民法入門 前期 2単位 講義 1年次 専任講師 後藤 亜季 高岡法科大学 ③

民法入門
前期
2単位
講義
1年次
専任講師
後藤 亜季
Introduction to Civil Law
授業の目的と概要
子供が生まれる、生活に必要な衣食住を整えるために日用品を書く、家を借りる、配偶者にプレゼントをする、子ど
もが結婚したと思ったら離婚した、親が死んで相続が起こった…など、人の一生には様々な出来事が生じます。場合に
よっては、トラブルが発生することもあるでしょう。このような、生活上生じるトラブル解決の基本的ルールとして民
法という法律があります。様々なトラブルに対応するため、民法は 1044 条もの条文を持っているのですが、そのため
「条文が多い!面倒くさい!」という印象を持たれ、また実際に勉強を始めてみても「細かい!面倒くさい!」という
感想を聞くこともあります。しかし、
「一生に起こりうる様々なトラブルにできるだけ対応するためだから条文が多い
のも細かいのも仕方がない」
、
「民法って実際役に立つ」と思えれば、どんどん民法は楽しくなっていきます。
この授業では、①民法の全体像を知って、民法を楽しんでもらうこと、②今後学習する民法科目の基礎力をつけるこ
とを目的とします。最初のうちは特に難しく感じることもあるかもしれませんが、なるべく簡単な言葉で、多くの事例
を用いながら、皆さんの理解につながるように進めていきます。
授業の到達目標
民法の全体像をつかむとともに、民法が適用される場面の理解ができるようになります。
また、授業中に触れた具体的紛争の解決方法を知るとともに、類似の具体的紛争の解決方法について考えることがで
きるようになります。
授業計画
第 1 回 オリエンテーション・民法概説『J 案が N
太を殴った!どうなる!?』
第 2 回 権利と義務・法律行為『一生結婚しないで
N 平の面倒みをする契約ってアリ!?』
第 3 回 意思能力と行為能力『3 歳の T 男に J 六が
1 億円の絵画を売った!?』
第 4 回 制限行為能力者制度
第 5 回 課題解説
第 6 回 法律行為・契約①『大学を卒業したらこの
家をお前にやる』
『本当にもらえる?』契約
の原則・契約の成立時期・契約の種類1
第 7 回 法律行為・契約②契約の種類2
第 8 回 法律行為・契約③契約(債権)の効力 債
務不履行1
第 9 回 法律行為・契約④契約(債権)の効力 債
務不履行 2
第 10 回 課題解説
第 11 回 物権①『N 助、H 沢不動産から一戸建てを
買う』 物権の特徴、種類
第 12 回 物権②『N 助の買った一戸建て、H 沢不動
産が I 坂にも売っていた!』物権変動 1
第 13 回 物権③『N 助の買った一戸建て、H 沢不動
産が I 坂にも売っていた!』物権変動 2
第 14 回 不法行為『M 夫が M 屋のバイクに轢かれ
た!』
第 15 回 課題解説 家族法『K 男の結婚』
第 16 回 期末試験
成績評価方法
レポート課題(20%)
、授業態度・リアクションペーパー(30%)
、期末試験(50%)
*発言等の平常点は加点対象
受講上の注意
・テストを含む全 16 回のうち 10 回以上の出席を、単位取得の要件とします。
・私語及び遅刻早退は厳禁です。
・配布するレジュメ、筆記用具、六法は毎回必ず持参してください。
・復習のための課題を宿題として課すことがあります。復習になるだけでなく、評価要素にもなりますので、一
高岡法科大学 ③-1
生懸命取り組んでください。
・進度等により内容が変更されることがあります(その際は授業内で告知します)
。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
・他の民法科目もできるだけ取るようにしてください。
・買い物などの日々の行動の中で、
「これは、民法上どういう状態なのか?」を考え、民法に親しむ工夫をし
てください。
・授業中よく理解できなかった箇所があったら、自分で調べたり、オフィス・アワーを活用して質問するな
どしてください。
オフィス・アワー
月曜日3限、木曜日4限、その他研究室にいるときはいつでもどうぞ。
使用教科書及び参考書
使用教科書:2015 年度版六法。種類・判例付かどうかは問いません。
参考書:なし。
高岡法科大学 ③-1
憲法入門
前期
2単位
講義
1年次
准教授
高乗 智之
Introduction to Constitutional Law
授業の目的と概要
この講義では、国家社会の基本法である日本国憲法の基本原理と大綱について理解が得られるように解説をする。こ
こでは、日本国憲法の基本構造と、その課題を理解することを中心目的とする。前半は、
「法律的なものの考え方」の
習得を目指し基礎理論の理解を目的とした説明を行う。その後、日本国憲法の全体像を把握するため、人権や統治の基
本事項を扱う。本講義では、立憲主義の原理原則、制度の背後にある理念、人権思想を基にして、個々の条文について
共に考えていきたい。また講義においては、常に原理原則を確認しながらゆっくりと解説し、個々の事例を通して憲法
に接近していきたいと考えている。学説・判例に対する詳細な検討については憲法 A(統治)と憲法 B(人権)に譲り、
ここでは、憲法全体への関心を喚起することが目的となる。なお、講義では、ノートを中心に進める予定である。
授業の到達目標
講義の第一の目標は、
「法律的思考」を習得し、自らの言葉で憲法論を展開できるようになってもらうことである。
第二の目標は、
「憲法とは何か」についての理解を深めてもらうことにある。ここでは、
「憲法とは何か」との視点に重
点を置き、国家の根本法と言われる憲法の意義について考えていきたい。第三の目標は、日本国憲法の具体的内容(憲
法の性格と特色)
、問題点などを明らかにし、憲法 A と憲法 B において学問を深める上での基礎知識の共有と問題意識
の共有をすることである。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
憲法とは何か-憲法学習の基本-
国家と国家権力と憲法-立憲主義の理念-
憲法の任務-法の支配と法治主義-
大日本帝国憲法の基本構造と日本国憲法の
成立過程
天皇
憲法 9 条と自衛隊
個人の尊厳と平等
