2 問1 給与所得者に関する以下の設問A~Cについて

タックスプランニング
平成27年度第1回
問1
給与所得者に関する以下の設問A~Cについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでくださ
い。
<給与所得控除額の速算表>
給与等の収入金額
162.5万円
162.5万円 超
180万円
180万円 超
360万円
360万円 超
660万円
660万円 超
1,000万円
1,000万円 超
1,500万円
1,500万円 超
給与所得控除額
65万円
収入金額×40%
収入金額×30%+ 18万円
収入金額×20%+ 54万円
収入金額×10%+120万円
収入金額× 5%+170万円
245万円
以下
以下
以下
以下
以下
以下
<配偶者特別控除(所得税)の早見表>
配偶者の合計所得金額
380,001円 以上
400,000円
400,000円 以上
450,000円
450,000円 以上
500,000円
500,000円 以上
550,000円
550,000円 以上
600,000円
600,000円 以上
650,000円
650,000円 以上
700,000円
700,000円 以上
750,000円
750,000円 以上
760,000円
760,000円 以上
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
未満
控除額
380,000円
360,000円
310,000円
260,000円
210,000円
160,000円
110,000円
60,000円
30,000円
0円
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
<住民税の速算表>
課税所得金額
一律
道府県民税
税率
4%
市町村民税
税率
6%
※住民税の均等割および調整控除については考慮しないものとする。
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2
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題1)
(設問A)佐野さん(46歳)は、株式会社KYに勤務する会社員である。佐野さんの妻(専業主婦・
42歳)は、平成24年に取得した骨董品を平成26年中に譲渡した。この譲渡に係る内容
および佐野さんの平成26年分の給与等の状況が以下のとおりである場合、この骨董品の譲
渡により増加する佐野さん夫妻の所得税額の組み合わせとして、正しいものはどれか。
<佐野さんの給与等の源泉徴収票に記載された給与収入等の状況>
・ 給与の収入金額
7,000,000円
・ 所得控除額
2,300,000円
・ 源泉徴収税額
182,500円
※上記の所得控除額には、配偶者控除が含まれている。
<佐野さんの妻の譲渡に関する内容>
・ 譲渡所得の金額
720,000円
・ 所得控除額
440,000円
※佐野さんの妻には、上記以外の所得はないものとする。
1.夫
0円
妻
0円
2.夫
32,000円
妻
0円
3.夫
32,000円
妻
14,000円
4.夫
38,000円
妻
14,000円
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3
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平成27年度第1回
(問題2)
(設問B)会社員の室井さんは、今から8年前に一時払養老保険を契約しており(保険料負担者も室井
さん)、その保険が今から2年後に満期となる。仮に室井さんの2年後の給与所得等が以下
のとおりである場合、この満期保険金を受け取ることにより増加する税額(所得税および住
民税)を控除した後の手取り金額として、正しいものはどれか。
・ 給与所得の金額
600万円
・ 所得控除額
200万円(所得税および住民税とも同額として計算する)
・ 満期保険金の額
500万円
・ 既払込保険料の額
390万円
1.4,670,000円
2.4,835,000円
3.4,820,000円
4.4,910,000円
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4
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題3)
(設問C)宮野さんは、YB株式会社に勤務するかたわら、小説を寄稿している。宮野さんの平成26
年分の所得等が以下のとおりである場合、平成26年分の所得税の確定申告において納付す
べき金額または還付される金額に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
支払者
金額
YB社
給与所得
470万円
雑所得
原稿料収入 45万円
必要経費
5万円
出版社
所得税の
源泉徴収税額
192,500円
45,000円
備考
・ 年末調整済みである。
・ 事業と称するに至らない規模である。
・ 必要経費は寄稿のための取材費で、必
要経費として適正額である。
※所得控除額は180万円である。
1.45,000円の還付額が発生する。
2.5,000円の還付額が発生する。
3.納付額も還付額も発生しない。
4.5,000円の納付額が発生する。
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平成27年度第1回
問2
建築会社に勤務していた伊丹さんは、平成25年に二級建築士の資格を取得したことから、平成26
年7月1日に自宅を事務所として伊丹工務店を開業しました。幸い、専業主婦である妻も子育てが一段
落しているため、ある程度のサポートが期待できます。伊丹さんの個人事業に関する以下の設問A、B
について、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでください。
<給与所得控除額の速算表>
給与等の収入金額
162.5万円
162.5万円 超
180万円
180万円 超
360万円
360万円 超
660万円
660万円 超
1,000万円
1,000万円 超
1,500万円
1,500万円 超
給与所得控除額
65万円
収入金額×40%
収入金額×30%+ 18万円
収入金額×20%+ 54万円
収入金額×10%+120万円
収入金額× 5%+170万円
245万円
以下
以下
以下
以下
以下
以下
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
(問題4)
(設問A)伊丹さんは事業所得の申告を青色申告で行う予定である。所得税の青色申告に関する次の記
述のうち、最も適切なものはどれか。
1.青色申告できる者は、不動産所得、事業所得を生ずべきいずれかの事業を行う者に限られて
いる。
2.青色申告の承認を受けている場合に限り、事業所得の計算上生じた損失について、損益通算
の規定の適用を受けることができる。
3.平成26年分から青色申告の承認を受ける場合には、「青色申告承認申請書」を、開業した
年の年末までに提出しなければならない。
4.事業所得に係る確定申告書が期限後の提出となった場合、最高65万円の青色申告特別控除
の適用を受けることはできなくなる。
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題5)
(設問B)伊丹さんの平成26年分の収入等が以下のとおりである場合、伊丹さんの平成26年分の所
得税額として、正しいものはどれか。
収入の種類
給与収入
金額
340万円
退職一時金
600万円
生命保険の解約返戻金
200万円
伊丹工務店の総収入
864万円
備考
・ 勤続年数は14年であり、障害者になったことに基因
する退職ではない。
・ 過去に退職金の支給を受けたことはない。
・ 支払保険料の総額は220万円であり、保険料は全額
伊丹さんが負担した。
・ 必要経費は484万円である。
・ 青色申告特別控除額65万円の適用を受ける。
※所得控除額は125万円である。
1.362,500円
2.392,500円
3.402,500円
4.412,500円
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平成27年度第1回
問3
会社員である布施さん(49歳)の家族は、妻(45歳・会社員)と小学生の子ども2人の合計4人
であり、布施さんと生計を一にしています。布施さんは、給与以外の収入はありませんが、布施さんの
父から相続した遊休地を所有しています。そこで、布施さんは、この遊休地に賃貸用建物を建築するこ
とで、不動産の有効活用を図ることを考えています。具体的には、<資料>の【A案】と【B案】を検
討しており、建設予定地の近隣の賃貸不動産の状況やキャッシュフロー分析等を総合的に判断したうえ
で、実施案について決定しようと思っています。<資料>に基づき、以下の設問A、Bについて、それ
ぞれの答えを1~4の中から1つ選んでください。
<資料>
1.建築プラン
建築プラン
賃貸用途
貸付室数
【A案】
店舗・事務所用ビル
10室
【B案】
居住用マンション
15室
建築価額
16,200万円
(うち消費税額 1,200万円)
10,800万円
(うち消費税額
800万円)
2.借入予定額について
建築プラン
【A案】
【B案】
借入予定額
13,000万円
8,000万円
返済期間
25年
20年
年間返済額(元本)
520万円
400万円
3.不動産所得に関する試算
項目
収入
家賃収入等
必要経費等
固定資産税
支払利息
減価償却費
その他の経費
青色申告特別控除
合計
不動産所得の金額
【A案】
【B案】
2,500万円
1,400万円
300万円
400万円
340万円
155万円
65万円
1,260万円
100万円
240万円
230万円
110万円
65万円
745万円
1,240万円
655万円
備考
入居率100%で試算
土地および建物に係るもの
建築のための借入金の利息
現金で支出した諸経費
※上記は、建物の完成・引渡しを受けた年における試算数値である。
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題6)
(設問A)布施さんの事業開始年における消費税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.事業を開始した年から消費税の課税事業者となることを選択する場合には、事業を開始した
年に係る消費税の確定申告書の提出期限までに「消費税課税事業者選択届出書」を提出しな
ければならない。
2.事業を開始した年から所定の手続きにより簡易課税制度の適用を受けることで、計算の簡便
性と消費税の還付を併せて達成することができる。
3.【A案】が計画どおりに実行された場合には、消費税の課税事業者となることを選択するこ
とにより、消費税の還付を受けることができる。
4.【B案】が計画どおりに実行された場合には、消費税の課税事業者となることを選択するこ
とにより、消費税の還付を受けることができる。
(問題7)
(設問B)
【B案】において、仮に実際の入居率が80%(家賃収入等1,120万円)であるとした場
合の単年の税引前キャッシュフローの金額(不動産所得に係る所得税および住民税を控除す
る前の金額)として、正しいものはどれか。なお、建築費に関する初期支出金額および当初
借入金による資金増加額については、計算上考慮しないものとする。また、その他の経費の
中に入居率が減少したことに伴い増減する項目はないものとする。
1.
