137 愛知工業大学研究報告 第5 0号 平 成 2 7年 矢作川水系におけるカワゲラ類水生昆虫の分布と河川環境 D i s t r i b u t i o no f P l e c o p t e r a( I n s e c t a )i nt h eY a h a g iR i v e rs y s t e m, c e n t r a lHonshu J a p a n, ラ w i t hs p e c i a lr e f e r巴n c巳 t ot h er i v e re n v i r o n m e n t s 川崎嵩之¥内田臣ー什 TakayukiKAWASAKI S h i g巴kazuUCHIDA ヲ A b s t r a c t S t o n e f l ynymphs( I n s e c t a ,P l e c o p t e r a )werec o! le c t e di n20002014a t6 1s i t e si nt h eY a h a g i 開 R i v e rs y s t e m,c e n t r a lHonshu J a p a n .Atl e a s t4 5t a x ao fP l e c o p t e r awerei d e n t i f i e d .Outo ft h e s e24were ot h巴 s p e c i e s1 巳v e. lEacht a x o n( s p巴c i e s )o f P l e c o p t e r at e n d e dt oo c c u ri nac h a r a c t e r i s t i cs c a l eo f i d e n t i f i巴dt c epa 抗巴r no f r i v e rb a s i n s( a r e ao fc a t c h m e n tb a s i n )andi nac h a r a c t e r i s t i czoneo fa l t i t u d e .T h i so c c u r r巴n e n t r a lHonshu, e a c ht a x o n( s p e c i e s )i nt h eYahagiR i v e ri ss i m i l a rt ot h a to b s e r v e di nt h eTamaR i v e rs y s t e m,c ラ J a p a n . Along t h e mainstream o ft h eY a h a g iR i v e r ,downstr巴am continuous occurrences of Oyamia, Xanthoneuria( P e r l i d a e )andl s o p e r l α ( P e r l o d i d a e )werep a r t l yi n t巴r r u p t巴dbyt h el a c k so fo c c u r r e n c e sbelow t h eYahagiDam,t h el a r g e s tdami nt h巴 r i v e rs y s t e m .T h i sr e s u l ts u g g e s t st h a tt h edamc o u l da f f e c tt h e s e e r l o d e s斤 l s o n仰 l U S( P e r l o d i d a e ),an e a rt h r e a t e n巴ds p e c i e si nt h巴 J a p a n e s eRed g e n e r a .A fewnymphso fP o! le c t e di n2000-2004a ttwos i t e si nt h elow 巴r mainstream,b u tt h e ywer巴 n巴v e rf o u n dt h e r e a f t er . L i s t,werec p .b e f o r ehumani m p a c ta r epresumedt ohavebeenw i d e rt h a ni n D i s t r i b u t i o no f t h i ss p e c i e sandTadamuss 胃 t h ep r e s e n t,b a s e dont h ecomparisonw i t ht h eo t h e rh a b i t a to ft h etwos p e c i e si nt h eT a k a t o k iR i v e r,S h i g a P r e f e c t u r e,Honshu,J a p a n . カワゲラ類の幼虫は、淡水中の主に流水に生息し、河 N 4十 1.はじめに 床の機関や際下の隙問、落葉の堆積や植物の根の間など から見つかる。食性も他の水生昆虫などを捕食する肉食 性から落葉、付着藻類などを食べる植食性と様々である。 可)1 1の上流を好む種が多く、有機汚濁に弱い 水温の低い j 1 ,2 )。カワゲラ類には世界で約 が記録されている 2 0 0 0種、日本で約 2 0 0種 3 )。 調査地域とした矢作川水系では、その本流の中流部で、 水生生物の異常が知られている。すなわち、カワシオグ サの大繁茂 4 )、造網型トピケラ類の優占 5 )、オオカナダ モの大繁茂 6)、外来生物カワヒバリガイの定着 η などが 起こっている。これら生物の異常は矢作ダムをはじめ複 数のダムによる流量の安定化や掃流土砂の減少がその主 な原因と考えられている 4 ) 。