精神的自由権
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
身体的自由権
経済的自由権
社会権
受益権、参政権
国会
内閣
裁判所
試験
成績評価方法
期末試験(70%)
、小テスト及び課題(30%)で総合的に判断する。
受講上の注意
六法を持ってくること(六法を持参していない者は欠席とみなすこともある)
課題文を読んでもらうこともある。予告なしに小テストを実施することもある。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
社会問題について関心をもち、法律的なものの見方によって分析する習慣をつけることが重要である。また、
自らの言葉で憲法論を展開できるようにするためには、常に自分の意見を文章化することが必要である。
「なぜ」
という疑問を大事にし、常に憲法とは何かという根本問題を出発点にして、じっくりと一緒に考えていきたい。な
お、知識の定着を図るため、特に専門用語について日々の復習が必要となる。
オフィス・アワー
火曜日 2 限、水曜日 2 限、その他随時。
使用教科書及び参考書
使用教科書:特に指定しない
※プリントを適宜配付する
参考書:授業中に紹介する
高岡法科大学 ③-2
法学講座A(法学検定試験ベーシック【基礎】コース)前期 2単位 講義 1年次 専任講師 隅田 勝彦
Jurisprudence Lectures A
授業の目的と概要
法学検定試験は、法学に関する学力水準を客観的に測る全国規模の検定試験です。このうち、ベーシック【基礎】コ
ース(旧4級)は、法学入門・憲法・民法・刑法といった基本法についての基礎的知識・能力を測る試験で、合格すれ
ば、法学部2年次修了程度の法的素養を有していることを証明するものとなっています。出題は多肢択一形式で、解答
はマークシート方式です。2015 年は 11 月 29 日(日)に実施される予定で、試験時間は 120 分です。
2014 年の実績では、志願者 3,226 人、受験者 2,834 人、合格者 1,614 人で、合格率は 57.0%となっています。配
点は、法学入門 10 点、憲法 15 点、民法 20 点、刑法 15 点で、2014 年は合計 30 点以上を合格と判定しています。
授業は、この試験の公式問題集を実際に解いてもらい、解説を行うという形式で進めていきます。
授業の到達目標
法学検定試験ベーシック【基礎】コースで出題される設問を解けるようにするのが目標です。
授業計画
第 1 回 法学入門(1)法・法体系の基礎
第 2 回 法学入門(2)条文・判例の読み方の
基礎、法解釈の基礎
第 3 回 法学入門(3)法制度の基礎
第 4 回 憲法(1)憲法総論、人権総論
第 5 回 憲法(2)人権各論
第 6 回 憲法(3)統治機構
第 7 回 民法(1)総則
第 8 回 民法(2)物権
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
民法(3)債権総論
民法(4)債権各論
民法(5)親族・相続
刑法(1)刑法の基礎
刑法(2)刑法総論(1)
刑法(3)刑法総論(2)
刑法(4)刑法各論
期末試験
成績評価方法
授業への参加(30%)
期末試験(70%)
受講上の注意
学習すべき範囲が広いにもかかわらず、授業回数が少ないので、かなり速いペースで進むことになります。
一回一回の授業が終わったら、必ず復習して下さい。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
この授業は法学検定試験ベーシック【基礎】コースの対策講座ですが、まだ法律学を学んでいない段階で始
まることになっています。1年次配当の法学入門、憲法入門、民法入門、刑事法入門などの授業科目について、
しっかりと授業内容を聞くことはもちろん、きちんと予習・復習をして、さらには、各科目の教科書を自ら読
み進めていくことが必要となります。
オフィス・アワー
木曜4限、金曜3限。その他、研究室に在室中は随時対応します。
高岡法科大学 ③-3
使用教科書及び参考書
法学検定試験委員会編『2015 年 法学検定試験問題集 ベーシック【基礎】コース』
(商事法務,2015 年)2,200 円(税別)
高岡法科大学 ③-3
憲法B
前期
4単位
講義
2年次
准教授
高乗 智之
Constitutional Law B
授業の目的と概要
本講義は、国の根本法といわれる憲法の規定のうち、主として基本的人権の保障について理解が得られるように解説
をし、日本国憲法の基本的人権の保障構造、規範内容、実際の運用とその問題点を明らかにすることを目的とする。本
講義の中心的目的は、学説・判例理論(具体的事例)の検討を通じて、その論理構造の問題点と課題を共有することに
重点をおき、法学的思考方法の理解を深めることにある。本講義では、立憲主義の原理原則、制度の背後にある理念、
人権思想を基にして、個々の条文について共に考えていきたい。ここでは、常に憲法とは何かとの視点に重点を置き、
国家の根本法と言われる憲法の意義について考えていきたい。
授業の到達目標
到達目標は、具体的事例の考察を通じ、自らの力で憲法論を展開し、問題解決能力を養う点にある。講義の第一の目
標は、
「法律的思考」を習得し、自らの言葉で憲法論を展開できるようにすることである。第二の目標は、
「憲法とは何
か」についての理解を深めてもらうことにある。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
憲法総論 ―憲法学習のすすめ―
国家と憲法 ―nation と state の別―
憲法学的思考について
基本的人権のカタログ ―自由権、社会権、
受益権、参政権―
人権保障の歴史的展開
人権の享有主体① ―未成年者・外国人―
人権の享有主体② ―公務員・在監者・天
皇・皇族―
人権の制約原理 ―公共の福祉の概念―
法の下の平等 ―平等の意味・自由と平等
の相克―
思想良心の自由 ―謝罪広告事件・君が代
裁判など―
信教の自由 ―加持祈祷事件・神戸牧会事
件など―
政教分離の原則 ―地鎮祭事件・玉串料事
件・靖国参拝事件など―
学問の自由 ―歴史的意義・教授の自由と
教育の自由―