40万円
2.205万円
3.270万円
4.375万円
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平成27年度第1回
問4
所得税の各種所得に関する以下の設問A~Cについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んで
ください。
<公的年金等控除額の速算表>
納税者区分
65歳未満の者
65歳以上の者
公的年金等の収入金額
130万円
130万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
330万円
330万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
未満
未満
未満
未満
未満
未満
公的年金等控除額
70万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
120万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題8)
(設問A)個人でサービス業を営んでいる大垣さんは、平成21年4月に乗用車1台を購入し、その日
から事業の用に供している。購入した乗用車に関する資料等が以下のとおりである場合、大
垣さんの平成26年分の所得税における事業所得の金額の計算上、必要経費に算入すべき減
価償却費の金額として、正しいものはどれか。なお、大垣さんは、この乗用車の償却方法に
ついて定率法を選択し届け出ている。また、計算過程および計算結果において、円未満の端
数が生じたときはこれを切り捨てること。
<乗用車に関する資料>
資産名
乗用車
取得年月
平成21年4月
法定耐用年数
6年
取得価額
1,800,000円
平成25年末の未償却残高
122,565円
※平成25年に調整前償却額が償却保証額を下回っており、改定取得価額は245,129円である。
<減価償却に関する資料>
法定耐用年数
6年
定率法償却率
0.417
改定償却率
0.500
保証率
0.05776
1.122,564円
2.103,968円
3.102,218円
4.
51,109円
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平成27年度第1回
(問題9)
(設問B)会社員の大下さんは、平成26年に父が死亡したため以下の死亡保険金等を受け取った。こ
の保険金等について、大下さんの平成26年分の所得税の計算上、総所得金額に算入すべき
金額として、正しいものはどれか。
保険種類
保険契約者(保険料負担者)
被保険者
死亡保険金受取人
死亡保険金の額
死亡保険金と共に受け取った配当金
支払保険料の総額
保険料の支払方法
契約日から死亡保険金受取りまでの期間
RA保険
終身保険
大下さん
大下さんの父
大下さん
500万円
10万円
430万円
一時払い
15年
RB保険
終身保険
大下さんの父
大下さんの父
大下さん
300万円
-
160万円
月払い
10年
RC保険
終身保険
大下さん
大下さんの父
大下さん
100万円
-
60万円
年払い
3年
※支払保険料の総額は、収入を得るために支出した金額とされる保険料の総額である。
※いずれの保険も特約を付帯していない。
1.
35万円
2.
60万円
3.
70万円
4.105万円
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平成27年度第1回
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(問題10)
(設問C)生まれてから今日に至るまで日本国内に居住している浜田さん(62歳)の平成26年分の
所得等が以下のとおりである場合、浜田さんの平成26年分の所得税額(確定申告における
年税額)として、正しいものはどれか。なお、外貨預金は国内で源泉徴収されており、外国
所得税額が課されるものではないものとする。また、その年分の所得税額が最も少なくなる
ように計算すること。
・ 外貨預金に係る損益(為替予約は行っていない)
A定期預金
B定期預金
・ 公的年金の収入金額
・ 所得控除額
預金利息
2万円
4万円
為替差損益
為替差益
8万円
為替差損 12万円
258万円
60万円
1.37,000円
2.46,000円
3.48,000円
4.49,000円
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平成27年度第1回
問5
赤石さんは、長年勤務してきた会社を65歳で退職する予定です。赤石さんは、退職後のリタイアメ
ントプランについて、妻と一緒に検討しました。以下の設問A、Bについて、それぞれの答えを1~4
の中から1つ選んでください。
<公的年金等控除額の速算表>
納税者区分
65歳未満の者
65歳以上の者
公的年金等の収入金額
130万円
130万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
330万円
330万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
未満
未満
未満
未満
未満
未満
公的年金等控除額
70万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
120万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
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平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題11)
(設問A)赤石さんは、平成27年11月に勤務先の会社を退職し、退職一時金の支給を受ける予定で
ある。退職一時金の内容が以下のとおりである場合、退職一時金の税引後の手取り金額(所
得税および住民税を控除した後の金額)として、正しいものはどれか。なお、所得控除を考
慮せずに所得税および住民税の金額を計算し、住民税の均等割および調整控除については考
慮しないものとする。
<赤石さんの退職一時金に関するデータ>
支払者
金額
勤務先の会社
1,300万円
厚生年金基金
500万円
勤続年数等
退職時の勤続年数は29年4ヵ月である。ただし、病気
による休職期間が1年5ヵ月含まれている。
一時金を選択する。加入期間は20年であり、上記勤務
先の勤続年数の期間内である。
<備考>
※障害者になったことに基因する退職ではないものとする。
※赤石さんは、支払者へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出するものとする。
※上記退職一時金以外に退職金の支給を受けたことはない。
<退職所得に対する市町村民税および道府県民税の特別徴収税額の計算方法>
税率
退職所得の金額 ×
市町村民税
(特別区民税)
6%
特別徴収すべき税額
道府県民税
(都民税)
4%
=
市町村民税額
道府県民税額
(特別区民税額) (都民税額)
1.17,497,500円
2.17,657,500円
3.17,722,500円
4.17,775,000円
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平成27年度第1回
(問題12)
(設問B)赤石さんは、老後のことを考えて養老保険と個人年金保険に加入している。赤石さんが66
歳となる平成28年中に受け取る保険金等が以下のとおりである場合、赤石さんの平成28
年分の所得税の計算上、総所得金額として、正しいものはどれか。
〇生命保険会社からの受取額
・ TP生命保険会社からの養老保険(注)の満期保険金の受取額
(上記の受取額に対する必要経費
5,000,000円
4,700,000円)
(注)保険期間30年で、保険料は月払いであった。
・ TQ生命保険会社からの個人年金保険の年金方式による受取額
(その年分に対する必要経費
520,000円
310,000円)
※保険料はいずれも赤石さんが負担していた。
〇公的年金(老齢厚生年金および老齢基礎年金)の収入金額
2,200,000円
1.1,005,000円
2.1,210,000円
3.1,485,000円
4.1,510,000円
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平成27年度第1回
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平成27年度第1回
問6
株式等の譲渡、配当等に関する以下の設問A~Fについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選
んでください。
(問題13)
(設問A)福岡さんが平成26年中に支払いを受けた配当等が以下のとおりである場合、福岡さんの平
成26年分の所得税の確定申告における配当所得の金額として、正しいものはどれか。なお、
確定申告不要を選択できるものについてはすべて申告不要を選択するものとする。
配当等の金額
(税引前)
銘柄
配当計算期間の
月数
株式会社TA
90,000円
6ヵ月
株式会社TB
75,000円
12ヵ月
株式会社TC
60,000円
6ヵ月
株式会社TD
102,000円
12ヵ月
備考
福岡さんが取締役として勤務する会社
の株式である。勤務先は非上場会社で
ある。
株式会社TAの取引先の非上場株式で
ある。
福岡さんが父より相続した上場株式で
ある。
福岡さんが証券会社を通じて取得した
上場株式である。
※株式はいずれも内国法人のものであり、持ち株割合はいずれも3%未満である。
※配当等の金額から控除する負債の利子はない。
※福岡さんは特定口座と少額投資非課税制度の口座は有しておらず、平成26年中に株式等の売買は行
っていない。
※平成26年中において適用される上場株式等の譲渡損失の繰越控除の金額はない。
1.
