出生前診断 <NEWS の概要> 妊婦の血液からダウン症など胎児の染色体異常を 日時:平成 27 年 1 月 27 日(火) 文責:樋高 慎之介 調べる新出生前診断について、診断した病院グルー プは 27 日、昨年4月の開始からの1年間に 7740 人 が利用し、「陽性」と判定された 142 人の妊婦のう ち、羊水検査などで異常が確定したのは 113 人だっ たと発表した。このうち 97%にあたる 110 人が人工 妊娠中絶をしていた。このうちダウン症の異常が確 定した人が 69 人で、その他が 41 人。異常が確定し た後も妊娠を継続している人もいる。 病院グループは、日本医学会の認定を受けて実施 している国内 37 医療機関の実績を集計した。7740 人が診断を受けたのは昨年4月から今年3月。受診 者の平均年齢は 38.3 歳で、妊娠週数は 13.3 週だっ た。出産時に 35 歳以上が目安となる「高齢妊娠」を 理由に診断を受けた人が9割以上を占めた。 受診者の 1.8%に当たる 142 人が陽性と判定され、 このうち 126 人が羊水検査などの確定診断を受け た。診断結果が「異常あり」だったのは 113 人。内 訳はダウン症が 70 人、心臓疾患などを伴う異常は 43 人だった。一方、新出生前診断で「陽性」と判定 され、その後の確定診断を受けないまま中絶した妊 <調べたこと> 母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査(以下、 新型出生前診断と記載)とは、妊婦さんの血液の中に 含まれている胎児のDNAを、最新の医療技術を用い て、胎児の 13、18、21 番染色体の数が正常であるか、 増加する異常を持っているかどうかを調べます。 従来の採血による母体血清マーカー検査に比べて精 度が非常に高いですが、確実に診断できるわけではあ りません。 検査の結果が陽性と診断された場合は、羊水検査や 絨毛検査などの侵襲的検査によって確定診断をする必 要があります。 一方で陰性と診断された場合には、胎児がこれらの 染色体の異常を持つ可能性は極めて低く、流産リスク のある侵襲的検査を避けることができます。 (http://urx2.nu/gDUA 参照) 米国では,高齢出産で,異常児出生の危険が高いと予 想されたのに,出生前診断をうける勧めを医師が怠ったた めに染色体異常児を出産し,育児しなくてはならなくなった という訴訟があり,医療サイドが敗訴したという.日本で は,39 才の母親から生まれたダウン症児について出生前 診断がなされなかったとして訴訟されたケースで,『妊婦か 婦が2人いたほか、1人は陽性との判定結果を知る らの相談や申し出がない場合,産婦人科医師が積極的に 前に中絶していた。受診前に遺伝カウンセリングを 染色体異常児出産の危険率や羊水検査について説明す 受けたが、診断自体を取りやめた人も複数いたとい べき法的義務があるとは認められない.妊婦からの申し出 う。 があった場合でも,産婦人科医師には検査の実施などを (http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2703S_X 20C14A6CC1000/より抜粋・改変) <感想など> 生まれてくれば、自殺する事は絶対に良くないと言 すべき法的義務があるなどと早計に断言できない.』とし て,医師に過失はないとの判例(H9.1.24,京都地裁)が出 た。 (http://www.shinshu-u.ac.jp/hp/bumon/gene/geneto pia/basic/basic5.htm 参照) われる中で、まだ生れぬ命は本人の意思ではなく、 <次回の人のテーマ・理由> 自分ではない誰かの意思によって、破棄される。と 身体障害 考えれば、殺人ともいえる行為なのかなど、改めて 知的障害≠ダウン症 生命倫理の難しさを実感した。 生きていく上での壁 なくならない差別意識
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