これらのうち掃流土砂の減 少への対策のひとつとして、置き土実験が行われている 流域の墳 8 ) 。また、矢作ダム上流からダム湖内に流入する土砂を土 ' jム 調査地点 す愛知工業大学大学院建設システム工学専攻(豊田市) 什愛知工業大学工学部都市環境学科(豊田市) 図1.調査地点 同 圃 幽 回 国 圏 、 . • 138 愛知工業大学研究報告,第 5 0号,平成 2 7年 , V ol.50,Mar,2 0 1 5 表 I 矢作川水系における調査地点(豊田市内の 4 7地点を除く)と採集方法 1 4 2 6 霊知県岡崎市矢作町矢作 1 1 1 矢作橋河口から 2 3 . 2 山m 1 4 2 8 砂バイパストンネルによって矢作第二ダム下流に迂回さ せ、連続した土砂移動の回復を目指す計画が検討されて し 、 る 9)。 定性 (2010~2014 年)。 一方、 2004、2 008、2009年の定時間採集では、カワゲ 0分間 ( 2 0 0 4,2009年)あるいは 3 0分 ラ類のみをのベ 6 との矢作川 l 水系におけるカワゲラ類については、断片 間 ( 2 0 0 8年)採集した。図 3、図 5で個体数を図示する 的な報告はあるものの、広域に多数の地点で分布を調査 2 0分間の侶体数に換算せず 2008年については 6 0 際は 1 した研究はない。そこで、この研究では矢作川水系にお 分間の個体数に換算し、 2004、2009年については 6 0分 いて広域に多数の調査地点を設けてカワゲラ類の分布を 間採集の個体数のままで示した。 調べた。調査地点には愛知工業大学河川・環境研究室で 2000~2013 年に調査した地点、も含む。また、カワゲラ類 2 ) では、各分類群につ 同一地点で 2回採集した柳川 I( いて多かった回の個体数を示した。 を時間を決めて採集した定量的なデータがある多摩川水 系における分布 1 0 ) と比較した。 2 1• 2 定性採集 冒 両水系での分布から、まず自然状態の矢作川でのカワ 1~4 人で網目内径約 4mm のタモ網を使い、定時間採 ゲラ類の分布を推測した。それを現状の矢作川でのカワ 集と向様に様々な微生息、場所でカワゲラ類を含む底生動 ゲラ類の分布と比較することにより、人為的な影響の可 物を採集した。豊田市矢作川研究所と愛知士業大学河川・ 能性を推定した。それによって、矢作川の生物の異常を 000年から継続している広域定点調査に 環境研究室が、 2 改善するための基礎資料を得ることをこの研究の目的と 伴う採集で、採集時聞は厳密には定めなかったが 2人で した。 30分間程度採集したととが多い。そとで、図 3、図 5で 0分間と 個体数を図示する際は 1回の採集時間をのべ 6 2 .研究方法 みなして 1 2 0分間採集の個体数に換算して示した。定点 調査なので、 1 地点で複数回調査の個体数データが得ら 2 1 採集寓固定と同定の方法 圃 れているが図 3、図 5では最多の個体数を示したロ カワゲラ類の分布を次の 2・1・1定時間採集、 2・1・ 2 定性採集の 2方法で調査した。 採集したカワゲラ類はその場で 8 0 %のエタノーノレで 固定した。それを実験室に持ち帰り、双眼実体顕微鏡(ニ 2.2 調査地点 定性採集による 7 地点と 2004~2014 年の定時間採集 による 5 4地点の計 6 1地点(図 1、 表 1 ) で調査した。 コン SMZ645) を用いて科、属、種までできる限り同定 これら調査地点のうち、豊田市内の 4 7地点については、 した。 別に新修豊田市史の 部に流域面積、標高、採集年月日、 採集者などの詳細が記載される予定である。 2• 1 1 定時間採集 圃 網目内径約 3mm のタモ網を使い、 2~7 人でのべ 120 分間、瀬や淵、落ち葉などが j 留まっている場所など様々 な微生息、場所でカワゲラ類を含む底生動物を採集した 2 3 多摩川水系との比較 圃 比較対象とした多摩川水系で、は、全 2 18調査地点、 1 0 )か ら浅川流域を除き、さらに幼虫が定量的に採集された 1 9 8 139 矢作川水系におけるカワゲラ類水生昆虫の分布と河川環境 表 2 多摩川水系の調査地点、 河川規模 地点番号 ( 涜 ( 場 km 面 ' ) 積) 2 3 4 5 6 7 8 g 10 1 1 12 1 3 14 1 5 1 6 1 7 18 1 9 20 2 1 22 23 24 25 地点番号 0 . 0 4 8 0.302 0 . 0 7 3 0 . 2 1 3 ι319 0 . 0 6 7 7 . 8 8 6 0 . 1 1 1 . 407 1 . 7 3 1 0.032 0 . 0 2 5 0 . 1 3 8 0 . 6 2 0 . 9 3 3 Z口16 7 . 9 3 7 0 . 0 4 5 0 . 6 4 8 0 . 1 5 2 0 . 1 2 0 . 0 4 46 1 0. 0 . 5 4 7 0 . 0 0 5 26 27 28 29 30 3 1 32 33 34 35 36 37 38 39 40 4 1 42 43 44 45 46 47 48 49 50 10) と河川規模(流域面積) 河川規槙 河川規援 河川規模 河川規模 河l i l 規撞 河川規模 河川規撞 (流域面積) 地点番号 (流域面積) 地点番号 (流域面積) 地点番号 〔流域面積) 地点番号 〔流域面積) 地点番号 (流域面積) 地点番号 (流域面積) k m ' ) k m ' ) k m ' ) k m ' ) k m ' ) k m ' ) km' 102自4 76 3 . 2 8 0 . 1 4 4 5 1 1 0 1 3 . 