60,000円
2.
90,000円
3.102,000円
4.165,000円
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(問題14)
(設問B)杉田さんの平成26年分の所得等は以下のとおりである。配当所得について総合課税により
確定申告をした場合、杉田さんの平成26年分の所得税に係る配当控除の金額として、正し
いものはどれか。
所得等
金額
配当所得
1,100,000円
給与所得
11,900,000円
譲渡所得
▲200,000円
所得控除額
2,400,000円
備考
内国法人の非上場株式から生じた剰余金の配当で、少
額配当に該当するものはない。
平成26年11月に行ったゴルフ会員権の譲渡による
損失である。
1.55,000円
2.80,000円
3.85,000円
4.90,000円
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平成27年度第1回
(問題15)
(設問C)村瀬さんは、平成23年から継続して証券会社を経由して上場株式の売買を行っている。村
瀬さんの平成23年から平成26年までの上場株式に係る譲渡所得の金額および配当所得の
金額は以下のとおりである。配当所得について申告分離課税により確定申告をした場合、村
瀬さんの平成26年分の所得税の計算上、上場株式等に係る譲渡損失の繰越控除の規定によ
り、上場株式に係る譲渡所得の金額および上場株式に係る配当所得の金額から控除される損
失の金額として、正しいものはどれか。なお、村瀬さんは、平成23年分の所得税の確定申
告以降、継続して上場株式等に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除の適用を受けている。
年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
上場株式に係る譲渡所得の金額
▲50万円
30万円
▲20万円
35万円
上場株式に係る配当所得の金額
10万円
4万円
7万円
22万円
※大口株主等に該当するものはない。
※少額投資非課税制度による譲渡所得、配当所得は含まれていない。
※上記の表の金額は、上場株式等に係る譲渡損失の損益通算および繰越控除の規定の適用を受ける前の
金額である。
1.
0円
2.19万円
3.40万円
4.57万円
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(問題16)
(設問D)芦屋さんの平成26年中の株式の譲渡等の内容は以下のとおりである。芦屋さんの平成26
年分の所得税の確定申告における譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、申告
する譲渡所得の金額が最も少なくなるように計算すること。
銘柄
区分
A株式
上場
B株式
上場
C株式
上場
D株式
非上場
取得日
譲渡日
平成25年
1月23日
平成25年
10月8日
平成25年
9月17日
平成18年
5月10日
平成26年
1月20日
平成26年
11月27日
平成26年
12月10日
平成26年
3月31日
譲渡価額
左記に対応する
取得費等
備考
230万円
150万円
(注1)
20万円
40万円
(注2)
60万円
70万円
(注3)
140万円
100万円
(注1)芦屋さんは、従前からX証券会社にX特定口座(源泉徴収選択口座以外に該当する)を開設し
ており、そのX特定口座でA株式の取引を行っている。なお、本年中にX特定口座で行われた
取引はA株式の譲渡のみである。
(注2)芦屋さんは、従前からY証券会社にY特定口座(源泉徴収選択口座以外に該当する)を開設し
ており、そのY特定口座でB株式の取引を行っている。なお、本年中にY特定口座で行われた
取引はB株式の譲渡のみである。
(注3)芦屋さんは、従前からZ証券会社にZ一般口座を開設しており、そのZ一般口座でC株式の取
引を行っている。なお、本年中にZ一般口座で行われた取引はC株式の譲渡のみである。
1.
30万円
2.
50万円
3.
90万円
4.120万円
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(問題17)
(設問E)倉田さんの平成26年中の株式の譲渡等の内容は以下のとおりである。倉田さんの平成26
年分の所得税の確定申告における譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、申告
する譲渡所得の金額が最も少なくなるように計算すること。
銘柄
区分
譲渡日
譲渡価額
A株式
B株式
C株式
上場
上場
上場
平成26年4月22日
平成26年6月 9日
平成26年7月 8日
120万円
250万円
80万円
左記に対応する
取得費等
170万円
150万円
60万円
備考
(注1)
(注2)
(注3)
(注1)倉田さんは、従前からX証券会社にX特定口座(源泉徴収選択口座以外に該当する)を開設し
ており、そのX特定口座でA株式の取引を行っている。なお、本年中にX特定口座で行われた
取引はA株式の譲渡のみである。
(注2)倉田さんは、従前からY証券会社にY特定口座(源泉徴収選択口座以外に該当する)を開設し
ており、そのY特定口座でB株式の取引を行っている。なお、本年中にY特定口座で行われた
取引はB株式の譲渡のみである。
(注3)倉田さんは、平成26年にY証券会社に少額投資非課税制度の口座(以下「NISA口座」と
いう)を開設し、取引を開始した。なお、本年中にNISA口座で行われた取引はC株式の取
得と譲渡のみである。
1.
50万円
2.
