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利府町監査告示第2号
平成27年4月1日受理した利府町職員措置請求について、地方自
治 法 ( 昭 和 2 2 年 法 律 第 6 7 号 。 以 下 「 法 」 と い う 。) 第 2 4 2 条 第 4
項の規定により監査を行った結果を次のとおり公表する。
平成27年5月25日
利府町監査委員
宮
城
正
義
同
阿
部
まさ子
利府町職員措置請求の監査結果について
第1
請求の受付
1
請求人
2
請求書の提出年月日
3
請求の内容
(1)
住所・氏名
省略
平成27年4月1日
請求人提出の利府町職員措置請求書による請求の内容(原
文)
利府町長等に関する措置請求の要旨
平 成 2 6 年 度 、利 府 町 長 や 副 町 長 は 、町 の 公 共 事 業 を 請 負 う 各
種 企 業 団 体 の 総 会 や 新 年 会 、忘 年 会 ま た は 観 桜 会 の 会 場 で あ る 割
烹やホテルなどの宴席に出席し、交際費が支出された。
上 記 の 内 容 は 、本 町 の 公 共 事 業 等 に 係 わ り の あ る 各 種 の 企 業 者
が「 利 府 町 建 設 災 害 防 止 協 議 会 」
( 土 建 業 、造 園 業 、上 下 水 道 業 、
電 気 工 事 業 、建 築 業 )を 組 織 し た 団 体 を は じ め 、業 種 毎 に 梨 電 会 、
梨 景 会 、建 設 職 工 組 合 な ど の 団 体 が 開 催 し た 8 回 も の 行 事 に 出 席
し 交 際 費 の 支 出 が あ っ た 。こ れ ら の 団 体 は 、前 述 し た 通 り 本 町 公
共 工 事 等 を 請 負 う 受 注 業 者 で あ り 、行 政 の 道 義 的 責 務 を 果 た す う
えで公共事業等の発注契約関連業務以外での接触交流を避ける
こ と は 業 務 の 公 正 公 平・公 明 性 を 堅 持 す る 行 政 と し て の 当 然 の 姿
勢である。
にもかかわらず行政が執るべき原則を逸脱したこれらの行為
は 、住 民 全 体 へ の 奉 仕 者 で あ る べ き 行 政 ト ッ プ 等 の 姿 勢 に 行 政 効
果 が 伴 っ て い る の か が 疑 問 視 さ れ 、多 く の 町 民 か ら 現 状 に 対 す る
疑義の声が広がっていることは言うまでもない。
以 上 、町 長 等 の 、営 利 団 体 の 開 催 す る 宴 席 へ の 出 席 と 交 際 費 支
出 に 関 す る 行 為 は 公 務 と は 関 連 し な い 行 為 で あ り 、交 際 費 と は 言
い 住 民 の 貴 重 な 公 費 か ら の 支 出 で あ り 、「 地 方 自 治 法
第二条1
4 ・そ の 事 務 を 処 理 す る に 当 た っ て は 、住 民 の 福 祉 に 努 め る と と
も に 、最 小 の 経 費 で 最 大 の 効 果 を 挙 げ る よ う に し な け れ ば な ら な
い 。」 と し た 「 地 方 自 治 法 」 に 反 し た 行 為 で あ り 、 違 法 、 不 当 で
ある。
よ っ て 、監 査 委 員 は 、町 長 に 対 し 、企 業 団 体 の 開 催 行 事 へ の 不
必 要 な 出 席 を 改 め 、不 当 に 支 出 さ れ た 交 際 費 の 返 還 な ど の 必 要 な
措置を講じるよう勧告することを求める。
尚、宮城黒川管内町村長交際費支出に関する情報開示によれ
ば 、企 業 団 体 の 開 催 行 事 へ の 出 席 及 び 交 際 費 支 出 に お い て 、同 一
団 体 に 複 数 回 に 及 ぶ 出 席・交 際 費 支 出 等 の 実 態 は 、利 府 町 以 外 の
町 村 に は 、確 認 さ れ な か っ た 。利 府 町 長 等 の 企 業 団 体 と の 密 接 な
交流や交際費支出は極めて異常な状況である。
地方自治法第242条第1項の規定により別紙事実証明書を
添え提出しますので必要な措置を請求します。
(2)
ア
請求書に添付された事実を証する書面
平成26年度利府町長交際費支出
町と係わりのある企業団体への交際費支出の実態
イ
総会及び懇親会等の案内通知(写し)
ウ
宮城黒川管内町村長・企業団体開催行事への交際費支出
4
請求の要件審査
要件審査の結果、本件請求は法第242条の所定の要件を具備
しているものと認め、平成27年4月6日受理し監査することを
決定した。
第2
1
監査の実施
請求人の証拠の提出及び陳述
法第242条第6項の規定に基づき、証拠の提出及び陳述の機
会を設けた。これに対し、新たな証拠の提出はなかったが、本件
請求にかかる補足説明を受けた。
(1)
陳述の実施
平 成 2 7 年 4 月 1 7 日( 金 )午 前 1 0 時 ~ 午 前 1 0 時 2 0 分
利府町役場2階
2
第3会議室
監査対象事項等
(1)
監査対象事項
請 求 書 、陳 述 及 び 添 付 さ れ た 事 実 証 拠 を 勘 案 し て 、町 長 等 が
各種企業団体の行事に出席したこと及び出席に伴って交際費
を 支 出 し た こ と が 、違 法 又 は 不 当 な 行 為 に 当 た る の か 否 か を 監
査対象とした。
(2)
監査対象機関
総 務 課 を 監 査 対 象 機 関 と し 、必 要 な 資 料 の 提 供 を 受 け る と と
もに関係職員から事情を聴取した。
第3
1
監査の結果等
監査の結果
本件請求については、法第242条第8項の規定により監査委
員の合議した結果、次のとおり決定した。
平成26年度に支出した利府町長交際費は、違法、不当なもの
ではなく、本件請求には、理由がないものと認め棄却する。
2
事実関係の確認
監査対象事項について、関係機関からの事情聴取及び関係資料
の調査を実施した結果、次の事項を確認した。
(1)請求人が主張する8回の行事への出席者等について
ア
利府町建設災害防止協議会
役員有志会
懇親会
【日
時】平成26年4月5日(土)午後6時
