松江市社会福祉協議会助成事業 書物の郷の巻 時 平成 27 年 11 月 28 日(土) 13 時~15 時 修行場所 松江市立中央図書館 参加者 小学校 1 年生~6 年生 31 名 おとな 12 名 講師 NPO法人 北崎圭太さん (サポート あそび環境 Museum アフタフ・バーバン 清水洋幸さん 大雅賀代さん 図書館館長さん以下現場スタッフの皆さま) 子どもとおとなが関わる楽しさをあそびの中で、学ぶことを目的とした「忍者、参上!」も今年で 9 回目になり ました。「子どもホットライン もしもしにゃんこ」を開設してまもなく、「コミュニケーション力が落ちている」こと に改めて気づき、なにか楽しいことで学べないかと東京のNPO法人アフタフ・バーバンと共に始めた事業です。 2 月に松江市の共創・協働マーケットという、行政と市民団体の力を出し合い、なにか一緒に事業をしませんかと いう、いわばお見合いの場がありました。そこで、松江市立図書館と出会いがあり、今回の「忍者、参上!」が図書 館で開催という思わぬ企画ができました。 この出会いに両者ワクワクしながら当日までに打ち合わせを重ね、アフタフ・バーバンの下見も 2 回してもらい ました。図書館側、ほっと・すぺーす 21、そしてバーバンもお互いの希望も出し合いました。 ・まわりでなく一般の閲覧者や借りにきている方や、中高校生が勉強しているところで修行したい ・たとえば、忍者関係の本を借りるとか図書を利用する修行をいれてほしい ・静と動をとりいれ、うまく館内がつかえないか ・プラバホールホワイエの使用はできないか ・イルミネーションの季節、外でのチャンバラは可能か etc・・・ ひとつずつ検討しお互いの意見を出し合いました。 また二階大会議室だけでなく、普段は入れない閉架図書、 移動図書館車、プラバホワイエも当日使えるように尽力して いただきました。どんな修行になるのだろう! 11 月が近づ くにつれみんな期待がどんどん膨らみます。同時に利用者さ んが受け入れてくださるだろうかという不安も大きくなって きました。 10 月中旬からチラシ配布募集開始、新聞掲載、BSSラジオ 出演とPRを重ね、また当日用の「巻物」も夜なべ仕事に作成 開始しました。 さて当日、おとな忍者は 10 時 30 分、集合。まずおとな参加 者のワークからスタートです。今日ともに時を共有する仲間が まず関わりあい、お互い安心感と信頼感を感じる時間です。わ ずか 1 時間ですが 10 数年の友人のような不思議な気持ちに なる時間です。そしてきょうの修行内容説明、風呂敷の巻き方 の練習をし、子どもたちを待ちます。 当日館内には、「忍者、修行中」であることのおしらせを張ら せてもらいました。館長さんは「苦情は私がすべて引き受けま す」とのこと、どうぞ館内の皆さま温かなまなざしで子どもた ちをみてください、と祈るような気持です。 12 時 45 分、子どもたちの登場です。順番に風呂敷を巻き、子ども忍者に変身。最初は大会議室での導入の修行 からスタート。 長剣をくぐったり飛び越えたり、見る、聞く修行、講師 3 人の絶妙な子どもたちとの掛け合いに会場全体が笑い と歓声が響きます、保護者さんも後ろで一緒に修行。わが子の楽しい様子に笑顔です。 チームでの修行へと移ります。事前に渡されてポケットに入れていた「暗 号の文字」同士でチームになります。あ、い、う、え、お・・・全 10 チームができ ました。ここから一緒に変身修行をしながらチームの絆が深まっていきます。 特に「石・岩」になる修行は心に残るものです。お互いの鼓動が聞こえ、身体 全身がお互い触れ合います。チームが一体になっていく、心が相手に動く 不思議な時間です。 さて大会議室からホワイエに向かいます。ここで最初の大きな修行「宝 の文字」探しが言い渡されます。なんだ、それ?紙に一文字が書いてある紙 を、大会議室・閉架図書・移動車に隠されています。それをできるだけたくさ ん探し出します。チームごとに探す紙の色が決められています。ところが簡 単ではありません。影忍者にみつかったらダメなのです。影忍者に出会った らどうするか・・・チームごとに相談です。逃げる、隠れるといった案から今修 行した「お地蔵さんに変身する」「猫になる」「犬になる」「壁になる」といっ たことが出ると、待ちきれないようにホワイエから走りします。 閉架図書には、お宝の紙がいっぱい、ところが、鈴の音が、シャンシャ ン・・・影忍者の登場です。音を聞いただけで固まります。怖さ満点です。壁に なったりお地蔵さんになったり・・・ドキドキしながら影忍者をなんとかやり過 ごします。こんな経験初めてではないでしょうか。子どもたちの心が膨らむ のが見えます。一緒にいるおとな忍者の手をぎゅっとにぎっている子ども もいます。子どもをかばうように一緒に壁になるおとな忍者がどんなにた のもしく思えることでしょうか。そして、そんな中で手に入れた一枚一枚の 紙は本当に宝ものに見えます。 ホワイエで集めた紙をそれぞれ合わせ、「ことば」を考え作ります。 