平成 27 年 9 月 30 日 石川県信用農業協同組合連合会 ＪＡバンク石川における地域密着型金融の取組状況（平成 26 年度） ＪＡバンク石川（石川県下ＪＡと石川県信用農業協同組合連合会）では、農業と 地域社会に貢献するため、地域密着型金融の推進に取組んでおります。 平成 26 年度の地域密着型金融の取組状況について取りまとめましたので、ご報 告いたします。 １ 農山漁村等地域の活性化のための融資をはじめとする支援 （ＪＡバンク石川の農業メインバンク機能強化への取組み） ＪＡバンク石川は、地域における農業者との結び付きを強化し、地域を活性化す るため、次の取組みを行っています。 （１）農業融資商品の適切な提供・開発 ＪＡバンク石川は、各種プロパー農業資金を提供するとともに、農業近代化資 金や日本政策金融公庫資金の取扱いを通じて、農業者の農業経営と生活をサポー トしています。 平成 27 年 3 月末時点において、ＪＡバンク石川の農業関係資金残高 （ 注 ） 23,335 百万円を取扱っています。 （注）農業関係資金とは、農業者および農業関連団体等に対する貸出金であり、農業生産・農業経営 に必要な資金や、農産物の生産・加工・流通に関係する事業に必要な資金等が該当します。 【営農類型別農業資金残高】 単位 百万円 27 年３月末現在 農業 穀作 野菜・園芸 果樹・樹園農業 工芸作物 養豚・肉牛・酪農 養鶏・鶏卵 養蚕 その他農業 農業関連団体等 合計 7,558 2,162 659 114 1 261 60 0 4,301 15,777 23,335 【資金種類別農業資金残高】 種 プ 農 １ ロ 業 農 業 そ の 類 パ ー 制 度 近 代 化 他 制 度 合 計 単位 百万円 27年３月末現在 資 金 資 金 資 金 資 金 20,404 2,931 1,702 1,229 23,335 プロパー資金とは、ＪＡ原資の資金を融資しているもののうち、制度資金以外のものをいいます。 1 ２ 農業制度資金には、①地方公共団体もしくは日本政策金融公庫の資金をＪＡバンク石川が転貸で融 資するもの、②地方公共団体等が利子補給等を行うことでＪＡが低利で融資するものを対象としてい ます。 ３ その他制度資金には、農業経営改善促進資金(スーパーＳ資金)や農業経営負担軽減支援資金などが 該当します。 【農業資金の受託貸付金残高】 種 単位 類 27年３月末現在 2,105 日本政策金融公庫資金 合 百万円 2,105 計 ＪＡでは、窓口として日本政策金融公庫資金の受託貸付金を取り扱っています。 （２）担い手のニーズに応えるための体制整備 ＪＡバンク石川では、地域の農業者との関係を強化・振興するための体制整備 に取組んでいます。 農業融資担当者が、営農・経済担当者と連携しながら、農業融資に関する資金 提案活動や経営相談対応等を実施しています。また、本店には農業融資の実務リ ーダーとして「担い手金融リーダー」を配置し、農業融資担当者の活動をサポー トしています。 （３）事業間連携の強化 農業者の多様なニーズに応えていくため、営農・経済部門との合同研修会の開 催や農業者への同行訪問等により、ＪＡ内事業間連携を強化するとともに、県域 段階においても事業間連携の取組みを行っています。 【具体的取組】 ① 農業融資研修等の開催 農業者の経営支援等に必要となる基礎知識習得を目的として、農業融資・ 担い手・営農・経済担当者合同農業融資研修等を開催しております。 ② 農業経営アドバイザー試験への取組み 担い手に対する資金提案活動等を推進するための人材育成の取組みとして、 農業経営アドバイザー試験受験を推奨しています。 第 19 回 3 名、第 20 回 9 名、計 12 名合格 （平成 27 年 3 月現在 61 名保有） ＪＡ加賀 ＪＡ小松市 ＪＡ能美 ＪＡ松任 ＪＡ金沢中央 ＪＡ金沢市 ＪＡ石川かほく ＪＡはくい ＪＡ志賀 ＪＡ能登わかば ＪＡおおぞら 石川信連 基金協会 4名 10 名 9名 8名 1名 9名 4名 3名 3名 1名 2名 6名 1名 2 ③ メイン強化先へのＪＡ訪問対応 将来的な地域農業の担い手として関係を強化・再構築すべき農業者をメイ ン強化先として位置付け、定期的に訪問活動を行っています。 1,415 先 15,242 回訪問 ④ 全農農機事業との連携 ＪＡ全農いしかわが開催した「2014 農機サマーフェスタ」（Ｈ26.7.18）に て、来場者に対してＪＡバンクが取り扱う各種農業資金のＰＲを行いました。 （４）６次産業化に向けた農商工連携の推進 ＪＡバンク石川では、ＪＡバンク富山、福井県ＪＡバンクおよびＪＦマリンバ ンクと連携し、農林水産業の事業力・収益力強化のため、商談会・ビジネスマッ チングにより、６次産業化に取組む農業者の農商工連携に取り組んでいます。 【商談会等開催状況】 セミナー名 ＪＡ・ＪＦグルー プ北陸商談会 ２ 開催日 主催者 H27.1.21 ＪＡバンク富山 ＪＡバンク石川 福井県ＪＡバンク ＪＦマリンバンク 参 加 団体数 内容 45 団体 ＪＡ、ＪＦ、北陸 3 県の農 林水産業関係者による、販 路拡大を目的とした商談 会。 あわせて商品企画力向上 セミナーを実施。 担い手の経営のライフサイクルに応じた支援 ＪＡバンク石川は、担い手をサポートするため、ライフサイクルに応じて、次の 取組みを行っています。 （１） 新規就農者の支援 ＪＡバンク石川では、新規就農者の経営と生活をサポートするため、青年等就 農資金等を取り扱っています。 【新規就農者をサポートする資金の取扱い実績】 単位 件，百万円 平成 27 年３月末 残 高 平成 26 年度 実行件数 平成 26 年度 実行金額 青年等就農資金 2 4 4 就農支援資金 6 31 99 合計 8 35 103 注） 「青年等就農資金」は平成 26 年度に取扱開始となった公庫資金。 「就農支援資金」は平成 26 年度までの旧制度に基づく制度資金。 （２） 認定農業者の支援 ＪＡバンク石川では、経営規模拡大等、農業者の経営をサポートするため、農 業近代化資金等を取り扱っています。 3 【認定農業者をサポートする主な資金の取り扱い実績】 単位 件，百万円 平成 27 年３月末 残 高 平成 26 年度 実行件数 平成 26 年度 実行金額 農業近代化資金 57 293 1,218 農業経営基盤強化資金 （スーパーＬ資金） 21 297 1,447 合計 78 590 2,665 （３） 事業承継にかかるサポートについて 後継者等への事業承継をスムーズに行うことができるよう、事業承継にかかる 相談を承っております。 （４）経営不振農家の経営改善支援 ＪＡバンク石川では、負債整理資金の対応にあたり、特別融資制度推進会議を 通じて関係機関と協議するなど、農業者の経営再建に向けて取組んでいます。 （５） アグリサポート利子助成事業 農業バックアップ資金、農業経営改善促進資金、アグリビジネスローン、農業 近代化資金の貸付金利息を助成しております。 平成 26 年 1～12 月分助成実績 1,373 件 14,314 千円 （６） ＪＡバンク石川講演会・セミナー等の開催 ＪＡバンク石川では、異業種の経営者等を招いた講演会および情報交換会を開 催し、異業種間の情報交流を促進しています。 【平成 26 年度 ３ 講演会・セミナー開催実績】 講演会名 参 加 対象者 参 加 団体数 主催者 内容 第 41 回アグリファンドサロン （平成 26 年 6 月 7 日） 農業経営者 会員外 51 名 アグリファンド石川 （信連事務局） 講師：河智 昭彦 題目： 「安全配慮面からみた人材管理 のすすめ」 第 42 回アグリファンドサロン （平成 26 年 12 月 4 日） 農業経営者 会員外 185 名 アグリファンド石川 （信連事務局） 講師：手嶋 龍一氏 題目： 「アジア半球の時代と日本の針 路～地方創生の牽引力・石川 を考える～」 第 38 回アグリファンド石川 通常総会基調講演 （平成 27 年 2 月 17 日） 農業経営者 会員外 46 名 アグリファンド石川 （信連事務局） 講師：中村 太郎氏 題目： 「石川県酒造組合連合会の取組 みについて」 経営の将来性を見極める融資手法を始め、担い手に適した資金供給手法の提供 ＪＡバンク石川では、担い手の経営実態やニーズに適した資金の提供に努めてい ます。 4 （１） 負債整理資金による軽減支援 ＪＡバンク石川では、農業者の債務償還負担を軽減し、経営再建を支援するた め、負債整理資金を取り扱っています。 【平成 26 年度負債整理資金の貸出実績】 資金名 実行件数 単位 件，百万円 平成 27 年３月末 残高 実行金額 農業経営負担軽減支援資金 15 畜産特別資金 6 98 その他 214 258 合 計 6 98 472 ・ 農業経営負担軽減支援資金は、営農に必要な資金を借り受けたために生じた負債の借換えのための制 度資金であり、ＪＡなどの融資機関において取り扱っています。 ・ 畜産特別資金は、過去の負債の償還が困難な畜産経営者に対する長期・低利の借換資金であり、ＪＡ などの融資機関において取り扱っています。 （２） 経営安定化に向けた支援 ＪＡバンク石川では、平成 26 年産米の天候不順による米価下落および等級悪 化等に伴い懸念される稲作農業者の減収に対する経営安定化対策として、新たに 「稲作農業者に対する経営安定化対策資金」を制定し、担い手に対する支援に取 り組んでいます。 平成 27 年 3 月末現在 109 件 218,470 千円 ４ 農山漁村等地域の情報集積を活用した持続可能な農山漁村等地域育成への貢献 ＪＡバンク石川では、地域社会へ貢献するため、次の取組みを行っています。 （１） ＪＡバンク食農教育応援事業の展開 ＪＡバンク石川は、地域の小学生の農業に対する理解を促進するため、農業 体験学習の受入れ等に取組んでいます。 【ＪＡバンク食農教育応援事業による活動内容】 ＪＡ名 活動名 ＪＡ加賀 ＪＡ根上 ＪＡ能美 ＪＡ松任 ＪＡののいち ＪＡ白山 ＪＡ金沢中央 ＪＡ金沢市 ＪＡ能登わかば あぐりスクール 丸いも農業体験学習 さつまいも栽培体験 ミニトマトクラブ 朝ごはんを食べよう 食農教育普及活動 いもほり体験 森と田んぼの学校 わかばキッズクラブ 活動内容 さつまいも等定植・収穫 丸いも植付け・収穫 さつまいもの定植・収穫、調理 ミニトマト定植・収穫 バケツ苗定植活動 人参の定植・収穫 さつまいも収穫 田植え体験、収穫 農業体験、調理 （２） ＪＡバンク教育活動助成 5 子どもの農業や自然環境等に対する理解を促進することを目的として、子ども に対する食農教育・環境教育等の活動における費用に対して一部助成を行ってお ります。 平成 26 年度上期 14 件 1,328 千円（8ＪＡ） 平成 26 年度下期 8 件 5,918 千円（2ＪＡ・石川信連） （３） ＪＡバンク教材本贈呈事業の実施 子どもへの食農教育・環境教育等の活動を通じて農業の理解を広げることを 目的として、ＪＡバンク石川では「ＪＡバンク教材本」を県内の全小学校 226 校に贈呈しております。 （４） 「クリーンビーチいしかわ」への協賛・参加 ＪＡバンク石川は、環境保全に取組む「クリーンビーチいしかわ」に協賛し、 毎年金沢市内で実施される海岸一斉清掃にボランティア参加しております。 （５） 「いしかわ次世代産業創造ファンド」等への出資 石川県が創設した「いしかわ里山創成ファンド」、「いしかわ産業化資源活用 推進ファンド」、「いしかわ次世代産業創造ファンド」、「いしかわ農業参入支援 ファンド」に、ＪＡバンクを代表して信連が基金の一部を出資しており、地域 農業振興、新ビジネスの創出・育成支援等の観点から取組みを応援しておりま す。 （６） 「第 37 回ＪＡバンク石川くらしの絵コンクール」の開催 「くらしと農業」をテーマに、子どもたちがくらしを見つめることで正しい 生活感の醸成を図るとともに、美術教育の振興を目的として、昭和 53 年より毎 年開催しております。 優秀作品については、平成 26 年 10 月開催の「石川の農林漁業まつり」会場に おいて展示するとともに、入賞者の表彰を行っております。また、優秀作品の冊 子を作成し、入賞者をはじめご応募いただいた小・中学校へ配付しました。 （７） 「第 26 回ＪＡバンク石川ジュニアサッカー大会」への特別協賛 少年サッカーの普及と少年の健全な育成を目的として、平成 26 年 10 月、小 松市スカイパークこまつ翼グラウンドにおいて、第 26 回ＪＡバンク石川ジュニ アサッカー大会を開催しました。 （８） 「第 10 回ＪＡバンク石川年金友の会グラウンド・ゴルフ県大会」の開催 高齢者の親睦融和と健康増進を図るため、平成 26 年 10 月、かほく市高松グ ラウンド・ゴルフ場において、第 10 回ＪＡバンク石川年金友の会グラウンド・ ゴルフ県大会を開催しました。 （９） 「年金相談会」の開催 各種年金受給手続きや、老後のくらしの相談等に応えるため、社会保険労務 士による年金相談会を開催しております。 （１０）節電・省エネへの取組 (社)いしかわ環境パートナーシップ県民会議が行う、 「エコチケット」事業（い 6 しかわ家庭版環境ＩＳＯ）への寄付（協賛）を行っております。 また、当会事務所の空調の設定温度管理やエレベーターの稼働数を抑えるな どの取組みを行うとともに、空調設備や照明機器は電力消費の少ないものへの 更新を行っております。 （１１）情報発信 子どもたちへの食農教育活動等を定期的に新聞等に広告掲載し、広く地域に PR しました。 以 7 上
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