平成27年2月 VOL98

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渡
邉
精
三
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特集
・
「第 5 回院内発表会」
『安心できる病院を目指して~患者さんのために、自分のために~』
トピックス等
・年女・年男
・
「早島町マラソン・駅伝大会に参加して」
・新任医師紹介
・食材の底力~かき~
・映画ロケ地シリーズ(31)
「新しき民」
(井原市 中世夢が原)
・ようこそ!!オープンギャラリー「癒しの空間」へ
・公開医学講座・公開介護講座・当番医のお知らせ
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特集 「第 5 回院内発表会」
『安心できる病院を目指して~患者さんのために、自分のために~』
12 月 20 日(土)午後、第 5 回院内発表会を開催しました。『安心できる病院を
目指して~患者さんのために、自分のために~』が今年のスローガンです。発表
は2部構成とし、第1部は日常業務を通し改善した事例、平素疑問に思っている
ことに新たな視点で取り組んだ事例等全 9 題がエントリーされました。
活発な議論が展開されたものもあり、更に努力を要する内容のものも多少あ
ったように感じましたが、大切なことは現状に満足することなく、引き続き努力す
ることだと思います。これからも患者さん本位の医療を、患者さん目線で認識で
開会あいさつ:宮本実行委員長
きるように、改善に向け真摯に精一杯努力することが大切だと感じました。
第 2 部は講師 馬場事務局長による特別講演で、テーマは「地域に生き残れる病院を目指して―児島中央病院の
挑戦と応戦―」でした。病院運営をとりまく環境は年を追うごとに厳しくなっている中で、いかに地域に必要とされ続け
ていくことが大切か、その意義と将来への考え方など、示唆に富んだお話だったと思います。受け身だけでなく、挑戦
を続けつつ患者さん中心のよい医療を提供することにより、存在感ある病院であり続けたいと感じました。
1 部の 9 題は全て貴重な発表でした。その中で、あらかじめ準備された 3 賞は、それぞれ選考に難航したものの次
のとおり決定されました(各賞の選考理由は次頁を参照してください)。
☆実行委員長賞 ; 「当院透析患者の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と過体重の関連性について」
(臨床工学科 藤原香)
☆看護部長賞 ; 「当院での褥瘡委員とNST委員の連携」
(褥瘡対策委員会 妹尾奈央子)
☆事務局長賞 ; 「医療・介護・福祉・行政を巻き込んだケア・カフェ
―多職種による地域連携の取り組みの実現に向けて―」
(地域医療連携室 安田浩二)
土曜日の午後ではありましたが、多数の出席があり、各々の眼差しも真剣そのもので充実した 4 時間でした。患者
さんに良い医療を提供することで、我々も医療人として充実できると感じました。次回第 6 回院内発表会ではもっとす
ばらしい成果を発表できるよう、日々頑張ってまいります。(第 5 回院内発表会実行委員長 (外科医長) 宮本善文)
発表:丸田拓也
会場の風景
発表:姫野綾子
座長席
発表:杉山理恵・川原尚子
2
発表:藤原裕子
発表:濱崎菜央
発表:西田かおり・福田看護部長
特別講演・馬場事務局長
閉会あいさつ
山田事務長
☆実行委員長賞 選考理由☆
○当院透析患者の脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)と
過体重の関連性について
(臨床工学科:藤原香)
透析患者さんで、時々心疾患や脳疾患を目の当りにすることがあります。
今後も症例数を増やし、さらに細かく分析することで、臨床面での危険予知
に役に立っていくのではないかと思いました。早い時期に、血液検査で指導
を行ってくれることを期待して委員長賞とさせていただきました。引き続き来
年も発表していただきたいと思います。(実行委員長:外科医長 宮本善文)
実行委員長賞
発表:藤原
香
☆看護部長賞 選考理由☆
○当院での褥瘡委員とNST委員の連携
(褥瘡対策委員会 妹尾奈央子)
褥瘡対策委員会は、専任医師(宮本外科医長)、専任看護師(武田看護主
任)を中心にチームを組み、長年にわたり褥瘡対策(予防・管理・治療)に取
り組んでこられました。その結果、褥瘡発生率は低下してきています。褥瘡
治療において、栄養管理は重要な要素ですが、今回、NST の介入により治
療にあたった結果、褥瘡の軽快・治癒に効果があったことが報告されました。
看護部長賞
発表:妹尾奈央子
今後もさらに連携を深め、成果を上げていただきたいと思います。今までの活動に敬意を表し、また、今後の活動に期待
(看護部長 福田正子)
を込めて看護部長賞といたしました。
☆事務局長賞 選考理由☆
○医療・介護・福祉・行政を巻き込んだケア・カフェ
―多職種による地域連携の取り組みの実現に向けて―」
(地域医療連携室 安田浩二)
社会保障行政においては、将来に向けた課題として、超少子高齢化社会
の医療ニーズに合わせた医療供給体制の再構築、地域包括ケアシステム
の構築を掲げ、引き続き 2025 年に向けて取り組んでいく必要があるとして
います。また地域包括ケアシステムの定義を「重度な要介護状態となっても
事務局長賞
発表:安田浩二
住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることができるよう、住まい・医療・介護・予防・生活支援が一
体的に提供される地域包括ケアシステム」として、この構築を実現するとしています。今回発表された取り組みは、児島地
域の傷病者に対する医療や高齢者のケアなどをひとつの面としてとらえ、医療・介護・社会など各資源が無駄なく効率的
に関わっていくことによって住民の福祉に寄与していこうという趣旨であり、地域包括ケアシステムを意識した取り組みとし
て、社会貢献面でも高く評価できます。地域の底力を更にアップするためにも有意な企画を工夫し継続していただきたい。
そのような期待も込め事務局長賞としました。
(事務局長 馬場洋一)
3
年女・年男
羊毛の如く!羊の群れのように!!