【場
所】和風れすとらん
加瀬
【出席者】町:町長
相手方:協議会役員14人
【祝
イ
儀】5,000円
利府町建設災害防止協議会
観桜会
【日
時】平成26年4月19日(土)午前11時
【場
所】菅谷公民館
【出席者】町:副町長
相手方:会員事業所の代表等26人
【祝
ウ
儀】3,000円
利府町建設災害防止協議会
安全大会
【日
時】平成26年11月28日(金)午後2時
【場
所】町民交流館
研修室
【出席者】町:生活環境課長
相手方:会員事業所の代表等70人
【祝
エ
儀】3,000円
利府町建設災害防止協議会
総会及び新年懇親会
【日
時】平成27年1月25日(日)正午
【場
所】沢乙温泉
内海旅館
【出席者】町:町長及び副町長
相手方:会員事業所の代表等33人
【祝
オ
儀 】 1 0 , 0 0 0 円 ( 5 , 0 0 0 円 ×2 人 分 )
利府町梨電会
通常総会
【日
時】平成26年5月9日(金)午後6時
【場
所】割烹
栄福
【出席者】町:町長
相手方:会員事業所の代表等7人
【祝
カ
儀】5,000円
利府町造園・修景協力会
懇談会
【日
時】平成26年7月4日(金)午後7時
【場
所】和風れすとらん
加瀬
【出席者】町:町長
相手方:会員事業所の代表等9人
【祝
キ
儀】5,000円
利府町造園・修景協力会
忘年会
【日
時】平成26年12月9日(火)午後6時
【場
所】和風れすとらん
加瀬
【出席者】町:町長
相手方:会員事業所の代表等10人
【祝
ク
儀】5,000円
利府町建設職工組合
懇親会
【日
時】平成27年1月15日(木)午後5時
【場
所】ホテル
浦島荘
【出席者】町:副町長
相手方:組合員24人
【祝
儀】5,000円
(2)交際費の支出基準について
町 長 交 際 費 は 、秘 書 業 務 を 担 当 す る 総 務 課 に お い て 管 理 し て い
る。
町長に対する各種行事への出席依頼の案内通知は、総務課に
お い て 一 括 受 理 さ れ 、1 件 ご と に 開 催 趣 旨 や 出 席 者 の 範 囲 、町 長
の 当 日 の 行 動 計 画 、過 去 の 出 席 状 況 等 を 勘 案 し た 上 で 、本 人 出 席
か 代 理 出 席 の 可 否 の 判 断 を し て い る 。ま た 、交 際 費 の 額 に つ い て
は 、次 の 町 長 交 際 費 の 執 行 に 関 す る 基 準( 以 下 「 執 行 基 準 」 と い
う 。) に 基 づ き 、 開 催 場 所 や 開 催 趣 旨 な ど を 検 討 し た 上 で 金 額 を
決定している。
町長交際費の執行に関する基準
1
交際費の執行範囲
交 際 費 は 、町 を 代 表 し て 社 会 通 念 上 必 要 と 認 め ら れ る 接 遇 、儀
礼 、交 際 等 に 要 す る 経 費 で あ り 、そ の 執 行 の 範 囲 は 次 の と お り と
する。
(1)各種贈呈経費等
①慶事、② 病気見舞 、③葬儀 、④土 産 、⑤賛助 、⑥餞別 、⑦御
礼等
(2)各種催事等に出席する場合の会費及び負担金
( 3 )接 遇 、儀 礼 、交 際 等 の た め の 飲 食 を 伴 う 懇 談 会 等 に 要 す る 経
費
2
執行者の範囲
町長及び町長代理者とする。
3
限度額等
交 際 費 は 、町 と の か か わ り を 十 分 考 慮 し 、社 会 通 念 上 認 め ら れ
る 必 要 最 小 限 度 の 範 囲 で 行 う も の と し 、概 ね 次 の 基 準 に よ る こ と
とする。
(1)各種贈呈経費等は、次のとおりとする。
①
慶 事 に お け る 祝 儀 は 、催 事 の 趣 旨 、団 体 の 規 模 、開 催 場 所 、
開催規模等を 総合的に 勘案し、概ね次 のとおりとす る。た だ
し、その催事等が会費制の場合は会費額とする。
ア
町 の補助 金交付団 体が行う各 種 総会、大会、研修会等 に
対する交際費の執行は、原則として行わないものとする。
ただし、会食等を伴う場合は、開催場所、団体の規模、事
業の性質等を 十分考慮 し、執行金 額を 決定するが、概ね以
下のとおりとする。
( ア )会 食 が 弁 当 又 は 昼 食 程 度 の 場 合 は 3 ,0 0 0 円 と す る 。
( イ )会 食 が 夕 食 又 は 酒 席 を 伴 う 場 合 は 5 ,0 0 0 円 と す る 。
(ウ)研修等で宿泊し、夕食又は酒席を伴う場合は、
10,000円とする。
イ
町補助金交付対象外団体が行う各種総会、大会、研修会
等に対する交際費の執行は、開催場所、団体の規模、事業
の性質等を十分考慮し、執行金額を以下のとおりとする。
ただし、スポーツ大会、祭事等における祝儀については、
この限りではない。
( ア )会 食 が 弁 当 又 は 昼 食 程 度 の 場 合 は 3 ,0 0 0 円 と す る 。
( イ )会 食 が 夕 食 又 は 酒 席 を 伴 う 場 合 は 5 ,0 0 0 円 と す る 。
(ウ)研修等で宿泊し、夕食又は酒席を伴う場合は、
10,000円とする。
ウ
町が主催する各種総会、大会、研修会、祭り等に対する
交際費の執行は行わないものとする。
エ
議員個人(後援会等を含む)が行う新年会、忘年会、行
政報告会、パーティー等に対する交際費の執行は行わない
ものとする。また、選挙に係る陣中見舞いや事務所開き等
への執行も同様とする。
②
葬儀の際の香典、生花(花輪)及び病気見舞い等の経費に
ついては、概ね別表1のとおりとする。ただし、法要の経費
は執行しないものとする。
③
土産は、5,000円以内とする。
④
餞別、激励金は、10,000円以内とし、または花束を
贈 呈 す る 。た だ し 、公 務 員 の 人 事 異 動 、退 職 に よ る 餞 別 等 は 、
行わないものとする。
⑤
町民又は 町内の団 体が芸術 、スポ ーツ等におい て東北 、全
国又は 世界大 会に出場 する場合の 激 励金は、個 人5,000
円、団体10,000円以内とする。
⑥
御礼に伴う贈答品は、10,000円以内とする。
⑦
