構造力学研究室 1.研究室スタッフ(専任教員) 准教授 博士(工学) 加鳥 裕明 ([email protected]) 2.場所:12号館2階212号室 (研究室) 2号館3階322−1号室(研究実験室) 3.研究室の概要 自動車、航空機、ロケット、鉄道車両、船舶など交通機械と呼ばれるもののほか、橋梁、建築 構造物、携帯電話に至るまで、すべての構造物は軽く、強く造ることが要求される。特に航空宇 宙工学の分野では、この要求は切実であり高い信頼性や安全性のもとで、より軽量な構造を実現 することが求められている。このような要求を満たす構造物の設計を行うためには、できるだけ 体系的に構造理論を理解し、より信頼度の高い構造解析技術を身に付けていくことが必要不可欠 となっている。現在,構造解析の最も有効な手法として有限要素法による構造解析プログラムが 実用化され、日常的に構造設計業務に用いられている。その一方で,複雑な構造物のより高精度 な構造解析技術の開発・構築が求められている。本研究室では、構造力学の理論や有限要素法な どの計算力学的手法について教育研究を行っている。特に,有限要素法などによる構造解析にお いて、より精度の高い、信頼できる解析結果を得るための解析技術の開発を目指している。さら に、航空宇宙構造物、自動車などに広く用いられている炭素繊維強化プラスチックス複合材料構 造物の力学問題などに関する研究も行っている。 本研究室のモットーは、機械工学の基幹科目の一つである材料力学を基礎として、固体力学、 構造力学および計算力学の基礎原理から応用までを学び、与えられた設計条件を満足する機能的 かつ強度的に安全な構造物を設計できる能力を涵養することを目標としている。 4.主な研究テーマ 1.有限要素法を中心とする構造解析技術の向上に関する研究 2.複合材料構造物の力学的挙動に関する研究 3.知的複合材料・構造システムに関する研究 4.構造力学における逆問題に関する研究 5.研究内容 構造設計について 航空宇宙構造物・自動車などの構造設計 与えられた複数の設計目標を満たす構造を作り出す ・軽量化 ・強度,耐久信頼性 ・経済性 ・耐熱性,空力性能 ・振動,騒音 ・環境適応性 等 ・解析シミュレーションの高精度化 ・総合解析システムの構築 5−1.有限要素法を中心とする構造解析技術の向上に関する研究 構造設計において有用な解析技術である有限要素法を中心に、その解析技術の向上をめざして いる。 Concentrated load 0.015 w maxD 0.0065 w max D 2 PL 構造解析 0.013 解析的方法 PL2 Clamped 0.014 0.006 Thin plate theory 0.0056 数値的方法 0.012 0.005 微分方程式 / 境界条件 Thin plate theory 0.0116 0.011 差 分 法 有限要素法 差分近似 差分方程式 境界要素法 変分方程式 0.0045 100 16 36 64 Number of elements 分割数による最大たわみの変化 CL-U 境界積分方程式 離 散 定 式 化 4 積分定理 変分原理 有 限 要 素 0.0055 Simply supported 0.0015 0.0014 境 界 要 素 wmax D qL 4 0.0013 Thin plate theory 0.00126 0.0012 0.0011 連立1次方程式 構造解析の方法 0.001 1 10 10 2 103 L/t せん断変形の影響 104 5−2.複合材料構造物の力学的挙動に関する研究 複合材料積層板の曲げ問題などの解析のために実用性の高い手法を求め、その有効性について 検討したものである。 Cross-ply (0/90) 30 15 (θ (θ Present method 25 Reddy et al. (9) θ ) θ )s 12.5 (a/t=100) w w 20 10 . θ 7.5 15 10 0 20 40 60 80 100 5 θ 0 10 20 30 40 50 θ a/t クロスプライ正方形積層板の最大たわみ アングルプライ正方形積層板の積層角度 の影響 5−3.知的複合材料・構造システムに関する研究 構造物にセンサ、アクチュエータ、コントローラの機能を備え、構造の知的化を図り形状や振 動の制御,構造物内部の損傷制御などへの適用について検討を行っている。 コントローラ 構造材料 知的材料 ・構造物 アクチュエータ -1.133×10 -2 (mm) センサ (a) Ez=20×106V/m 1.440×10 -3 (mm) (b) -1.604×10 -3 (mm) Ez=25×106V/m 1.290×10 (c) (mm) Ez=30×106V/m 圧電材料積層板のたわみ分布 知的材料・構造 -2
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