表現の自由① ―デモ行進と公安条例―
表現の自由②―表現行為とその限界―
第 16 回 身体的自由権①
―罪刑法定主義、適正
手続主義―
第 17 回 身体的自由権②
―刑事裁判の原則―
第 18 回 経済的自由権①
―規制目的二分論、営
業の自由とその限界―
第 19 回 経済的自由権②―財産権と公共の福祉―
第 20 回 生存権―法的性質、朝日訴訟、堀木訴訟―
第 21 回 教育を受ける権利 ―歴史的意義―
第 22 回 教育権の所在 ―旭川学テ事件―
第 23 回 労働基本権 ―労働三権と労働三法―
第 24 回 受益権―請願権、裁判を受ける権利、国家
賠償請求権―
第 25 回 参政権 ―国民主権と参政権―
第 26 回 外国人の参政権―参政権と公務就任権―
第 27 回 新しい人権①―プライバシーと個人情報
保護―
第 28 回 新しい人権②―自己決定権と知る権利―
第 29 回 新しい人権③―環境権と経済活動の自由
―
第 30 回 期末試験
成績評価方法
期末試験(70%)
、小テスト及び課題(30%)を総合的に判断する。
受講上の注意
教科書と六法を持ってくること(六法を持参していない者は欠席とみなすこともある)
課題文を読んでもらうこともある。予告なしに小テストを実施することもある。
高岡法科大学 ③-4
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
社会問題について関心をもち、法律的なものの見方によって分析する習慣をつけることが重要である。また、
自らの言葉で憲法論を展開できるようにするためには、常に自分の意見を文章化することが必要である。
「なぜ
」という疑問を大事にし、常に憲法とは何かという根本問題を出発点にして、じっくりと一緒に考えていきた
い。なお、講義中に次回の予告をするので教科書の該当箇所を読んでくることが必要である。
オフィス・アワー
火曜日2限、水曜日2限、その他随時。
使用教科書及び参考書
使用教科書:高乗正臣・奥村文男編著『プラクティス 法学実践教室<2>』成文堂(1,900円+税)
参考書:
『憲法判例百選Ⅰ』有斐閣(2,095 円+税)
『憲法判例百選Ⅱ』有斐閣(2,095 円+税)
※適宜、プリントを配付する予定である。
高岡法科大学 ③-4
夫婦・親子の法律
前期
2単位
講義
2年次
専任講師
後藤 亜季
Family Law
授業の目的と概要
夫婦・親子の法律(家族法)は、①法律上、夫や妻、子どもとされるには、どのような要件を満たす必要があるか
、②夫婦や親子にはどのような権利・義務が発生するか(夫婦や親子の間で紛争が生じた場合-例えば夫が給料を全
部自分の好きに使ってしまうので生活費に困る、子どもの給食費が払えないなど-にどのように解決するか)につい
て定めています。ところで、夫婦・親子は、一般的に継続的で情緒的、運命的な愛情によって結び付いています。こ
のような特質をもつ家族の間で紛争が生じた場合には、単に誰に権利や義務があるのかということだけで紛争を解決
するのは妥当ではありません。夫婦や親子の特別な関係性をできるだけ損なうことがないように配慮しながら、可能
な限り円満で幸福な解決を図ることが重要です。また、大人に比べて権利が埋没しがちな子どもについては、特にそ
の権利保障を視野に入れることも必要になります。
この講義では、①上記のような特色のある家族法を理解すること、②身近に起こる様々な家族に関する問題解決の
ための基本的知識を身に着け、解決の道筋を示せるようになること、を目的としています。できるだけ多くの事例を
用いて具体的に学びます。また、生殖補助医療や、児童虐待などについても学ぶ予定です。
授業の到達目標
基本的知識事項の説明と、様々な事例や問題提起を通じて、家族法の特質を理解し、身近に起こる家族に関する問
題を知り、解決のための基本的知識と法的思考力がつくようになります。
授業計画
第 1 回 オリエンテーション ①家族法の特色 ②
家事事件の特色
第 2 回 夫婦法① 婚姻の成立
第 3 回 夫婦法② 婚姻の一般的効果、夫婦間の権
利義務
第 4 回 夫婦法③ 婚姻の財産的効果1
第 5 回 同上──同時履行の抗弁権(1)
第 6 回 離婚法① 死亡解消、離婚概説・協議離婚
第 7 回 離婚法② 裁判離婚・有責配偶者からの離
婚請求
第 8 回 離婚法③ 離婚に伴う子の処遇 面会交流
と養育費の問題
第 9 回 親子法① 法的親子関係と生物学的親子関
係、実親子関係1
第 10 回 親子法② 実親子関係2
第 11 回 親子法③ 養親子関係
第 12 回 親子法④ 生殖補助医療技術と親子関係
1(AID,AIH)
第 13 回 親子法⑤ 生殖補助医療技術と親子関係
2(代理懐胎)
第 14 回 親子法⑥ 親権
第 15 回 親子法⑦ 児童虐待
第 16 回 期末試験
成績評価方法
レポート課題(20%)授業態度・リアクションペーパー(30%)期末試験(50%)
*発言等の平常点は加点対象です。
受講上の注意
・テストを含む全16回のうち10回以上の出席を、単位取得の要件とします。
・私語及び遅刻早退は厳禁です。
・配布するレジュメ、筆記用具、六法は毎回必ず持参してください。
・復習のための課題を宿題として課すことがあります。復習になるだけでなく、評価要素にもなりますので、
一生懸命取り組んでください。
・進度等により内容が変更されることがあります(その際は授業内で告知します)
。
高岡法科大学 ③-5
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
・他の民法科目もできるだけ履修するようにしてください。
・家族に関する紛争を見聞きした際には、
「これは、親族法上、どのような状態か?」を考えるようにし、親
族法に親しむようにしてください。
・授業中よく理解できなかった箇所については、自分で調べたり、オフィス・アワーを活用して質問するな
どしてください。
オフィス・アワー
月曜日3限、木曜日4限、その他研究室にいるときはいつでもどうぞ。
使用教科書及び参考書
使用教科書:2015年度版六法。種類・判例付かどうかは問いません。
高岡法科大学 ③-5
刑法A(総論)
前期
4単位
講義
2年次
准教授
西尾 憲子
Criminal Law A