70万円
3.100万円
4.120万円
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平成27年度第1回
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(問題18)
(設問F)長岡さんの平成26年中の株式の譲渡等の内容は以下のとおりである。長岡さんの平成26
年分の所得税の確定申告における譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、長岡
さんは、証券会社の一般口座で下記<資料>の株式の譲渡を行っており、<資料>以外の株
式の取引は行っていないものとする。また、単価は手数料を含んだ金額である。
<平成26年中の株式の譲渡等に関する資料>
銘柄
区分
A株式
譲渡
譲渡日
平成26年
8月18日
数量
譲渡価額
取得費
譲渡費用
4,000株
3,640,000円
下記<資料>参照
30,000円
<A株式の取引の状況に関する資料>
取引日
平成22年 4月20日
平成23年 5月11日
平成24年 4月18日
平成25年10月15日
区分
取得
取得
譲渡
取得
数量
2,000株
2,000株
3,000株
4,000株
単価
850円
800円
900円
875円
収入金額
-
-
2,700,000円
-
支払金額
1,700,000円
1,600,000円
-
3,500,000円
1.110,000円
2.150,000円
3.185,000円
4.210,000円
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平成27年度第1回
問7
資産の譲渡に関する以下の設問A~Cについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでくださ
い。なお、解答に当たっては、平成26年分の譲渡所得の金額が最も少なくなるように計算するものと
します。
<公的年金等控除額の速算表>
納税者区分
65歳未満の者
65歳以上の者
公的年金等の収入金額
130万円
130万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
330万円
330万円 以上
410万円
410万円 以上
770万円
770万円 以上
未満
未満
未満
未満
未満
未満
公的年金等控除額
70万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
120万円
収入金額×25%+ 37.5万円
収入金額×15%+ 78.5万円
収入金額× 5%+155.5万円
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
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平成27年度第1回
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(問題19)
(設問A)会社員の小山さんは、父から相続した掛軸を平成26年中に譲渡した。この譲渡に係る内容お
よび小山さんの平成26年分の給与所得等が以下のとおりである場合、小山さんの平成26
年分の所得税の計算上、この掛軸の譲渡により増加する所得税額として、正しいものはどれ
か。
<小山さんの給与所得等の内容>
・ 給与所得の金額
6,000,000円
・ 所得控除額
1,000,000円
・ 所得税の源泉徴収税額
572,500円(年末調整済み)
<掛軸の譲渡に関する内容>
・ 父が取得した年月
昭和42年8月
・ 父の取得価額
・ 小山さんが相続した年月
150万円
平成20年3月
・ 相続時の相続税評価額
100万円
・ 譲渡年月
平成26年9月
・ 譲渡価額
300万円
・ 譲渡費用
2万円
※譲渡価額300万円は時価である。
※小山さんは父からの相続について単純承認している。
1.
98,000円
2.148,000円
3.296,000円
4.298,000円
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平成27年度第1回
(問題20)
(設問B)会社員の馬場さんは、以下のゴルフ会員権を平成26年中に譲渡した。この譲渡に係る内容
および馬場さんの平成26年分の給与所得等が以下のとおりである場合、馬場さんの平成26
年分の所得税の計算上、このゴルフ会員権の譲渡による手取り金額の増加額として、正しい
ものはどれか。なお、本設問における手取り金額とは、譲渡に係る収入金額から譲渡費用を
差し引き、納付すべき所得税額を減算した金額または還付される所得税額を加算した金額で
あるものとする。
<馬場さんの給与所得等の内容>
・ 給与所得の金額
4,660,000円
・ 所得控除額
1,500,000円
・ 所得税の源泉徴収税額
218,500円(年末調整済み)
<馬場さんが所有していたゴルフ会員権の内容>
資産名
譲渡に係る
収入金額
取得費
譲渡費用
取得年月
譲渡年月
SGゴルフ
会員権
250万円
100万円
20万円
昭和53年7月
平成26年9月
※このゴルフ会員権の譲渡は、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡には該当しないもの
とする。
1.1,934,000円
2.2,015,500円
3.2,234,000円
4.2,434,000円
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平成27年度第1回
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(問題21)
(設問C)桑原さん(72歳)は、平成26年中に以下の資産を譲渡した。桑原さんの平成26年分の
収入等が以下のとおりである場合、桑原さんの平成26年分の所得税額として、正しいもの
はどれか。
〇収入等
・ 公的年金(老齢厚生年金および老齢基礎年金)の収入金額 2,700,000円
・ 譲渡収入等
取得費および
譲渡費用の合計額
ゴルフ会員権 平成15年9月 平成26年8月 3,000,000円 3,900,000円
金地金
平成18年9月 平成26年8月 1,400,000円
800,000円
資産の種類
取得年月
譲渡年月
譲渡に係る収入金額
※このゴルフ会員権および金地金の譲渡は、営利を目的として継続的に行われる資産の譲渡には
該当しないものとする。
〇所得控除額
1,000,000円
1.10,000円
2.25,000円
3.27,500円
4.55,000円
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平成27年度第1回
問8
不動産の譲渡に関する以下の設問A、Bについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでくだ
さい。
(問題22)
(設問A)落合さんは父から相続した土地と建物(以下「不動産」という)を所有している。この不動
産は落合さんの父が取得し、取得後継続して居住の用に供していたが、父の死亡後は空き家
となっており、落合さんはこの不動産を譲渡することを検討している。仮に、以下の条件で
この不動産を譲渡した場合、この譲渡に係る所得税および住民税の金額(合計額)として、
正しいものはどれか。なお、落合さんは、相続について単純承認しており、相続税額は発生
していないものとする。また、所得控除を考慮せずに所得税および住民税の金額を計算し、
住民税の均等割および調整控除については考慮しないものとし、納付すべき税額が最も少な
くなるように計算すること。
・ 土地および建物の譲渡価額
4,000万円
・ 父が土地および建物を購入した日
昭和28年10月15日
・ 父の土地の取得価額
不明
・ 父の建物の取得価額
不明
・ 父の相続開始の日
平成26年1月8日
・ 相続時の土地の相続税評価額
2,300万円
・ 相続時の建物の相続税評価額
500万円
・ 譲渡日
平成27年12月1日
・ 譲渡費用
1.