1 7 8 129 4 . 5 8 1 . 19 155 1 . 84 180 0 . 5 4 5 52 1 0 6 . 9 0 . 5 6 4 42 102 1 . 1 4 3 130 6 . 9 2 3 . 0 7 5. 77 156 1 8 1 9 . 0 2 182 0 . 0 3 5 1 1 9 . 6 7 103 1 2 . 2 6 1 3 1 157 6 . 2 8 1 9 . 2 7 1 .614 53 78 1 . 139 54 124 104 2 . 5 132 1 7 . 6 2 158 1 5 . 5 2 183 1 2 7 . 6 2 . 48 79 0 . 3 3 7 204 105 1 5 . 1 7 133 2 . 0 2 159 1 6 . 5 7 184 1 . 2 1 4 55 0 . 0 6 80 1 6 . 0 6 1 . 7 8 5 . 0 7 160 25.84 185 0. 40 9 56 0 . 0 9 8 1 3 7 . 9 7 107 5 3 . 2 6 134 0 . 2日目 2日 59 186 3 . 9 9 135 4 3 0 . 2日 1 6 1 10日 2 . 1 2 5 57 1 . 9 7 1 82 4 3 . 9 5 3 . 9 4 58 2 . 6 2 4 83 2 . 0 2 4 109 0 . 0 3 9 136 0 . 6 5 5 162 4 1 . 8 6 187 0 . 4 6 7 0 . 1 1 5 59 0 . 0 2 7 84 1 5 . 3日 110 0 . 2 3 2 137 3 . 9 3 163 9 . 1 5 188 4 . 7 3 4 008 4 . 3 8 138 0 . 8 1 6 51 60 0 . 1 1 85 7 . 0 1 .65 189 0 . 5 3 1 1 1 1 164 0805 0 . 6自3 0088 0526 86 2 6 7 . 2 6 139 4 6 7 . 7 192 1 4 6 . 8 112 165 6 1 0 . 1 6 113 0 . 0 5 9 5 140 166 1 .293 62 4 7 7 . 7 1 . 6 2 3 193 1 87 2 . 2 8 5 . 45 0 . 0 1 9 2 . 7 6 114 0 . 2 1 9 482 63 88 2 . 5 1 1 4 1 167 1 9 . 9 2 194 3 . 9 1 0 . 0 3 6 1 0 . 6 7 64 89 2 8 4 . 4 5 1 .876 142 1 .27 168 0.934 195 0 . 1 9 5 115 1 . 1 9 65 4 . 5 8 5 90 116 4 . 9 5 143 488. 0 . 0 1 4 169 2 . 6 8 196 1 5 7 . 8 0日3 1 46 197 1 5 9 . 7 0 . 3 5 117 1 . 5 6 144 0 . 6 7 2 170 39. 3 . 5 4 66 9 1 42.72 198 1 6 3 . 2 118 9 3 . 5 4 145 6 . 2 2 . 5 7 8 . 7 67 2 3 . 9 92 1 7 1 427 199 1 7 0 . 8 120 3 7 9 . 3 146 2 5 . 6 2 172 2. 5 . 1 6 2 1 0 . 7 8 6 8 0 . 2 3 93 707日l 4 69 0. 47 94 44 1 2 1 0 . 1 1 9 147 3 6 . 2 8 2 . 5 5 200 1 8. 29. 173 6 7 . 5 70 0 . 5 9 95 0 . 3 7 122 5 . 9 8 148 0 . 2 5 1 0 0 . 8 3 2 0 1 174 7 1 7 . 4 1 . 1 1 3 0 . 9 6 1 .175 96 49 149 0 . 2 9 4 0 . 2 1 7 202 7 2 2 . 0 9 123 7. 7 1 175 且且自 7 . 8 6 3 2 0 1 1 . 0 7 4 43 150 0. 48日 124 8. 1 . 9 6 717. 176 4 72 97 21 .89 2. 42 0 . 3 7 3 202 7 2 2 . 0 9 1 0 . 6 0 8 3 3 . 8 8 73 98 126 3 . 9 9 1 5 1 1 7 7 2 3 . 5 4 0. 74 6 . 3 5 99 127 4 . 1 4 152 0 . 9 3 1 178 0 . 0 3 9 405 7 . 1 3 8 75 0 . 0 7 6 100 128 1 . 9 8 1 5 3 1 . 1 8 5 179 0 . 6 9 1 . 7 0 3 ,。 , , , , 。 地点の結果を用いた(表 2 )。これらの地点について、こ 2・5 調査地点の河川規模(流域面積)と標高 の研究で下の 2・5の方法で流域面積を求めた。 この研究では、調査地点の環境を制約する 2つの特性、 1~ 河川規模と標高に着目してカワゲラ類の分布との関係を 3 人でカワゲラ類のみをのべ 5~90 分間、網目内径1.5 検討した。河川規模を示す尺度としては、調査地点の上 mm の手綱を使って、あらかじめ多く採集されると予想 流側の分水界で、囲まれた流域の面積を使った。縦軸に標 多摩川水系での採集方法 10) はこの研究と異なる。 された場所で採集した。図 3で個体数を図示する際は 1 5 高を、横軸に流域面積(対数)を左り、各調査地点で採 分間採集に換算して示した。採集時間を定めずに定性的 集されたカワゲラ類の個体数を円の面積で示した(図 2、 に生息を確認した地点、は、図 3では別の記号で示した。 