議事録PDF:657KB - 東北歴史博物館

平成26年度
東北歴史博物館協議会議事録
日時 平成27年2月5日(木)
午後1時30分~3時15分
場所 東北歴史博物館 大会議室
出席者・委員
株式会社河北新報社取締役編集本部長
多賀城市芸術文化協会会長
多賀城市父母教師会連合会会長
亘理郡亘理町立荒浜小学校校長
仙台市立上杉山中学校校長
宮城学院女子大学学長
宮城大学事業構想学部・大学院
事業構想学研究科教授
次
1 開会
2 開会の挨拶
太田
巌
菊池 すみ子
河野 優子
齋藤
博
須藤 由子
平川
新
宮原 育子
第
宮城県教育委員会教育長
髙橋 仁
(東北歴史博物館館長事務取扱)
3 委員及び事務局職員紹介
4 議事
(1)平成26年度事業報告
(2)平成27年度事業計画
(3)こども利用促進に向けた取組の推進(こどもプロジェクト)
(4)東北歴史博物館中長期目標達成自己評価(中間報告)
(5)その他
5 閉会の挨拶
東北歴史博物館 副館長 濱田 毅
6 閉会
(配布資料)
資料1 「平成26年度事業報告」
資料2 「平成27年度事業計画」
資料3 「東北歴史博物館『こどもプロジェクト』
」
資料4 「平成26年度東北歴史博物館中長期目標達成自己評価(中間報告)」
1~3 記載省略
4 議
事
議
長:今日はお忙しいところ、お集まり頂きましてありがとうございました。震災から丸四
年が経とうとしておりまして、この博物館も震災の影響をいろいろと受けております
けれども、まだ全部が解消できたわけではないですが、少しずつということになると
思います。こういう時代のなかで博物館がどうやってしっかりと社会的な役割が果た
せているか常々自己点検し、また外部からの意見を組み入れて行く必要があります。
1
これは博物館だけではなくてどの組織でもそうですが、今日の資料にありましたけれ
ども、博物館の中長期目標・自己評価というような博物館独自の評価方法が始まりま
して、これによって常に自己点検して、また外部評価についてはこの協議会がそうい
う役割を担わせて頂いております。そのようなことを認識しながら、博物館が今後ま
すますいい方向に発展していけばいいと思いますので、みなさんどうぞ宜しくお願い
たします。それでは、これは公開ですから傍聴希望者はいらっしゃいますか。
情サ班長:本日はおられません。希望者はおりませんでした。宜しくお願いします。
議
長:それでは議事に入っていきますけれども、平成26年度事業報告を事務局からお願い
いたします。
副 館 長:それでは平成26年度事業報告についてご説明させていただきます。
(説明の概略)
【平成26年度事業報告】
(資料1・1~8頁)
1 企画展示事業(1~3頁)
(1)常設展示
・総合展示として通年、総合展示室で旧石器時代から近現代までの東北地方の歴史を、
館蔵資料・借用資料等を用いて展示。
・テーマ展示は館蔵資料を中心に3室で、考古・民俗・美術工芸・歴史の分野、コレク
ションを今年度は16のテーマでそれぞれ展示を実施。
・映像展示は機器故障のため平成25年5月から上映を中止。なお、当映像展示室につ
いては、平成27年度予算で機器を刷新して展示を再開する予定。
・今野家住宅
今年の1月13日から、震災で被災した箇所などについての修繕工事のため、内部を
非公開。
(2)特別展示
・
「日本発掘」展は、昨年5月31日から7月9日までの34日間開催。当展は平成24・
25年度に全国の発掘調査で発掘された優れた資料と、今回が20回目の記念開催で
あったことから、過去19年間に紹介された資料のなかから、特に注目を集めた逸品
を展示。また当館の地域展として、震災後県内各地での復興支援による発掘成果も紹
介。観覧者数は9839人。
・
「家電の時代」展は、7月26日から9月28日までの57日間開催。当展は、家庭電
化製品について明治・大正期からデジタル家電が主流となる平成以前を対象とし、そ
の時代的変化を人々の生活の変化を交えながら紹介。また当展は「こどもプロジェク
ト」の一環として、小学生の親子連れを主なターゲットとして、小学生の近現代史・
生活史に関する啓発がねらい。観覧者数は目標の2倍以上の18649人。
・
「みちのくの観音さま~人に寄り添うみほとけ~」展は、現在開催中。1月24日から
3月12日までの41日間開催予定。当展は他地域と比べ、殊の外篤い東北各地の観
音信仰について観音像をはじめとした多彩な文化財を一同に公開し、その全貌に迫ろ
うとするもの。震災復興祈念特別展と位置づけ、福島県立博物館との共同特別展とし
て開催。目標観覧者数は12000人。
(3)その他の展示事業
・昨年10月から11月には、国立民族学博物館との共催による「みんぱくおもちゃ博
覧会」展、京都大学ミュージアム連携との共催による「大学は宝箱!~京都・大学ミ
ュージアム連携の底力~」展を開催。
2 教育普及事業(3~5頁)
(1)施設運営
①こども歴史館
小学校団体利用者数は、ほぼ震災前の水準に回復。
2
②図書情報室
昨年12月末で2853人の利用者数で、昨年度より25人減少。
③今野家住宅
昨年12月末で25508人の観覧者数で、昨年度より2594人増加。
(2)催事運営
それぞれ博物館講座や体験教室、多賀城跡めぐり、民話を聞く会、体験イベントを実
施。なお一部訂正があり、資料4頁の催事運営の体験教室の参加人数について、Bの
2月開催予定ではなく、これは昨年10月11月に開催済み。前年度と同月期で40
人増。また昨年は6回ではなく7回開催。
(3)その他の教育普及事業
学校教育との連携による出張授業・出張体験教室、職場体験生徒の受入、ボランティ
ア研修、芸能上演会などを実施。
3 調査研究事業(5~6頁)
考古・民俗・歴史・美術工芸・建造物・保存科学の6分野で、東北地方を視野に入れ
た調査研究活動を継続して実施。成果は研究紀要や定期的なれきはく講座で公開。
4 資料管理事業(6~7頁)
(1)資料の収集・利用
実物資料の購入はなし。旧工芸指導所関係資料として、産業工芸品の試作品ほか92
9点を寄贈。その他、今泉隆雄前館長から6965件の図書を寄贈され、今後図書情
報室に配架・公開。
(2)保存環境・保存処理等
収蔵庫・展示室の環境確保、遺跡等の出土資料の保存処理を実施。
5 東日本大震災対応(7~8頁)
(1)文化財レスキュー事業関連活動
石巻市・東松島市・岩沼市などの被災資料について、一時保管や保存処理、経過観察
などを実施。
(2)博物館機能の再興
文化庁の被災ミュージアム再興事業を活用し、当館の今野家住宅・浮島収蔵庫の修繕
工事に着手。
(3)他機関との連携
①宮城県被災文化財等保全連絡会議
当館が代表幹事兼事務局として、被災資料の保全・修理等への支援などの活動を指導。
②県内復興関連発掘調査協力