授業の目的と概要
刑法は、犯罪とそれに対する制裁を規定した法律をいい、その中心は刑法典である。この刑法典は、1条から 264条
まであるが、73条以下で、個別具体的な犯罪とそれに対する制裁について規定している。刑法総論は、これら個々の犯
罪及び制裁の共通部分を解明することをその任務とし、その中心となる1条から72条である。刑法A(総論)の授業で
は、刑法総論における解釈論上の諸問題について講義します。
授業の到達目標
刑法の基礎的知識を習得し、理論的理解及び問題分析能力を深める。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
ガイダンス・刑法とは
刑法の基本原理
罪刑法定主義・派生原則
派生原則
構成要件
主体
行為
因果関係①
因果関係②
故意
錯誤
過失
違法性
正当防衛
緊急避難
被害者の承諾・推定的承諾
第17回
第18回
第19回
第20回
第21回
第22回
第23回
第24回
第25回
第26回
第27回
第28回
第29回
第30回
第31回
責任
責任能力
違法性の意識
期待可能性
未遂・不能犯
中止犯
予備罪
共犯
共同正犯
教唆犯
従犯
共犯と身分
共犯の諸問題
刑罰
期末試験
成績評価方法
期末試験を行います。授業時間内に行うミニテストや提出してもらうレポートも評価対象とします。また、授業
態度などを含めて総合的に評価します。
受講上の注意
最初の授業でガイダンスを行いますので、受講する学生は初回授業に必ず出席してください。
授業の前に教科書やレジュメを読んできてください。六法は必ず持参してください。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
授業に出席するということは着席していることではありません。わからないことはそのとき解決しましょう。
自分で調べることから学ぶことがたくさんあります。
授業の前に自習をしっかりしてから受講するようにして下さい。
オフィス・アワー
木曜日4時限目、研究室にいるときは随時。
使用教科書及び参考書
教科書:大谷實『刑法総論〔第3版〕
』成文堂(2006年) 3,132円
参考書:随時テーマに応じて紹介します。
◎教科書と参考書について詳しくは、初回ガイダンス時に説明します。
高岡法科大学 ③-6
法社会学
前期
2単位
講義
2年次
准教授
上地 一郎
Sociology of Law
授業の目的と概要
法学では、実定法の解釈・適用のあり方を探求することを目的とする法解釈学が重要な部分を占める。しなしなが
ら、法学には、法を一つの社会現象、一つのシステムと捉え、様々な社会的諸因子との関連で分析し、考察する法社
会学という分野がある。
この講義では、法が現実の社会の中でどのように機能しているか(あるいはしていないか)
、法と社会が互いにど
のように影響を及ぼしあっているかという問題意識を持ってもらうことを目的としている。
授業計画は以下の通りですが、進行状況等により適宜変更することもあります。
授業の到達目標
法社会学的な法の捉え方を学ぶことで、法と法にまつわる諸現象に対する分析能力を高め、またその他の実定法研
究を深化させることができるようになる。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
オリエンテーション
法システムと法過程(1)
法システムと法過程(2)
法文化(1)
法文化(2)
法専門職(1)
法専門職(2)
日本社会と法(1)
日本社会と法(2)
日本社会と法(3)
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
日本の司法改革(1)
日本の司法改革(2)
民事司法過程(1)
民事司法過程(2)
民事司法過程(3)
期末試験
成績評価方法
レポート(30点)+期末試験(70点)
出席回数が授業回数の2/3未満の者は、期末試験を受験できない。
受講上の注意
・1年次で履修できる憲法・民法・刑法の各科目を履修していることが望ましい。
・
「配布資料」
「六法」を必ず用意すること。
・毎回出席を取り、授業に臨む態度を重視する。授業態度の悪い学生は退場させることもある。
・講義開始後20分を経過した時点での教室からの出入りは禁止。
・私語は禁止。違反者は退場、欠席とする。
・講義中は携帯電話等の音声を切りカバンにしまうこと。違反者は退場、欠席とする。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
意欲的な参加を期待する。
講義の最後に、次回の講義内容を指示するので必ず予習をしてくること。
オフィス・アワー
火曜日4限・5限、水曜日2限(前期)
・3限(後期)
、金曜日3限・4限
その他、研究室にいるときには随時対応する。
使用教科書及び参考書
資料を配布します。
教科書:村山・濱野『法社会学 第2版』
(有斐閣)1,700円+税
参考書:その都度指示する。
高岡法科大学 ③-7
債務不履行と不法行為
前期
2単位
講義
2年次
准教授
上地 一郎
Default and Tort
授業の目的と概要
民法財産法は、総則編・物権編・債権編よりなるが、債権編は、総則・契約・事務管理・不当利得・不法行為の五
章を収めている。債権総論は、債権の目的、債権の効力、多数当事者の債権及び債務、債権の譲渡、債権の消滅を規
定している。
この講義は、民法財産法のうちの債権総則に関するもので、契約法や不法行為法の理解のために、債務不履行を中
心に、債権の内容、効力、債権の消滅、債権債務の移転に関する基礎知識の定着を目標とする。
授業計画は以下の通りですが、進行状況等により適宜変更することもあります。
授業の到達目標
債権総論の基本的な知識を習得することで、契約法・不法行為法などの債権各論を体系的に理解することができる
ようになる。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
オリエンテーション:債権総論(1)
債権総論(2)
債権の目的
債権の効力と概要
当事者の効力
責任財産の保全(1)
責任財産の保全(2)
責任財産の保全(3)
中間試験
第三者による債権侵害
