LGBT を知るための月刊情報誌 2015 年 1 月号 (通巻第 118 号) 発行者：みちよサッフィズムって何？皆さん、あけましておめでとうございます。みちよです。今回はサッフィズムという言葉についてお話させていただきます。 Sapphism( サッフィズム ) とは女性の同性愛、すなわちレズビアンを意味します。これは Ψάπφω(サッフォー)さんという女性の詩人に由来しています。サッフォーさんは古代ギリシア時代にレスボス島で活躍された詩人で、恋愛を多く題材としました。そのため、キリスト教により不健全なものとされ作品の多くが処分されてしまい、素晴らしい作品であったにも関わらず、そのかなりの量が葬り去られたと言われています。そしてサッフォーさんが学校を設立し貴族の娘の少女たちを集めて詩や音楽、踊りなどを教えていたことを槍玉にあげ、同性愛者だと決め付けてキリスト教に反する罪人だと非難し貶めたのです。ここで生まれた誤解が、『サッフォーさんのような』という原意の Sapphic(サフィック)、そしてサッフィズムという言葉を生みました。サフィックは女性同性愛者を、サッフィズムは女性同性愛を意味する言葉として使われ始めたのです。そして、お気づきの方も多いかと思いますが、サッフォーさんの生まれ故郷でもあるレスボス島、これがレズビアンの語源です。つまり、サッフォーさんが住んでいたレスボス島の人＝女性同性愛者という曲解から、『レスボス島の人』を意味する Lesbian(レズビアン)という言葉が女性同性愛の意味で使われるようになった訳です。実際はレスボス島の方が皆レズビアンなんてことはありませんし、サッフォーさんもレズビアンではありませんでした。というようにとんでもない語源を持つサッフィズム／レズビアンですが、レスボス島はエーゲ海の風光明媚な島、サッフォーさんはその島での素晴らしい詩人ということで、美しい言葉としてそれはそれでありがたく使わせて頂いて良いのではないでしょうか。それに、今となっては語源を知らない方も多く、この言葉が使われなくなることも無いでしょうから。