WEBデータベースの導入

WEBデータベースの導入
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はじめに
データベース*1というと、一見難しそうですが、実はすでに我々が日頃使っ
ている電話帳なども立派なデータベースといえるわけです。 年末になると
おなじみの年賀状ソフト*2の住所録などもこのデータベースを利用していま
す。
会社でPCをあつかう場合、商品や物件、あるいは顧客など各種リストが存
在すると思いますが、このリストこそデータベースなのです。 このデータベ
ースを有効活用することが重要なのは、皆さんもおわかりになっているはず
ですが、「じゃあ、実際どうやって使うの?」というところで利用が進まないケ
ースが多いようです。
*1データベース:用語辞典的
にいえば、データの入力・更
新・検索などの手順を提供
し、情報の集中管理を実現
するもの。人間の記憶もデー
タベースなのだそうです。い
ろいろな情報が蓄積され検
索されているわけですね。う
まくいかない場合(物忘
れ?)もありますが。
*2年賀状ソフト:年賀状の宛
先を登録しておくと、次々印
刷してくれるソフト。筆まめ
(株)クレオ、宛名職人(株)ア
ジェンダなどが有名。
というのもこれまでデータベースというと、専門のコンピュータ技術者が必要
で、かつ高価で、しかも利用するのにも専門知識がいるというように思われ
てきたからです。
同業のホームページや、よく使うオンラインショップ*3のサイト*4でデータベ
ースが使われているのをご覧になったことはあると思います。データベース
になっているとサイトを訪れるお客様にとっては、検索がしやすい、多くの商
品や店舗などの中から選択ができるなどのメリットがあります。 同時に管理
する側も、基本となるデータの追加修正や削除をするだけでいちいち
HTML*5を編集する必要もなくなります。
お客様から見ると、データベースらしいページを見ると、そのサイトの信頼度
もあがるようです。情報の更新がいいかげんだと浮気性のネットユーザー*6
はすぐに他のサイトへジャンプしてしまいます。
データベースをホームページに取り入れると、いろいろな利点があるわけで
す。
*3オンラインショップ:インタ
ーネットを利用して通信販売
をしているお店。
*4サイト:本来はインターネッ
トに接続されているコンピュ
ータのことを指しますが、最
近では、ホームページをサイ
トと呼ぶことも多くなりました。
「貴社サイトを見てメールしま
した」と使います。
*5HTML:ホームページを作
成するための言語。本来は
こうしたHTMLをひとつひとつ
書き込んでホームページを
作成するが、このタグという
記述方式を覚えるのがけっ
こうたいへん。
*6ネットユーザ:インターネッ
トの利用者。15年度の通信
白書では、インターネット利
用人口は6942万人。国民の
2人に1 人が利用していま
す。
データベースってなに?
データベースとは、市販の解説書などによれば、整理分類されたデータの
集まりのことを言うそうです。 たとえば人材データベースといえば、職種や
年齢、職能、住所などで分類された各個人のデータを集めたものということ
になります。
不動産屋さんだったら、管理している賃貸物件のデータベース、本屋さん
だったら店頭にある書籍や雑誌のデータベースというのが存在するわけで
す。 製造業ですと、作った製品のデータベースだけでなく、使用している設
備や工具類のデータベースもありますし、材料となる部品のデータベースと
いうのもあるわけですね。
データベースを使うメリットは一番には検索*7があります。 キーワードなど
で検索すると探しているものがすぐ出てくる。 台帳を1ページずつ探していく
のとスピードの面や見落としのミスなどの面でたいへん効率があがります。
*7検索:データベースという
山から必要な情報を取り出
すこと。たとえば「浅草」、「夏
祭り」とキーワードを入れて
検索すると、「ほおずきまつ
り」のデータが表示される。
もうひとつメリットをあげると管理がしやすいということにあります。 新しい情
報があったらそのまま追加すればよいですし、変更のあったデータ(売却さ
れてしまったマンションのデータとか)は削除すればもう誤って出てくることは
ありません。
ではデメリットはどうでしょうか? データベースは確かに作成するのに専
門家の知識や技術が必要です。 パソコンレベルでもマイクロソフトのアクセ
ス*8というソフトを使うと従来よりは容易にデータベースを構築できるようにな