図3 )ロ流域面積と標高は、 1・ 2 5, 0 0 0地形図など圃土地理 これら 1 9 8地点、の標高は原論文 院の地図(地理院地図ー電子国土 web) から求めた。 10) に記されている。 2• 4 高時川との比較 2 6 ダム聞の流量の推定 皿 希少な種であるフライソンアミメカワゲラなどが生息 矢作川本流の矢作ダム下流に連なるダム聞の渇水流量 する、滋賀県の琵琶湖に注ぐ姉川支流高時川馬渡橋右岸 を次のように推定した。矢作ダムへの流入量の渇水流量 (長浜市湖北町馬渡、標高 95m、流域面積 209km2) で 、 と矢作ダム下流の各支流の渇水流量とが集水面積に比例 2014年 3月 7日に調査した。 5人でのべ 1 2 0分間の定時 すると仮定し、渇水流量を推定した。矢作ダムへの流入 間採集 ( 2・1・1 ) とフライソンアミメカワゲラが好む微 量の渇水流量は国土交通省水文水質データベース 1 1 ) の 生息場所(緩やかな流れの大きな礁の下)において 5人 2010~2013 年の流入量から求めた。また、ダムや水力発 でのべ約 60分間の採集を行った。 電所からの維持流量 12) をこれらの渇水流量と合わせて 図示した(図 6 )。 標高 m 3 .結果と考察 1 5 0 0 3 1 採集結果の概要 圃 1 0 0 0 採集されたカワゲラ類は約 8 0 0 0個体で 4 5分類群に分 類された。そのうち種まで同定できたものは、 24種であ 500 )。採集結果の大部分である豊田市内の 47地 った(表 3 点での結果は、新修豊田市史の一部に記載される予定で 0 0 . 0 0 1 0 . 0 1 01 目 0:矢作川水系 1 1 0 1 0 0 流域面積 k m ' .:多摩川水系 . 矢作川水系・多摩川水系における調査地点の 図2 河川規模(流域面積)と標高の関係 ある。表 3には豊田市外の 1 4地点での結果のみを記し た 。 種まで同定できた 24種のうち、フライソンアミメカ ワゲラは国のレッドデータブックに準絶滅危慎 (NT) の カテゴリーで掲載されている 。矢作川では、 2 000、2003、 13) 140 愛知工業大学研究報告,第 5 0号,平成 2 7年 , V o l . 5 0,M a r, 2 0 1 5 2 0 0 4年に葵大橋 ( 5 9 )、矢作橋 ( 6 1 )で個体数が少ないも 表3 .採集されたカワゲラ類 のの採集されたが、その後は採集されなくなった。 (豊田市内の 4 7調査地点の結果を除く) 6 1 1 6 0 1 1 2 1 1 1 1 1 0 191817161514131211 地点番号 上 平 ; ; 1 : > 採矢愛村新 阿飯 A 日谷 口榔柳 集作議川弁白岳田川 合堰柳;尺 ヤ 川 川 地橋 合合天沢本官流堤平合 沢合源 点ム ロ計流橋 谷 ) 1 1点 上 流 上計涜 計 点 流 点 流 和名 このフライソンアミメカワゲラと同じ傾向が見られる のがコウノヒメカワゲラ属の一種である。この種も 2 0 0 0 ~2005 年に葵大橋 (59) で採集されたが、その後は 20 日 年に愛知環状鉄道橋 ( 6 0 ) で採集された I個体を除き採 集されなくなった。 21 111 151 1 6 1 1 8 1 1 5 ミヤマノギカワゲラ Yo国 車 r h 2u' " ' 101 211 ノギ力ワゲラ CfV p t of Je Haao",0a 4 オオアミメ力ワゲラ M' e E a r cvsochraoea 1 1 191 1 4 1 ヒロパネアミメカワゲラ 尺seudome Hr 包V Sja ρ ,o n l o a ~ツコウアミメカワゲラ Sopka 何 , 回ma 品。 ミスジアミメ力ワゲラ S' kw a hnabヨm フライ、ノンアミメ力ワゲフ Per 均o bs市 ' s o n a n u s S : t a v s o l u sh a/ ) o n i cLls 3・ 2 語査地点の河川規模(流域面積).標高とカワゲ 419 1 ラ類各分類群の個体数との関係 2 1 1 1 9 151111181 1 1 1 1 1 18 高を表 1 、表 2に示した。これらを用いて、採集された 6 7 1 2 4 カワゲラ類のうち、個体数が多い、あるいは分布が特徴 S""so / ' us soA ヒメ力ワゲラ属の 穫 (8) 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 13 S士 : a L ¥ so / ' usE12 ヒメ力ワゲラ属の 種 (C) S包 v s o bssoC コゲサヒメ力ワゲラ属 3 Os t mνus アサ力ワヒメカワゲラ属 1 的な 3 3分類群(多摩川水系は 28分類群)について、調 査地点の河川規模(流域面積)、標高と各分類群の個体数 との関係を図 3 1~3-3 に示した。この関係を、河川規模 (流域面積)と標高のそれぞれについて、僧体数の多少 kom企r s ヒメカワゲラ亜科の 矢作川水系と多摩川水系の河川規模(流域面積)と標 l 種( A ) 1 1 1 15141 10 ヒメ力ワゲラ属の 可能性がある。 1 2 14 コウノヒメカワゲラ 7a拍 muskch円on危 コウノヒメカワゲラ属の 本 重 T a曲 ヒメ力ワゲフ 11111412 これらのことから、この区間の矢作川本流では 2 0 0 0年 代にそれら 2種にとって何らかの環境要因が悪くなった 種 を無視して各分類群の分布範囲を示したのが図 4である。 , [o ee「1 i r l a eGe0.' ホソヴサカワゲラ 。 