「ろ」り」「ぞ」、えっ、どうするんだ?この紙・・・あっ「ゾロリ」!子ど心は 豊かです。たくさんの言葉ができます。「ば」や「ぱ」もこれがなかったら 「は」、「は」としてことばができる柔軟さ。これがこの修行の柔らかさ、 楽しさです。 そして次の修行はいよいよ、図書館内が舞台です。集めた紙の「こと ば」に関連のある本をチームで探してくる・・・タイトルでも中身でも関連 していたらいいよとのこと。わぁ、それはおもしろい! よっしゃーっ! そして館内にはいる忍者たち。ここで感動のまなざしに出会いました。 館内にいる一般閲覧者、勉強している中高校生が「きたきた、これねー」という温かなまなざしで子どもたちを修 行のようすをみているのです。見ないふりをしながら閲覧中の本の上からそっとみている方もいます。 中高校生の見守る顔をみて思いました。もしかしたら、この中高校生たちのなかに、「子ども忍者」経験者いるん じゃないかな、と。9 年で松江市だけでも 300 人の子どもが参加している計算です。最初の 6 年生は高校 3 年生 です。1 年生だった子も中学 3 年生です。彼らのなざしを見ながらやってきたことがもしかしたらずっと心で生きて きているのでは・・・と思いました。 さて、子どもたちも静かに探す修行を守り、本を探します。中には検索をする「つわもの忍者」もいます。「あい」 ということばから「結婚」なんて本も探し出します。なんと子 どもらしい発想!とおとな忍者に大うけです。「せと」は「瀬 戸焼」「瀬戸内海」と迷います。「ふゆ」もおとなが選ぶ本よ り「ふゆ」が入った本にこだわります。言葉の本が思い通りに はなかなかみつかりません。カウンターで聞いたりおとなコ ーナーにいったり・・・・、そして選んだ究極の一冊をカウンター に持っていきます。そしてここに館長さんの待つ「忍者専用 カウンター」が。たくさんの本を言葉遊びから借りることがで きました。そうか、図書館を使ってこんなあそびができるん だ!借りた本はいつもの本より愛おしい。1 年生たち、中身が わからなくてもこの本は宝物という顔でみています。 最後は「新聞チャンバラ修行」、残念ながら雨のため外でのチャンバラはできず、大会議室で行いました。お互 いの陣地にある布(旗)をトマトコロコロに先に届けた方が勝ち です。 子ども 31、おとな 12、子どもたちは圧倒的優位で攻め 入ります。あっいう間に一回戦、子ども忍者が黄色の布(旗)を 届けます。今回の一回戦、幼児忍者から参加している 5 年生が この黄色い布(旗)届けました。初めて参加したときは、チャンバ ラも怖くて人の後ろにかくれていました。5 年目、とうとう布を うばい届けるところまでになりました。こんなあそびにも成長 を思います。 おとな忍者にはみていた保護者さんも参加し 2 回戦。増えた はずのおとな忍者、果敢に攻め、先に布(旗)を届けますが、途 中、新聞剣で切られていて、子ども忍者に布(旗)が渡り、再び 陣地に。そうこうしているうちに子ども忍者から布(旗)が手渡 ります。たかが新聞チャンバラですが、おとなも子どもも心が はじけます。童心に帰ったおとなは本気で戦います。こんなあそびをするおとながいるんだ、子どもたちも心から 「力は己 の思い本気の心がはじけます。行の終わりに「巻物」を修行のあかしにもらい、終了!巻物の言葉は の中にあり!」これが宝の中身です。 このことばは君たちはまだわからないかもしれないね。 でも君たちの心には温かなまなざしを注いでくれていたもしかしたら経験者かもしれない中高生たち のように、大きな宝物のような思い出の力になったかもしれないと思いたい。 きょうのこの気持ちはもしかしたら一生心のどこかで力を与えてくれるかもしれない。 子どもたち、ワクワクドキドキしながら、 未知の道を、自分の力を信じて、一歩ずつ前に進めー! いつかはキミの 黄色の布(旗)にたどり着くと信じています 苦情は一見もでなかったとのこと、図書館の皆さま、本当に温かなバックアップありがとうございました。おかげ さまでこんなよい講座になりました。来年度もぜひ修行を一緒にしましょう! 広 が り 手 も ど ん ど ん 上 が り ま す 。 ま す 。 緊 張 も 解 け 、 安 心 感 が 広 が る と 笑 顔 が お 菊 ま で す が 、 ひ と り ひ と り 自 分 ら し く 参 加 し て い 聞 く 修 行 ・ 見 る 修 行 中 で す 。 学 校 も 学 年 も さ ま ざ 図書館内での修行の様子です 今日探 した本はたぶん一生覚えているので は・・・ 果敢に攻めるおとな忍者、しかしよく見ると子ども忍 者の手には黄色の布(旗)が・・・ ニン ニン ニン! この言葉を唱えれば みんな笑顔と勇気があふれます! この事業は、松江市社会福祉協議会から配分を受けた篤志寄付金(香典返し等寄付金)を財源の一 部として行 いました。ありがとうございました。
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