県文化財保護課が行う復興関連の発掘調査へ考古分野職員1名を年間を通して派遣。
6 その他(8頁)
(1)予算
12月現形予算については表のとおり。
(2)入館者統計
3
12月末で1万3877人増。家電の時代展が大変好調であったこと、おもちゃ博・
大学は宝箱展が好評であったことが大きな要因。
(3)友の会
賛助会員・家族会員・普通会員・学生会員全てで421人の個人団体数。活動状況は
記載のとおり。
【
「入館者数 年次統計一覧」について】
平成26年度は12月末の数字。これから1月から3月の3ヶ月間を越えると13万5
000人前後になるものと思われ、震災前の数値は確保。
議
長:13万5000人は今年度ですか。
副 館 長:12月末に大体あと1万数千人で到達する予定です。
議
長:これは無料の部分を入れて、ということですね。
副 館 長:はい。
議
長:今、平成26年度の事業報告についてお話いただきましたが、これについてみなさん
いかがでしょうか。入館者がだいぶ増えているようですが、企画の内容によって変わ
るのでしょうか。
副 館 長:先程もご説明しましたが、家電の時代展が大変好調でした。ちょうど夏休みの期間で
家電というのは誰もが興味関心ですか、お子さんとお父さん、おじいちゃんおばあち
ゃん家族ぐるみで来ていろいろな思いを伝えたり、昔の話を伝えたりと大変好調で、
口コミで広まったようでございます。それが第一点と、それとおもちゃ博、京都の大
学の各博物館のお宝を展示した企画ですけども、ちょうど10月10日前後から11
月まで開催していたのですが、その期間だけで大体8000人から9000人入った
のですけれども、ちょうどうちの特別展がないにしても、ここ数年秋にやっている他
の年と比べても、今回の方が多かったです。いつも特別展をやっても8000人前後
だったのですけども、今年は9000人くらい入ったということで結構好評だったと
思います。先程お話ししたとおりですが家電の時代展はやっぱり企画が良かった、夏
休みも良かったと思います。
議
長:企画もそうですけども、子供たちをターゲットにしたのがやはり大きいのですかね。
毎年子供向けの企画がどの程度できるのかというのもありますけれども、博物館って
いうとどうも明治以前というようなイメージですが、戦後の企画が中心となってくる
と、現代史も博物館の展示の対象になるということで、非常に良かったなと思います。
それで評価を受けたということで、こういう斬新な企画をこれからもお願いします。
いかがでしょうか。
齋藤委員:私も夏休みとか開会の時に来たんですけども、非常に分かりやすい展示で、子供たち
と参加者の様子も見てましたが、親子で三世代で来て対話をしている姿なども見られ
ました。おじいちゃんおばあちゃんの子供の頃は洗濯はこうやっていたよ、というよ
うに。企画が一番良かったのではないかと思います。なお大学は宝箱展は、ちょうど
仙台市が2期制をとっておりますので、1学期の終わりと2学期の初めの、いわゆる
秋休みも少しかかったので、それも少し参加者の増加につながったのかなと思いまし
た。以上です。
議
長:他にいかがでしょう。こういう子供向けの企画の場合は小中学校とかに特別な広報と
かなさっているのでしょうか。
副 館 長:特別展全てについて、県内の小中学校にはチラシを配っております。
企画部長:県内小学校の4年生から6年生まで全員に配っております。
議
長:一人一枚ずつということですね。他によろしいでしょうか。それでは平成26年度事
業報告は終わりにして、次の平成27年度事業計画についてご説明をお願いします。
副 館 長:それでは説明させていただきます。
4
(説明の概略)
【平成27年度事業計画】
(資料2・9~14頁)
1 企画展示事業(9~11頁)
(1)常設展示
・総合展示は例年どおりの展示。
・テーマ展示は、考古・民俗・美術工芸・歴史関係について13のテーマで展示。
・映像展示室については、平成25年5月から使用休止。平成27年度予算が認められ
れば、この夏頃までに機器を更新して、無形民俗文化財などを映像で紹介する予定。
今後は時宜に応じ新たな映像コンテンツを作成・上映する計画。
・今野家住宅については、長期修繕工事が予定され、12月末まで内部公開は休止。工
事の節目で一般の方やボランティアを対象とした工事見学会・建物見学会を計画して
おり、営繕担当や施工業者およびボランティアの会と調整中。
(2)特別展示
・
「医は仁術」展を4月18日から6月21日までの57日間開催予定。河北新報社と東
北放送などと共催で、江戸時代の貴重な解剖図などの資料ほか医療道具なども展示し、
中国から伝わった漢方と西洋から伝わった蘭方が日本で独自に発展し、人々を救って
きたかを探るもの。観覧料金は一般1200円、シルバー1000円、高校生・小中
学生500円。目標観覧者数は3万2500人。
・
「徳川将軍家と東北」展を7月11日から8月23日まで44日間開催予定。江戸時代
の政治的な頂点に立って時代を主導した徳川将軍家の歴史と東北の関係という視点で
読み解くもの。目標観覧者数は1万3500人。
・
「日本のわざと美」展を9月12日から10月18日までの32日間開催予定。人間国
宝と呼ばれる重要無形文化財保持者や団体の技と美を紹介。目標観覧者数は6000
人。
2 教育普及事業(12~13頁)
(1)施設運営
今野家住宅については12月まで内部非公開。
(2)催事運営
平成26年度と同様に運営予定。
3 調査研究事業(13頁)
考古・民俗・歴史・美術工芸・建造物・保存科学の6分野で、それぞれ記載のとおり
実施予定。
4 資料管理事業(14頁)
資料の収集・利用については、平成26年度同様、資料の収集・利用、収蔵環境の維
持管理を実施予定。
5 東日本大震災対応(14頁)
継続して平成27年度も実施予定。
館
長:ちょっと一部補足させていただきますが、まず特別展なんですけども、今の時点では
日本のわざと美の展覧会が、10月18日までとなっております。それ以降、スペー
スに余裕が出てくるということで、この期間年明けも何かできないか検討中でありま
す。いずれ可能であれば、もう一つぐらい実施したいと考えております。12頁の催
事運営ですが、今副館長からは今年度と同様の運営と話しましたが、そこにあります
5
ように、館長講座をできればやりたいと考えておりまして、具体的なところは未定で
ありますが可能であればこれも実施したいと思います。そこのところだけちょっと補
足をさせていただきます。
議
長:ありがとうございました。
副 館 長:一部訂正がございます。12頁の下の方に「民話を聞く会」がありますが、会場が今
野家住宅になっておりますけども、先程ご説明したとおり長期修繕工事に入っており
ますので博物館の研修室・講堂を使って展開したいと思います。