りましたが、誰にでも使いこなせるというわけにはいかないようです。
そうすると専門家を探してやってもらうということになり、コストが発生します。
規模にもよるのですが、その構築費用*9は、だいたい100万円以上はしま
す。 そのようなコストをかけて、はたしてうまく活用できるだろうかという迷い
があるのは当然です。
*8アクセス:マイクロソフト社
製のデータベース作成ソフ
ト。MicrosoftOfficeに含まれ
ている。
*9構築費用:データベースシ
ステムの構築の費用。デー
タベースシステムを構築する
には、データベースエンジン
と呼ばれる基本的な
ソフトウェア(オラクルとか
SQLというもの)の購入と、そ
れを使ってデータの出し入
れの画面の設計作業、実際
にデータを入れ込むなど
の作業が必要です。ソフトウ
ェアの購入だけで数百万円
になることすらあります。設
計費用も同様です。
ホームページで活用するデータベース
ホームページは企業のカタログであり営業マンです。 このホームページに
最新の情報が載っていないというのではあまり意味がありません。 また、
手持ちの商品データベースをすべて載せられないとか、載せてあるけど検索
などができないのでは、ホームページとしてのせっかくの効用が薄れてしま
います。 もちろん、プロ*10に依頼すればいいのですが、コストもさることなが
ら、構築するまでの手間がけっこうかかります。
データベースを構築にあたっては、ヒアリング*11という作業をへて、技術者
にこちらの目的やどのような項目を表示するかなど詳細を伝えます。 ここで
問題なのは、相手がデータベースという技術の専門家であって、貴社の商品
やサービスなどに関してはズブの素人という点です。 できあがってきたもの
を見て、「えっちょっと違うぞ」ということを経験された方も多いのかもしれませ
ん。 したがって、思った以上に時間がかかり、場合によっては半年1年なん
てざらなんですね。 コストはかかる、時間もかかる、こちらの手間もかかる
では問題なわけです。
*10プロ:コンピュータ販売会
社、印刷屋、広告代理店、い
ろいろな業種がプロを称して
います。資格とか許認可事
業ではないので、誰でもプロ
になれる業界です。(そうい
う意味では当社もそうで
す)、ほんとうのプロかどうか
という点は実績とか姿勢とか
で見抜くしかないですね。
*11ヒアリング:具体的にど
のようなデータを、どのよう
に活用するためにデータベ
ースを作るのかということを
取材することを言います。メ
ールでおこなうことも対面で
おこなうこともあります。
あるサイトを見ていたら、ある日使っているデータベースが変わっていた、
なんていうことはよくあるわけです。 しかも「前のほうが使い勝手はよかった
よね」なんてことが...とくに複数のデータベースを統合したリレーショナル
データベース*12というのがあるのですが、これがまた一般のユーザーには
理解しにくいようです。 技術的にむづかしいというよりも、やりたいこと、提
供したいことがうまく表現できないケースのほうが多いようです。
それでもホームページにデータベースがあると大きなメリットがあります。
ユーザからの評価も上がりますし、営業マンなどもそれを活用して、たとえば
携帯電話でそのデータベースを検索*13 して、訪問するお客さんの内容を確
認しておくとか、お客さんに聞かれてその場で情報検索をするとか、これまで
*12リレーショナルデータベ
ース:データの結合を容易に
したデータベース管理方式
の1つで、キーとなるデータ
(管理番号や名前など)を利
用して、異なるデータを結合
することが容易にできる。
*13携帯電話でそのデータベ
ースを検索:現在ほとんどの
携帯電話には「インターネッ
のホームページと違った効用を期待できるようになります。 お客さんから見
ても信頼度がグンとあがるわけです。
ト接続」機能がついています
ので、携帯電話でもデータを
検索参照できるサイトを構築
できます。
一般的なデータベースをホームページに導入する方法
まずデータベースのエンジン*14と呼ばれるプログラムを用意します。 これ
はフリー(無料)のものから商用向けに販売されているものまでいろいろなも
のがあります。 フリーのものは、無料*15 ですが、その分、慣れた人でない
と設定は難しいでしょう。 商用のものも簡単にできるものはありますが、基
本的にはデータベース設計に関する知識がないとむづかしいかもしれませ
ん。
なにより、ライセンス費用*16が結構高い場合が多く、我々のような業者側で
も導入に躊躇するケースが多いんです。
