石巻西高実況中継 ~学校の情報や生徒の様子をリアルタイムで家庭に届けます~ 平成27年3月1日 第55号 発行者:校長 齋藤幸男 答 辞 寒さもようやく緩み始め、春の兆しが見え始めた今日。私たち卒業生一同は3年間過ごした学び舎を旅立つ時が来 ました。私たちの3年間はこの答辞で語りつくせるものではありませんが、少しだけ振り返ってみませんか。是非、 みなさん目をつぶり思い出しながら聞いてください。皆さんと出会ったのは3年前。着慣れない制服を纏い、ピカピ カのローファーを履き、この学び舎の門をくぐりました。緊張と不安を抱えながら参加した入学式、みんな慣れない からかネクタイを結ぶのが下手だったよね。知らない人ばかりで気まずかった教室「中学に戻りたい」って言った時 もあったのではないかな。でも知らず知らずの間にみんなと話すようになっていた。そんな感じでスタートした高校 生活、何もかもが新鮮で驚くことばかりだったよね。初めての西翔祭や体育大会、なかなか盛り上がることができな くて、ただ先輩方の姿を見つめていた。2年生では、高校生活の一番のイベント、修学旅行があったよね。国内組と 韓国組に分かれて、それぞれが楽しんだ。京都では歴史溢れる街並みを歩き、4日間歴史に触れ、USJ ではとにかく 騒ぎまくった。韓国では板門店に行き国境の緊張感に息をのんだ。でも何より楽しかったのは夜にホテルで語り合っ た事かもしれないね。そして部活動、先輩方が引退して自分たちが後輩を引っ張っていく使命感を持ち、毎日、グラ ウンドに響いたファイトーの声やボールを撃つ快音、そしてピストルの音。弓道場では矢がまとを射た音と「よし!」 の掛け声。気合で建物全体が揺れていた武道館。講堂ではキュッキュッと鳴り響いたシューズの音やボールの弾む音。 どの運動部も汗水たらして練習をしていた。校舎では吹奏楽部がきれいな音色を奏でていて、演劇部の発声練習の声、 楽しそうな笑い声が聞こえてくる文化部の部室。放課後になれば当たり前のように学校中に響いていた。高校生活で 最も熱中した事ではないかな。仲間割れをして喧嘩したことや部活動に行きたくないからってサボった日もあった。 でも目標だけではなく自分という名の大きな壁を超えるために必死で頑張ったね。3年生になって厳しい暑さが続く ようになった7月、2日間の文化祭のために毎日毎日、放課後に課外講習を受けながら準備をしたよね。そして当日、 オープニングムービーに続いて有志のダンスで西翔祭の幕を開けた。「青春は戻れない」の一言を逆再生のムービーで 表現した。校長先生には昨年、先輩方が作成したモザイクアート以上に感動していただけたのではないかと思います。 文化部はこの日のために日々の活動で精一杯準備をし、できた作品を披露してくれた。吹奏楽部のレット・イット・ ゴーの演奏と平岡先生のコラボ、かっこいい踊りを見せつけたダンス、美声で多くの人を魅了したカラオケ、男子も 女子もきれいに着飾ってみんなをうっとりさせたミスコン。部活動や有志団体による出店、大いに盛り上がったバン ド、今年度は参加する団体が多く例年を遥かに上回る大盛況だったのではないのかと思いました。9月になり、各ク ラスがサッカーのユニフォームで揃えて一致団結して戦った体育大会。放課後や休みの日にたくさん練習してクラス の絆を深め臨んだ。どの競技も白熱した試合を見せ、どれも3年生が勝ったね。終わった後はバーベキューをして疲 れを癒し、共に戦った仲間と「お疲れ!」と言い合いました。また、2日目の空き時間に中庭で歌を歌ったり、妖怪 体操を踊ったりして楽しんでいるといつの間にか全校で盛り上がっていたね。そんな姿を見て学校全体が一つになっ た気がしました。後から「空き時間にあんなことをしているのを見るのは初めてだ」とおっしゃった先生がいて新た な歴史を作ったのではないのかと思いました。行事だけが全てではなく、普段の何気なく受けた授業、テストで夜遅 くまで勉強した日、進路に向けて受けた課外講習、そして受験、みんな夢に向かって頑張ったよね。でもそんな当た り前の日々が過ごせたのも家族の支えがあったからだと思います。学校の送り迎え、お弁当の用意など毎日してくれ た。イライラして八つ当たりして傷つけたこともあったけど、どんな時でも見守ってくれた。家族の支えなしではこ こまで成長することはできなかったと思います。普段はなかなか恥ずかしくて言えないけれど、いつもありがとう。 これから先も心配かけると思うけど見守っていてね。そしていつか親孝行するから。そして入学式から私たちを指導 してくださった先生方にも感謝しています。楽しい時は一緒になって笑い、時には厳しく叱って下さいました。また 進路で悩んでいた時は、嫌な顔一つせず、相談に乗って下さり、受験のために面接練習をして下さいました。そのお かげで今こうして晴れの日を迎えることが出来たと思います。「生徒を育てるのは生徒である」「教師を育てるのも生 徒である」そして「学校を作るのは生徒である」これらは生徒同士が高め合い、学校をつくっていくという意味だと 校長先生がおっしゃっていましたが、私は高め合うだけではなく、「支え合い」の意味もあると思います。生徒同士が 支え合うからこそ、ひとつ上の自分を目指して成長することが出来るのではないでしょうか。本当に良い学校は支え 合い、助け合いのできる学校であり、西高はそれができる素晴らしい学校だと思います。在校生の皆さん、皆さんに とって、私たちはどんな先輩だったかい。頼れる存在だったかな、迷惑をかけた時もあったけど、協力してくれてあ りがとう。1年と聞くと長く感じるけれどあっという間に過ぎてしまうものです。やりたいと思ったことは行動に移 して、たくさんいい経験をして下さい。これからは楽しいことも辛く投げ出してしまうこともあると思うけれど、ど んな事も逃げずに立ち向かって下さい。失敗しても大丈夫。友達、家族、先生方が助けて励ましてくれます。これか らの西高をよろしく、もっともっと西高を輝かせてね。3年間共に過ごした友へ、先ほど思い出を振り返ってみたけ ど、こんなもんじゃないよな。さえない日々、笑った日々、喧嘩してしまった時もあった、でもいつの間にか仲直り、 こんな事を繰り返して過ぎ去った3年間、これらが今の自分をこの場に立たせてくれている。3年前、同じこの講堂 で行われた入学式、あの時は不安でいっぱいだったが今は何の迷いもなく前を見つめている。あの時から成長した証 だね。これからそれぞれの道に旅立つけれど私たちは決して一人ではない。共に過ごした仲間がいる。寂しくなった ら思い出そう。それを心の隅において自分の目標に向かって突っ走ろう。最後は「さよなら」ではなく「また会おう」 と笑顔で別れような。君たちに出会い、この西高で3年間過ごすことが出来て幸せでした。本日、来賓の方々、先生 方、在校生、そして家族と多くの方々に見守られてこの日を迎えることが出来て嬉しさで胸がいっぱいです。最後に なりますが西高の更なる発展と皆様のご活躍、ご健勝を祈念し、答辞といたします。 平成27年3月1日 卒業生代表 鈴木昂樹
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