賛 助( 協 賛 )金 は 、事 業 の 趣 旨 、町 と の 係 わ り 等 を 考 慮 し 、
必要最小限度額とする。
( 2 )各 種 催 事 等 に 出 席 す る 場 合 の 会 費 及 び 負 担 金 は 、催 事 の 趣 旨 、
出 席 者 の 範 囲 、町 政 と の か か わ り 、開 催 場 所 等 を 勘 案 し 、出 席
の 要 否 を 判 断 し て 執 行 す る も の と し 、そ の 執 行 額 は 協 議 金 額 と
する。
( 3 )接 遇 、儀 礼 、交 際 等 の た め の 飲 食 を 伴 う 懇 談 会 等 は 、町 側 の
出 席 者 を で き る 限 り 最 小 限 に し 、そ の 内 容 に 応 じ た 適 切 な 場 所
で 必 要 最 小 限 度 の 経 費 で 行 う も の と し 、概 ね 5 ,0 0 0 円 を 限
度 と す る 。 た だ し 、必 要 最 小 限 度 が 5 , 0 0 0 円 を 超 え る 場 合
は、執行金額とする。
①
懇 談 会 等 に 要 す る 経 費 等 は 、食 糧 費 で 支 出 す る 懇 談 会 等 と
の 支 出 区 分 を 明 確 に す る と と も に 、交 際 費 に よ る 懇 談 会 等 の
執 行 に あ た っ て は 、下 記 に よ り 必 要 最 小 限 の 範 囲 で 行 う も の
とする。
ア
経 費 は 、社 会 通 念 上 認 め ら れ る 必 要 最 小 限 の 範 囲 で 行 う
ものとする。
イ
町側の出席者は、目的、相手方の人数等を十分勘案し、
必要最小限とする。
ウ
開 催 場 所 は 、懇 談 会 等 の 目 的 、内 容 、相 手 方 の 人 数 等 を
勘案し、適切な場所を選定する。
エ
懇談会等の終了後に行われる二次会は行わない。
( 4 )お 中 元 、お 歳 暮 等 と し て の 交 際 費 の 執 行 は 行 わ な い も の と す
る。
( 5 )祝 電 、メ ッ セ ー ジ 等 に よ る 祝 意 、激 励 に つ い て は 、概 ね 別 表
2に該当した場合とする。
4
その他
( 1 )こ の 他 定 め の な い 事 項 や 疑 義 が 生 じ た 場 合 は 、町 長 と 協 議 し
執行するものとする。
(2)この基準は、平成15年4月1日から実施する。
(3)職員等の弔慰に関する内規(昭和63年利府町訓令第2号)
は廃止する。
(4)この基準は、平成23年4月1日から改正し実施する。
(5)この基準は、平成24年4月2日から改正し実施する。
(6)この基準は、平成24年10月1日から改正し実施する。
(7)この基準は、平成24年12月1日から改正し実施する。
別表第1(省略)
別表第2(省略)
な お 、町 長 交 際 費 の 執 行 に 関 す る 基 準 は 、平 成 1 5 年 4 月 1
日に制定され、その後、時勢に応じた見直しがなされている。
交 際 費 の 支 出 に 当 た っ て は 、そ の 経 費 の 性 質 上 、現 金 払 い の
必 要 性 が あ る た め 、法 第 2 3 2 条 の 5 第 2 項 、地 方 自 治 法 施 行
令( 昭 和 2 2 年 政 令 第 1 6 号 )第 1 6 1 条 第 1 項 第 1 7 号 、利
府 町 財 務 規 則( 平 成 1 3 年 規 則 第 1 1 号 。以 下「 財 務 規 則 」と
い う 。) 第 4 6 条 第 1 項 第 4 号 及 び 同 条 第 2 項 の 規 定 に よ り 一
定 額 の 資 金 前 渡 を 受 け 金 融 機 関 に 預 け 入 れ 、適 正 に 保 管 さ れ て
い る 。資 金 前 渡 さ れ た 交 際 費 の 執 行 に 際 し て は 、財 務 規 則 第 4
8条第2項の規定により、現金出納簿に一件ごとに記載され、
出納の事実を明らかにしている。
(3)
利府町建設災害防止協議会について
利 府 町 建 設 災 害 防 止 協 議 会 ( 以 下 「 災 防 協 」 と い う 。) は 、
土 木 工 事 、電 気 工 事 、造 園 工 事 、管 工 事 及 び 建 築 工 事 な ど の 事
業 活 動 を し て い る 3 6 事 業 者 で 構 成 さ れ 、工 事 現 場 に お け る 災
害防止の積極的な推進等を目的に設立された業界の関連団体
である。
町と災防協は、町内に地震、風水害その他の災害が発生し、
ま た は 発 生 す る お そ れ が あ る 場 合 に 、会 員 が 所 有 す る 建 設 資 機
材 や 労 力 を 支 援 す る 災 害 対 策 支 援 業 務 に 関 す る 協 定 を 平 成 18
年8月に締結している。
東 日 本 大 震 災 時 に お い て は 、被 災 状 況 調 査 や 応 急 給 水 活 動 を
は じ め 、公 共 施 設 の 応 急 復 旧 活 動 等 に 会 員 が 保 有 す る 人 材 や 資
材、車両等の提供を受けたほか、津波被害のあった浜田地区、
須 賀 地 区 の が れ き 撤 去 作 業 、畳 上 げ 作 業 、消 毒 作 業 な ど の 支 援
を 受 け て い る 。平 常 時 に は 、道 路 清 掃 、除 草 作 業 と い っ た 活 動
の ほ か 、年 末 年 始 の 役 場 庁 舎 へ の 門 松 の 寄 贈 な ど 、社 会 貢 献 活
動を長年実施している。
(4)
利府町梨電会について
利 府 町 梨 電 会 ( 以 下 「 梨 電 会 」 と い う 。) は 、 町 内 に 事 業 所
を 有 す る 電 気 工 事 業 を 営 む 7 事 業 者 で 構 成 さ れ 、そ の 全 て が 前
述した災防協の会員として登録されている。
災 防 協 の 会 員 と し て の 活 動 の ほ か 、梨 電 会 の 独 自 の 活 動 と し
て 、利 府 駅 前 に イ ル ミ ネ ー シ ョ ン を 設 置 す る 活 動 を 長 年 に 渡 り
実施している。
(5)
利府町造園・修景協力会について