200万円
84万円
2.200万円
3.720万円
4.760万円
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平成27年度第1回
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(問題23)
(設問B)会社員の浅見さん(給与所得者で非永住者以外の居住者に該当する)は、米国グアムに賃貸
用の不動産を所有していたが、平成26年3月以降は空室が続いていた。そのため同年12
月にこの不動産を米国人に売却したところ、譲渡所得が生ずることとなった。浅見さんの平
成26年分の所得税に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、平成26年
は上記の不動産に関して不動産所得に係る損失も生じており、不動産所得の必要経費には土
地の取得に要した負債利子が算入されている。
1.不動産所得に係る損失は、その所得の源泉となった不動産の所在地にかかわらず、必要経費
に算入した土地の取得に要した負債利子相当額を除き、給与所得と損益通算することができ
るが、譲渡所得と損益通算することはできない。
2.不動産所得に係る損失は、国外に所在する不動産から生じたものであるため、必要経費に算
入した土地の取得に要した負債利子相当額を除き、国外の不動産から生じた譲渡所得と損益
通算することができるが、給与所得と損益通算することはできない。
3.不動産所得に係る損失は、その所得の源泉となった不動産の所在地にかかわらず、必要経費
に算入した土地の取得に要した負債利子相当額を除き、給与所得と損益通算することができ、
国外の不動産から生じた譲渡所得とも損益通算することができる。
4.不動産所得に係る損失は、国外に所在する不動産から生じたものであるため、給与所得とも
譲渡所得とも損益通算することができない。
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平成27年度第1回
問9
所得税の所得控除に関する以下の設問A~Fについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んで
ください。
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
(問題24)
(設問A)吉田さんの家族構成は以下のとおりである。この場合における吉田さんの平成26年分の所
得税に係る人的控除(基礎控除を含む)の金額として、正しいものはどれか。なお、家族は
全員吉田さんと同居し生計を一にしている。
続柄
本人
妻
長女
長男
父
母
年齢
46歳
46歳
21歳
17歳
72歳
68歳
備考
株式会社SAに勤務する会社員である。
収入はない。
大学3年生。アルバイトによる収入は年間110万円であった。
高校2年生。収入はない。
公的年金による収入は年間120万円であった。
公的年金による収入は年間100万円であった。
※平成26年12月末時点の現況である。
※障害者・特別障害者に該当する者はいない。
1.210万円
2.230万円
3.235万円
4.273万円
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平成27年度第1回
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(問題25)
(設問B)湯本さん(53歳)は、妻と長女の3人家族であるが、湯本さんは会社を解雇になり、雇用
保険の基本手当を受給していた。湯本さん一家の平成26年分の所得等が以下のとおりであ
る場合、湯本さん一家の所得税の合計額に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
なお、妻および長女は湯本さんと生計を一にしている。
・ 湯本さんの雇用保険からの基本手当
250万円
・ 妻の給与所得の金額
450万円
・ 妻の所得控除額
80万円
・ 長女の給与所得の金額
250万円
・ 長女の所得控除額
120万円
※妻と長女の所得控除額には、湯本さんを対象とした配偶者控除額または扶養控除額は含まれてい
ない。
1.湯本さんの合計所得金額が38万円を超えているため、妻の控除対象配偶者、長女の控除対
象扶養親族にならず、湯本さん一家の所得税の合計額は変わらない。
2.湯本さんを妻の控除対象配偶者としても、長女の控除対象扶養親族としても、湯本さん一家
の所得税の合計額は変わらない。
3.湯本さんを妻の控除対象配偶者とするよりも、長女の控除対象扶養親族とした方が、湯本さ
ん一家の所得税の合計額が少なくなる。
4.湯本さんを長女の控除対象扶養親族とするよりも、妻の控除対象配偶者とした方が、湯本さ
ん一家の所得税の合計額が少なくなる。
(問題26)
(設問C)寡婦控除に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
1.寡婦控除の適用要件には年齢による制限があるため、65歳以上の女性はその他の要件を満
たしていても、寡婦控除の適用を受けることができない。
2.夫と死別後に再婚していない女性は、扶養親族または所定の要件を満たす子を有していなく
ても、本人の合計所得金額にかかわらず、寡婦控除の適用を受けることができる。
3.離婚後に再婚していない女性は、扶養親族または所定の要件を満たす子を有していなくても、
合計所得金額が500万円以下であれば、寡婦控除の適用を受けることができる。
4.離婚後に再婚していない女性は、扶養親族または所定の要件を満たす子を有する場合には、
本人の合計所得金額にかかわらず、寡婦控除の適用を受けることができる。
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平成27年度第1回
(問題27)
(設問D)有馬さんが支払った医療費等の内容が以下のとおりである場合、有馬さんの平成26年分の
所得税の計算上、確定申告により控除できる医療費控除の金額として、正しいものはどれか。
なお、有馬さんの平成26年分の総所得金額等は500万円である。また、妻、長女、父お
よび母は、有馬さんと同居し生計を一にしている。
治療等を
受けた者
内容
有馬さん
眼科の治療費
支払年
薬局で購入した
風邪薬代
健康増進のための
ビタミン剤購入費
妻
長女
整形外科の治療費
短期入所療養介護(シ
ョートステイ)の費用
病院の通所リハビリテ
ーションの費用
父
母
1.
93,000円
2.
98,000円
支払金額
平成27年
37,000円
平成26年
13,000円
平成26年
5,000円
平成26年
50,000円
平成26年
60,000円
平成26年
100,000円
備考
平成26年の年末に受けた治
療について、平成27年1月
に支払いをしている。
交通事故によるケガのため、
加入している普通傷害保険か
ら通院保険金30,000円
を受け取った。
介護保険の居宅サービス費に
係る自己負担分である。
介護保険の居宅サービス費に
係る自己負担分である。
3.123,000円
4.130,000円
(問題28)
(設問E)雑損控除に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.豪雨による浸水により家財等の生活用動産に被害があった場合、その損失は雑損控除の対象
となる。
2.豪雪により住宅が倒壊した場合、その損失は雑損控除の対象となる。
3.帰宅中、ひったくりにより現金を失った場合、その損失は雑損控除の対象となる。
4.従業員に事業用棚卸資産である商品を横領された場合、その損失は雑損控除の対象となる。
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平成27年度第1回
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(問題29)
(設問F)山田さんが契約している生命保険の内容と平成26年中に支払った保険料は以下のとおりで
ある。山田さんの平成26年分の所得税に係る生命保険料控除の金額として、正しいものは
どれか。なお、山田さんは妻および長男と同居し生計を一にしている。
保険金受取人
山田さん
妻
長男
山田さん
生命保険契約
(旧契約)生命保険契約
(旧契約)個人年金保険契約
(新契約)生命保険契約
介護医療保険契約
支払保険料
60,000円
120,000円
36,000円
28,000円
※平成26年中に保険契約の新規加入や更新等は行っていない。
<所得税の生命保険料控除額>
(1)平成23年12月31日以前に締結した保険契約(旧契約)等に係る控除額
年間の支払保険料の合計
25,000円 以下
25,000円 超
50,000円 以下
50,000円 超
100,000円 以下
100,000円 超
控除額
支払金額
支払金額×1/2+12,500円
支払金額×1/4+25,000円
50,000円
(2)平成24年1月1日以降に締結した保険契約(新契約)等に係る控除額
年間の支払保険料の合計
20,000円 以下
20,000円 超
40,000円 以下
40,000円 超
80,000円 以下
80,000円 超
控除額
支払金額
支払金額×1/2+10,000円
支払金額×1/4+20,000円
40,000円
(注)支払保険料とは、その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残り
の金額をいう。
1.