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
第三者による債権侵害
弁済による債権の実現(1)
弁済による債権の実現(2)
弁済による債権の実現(3)
弁済による債権の実現(4)
期末試験
成績評価方法
中間試験(50点)+期末試験(50点)
出席回数が授業回数の2/3未満の者は、期末試験を受験できない。
受講上の注意
・1年次前期「民法入門」
、後期「契約の法システム」「土地・建物等の法律」を履修していることが望ましい。
・
「配布資料」
「六法」を必ず用意すること。
・毎回出席を取り、授業に臨む態度を重視する。授業態度の悪い学生は退場させることもある。
・講義開始後20分を経過した時点での教室からの出入りは禁止。
・私語は禁止。違反者は退場、欠席とする。
・講義中は携帯電話等の音声を切りカバンにしまうこと。違反者は退場、欠席とする。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
意欲的な参加を期待する。
講義の最後に、次回の講義内容を指示するので必ず予習をしてくること。
オフィス・アワー
火曜日4限・5限、水曜日2限(前期)
・3限(後期)
、金曜日3限・4限
その他、研究室にいるときには随時対応する。
使用教科書及び参考書
資料を配布します。
参考書:内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物権』
(東京大学出版会)3,500 円+税
高岡法科大学 ③-8
債権担保の法律
前期
2単位
講義
3年次
准教授
山下 昭浩
Security Interest
授業の目的と概要
債権法についてすでに学習している学生を対象に,債権の実現を保証=担保する担保物権についての講義を
行う。公務員志望者はもとより不動産や金融ビジネスに興味を抱いている学生の積極的な履修を期待したい。
なお,
「賃借・保証の法律」で詳しく講義できなかった,債権総論の「保証債務」についての講義も行う。
授業の到達目標
・担保物権法,保証債務の基礎知識をマスターする。
・判例を素材に,当事者間の利益を考慮しつつ妥当な解決を見出す能力(問題解決能力)を涵養する。
・公務員試験レベルの知識を修得する。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
物権法・担保物権法の概要
法定担保物権(1)──留置権・先取特権
同(2)
質権(1)
同(2)
抵当権(1)──抵当権の性質とその設定
同(2)──抵当権の効力①
同(3)──同上②
同(4)──法定地上権①
同(5)──同上②
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
同(6)──根抵当権,抵当権の処分
譲渡担保,その他の非典型担保
保証債務(1)
同(2)
同(3)
期末試験
成績評価方法
期末試験による。授業回数の 3 分の 2 以上出席しないと、期末試験の受験資格を失うので注意されたい。
受講上の注意
毎回出席。内容が難解なので安易な気持での履修は控えるように。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
民法の他科目を受講しておくように。具体的には,
「契約の法システム」
(民法総則)
,
「土地・建物の法
律」
(民法の物権法)
,および「損害賠償特別法」
(民法の不法行為)
,
「賃借・保証の法律」
「消費者保護法」
(民法の契約法の一部)である。教科書・参考書を用いて予習・復習に努めること。
オフィス・アワー
金曜日3限。その他、随時。
使用教科書及び参考書
使用教科書:
郷原豊茂『民法のまるごと講義生中継〈1〉
〔第6版〕
』
(TAC出版,2012年)
(税別1,400円)
参考書:資格試験研究会編『新スーパー過去問ゼミ 4 民法 I 民法総則・物権 担保物権』
(実務教育出
版,2014 年)
(税別 1,800 円)
高岡法科大学 ③-9
労働基準法
前期
2単位
講義
3年次
教授
豊本 治
Labor Standards Act
授業の目的と概要
労働法の領域のうち、雇用関係法の基礎と応用について講義しますが、必要に応じて、労働市場法についても言及
します。
皆さんは、大学を卒業した後、何らかの形で労働法とかかわる機会があると思います。この講義を通じて、使用者、
労働者それぞれの立場から見た雇用に関する法制度と現実的な対応を身につけていただきたいと考えています。
授業の到達目標
雇用に関するトラブル解決のための基礎的知識とセンスを身につけること。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
オリエンテーション
労働法とは何か
個別的労働関係法総論
労働契約の成立
就業規則
配転・出向等
懲戒処分
賃金
労働時間
年次有給休暇
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
労働契約の終了
安全衛生・労働災害補償
労働市場法
労働法の現代的課題と展望
期末試験
試験解説及び全体総括
成績評価方法
期末試験によります。ただし、出席状況・授業態度によって加点する場合があります。
受講上の注意
労働基準法および労働契約法が掲載された六法を必ず持参すること。
講義中に私語や講義に支障を来たす行為(講義開始時刻を著しく過ぎた遅刻を含む。
)によって他の受講生に
迷惑をかけるおそれがある場合は、退出を命じ、または受講を認めないことがあります。また、講義の2/3
以上出席しない場合は、期末試験の受験を認めないことがあります。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
厳しい経済情勢の下、労働関係に関する記事は事欠きません。こうした記事に積極的に触れるとともに、常
に問題意識をもって受講いただきたいと考えています。
また、授業で配付されるレジュメの再確認を心がけるとともに、次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味
等を理解しておいてください。
オフィス・アワー
金曜日3限。その他、研究室に在室する時は気軽に声をかけてください。