議
長:今ご説明がありましたが、館長講座については始められるようにしたいということは
館長が決まるということでしょうか。
館
長:私が勉強してやるかどちらかということで、決まり次第ご報告いたします。
議
長:やはり館長さんがいらっしゃるのは一番望ましい形だと思いますので、その実現に向
けてぜひご尽力くださればと思います。平成27年度事業計画についてはいかがでし
ょうか。特別展示について確認をさせて頂きたいですが、医は仁術展、徳川将軍家展
と日本のわざと美展、これは巡回展とか博物館独自企画とか、それぞれどういうこと
になっておりますか。
企画部長:医は仁術展は昨年国立科学博物館で実施したもので、今これは長崎文化博物館で実施
しております。これは国立科学博物館とTBSが主催企画ということです。徳川将軍
家展は秋田県立博物館と共催で当館の後は秋田へ行き、開館40周年記念特別展とし
て実施します。あと日本のわざと美展は、毎年文化庁主催ということで文化庁の補助
を得てやっているもので、これは今回当館で実施します。
議
長:医は仁術展の内容を拝見すると、日本史のなかでの医学の展開ということになってい
るわけですが、科学博物館がしっかり内容のコンテンツは詰めておられると思います
が、例えば東北、仙台でやることの意味、こういう企画のなかに多少なりとも反映で
きないのか、仙台藩も解剖の実例がありますし、中目流眼科の評価は高いものがある
と聞いたりしておりますが、仙台地域での医学史的な意義がありますので、こういう
他の企画のなかにどの程度組み込ませることができるのか、難しいかもしれませんが、
地元のバージョンを付け加えるとかすると、全体の医学史のなかで仙台藩が果たして
いた役割を見やすくならないか、そういうことが可能なのかでしょうか。
企画部長:おっしゃるとおりで東北大学の吉田先生など、そういった先生方にご協力をいただい
て、展示の最後の方で企画を考えております。
議
長:できるわけですね。
企画部長:それから関係する先生方にもご協力頂いて、仙台藩の医者とかの講演、芦東山記念館
の学芸員の講演とか考えています。あと宮城県の義務教育課で先人集というものを作
っておりまして、医学関係の方が3人いるんですね、その方々のDVDを流せないか
考えて計画しているところです。
議
長:それでは非常にいい組み合わせですね。徳川将軍家と東北展ですが、秋田県博の場合、
秋田は秋田で徳川将軍家とつながりがあると思いますが、宮城の場合は、仙台藩伊達
家との関係になると思いますがどのあたりに焦点を絞るのか、そのあたりはどうでし
ょうか。
企画部長:始祖徳川家康関係のものを中心に展示することを考えております。
議
長:家康や政宗とかになるでしょうね。
企画部長:そこはちょっと検討中です。
宮原委員:今の点について、例えば岩出山のお城の修復の時に家康さんが40日ほど滞在したと
か、実相寺さんにお宝があってなかなか出してもらえないということを、岩出山の方
から伺っているんですね、そういうのがちょっと出てくるとすごく面白いかなと思う
んですけど。
企画部長:参考にさせてください。
議
長:今出ました岩出山の実相寺については、何年か前に調査に入りまして、古文書など写
真を撮らせていただきました。場合によってはそういうのも活用できると思います。
家康が岩出山に来たということがこの展示のなかで位置づけがされて、そういうのが
出てくると確かに面白いと思います。
6
館
長:大変貴重なアドバイスをいただきありがとうございます。医は仁術展もそうなんです
が、江戸時代だけではなくて、現代の医というものをこのテーマのなかに入れており
ます。今とどうつながっているかという視点で特別展をやっておりまして、今年もそ
ういった意味では現代と実生活、あるいは宮城と東北、どうやってつなげるかという
視点で特別展をやってきているものですから、中間と後半のこういった特別展につい
ても、宮城と今とどういうふうにつながっているのかという視点でできるだけ工夫し
たいと思っておりました。そういったことで今も岩出山のお話がありましたが、特別
展は特別展のスペースがあって、テーマ展示室とか他のスペースをもっておりますの
で、そういったところに今とどうつながるかということも視点として取り入れながら、
できるかぎり工夫したいと思います。ありがとうございます。
菊池委員:ここ2、3年子供向けにいろいろと考えて下さっているということでとても嬉しく思
っております。昨年は家電の時代展でしたが、今年は何だろうかなと思って来ました
が、徳川将軍家と東北展というのは、歴史の好きな方でしたら皆さん興味をもつかな
と思います。参考までに伺わせていただきたいんですが、これは子供ですと例えば高
学年、どの年齢が興味をもつのか、そのあたりをお聞かせいただきたいと思います。
企画部長:医は仁術展が子供に近いと思います。徳川将軍家展につきましても、夏休み期間に甲
冑を着るとか体験的なところも企画に入れていきたいと考えております。
菊池委員:これからも子供向けにいろいろと宜しくお願いします。
企画班長:補足させて頂きたいのですが、医は仁術展につきましては、子供たち向けの解説パネ
ルをつけて、見に来た子供たちに内容がしっかり分かるように配慮したいと思います。
広報関係につきましても、通常の子供向けの展示と同じように、全県の子供たちに特
に4年生5年生6年生など上級生に向けて、一人ずつチラシを配れるように準備した
いと思っております。
菊池委員:そうですね、ぜひ中学生にもチラシがいくとまたいいのかなと思います。
議
長:いかがでしょうか。
齋藤委員:子供たち向けにパネルを作るというお話でしたが、具体的な数字を入れて欲しいです
ね。歴史のイメージができますので、長さであったり日数であったり重さであったり、
何か子供がイメージできやすいものを意識した解説文だと、より歴史に対する興味関
心がわくと思っております。何かに例えるとか、あるいは体験型でしたら実際に触っ
てみるとか、持ってみるとかそんなことができるコーナーを少し作ってもらえればい
いかなと思います。
企画部長:案としましては徳川展ですと、火縄銃をというのもあるのですが、銃刀法的にどうな
のかという問題がありますが、主催者の方としてはそういうことも考えています。
齋藤委員:修学旅行では会津若松に行った時、ちゃんと持てるように作ってありましたし、だい
たい射程距離がどれくらいなのかとか、何回撃つと何千人の兵を倒せるのかとか、具
体的に示してやると、単なる戦じゃないイメージができるので、解説文を工夫してい
ただけたらと思います。
議
長:子供たちがどの程度興味がもてるか大事ですね。子供向けで成功しているだけに、そ
このところの工夫をして頂けたらと思います。歴史物に対して食いついてくるか、歴