利 府 町 造 園 ・ 修 景 協 力 会 ( 以 下 「 梨 景 会 」 と い う 。) は 、 町
内に事業所を有する造園・緑化工事等を営む法人及び個人の
10事 業 者 で 構 成 さ れ て い る 。 う ち 、 9 事 業 者 が 前 述 の 災 防 協
の会員として登録されており、社会貢献活動に参加している。
(6)
利府町建設職工組合について
利 府 町 建 設 職 工 組 合 ( 以 下 「 職 工 組 合 」 と い う 。) は 、 町 内
に お い て 大 工 、左 官 、板 金 工 、鉄 骨 工 、左 官 工 、電 気 工 な ど 建
設 業 に 従 事 す る 1 1 1 人( 平 成 2 6 年 1 2 月 末 現 在 )の 組 合 員
で 構 成 す る 団 体 で 、宮 城 県 建 設 職 組 合 連 合 会 を 構 成 す る 単 位 組
合である。職工組合は、利府松島商工会内に事務局が置かれ、
職工組合の組合員となることで宮城県建設業国民健康保険組
合 や 建 設 業 退 職 金 共 済 制 度 、労 災 保 険 に 加 入 す る こ と が で き る
な ど 、建 設 労 働 者 の 社 会 的 経 済 的 地 位 の 向 上 を 目 的 と し た 団 体
である。
職 工 組 合 の 青 年 部 に お い て は 、社 会 貢 献 活 動 と し て 長 年 町 内
の小学校に対し本立てや教材棚、すのこなどを寄贈している。
3
監査委員の判断
(1)
ア
交際費について
交際費
交際費は、法第232条第1項の「普通地方公共団体は、
当該地方公共団体の事務を処理するために必要な経費その他
法律又はこれに基づく政令により当該普通地方公共団体の負
担 に 属 す る 経 費 を 支 弁 す る も の と す る 。」と い う 規 定 に 基 づ き 、
地 方 自 治 法 施 行 規 則( 昭 和 2 2 年 内 務 省 令 第 2 9 号 )第 1 5 条
第2項別記で定める「交際費」から支出される経費である。
イ
交際費の意義
交 際 費 と は 、 行 政 実 例 に よ っ て 、「 一 般 的 に は 対 外 的 に 活 動
する普通地方公共団体の長その他の執行機関がその行政執行
の た め に 必 要 な 外 部 と の 交 際 上 要 す る 経 費 で 、交 際 費 の 予 算 科
目 か ら 支 出 さ れ る 経 費 で あ る 。」 と 解 釈 さ れ て い る 。
ウ
交際費の必要性及び範囲
交 際 費 の 許 容 性 に つ い て は 、平 成 1 8 年 1 2 月 1 日 の 最 高 裁
判 所 判 決 に お い て 、「 普 通 地 方 公 共 団 体 も 社 会 的 実 態 を 有 す る
も の と し て 活 動 し て い る 以 上 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 の 事 務 を
遂 行 し 対 外 的 折 衝 等 を 行 う 過 程 に お い て 、長 又 は そ の 他 の 執 行
機関が各種団体等の主催する会合に列席するとともにその際
に 祝 金 を 主 催 者 に 交 付 す る な ど の 交 際 を す る こ と は 、社 会 通 念
上 儀 礼 の 範 囲 に と ど ま る 限 り 、上 記 事 務 に 随 伴 す る も の と し て
許容されるというべきである。
そ し て 、普 通 地 方 公 共 団 体 が 住 民 の 福 祉 の 増 進 を 図 る こ と を
基本として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する
役 割 を 広 く 担 う も の と さ れ て い る こ と( 法 1 条 の 2 第 1 項 )な
ど を 考 慮 す る と 、そ の 交 際 が 特 定 の 事 務 を 遂 行 し 対 外 的 折 衝 等
を行う過程において具体的な目的をもってされるものではな
く 、一 般 的 な 友 好 、信 頼 関 係 の 維 持 増 進 自 体 を 目 的 と し て さ れ
る も の で あ っ た か ら と い っ て 、直 ち に 許 さ れ な い こ と と な る も
の で は な く 、そ れ が 、普 通 地 方 公 共 団 体 の 上 記 の 役 割 を 果 た す
た め 相 手 方 と の 友 好 、信 頼 関 係 の 維 持 増 進 を 図 る こ と を 目 的 と
す る と 客 観 的 に み る こ と が で き 、か つ 、社 会 通 念 上 儀 礼 の 範 囲
に と ど ま る 限 り 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 の 事 務 に 含 ま れ る も の
と し て 許 容 さ れ る と 解 す る の が 相 当 で あ る 。」 と 判 断 が 示 さ れ
ている。
同判決の原審である平成14年12月24日の東京高等裁
判 所 判 決 に お い て 、「 一 般 的 な 友 好 、 信 頼 関 係 の 維 持 増 進 自 体
が 目 的 で あ る 場 合 に は 、関 係 者 に 対 す る 儀 礼 を 尽 く す た め に 必
要 な 最 小 限 度 の 範 囲 内 に お い て 許 容 さ れ た も の で あ る か ら 、儀
礼を尽くす契機となった行事や出来事自体に公務性や行政上
の 有 益 性 が あ る こ と が 要 求 さ れ る も の で は な く 、儀 礼 的 行 為 を
行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるとい
う 公 益 に 資 す る も の で あ れ ば 足 り る と い う べ き で あ る 。」 と 判
断が示されている。
こ の よ う に 、対 外 的 な 接 遇 に 当 た っ て は 、職 務 と の 関 連 性 や
相 手 方 の 性 格 、行 事 等 の 性 格 な ど を 基 準 と し て 、総 合 的 に 判 断