使用教科書及び参考書
特に教科書は指定しませんが、必要な参考書については、講義中に適宜紹介します。
高岡法科大学 ③-10
地方自治法
前期
2単位
講義
3年次
教授
豊本 治
Local Government Law
授業の目的と概要
地方自治は、皆さんが日常生活を送る上においてもっとも身近にかかわっている制度です。
この講義では、地方自治の基本法である地方自治法を中心に、そのしくみや制度の運用について解説します。でき
るだけ具体的事案を紹介し、受講者と一緒に考える場を提供したいと思います。また、地方分権や道州制など、直近
の地方自治制度の動きと課題についても取り上げていくこととします。
授業の到達目標
地方自治の法と制度について、その内容及び制度的意義を理解できること。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
オリエンテーション
地方自治の意義
地方自治のあゆみ
地方公共団体の種類
地方公共団体の事務
地方公共団体の住民
地方公共団体の組織と権能
議会
執行機関
自治立法
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
国と地方公共団体の関係等
住民訴訟
財政のしくみ
地方自治制度改革の動き
期末試験
試験解説及び全体総括
成績評価方法
期末試験によります。ただし、出席状況・授業態度によって加点する場合があります。
受講上の注意
地方自治法が掲載された六法を必ず持参すること。
講義中に私語や講義に支障を来たす行為(講義開始時刻を著しく過ぎた遅刻を含む。
)によって他の受講生に
迷惑をかけるおそれがある場合は、退出を命じ、または受講を認めないことがあります。また、講義の2/3
以上出席しない場合は、期末試験の受験を認めないことがあります。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
まちづくりに興味のある学生を歓迎します。
また、授業で配付されるレジュメの再確認を心がけるとともに、次回の授業範囲を予習し、専門用語の意味
等を理解しておいてください。
オフィス・アワー
金曜日3限。その他、研究室に在室する時は気軽に声をかけてください。
使用教科書及び参考書
特に教科書は指定しませんが、必要な参考書については、講義中に適宜紹介します。
高岡法科大学 ③-11
社会福祉論A
夏季集中
2単位
講義
3年次
非常勤講師
炭谷 茂
Theory of Social Welfare A
授業の目的と概要
社会福祉は、今日では保育や介護に代表されるようにすべての人に係わりを有し、法律学や政治学などと密接な関
係があるので、大学での勉学や将来での実社会で大変有益である。そこで講師の行政経験や福祉活動を題材に用いな
がら、できるだけ分かりやすく社会福祉制度の現状と課題を説明し、今後の社会福祉制度のあり方を考察する。
また現在福祉の現場で仕事をしている人に一部の授業を担当してもらい、より多角的にかつ興味を持って社会福祉
制度を理解できるように工夫したい。
授業の到達目標
日本の社会福祉制度全般についての知識を習得し、理解を深める。なお、将来福祉関係の仕事に就くことを希望し
ている人にとってもそれに有益な基本的な素養を習得できるように、講義内容を構成したい。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
オリエンテーション、社会福祉とは何か
社会福祉の概念
社会福祉の目的(1)
社会福祉の目的(2)
日本の社会福祉の歴史(明治維新から戦前
まで)
日本の社会福祉の歴史(終戦後の混乱期)
日本の社会福祉の歴史(福祉元年)
日本の社会福祉の歴史(ゴールドプラン、
介護保険)
日本の社会福祉の歴史(社会福祉基礎構造
改革)
世界の社会福祉の歴史と現状(イギリスを
中心に)
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
世界の社会福祉の歴史と現状(北欧諸国を
中心に)
世界の社会福祉の歴史と現状(アメリカを
中心に)
地域福祉論(地方自治体を中心に)
地域福祉論(社会福祉協議会を中心に)
地域福祉計画論
成績評価方法
授業の参加状況(60%)
リポート(40%)
受講上の注意
授業中は活発に意見発表や質問をして欲しい。
私語は厳禁。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
学生諸君の今後の勉強や将来の就職、実生活に大変有益であるので、沢山の学生の受講を期待する。講義内
容は、誰でもが理解できるように進めるので、現在社会福祉について全く知識がなくても支障がない。
使用教科書及び参考書
使用教科書:授業で配布するレジュメを使用する。
参考書:炭谷茂著「社会福祉の原理と課題」
(社会保険研究所)
「国民の福祉の動向」
(厚生統計協会)毎年度発行される
「厚生労働白書」
高岡法科大学 ③-12
独占・カルテル禁止法
前期
2単位
講義
3年次
教授
姜 姍
Antitrust Law
授業の目的と概要
本講義は、経済の憲法と呼ばれている「独占禁止法」のうち、もっとも基本的部分である「独占」及び「カルテル
」規制について基本知識を習得し、その具体的な法運用、展開を理解することを目的とする。
「自由」と「公正」をベースとしている「独占禁止法」の実体規定の基礎概念、及び規制内容、競争ルールを分か
りやすく説明し、また、独占禁止法は判例法であることを理解するため、主要事例(判例、審決)を紹介する。さら
に、知的財産権の保護と独占禁止法、競争政策、先進国の独占禁止法についても概観する。
授業の到達目標
近年、国際的にカルテルへの厳罰化傾向が進んでいる。市場経済を適切に機能させる「独占禁止法」は国際標準に向
けて大きく発展し、その重要性が飛躍的に増している。このような流れのなかにあって、係る基礎的、基本的な問題点
、関連知識、及び最新の動向を正確に理解、把握することを目標とする。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
独占禁止法の歴史・目的・構成
公正取引委員会と独占禁止法の執行
私的独占(定義・要件)
私的独占(行為の類型・態様)
