菅原道真と日本語 菅原道真(845〜903)は、今、学問の神様として祭ら れます。父方、菅原家は代々漢学者であり、母方は大 伴旅人・家持なども出た伴氏です。道真が学問の神様 とされるのも当然でしょう。 はたして、道真は和漢の学問を融合させ、そこから 日本独自の「仮名」を創り上げた人でもあった。仮名 による日本語の文化発生と道真の関係について講義を 行います。4月から始まる3ヵ月講座です。 ●講 師 大東文化大学准教授 山口謠司 ●開講日 第 4 木曜日 13:00~14:30 ●受講料 3 ヵ月(全 3 回)分 7,200 円+税 ■4 月 23 日 菅原家と遣唐使 平安時代初期、日本語の漢文脈は、歴史・政治・文芸などあらゆる面において必要でした。これを積 極的に担ったのが遣唐使による中国文化の移植です。菅原道真は、漢学を担う博士家に生まれました。 第一回目は、日本語になくてはならない漢文と菅家との関係について講義します。 ■5 月 28 日 大伴旅人から道真へ 大伴旅人・家持など、万葉集には道真の母方の先祖に当たる歌人の歌が多く載せられています。和歌 と漢詩・漢文は我が国の文化の表裏一体のものとして存在しました。大伴旅人などから道真の和歌を見 ながら、和歌とは何であったのかを考えてみます。 ■6 月 25 日 政治のうねりと日本語 ひらがなで書かれる日本語の表現は、唐王朝の崩壊にともなう外交問題と、藤原家による政治的な動 きなしには生まれませんでした。遣唐使の停止を上奏した菅原道真、そしてその道真を政治の舞台から 消した藤原家。天皇家をめぐるこうした外交内政の裏側から仮名文学の発生を考えます。 講師紹介プロフィール 山口 謠司(やまぐち・ようじ) 大東文化大学中国文学科卒業。2012 年同大学にて博士号を取得。博士(中国学)。フランス国立高等学院研究院 人文科学研究所アジア言語研究センター大学院博士課程後期退学。英国ケンブリッジ大学東洋学部共同研究員な どを歴任。2002 年より大東文化大学文学部中国学科准教授。専門は、書誌・音韻学。主な著書に、『空海入唐へ の道』(共著・成田山仏教研究所)、『日本語の奇跡<アイウエオ>と<いろは>の発明』『ん 日本語最後の 謎に挑む』(新潮新書)『面白いほどわかる漢字』(日本文芸社)、『てんてん―日本語究極の謎に迫る』(角川 選書)、『日本語にとってカタカナとは何か』(河出書房新社)ほか。
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