家畜保健衛生だより 平成21 年度 乳牛の暑熱対策について 乳牛は、採食した飼料を第 1 胃という大きな発酵槽で分解しており、それに伴う熱生産 があるため、多少の寒冷には強いものの、暑熱に対しては非常に弱い家畜です。 乾乳牛では29∼32℃、泌乳牛では26∼27℃を越えると生理的にダメージを受け 始めます。特に、泌乳量が多い牛ほど暑さの影響を受けやすいので、十分注意が必要です。 いよいよ夏本番です。いま一度暑熱対策を見直しましょう。 1.熱源を減らす ・日除けやひさしの設置、庇陰樹、よしず、寒冷紗の利用により直射日光、反射光を防 ぐ。 ・屋根、天井、壁への断熱材の利用、屋根への散水、石灰塗布などにより輻射熱を抑 える。 ・牛そのものや糞が熱源となることから、飼養密度を少なくし、除糞をこまめに行う。 運動場がある場合は夜間放牧を行う。 2.舎内温度を下げる ・牛舎の窓、戸の開放とあわせて、送風機、ダクトファンなどを設置して、舎内の温度・ 湿度を下げる。 ・牛舎構造、周辺環境によっては大型送風機を利用し、畜舎内をトンネルに見立てた トンネル換気、開放的な牛舎では送風機を一列に並べたリレー式換気により舎内の温 度・湿度を下げる。 ・ 3.体感温度を下げる ・送風機、ダクトファンを利用して牛体に直接風を当てる。 ・細霧装置と送風機を利用して牛体を冷却する。 ・飲水量が制限されないよう、飲水設備の改善や連続水槽を設置し、新鮮な冷水が十 分に摂取できるようにする。 ・毛刈りをこまめに行うことで、牛体からの蒸散を促進する。 4.飼料管理の改善 ・乾物摂取量低下防止のため、良質な飼料の少量・多回給与、粗飼料の細断、飼槽のこ まめな清掃による飼料の腐敗防止、ミネラル給与や緩衝剤の利用などを行う。 ・牛の立場になって、カウコンフォートを含む基本的な飼養管理を点検する。 再生紙 環境標語:身体も、堆肥もよく手入れして、周囲の印象さわやかに! 神奈川県県央家畜保健衛生所 本所 東部出張所 〒243−0417 海老名市本郷3658 Tel:(046)238-9111 Fax:(046)238-9124 〒226−0015 横浜市緑区三保町2076 Tel:(045)934-2378 Fax:(045)934-5432 使用
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