この結果は、カワゲラ類の各分類群がそれぞれ特有の河 I s oe . r 包 deb , H i s トワダウサ力ワゲラ booer 由t ow . a白 色ns h アイズウサカワゲラ 111 川│規模(流域面積)と標高の範囲に限って生息している 4 4 1 8 1 J S O D er 治 a l . Kuana こと、また、その範囲は多摩川水系と矢作川水系とでお 39118122171 151911919 フタスジヴサカワゲラ " ' 0 oO n l C a / so o e r h a おむね一致していることを示している。前者の各分類群 51211 オニヴサカワゲラ I sop e r l amot on i s ウサ力ワゲラ属の 種 J s o o e n匂 ' 0A が特有の河川規模と標高の範囲に限って生息することは、 3 19 613121111121311511811013115 キカワゲラ属 Xa nthDrmuHa トビケラ類についても多摩川水系で認められている 14 , 1 1 1 12 1 114131 1 4 4 16 モンカワゲラ属 Ca l l n e u n ' a 11 1112 ヤマトカワゲラ N, . ! ' Ioni d i B! i m b a 昆/h a 1 エゲオ力ワゲラ属 3.3 流程分布 C" a r o p e r お ナガカワゲラ属 ki o t ma コナガカワゲラ鼠 11 1 1 14 Gi b osl a O v . 首 相' al u . a;bris ヨ 。 た1 6地点について、 7分類群を選んで図 5に別の形で示 1 オオヤマ力ワゲフ ヒメオ才ヤマカワゲラ した。まず、図示した地点はこれらのカワゲラ類の幼虫 1 2 18 m' a5enwη1m 1 トウゴウ力ワゲラ麗 To e : OJer ! . 2 力ミムラカワゲラ Ka . r 由n u r i a出 u ' a l i s ヲロヒゲカワゲラ h mimuriao l J a d ! ョ包 ヒトホシウラ力ケカワゲラ P' a r a l f f 1e thaョ oonma スズキクラ力ケカワゲラ Pa 開 閉e 垣間 su 四 k l i その期間に採集された個体数を示した。ただし、クラカ 51717 ケカワゲラ属は生活史が異なり夏に羽化するので、 11121 111 121213132 1 51214161131112114 オオヲラカケカワゲラ , O h t o r o D e r l i de 112133181 12515155127140124 11 3 6 ミネトワダ力ワザラ S' o o!Ju r amo n包 na シ空力ワゲラ科 , TBeoiopterY ; ,de オナシカワゲラ属 Ne m ou 周 フサオナシ力ワゲラ属 Amohinem . u r a ユピオナシ力ワゲラ属 P' r ot o , nemu 閉 ウロカワゲラ科 C ' 0 0 i i d a e 示した。河 )11 の水生昆虫の多くの属では、近縁な 2~3 種 が河川の流程に沿って連続的に分布し、上流と下流で異 1 6 1213 NEo e r 合 ミドリカワゲラ科 1~6 月に採集された個体数を示した。 まず、同じ属の近縁な 2~3 種 4 組の分布を図 5 上に 1 5 1 1 0 Pg a e : n e t iηabηct i o enn l s フタツメカワゲラ属 が大きく成長している 12~4 月に調査したものを選び、 81 1 1 7 1 1 6 ウエノ力ワゲラ kamlmUrlau ' e n o f 図 3に示したカワゲラ類の分布を、矢作川本流に沿っ 1121 1219 1 1 7 1 171 1 8 12 7111 121114141815 なった種が分布する流程置換、あるいは大すみわけと呼 ばれる現象が知られており 1 0, 1 6 1旬、それが自然状態での 分布と考えられる。 矢作川本流では、クラカケカワゲラ属とカミムラカワ 1 1 1 181312151 12 1111 111 1 1 ゲラ属は上流から下流まで連続的に分布し、上流から下 流へクラカケカワゲラ属ではオオクラカケカワゲラ、ス 141 矢作川水系におけるカワゲラ類水生昆虫の分布と河川環境 霊山吐 1 1 1 5fh・ 1 j ‘L.J~ I Iド・同州司 1 1 0 100 Y a h a g iR i v e r 1 0 0 0 0 . 0 0 1 0 . 0 1 0 : 1 1 10 TamaR i v e r 7キ 100 1000 0 . 0 1 0 . 1 1 1 0 100 Y a h a g iR九e r 図3 -1.矢作川水系(左より I列目, 3列目)ど多摩川水系(左より 2ヂ I j 目 , 4列目)における 調査地点、の何川規模(流域面積) ・標高とカワゲラ類各分類群の個体数との関係 142 愛知工業大学研究報告,第 50号,平成 27年 , Vol.50,Mar,2015 0 . 0 1 0 . 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 . 0 0 1 0 . 0 1 0 . 1 Y a h a g iR i v e r 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 . 0 1 0 . 1 TamaR i v e r 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 0 . 0 0 1 0. Q 1 0 . 1 Y a h a g iR i v e r 1 1 0 1 0 0 k m ' TamaR i v e r 図3 2 .