第16回 メロンのチカラ

メロンの平均
スーパーオキシド消去活性
(ヘルシーエイジング)
スーパーオキシド消去活性
(ヘルシーエイジング)
100
100
ヒドロキシル
ラジカル消去活性
(病気予防)
第16回 ●メロンのチカラ
くだものが人間の体にはたらきかけるチカラに
フルーツの平均
キンショーメロン
ついて、長年、くだものと野菜の分析研究を積み
一重項酸素
消去活性
(美容)
ヒドロキシル
ラジカル消去活性
(病気予防)
ハネジュー
(赤)
クインシー
(赤)
117
111
一重項酸素
消去活性
(美容)
メロン
アンデス( 青 )
ホームラン
(白)
キンショー
(白)
14
108
90
78
重ね、
「食」によって健康な生活を送る提案を続け
てきた、デザイナーフーズ株式会社代表取締役
社長丹羽真清さんにうかがいます。
赤肉にはカロテンが多いので好まれるのかも
◆メロンのチカラ
今回はメロンについてお話しいただきました。
クインシ―メロン
◆「まくわうり」も、
「はみうり」も、
メロンの仲間
しれません。食べたときに、おいしいだけではな
全体のフルーツの抗酸化力を100とするとメロ
ンは 14 なので、とても低いのですが、このドー
ハネジュ―メロン
く、赤い色が自分に元気を与えてくれるというこ
とをなんとなく感じるのではないでしょうか。
このほか、ビタミンE はもちろん、カリウム、マ
ナツグラフには水溶性の成分しか表現されていま
グネシウム、マンガン、亜鉛など、ミネラルも揃っ
せん。
子どもの頃、私の家では「まくわうり」をたくさ
メロンの平均を100としてみると、品種別には
ています。メロンは暑い夏の水分補給だけでな
ん作っていました。当時メロンは病気になっても
「ハネジュー」と「クインシー」の抗酸化力が高く
く、免疫力を活性化させ、ビタミンで元気にして
なかなか食べられない、とても貴重なものでし
出ました。
「ハネジュー」はこの品種としては珍し
くれますし、糖度がだいたい18%以上ですから甘
たから、
「まくわうり」が「メロン」の仲間とは全く
い赤肉です。そこで、青肉と赤肉の成分を比べて
さで即体力を回復させてくれるチカラもあります。
思わず、メロンとはほど遠い田舎の食べものだと
思っていました。今になると、あのほどよい甘さ
が懐かしいのですが…。
うりといえば、 シルクロードで出合った「はみ
アンデスメロン
ホームラン
メロン
◆ 赤肉メロンに注目
みると、α-カロテンは、青が 6 µgに対して赤が
特に子どもは汗をかいて非常に体力を消耗しま
16µg。β-カロテンは青140µgに対して赤 3600µg
す。おやつにはお菓子ではなく、おいしく栄養を
と断然赤のほうが多いことがわかります。
補給できるメロンを食べてもらいたいですね。
MEMO
うり」を思い出します。
「はみ」は、日本語の「食
メロンの果肉の色は青(緑)
、白、赤の3 色あ
(は)む」から「食(は)みうり」のことかと思いまし
りますね。日本に最初に導入された高価な温室
••メロンは東アフリカ原産で、北部で栽培化さ
たが、
「哈密(はみ)」という中国ウイグル自治区
メロンが青肉でしたから、メロンのイメージは青
れた。中近東から中央アジアへ伝わったもの
の地名で、ここが原産地なのだそうです。甘いく
ですが、最近はなぜか赤肉メロンのほうがおいし
は、中国で「まくわうり」として発達。地中海を
と1965(昭和 40)年より後では、品目が違う。
だものなので、
「哈“蜜”瓜」と書かれることも多
く感じられます。
渡り南ヨーロッパへ伝わったものは西洋メロンと
前者は「まくわうり」で1936(昭和 11)年ごろが
スから導入された「アールスフェーボリット」。
••農林統計のメロンは、1942(昭和 17)年より前
く、今は日本でも栽培されています。当時は中国
赤肉の「夕張メロン」が生まれたのは、1935(昭
して発達し、さらにイギリスで温室栽培されて
ピーク。1965 年以降は「まくわうり」から「プリ
でしか食べられないと聞き、どうしても食べてみ
和 10)年といいますから、約 80 年も前のことで
「アールスフェーボリット」系のネットメロンが育
ンスメロン」へ、さらにハウスメロンへと内容が
たかったのです。
す。
「アールスフェーボリット」とアメリカ系赤肉メ
成された。
変わっている。
中国の砂漠の中には「カレーズ」と呼ばれる地
ロン「スパイシー」を交配させたもので、空輸で
••日本に最初に入ってきたのは 2 千数百年前とさ
••「プリンスメロン」は1960(昭和 35)年には「ま
下水路が走っていて、所々にその水を利用できる
東京に入るようになって有名になりました。現在
れるが、当時渡来したのは、雑草メロン型、マ
くわうり」を圧倒し、一時期はメロンの 70%を
オアシスがあります。そこには「はみうり」が山の
は北海道の「ルピアレッド」のほか、
「クインシー」
クワウリ型、シロウリ型と区別できない分化不
占めたが、1980 年 代に入り、
「 アムス(1974・
ように積んでありました。丸くて大きな「すいか」
が各地で作られていますし、
「レノン」など新しい
十分なメロン。古墳時代にはマクワウリ型やシ
昭和 49 年)
」
、
「アンデス(1976・昭和 51年)
」が
のようなかたちをしていて、顔を入れて食べるよう
品種も登場しています。私たち消費者も赤肉メロ
ロウリ型が、中世から江戸時代にかけては現
シェアを伸ばした。
な感じ。それが感激するおいしさでした。38℃か
ンに慣れてきて、スーパーマーケットなどで半分に
代のマクワウリ型やシロウリ型に近い種子が出
ら40℃にもなる乾ききった砂漠で食べたから、あ
切って売られていると、珍しいというより、おいし
土している。
んなにおいしかったのかもしません。
そうと感じて、手が伸びるのではないでしょうか。
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••現在のネットメロンの原型は大正時代にイギリ
••最近は差別化商品として赤肉メロンが注目され
ている。一方で、 外観・品質ともに、温室メロ
ン、「アールス」に近い品種の開発も盛ん。
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