すべきものであると言える。
本 件 請 求 に つ い て 団 体 ご と に( 2 )か ら( 5 )ま で の と お り
判断する。
(2)
災防協についての判断
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 出 席 は 、公 務 と は 関
連 し な い 行 為 で あ る と 主 張 し て い る が 、行 事 へ の 出 席 は 、町 の
代 表 者 等 で あ る 町 長 及 び 副 町 長 と い う 公 人 に 対 し て 、災 防 協 か
ら 案 内 が あ っ た 懇 親 会 等 に 出 席 ( 代 理 出 席 含 む 。) し た も の で
あ る 。出 席 し た 懇 親 会 等 は 、町 と 関 わ り の あ る 多 業 種 か ら 成 る
団 体 に 係 る も の で 、特 定 の 事 業 者 と の も の で は な く 、出 席 し た
4回いずれもが町長の秘書業務を担当する総務課において開
催の趣旨のほか、出席者の範囲や過去における対応状況など、
総 合 的 に 勘 案 し た 上 で 町 長 等 が 出 席 し た も の で あ り 、町 長 等 の
個人的又は政治的な目的があったものではないと判断できる。
災 防 協 は 、平 成 1 8 年 に 町 と 災 害 対 策 支 援 業 務 に 関 す る 協 定
を 結 ん で い る 団 体 で あ る 。東 日 本 大 震 災 時 に は 発 生 時 の 被 災 状
況 調 査 を は じ め 、津 波 被 害 の あ っ た 浜 田 地 区 、須 賀 地 区 の が れ
き の 撤 去 作 業 や 畳 上 げ 作 業 な ど に 従 事 し 、復 旧 作 業 に 多 大 な 貢
献 の あ っ た 団 体 と 認 め ら れ る 。ま た 、自 然 災 害 は 地 震 ば か り で
は な く 、台 風 や 大 雨 は も と よ り 、昨 今 の 異 常 気 象 に よ る 局 所 的
な 豪 雨 や 竜 巻 、さ ら に は 、活 発 な 火 山 活 動 な ど に よ っ て も も た
ら さ れ る も の で あ り 、未 然 の 防 止 策 を 講 じ た と し て も 万 全 と は
断 言 で き な い も の が あ る 。町 民 の 福 祉 の 増 進 を 図 る こ と を 基 本
として地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割
を 担 う 普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 と し て 、災 害 の 発 生 時 に 備 え 人 材
や資機材を有するこれらの団体と交際することは一般的な友
好 、信 頼 関 係 の 構 築 の た め で あ っ て も 公 益 に 資 す る も の が あ る
ものと解する。
普通地方公共団体の長が外部団体等に儀礼的な挨拶をし、
最 新 の 情 報 を 報 告 し 、町 政 へ の 理 解 を 求 め 、意 見 を く み 取 る な
ど し 、お 互 い の 意 見 交 換 を 図 る こ と は 、対 外 的 な 渉 外 、接 遇 で
あ り 、そ の 過 程 に お い て 社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 に と ど ま る 接
遇 を 行 う こ と は 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 も 社 会 的 実 態 を 有 す る
も の と し て 活 動 し て い る 以 上 、許 容 さ れ る べ き も の で あ る 。ま
た 、出 席 回 数 の 多 寡 を も っ て 行 政 の 道 義 的 責 務 を 逸 脱 し て い る
とまで断定することはできないものと判断する。
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 交 際 費 の 支 出 は 、法
第 2 条 第 1 4 項 の 規 定 に 反 し た 違 法 、不 当 な 支 出 で あ る と 主 張
し て い る が 、行 事 へ の 出 席 に 伴 っ て 交 付 し た 祝 儀 は 、町 長 交 際
費の適正かつ公正な執行を図るために定めている執行基準に
基 づ い て 支 出 し た も の で あ る 。請 求 人 は 、法 第 2 条 第 1 4 項 の
規 定 を 違 法 と す る 根 拠 条 文 と し て い る が 、同 規 定 は 地 方 自 治 運
営 の 基 本 原 則 を 規 定 し た も の で あ り 、こ の 規 定 か ら 直 接 的 に 町
長の交際費の支出についての具体的な義務を導き出すことは
で き な い も の と 解 す る の が 相 当 で あ り 、交 際 費 は 職 務 執 行 上 の
交 際 に 費 消 さ れ る も の で あ っ て 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸
脱 し て い る か 否 か を も っ て 判 断 す べ き も の と さ れ て い る 。社 会
通 念 上 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し て い る か 否 か に つ い て は 、行 政 事 務
及 び 事 業 と 会 合 等 の 関 連 性 、接 遇 の 必 要 性 、接 遇 の 相 手 方 の 身
分 及 び 地 位 、接 遇 の 内 容 等 か ら 判 断 す べ き で あ り 、災 防 協 へ の
交 際 費 の 支 出 は 、い ず れ も 、町 政 に つ い て の 理 解 を 求 め る 機 会
と し て 捉 え 、各 種 行 政 分 野 に 関 す る 情 報 、意 見 交 換 や 意 思 疎 通