そして、データベース構築のプロと、どんな検索をしたいのか、検索結果が
どのような形で表示されるようにしたいのか、相談の上、設計をおこないま
す。 さらに実際のデータをそろえ、データベースに登録します。 これはテキ
スト形式のファイル*17 にして登録する方法などがあります。
サーバーはどうするか。 サーバーはインターネットで使う場合はほとんど
がホスティング*18 と呼ばれるレンタルサービスを使用することが多いようで
す。 ここにこのデータベースのプログラムとデータを登録しないといけませ
ん。 単純にホームページを持つだけですと、今でしたらどこのホスティング
事業者でも大丈夫なのですが、データベースを入れるとなると限定されま
す。 実際、データベースのファイルの大きさにより借りるサーバーのディス
ク容量も計算しないといけません。
次のような条件を満たす業者を選択してください。
(ちなみにDMLの提携サーバーはこれらの条件を満たしています)
・データベースエンジンを設置することを許可している
・CGI*19などのプログラムを利用できる
・ディスクの容量増が柔軟に対応できる
・バックアップが万全である
・接続されているバックボーン(インターネット)回線が太い
・iDC*20に設置されているなどファシリティがしっかりしている
データベースが使えるサーバーとなるとやはり最低でも月額10,000円くらい
のものが多いようです。 専用サーバーといって、1社で1 台利用する方式
(一般的なホスティングは1台を共用で使用)だと、月額50,000円くらいです。
この違いは検索させるスピードやセキュリティの面と考えてください。 乗り合
いバスとハイヤーの違いですね。
こういった手順でデータベースを導入し、現在保有しているホームページと
連携させていきます。
大体ですが、初期に100万円から500万円くらい、毎月1万円から5万円くら
*14データベースエンジン:デ
ータベースを作成したり検索
したりする基本プログラム。
フリー(無料)のものでは
MySQL、PosgreSQLなどが
有名。商用ではORACLE、
MS SQLなどがある。
*15無料:なぜ、無料かという
と理由はいろいろあります。
著作者が正式なサポートを
しないためあえてお金をとっ
ていないとか、便利だから広
く一般に使ってほしいとかさ
まざまです。ただ、だから劣
るということはありません。
企業が販売しているものより
も高品質なものもたくさんあ
ります。
*16ライセンス費用:ソフトを
使用する時に開発者(社)に
支払う使用料金。ショップで
販売されているソフトも購入
代金にそのライセンスが含
まれています。
*17テキスト形式のファイル:
テキストとは文字のこと。文
字だけで構成されているファ
イル、たとえば文字だけの文
書はテキストファイル。
*18ホスティング:業者が用
意したサーバー機器を顧客
に貸し出すサービスのこと。
ユーザーが自社で用意し、
回線を接続するとコストが高
くつくが、業者の用意したも
のをいわば「間借り」すること
になり、安く利用できる。基
本的な管理は任せられるの
で、サーバーが止まらな
いか休日に出勤、なんてこと
はない。現在企業のサーバ
ー利用はホスティングが主
流となっています。
*19CGI:ホームページで動
作させるプログラムで来場者
数を表示するカウンタなどが
いい例。
*20iDC:インターネットデータ
センターの略。サーバーを設
置するための設備で、空調
完備、無停電対策、セキュリ
ティなどが施されている。
いのコストになるわけです。 初期費用をリースで導入した*21 場合、月額2
万円から10万円ですので、月額最低3万円は必要になります。 しかも、プロ
に構築してもらったデータベースは簡単にいじれない場合が多いんですね。
*21リースで導入した場合:リ
ース金額(月額)の算出は5
年リースの場合、トータル金
額の約2%、3年の場合は3%
前後となる。
項目の追加とか削除とか検索の方法を変えるとか、こういった作業はすべて
外注費用になります。
そのときは「これでいこう!」と思いながら、結局、運営してみるとここをああ
したいとかこういうデータベースのほうがよかったとか必ずあるんですね。
一般的にデータベースに手が出ないというのはこういったコストや手順の問
題が大きいわけです。
簡単にデータベースをホームページに導入するには
同業他社のサイトにデータベースがうまく活用されていて、自社にはないと
いうのはさびしいではないですか。
気軽にデータベースを導入でき、コストもお安い、という話があったらどうさ
れますか?