90,000円
2.104,000円
3.114,000円
4.120,000円
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平成27年度第1回
問10
所得税の住宅借入金等特別控除(以下「住宅ローン控除」という)に関する以下の設問Aについて、
答えを1~4の中から1つ選んでください。
(問題30)
(設問A)会社員の池谷さんは、平成26年6月に居住用の中古マンションを購入し、購入後直ちに居
住した。池谷さんが購入したマンションおよび取得資金の内訳等が以下のとおりである場合、
池谷さんの平成26年分の所得税の計算上、確定申告により受けられる住宅ローン控除の金
額として、正しいものはどれか。なお、池谷さんは、住宅ローン控除の適用を受けるための
要件をすべて満たしているものとする。
<マンションの資料>
・ 床面積
65m2(すべて居住用である)
・ 取得価額 3,300万円
※認定長期優良住宅および認定低炭素住宅には該当しない。
<取得資金の調達先>
調達先
自己資金
金融機関
勤務先 からの
社内融資
池谷さんの父
600万円
2,000万円
平成26年の
年末借入金残高
-
1,970万円
300万円
260万円
10年
1.2%
400万円
380万円
8年
1.5%
金額(注1)
返済期間
金利
-
25年
-
2.0%
備考
池谷さんは勤務先
の役員ではない。
(注2)
(注1)金融機関、勤務先からの社内融資および池谷さんの父からの金額は、当初借入額である。
(注2)公正証書による金銭消費貸借契約を交わしており、契約どおりに返済されている。
<その他>
・ このマンションは池谷さんが単独で所有している。
・ 池谷さんの収入は1ヵ所の勤務先からの給与のみであり、平成26年分の年末調整後の所得
税の源泉徴収税額は22万円である。
1.197,000円
2.220,000円
3.223,000円
4.261,000円
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問11
個人事業における純損失の繰越控除に関する以下の設問Aについて、答えを1~4の中から1つ選ん
でください。
(問題31)
(設問A)牧村さんは、平成22年8月に勤務先を退職し、平成22年9月から個人で事業を開業した。
牧村さんの平成22年から平成26年までの所得等が以下のとおりである場合、牧村さんの
平成26年分の所得税の計算上、課税総所得金額として、正しいものはどれか。なお、牧村
さんは開業時から青色申告書(損失申告書を含む)を申告期限内に提出しており、純損失の
繰越控除の適用があるものとする。また、純損失の繰戻還付の適用はないものとする。
年
平成22年
平成23年
平成24年
平成25年
平成26年
各種所得の金額
給与所得
150万円
事業所得 ▲600万円
事業所得 ▲100万円
事業所得
100万円
事業所得
250万円
事業所得
500万円
配当所得
50万円
所得控除額
100万円
100万円
120万円
120万円
130万円
※事業所得の損失の金額には、被災事業用資産の損失の金額はない。
※平成26年の配当所得は少額配当に該当せず、総合課税の適用を受けている。
1.220万円
2.270万円
3.320万円
4.450万円
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平成27年度第1回
問12
所得税における損益通算、所得税の計算に関する以下の設問A~Dについて、それぞれの答えを1~
4の中から1つ選んでください。
<給与所得控除額の速算表>
給与等の収入金額
162.5万円
162.5万円 超
180万円
180万円 超
360万円
360万円 超
660万円
660万円 超
1,000万円
1,000万円 超
1,500万円
1,500万円 超
給与所得控除額
65万円
収入金額×40%
収入金額×30%+ 18万円
収入金額×20%+ 54万円
収入金額×10%+120万円
収入金額× 5%+170万円
245万円
以下
以下
以下
以下
以下
以下
<所得税の速算表>
課税される所得金額
1,000円 から
1,949,000円
1,950,000円 から
3,299,000円
3,300,000円 から
6,949,000円
6,950,000円 から
8,999,000円
9,000,000円 から 17,999,000円
18,000,000円 から 39,999,000円
40,000,000円 以上
まで
まで
まで
まで
まで
まで
税率
5%
10%
20%
23%
33%
40%
45%
控除額
0円
97,500円
427,500円
636,000円
1,536,000円
2,796,000円
4,796,000円
(注)課税される所得金額の1,000円未満の端数は切捨て
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平成27年度第1回
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(問題32)
(設問A)会社員の三上さんは、東京オリンピックに向けて需要を見込み、銀行借入れにより賃貸用マ
ンションを購入した。三上さんの平成26年分の所得および購入したマンションの内容が以
下のとおりである場合、平成26年分の所得税の計算上、総所得金額として、正しいものは
どれか。なお、その年分の所得の金額が最も少なくなるように計算すること。
○給与所得の金額
750万円
○不動産所得の金額
・ 賃貸収入
・ 必要経費
240万円
支払利息
その他経費
90万円(マンション取得に要した借入金利子)
250万円(必要経費として適正額)
○マンションの購入時の内容
土地
建物
合計
取得価額
2,500万円
3,500万円
6,000万円
購入資金
自己資金
1,000万円
銀行借入金
5,000万円
合計
6,000万円
※銀行借入金の額は、土地と建物ごとに区分されていない。
1.650万円
2.677万円
3.695万円
4.740万円
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平成27年度第1回
(問題33)
(設問B)橋口さんの平成26年分の各種所得の金額等が以下のとおりである場合、橋口さんの平成26
年分の所得税の計算上、課税総所得金額として、正しいものはどれか。
所得の種類
事業所得
不動産所得
譲渡所得
一時所得
雑所得
所得の金額
▲320万円
250万円
150万円
140万円
▲40万円
備考
骨董品(9年間所有)の譲渡による金額
生命保険契約の解約による金額
※所得控除額は50万円である。
1.
25万円
2.
60万円
3.130万円
4.170万円
(問題34)
(設問C)西山さんの平成26年分の収入等の状況が以下のとおりである場合、西山さんの平成26年
分の所得税額として、正しいものはどれか。
所得の種類
給与所得
退職所得
事業所得
不動産所得
内容
株式会社SDからの給与
株式会社SDからの退職一時金
(勤続年数15年)
リサイクルショップ経営
駐車場経営
金額
収入金額
150万円
収入金額
500万円
売上高
必要経費
総収入金額
必要経費
250万円
295万円
240万円
50万円
※障害者になったことに基因する退職ではない。また、過去に退職金の支給を受けたことはない。
※西山さんの所得控除額は100万円である。
※西山さんは、青色申告特別控除額65万円の適用要件を満たしている。
1.32,500円
2.55,000円
3.65,000円
4.82,500円
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平成27年度第1回
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(問題35)
(設問D)藤原さんの平成25年分および平成26年分の収入等の状況が以下のとおりである場合、藤
原さんの平成26年分の確定申告における所得税額として、正しいものはどれか。なお、藤
原さんは、平成25年分および平成26年分の所得税の確定申告については白色申告を行っ
ている。
<平成25年分の収入等の状況>
○事業所得
・ 事業の収入金額
290万円
・ 事業に係る必要経費
410万円
(注)必要経費には災害による損失は含まれていない。
<平成26年分の収入等の状況>
○事業所得
・ 事業の収入金額
・ 事業に係る必要経費
1,250万円
900万円
○譲渡所得
・ 別荘の譲渡による収入金額
1,300万円
・ 別荘の取得費
1,500万円
○雑所得(公的年金ではない)
・ 収入金額
10万円
・ 必要経費
60万円
○所得控除
・ 所得控除額
1.
25,000円
2.
65,000円
100万円
3.102,500円
4.152,500円
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平成27年度第1回
問13
個人住民税(道府県民税と市町村民税のことをいう)、個人事業税に関する以下の設問A、Bについ
て、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでください。
<住民税の速算表>
一律
道府県民税
税率
4%
市町村民税
税率
6%
均等割
1,000円
3,000円
課税所得金額
※住民税の調整控除については考慮しないものとする。
<住民税の人的控除額(一部抜粋)>
配偶者控除
扶養控除
区分
一般の控除対象配偶者
老人控除対象配偶者
特定扶養親族
一般の扶養親族
同居老親等以外
老人扶養親族
同居老親等
基礎控除
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40
控除額
33万円
38万円
45万円
33万円
38万円
45万円
33万円
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平成27年度第1回
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(問題36)
(設問A)会社員の杉山さん(48歳)の平成26年分の給与所得等の状況は以下のとおりである。杉
山さんの平成27年度の住民税の金額として、正しいものはどれか。なお、家族は全員杉山
さんと同居し生計を一にしている。
○給与所得の金額:600万円
○所得控除に関する事項
・ 人的控除以外の所得控除額:150万円
・ 扶養親族等の状況
続柄
妻
長男
母
年齢
46歳
19歳
80歳
職業
パート
大学生
無職
平成26年分の収入等の金額
給与収入90万円
アルバイト収入70万円
公的年金の雑所得30万円
※平成26年12月末時点の現況である。
※障害者・特別障害者に該当する者はいない。
1.298,000円
2.305,000円
3.310,000円
4.322,000円
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平成27年度第1回
(問題37)
(設問B)大嶋さんは、個人で飲食店を営んでいる。大嶋さんの平成26年分の所得税青色申告決算書
(一般用)が以下のとおりである場合、これに係る納付すべき個人事業税の金額として、正
しいものはどれか。なお、収入金額は全額事業税の課税対象となるものであり、青色事業専
従者給与額は税務上の適正額である。また、年の中途での廃業はなく、1年を通して事業は
行われているものとする。
科目
売上(収入)金額
必要経費
差引金額
青色事業専従者給与
青色申告特別控除前の所得金額
青色申告特別控除額
所得金額
金額
2,145万円
1,315万円
830万円
240万円
590万円
65万円
525万円
※大嶋さんの平成25年分の純損失の繰越控除額は80万円である。
1.
