪沈着 響 →妊 娠 20週 頃か らインスリン抵抗性となる 妊娠 中の 糖代謝異常 ・ 妊娠 中に発見される糖代謝異常 妊娠糖尿病 (GDM) 妊娠時に診断された明らかな糖尿病 ・ 糖尿病合併妊娠 妊娠前から糖尿病 が存在 糖 尿 病 の 悪 化・糖 尿病 の発 症 尿病合併妊娠 の特徴 妊娠糖尿病 Qettaunal dね betes md tus:GDM) 2010年 に世 界 共 通 の 診 断 基 準 言 巨大児 が多く、周産期 のリスクが高くなる 将来顕性糖尿病 に進展する可能性が高 い ・ 妊 娠 中に初めて発 見または発症 した糖 尿病 に 至っていない糖 代謝異 常 (明 らかな糖 尿病 は含 めない) (GDMは 糖尿病 の前段階 ) ・ 糖尿病合併妊娠 インスリン需要量増加 糖尿病性ケトアシドーシスになりやすい 妊娠中に糖尿病 の細小血管合併症が進行 GDMの 危険因子 ・35歳 以上 ・家族歴、 ・尿糖陽性 、 ・肥満、 ・巨大児出産 の既往 ・過度の体重増加 、 ・妊娠高血圧症候群・羊水過 多症の既往、 ・原因不明の流産・早産・死産歴など コントロール 不良だと母児合併症 が多い 23 妊娠糖尿病 のスクリーニング 籟Mli』 ][[][1」 ill点 以上満たした場 嚇 嚇 螂 (FBS 126mノd以 上、HbAlc 6 5%以 上、確実な網膜症が 存在 、随 時血糖 200mg/d以 上が 1つ 以上あった場合 ) 92mg/dl以 上 180mg/dl以 上 153mg/dl以 上 HAPO study:9か 国 、2万 5505例 の 妊 婦 が 登 録 。C可 の 結 果 と周 産 期 の 合 併 症 につ いて検 討 した結 果 、上 記 の 診 断 基 準 が 決 まった 。 これ に よりGDMの 頻 度 (日 本 )292%⇒ 1208%に 増加 耐糖 能 異 常 妊 娠で 胎児 が 受 ける影響 ・ 妊娠初期 随時血糖loomg/dl以 上 危険因子あり E)7590G7 r ・ 妊 娠 24∼ 28週 50gGCT l時 間値 140mg/dl以 上 匡)7590も 危険因子あり ・ !l ・ ースチャレンシテスト GCT:ク ルコ 杓 ゴ蓼75` ]` 鰤 ブドウ糖 ― インスリン +l ― Fブ l アミノ酸 ドウ糖 ` インスリン 頃から アミノ酸 `2週 _J卜 _月 トー 遊離脂肪酸 遊離脂肪酸 一 ケトン体 ― hPL ヶトン体 ― SU剤 S∪ 剤 「 hPL:胎 盤 性 ラ外 ―ケン ― .量11,症 饒 2∼ 25% 35% 4∼ 7% 9∼ 22% 低 Ca血 症 3.2∼ 5% 4∼ 56% 多血症 黄疸 (高 Bil血 症 ) 15∼ 21% 呼 吸窮迫症候 群 lo∼ 14% ・ 先天奇 形 ・ 巨大児 ・ 子 宮内発育不 全 ・ 低血糖症 ・ ・ ・ ・ (糖 尿病を合併 した場合 ) 先 天 奇 形 (級 病を合併した場合 ) 催奇 形 因子 (ブ ドウ糖、ケトン体、アミノ酸、血清因子) ↓↓↓ 妊娠初期のHbAlcが 約 10∼ 15% 約25% 7%以 上で 8%以 上で 妊娠前 に治療を開始した群では、糖尿病のない群と大きな差 はないが、妊娠後 の治療開始群では高率 24 予 邊祗型堕董墨皇I行 母体 が 受ける影響 ↓ 胎児膵 β細胞過形成 /ヽ 輌 ィ 酸素消費↑ 胎児基質利用↑ │ エチン↑ 胎児仮死 巨大児 \ ↓ ↓ ↓ 多血症 新生児 死産 