女も対象にして、いろんなところに狙いを定めて集客率を上げて、全世代的に関心を
もってもらうのがいいですね。
宮原委員:そういった点から、例えば今こちらのチラシ(注:医は仁術展)は大人向けのチラシ
だと思うんですけど、前回も小学校に配られたとか、児童の方が手にとれるような資
料、子供用のチラシもあってもいいのではと思います。これでいうと、小さくなって
いますけど、左下の「鉄拳シアター」とか子供たちが好きなものが、実際にここで見
られるとかですね、第1章の歌川国芳の骸骨の絵、今「妖怪ウォッチ」で出てくる妖
怪がこれを下敷きにしていると思うんですけども、そういうのを少し大きめに出すと、
妖怪ウォッチに出てくる妖怪と同じようなものが博物館で見られそうだとか、もう少
しそういう子供の目線からチラシを考えてもいいのではないかと思います。大人はこ
れでいいと思います。
河野委員:子供向けというのを重視していただけるのであれば、この期間はなかなか難しいと思
7
います。新学期が始まって、中学生はテスト・部活・試合・総体があったりとか、こ
の期間は難しいです。家電展はちょうど7月の夏休みの時期で、夏休みだと親子連れ、
子供を連れて親も来てとありますので、医は仁術展の開催期間は時期的にはもったい
ないと思います。時期的には徳川展の方が、夏休みで足を運びやすい時期なんでしょ
うけれども子供には内容が難しいですね。
議
長:徳川展で子供が来るのは難しいですかね。
河野委員:徳川展にも子供向けを入れていただくと、人は集まりやすいかなと思います。
議
長:子供たちの場合は団体が多いんですか。
副 館 長:学校単位で来る子供が圧倒的に多いです。5月6月、秋に学校単位での来館がありま
す。特に近県ですと岩手県の学校団体が来ています。
館
長:副館長がお話ししたように、校外学習とかでですね、夏休み以外の時の春と秋、そう
いったことを考えますと、ある程度タイムリーかなと思います。特別展の開催時期に
ついては、どうしても全国のなかでの一連の流れというか相手があることですから、
来年度は夏休みの時期に医は仁術展は来ないということになりました。皆さんからお
話いただきましたように、我々もやはり、まず子供さんに来てもらって博物館は面白
いところだと理解してもらって、歳を重ねて何回も来てリピーターになってもらえる
よう考えているところですから、頂戴したご意見は、最大限工夫をして各学校にお示
ししたり、あるいはネットでですね学校で事前学習する時のプリントなども用意した
いと思っておりました。そういうことで学校教育と博物館がつながってくると思いま
すので、いろいろな形で工夫をしながら、子供たちが行ってみたくなるような特別展
にするよう、努力していきたいと思います。
議
長:やはり徳川将軍家と東北展は子供を対象にしようとするそもそもの企画ではないと思
います。それはそれとして、企画としては面白いので夏休み企画として、毎年何か子
供向けのものが、大がかりというものではなくてもあると、子供たちが毎年東北歴博
に来るのが楽しみになり、年中行事になると思います。そういうふうになるといいか
なと思います。企画自体は大変だと思いますが、ご検討いただけるとありがたいです。
他にいかがでしょうか。
須藤委員:16頁に平成27年度のこども歴史館の事業のなかで、映像コンテンツをお作りにな
るということですが、これはどういうものですか。
館
長:夏休みが大きなポイントになると我々も思っているところで、特別展だけではなくて
3階にあるこども歴史館、ここを充実させるのが大事だと思っております。来年度映
像部分について、大規模に改修したいと思っております。それについて資料3のこど
もプロジェクトで改めてご報告しますので宜しくお願いします。
議
長:平成27年度事業計画のところでいかがでしょうか。お尋ねをしたいんですが、13
頁の調査研究事業について、仙台藩大肝入吉田家文書の整理調査事業を行うというこ
とになっておりまして、文化庁からご指導頂いていると思いますが、現在の状況をお
知らせいただけるとありがたいのですが。
学芸部長:吉田家文書の今の整理状況につきましては、今年は長持に入っています古文書の状態
をまず記録しておりまして、それが大体3割方終わった段階です。状態の記録が終え
たのちに解読に入っていくんですけども、今のところ想定としては7年から8年かか
るところで、それについては文化庁の補助金を継続的に申請して進めていきたいと思
います。
議
長:文化庁は補助金はいつまでと言っているのでしょうか。
副 館 長:あと5年くらいはという話です。最近担当が文化庁に赴いて相談してきました。
議
長:なかなか点数が多くて整理自体が大変だろうと思いますが、7、8年で終わるかなと
実は気にしておりました。現在の取り組みをお聞きすると、結構大変じゃないかなと
考えておりまして、館の方でのいろんな方針があると思いますが、古文書整理等につ
いては館のメンバーだけで進めていくのは今人員が不足しているなかで相当困難な状
態だと思います。館の外の様々なサポートを得ることも、ご検討いただくのが宜しい
のではないかなと思います。いろいろな問題をクリアしないといけない状況なのはそ
れなりに理解できるわけですが、特にこの吉田家の場合は、陸前高田市の震災復興の
8
議
文化事業としての意向や意図があると理解しておりますので、これは最終的に7、8
年ということであればかなりその趣旨から遠くなったような、7、8年かけないとな
かなか活用できないということなのでしょうか。地元の陸前高田にとっては今や唯一
の古文書類で、ここから過去の歴史を復元し、なおかつ今後のまちづくりに活かして
いきたいということもありますし、また吉田家住宅の流された材木を集めて、それを
どうしようかという話などもありますので、そういう点では、できるだけ早く吉田家
文書の整理の方向についても、改めてご検討いただくのが宜しいのではないかなと思
います。協力したいという歴史研究者は少なくありませんから、いろんな形で外部の
力も活用して進めていただくようお願いいたします。他にいかがでしょうか。
長:平成27年度事業計画ついては以上で終えまして、続きまして3番目の「こども利用
促進に向けた取組の推進(こどもプロジェクト)
」についてご説明をお願いします。
(説明の概略)
【こども利用促進に向けた取組の推進(こどもプロジェクト)】(資料3・15~16頁)
当プロジェクトの趣旨と目的について、当館は参加し体感できる博物館を目標に掲げて
おり、そのため特色ある重点施策として「こどもプロジェクト」を推進。新学習指導要領
による学校教育との連携、子供の利用促進、被災地に立地する博物館としての防災教育拠
点の役割を拡充するなど、学校団体の利用促進や子供個人の継続利用者増を企図。
(1)平成26年度の取り組みについて
