アテネン® - 鶴原製薬

2005 年 1 月作成
日本標準商品分類番号
873992
医薬品インタビューフォーム
日本病院薬剤師会の IF 記載要領(1998 年 9 月)に準拠して作成
アテネン®
ATENEN
(ATP 腸溶錠)
指定医薬品
剤
形 赤色腸溶性糖衣錠
規 格 ・ 含 量 1錠中アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP-2Na)20mg 含有する
一
般
名
和名:アデノシン三リン酸二ナトリウム
洋名:Adenosine 5'-Triphosphate Disodium
製 造 承 認 年 月 日 1970 年 2 月 17 日
薬 価 基 準 収 載 1970 年 8 月 1 日
販 売 年 月 日 1970 年 8 月 1 日
開 発 ・ 製 造
輸入・販売・提携 製造販売元:鶴原製薬株式会社
販 売 会 社 名
担当者の連絡先
2004 年 1 月改訂(第 4 版)の添付文書の記載に基づき作成した。
IF利用の手引きの概要―日本病院薬剤師会―
1.医薬品インタビューフォーム作成の経緯
当該医薬品について製薬企業の医薬情報担当者(以下、MRと略す)等にインタビ
ューし、当該医薬品の評価を行うのに必要な医薬品情報源として使われていたイン
タビューフォームを、昭和63年日本病院薬剤師会(以下、日病薬と略す)学術第
2小委員会が「医薬品インタビューフォーム」(以下、IFと略す)として位置付
けを明確化し、その記載様式を策定した。そして、平成10年日病薬学術第3小委
員会によって新たな位置付けとIF記載要領が策定された。
2.IFとは
IFは「医療用医薬品添付文書等の情報を補完し、薬剤師等の医療従事者にとって
日常業務に必用な医薬品の適正使用や評価のための情報あるいは薬剤情報提供の
裏付けとなる情報等が集約された総合的な医薬品解説書として、日病薬が記載要領
を策定し、薬剤師等のために当該医薬品の製薬企業に作成及び提供を依頼している
学術資料」と位置付けられる。
しかし、薬事法の規制や製薬企業の機密等に関わる情報、製薬企業の製剤意図に反
した情報及び薬剤師自らが評価・判断・提供すべき事項等はIFの記載事項とはな
らない。
3.IFの様式・作成・発行
規格はA4判、横書きとし、原則として9ポイント以上の字体で記載し、印刷は一
色刷りとする。表紙の記載項目は統一し、原則として製剤の投与経路別に作成する。
IFは日病薬が策定した「IF記載要領」に従って記載するが、本IF記載要領は、
平成11年1月以降に承認された新医薬品から適用となり、既発売品については
「IF記載要領」による作成・提供が強制されるものではない。また、再審査及び
再評価(臨床試験実施による)がなされた時点ならびに適応症の拡大等がなされ、
記載内容が大きく異なる場合にはIFが改定・発行される。
4.IFの利用にあたって
IF策定の原点を踏まえ、MRへのインタビュー、自己調査のデータを加えてIF
の内容を充実させ、IFの利用性を高めておく必要がある。
MRへのインタビューで調査・補足する項目として、開発の経緯、製剤的特徴、薬
理作用、臨床成績、非臨床試験等の項目が挙げられる。また、随時改定される使用
上の注意等に関する事項に関しては、当該医薬品の製薬企業の協力のもと、医療用
医薬品添付文書、お知らせ文書、緊急安全性情報、Drug Safety Update(医薬品安
全対策情報)等により薬剤師等自らが加筆、整備する。そのための参考として、表
紙の下段にIF作成の基となった添付文書の作成又は改訂年月を記載している。な
お適正使用や安全確保の点から記載されている「臨床成績」や「主な外国での発売
状況」に関する項目等には承認外の用法・用量、効能・効果が記載されている場合
があり、その取扱いには慎重を有する。
目
次
Ⅰ.概要に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
1.開発の経緯
2.製品の特徴及び有効性
Ⅱ.名称に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2
1.販売名
2.一般名
3.構造式又は示性式
4.分子式及び分子量
5.化学名(命名法)
6.慣用名、別名、略号、略号番号
7.CAS登録番号
Ⅲ.有効成分に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
1.有効成分の規制区分
2.物理化学的性質
3.有効成分の各種条件下における安定性
4.有効成分の確認試験法
5.有効成分の定量法
Ⅳ.製剤に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・4
1.剤 形
2.製剤の組成
3.製剤の各種条件下における安定性
4.混入する可能性のある夾雑物
5.溶出試験
6.生物学的試験
7.製剤中の有効成分の確認試験法
8.製剤中の有効成分の定量法
9.力価
10.容器の材質
11.その他
Ⅴ.治療に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・6
1.効能又は効果
2.用法及び用量
Ⅵ.薬効薬理に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・7
1.薬理学的に関連ある化合物又は化合物群
2.薬理作用
Ⅶ.薬物動態に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・8
1.生物学的同等性
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・9