を 目 的 と し た も の で 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し た 交 際
費 の 支 出 に は 当 た ら な い も の と 判 断 す る 。ま た 、交 際 費 の 額 に
つ い て は 、執 行 基 準 に 基 づ い て 5 千 円 を 限 度 に 支 出 し て い る も
の で あ り 、交 際 費 と し て の 支 出 に は 違 法 性 、不 当 性 は な い も の
と解する。
(3)
梨電会についての判断
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 出 席 は 、公 務 と は 関
連 し な い 行 為 で あ る と 主 張 し て い る が 、行 事 へ の 出 席 は 、町 の
代 表 者 で あ る 町 長 と い う 公 人 に 対 し て 、梨 電 会 か ら 案 内 が あ っ
た 総 会 に 出 席 し た も の で あ る 。出 席 し た 総 会 は 、町 と 関 わ り の
あ る 電 気 工 事 業 者 か ら 成 る 団 体 に 係 る も の で 、特 定 の 事 業 者 と
の も の で は な く 、出 席 に 当 た っ て は 、町 長 の 秘 書 業 務 を 担 当 す
る 総 務 課 に お い て 開 催 の 趣 旨 の ほ か 、出 席 者 の 範 囲 や 過 去 に お
け る 対 応 状 況 な ど 、総 合 的 に 勘 案 し た 上 で 出 席 し た も の で あ り 、
町長の個人的または政治的な目的があったものではないと判
断できる。
梨 電 会 は 、そ の 構 成 す る 事 業 所 全 て が 災 防 協 の 会 員 と し て も
登 録 さ れ て い る 団 体 で あ る が 、梨 電 会 独 自 の 事 業 と し て 利 府 駅
前にイルミネーションを設置する社会貢献活動を長年実施し
て い る 。こ の 事 業 は 、町 の 年 末 の 風 物 詩 と し て 定 着 し て き て い
るほか、利府駅前の活性化にも貢献しているものと理解でき、
このような団体へ儀礼を尽くすことには一定の理由があるも
のと判断する。
普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 が 外 部 団 体 等 に 儀 礼 的 な 挨 拶 を し 、最
新 の 情 報 を 報 告 し 、町 政 へ の 理 解 を 求 め 、意 見 を く み 取 る な ど
し 、お 互 い の 意 見 交 換 を 図 る こ と は 、対 外 的 な 渉 外 、接 遇 で あ
り 、そ の 過 程 に お い て 社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 に と ど ま る 接 遇
を 行 う こ と は 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 も 社 会 的 実 態 を 有 す る も
のとして活動している以上、許容されるべきものである。
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 交 際 費 の 支 出 は 、法
第 2 条 第 1 4 項 の 規 定 に 反 し た 違 法 、不 当 な 支 出 で あ る と 主 張
し て い る が 、行 事 へ の 出 席 に 伴 っ て 交 付 し た 祝 儀 は 、町 長 交 際
費の適正かつ公正な執行を図るために定めている執行基準に
基 づ い て 支 出 し た も の で あ る 。請 求 人 は 、法 第 2 条 第 1 4 項 の
規 定 を 違 法 と す る 根 拠 条 文 と し て い る が 、同 規 定 は 地 方 自 治 運
営 の 基 本 原 則 を 規 定 し た も の で あ り 、こ の 規 定 か ら 直 接 的 に 町
長の交際費の支出についての具体的な義務を導き出すことは
で き な い も の と 解 す る の が 相 当 で あ り 、交 際 費 は 職 務 執 行 上 の
交 際 に 費 消 さ れ る も の で あ っ て 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸
脱 し て い る か 否 か を も っ て 判 断 す べ き も の と さ れ て い る 。社 会
通 念 上 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し て い る か 否 か に つ い て は 、行 政 事 務
及 び 事 業 と 会 合 等 の 関 連 性 、接 遇 の 必 要 性 、接 遇 の 相 手 方 の 身
分 及 び 地 位 、接 遇 の 内 容 等 か ら 判 断 す べ き で あ り 、梨 電 会 へ の
交 際 費 の 支 出 は 、い ず れ も 、町 政 に つ い て の 理 解 を 求 め る 機 会
と し て 捉 え 、各 種 行 政 分 野 に 関 す る 情 報 、意 見 交 換 や 意 思 疎 通
を 目 的 と し た も の で 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し た 交 際
費 の 支 出 に は 当 た ら な い も の と 判 断 す る 。ま た 、交 際 費 の 額 に
つ い て は 、執 行 基 準 に 基 づ い て 5 千 円 を 限 度 に 支 出 し て い る も
の で あ り 、交 際 費 と し て の 支 出 に は 違 法 性 、不 当 性 は な い も の
と解する。
(4)
梨景会についての判断
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 出 席 は 、公 務 と は 関
連 し な い 行 為 で あ る と 主 張 し て い る が 、行 事 へ の 出 席 は 、町 の