肩甲難産 (高 bl血 症)仮 死 で 肺成熟遅延 ク タ卜 けフ ア 、● 呼吸障害 低血糖 妊娠合併症 妊娠中の血 糖 コントロール 25-30% 蓼 正常血糖 を目標 とする 胎児奇形とも関連 ・妊 娠 中毒 症 、PIH(pregnancyinduced hypettenJon) 10∼ 27% 高インスリン血症が関与 ∼ 18% ・羊 水 過 多症 19∼ ・早 期 産 38% 中毒症や高血圧の合併と関連 空腹時血糖値 : 食後 2時 間値 : HbAlc: ・ ・ ン クリコアルフミ 70∼ 100mg/dl 120mg/dl未 満 46∼ 6.2% 11∼ 16% 尿ケトン体陰性 (特 に早朝 ) 非肥満例 肥満例 適正な体重増加 8∼ 9Kg 5Kg ンスリン分 泌と食事 妊娠中の食事療法 取カロリーの 設 非肥 満 妊婦 日本人の食事摂取基準 前期 標準体重x30Kcal+150Kcal +50KcJ 後期 産褥 期 標 準 体 重 x30Kcal+350Kcal 標 準 体 重 x30Kcal+600Kcal +500KcJ +250Kcat +450Kc創 肥満 妊婦 ーはつけなし 標準体重x30KcaK付 加カロリ 、 摂 取カロリー 内で分 食 とし、夜 食 を摂 らせ る 12時 彰 ヽ 猥 讐 巾 15時 18時 爾 彗 24時 蜻 匡亜:物・精質を分ヨ 25 [[1争 :「1を 。 SU薬 は使 用 しない (胎 盤 通 過 ) 入 導 ■ ケトン体 が 発 生 しないように 食事を分割食にする 眠前に糖質摂取 ・ー ・使 用 可能 なインスリン(FDAカ テコ リ B) 速効型(R)、 中間型(N)、 ・ ・ ・ ューマロ ク0) 超速効型(ノ ホラヒッドO、 ヒ ・ 持効型 (レ ヘVレ O) ・インスリン必 要量 1型 妊婦 2型 妊婦 妊 娠 中の注意 点 ・ 低血糖 妊娠初期の低血糖が胎児に悪影響を及ぼすという証拠 はない。 妊娠後期は低血糖が遷延すると胎児徐脈になると いわれ、夜間∼未明の低血糖を避けるようにする。 非妊娠時の約17倍 約2倍 (2単 位/Kgの ことも ) 「 妊娠糖尿病の分娩後の管理 .血 糖コントロール は急速に改善 ・ 妊娠糖尿病では分娩後6∼ 12週 に75goGT「 を施行し、 耐糖能を評価する。 ・ 生活習慣 について指導 減量・運動の指導 2言 ロ海外 で の報告 19∼ 87%が 分娩後 に境界 型 、も しくは糖尿病 に Dbbetes:40:131‐ 135:1991 な つて いた 20の 報告 を ま とめ た ところ、正常血糖 の妊 婦に 比 べ 平均 7.43倍 、糖尿病恒な る 危険 があ る09 ・ 定期的に耐糖能 の検査を行う GDMの 新基準 からみた将来の2型 糖尿病発症率 (日 分娩後 の糖尿病発症 リスク 芦 本 人の 多施設 共 同研 究 ) ・ ハ イリスクGDM (H bAlc<65%、 GTT2時 間 値 ≧200mg/di) 糖尿病診 断率 222% 診 断までの平 均期 間 73か 月 ・ それ 以外 のGDM 糖尿病診 断率 186% 診 断までの平 均期 間 134か 月 ス リ 病 発 症 ク 和栗雅子 :H23年 度総括 分担研究報告書よ (%) 約 1000/O 100 ― 卿 酔 の 明らかな籍尿病 晰書 80 ― 蜘 臨 薦 あ り 帰: 60 進 月曼 40 率 20 約 300/0 ___罐 0 0 5 苺苺苺 10(年 分娩か らの年数 ″繭 妊蟻贈際猿なし ‐‐‐ .