77,500円
2.110,000円
3.150,000円
4.230,000円
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平成27年度第1回
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問14
消費税に関する以下の設問Aについて、答えを1~4の中から1つ選んでください。なお、「消費
税」とは、国税である消費税および地方消費税のことをいいます。また、解答に当たっては、課税期間
の納税額が最も少なくなる方法によるものとします。
(問題38)
(設問A)個人事業を営む五十嵐さんの消費税に係る課税売上高等が以下のとおりである場合、平成26
年分と平成27年分について、五十嵐さんの課税事業者または免税事業者の判定の組み合わ
せとして、正しいものはどれか。
年分
平成24年分
平成25年分
平成26年分
期間
上半期
下半期
上半期
下半期
上半期
下半期
課税売上高
300万円
400万円
1,800万円
700万円
1,300万円
未定
給与等の金額
200万円
300万円
1,050万円
400万円
600万円
未定
※上半期とは1月1日から6月30日まで、下半期とは7月1日から12月31日までを指す。
※五十嵐さんは、開業以来、「消費税課税事業者選択届出書」を提出したことはない。
※「給与等の金額」は所得税法に規定する給与等の支払金額である。
1.平成26年分 課税事業者
平成27年分 課税事業者
2.平成26年分 課税事業者
平成27年分 免税事業者
3.平成26年分 免税事業者
平成27年分 課税事業者
4.平成26年分 免税事業者
平成27年分 免税事業者
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平成27年度第1回
問15
安藤さんは個人でイタリアンレストランを経営していますが、従業員数や支店数が増加してきたため、
法人成りを検討するようになりました。法人成り等に関する以下の設問A~Cについて、それぞれの答
えを1~4の中から1つ選んでください。
(問題39)
(設問A)ある事業年度(4月1日~翌年3月31日までの12ヵ月とする)において、代表取締役に
対して法人が毎月25日に以下のとおり役員給与を支給した場合、法人税の課税所得の金額
の計算上、この役員給与のうち損金不算入とすべき金額として、正しいものはどれか。なお、
この役員給与は事前確定届出給与および利益連動給与には該当せず、不相当に高額な部分の
金額はないものとする。
80万円
70万円
60万円
4月
5月
6月
7月
8月
9月 10月 11月 12月 1月
2月
3月
※5月の定時株主総会において、6月からの役員給与を月額60万円から月額70万円に改定した。
※業績好調のため臨時取締役会を開催し、11月からの役員給与を月額70万円から月額80万円
に改定した。
※この事業年度における、代表取締役の役職の変更や職務内容の変更などによる臨時改定事由は生
じていない。
1.
0円
2.
50万円
3.150万円
4.400万円
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平成27年度第1回
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(問題40)
(設問B)法人成りした場合、安藤さんは法人の設立の日の属する事業年度から以下のとおり法人税に
関する処理を行う予定である。この場合において提出しなければならない税務上の届出書ま
たは申請書(以下「届出書等」という)に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
・ 青色申告を行う。
・ 生計を一にする妻(会社の事業に従事するが役員ではない)に給与を支給して、これを損金に
する。
・ 給与に関して、源泉徴収した所得税を半年分まとめて納付できる「納期の特例」の適用を受け
る。
・ 備品(固定資産)の減価償却費に係る償却限度額の計算方法として定率法を採用する。
1.個人事業で青色申告を行っていた場合には、法人設立後にあらためて「青色申告の承認申請
書」を提出しなくても、法人には青色申告が適用される。
2.法人税には、所得税における青色事業専従者のような制度がないため、生計を一にする妻へ
の給与を損金に算入するために、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出する必要は
ない。
3.法人の給与の支給人員が常時10人未満の場合には、届出書等を提出することなく、法人は
「納期の特例」の適用を受けることができる。
4.備品(固定資産)の減価償却費に係る償却限度額の計算方法として定率法を採用するために
は、「減価償却資産の償却方法の届出書」を提出しなければならない。
(問題41)
(設問C)法人税と所得税の取扱いの差異に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
1.青色申告を行っている場合、法人の欠損金は翌年以降最長9年間繰り越すことができるが、
個人事業における純損失は翌年以降最長5年間しか繰り越すことができない。
2.法人の交際費等についてはその支出額の全額が損金となるとは限らないが、個人事業におけ
る交際費等については事業に必要な支出であれば全額が必要経費となる。
3.法人税の計算において固定資産の減価償却費を損金とするか否かは納税者の任意であるが、
所得税では固定資産の減価償却費を任意に必要経費から除外することはできない。
4.法人税では、一定の要件を満たせば代表取締役に支給した給与や賞与を損金にすることがで
きるが、所得税では、個人事業主に給与や賞与を支給して必要経費にすることはできない。
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平成27年度第1回
問16
株式会社SRは平成20年に設立された資本金10,000千円の法人であり、株主がすべて個人の
1年決算法人です。SR社の当期は平成26年4月1日から平成27年3月31日までです。法人税に
関する以下の設問A~Dについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでください。なお、SR
社は、設立以来継続して青色申告による確定申告書を期限内に提出しています。また、解答に当たって
は、当期の課税所得の金額が最も少なくなるように計算するものとし、消費税については考慮する必要
はありません。
(問題42)
(設問A)租税公課勘定の内訳は以下のとおりである。当期の法人税額の計算上、損金不算入とすべき
金額として、正しいものはどれか。
法人税(当期中間分の本税)
法人住民税(当期中間分の本税、中間分に係る延滞金20千円を含む)
法人事業税(当期中間分の本税、中間分に係る延滞金10千円を含む)
地方法人特別税(当期中間分の本税、中間分に係る延滞金10千円を含む)
印紙税(過怠税250千円を含む)
固定資産税
2,750千円
600千円
505千円
425千円
700千円
1,000千円
1.3,620千円
2.4,035千円
3.4,280千円
4.4,620千円
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(問題43)
(設問B)当期において損金経理処理した接待交際費勘定の内訳は以下のとおりである。当期の法人税
額の計算上、損金不算入とすべき金額として、正しいものはどれか。なお、接待交際費勘定
には接待飲食費に該当するものは含まれていない。
取引先の役員を慰安旅行に招待するための費用
取引先の会社に金銭で交付した販売奨励金
取引先接待のためのゴルフのプレー代
取引先を新製品展示会に招待するための費用
その他税務上接待交際費と認められる費用
1,500千円
2,760千円
1,300千円
1,000千円
6,800千円
1.1,600千円
2.2,600千円
3.4,200千円
4.5,360千円
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平成27年度第1回
(問題44)
(設問C)当期における減価償却資産の取得状況は以下のとおりである。当期の法人税額の計算上、こ
れらの資産に係る減価償却費について、損金不算入とすべき金額として、正しいものはどれ
か。なお、SR社は減価償却方法についての届出は行っていないものとし、特別償却につい
ては考慮しないものとする。
種類
倉庫用建物
フォークリフト
パソコン
取得価額
8,000千円
3,000千円
2,970千円
当期償却費
700千円
1,700千円
2,970千円
法定耐用年数
15年
4年
4年
備考
(注1)
(注2)
(注3)
(注1)倉庫用建物は、当期7月20日に1棟取得し、同日より事業の用に供している。
(注2)フォークリフトは、当期6月1日に1台取得し、同日より事業の用に供している。
(注3)パソコン(サーバーは含まれていない)の取得価額は、当期1月10日に単価270千円のも
のを11台取得し、直ちに事業の用に供したものの合計額である。
<償却率等>
耐用年数
4年
15年
定額法
0.250
0.067
1.