①ポスト「こども歴史館」事業について、当館3階にあるこども歴史館の中核的施設で
ある「インタラクティブシアター」の全面的なリニューアルに向けて予算獲得の準備
を推進。平成27年度に機器の整備と防災教育副読本の使用と連動した映像コンテン
ツの制作に向けて検討中。
②総合展示室活用事業では、小学生向けスタンプラリー「THMマスターをめざせ」の
リニューアルを実施。
③古民家(今野家住宅)活用事業については、
「こども民話体験事業」を実施。民話団体
の話者の指導を受けた子供たちが民話を発表。
④出張型学校連携事業では、新たに発掘体験キットを開発・製作し、小学校での発掘体
験授業を開始。
⑤体験教室などの充実については、新企画の縄文体験教室を実施。
(2)平成27年度の取り組み予定について
①ポスト「こども歴史館」事業については、
「インタラクティブシアター」のリニューア
ル予算が認められれば、機器の刷新を終え、防災教育副読本と連動した映像コンテン
ツを制作し、新たに歴史をベースにした防災教育を展開。
④出張型学校連携事業については、平成26年度に開発・制作した発掘体験キットによ
る発掘体験キャラバンを実施し、積極的に県内で展開。
※②・③・⑤については、平成26年度同様に実施。
議
長:
「こどもプロジェクト」についてはいかがでしょうか。
企画部長:映像コンテンツの制作についてはこれからですが、歴史的な災害について理解しても
らい、それについてどう対応していくかを題材にコンテンツを制作していくことにな
ると思います。
議
長:映像のコンテンツと副読本の関係なんですが、歴史を活かした防災教育というのがあ
りますが、今後内容が詰められていくと思いますが、どういうことを想定しておられ
るのでしょうか。
副 館 長:宮城県教育委員会で小学校低学年・高学年向けの防災教育副読本を作成しており、来
年度も学年進行で作成されますので、そういった副読本に合わせた映像コンテンツを
作って、3階のインタラクティブシアターでやれるようにしたいと思います。あるい
は先生方が自由に加工して使えるような、独自の教材を作ってもらってインタラクテ
9
ィブシアターでも使えるように、そういったことでの防災教育を展開していきたいと
思います。
須藤委員:仙台市の方でも、東日本大震災がだんだん風化していくなか、これをどう伝えていく
かということで、校長会でもDVDを作ったんですよ。まだ1枚目なんですが、震災
当時の写真が散乱しているのを集めておいてDVDでつないで、1年生の時にそれを
見せて、2年生になったら別のDVDを見せるということで、3枚作る予定ですが、
宮教大の復興支援センターから予算をいただいて作っています。東日本大震災がだん
だん風化していくなかバラバラになっている写真や資料をこちらの方で集めて、セン
ター的なものになればいいなと思います。もう一点は、平川先生たちが被災資料を修
復なさっているのを、ニュースとかで聴いて断片的には知っているのですが、どれだ
けのものができるか分かりませんがドキュメンタリーのような映像資料として、津波
が来て資料が被害を受けてこうやって修復するんですよというような、記録として一
本撮っておくとか、河北さんは写真があるでしょうし、NHKからも資料をもらって、
著作権の問題があって難しいかもしれませんが、そういったものをアーカイブズとい
うか置かれるといいのかなと思いました。副読本だけでは、我々は見ているし、今の
小学生の低学年は全然分からないので、映像とかもちゃんと保管して頂き、教員がそ
こへ来てダウンロードしてワークシートができれば、じゃあそこに行ってみようかと
いうことになると思います。なかなか難しいと思いますが、特別展のポスターのなか
で宣伝を一緒にしていただければと思います。どうぞ宜しくお願いします。以上です。
館
長:今教育委員会で作っている防災の副読本ですが、これは今年小学校の1・2年、5・
6年生用が完成します。そうすると小学生バージョンは出来上がって来年度は中学
校・高校用にも作ろうと思っていまして、まだ歴史と震災をつなぐような防災副読本
には小学生向けにはなっていないんですけども、中高生にはそういったものを、貞観
の大津波なども含めて、歴史と今をつなぐような副読本を作っていきたいと思います。
そういったものをうまく映像として再現できるようにしたいと思っておりますし、今
仙台市で作っているようなDVDもこちらで取得させてもらって、それも流せるよう
に、あるいは図書館で今デジタルアーカイブ作業をやっておりまして、これもできれ
ばこちらとつなげて、図書館がもっているデジタル情報をこちらでも流せるようにで
きればしたいなと思います。いずれも予算がないとできないですが、おそらく予算が
つくと確信しておりますので、何とか来年度の上半期には、新しい形で子供たちに分
かりやすく歴史と防災という観点で、いろんな映像を見てもらえるように、それだけ
ではなくて当然博物館として、子供たちに提供したいような情報もそちらが一つのメ
インで、もう一つは防災として扱い、その二つの両輪で3階のシアターを改修したい
と思っております。
須藤委員:動画だけではなくて、写真だけでもつないでいくと、結構迫力はあるんですよ。仙台
市も副読本は小・中とあるんですけど、副読本だけでは物足りないかなと思います。
館
長:今作っている県の副読本も文字よりは映像で、河北新報さんにも無理を言って映像や
写真を頂戴して、いろんなところから情報をいただいて、映像や写真を多く載せるよ
うにしています。全くおっしゃるとおり、今までシアターは映像を出せなくて動画ど
ころか、写真も出せない状況ですので最新のものに切り替えようと思います。
議
長:いろんな映像とか震災の現場での取材とか、河北さんがすごい取材力を発揮していて、
全国紙は関心がなくなって時々やるぐらいですが、その点ではすごい大きな役割を果た
して下さっているのですが、今のような話についていかがでしょうか。
太田委員:前回もこの席で言ったんですけども、やはり津波というか東日本大震災というものを
歴史のなかでどう伝えていくかは非常に大事だと思いますし、このこども歴史館のこ
ともそうですけど、新年度の予算がつくということは非常にいいことで、映像コンテ
ンツをどのように作って、東北歴史博物館に来ていただいた方が博物館に来て良かっ
たと思えるような、防災にも結びつくようなそういうものを作っていただけたらあり
がたいと思います。今多分博物館でそういうのをやっているところはないですし、こ
こに来て、貞観や慶長の津波とかそういう歴史もあって、今後どういうことが起きる
か、そのために私たちはどうしたらいいのか来館者が考えることができるようなもの
10
を作っていただければ、私どももこういうものができたと宣伝しますし、資料も出せ
