鋼材の残留応力を考慮したプレス成形解析

Simulation on Steel Sheet Forming Process Considering Initial Residual Stress
鋼材の残留応力を考慮したプレス成形解析
Shizuoka University, Kunio Hayakawa
静岡大学 早川 邦夫
Abstract / アブストラクト
圧延・熱処理による鋼材内の残留応力は,鋼材の平坦度不良を引き起し,平坦化のた
めに必要な矯正工程にて再度付与される.この残留応力の製造部品形状精度への影響
は,成形時の形状や部位によっては無視できない問題と考えられる.
本研究では,鋼板が矯正工程で受ける繰返し負荷による残留応力の考慮が,プレス成形
解析結果にどのように影響するかを調べた.矯正工程を繰返し 4 点曲げにより模擬した実
験を行い,その表面残留応力状態を同様の解析により評価する.その後,プレス成形実
験および解析を行い,成形後の残留応力測定とその数値解析結果との比較を行った.数
値解析における残留応力の高精度予測については,矯正工程やプレス成形工程におい
て多く見られる,曲げ・曲げ戻しの変形に伴う繰返し塑性変形を高精度に表現できる材料
構成則が必要であるが,ここでは YU モデルを用いた.