GPC分析の特徴について One Stop Satellite Laboratories. 利点 ・平均分⼦量および分⼦量分布の測定が可能。 ・迅速かつ簡便な測定法。 注意点 ・通常の検出器(RIやUV等)による測定の場合、得られる値はすべて「標準物質換算の相対値」となります。 このため、2サンプル以上測定し、数平均分⼦量、重量平均分⼦量、多分散度の値や分⼦量分布曲線を算出し、 ⽐較するのが⼀般的です。 GPC分析の原理・測定(標準物質およびサンプルの測定) 【分離原理/カラム内】 カラムに充填された粒状ゲルの細孔により、 サンプル溶液中の分⼦サイズが以下の原理で分離されます。 溶離液 溶解 サンプル (固体や液体) ・分⼦サイズが⼤きいものは細孔に⼊らず、はやく流れる ・分⼦サイズが⼩さいものは細孔に⼊りながら、ゆっくり流れる 溶離液中における 分⼦サイズ ⼤きい はやい ⼩さい ゆっくり サンプル溶液 注⼊ 細孔 粒状ゲル 検出器 ポンプ 検出 カラム(粒状ゲル充填) サンプルの流路 溶離液 廃液 【測定結果(1):標準物質】 ⾼分⼦量 【測定結果(2):サンプル】 溶離液中における分⼦サイズの分布が クロマトグラムとして得られます。 サンプルのクロマトグラム (分⼦サイズが⼤きいものから溶 出) 較正曲線 標準物質 低分⼦量 溶出時間[分] 株式会社DJK e-mail: [email protected] 検出強度 LogM (分⼦量の対数) 予め、分⼦量が既知である標準物質(PS、PMMA、 PEOが⼀般的)を測定し、較正曲線 (時間[分] v.s. 分⼦量の対数)を作成することで、ある溶出時間に おける分⼦量が分かります。 分⼦サイズ ⼤きい 分⼦サイズ ⼩さい 溶出時間[分] tel: 045-473-0186 GPC分析の測定結果まとめ・解析結果 One Stop Satellite Laboratories. ・結果チャートには、①〜③ が記載されます 【測定結果まとめ】 ①サンプルのクロマトグラムと較正曲線の重ね書き 検出強度 較正曲線 サンプルの クロマトグラム 低分⼦量 LogM (分⼦量の対数) ⾼分⼦量 分⼦サイズ ⼩さい 分⼦サイズ ⼤きい ※平均分⼦量および多分散度について ⾼分⼦は、分⼦量の異なる分⼦の混合物でる為、 平均値は計算⽅法によって異なる結果となります。 ⼀般的に平均分⼦量は、 数平均Mn および重量平均Mw で表され、 下式で定義されています。 Mn 重量平均分⼦量 (重量分率で表⽰される 平均分⼦量) (M Mw (M 溶出時間[分] 解析 ※解析結果は、標準物質換算の相対値となります。 ② 平均分⼦量 ・ Mn (数平均分⼦量)、 ・ Mw (重量平均分⼦量)、 ・ Mw/Mn (多分散度) など平均数値化 ③ 分⼦量分布曲線 (結果チャートには、下記2曲線の重ね書きが表⽰) 微分分布値 dW/d(Log M) ・ 微分分⼦量分布曲線 i Ni ) 2 i i Ni ) Mw Mn 低分⼦のように単⼀分⼦であれば、 Mn と Mw が⼀致し、⾼分⼦になるにつれて、 分布を持つため、Mn < Mw となります。 分布の広がりは、多分散度Mw/Mnで表さ れ、Mw/Mnの値が⼤きいほど分布が広く、 ⼩さいほど分布が狭くなり、1 に近いほど 分⼦量のばらつき幅が⼩さくなります。 Mn値 は低分⼦量体、Mw 値は⾼分⼦量体 の影響を受けやすい為、低分⼦量体および ⾼分⼦量体が多くなれば、多分散度は⼤きく なります。 ※平均分⼦量と微分分⼦量分布曲線の関係 低分⼦量 ⾼分⼦量 Log M (分⼦量の対数) ⼀般的に、Mn、Mw、Mp(ピークトップ分⼦量)は、 Mn ≦ Mp ≦ Mw となり、微分分⼦量分布曲線との関係は、 下図のようになります。 ・ 積分分⼦量分布曲線 Mp 微分分布値 dW/d(Log M) 積分分布値 Int. Mw% i i 多分散度 【解析結果】 (M N ) N 数平均分⼦量 (数分率で表⽰される 平均分⼦量) 低分⼦量 ⾼分⼦量 Log M (分⼦量の対数) 株式会社DJK e-mail: [email protected] Mn Mw 低分⼦量 ⾼分⼦量 Log M (分⼦量の対数) tel: 045-473-0186 GPC分析の平均分⼦量の算出について One Stop Satellite Laboratories. GPC測定による平均分⼦量の算出は、得られたクロマトグラムから、下の関係式により算出されています。 数平均分⼦量 (M N ) H N (H /M ) Mn i i i i i i (M N ) (H M ) Mw (M N ) H 2 重量平均分⼦量 i i i i i i i 「MnおよびMwの算出⽅法の違い」と「クロマトグラムから平均分⼦量の求め⽅の概要」について説明します。 【MnおよびMwの算出⽅法の違い】 例)分⼦量100,000が2本 総分⼦数→ 分⼦量50,000が5本 分⼦の総重量→ 分⼦量10,000が4本 N =2+5+4=11 i (M N ) i (M i 2 i =100,000×2+50,000×5+10,000×4=490,000 N i ) =(100,000)2×2+(50,000)2×5+(10,000)2×4 =32,900,000,000 サンプルのクロマトグラム (分⼦サイズが⼤きいものから溶出) (M N ) 490,000 44,500 11 N 検出強度 Mn i i i 分⼦サイズ ⼤きい (M N ) 32,900,000,000 67,100 Mw 490,000 (M N ) 2 分⼦サイズ ⼩さい i i i i 溶出時間[分] 【クロマトグラムから平均分⼦量の求め⽅(概要)】 i 番⽬における溶出時間の⾼さ(Hi)を 分割点 (H /M ) 分⼦量(Mi)で割った値 (Hi/Mi) の総和 i 検出強度 Mi i 分割点 i 番⽬における溶出時間の⾼さ(Hi)の総和 H i Hi クロマトグラム ベースラインを引き、 ピークを分割(分割点を作成) 溶出時間[分] LogM (分⼦量の対数) 較正曲線 分割点 i 番⽬における溶出時間の⾼さ(Hi)と 分⼦量(Mi)をかけた値 (Hi*Mi) の総和 (H M ) i Mn i H i (H /M ) i Mw i (H M ) H 株式会社DJK e-mail: [email protected] i i i tel: 045-473-0186 ⾼分⼦材料における分⼦量情報の有⽤性 ⾼分⼦(ポリマー)材料の分⼦量情報は、⽣産プロセスと密接な関係があり(下図参照)、 例えば、 ● 材料の成形時における品質確認 ● リサイクル製品の妥当性確認 ● 使⽤環境による経年劣化の原因調査 分⼦量(MW:Molecular weight) における重要な因⼦となっております。 粉砕→添加 重合物 (粉末、ペレット) 混合物 (ペレット) 成形品 劣化品 up 原料 (モノマー) down プロセス ⾼分⼦材料の⽣産プロセスと分⼦量 ⾼分⼦材料の分⼦量の測定⽅法 ⾼分⼦材料の⼀般的な分⼦量測定⽅法は、下表を参照ください。 分⼦量測定⽅法 分⼦量情報 当社対応 ゲル浸透クロマトグラフィ (GPC) 数平均、重量平均分⼦量、分⼦量分布 相対値 ○ 溶液粘度法 粘度平均分⼦量 相対値 △ 浸透圧法 数平均分⼦量 絶対値 × 光散乱法 重量平均分⼦量 絶対値 × 株式会社DJK e-mail: [email protected] tel: 045-473-0186 One Stop Satellite Laboratories.
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