カルテル(禁止の意義・要件・課徴金)
カルテルの形態・入札談合等
事業者団体の活動規制
企業結合規制
持ち株会社・独占的状態の規制
知的財産権と独占禁止法
第11回 規制手続き・制裁(排除措置、課徴金、刑
事罰、損害賠償)
第12回 適用除外
第13回 国際取引と独占禁止法(域外適用)
第14回 不公正な取引方法(私的独占・カルテルの
予防規制、不正競争)
第15回 アメリカ、EU等の独占禁止法
第16回 期末テスト
成績評価方法
授業への参加度(率)
・受講態度(40%)
質問への解答等の積極性(20%)
期末テスト(40%)
受講上の注意
六法全書必携。講義中の私語、及び遅刻、無断欠席厳禁。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
独占禁止法についていうと、日常と無関係な、特別な法のように思いがちであるが、市場経済を行う上にな
くてはならぬ、さらに、我々の日々の生活に密接な関連を持つ法律である。この学問の興味深さは、生活密着
性にあると言っても過言ではない。興味を持つことは、この学問へのアプローチの第一歩である。
授業後に復習し、用語の意味等を理解しておくことが重要である。また、
「不公正な取引方法」にかかわる部
分は、後期の「公正取引法」の講義において詳しく取り上げる予定であるので、合わせて受講することを勧め
たい。
中国留学生にとって、独占禁止法はなじみの薄いものと思われるが、この機会を生かして学ぶことを勧める。
オフィス・アワー
水曜日1限、2限
使用教科書及び参考書
特定の教科書は使用しない。
参考書:
岸井大太郎ほか 著「経済法―独占禁止法と競争政策」
(第7版)有斐閣(2013年3月)
佐藤一雄ほか 編「テキスト独占禁止法」
(再訂二版)青林書院(2010年4月)
金井貴嗣ほか 著「ケースブック独占禁止法」 第3版(弘文堂)
(2013年3月)
高岡法科大学 ③-13
国際経済法
前期
2単位
講義
3年次
教授
姜 姍
International Economic Law
授業の目的と概要
本講義では、国際通商の基本原則を定めるWTO法についての基本知識を学び、さらにその具体的な法運用と展開
を理解することを目的とする。
現在において、WTO法が「国際経済法」の中心を占めており、国際通商のほとんどの分野を包括する。WTO協
定及び紛争解決手続きによる判例を合わせてWTO法と称するが、それは「自由化」と「公正」な競争条件の確保を
基調とし、物品、サービス、及び知的財産権の貿易関連を規制している。また、さまざまな見地から、南北問題や環
境保護への配慮が必要とされている。この講義は、WTO協定を中心に取り上げ、身近な紛争事例を分かりやすく紹
介する。
授業の到達目標
WTO法についての理解は、現代の貿易・通商に関するあらゆる問題に対処するうえで最も重要である。グローバル
な視点から、ビジネスのみならず、日常生活に影響を及ぼす自由貿易協定(FTA)
、緊急輸入制限、CO2排出量規制
をしない国からの輸入品に税を課すことによる地球温暖化対策及び農家への補助金等まで、WTO法に照らして、係る
問題点を把握できることを目標とする。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第10回
国際経済の法的枠組み
WTOの基本原理
紛争解決手続
最恵国待遇の原則・内国民待遇の原則
数量制限禁止・関税引き下げ
アンチダンピング措置
補助金規制と相殺関税
セーフガード(緊急輸入制限)
農業とWTO
環境保護と自由貿易の調和
第11回
第12回
第13回
第14回
第15回
第16回
サービス貿易協定
直接投資とWTO体制
知的財産権ルール――TRIPS協定
自由貿易協定とWTO体制
WTO体制と途上国
期末テスト
成績評価方法
授業への参加度(率)
・受講態度(40%)
質問への解答等の積極性(20%)
期末テスト(40%)
受講上の注意
講義中の私語、及び遅刻、無断欠席厳禁。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
国際経済法というと、煩雑な、縁遠い法律と思いがちだが、新聞やテレビに日常茶飯事のように国際間の貿
易問題は報道されている。これらマスメディアに取り上げられる事象に興味をもつことは、この学問へのアプ
ローチの第一歩である。
また、授業後に復習し、用語の意味等を理解しておくことが重要である。
オフィス・アワー
水曜日1限、2限
使用教科書及び参考書
特定の教科書は使用しない(必要に応じて資料を配布する)
。
参考書:
UFJ総合研究所新戦略部通商政策ユニット[編]「WTO入門」日本評論社(2008年出版)
松下満雄、清水章雄、中川淳司 編「ケースブック WTO法」有斐閣(2009年出版)
高岡法科大学 ③-14
経営情報システムA
前期
2単位
講義
3年次
准教授
金岡 克文
Management Information System A
授業の目的と概要
情報通信技術の発展を理解し,それらを経営・ビジネスに利用するための基礎としての経営情報論の基礎を習得する。
現在,あらゆるビジネスシーンにおいて情報通信技術に関する知識が必要とされる。情報通信技術の起源や成り立ちを
理解することは,たとえ技術が進歩したとしても,それについて行くことの出来る基礎力となる。また,その経営との
関連を知ることで,それをより実際的に応用可能なものとすることが出来る。
授業の到達目標
情報通信技術の発展を理解し、経営組織論に関する基礎知識を習得すること。
授業計画
第 1 回 ガイダンス
第 2 回 パソコン・インターネット等の情報通信技
術の発展について
第3回
〃
第4回
〃
第5回
〃
第6回
〃
第 7 回 経営・経営組織論の基礎
第8回
〃
第9回
〃
第 10 回
〃
第 11 回
〃
第 12 回
〃
第 13 回
〃
第 14 回 経営情報論の基礎について
第 15 回
〃
第 16 回 試験
成績評価方法
受講態度
レポート等
試験 50%
20%
30%
受講上の注意
パワーポイントを使い,基本的に教科書にそって,レジュメを配布しながら講義を進める。内容を理解するよう