矢作川水系(左より 1列目, 3列目)と多摩川水系(左より 2列目, 4列目)における 調査地点、の河川規模(流域面積) ・標高とカワゲラ類各分類群の個体数との関係 ズキクラカケカワゲラ、ヒトホシクラカケカワゲラの)1慎 現象が見られる 1 6, 1 7 ) のに、矢作川本流では上流側にオ で種が置き換わり、カミムラカワゲラ属ではウエノカワ オヤマカワゲラが少なく、矢作ダム下流で両種ともに採 ) 僚で種が置き換わっていた。 ゲラ、カミムラカワゲラの 1 集されなかった地点、下切 ( 2 5 )、百月 ( 2 9 )があるので、 しかし、オオヤマカワゲラ属については、例えば多摩川 分布が不連続である。また、クサカワゲラ属についても、 水系秋川では上流から下流へ連続的に分布し、オオヤマ 大局的にはフタスジクサカワゲラ、アイズクサカワゲラ カワゲラ、ヒメオオヤマカワゲラの順で種が置き換わる の順で種が置き換わっているように見えるものの、矢作 ダム下流の下切 ( 2 5 ) ではどちらも採集されず、分布が 不連続で、ある。 矢作ダム付近のこれらの地点では図 3 1からオオヤマ カワゲラ、ヒメオオヤマカワゲラともに生息可能、また、 フタスジクサカワゲラが生息可能と推定されるので、自 然状態では両属ともに連続的に分布していたと考えられ る。そこで、その付近では両属にとって何らかの人為的 影響が考えられるが、その可能性の 1つが矢作ダムによ る悪影響である。 0 . 1 1 1 0 1 0 0 k m ' 次に矢作ダムの直上流まで連続的に多産し、矢作ダム 下流には生息していないキカワゲラ属、巴川合流点より Y a h a g iR i v e r 下流にのみ生息するフライソンアミメカワゲラ、コウノ ヒメカワゲラ属の一種の分布を図 5下に示した。 0 . 0 1 0 . 1 1 1 0 1 0 0 1 0 0 0 キカワゲラ属は多摩川水系での分布(図 3 1左下)か 図 3ふ矢作川水系における調査地点の ら矢作ダム下流でも生息可能と推定されるので、やはり 河川規模(流域面積) 圃標高と 矢作ダムによる何らかの悪影響を受けている可能性があ カワゲラ類各分類群の俗体数との関係 る 。 143 矢作川水系におけるカワゲラ類水生昆虫の分布と河川環境 。 和名 学名 500 15日o m 1000 ミネトワダカワゲラ Scopuramontana i和名 学名 . . . . . 掴 掴 瞳 . . ヨ ヨ 圃 . . 凶 圃 . . ・ ・ 圃 掴 . トワダウサ力ワゲラ I s o p ar/ at o w a d e n s i s トワダヴサカワゲラ ho per匂 t o附 d e n s i s • • •一 オオアミメ力ワゲラ MegarcysDCh . 厄 c ea ツコウアミメ力ワゲラ SO / Jk a / i ayamadae 10 ニッコウアミメカワゲラ S o p k a l i ayamadae コウノヒメカワゲラ T a血 musk o h n o n i s ヒメカワゲラ属の一種(日) S恒 v s o l u ss p . B ヒロバ才、アミメカワゲフ Pseudomegarcysj a p o n I c a ナ芳力ワザラ罷 桁' o t i n a コグサヒメカワゲラ属 O s t r o v u s ヤマトカワゲラ N i p o n i e / l al i m b a t e l l a コウノヒメ力ワゲラ Tadamusk o h n o n i s • • コナガ力ワゲラ属 G i b o s i a キカワゲフ属 X a n t h o n e u r i a ウロヒゲカワゲラ kg明 !muna q 阻 止a白 トウゴウカワゲラ属 T 噌tJjJe 唱 ・ ・ 圃 圃 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・. . 圃・ . . . 掴 掴 虚 ・ ・ 軍 司 . . . 園 開 聞 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 圃 ・ 圃 圃 且 z i • ウエJカワゲラ Kamimuria u e n o i オオウフカケ力ワゲフ P a r a g n e t i n at i n c t i p e n n i s キ力ワゲラ属 X a n t h o n e u r i a ・ .周 司 . . ヒメカワゲラ属の S t a v s o l u ss p . A E --ーー一一ー・ ・ . . ・ . . . ・ . . . .. . z . . . . . . 舗 . . . ・・ . . . 白 幽 ー ー ー ー 白 国 ー ョ z 一 工事f オカワゲラ属 C a r o p e r l a フヲスジクサカワゲラ .腫圃・・・・ーーー--同ーー一一ーーー_.綱瞬..唱 . . . . ・ 狙 岡 町 . . . ‘ ・ ・ ・ ・ ・ . . . _ - フ告ツメ力ワゲラ属 Ne .o p e r l a 力ミムラカワゲラ K a m i m u r i at i b i a / i s 7 ' : > スジウサ力ワゲラ l s o p e r l an i p p o n i 回 フ生ツメ力ワゲラ属 N e o p e r / a S t a v s o / . 出時A ウエノ力ワゲラ Kami l T . 