病 ) 26 妊娠糖尿病、母児 のその後 は将 来 の心血 管 リスクを有 している GDM合 併妊婦では出産後 の高血圧、脂質異常症などの発症も高率。 症 例 将来の心血管リスクを有している。 ・ ホリック症候 群 の発症 ・ 出生児 のその後 の 糖尿病 、メタ ・ GDM母 体から出生した児は糖尿病、メタホリック症候群になるリスクが高い。 GDMの 出生児には LFD児 (70%)、 HFD児 (204%)、 4000g以 上の巨大児 ・ (50%)の 出生が高頻度。HFD、 巨大児は以前 から糖尿病やメタホの発生率 が高いことが知られていた。近年、胎児期の低栄養が将来の糖尿病や、メタ ボの発症に関係することが知られ、LFD児 でも頻度高くなる。 大きく生まれた児は肥満に注意、小さく生まれた児は無理に太らせない ! 娠 岬尿病 妊 32週 37歳 __l:│!「 156x156X22=53 5Kg 理想体重 必要 エネルギー 53 5Kgx30Caソ Kg=1605Cal ・ 主 訴 :高 血糖 ・ 家族歴 :両 親糖尿病 ・ 現 症 :1560m58 3Kg l19/74mmHg ・ 食生活 :間 食 多い ゜ チップ、煎餅など 毎 日 果物 、ジュース、チョコレート、ホテト ■75gOG可 1605Cal+350Cal=1955Cal (妊 娠後期 の付加カロリー ) ⇒ 食事として1600∼ 1800Cal 間食として 200∼ 400Cal(午 前・午後・寝る前 ) 99-199-169mg/dl HbAlc 外来受診時 (食 後 1∼ 2時 間後 )の 血糖 4.7% 70∼ 110mg/dl ⇒妊娠糖尿病 の 評 価 糖 能 響 壼 竺 ._主 な ・ 出産 2か 月後 75gOGT「 血糖 mg/d ン インスリ :[』 ]li『 11'::「 1)に 10時 間以上絶食後 9時 ごろに75gの ブ ドウ糖を飲用 飲用前、30分 、1時 間、2時 間後 に採血 (血 糖 ・インスリン) 0` 92 186 31 296 178 318 170 473 ⇒ 境界型DM HORM‐ R ∼ つ の い ∼ て 判 耐 能 定 糖 92x31/405=07 ・…インスリン抵抗性なし ・ 判定 (非 妊娠時) かつ 空腹時 110mg/d未 満 正常型 負荷後 2時間 140mg/d未 満 または 糖尿病型 空腹時 126mg/d以 上 lnsurinogenic index ZIR/Z BS=028 ・・ ・インスリン初期分泌低下 03以 下は将来糖尿病 になりやすい 境界型 負荷後 2時 間 200mg/d以 上 上記以外 27 糖負荷検査 (75gOG丁 丁)に ついて ∼インスリン初期分泌・抵抗性の評価 ∼ ・当院での検 討 妊娠糖尿病 ロロ 泌の指標 :lnsu nOgenに ndex(1) ・2011年 1月 ∼2012年 5月 に妊 娠中に耐糖能異常を指摘され 当 科を受診した145妊 婦 ∠血 中インスリン値 (30分 値 ―前値 ) ∠血糖値 (30分 値 ―前値 ) 正常 04以 上 o3以 下 糖尿病 への進展率が高い ・145妊 婦 中,糖 尿病合併妊娠 13例 ,GDMl17例 , その他 15例 ・ インス リン抵抗性 :HOMA― IR ・GDMl17例 中,産 後OGT「 まで追跡可能であった84妊 婦 空腹時血糖値 X空 腹時インスリン 