352,000円
2.
364,000円
3.
748,000円
定率法
0.500
0.133
改定償却率
1.000
0.143
保証率
0.12499
0.04565
4.3,346,750円
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タックスプランニング
平成27年度第1回
タックスプランニング
(問題45)
(設問D)SR社の同業他社である株式会社SF(資本金10,000千円)の課税所得の推移が以下
のとおりである場合、当期の第10期において控除できる繰越欠損金額として、正しいもの
はどれか。なお、SF社は株主がすべて個人の1年決算法人であり、会社設立以来、連続し
て法人税の確定申告について青色申告書を期限内に提出しており、欠損金の繰戻還付の適用
は受けていないものとする。
決算期
第1期
第2期
第3期
第4期
第5期
第6期
第7期
第8期
第9期
第10期
事業年度
平成16年10月1日~平成17年9月30日
平成17年10月1日~平成18年9月30日
平成18年10月1日~平成19年9月30日
平成19年10月1日~平成20年9月30日
平成20年10月1日~平成21年9月30日
平成21年10月1日~平成22年9月30日
平成22年10月1日~平成23年9月30日
平成23年10月1日~平成24年9月30日
平成24年10月1日~平成25年9月30日
平成25年10月1日~平成26年9月30日
1.
200,000円
2.
800,000円
繰越控除前課税所得金額
▲1,000,000円
▲3,000,000円
▲1,600,000円
100,000円
900,000円
▲800,000円
700,000円
1,000,000円
600,000円
4,000,000円
3.2,400,000円
4.3,100,000円
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平成27年度第1回
問17
法人と役員の取引に関する以下の設問A、Bについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んで
ください。
(問題46)
(設問A)株式会社NAの取締役である青山さんは、平成26年中に個人所有の土地をNA社に譲渡し
ている。土地の譲渡に関する資料等が以下のとおりである場合、青山さんの平成26年分の
所得税の計算上、この土地に係る譲渡所得の金額として、正しいものはどれか。なお、この
土地については、青山さんの居住の用に供されたことはない。
<土地に関する資料>
・ 青山さんが土地を購入した時期
・ 上記の土地に係る取得費
平成5年11月
3,200万円
<土地の譲渡に関する資料>
・ 譲渡年月
平成26年6月
・ 土地の譲渡価額
4,500万円
・ 土地の譲渡時の時価
8,000万円
・ 譲渡費用
1.
100万円
700万円
2.1,200万円
3.4,700万円
4.4,800万円
(問題47)
(設問B)(問題46)の場合における、NA社の法人税法上の取扱いに関する次の記述のうち、正し
いものはどれか。
1.この土地の取得価額は4,500万円である。
2.この土地の取得価額は4,000万円であり、500万円は青山さんに対する役員給与とな
る。
3.この土地の取得価額は3,200万円であり、1,300万円は青山さんに対する役員給与と
なる。
4.この土地の取得価額は8,000万円であり、3,500万円は受贈益となる。
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タックスプランニング
平成27年度第1回
タックスプランニング
問18
法人が契約した生命保険に関する以下の設問Aについて、答えを1~4の中から1つ選んでください。
(問題48)
(設問A)鶴見さんは、平成26年8月31日に株式会社YEの代表取締役を退任した。以下のような
保険の解約返戻金の受領および退職金の支給を行ったことにより、YE社の当事業年度(平
成26年4月1日から平成27年3月31日まで)における法人税の課税所得の金額の計算
上、減少する所得金額として、正しいものはどれか。
<YE社の保険契約(一部)に関する資料>
保険契約
SA
被保険者
鶴見さん
死亡保険金
1億円
平成26年9月における解約返戻金
4,500万円
・ YE社の平成26年9月における貸借対照表上の保険積立金勘定には6,500万円が計上さ
れており、そのうち3,500万円が保険契約SAに該当するものである。
<退職金に関する資料>
・ YE社より鶴見さんに支給された退職金(一時金):6,000万円
※鶴見さんの退職金の税務上の適正額は5,000万円と認められる。
※YE社の保険の解約返戻金の受取りおよび鶴見さんへの退職金の支払いは、いずれも平成26
年9月に行われた。
※鶴見さんは、代表取締役退任後、会社の経営には一切携わっておらず、役員報酬も受け取って
いない。
1.4,000万円
2.5,000万円
3.6,000万円
4.8,000万円
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平成27年度第1回
問19
財務諸表に関する以下の設問A、Bについて、それぞれの答えを1~4の中から1つ選んでください。
(問題49)
(設問A)NC株式会社の貸借対照表の要旨は以下のとおりである。NC社の貸借対照表に関する次の
記述のうち、最も不適切なものはどれか。
貸借対照表の要旨
平成27年3月31日現在
(単位:千円)
流動資産
固定資産
有形固定資産
無形固定資産
投資その他の資産
資産合計
119,600
110,400
82,000
4,900
23,500
230,000
流動負債
固定負債
純資産
資本金
利益剰余金
負債および純資産合計
80,000
35,000
115,000
45,600
69,400
230,000
1.流動比率は短期的な支払能力を示す指標であり、NC社の流動比率は66.9%である。
2.固定比率は固定資産を返済義務のない自己資本でどれだけ賄っているかを示す指標であり、
NC社の固定比率は96.0%である。
3.自己資本比率は総資本に占める自己資本の割合を示す指標であり、NC社の自己資本比率は
50.0%である。
4.固定長期適合率は固定資産を固定負債と自己資本とでどれだけ賄っているかを示す指標であ
り、NC社の固定長期適合率は73.6%である。
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平成27年度第1回
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(問題50)
(設問B)ND株式会社のキャッシュフロー計算書は以下のとおりである。ND社のキャッシュフロー
計算書に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
キャッシュフロー計算書
自
平成26年4月1日
至
平成27年3月31日
(単位:百万円)
Ⅰ
Ⅱ
Ⅲ
Ⅳ
Ⅴ
Ⅵ
営業活動によるキャッシュフロー
投資活動によるキャッシュフロー
財務活動によるキャッシュフロー
現金および現金同等物の増加額
現金および現金同等物の期首残高
現金および現金同等物の期末残高
1,300
▲1,000
800
1,100
2,100
3,200
1.「現金および現金同等物の増加額」がプラスであっても、損益計算書の当期純利益がプラス
であるとは限らない。
2.「営業活動によるキャッシュフロー」には、利息の受取りおよび支払い、法人税等の支払い
も含まれる。
3.「投資活動によるキャッシュフロー」には、有形固定資産および無形固定資産の取得ならび
に売却が含まれる。
4.「財務活動によるキャッシュフロー」には、借入金による資金の調達および返済のほか、子
会社株式の取得が含まれる。
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53
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