、 l J r J a出 n o i アサカワヒメ力ワゲラ属 Kogot μs 一 一 一 一 一 一 アイズウサカワゲラ f s o ρe r l aa i z u a n ョ 同 フライソンアミメカワゲラ Pe r / odesf r i ' s onanus • (コウノヒメ力ワゲラ属の一種 Tadamuss p . . . . . . . . . . ・ 日 主盟主生E担 盟 カミムフカワゲラ K a m i r n u r i at i b i a H s ヒトホシウラ力ケカワゲラ P a r a g n e t i n aj a p o n i c a ......遁重圃胃..ー曲目--- コナガカワゲラ属 G ! b o s i a オオヤマ力ワゲフ Oyamia / u g u b r i s ヒメオオヤマカワゲラ Oyamias e m i n i g r a ・ 4 オオヤマカワゲラ Oyamia l I 串 J b 泊 種( A ) スズキクラ力ケカワゲラ P a r a g n e t i n as u z u k u Z 同 ー・田ーー-明掴開.開・・. エダオカワゲラ属 C a r o p e r l a R ヤマトヒメ力ワゲラ S包' v s o ! u s j a p o n i o u s - 剛 帽 ・ 岨 司 ・ ・ 圃・ 圃 遁 司 . オオクラ力ケカワゲラ R~r.司却netina t i n c t i p eηnJS ノギ力ワゲラ C r y p t o p e r l a j a p o n i c 8 トウゴウ力ワゲラ属 T o g o p e r l a • _ . . . . . . . . C r y p t o p e r l aj a p o n i c a コグサヒメカワゲラ属 O s t r oν ' u s ウロヒゲカワゲラ K a m i m u r i a quad . r ョt a • ー _ . ‘ ・ J ' ヰヲ司つザラ • アサ力ワヒメカワゲラ属 K o g o ; 包" S 1000 km' H --ーーー舗睡... ヒロ J ¥ ネアミメカワゲラ PseudomegarcysjaponIca I ヤマト力ワゲラ N i p o n i e l l al i m b a t e l / a ナガカワゲフ属 K i o 封n a 100 . . . . . ‘ ・ ・u ・ ・ ・z・ u ‘ “ ‘ ・ ・ 唱 オオアミメカワゲラ Megarc 戸 o c h r a c e a 一 種(日) 0 . 1 ミヤマノギ力ワゲラ Yo四 ' p e . r 匂u eη0 ; ミヤマノギ力ワゲラ Yo : r ョ p e r l au e n o i ヒメカワゲラ属の S t a v s o l u ss p . B l 0.01 ミネトワダカワゲラ Scopuramontana スズキクラ力ケカワゲラ Pa司 伊 e t i n as u z u k u . .司・・ーー・‘・---一一 ー . . ・ ・ ・ ・ ・ ・ 開 断 固 , 唱 ヒメオオヤマカワゲラ 0同 市 ¥ 3 s. e min 島国 ヤマトヒメカワゲラ S白 V S O / I 出 j apon叫 S ヒトホシクラ力ケカワゲラ 尺' a r 司 I g n e t i n aj a p o n i c a アイズクサカワゲラ J s o p e r l aa i z u a n a フライソンアミメカワゲラ 円町. 1 0 出 s 仇' s o n aημs コウノヒメカワゲラ属の一種 Tadamussp i . 図 4 調査地点、の標高(左)・河川規模(流域面積,右)とカワゲラ類各分類群の分布との関係 ( 上 , 多摩川水系;下, 矢作川水系) ー “ 一 - • • 144 愛知工業大学研究報告,第 50号,平成 27年 , Vol.50,Mar,2015 霊童:自然宕説困I 昌三ヨ=自然お垣間 E E三ヨ=平副聞 1 : : : : : : : : : : : 1 :潟 水 間 28 29 30 図5 . 矢作川本流におけるカワゲラ類の流程分布と流況の関係 145 矢作川!水系におけるカワゲラ類水生昆虫の分布と河川環境 皿旧 平滑化区間 減水区間 e E 田 園 田 E などへ取水され流量が減る減水区間、水力発電所からの 放水でフkが戻る平滑化区間に分けることにする。図 5に 示した流況とカワゲラ類の分布の関係を見ると、クサカ 輔所 園 田 ' 、‘ r i u ワゲラ属、オオヤマカワゲラ属、キカワゲラ属が採集で きなかった区間は主に減水区間に位置している。フライ ソンアミメカワゲラ、コウノヒメカワゲラ属の一種は本 流下流の自然流況区間に分布するが、 3・3で述べた生息 可能と考えられるその上流の平滑化区間には分布してい ない。このことから、ダムは減水区間だけではなく平滑 化区間でもカワゲラ類の生息に影響を与えている可能性 がある。 4 . 要約 矢作川水系の 61 地点において 2000~2014 年にカワゲ ラ類を調査した結果、 4 5分類群が得られ、そのうち種ま 4種であった。このうち、フライソン で同定できたのは 2 予二二1↓ アミメカワゲラは国のレッドデータブックに準絶滅危倶 ( N T )のカテゴリーで掲載されており矢作川本流の葵大 橋などで 2000~2004 年に少数が採集された。しかし、 2 0 0 5年から採集されなくなり、この区間で何らかの環境 要因が悪くなった可能性がある。 調査地点の河川規模(流域面積)・標高とカワゲラ類の 各分類群の個体数との関係を多摩川水系、滋賀県高時川 での結果と比較検討した結果、各分類群がそれぞれ特有 の河川規模(流域面積)・標高に限り生息していた。 カワゲラ類の自然状態の分布では、河川の上流から下 流へ同属の近縁種が置き換わりつつ連続的に生息すると 考えられるが、矢作川本流の矢作ダム下流ではオオヤマ ‘ ー 連続となっていた。これは、矢作ダムによって一部のカ 図6 . 