るものは出しますので、頑張っていただければと思います。
議
長:河北さんと協力して広報の力を得て進めていただけたらと思います。
齋藤委員:映像コンテンツは館の内部の職員で作られるのでしょうか。
企画部長:委託事業として行いますが、もちろん監修はこちらでします。
齋藤委員:仙台市が政令指定都市になってから、宮城県教育委員会と仙台市教育委員会が対等と
いうか並列になり、仙台市の小学校社会科研究会が結構活発になり毎年研究授業をや
っています。20代の若い女の先生も次第に入ってきています。例えば映像コンテン
ツ制作のなかに、仙台市小学校社会科研究会の20代の若手の先生をメンバーとして
入れていただくと、より子供に近い目線で、内容が充実するのではと思います。若い
20代の先生方、あるいは女の先生方でも歴史好きな先生方が社会科に入ってきてお
りますので、そういった方をメンバーに加えるとまた新しい視点での映像コンテンツ
ができるのではないかと思います。
宮原委員:今の子供たちの教材を充実させることもすごく重要で、もう一方で子供たちがスケー
ルをイメージすることがなかなかできないんですね。椅子に座って映像を見るだけで、
大きい津波が来ましたといっても自分にとってどれくらい大きいのかよく分からない
んですね。それでここの東北歴博はとても建物が大きくて、非常にスケール感がよく
分かると思いますが、例えば館内に10メーターとか、20メーターとかの物差し、
津波の高さをイメージできるように壁のところに、ここまでが10メーター、ここま
でが20メーターとか、それからエントランスの黒い石畳のところが何メーターある
のかとか、館内のいろいろな所に物差しを置いていただけると、子供たちが来た時に
さっき映像で見た10メーターの津波が来たら、この館だとあそこの天井まで行っち
ゃうんだよと、そういうことを先生たちが示したり、子供たちが博物館を回った時に
あちこちに物差しがあってこれが3メーター、6メーターって思えるような、体感で
きるような仕掛けを館内で作っていただくと、映像で見たことが自分のこととして少
し分かるんじゃないかなと、そういう工夫の仕方も博物館ではありではないかなと思
います。
議
長:映像の問題で言いますと、歴史津波というのは文献が中心で、なかなか姿が見えにく
いんですよね、イメージがしにくいというか。それ以前については、津波堆積物でど
こまで来たか地質の方であきらかにされており、それと文献とつなげて、いろんなこ
とをやっているわけですが、例えば1611年の慶長津波などは、文献記録や堆積物
の研究をあわせて、そして震源地をある程度推定して、そこからどういう津波の波動
が起きているのか、シュミレーションして映像を作るところまで来ているんですね。
これは災害研の歴史分野と今村先生の津波工学分野が、一緒になって共同研究して、
1611年の津波を復元して映像で見れるようになったわけですよね。もっと沢山デ
ータが出てくれば、まだまだ変化していく過渡期のものではありますが、そういった
映像なども取り込んでいただけると、400年前の津波はこういう状態だったのかと、
東日本大震災の津波と映像を比べることができますから、今村先生の研究室で作って
いますから、どう違うのかを見られるように、視覚的に捉えるという意味でそのよう
な活用もできると思います。今村先生にシュミレーション映像を提供してくださいと
お願いすると、多分無料で提供してくれると思いますので、そのような研究成果もう
まく活用していただければと思います。
館
長:素晴らしいものができそうですね。ご協力いただいていいものを作っていきたいと思
います。ありがとうございます。
議
長:こどもプロジェクトについていかがでしょうか。
河野委員:皆さんご存じなのか分かりませんが、このスタンプラリーの「THM」って何ですか。
副 館 長:
「TOHOKU HISTORY MUSEUM」の頭文字です。
河野委員:子供向けのスタンプラリーにしては意味が分からないなと思って、すみません。これ
は子供たちに浸透しているのでしょうか、意味は分かっているのでしょうか。
企画部長:あまり分かっていないかもしれませんね。
河野委員:それと発掘体験キットとか作っていただいて、子供たちに体験という形で授業をやっ
11
ていただいているようですけども、それに対して、子供たちの感想とかは聞いていた
だけているのでしょうか。意外に大人の自己満足で終わっていて、子供がそれを見て
それをやって歴史に興味をもてばいいのでしょうけども、何だこれつまんないとかそ
ういうふうになっては逆効果だと思いますので、逆に子供にはそういう授業をしたら、
どう思ったか感想文とかを書くことによって子供たちも歴史のことを勉強したりとか、
やった意味が出てくるのかなと思うので、もしやっているのであればそのまま続けて
いただいて、やっていないのであれば、最後までフォローしていただいたらより効果
が出るのではと思います。
企画班長:子供向けのさまざまな体験講座については、その都度子供たちにアンケートをとった
りして、どのようなことを感じましたかとか、例えば縄文教室では、縄文時代に対す
るあなたのイメージはとか縄文教室に参加して縄文時代のイメージはどう変わりまし
たかなど、子供たちが何を感じていたのかを聞いて、我々も独りよがりにならないよ
うにしています。それから、城南小学校さんに実行委員会に入っていただいて、文化
庁の補助事業をやっているんですけども、去年齋藤先生からもご意見をいただきまし
たが、城南小学校だけではなくていろんな先生方の意見を聞くというのはどうなのか
というお話をいただきました。そういったことについても、例えば民話の事業という
ことで、今年県内のさまざまな学校に行って、民話団体と一緒に授業をやってきたん
ですけども、その都度校長先生やクラスの担任の先生方から、さまざまな意見をいた
だいて、常にブラッシュアップする姿勢を我々としてももっております。
議
長:私もTHMって何なのか分かりませんでした。
企画班長:THMについても、確かに子供たちにはTHMマスター単語そのものは難しくて、そ
の意味が第一印象で分かるものではないような気がします。ただマスターってえらい
人なのかなあという大きなイメージをもってもらって、そこに興味をもってもらって、
博物館についていろんなことを知っている人だよと説明しながら、子供たちに体験し
てもらっています。
議
長:これはスタンプラリーで全部埋まったら、マスターの称号を与えるわけですか。
企画部長:賞状と記念品を授与して、記念撮影をしています。
企画班長:実は今泉館長の代から始めた事業なので、前館長をイメージしたキャラクターを認定
証に載せています。
菊池委員:1年で何名くらいいますか。
企画部長:今年はまだ十数人ですね。
