院長のご挨拶 ―平成 26 年にあたって―

院長のご挨拶
―平成 26 年にあたって―
当院のホームページにアクセスしていただきありがとうございます。
昨年は、10 月にそれまで 8 年半不在であった産婦人科常勤医が 3 名着任いたしました。人口 20 万の岸
和田市で、約 3 分の 2 の妊婦さんが岸和田市以外で出産してきた状況をようやく改善できることになりま
す。8 年半のブランクのため山積した、助産師の確保や医療機器の更新などの諸問題を一つ一つクリアし、
今年中に産科入院診療を開始する予定です。また、昨年 12 月には 1 年半ぶりに皮膚科部長が着任し、さら
に今年 4 月には 2 年ぶりに血液内科常勤医が着任します。医師不足が続く中で、少しずつですが、診療体
制が整備されてきました。一方、看護師の確保は依然困難を極めています。医師と看護師は診療の要です。
奨学金の設置など、看護師確保に病院をあげて今まで以上に積極的に取り組んでまいります。
市民病院の基本方針は高度・専門医療と救急医療の充実、地域医療連携の推進です。高度・専門医療と
いう点では、充実した中央診療部門(手術室・麻酔科、画像診断センター、中央検査室など)を土台に、
平成 14 年に泉州二次医療圏で唯一の、国指定 地域がん診療連携拠点病院となって以来、PET-CT の設置、
化学療法センターの整備、腫瘍内科・放射線治療科の開設、緩和ケア病棟の開棟など、泉州地域のがん医
療をリードしてきたと自負しております。先に述べましたが、昨年着任した産婦人科医 3 名は全員婦人科
腫瘍専門医であり、また、4 月からは血液内科入院診療が再開、腫瘍内科医が現在の 2 名から 3 名に増員
の予定であり、がん診療が一層充実いたします。
救急医療に関しては、救急科のリードのもとに、365 日 24 時間救急体制を整備し、地域のニーズに応え
るべくたゆまない努力を続けています。
岸和田市内の救急搬送患者さんの約 40%が当院に搬送されており、
平成 25 年の救急搬入件数は 5454 件であり、
1 日平均 15 台の救急車を受け入れたことになります。
今後は、
昨年 13%であった岸和田市救急からの搬送依頼に対する受け入れ困難率(不応需率)を、10%以下にすべ
く、体制の充実を図ります。
地域医療連携の推進に関しては、手術、集中治療、検査などの急性期の診療が当院の役割であり、市民
病院だけでは医療は完結しません。かかりつけの先生からすみやかに紹介を受け、必要な検査・治療を行
い、急性期の病状が落ち着いた時点で、療養型病院、回復期リハビリテーション病院やかかりつけ医の先
生に役割をバトンタッチするという、スムーズな連携が必要です。特に最近は、高齢化に伴い、当院での
治療は終えたが、体力低下等ですぐには在宅療養できない患者さんが増えており、そういう患者さんの受
け皿となる医療機関との連携の強化が重要となってきています。今後、それらの医療機関と本院の地域連
携担当者同士が本音で話し合える場を定期的に持つ予定であります。
昨年 12 月に、8 年ぶりに新しい市長が誕生いたしました。高度・専門医療と救急医療の充実という市民
病院の基本方針を堅持しつつ、市と病院とが意を一つにして、岸和田市、泉州地域の医療レベル向上のた
め、更なる努力を続けてゆく所存です。
平成 26 年 1 月
市立岸和田市民病院
院長
(こぎれ
小切匡史
まさふみ)