に,自分なりにノートをしっかりとること。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
講義内容に興味を持って,
積極的に質問し,
講義をより有意義なものとすることに協力して欲しい。
予習として、
新聞などの経済・経営面に目を通すこと。たま、配付したレジュメに復習としてしっかりと講義内容をまとめるこ
と。
オフィス・アワー
月~水曜日の講義以外の午後の時間帯
上記以外の時間であっても,時間が空いていれば,できる限り質問に答える。
使用教科書及び参考書
使用教科書:基本的にレジュメを配布して講義を進める。参考書:
『経営情報論(有斐閣アルマ)
』
(東山曉・村
田潔・岸眞理子)有斐閣(価格:2,160円(税込み)
)
。
高岡法科大学 ③-15
敷地・マンション等の法律
前期 2単位
講義
3年次
准教授
上地 一郎
Land Law and Unit Ownership Act
授業の目的と概要
民法の講義では特に取り扱われることのない不動産や都市計画に関わる法制度を概観することが本講義の
目的である。まず、不動産取引に関わる民法上の基礎を復習し、区分所有法、都市の法、とりわけ土地と建物
に関する法令上の制限に関わる分野を見ていく。
授業計画は以下の通りですが、進行状況等により適宜変更することもあります。
授業の到達目標
民法の基礎を復習することで、民法の理解を深めることができる。また不動産に関わる諸法制を学ぶことで、土地
と建物に関する法律の全体像を体系的に理解することができる。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
オリエンテーション
共同所有関係(1)
共同所有関係(2)
物権変動・危険負担(1)
物権変動・危険負担(2)
区分所有法(1)
区分所有法(2)
中間試験
都市の法 総論(1)
都市の法 総論(2)
第 11 回
第 12 回
第 13 回
第 14 回
第 15 回
第 16 回
都市計画規制(1)
都市計画規制(2)
土地利用のコントロール(1)
土地利用のコントロール(2)
土地利用のコントロール(3)
期末試験
成績評価方法
中間試験(50 点)+期末試験(50 点)
出席回数が授業回数の 2/3 未満の者は、期末試験を受験できない。
受講上の注意
・1・2 年次までの各民法科目を履修していることが望ましい。
・
「配布資料」
「六法」を用意すること。
・毎回出席を取り、授業に臨む態度を重視する。授業態度の悪い学生は退場させることもある。
・講義開始後 20 分を経過した時点での教室からの出入りは禁止。
・私語は禁止。違反者は退場、欠席とする。
・講義中は携帯電話等の音声を切りカバンにしまうこと。違反者は退場、欠席とする。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
意欲的な参加を期待する。
講義の最後に、次回の講義内容を指示するので必ず予習をしてくること。
オフィス・アワー
火曜日4限・5限、水曜日2限(前期)
・3限(後期)
、金曜日3限・4限
その他、研究室にいるときには随時対応する。
使用教科書及び参考書
資料を配布します。
参考書:その都度指示する。
高岡法科大学 ③-16
知的財産法
前期
2単位
講義
3年次
教授
森脇 祥弘
Intellectual Property Law
授業の目的と概要
企業にとって、優れた技術や製品を開発し、その権利を確保・管理・活用して行くことは、競争社会で不可欠である。
一方、IT化の中で、個人が各種コンテンツを利用し、更に自ら作成・公表する機会も増大している。そうした中で、
知的財産の保護と利用のバランスのあり方につき、様々な議論が生じているのも近時の特徴である。この講義では、各
種知的財産に関する法制度の概観・現況・展望を、紛争事例やトピックも交えながら紹介して行く。
授業の到達目標
いくつかの主要な知的財産法制度の概要と異同、また共通の基本的考え方と利害・価値の対立状況を理解し、職業上
および日常において各種知的財産を合法的に利用し、また自らの知的財産を管理保全して行くに必要な知識の定着を図
る。
授業計画
第1回
第2回
第3回
第4回
第5回
第6回
第7回
第8回
第9回
第 10 回
知的財産制度の概要
商号・商標の保護と不正競争
特許法(1) 特許制度とは
特許法(2) 特許の実体的要件
特許法(3) 特許の手続的要件
特許法(4) 特許権の権利内容
特許法(5) 特許権の制限・限界
特許法(6) 特許権侵害・特許紛争
各種産業財産権
著作権法(1) 著作権制度とは
第 11 回 著作権法(2) 著作物と著作者人格権
第 12 回 著作権法(3) 著作権の内容
第 13 回 著作権法(4) 著作権の制限・限界
第 14 回 著作権法(5) 著作権の利用・著作権侵害
第 15 回 総括
※関連トピックとその予備知識の解説のため若干の講
義順変更が有り得る。
第 16 回 期末試験
成績評価方法
期末試験の成績(85%)小テスト(講義中に3回実施)の結果(15%)但し、参加度・受講意欲・態度に問題の
ある者は、最大50%の減算を受け、または受験資格を認められないことがあり得る。
受講上の注意
最新の六法を毎回持参すること。古い六法では講義・出題箇所を網羅していないことが有り得るので十分注意の
こと。真剣に受講する者の迷惑となる行為は厳禁する。
受講生へのアドバイス(指示、要望事項、他の科目とも関連など)
講義中出て来たキーワードや条文はマーク・メモし、報道等で耳にしたら関連記事を追う等して、関心と記憶の
喚起に努めるよう勧めたい。どの科目においても、毎回出席し上記の作業を励行することが、最上の試験対策とも
なるであろう。
知的財産法分野の制度構造は民法の物権法に範を取って構築されたものであるため、受講に先立ち「土地・建物
の法律」の単位を取得済であることを強く推奨する。教科書、六法または配布資料の指定箇所、特に前学期までに
開講された法律分野関連の項目として指定した箇所には、毎回30分でも予め目を通しておくこと。
オフィス・アワー
火曜日4限、水曜日5限
使用教科書及び参考書
有斐閣アルマ Specialized 角田他「知的財産法[第6版]」
(有斐閣、3,024円)
高岡法科大学 ③-17