スフェロイドの増殖曲線作成 (ATP assay)

Application Note No. 11
スフェロイドの増殖曲線作成
(ATP assay)
目的
NanoCulture Plate を用いた 3 次元培養における細胞増殖曲線の作成法を紹介します。スフェロイドの増殖
アッセイでは、試薬の細胞膜透過性等の問題で様々な制限が存在します。SCIVAX ライフサイエンスでは、
最も簡便で、再現性及び精度が高い方法として ATP assay を推奨しています。ここではヒト肝臓がん細胞
株 HepG2 を事例として紹介します。
試薬材料
1. 細胞

HepG2
: ATCC Cat# HB-8065TM
培地
: EMEM supplemented 10%FBS and antibiotics
2. 試薬

(FBS は非働化してください)

CellTiter-Glo® Luminescent Cell Viability Assay
: Promega Cat# G7570
3. 材料

NanoCulture Plate MS pattern, 低接着, 96-well
: SCIVAX LS Cat# NCP-LS96 (4 枚:測定日ごとに 1 枚ずつ必要)
4. 機器

発光プレートリーダー
: TECAN infinite M200 又は同等品
実験例
【3 次元培養】
① 培地 50 µL/well を NCP に添加する。
② 1,000xg で 5 分間遠心する(気泡除去のため)
。
③ 安全キャビネット内又は CO2 インキュベータ内で 15 – 20 分間静置する(ボトムのマイクロパター
ン内に発生したマイクロバブルの除去のため)
。
④ HepG2 懸濁液を調製する (密度:2x105 cells/mL, = 1x104 cells/50 µL)。
⑤ HepG2 懸濁液を NCP に播種する (1x104 cells/50 µL/well)。

トータル培養液量は 100 µL/well となります。

ピペットチップでボトムに傷を付けないように注意してください。その部分だけ単層
培養になるなど培養状態に影響する可能性があります。
SCIVAX Life Sciences, Inc., Kawasaki, Kanagawa, Japan, http://www.scivaxls.com
SCIVAX USA Inc., Woburn, MA, USA, http://www.scivaxls.com/EN
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⑥ 播種した細胞が沈んでボトムに接着するまで 20 – 30 分間、安全キャビネット内で静置する。
⑦ エッジ効果を低下させる目的にウェル間の間隙に滅菌水 約 100 µL を添加する。
⑧ 5%CO2, 37℃でインキュベートする。
⑨ 播種 1、3、5 及び 7 日後に顕微鏡での形態観察及び ATP 濃度測定を行う。
【CTG 試薬の調製】
⑩ CTG Buffer 及び CTG Substrate を混合した後、小分けして-20 で冷凍保存する。
⑪ 使用時に解凍する。
【検量線検体の調製】
⑫ ATP 標準液の希釈系列を水で調製する。
⑬ 培地 (90 L) 及び CTG reagent (100 L) を実サンプルの入った NCP のブランクウェルに添加する

ATP assay は環境温度の影響を受けやすく、実サンプルと同じプレートに検量線サンプ
ルをおくことを推奨します。

培地中の ATPase により ATP が分解することから、培地及び CTG 試薬の混合液を ATP 標
準水溶液に添加することを推奨します。
⑭ ATP 標準液を⑬に添加する。
【ATP assay】
⑮ CTG reagent (100 L) を NCP に添加する。
⑯ プレートミキサーで 10 分間攪拌後、37℃で 20 分間静置する。
⑰ 発光測定する。
⑱ 検量線検体の ATP 濃度に対して発光量をプロットして検量線を作成し、実サンプルの ATP 量を算
出する。
結果
Cell Proliferation Curve of HepG2 and Microscopic Images
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