平成27年度税制改正～財産債務調書の導入～

平成２７年度税制改正～財産債務調書の導入～
平成２７年度税制改正により、財産債務明細書について、次の見直しが行われ、新たに財産債務調書として整備
されました。その改正の概要についてお知らせいたします。
所得税・相続税の申告の適正性を確保する観点から、下記の事項について見直しが行われました。
●提出基準の見直し
●記載内容の見直し
●過少申告加算税等の特例
（１）
提出基準の見直し
提出基準（改正前：所得２．０００万円超）が見直され、「所得２．０００万円超」かつ「総資産３億円以上
または有価証券等１億円以上（１２月３１日時点）」とされます。
※ 「有価証券等」の範囲は国外転出した場合の譲渡所得等の特例の対象資産と同様です。
（２）記載内容の見直し
記載内容が見直され、国外財産調書と同様の記載内容とされます。
財産の詳細を時価で記載します。
財産債務調書には、提出者の氏名・住所（又は居所）に加え、財産の種類、数量、価額、所在並びに債務
の金額等を記載することとされています。
（財産及び債務に関する事項については、「種類別」「用途別」（一般用及び事業用）「所在別」に記載する
必要があります。）
＜例＞
不動産・・・所在地別に記載
有価証券等・・・銘柄別に記載
価額は原則として時価（見積価額も可）で記載することとされます。
※ 国外転出をした場合の譲渡所得等の特例に活用する観点から、有価証券等については、取得価額も併
記します。
（３）過少申告加算税等の特例
国外財産調書と同様、財産債務調書の提出の有無等により、所得税又は相続税に係る過少申告加算税
等を加減算する特例措置が講じられます。
加算税の加減算によるインセンティブ措置が導入され、所得税・相続税の申告漏れがあった場合、次の取
扱いとなります。
・財産債務調書に記載がある部分については過少（無）申告加算税を５％軽減する（所得税・相続税）
・調書の不提出・記載不備に係る部分については、過少（無）申告加算税を５％加重する（所得税）
＜適用時期＞
この改正は平成２８年１月１日以後に提出すべき財産債務調書について適用されます。
＜提出時期＞
財産債務調書は、その年の翌年の３月１５日以後までに所得税の納税地の所轄税務署長に提出する必要が
あります。なお、財産債務調書の提出にあたっては、別途、「財産債務調書合計表」を作成し、添付する必要が
あります。

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