値 405 正常 16以 下 25以 上 はインス リン抵抗性あ り 診断時期 胡巴満・家族歴 産後のG7 「結果 4.ifflilMの 前期診 断 (19例 ) 後期診断 65例 家肇 1 5 「西 而耳 i:FJhi燎 '歴 * 肥満あり:BMI≧ 27 インスリン初期分泌 hsJhogenに mdex(II)И 30前 値インスリ ン/30‐ 前値 z血 糖値 インスリン抵抗性 (HORM‐ RI FBSX空 腹 時IR1/405 **:Pく 001 ■ Pく O o5 インスリン初期分泌 の検討 ]の 精 尿 病 の 治 療 が され な い まま 合 併 症 が 進 行 す る症 例 ・ 2008年 4月 ∼2012年 3月 までの4年 間に当科初診時に糖尿 病の病名がついている2272例 (65%以 上は1845例 OGTT正 常型71症 例で将来的に糖尿病に移行するリスクが高 し ) GDMで あった84擁 中少な くても?力 穫32%)は 今後糖尿病を発産しやすいと著ぇら― れた ・初診時に増殖前以上の進行した網膜症を認めた例は117例 正常眼底 288± 661252± 42 336± 49 079i07ア 1 1()3士 増 殖前糖尿病網膜症 増殖糖尿病網膜症 o72 以 上 28 117例 の糖尿病の治療状況 1他 院内科 で糖尿病治療 中 郎 ・ 蝙 ヽ 雑 ・ ・ 蜀 颯 勒 摯 一 螂 ¨ 螂 一 一 一 蝙 “ い 撃 お ξ 諭 ё ●女性 ■︱■ ξ 絆 滲メ 性 ■ヤ 10 躙 籟 晰 .男 “ ・ は 12 は 顆 一 ● ∼ 0■ 0 64畿 (n‐ 45) 玲 40∼ ﹄一 悛 . 10) 26例 は ” (n・ 女性 24例 ) 彬 過去に指摘あるも放置 通院中断 断続的な通院 精尿病であることを知らなかつた ∼39歳 糖尿病 でも治療を継続 しているのは男女とも約 63% 46例 71例 (男 性47例 23例 22例 鸞 導 2糖 尿病の治療 はしていない 平成21年 驚 被保険者・被扶養者別特定健康診査実施率 定儘おの実鮨率0内 =0特 が饉1漱 規:=あ る(口 寄0あ つたもの0み 菫││)。… 0被 玲審保険0保臓 と、ま彙臓書本人の実撼率と化して捜扶姜者0実 歯車 被,各 協 会 けん ぼ 健保継奎 国共済 地共勝 私撃共 済 緯 童 加入者 機保襟鷲 崎定機庫摯姜実鮨率 310出 鍵 ■ [22椰 籍倉彗康診査実施率 666% a21= 36S 特定健燎摯董案壺率 555% 糠 凛 101■ 特定鐘康じ奎霙麟 078“ 協 35綴 保険者の積菫購 モ碁監 1鳥tに 比して検診受診率が 低く、糖尿病 であることを知らないまま、合併症 が進行 してから 診断される傾 向がある。 『 あぶりだされる』状態であ ・ 妊娠は将来糖尿病 になりやすい人が り、妊娠糖尿病例 の産後の管理 は糖尿病発症予防のために非 常に重要である。 " 特定機燎 D■ 実議奉 561“ 鑢 舞 l1/ ヽ ・ 妊娠時に十分な啓蒙 と産後に定期的に耐糖能の評価をする必 要がある。 第6回 保険者による健診 保健指導等に関する検討会 資料 ll● 生労働牛 ・通院 (3∼ 6ヶ 月 ・OGπ (1回 /年 ・診察 (1年 毎 ・ OGTT(1-3年 毎 ) ) ) 目標 は糖尿病の発症予防、早期診断 29
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