河野委員:マスターになったお子さんの写真とか貼ってたりするんですか。
企画部長:当館の記録用で撮っていて、貼り出したりはしていません。
河野委員:貼り出したりすると個人情報の問題があるのでしょうね。自分の写真があると友達連
れてきて見に行こうとか見に来てとか誰々の写真があったという話になるのかなと思
いました。
企画班長:認定証の授与式の時、副館長がいる場合は副館長に授与してもらって記念撮影をして
その場でプリンターで打ち出して子供たちに持って行ってもらっています。そうする
と子供たちが教室に持って行ってそれを友達に見せて「すごい」と言われて、次の日
にまた友達を連れてやってくるという状況です。
議
長:他にこどもプロジェクトで何かありますでしょうか。それでは次の平成26年度東北
歴史博物館中長期目標達成自己評価についてお願いします。
(説明の概略)
【東北歴史博物館中長期目標達成自己評価(中間報告)】
(資料4・17~22頁)
入館者数の減少傾向など、博物館を取り巻く環境や東日本大震災の対応など、新たな課題
に取り組むため、今後の当館の進むべきあり方を検討し、平成25年度を初年度とする平
成29年度までの5年間の中期目標と平成30年度以降の長期目標ということで、
「東北歴
史博物館中長期目標」を策定し、より魅力的な博物館の運営を目指して新たな活動に着手。
中長期目標の進行管理を行うために、昨年12月1日現在で当館の全職員で中間の自己評
12
価をし、当協議会で委員の皆様からご意見をいただいて、この3月に最終評価を行うこ
ととし、さらに次年度の具体的な目標を策定。1の総合展示・企画展示から9の東日本
大震災対応までを、9つの目標項目に沿って評価項目を定めて、それぞれの活動方針よ
り打ち出された達成目標に沿って、1の総合展示室のリニューアルの方向性を明らかに
できたかから、32の調査研究を行い展示や映像としての公開への取り組みが行われて
いるかまでの、32の評価視点で自己評価を実施。評価にあたっては、
「4」が十分達成
されている、
「3」がほぼ達成されている、
「2」がやや不十分、
「1」が不十分の4段階
の評価基準を設け実施。1の常設展示・企画展示から、22の東日本大震災対応まで、
職員が評価した根拠となる各実績を記載。中間評価結果の概要について、前年度と比較
して、全32項目の過半数の17項目で評価が上がっている。その要因として、これま
での特別展での観覧者数が好調なこともあり、入館者数が増加したこと、2つ目として
こどもプロジェクトや施設にリニューアルの目途が立つとともに、体験イベント・体験
教室・出前授業なども活発に行われたこと、3つ目として今野家住宅・浮島収蔵庫の修
繕工事に着手したこと、4つ目として見直しや工夫により多様な展開ができたこと、5
つ目として平成25年5月から使用停止になっていた映像展示室の工事の目途が立った
こと、6つ目として宮城県被災文化財保全連絡会議の代表幹事兼事務局の役割を果たし、
県内の被災文化財の救出・保全・修理で数々の取り組みを積極的に行ったこと、これら
が職員の自己評価が上がった要因と考えている。なお、評価が悪い2つの項目があり、
1つは総合展示室のリニューアルの方向性が明らかにできたかについて、これはリニュ
ーアルの全体像が未だに検討段階であるということが低い評価につながっているものと
思われる。今後は総合展示室の災害史の取り扱いや展示手法などの検討を深めつつ、こ
れらの方向性を議論して明らかにしていきたいと考えている。2つ目が館のイメージキ
ャラクターやロゴの検討が十分になされたかについて、検討が不十分あるいはやや不十
分であるという評価が多数で、今後は他の施設での取り組みなどを調査しつつ、当館の
あり方について議論を深めていきたいと考えている。今回の中間評価の結果に満足せず、
中長期目標の達成にむけて、全職員で努力をしていきたい。
議
長:中長期目標達成の自己評価についていかがでしょうか。
齋藤委員:中長期目標で4年5年計画でやっている途中で、平均評価の算出方法を変えるという
ことは大変失礼ですができるでしょうか。学校で私たちがやっている評価ですと、例
えば1番ですね。4ポイントが2人、3ポイントが9人、2ポイントが16人、1ポ
イントが1人となると、合計点数は69ポイントになるんですね。それを28人で割
ると、2.5という数字が出てきますね。次の2番のテーマ展示室の充実でも同じよ
うに計算すると、これは89ポイントになるのでそれを28人で割ると3.2。3番
目は合計が99ポイントなので3.5という数字が出るんですね。整数で2・3・4
で区切った方がいいのか、学校評価なんかですと小数点第一位まで出します。つまり
2.4ポイントとか2.5ポイントとか、あるいは3.2ポイントとかなると、次年
度の課題がよりはっきり見えてくるような気がします。つまり3ポイントというのは
四捨五入で言えば2.5から3.4まで幅があるなかでの3なんですね。そこで、こ
のように集計をし直すと、また新たな課題ができて皆さんのモチベーションが上がる
と思います。だから同じく3でも限りなく2に近い3と4に近い3があるというよう
なそういう細かい分析をしていくといいのかなと思いました。
議
長:ここは計算の仕方はどうなのでしょうか。
管理部長:これは委員のおっしゃるとおりで、次年度に向けて検討していきたいと思います。
齋藤委員:検討いただければより課題が見えてくるかなと思います。
議
長:評価の仕方で、3はほぼ達成されている、4は十分達成されているということで、今
回は3のほぼ達成されているがかなり多くなったように思います。以前の2が3にな
ってきたということで非常に大きく改善されている状況はよく分かるのですが、4の
ところまでが最終目標というか、ほぼ達成されたということで満足されたということ
ですか。
館
長:今後5年間のなかで、まずその間に達成しなくてはならないという意味合いで達成さ
13
れたと考えておりますので、これで100パーセント十分ということは当然ありませ
ん。自己評価を始めて2年目なもんですから、まず自己評価するようになったことが
一歩前進で、4段階の指標を作って自己評価を始めました。今齋藤先生からお話があ
ったように、もう少し同じ4でも3でも意味を見出すためには、次の小数点以下とい
うところも示した方がどちらに近いのかということがはっきり分かりますから、今の
アドバイスも大変ありがたいと思います。そういった形で、自己評価自体も改善をし
ていきたいと思っております。そういうなかで、当面この5年10年は、全部4にな
るように努力をしていこうということで、全部が4になったら歴博には毎年20万も
30万も同じように人が来るかというとそうではありませんので、まだまだ課題が山
積しておりますので、次の5年10年に向けて、次の課題を再確認して、またそれに