1.警告内容とその理由
2.禁忌内容とその理由
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
5.慎重投与内容とその理由
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
7.相互作用
8.副作用
9.高齢者への投与
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
11.小児等への投与
12.臨床検査結果に及ぼす影響
13.過量投与
14.適用上及び薬剤交付時の注意(患者等に留意すべき必須事項等)
15.その他の注意
16.その他
Ⅸ.非臨床試験に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
1.一般薬理
2.毒性
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
1.有効期間又は使用期限
2.貯法・保存条件
3.薬剤取扱い上の注意点
4.承認条件
5.包装
6.同一成分・同効薬
7.国際誕生年月日
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
9.薬価基準収載年月日
10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容
11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容
12.再審査期間
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
15.保険給付上の注意
ⅩⅠ.文献・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
1.引用文献
2.その他の参考文献
ⅩⅡ.参考資料・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
ⅩⅢ.備考・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
1.その他の関連資料
2.商品情報お問い合わせ先
Ⅰ.概要に関する項目
1.開発の経緯
2.製品の特徴及び有効性
1
Ⅱ.名称に関する項目
1.販売名
(1)和名
アテネン
(2)洋名
ATENEN
2.一般名
(1)和名(命名法)
アデノシン三リン酸二ナトリウム
(2)洋名(命名法)
Adenosine 5'-Triphosphate Disodium
3.構造式又は示性式
NH2
N
N
NaO
ONa OH
OH
P O P
O P O
O
O
N
CH2
N
・3H2O
O
O
H
H
H
H
OH OH
4.分子式及び分子量
分子式:C10 H 14 N 5 Na 2 O 13 P 3・3H2 O
分子量:605.19
5.化学名(命名法)
Disodium adenosine-5'-triphosphate
6.慣用名、別名、略号、略号番号
ATP
7.CAS登録番号
56-65-5
2
Ⅲ.有効成分に関する項目
1.有効成分の規制区分
2.物理化学的性質
(1)外観・性状
白色の結晶又は結晶性の粉末でにおいはなく、わずかに酸味がある。
(2)溶解性
水に溶けやすく、エタノール又はエーテルにほとんど溶けない。
(3)その他の主な示性値
pH:本品 5.0g を水に溶かして 100mL とした液の pH は 2.5∼3.5 である。
3.有効成分の各種条件下における安定性
4.有効成分の確認試験方法
(1)本品の水溶液(3→10000)3mL にオルシンのエタノール溶液(1→10)0.2mL を加え、次いで硫
酸第二鉄アンモニウムの塩酸溶液(1→1000)3mL を加え、10 分間水溶中で加温するとき、液
は緑色を呈する。
(2)本品の pH7.0 の 0.1mol/L リン酸塩緩衝液溶液(1→80000)につき、紫外可視吸光度測定法に
より吸収スペクトルを測定するとき、波長 257∼261nm に吸収の極大を、波長 223∼227nm
に吸収の極小を示す。
(3)本品の水溶液(1→100)はナトリウム塩の定性反応(2)を呈する。
(4)本品の水溶液(1→100)はリン酸塩の定性反応(2)を呈する。
5.有効成分の定量法
(1)総ヌクレオチド量:紫外可視吸光度測定法
(2)アデノシン三リン酸ニナトリウムの質量比:液体クロマトグラフ法
3
Ⅳ.製剤に関する項目
1.剤形
直径約 8.8mm、厚さ約 5.2mm、重量約 320mg の赤色腸溶性糖衣錠である。
2.製剤の組成
(1)有効成分の含量
1錠中アデノシン三リン酸二ナトリウム(ATP-2Na)20mg
(2)添加物
黄色5号、赤色3号、乳糖、バレイショデンプン、ステアリン酸マグネシウム、酢酸フ
タル酸セルロース、精製白糖、沈降炭酸カルシウム、タルク、酸化チタン、アラビアゴ
ム、ゼラチン
3.製剤の各種条件下における安定性
試験条件
試験期間
保存包装
試験項目
(1)性状
室温
2年
PTP
(2)確認試験
(3)崩壊試験
(4)定量
(1)性状
いずれの条件においても着香、吸湿などの変化はなかった。
(2)確認試験
いずれの条件においても規格に適合した。
(3)崩壊試験
いずれの条件でも変化は認められなかった。
(4)定量
最終検査条件において約 5%程度の含量の低下が認められたが規格内であった
長期保存試験結果より、本品はその包装形態で 2 年間は安定であった。よって、使用期限は 2
年間と設定した。
4
4.混入する可能性のある夾雑物
5.溶出試験
なし
6.生物学的試験
なし
7.製剤中の有効成分の確認試験法