ここからはDMLが提供している「WEBデータサービス」*22 というサービスを使
って、簡単にWEBデータベースを導入する方法についてご説明いたします。
①どのようなデータベースを作成するかのプランニング
②データを日頃使い慣れたエクセル*23 などのOA ソフトで作成する
③そのデータをDMLにお送りいただく
④初期データベースが完成
⑤データベースの改良点を検討
⑥データベースを改造
⑤∼⑥の作業を繰り返し、時間をかけてお客様の納得のいくシステムを構
築していこうという考え方です。 最初から100%のものを望まず、お客様の反
応なども考えながら、トライ&エラーを繰り返し、より使いやすいデータベース
を作り上げていきます。 また、その間に発生する費用も月々の管理費だけ
ですからお客様のご負担もウンと軽減されます。
OA ソフトとして定番のマイクロソフト・エクセル
マイクロソフトのエクセルは表計算ソフトともいわれ、表を作成し、そのデー
タを並び替えたり、計算式を入れて計算を自動的にさせたりとたいへん使い
勝手のいいソフトウェアです。 現在一般のオフィスでは、ワープロソフトのワ
ードと表計算ソフトのエクセルは必ずと言っていいほど利用されています。
顧客管理であれば、顧客名や住所、電話番号、生年月日、家族構成、購
入履歴などを表に入れていきます。 ワープロソフトが使えればちょっと慣れ
れば使いこなせます。 計算式を埋め込むと、数字を入れると自動計算をし
*22WEBデータサービス:
月々\50,000∼(年間契約)の
管理費で初期導入費用もな
し...最初は簡単ものから
徐々に高機能のシステムへ
移行していく画期的なサービ
スです
*23エクセル:マイクロソフト
社の表計算ソフト
の名称。表計算ソフトとは表
を作成し、その表
にいろいろな計算式を埋め
込ませ、集計など
に使いやすいようにするソフ
トウェア。住所録
を作ったり、設備管理台帳を
作ったりいろいろ
な表を作成する業務に最
適。次項で詳述。
てくれます。 電卓でたたいて結果を入力ではなく、ソフトの方で計算してくれ
るわけです。 データを入れなおすとそのまま再計算もしてくれます。
事務所のデスク上でなされる仕事のかなりの割合のものがエクセルで処
理が可能です。
ところが、このエクセルは表をどんどん作っていくにはよいのですが、あく
までも表のため、大量のデータを管理するにはスクロール*61 をおこなう必
要があり、一覧性や検索性にかける部分が多いんですね。 それを補うため
にはエクセルの機能を十二分に使うと可能になります。 「マクロ」*62 という
機能を使うとちょっとしたデータベースのような使い方はできるんです。 ただ
し、その機能などを使いこなすにはけっこう習熟しないと難しいし、決定的な
問題はWEB上では使えないということです。
ただし、WEBデータベースといってもデータの集まりですから、その元となる
データを作るときにこのソフトは大変役に立ちます。
実作業としてはエクセルなどで作成したデータファイルを利用してデータベ
ースを構築していきます。 エクセルで表を作成し、それを保存する際に
*24CSV ファイル:カンマ区
切りファイルと呼ぶテキスト
形式のファイルです。住所録
でいえば、郵便番号、住所、
氏名、電話番号、年齢といっ
たデータを順に、カンマで区
切った形で保存します。
CSV*24 という形式でファイルを保存します。(これは簡単です)
WEBデータサービスのプランニング
実際にWEBデータベースを構築していく場合に、このプランニングの作業
は大変重要です。 データベースで使用するデータの扱いを考えるわけです
が、たとえば、商品販売の場合、各商品にIDを振ったり、どのような項目で検
索したいかなど、現在の日々の営業活動とも深くかかわってきますので場合
によっては大変な時間や労力を要する場合もあります。
もちろん、データベースの規模やレコード数*25などにもよりますが、あるク
ライアントの場合、このプランニングだけで半年以上かかったこともありま
す。 ただし、このシステムの場合、データベースの変更も可能ですからまず
はシンプルなものからという考えで行けば、2∼3ヶ月で最初のシステムを構