向けて当面5年10年で目標達成できる、そういったある意味永久運動をしていくそ
のための一つの指標と考えております。
議
長:そういった形で目標というのは達成したら次の目標ができるという形になるのだと思
いますが、この22頁の表を見てみますと分かりやすくていいのですが、例えばです
ね、2の教育普及のなかで6番というのがあるんですね、学校の利用に対する学習支
援の充実があって、平均すると3になっておりますが、館の方の自己評価っていうの
はかなりばらついていて、4が14人、3が11人、2が3人で4が多いので、ある
意味では十分達成したという自己評価をされている方が半分はいらっしゃる、だけれ
ども評価が3になったというのは3と2の人数が問題だと思うんですね、自己評価に
ばらつきが出ているのは分かりやすくていいのですが、気になるのは14人の方が4
と評価をしているのに対して、3人の方がまだまだ不十分だというように2の評価を
しておられるわけですが、今後さらに達成度を高めていくためには、2の方や3の方
が何を問題にしているのか具体的に洗い出されてそれを克服していくという、次の目
標が設定されないと、次は何が課題なんだろうかが見えにくくなるかなと思うのです
が、これは4番のところもそうですね、外部巡回展を積極的に誘致できたかは、評価
点は4になっているわけですけどもやはり12人の方はそうではないと言っておられ
るわけですね、ですから達成自体はここは圧倒的割合でその評価になると館全体のな
かで達成感が共有できているなということになるんですが、4であってもまだ割れて
いますよということがありますので、そのへんは具体的にいろいろと課題を設定して
今後展開していただけたらと思います。私が大変良かったと思いますのは、18頁の
8番の調査研究のところでありますが、博物館学的研究を推進しているかということ
で、注記のところで、文科省から研究機関として指定されて平成27年度から科研費
の申請が可能になるということですね、是非そうなるようにして下さいと何年か前か
らか申し上げてきたんですけども、こういう形で申請できるというのは博物館として
は非常に大事な要素だと思います。博物館の方々が研究者としてですね、そういう自
己認識をもっていかれるためには、博物館自体がこういう資格をもっているかどうか
ということが非常に大きく、その自信が調査研究にものすごい力を得て、外部資金も
どんどん入ってきますので、博物館の予算が足りないところはとにかく外部資金を取
ってきて下さい。間接経費も入ってきますから、それが博物館全体の運営に対して非
常に大きな役割に、これは大学も同じことなんですけども、そういうことが実現でき
るということは大変良かったと思います。こういう形で達成度を高めていっていただ
き、達成感を味わっていっていただきたいなと思います。あと館のイメージキャラク
ターがまだできていないということですが、先程は前の今泉館長のキャラは出来てい
たということですが、館全体のはぜひ考えていっていただけたらと思います。他にい
かがでしょうか。それでは5番目のその他ということですけど、これについて何かご
ざいますでしょうか。
菊池委員:皆様方にお話するのはおこがましいかなと思ってはいたんですが、特別展の開会式が
ありますね、多分皆さんのところにご案内が行っていると思うんですけども、協議会
の委員の方々にも、一年にいっぺんでもいいと思うんですがぜひ一人でも多く参加な
されたらどうでしょうか。私も100パーセントではないんですが、なるべく行くよ
うにしています。それで学芸員の方のお話を伺いますと、何も分からない私でもいろ
14
んな興味が出てきます。それを今度いろんな人に伝えることができますので、お忙し
いと思いますが委員の方たちには来年度は3回ありますが、そちらにぜひご出席して
いただけたらと思います。
議
長:そうやって指摘されますと、厳粛に受け止めないといけませんね。
齋藤委員:去年亘理でですね、震災後に防災関係も少し入っているのですが、郷土を見直したら
いいだろうということで、郷土資料館が中心になって私もメンバーだったのですが、
郷土カルタを作りました。当館でも、郷土カルタも宮城県内でいいものがだいぶ出て
きておりますので、副読本とともに収集することを事業に加えていただけたらと思い
ます。以上です。
議
長:私から一点ですけども、今日実は午前中、こちらにお伺いする前に、ホームページを
拝見させていただいておりまして、だいぶいろんな情報が、博物館の紀要だとか、ダ
ウンロードして利用できるのは大変便利ですが、一点だけ、図書情報室専用ページと
いうのがありますけども、そこで県指定の文化財情報が来館者用だけの扱いになって
いますけど、あれはここに来て見るということなんですかね。外からアクセスしたの
では入っていけないという設定になっておりまして、来館者専用という感じがあるん
ですね、これはどういうことなのかなと、県指定文化財の情報が来館者だけのものに
なっているのかよく分からないということがありました。これは設定の問題だと思う
んですが、一方県の方のホームページでは県指定の文化財の情報が閲覧できて写真も
見られていろんな説明がなされているのですが、そちらに行けばもちろん県指定の文
化財情報が分かるんですが、あるいは県のホームページとは別な豊富な内容が入って
いるのかどうなのか、だから来てちょうだいということですかね。
企画班長:来館者専用ページに関しては、ごく一部ではあるんですけども、館外利用というか公
開のため許諾が必要な画像とか一部含まれておりまして、元々はあのシステムをリニ
ューアルする前の段階では公開していない、本来は公開してなかったんですけども、
そういったものを統一のシステムに載せました。館に来ないと見れないという情報の
情報提供のためには、県の指定文化財であるとかそういったものについては、文化財
保護課のHPに公開されていますので、逆に保護課のホームページとリンクさせるこ
とは必要だと私も認識しております。許諾を終えなければならないということで非公
開としておりますが、ホームページの更新において念頭に置いていきたいと思います。
議
長:そのへんがアクセスした側には分かりませんから、全部閉じられているような印象な
ので、そういうことがあれば手続き上やむを得ないと思いますが、そこは残念ながら
見れないという、他のところはリンクさえ貼ってもらえればということにしていただ
けると分かりやすいと思います。他に何かよろしいでしょうか。それではこれで議題
は終わりですので、事務局にお返しします。
5 閉会の挨拶
東北歴史博物館 副館長 濱田 毅
6 閉会
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