代 表 者 で あ る 町 長 と い う 公 人 に 対 し て 、梨 景 会 か ら 案 内 が あ っ
た 懇 談 会 等 に 出 席 し た も の で あ る 。出 席 し た 懇 談 会 等 は 、町 と
関わりのある造園・緑化工事業者からなる団体に係るもので、
特 定 の 事 業 者 と の も の で は な く 、出 席 に 当 た っ て は 、町 長 の 秘
書 業 務 を 担 当 す る 総 務 課 に お い て 開 催 の 趣 旨 の ほ か 、出 席 者 の
範 囲 や 過 去 に お け る 対 応 状 況 な ど 、総 合 的 に 勘 案 し た 上 で 町 長
が 出 席 し た も の で あ り 、町 長 の 個 人 的 又 は 政 治 的 な 目 的 が あ っ
たものではないと判断できる。
梨 景 会 は 、そ の 構 成 事 業 所 の 全 て が 災 防 協 の 会 員 と し て 登 録
さ れ て い る わ け で は な く 、一 個 の 独 立 し た 団 体 と し て の 外 部 性
は あ る も の と 理 解 す る こ と が で き 、出 席 を も っ て 行 政 の 道 義 的
責務を逸脱しているとまで断定することはできないものと判
断する。
普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 が 外 部 団 体 等 に 儀 礼 的 な 挨 拶 を し 、最
新 の 情 報 を 報 告 し 、町 政 へ の 理 解 を 求 め 、意 見 を く み 取 る な ど
し 、お 互 い の 意 見 交 換 を 図 る こ と は 、対 外 的 な 渉 外 、接 遇 で あ
り 、そ の 過 程 に お い て 社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 に と ど ま る 接 遇
を 行 う こ と は 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 も 社 会 的 実 態 を 有 す る も
のとして活動している以上、許容されるべきものである。
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 交 際 費 の 支 出 は 、法
第 2 条 第 1 4 項 の 規 定 に 反 し た 違 法 、不 当 な 支 出 で あ る と 主 張
し て い る が 、行 事 へ の 出 席 に 伴 っ て 交 付 し た 祝 儀 は 、町 長 交 際
費の適正かつ公正な執行を図るために定めている執行基準に
基 づ い て 支 出 し た も の で あ る 。請 求 人 は 、法 第 2 条 第 1 4 項 の
規 定 を 違 法 と す る 根 拠 条 文 と し て い る が 、同 規 定 は 地 方 自 治 運
営 の 基 本 原 則 を 規 定 し た も の で あ り 、こ の 規 定 か ら 直 接 的 に 町
長の交際費の支出についての具体的な義務を導き出すことは
で き な い も の と 解 す る の が 相 当 で あ り 、交 際 費 は 職 務 執 行 上 の
交 際 に 費 消 さ れ る も の で あ っ て 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸
脱 し て い る か 否 か を も っ て 判 断 す べ き も の と さ れ て い る 。社 会
通 念 上 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し て い る か 否 か に つ い て は 、行 政 事 務
及 び 事 業 と 会 合 等 の 関 連 性 、接 遇 の 必 要 性 、接 遇 の 相 手 方 の 身
分 及 び 地 位 、接 遇 の 内 容 等 か ら 判 断 す べ き で あ り 、梨 景 会 へ の
交 際 費 支 出 は 、い ず れ も 、町 政 に つ い て の 理 解 を 求 め る 機 会 と
し て 捉 え 、各 種 行 政 分 野 に 関 す る 情 報 、意 見 交 換 や 意 思 疎 通 を
目 的 と し た も の で 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し た 交 際 費
の 支 出 に は 当 た ら な い も の と 判 断 す る 。ま た 、交 際 費 の 額 に つ
い て は 、執 行 基 準 に 基 づ い て 5 千 円 を 限 度 に 支 出 し て い る も の
で あ り 、交 際 費 と し て の 支 出 に は 違 法 性 、不 当 性 は な い も の と
解する。
(5)
職工組合についての判断
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 出 席 は 、公 務 と は 関
連 し な い 行 為 で あ る と 主 張 し て い る が 、行 事 へ の 出 席 は 、町 の
代 表 者 で あ る 町 長 と い う 公 人 に 対 し て 、職 工 組 合 か ら 案 内 が あ
っ た 総 会 後 の 懇 親 会 に 出 席 し た も の で あ る 。出 席 し た 懇 親 会 は 、
町と関わりのある建設業に従事する組合員から成る団体に係
る も の で 、特 定 の 組 合 員 や 事 業 者 と の も の で は な く 、出 席 に 当
た っ て は 、町 長 の 秘 書 業 務 を 担 当 す る 総 務 課 に お い て 開 催 の 趣
旨 の ほ か 、出 席 者 の 範 囲 や 過 去 に お け る 対 応 状 況 な ど 、総 合 的
に 勘 案 し た 上 で 副 町 長 が 代 理 出 席 し た も の で あ り 、町 長 の 個 人
的又は政治的な目的があったものではないと判断できる。
職 工 組 合 は 、宮 城 県 建 設 職 組 合 連 合 会 の 単 位 組 合 で あ る こ と 、