築できる場合が平均的なようです。
その後、いろいろな角度から検討し、改良を重ねていけば、満足のいくシス
テムが完成していくはずです。
ホームページをより人間的に
一般的にホームページの構成を考えると、まず、トップページというホーム
ページの 顔みたいなページがあるわけです。 こちらの会社のイメージを示
す場所ですので、代表的なイメージ、たとえば主力商品の写真や本社ビルな
どを使って、カッコいいページを作ります。 同時にここは入り口でもあるわけ
ですから、次ページ以降のメニューともいうべきリンクが貼られています。
*25レコード:商品リストの場
合商品数がレコード数とな
る。
仮にワインを販売している会社があるとすると、ページとしては会社概要、
事業紹介、スタッフ(経営者含む)紹介、会社(店舗)の場所とかがあります。
もちろん、メインとなるのは商品であるワインの紹介です。 取り扱っている
ワインが10 種類とか40 種類くらいであればホームページを作成していけば
いいわけですが、これが100 品目 とか1000 品目なんてあるととてもページ
をいちいち作成していてはたいへんです。
たとえば、商品の成分表示方法が輸入もとの関係で変わり、すべてのホ
ームページを変更*25 しないといけない、なんていうことがあるとこれはたい
へんな作業になるわけです。
この部分をデータベースを取り入れると、ページをすべて作成するわけで
はなく、お客さんが「イタリア」、「赤ワイン」と検索するとイタリアの赤ワインの
リストが検索抽出されて並ぶわけです。 さらにそのリストから適当なワイン
を選択すると詳細が見られるというようにできます。
この検索方法もデータベースですと、データの入れ方でいろいろな表現を
もたらすことが可能です。 つまり、データとして用途とか雰囲気とかお薦め
度というような項目をいれておくと、検索で「彼女のプレゼントに」とか、「店長
のおすすめ」といったキーワード*26 を入れるとそれにしたがってワインが出
てくるわけです。 単なる商品一覧 よりおもしろいですよね。 データベース
には会社やお店のノウハウ的なものも入れられるわけです。 お客様にとっ
てはちょっと違う、気が利くサイト*27 となる可能性が大きいんです。
一方管理する側も便利になります。在庫がなくなったワインは表示しないよ
うにしたり、あるいは削除したりするのは簡単にできます。為替レートの関係
で価格が変わったりしても、元データを修正すればページを修正するよりも
はるかに容易に速く対処可能です。
ウェブデータベースの活用事例
■不動産会社(賃貸)
来店者向けや営業マン用に利用。 現在では外向けにホームページでも
データベースを公開。 夜中も検索できるため、これまでとは違った層の問い
合わせが増えてきている。
また、社内用には仲介した顧客の管理もおこない、新しい賃貸物件の紹
介や別事業の携帯電話の販売、インターネットサービスの販売に活用してい
る。
喜ばれているのはコストと労力が大幅に削減できたこと。 これまではア
ルバイトを数名おいてデータの入力と修正をおこない、ページ自体は外注費
がかかっていた。 エクセルは社内で使える人間が多いので、そこでデータ
*25ホームページを変更:前
述のHTMLを覚えてホームペ
ージのソースを書き換えると
いう作業が必要です。ソース
というのはHTMLで書かれた
記述でホームページの素と
なっているファイルです。
HTML の知識がないのに
下手に触るとホームページ
のレイアウトが変わったりし
ます。ここでいうホームペー
ジの変更はたくさんの商品
のページを一度に修正し
ていく力仕事になり、単純作
業を何度も繰り返さないとい
けないわけです。ミスがあれ
ば再度同じ工程を繰り返し
ます。
*26キーワード:商品名を指
名してくるお客さんならいい
のですが、通常のショッピン
グでも、少し甘めのワインと
か、さっぱりめとか聞きます
よね。ホームページでそのよ
うなやりとりができるといいと
思うんですよ。検索する際に
入力するのがキーワードで
す。
*27気が利くサイト:当然、デ
ータベースを作る際にその
キーワードが含まれていな
いといけないわけです。逆に