本流における利水系統と流況 ワゲラ類の生怠にとって何らかの悪影響が及んで、いる可 巴川 (数字は推定された渇水流量) フライソンアミメカワゲラとコウノヒメカワゲラ属の 一種は、滋賀県の高時川では葵大橋 ( 5 9 ) より標高が高 2) が小さい地点に く ( 9 5m) 河川規模(流域面積 209km 生息していた。このことから、両種は矢作川!でも、自然 状態ではもっと上流まで広く分布していた可能性がある と考えられる。 3.4 カワゲラ属、クサカワゲラ属、キカワゲラ属の分布が不 ダム聞の流量とカワゲラ類の分布 矢作川の水利用と渇水流量の推定の結果を図 6に示す。 矢作ダム下流から巴川合流点までの区間においては水力 発電所などによる取水の影響が大きい。その影響を示す ため、この上下流の自然流況区聞に対して、水力発電所 能性を示唆する。 また、滋賀県高時川での調査結果と比較すると、フラ イソンアミメカワゲラとコウノヒメカワゲラ属の一種は 矢作川の本流で、かつてはもっと上流まで分布していた可 能性があることがわかった。 謝辞 この研究をまとめるにあたって、愛知工業大学都市環 境学科土木土学専攻河川・環境研究室の木村勝行教授、 八木明彦教授、赤堀良介准教授から指導と助言をいただ いた。同じく河川・環境研究室の卒研生早瀬大貴君には、 作園、データ整理などを補助していただいた。また、豊 田市矢作川研究所の白金品子氏には、流域面積や流量を 求める際に多くの助言をいただいた。これらの方々のご 146 愛知工業大学研究報告,第 5 0号,平成 2 7年 , Vol.50,Mar, 2 0 1 5 好意に厚くお礼申し上げる。 との研究には新修豊田市史編さん事業の一部として豊 田市教育委員会から調査費の一部に補助を受けた。 1 0 ) 内田臣一:多摩川水系におけるカワゲラの分布石 川良輔・山崎柄根・小島純一・内田臣-多摩川水系お よびその流域における低移動性動物群の分布状態の解 析 ,p p .2 3 7 8,とうきゅう環境浄化財団,東京, 1 9 8 7 引用文献 11)国土交通省・水文水質データベース. 1)津田松苗・森下郁子:生物による水質調査法.山海堂, p .ヲ1 9 7 4 . 東京, 238p h t t p : / 川 ww 1 .r i v巴r . g o・ j p( 2 0 1 5年 3月 1 9日) 1 2 ) 国土交通省豊橋河川事務所:ダム、頭首工の分布と 2 )清水高男:カワゲラ目の環境指標性.谷田一三(編) 主な取水量.矢作川の環境を考える懇談会,第 4 回懇 河川環境の指標生物学, p p .4 5 5 3,北隆館ヲ東京ヲ 2010 談会資料♂,矢作川の環境の現状河川の環境に与え 3 )清水高男・稲田和久・内田臣一ーカワゲラ目(横麹目) 川合禎次・谷田一三(編) ,日本産水生昆虫一科・属・ 種への検索, p p .237・ 287,東海大学出版会,秦里子, 2 0 0 5 . 2年のあ 4 ) 豊田市矢作川研究所・豊田市矢作川研究所 1 ゆみ矢作川研究ヲ 1 2, pp 下 7 1,2 0 0 8 . 5 )小川弘子・内田匡一・白金晶子.東海豪雨後の矢作川! p p . 2 5 の瀬における底生動物の現存量.矢作川研究ヲ 7ラ 2 0 0 3 . 3 1, るインパクトとレスポンス, p . 1 2ラ2002 1 3 ) 谷幸三:フライソンアミメカワゲラ.環境省(編) 改訂・日本の絶滅のおそれのある野生生物ーレッドデ ータブック, p .1 6 9ラ自然環境研究センターヲ東京ヲ 2 0 0 6 . 1 4 )加賀谷隆.多摩川の水生昆虫ートビケラ類の流程分 布.海洋左生物ラ 1 0 7,p p .447-452,1996 1 5 ) 加賀谷隆・野崎隆夫・倉西良一:多摩川水系のトビ ケラ相とその分布.とうきゅう環境浄化財団ヲ東京ラ 6 ) 内田朝子.水草の外来生物オオカナダモ、再び大繁茂. 矢作川研究所月報則0,142, p .4 ラ2010 7 ) 白金晶子・内田朝子・内田臣一:矢作川流域における 外来二枚貝カワヒバリガイの発見から現在までの経過. 陸の水, 54,p p .4 35 2,2 0 1 2 . 開 8 )小 野 秀 樹 矢 作 ダ ム か ら の 実 施 報 告 土 木 学 会 置 き 土 シンポジウム資料ラ 8pp 2 0 0 8 . 吋 9 )深谷害久・九津見生哲・辻本哲郎 矢作ダム土砂管理 の課題と対策案の検討.河川技術論文集ラ 1 1,p p .2 6 7 - 266p p .,1 9 9 8 . 1 6 ) Uchida ,S .:D i s t r i b u t i o no fP 1巴c o p t 巴r ai nt h 巴T ama-gawa 巴r s y s t e m .1 .C .Campbell(巴d . ), M a y f l i e sandS t o n e f l i e s, r i v p p . 1 8 1 1 8 8, KluwerAcademicP u b l i s h e r sD o r d r e c h t ,1 9 9 0 . ヲ 1 7 ) 内田庄一.多摩川水系におけるカワゲラ類の微生息 場所,流程分布,垂直分布.海洋と生物, 1 0 7ラp p .4 4 1 司 4 4 6 .1 9 9 6 . すみわけ」と種分化ョ歴史生態学の枠組 1 8 ) 谷田一三: I みへ.海洋と生物, 1 0 7,p p .4 5 7 4 6 1,1 9 9 6 . 2 7 2 . 2 0 0 5 . (受理平成 2 7年 3月 1 9日)
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