薄層クロマトグラフ法
8.製剤中の有効成分の定量法
紫外可視吸光度測定法
9.力価
該当しない
10.容器の材質
11.その他
特になし
5
Ⅴ.治療に関する項目
1.効能又は効果
下記疾患に伴う諸症状の改善
頭部外傷後遺症
心不全
調節性眼精疲労における調節機能の安定化
消化管機能低下のみられる慢性胃炎
2.用法及び用量
アデノシン三リン酸二ナトリウムとして、1回 40∼60mg を1日3回経口投与する。
なお、症状により適宜増減する。
6
Ⅵ.薬効薬理に関する項目
1.薬理学的に関連のある化合物又は化合物群
2.薬理作用
・ATP は主として TCA サイクルの反応でつくられるエネルギーを高エネルギーリン酸結合として
捕捉し、エネルギーを必要とする反応にこれを供給する。
・ラットに ATP を投与した実験で、心房筋、心室筋で糖代謝亢進によると思われるグリコーゲン
の減少が認められ 2)、心房、心室でモノアミン作働性線維の増強と分布密度の増大が観察され
ている 3)。
7
Ⅶ.薬物動態に関する項目
1.生物学的同等性
該当資料なし
8
Ⅷ.安全性(使用上の注意等)に関する項目
1.警告内容とその理由
記載事項なし
2.禁忌内容とその理由
記載事項なし
3.効能・効果に関連する使用上の注意とその理由
記載事項なし
4.用法・用量に関連する使用上の注意とその理由
記載事項なし
5.慎重投与内容とその理由
記載事項なし
6.重要な基本的注意とその理由及び処置方法
記載事項なし
7.相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
ジピリダモール ジピリダモールは ATP 分解物であるア ジピリダモールのアデノシン取
デノシンの血中濃度を上昇させ、心臓血 り込み抑制作用により、ATP 分解
管に対する作用を増強するとの報告が 物であるアデノシンの血中濃度
あるので、併用にあたっては患者の状態 が上昇する。
を十分に観察するなど注意すること。
9
8.副作用
本剤は使用成績調査等の副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
その他の副作用
下記のような副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められ
た場合には減量・休薬等の適切な処置を行うこと。
頻
度
不
明
消
化
器
悪心、食欲不振、胃腸障害、便秘傾向、口内炎
循
環
器
全身拍動感
過
敏
症
瘙痒感、発疹
精神神経系
頭痛、眠気、気分が落ち着かない
感
覚
器
耳鳴
そ
の
他
脱力感
9.高齢者への投与
一般に高齢者では生理機能が低下しているので減量するなど注意すること。
10.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないことが望ましい。
〔妊娠中の投与
に関する安全性は確立していない。
〕
11.小児等への投与
小児等に対する安全性は確立していない。
12.臨床検査結果に及ぼす影響
記載事項なし
13.過量投与
記載事項なし
14.適用上及び薬剤交付時の注意
1)服用時:かまずに服用させること。
2)薬剤交付時:PTP 包装の薬剤は PTP シートから取り出して服用するよう指導すること。
(PTP
シートの誤飲により、硬い鋭角部が食道粘膜へ刺入し、更には穿孔を起こし
て縦隔洞炎等の重篤な合併症を併発することが報告されている。)
10
15.その他の注意
記載事項なし
16.その他
記載事項なし
11
Ⅸ.非臨床試験に関する項目
1.一般薬理
該当資料なし
2.毒性
該当資料なし
12
Ⅹ.取扱い上の注意等に関する項目
1.有効期間又は使用期限
2年
外箱に表示の使用期限を参照して下さい。
2.貯法・保存条件
湿気を避けて冷暗所保存
3.薬剤取扱い上の注意点
指定医薬品
4.承認条件
特になし
5.包装
100 錠、1000 錠、1200 錠、6000 錠
6.同一成分・同効薬
同一成分薬:ATP腸溶錠第一(第一製薬) ATP協和腸溶錠(協和発酵)
7.国際誕生年月日
不
明
8.製造・輸入承認年月日及び承認番号
製造承認年月日:1970 年 2 月 17 日
承
認
番
号:14500AMZ00328000
9.薬価基準収載年月日
1970 年 8 月 1 日
10.効能・効果追加、用法・用量変更追加等の年月日及びその内容
1984 年 11 月 10 日:再評価結果に伴う一部変更
1996 年 12 月 19 日:再評価結果に伴う一部変更
1999 年 9 月 17 日:再評価結果に伴う一部変更
13
11.再審査結果、再評価結果公表年月日及びその内容
1984 年 9 月 27 日:効能・効果、用法・用量の整備
1996 年 3 月 7 日:効能・効果記載方法の変更
1999 年 6 月 29 日:効能・効果の一部削除
12.再審査期間
該当しない
13.長期投与の可否
14.厚生労働省薬価基準収載医薬品コード
3992001F1025
15.保険給付上の注意
特になし
14
ⅩⅠ.文献
1.引用文献
1)鶴原製薬株式会社 社内資料
2)大塚長康 他:新薬と臨床、20、1833(1971)
3)大塚長康 他:新薬と臨床、21、2259(1972)
2.その他の参考文献
日本薬局方外医薬品規格
ⅩⅡ.参考資料
主な外国での販売状況
なし
ⅩⅢ.備考
ⅩⅢ.備考
1.その他の関連資料
なし
2.商品情報お問い合わせ先
鶴原製薬株式会社
医薬情報部学術課
〒563−0036 大阪府池田市豊島北1丁目 16 番 1 号
15
製造販売元
鶴原製薬株式会社
大阪府池田市豊島北 1 丁目 16 番 1 号
文献請求先:鶴原製薬(株)医薬情報部学術課