いうと、店主のノウハウをこ
こに溜め込むことができるわ
けですね。項目を細分化し
「甘辛度」、「用途目的」、「す
っきり度」、「濃厚度」、「プレ
ミア度」、「コストパフォーマン
ス度」などにわけ、その中に
キーワードを入れ込むとい
いのかもしれません。
をまとめ、登録するだけで使えるので、新しい利用方法を社内で考え実行で
きる点を評価している。
■メディア通販
DVD、ビデオ、CD などメディアのインターネット通販を行っているが、以前
は、数千種類のデータを卸会社からテキストデータでもらい、ワープロソフト
を使いウェブページ*28に変換していた。
現在は、卸会社から、CSV ファイルをもらうようにして、それをデータベー
ス化、付随するデータを当社で入力し、検索性を高めている。
入り口で「熟年におすすめ検索」とか「新曲予約特集」、「インディーズ検
索」など特色のある検索メニューを登録し、他者との差別化をはかっている。
毎月のデータ変換作業から開放されたのは大きい。 また、検索サイトを
置いたことにより、以前はヒット曲など偏りがあったが、注文されるジャンル
が広がってきている。 今後は卸会社にデータを入れてもらうような仕組みを
作りたいと考えている。
■飲食店チェーン
多店舗展開をしているが、本部としてのホームページを作成するのにとどま
っていた。各店舗も特徴を出すようにしている中、ホームページの活用は労
力的に無理ときめていた。お客様の声から各店舗の場所とか駐車場の位置
などがわかるものはないかと聞かれるようになり、せめて地図だけでもとペ
ージを作成したが、けっこうコストがかかり*29 、今後のサイト運営に悩んでい
た。
現在では各店舗の情報をデータベースで提供、おすすめメニューや店舗ご
とのイベントも各店長が情報を追加、更新*30 するようにできるようになった。
顧客管理にもつなげており、レジ横のパソコンでお客様の会員番号を入力、
前回の来店日時を認識した上でスタッフが声をかけるようにしている。
携帯電話でも見られるので、お客様向けのニュースを作成し、見てもらうよう
にしている。
■中古車販売店
お客様がクルマで来店すると、担当営業が携帯電話で登録番号を入力して
検索、登録されて顧客の場合はそれで名前やいつごろ利用したか、車検時
期などを認識した上で 出迎える。現在はこのようなCRM*31的な活用をしてい
る。リピータが増えることを期待している。
*28 ウェブページ:ホームペ
ージのこと。厳密にいうとウ
ェブサイトがあって、そのペ
ージのことをウェブページと
いう。以前はホームページ
とは自分がいつも最初に見
るページのことを言ったらし
い。なお、ウェブサイトの最
初のページはトップページと
いう。けっこう、人によっては
解釈が混同されているので
おおらかな気持ちで会話し
ましょう。
*29 けっこうコストがかかり:
10 店舗あるところでは1 箇
所30,000 円とすると300,000
円、100 箇所あれば,000,000
円、修正、更新すればさらに
コストはかかる。
*30 各店長が情報を追加、
更新:現在、情報をネットで
得る人はどんどん増えてい
ます。
電話で聞くよりネットで調べ
てからという人、ほんとに多
いんですね。各店長がネット
を使って自分の店の情報を
発信し、アピールすることは
とても重要だと思いますよ。
携帯電話も有効に 使うとい
いですよね。あるお店は1 年
間で3000 人のメールアドレ
スを集めて、客の入りの悪い
日に、8 時まで入店なら生ビ
ールと焼き鳥3 本無料!と
やって、40 人集めていまし
た。
*31 CRM:カスタマーリレー
ションシップマネージメントの
略で、単なる顧客管理とは
違う顧客との関連性をさらに
持たせるための工夫と でも
いうものでしょうか。顧客満
足というものを大きな目的で
あり、動機とする仕組みだと
思います。
数回しか行っていない店で、
自分をおぼえてくれている店
員には誰だって好感もちま
すよね。商売に結びつく原点
かもしれませんよね。
とはいえ、よほどの人でない
とすべてのお客さん覚えら
れません。データベースにア
クセス(携帯ならいつでもこ
っそり見れます)して、思 い
出せばいんです。