KATO’s NOTES : 分詞構文 ver.1.0.1 page1/4 注:分詞の形容詞的用法は中学生向けのものを参照のこと。 分詞構文とは ● もともとあった接続詞と主語を省略してしまう場合と,付帯状況を表す場合がある。接 続詞と主語が無いものを訳すときは,自分でそれらを補って読んでやる必要がある。 分詞構文の考え方 ● 作り方 ◎ 基本 ○ When they saw us, they ran away. 意味:「彼らが私たちを見たとき,彼らは逃げた。」 ↓ 接続詞を省略。 They saw us, they ran away. ↓ 主節と主語が同じなので,主語も省略。 Saw us, they ran away. ↓ 省略を表すため,述部(動詞)を分詞にする。 ○ Seeing us, they ran away. ◎ 否定の場合 ○ As they didn’t know what to do, they were just walking about. 意味:「何をすればよいのか分からず,彼らはただおろおろしていた。」 ↓ 接続詞と主語を省略。 Didn’t know what to do, they were just walking about. ↓ do(did)を省略し,know を分詞にする。 ○ Not knowing what to do, they were just walking about. ※ このように,否定の場合は分詞の前に not をつける。 ◎ 受動態の場合 ○ As I was knocked out, I was taken to the hospital. 意味:「私は殴られて気絶し,病院へ運ばれた。 」 ↓ 接続詞と主語を省略。 Was knocked out, I was taken to the hospital. ↓ be 動詞を分詞にしてもよいし,省略してしまってもよい。 ○ (Being) knocked out, I was taken to the hospital. ※ 上の例のように,受動態の場合 be 動詞はあっても無くてもよい。なくす 場合は,knocked がすでに過去分詞であるので,そのままにする。 ※ 否定の場合は通常と同じように文頭に Not をつける。 ©2001-2002 YSK http://www3.to/ysk.site KATO’s NOTES : 分詞構文 ver.1.0.1 page2/4 ◎ 完了形の場合 ○ As I had finished my work, I took a vacation. 意味:「私は仕事が終わったので,休暇を取った。」 ↓ 接続詞と主語を省略。 Had finished my work, I took a vacation. ↓ Have を省略すると完了か受動か分からなくなるので残して分詞にする。 ○ Having finished my work, I took a vacation. ※ 通常完了形の分詞構文は大過去を表す。 ※ 否定は Not having done~となる。 ● 訳し方 以上で見た手順を逆にたどり,主語や接続詞を自分で補っていく。 ◎ 例 ○ Seeing us, they ran away. ↓ 主語は主節と同じはずなので,they を補う。 They saw us, they ran away. 「彼らが私たちを見た」, 「彼らが逃げた」の2文をつなげるのにふさわし い接続詞を考える。 ○ As/Because/Since/When they saw us, they ran away. ※ ここで,もとの例文では When を使っていたが,上に書いた as や because なども入りうる。これらを入れたとしても,意味としては大して変わらな いため問題ない。もともと分詞構文はそれほど前後の文のつながりを厳密 にはしていないので,補える接続詞が複数あることも多い。 (as にしても もともと多義語である) ● 接続詞が残る場合 分詞構文で接続詞を省略するのは,省略しても大して問題ない程度の重要性しか接続詞 にないから。だから,逆に接続詞の意味を強調しておきたい場合は省略しない。 ◎ 例 ○ When they saw us, they ran away. ↓ 接続詞は残し,主語のみ省略。 When seeing us, they ran away. ※ こうすることで,意味を考えるときに「見たから逃げ出した」のではなく, 「見るや否や逃げ出した」ということがはっきりする。 ©2001-2002 YSK http://www3.to/ysk.site KATO’s NOTES : 分詞構文 ver.1.0.1 page3/4 ● 主語が残る場合(独立分詞構文) 分詞節にする文の主語が,主節と違った場合,もし主語を省略してしまうと分の意味が 分からなくなってしまう。だから,この場合は主語を残す。 ◎ 例 ○ As he went on, we could only follow him. 意味:「彼はどんどん行ってしまうので,私たちはついて行くしかなかった。」 ↓ 接続詞を省略する。 He went on, we could only follow him. ↓ ここで主語まで省略すると誰が行ったのか分からなくなるので残す。 ○ He going on, we could only follow him. ※ 主語を省略すると動作主が不明になってしまうので残しただけ。主節とは 違う動作主に関する文ということで独立しているので,独立分詞構文と呼 ぶ。 付帯状況 ● 分詞構文によって表す付帯状況 ◎ 例 ○ They walked down the street, singing a song. ※ 意味: 「彼らは歌を歌いながら通りを歩いた。」 ※ このタイプの場合, 「~しながら」「~して」 「…,そして~した」などと 訳せる。 ※ 付帯状況を表す場合は,接続詞を使って言い換えるということができない ことが多い。上に書いた例文も接続詞を使って書き換えるというのはでき ない。 ● with + (代)名詞 + 分詞 ◎ 例 ○ The dog sat there with its tongue hanging out. 意味:「その犬は,舌をたらしてそこに座っていた。」 ○ He stood there with his eyes closed. 意味:「彼は目を閉じてそこに立っていた。」 ※ 「with + (代)名詞 + 分詞」で, 「~しながら」という意味になる。上の2 つの例文は両方とも分詞の前に were が省略されている。 ※ 現在分詞を使うか過去分詞を使うかは,もとの文が能動態か受動態かで判 断する。 ©2001-2002 YSK http://www3.to/ysk.site KATO’s NOTES : 分詞構文 ver.1.0.1 page4/4 ※ 「with + (代)名詞」の次には,必ずしも分詞がくるわけではない。例えば He stood there with his hands in his pocket. 「彼はポケットに手を入れてそこに立っていた。」 I went out with the windows open. ※この open は形容詞。 「私は窓を開けたまま外出してしまった。」 などという言い方もできる。 慣用的分詞構文 ● 確かに分詞構文ではあるのだが,もう既に慣用表現,いわゆる熟語になってしまったも の。言い回しとして覚えればいい。 ◎ Considering ~, 「~を考慮に入れると」 ◎ Frankly/Strictly/Generally speaking, 「率直に/厳密に/一般的に 言うと, 」 ◎ Talking (Speaking) of ~, 「~と言えば」 ◎ Judging from ~, 「~から判断すると」 分詞構文について ● 分詞構文においては,普通なら書いてあるところが省略してあるので分かりにくいこと が多い。だから,口語ではまず使われない。また,省略するということは,なくてもい い程度の重要性しかないということか,なくても意味がはっきりしているということで ある。だから訳す場合には,乱暴な言い方をすれば,自分である程度勝手に文脈に沿う 意味を作ればよい。 ©2001-2002 YSK http://www3.to/ysk.site
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