【 子どもの創造力に脱帽 】

平成27年度
№37
平成28年3月18日
【年度の重点目標】 仲間と共に 地域の中で 学び合う子
【 入小と紫式部 】
平安時代中期の作家 紫式部(生没年未詳:1000年前後?)が書いた「源氏物語」
は、登場人物430余名、54帖、400字原稿用紙2,400枚にも及ぶ長編小
説です。一人一人の個性が分かるように、また、他の登場人物との関わり合いを描
き切る文章力は、並大抵ではありません。世界各国語に翻訳されていることからも、
日本の古典文学を代表する名作と言われる所以でしょう。
写真は「ヤフージャパン」で検索
○「朝の放送の時、
(放送原稿の)ファイルを見せに行くと、
『がんばってください。
』
などと温かいメッセージを言ってくれて、すごくうれしかったです。
」
○「佐渡修学旅行でバナナボートから落ちた時に、冷静に対応してくださり、ありが
とうございました。
」
○「全校集会でいろいろな実験をしてくれて、いい経験になりました。
」
これは、先日6年生からもらった「校長先生へのメッセージシート」に書かれてあっ
た中の言葉のいくつかです。(他の職員も同様に作成したものをもらいました。)
校長の私が6年生と直接関わる機会はそう
多くありません。月1回の全校集会や学校行
事、たまに行う授業参観、4年生以上が順に
行う朝の放送当番(原稿を書いて校長が点検
する)も2か月に1回しかありません。
おそらく、メッセージを書くに当たって、私との関わりを必死に思い出したのでしょ
う。でも、私の意識の及ばない場面をとらえたものもあって、
「へぇー、そんな風に感じ
てたのか。
」と、その観察力にも驚きました。小さな「紫式部」がここにいました。
私にとって教員の仕事の中で憂鬱なものの一つは、
「通知表の所見書き」でした。日々接している子
どものことを書くのですが、これが意外と難しい。長所もあれば短所もあります。子どもは日々成長し、
様々な教育活動があります。したがって、同じ子どもであっても、1学期と2学期では当然違い、一つ
として同じ文章はあり得ません。
そんな子どもたちの姿をとらえ、なおかつ保護者が読んで分かるような所見にするは、かなりの努力
が要りました。60歳定年退職までの間、一人の教員が書く所見の数を計算してみました。担任する1
学級の児童数を30人、1・2・3学期の3回書く、担任在任期間を37年の教員がいたとすると、
30人×3回×37年間=3,300人分
です。
これに、入小の所見の文字数(45字×5行=225字)を当てはめると、教員生活の中で書く所見
の文字数は、3,300×225字=742,500字となり、400字詰め原稿用紙1,856枚分
にもなります。文字数では及ばないものの、登場人物数では源氏物語をはるかに超える分
量を書きあげる「紫式部」がここにもいました。