宮城県建設業国民健康保険組合利府支部の側面を持つ団体で
あ る こ と 、利 府 松 島 商 工 会 で 事 務 局 と し て の 事 務 を 執 っ て い る
こ と か ら 、前 述 の 災 防 協 と は そ の 活 動 内 容 を 異 に す る 独 立 し た
団 体 と し て の 外 部 性 は あ る も の と 理 解 す る こ と が で き る 。さ ら
に 、職 工 組 合 青 年 部 に お い て は 、町 内 の 小 学 校 に 本 立 て や 教 材
棚 、す の こ な ど を 寄 贈 し 、本 町 の 教 育 環 境 の 整 備 に 貢 献 し て い
る 団 体 と 理 解 で き 、こ の よ う な 団 体 へ 儀 礼 を 尽 く す こ と に は 一
定の理由があるものと解する。
普 通 地 方 公 共 団 体 の 長 が 外 部 団 体 等 に 儀 礼 的 な 挨 拶 を し 、最
新 の 情 報 を 報 告 し 、町 政 へ の 理 解 を 求 め 、意 見 を く み 取 る な ど
し 、お 互 い の 意 見 交 換 を 図 る こ と は 、対 外 的 な 渉 外 、接 遇 で あ
り 、そ の 過 程 に お い て 社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 に と ど ま る 接 遇
を 行 う こ と は 、当 該 普 通 地 方 公 共 団 体 も 社 会 的 実 態 を 有 す る も
のとして活動している以上、許容されるべきものである。
請 求 人 は 、営 利 団 体 の 主 催 す る 行 事 へ の 交 際 費 の 支 出 は 、法
第 2 条 第 1 4 項 の 規 定 に 反 し た 違 法 、不 当 な 支 出 で あ る と 主 張
し て い る が 、行 事 へ の 出 席 に 伴 っ て 交 付 し た 祝 儀 は 、町 長 交 際
費の適正かつ公正な執行を図るために定めている執行基準に
基 づ い て 支 出 し た も の で あ る 。請 求 人 は 、法 第 2 条 第 1 4 項 の
規 定 を 違 法 と す る 根 拠 条 文 と し て い る が 、同 規 定 は 地 方 自 治 運
営 の 基 本 原 則 を 規 定 し た も の で あ り 、こ の 規 定 か ら 直 接 的 に 町
長の交際費の支出についての具体的な義務を導き出すことは
で き な い も の と 解 す る の が 相 当 で あ り 、交 際 費 は 職 務 執 行 上 の
交 際 に 費 消 さ れ る も の で あ っ て 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸
脱 し て い る か 否 か を も っ て 判 断 す べ き も の と さ れ て い る 。社 会
通 念 上 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し て い る か 否 か に つ い て は 、行 政 事 務
及 び 事 業 と 会 合 等 の 関 連 性 、接 遇 の 必 要 性 、接 遇 の 相 手 方 の 身
分 及 び 地 位 、接 遇 の 内 容 等 か ら 判 断 す べ き で あ り 、職 工 組 合 へ
の 交 際 費 の 支 出 は 、い ず れ も 、町 政 に つ い て の 理 解 を 求 め る 機
会 と し て 捉 え 、各 種 行 政 分 野 に 関 す る 情 報 、意 見 交 換 や 意 思 疎
通 を 目 的 と し た も の で 、社 会 通 念 上 の 儀 礼 の 範 囲 を 逸 脱 し た 交
際 費 の 支 出 に は 当 た ら な い も の と 判 断 す る 。ま た 、交 際 費 の 額
に つ い て は 、執 行 基 準 に 基 づ い て 5 千 円 を 限 度 に 支 出 し て い る
も の で あ り 、交 際 費 と し て の 支 出 に は 違 法 性 、不 当 性 は な い も
のと解する。
4
町長に対する監査委員の意見
町 も 社 会 的 実 態 を 有 す る も の と し て 活 動 し て い る 以 上 、町 の 事 務
を 遂 行 し 対 外 的 折 衝 等 を 行 う 過 程 に お い て 、町 長 が 各 種 団 体 等 の 主
催 す る 行 事 に 列 席 す る こ と や 、そ の 際 に 交 際 費 か ら 祝 い 金 を 主 催 者
に 交 付 す る こ と な ど の 交 際 を す る こ と に つ い て は 、町 長 に 一 定 の 裁
量権があるものと考えられている。
そ れ ゆ え に 、復 興 事 業 の 進 展 を は じ め 、行 政 に 対 す る 町 民 の 関 心
が 高 ま っ て い る 昨 今 、事 務 事 業 の 遂 行 に 当 た っ て は 、町 民 に 対 す る
説 明 責 任 を 果 た す と と も に 、行 政 運 営 の 透 明 性 を 高 め る こ と が 求 め
られている。
特 に 、交 際 費 は そ の 使 途 が 町 民 の 誤 解 を 受 け や す い 経 費 で あ る こ
と か ら 、支 出 に 当 た っ て は 、そ の 必 要 性 や 妥 当 性 等 を 十 分 に 検 討 の
上 、町 長 交 際 費 の 執 行 に 関 す る 基 準 に 基 づ き 、引 き 続 き 適 正 な 執 行
に 努 め ら れ た い 。ま た 、町 長 交 際 費 の 執 行 に 関 す る 基 準 は 、平 成 1
5 年 4 月 1 日 の 制 定 以 来 、平 成 2 4 年 1 2 月 1 日 ま で の 間 に 社 会 経
済 状 況 の 変 化 に 応 じ て 4 回 の 見 直 し が な さ れ て い る が 、今 後 も 、社
会 経 済 の 動 向 に 留 意 し 、変 化 が 生 じ た と き は 検 討 を し 、見 直 し を さ
れるよう要望する。