新春を寿ぎ、謹んでご挨拶を
充実した看護、家族との時間を大切に
ICU に勤務しています。毎日、
申し上げます。2015 年は未年
慌ただしく日々が過ぎ去ってい
です、私は年女となります。
ます。患者様の重症度が増す程
群れをなす羊は家族・一族の安
につれ、自分自身に余裕がなく
泰を示していると言われている
なり、患者様お一人おひとりに
そうです。私も羊にちなんで、
関わる時間が短かくなっている
今年は羊毛の如く周りの人たち
気がしています。そのため今年
を暖かく包み込んでいけるよう
は、忙しい時こそ視野を広げ、
な人格者に、少しでも近づけるよう頑張ってまいり
心にゆとりを持ち、充実した看護が提供できるよう
たいと思います。又、羊の群れのように透析センタ
努力していきたいと考えています。又、私生活では
ースタッフが一丸となって、患者様の健康福祉の向
三交代の勤務の中でも今以上に家族と過ごす時間を
上のために、少しでも前進していけるよう尽力して
大切にしていきたいと考えています。
ま
み
(2 階病棟(看護師) 畠山真美)
まいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
(透析センター(看護師長) 中川文子)
ウールのようにあたたかく
これまでの多くのご指導や出会いに感謝して
こんにちは。5 階病棟で勤務
あ いか
新年あけましておめでとうご
しています山口愛佳と申します。
ざいます。外来の診療補助とし
今年で 24 歳、未年、年女とな
て勤務しています片沼珠美と申
りました。看護師になって早 3
します。当院には派遣勤務から
年。ここ児島中央病院でたくさ
スタートし、職員となり早いも
んのことを学びました。病棟の
先輩方もとても優しく、楽しく
仕事をさせていただいています。
今年は年女らしく活気にあふれる一年にしたいと思
います。また、この 3 年間で学んだことをベースに、
これまでの多くのご指導や出会いに感謝しつつ、着
実に前進していける年にしたいと思います。
(5 階病棟(看護師) 山口愛佳)
ので 6 年が過ぎようとしていま
す。さて、今年は未年で年女と
なりました。「未」の特徴として
は、トラブルを嫌い、チームワークを大切にする動
物のようです。私もこの未のように外来スタッフと
してチームワークを大切にし、患者様にはウールの
ようにあたたかく対応したいと思います。また、外
来は比較的短い時間の対応となりますが、安全で安
心して治療が受けられるようサポートしていきたい
と考えています。仕事もプライベートも昨年よりも
更に充実した一年になるよう頑張っていきたいと思
います。
4
(外来診療サービス担当 片沼珠美)
年女・年男
「未」熟者ですが・・・。
皆さんこんにちは。臨床検査
笑顔を忘れずに
明けましておめでとうござい
科の今井悠貴です。児島中央病
ます。リハビリテーション科
院に新卒として入職してもうす
作業療法士の山崎里恵です。香
ぐ 2 年になります。入職当初は
川の学校を卒業し、当院に入職
日々のルーチン業務をこなせる
してから 3 年が経とうとしてい
ようになるため毎日勉強でした
(今でもそうですが…)
。そんな
自分を先輩方が暖かく支えて下
さり、今は内視鏡検査にも携わらせていただいてい
ます。今後も初心の気持ちを忘れることなく職場の
先輩方を目標に努力していきたいと思います。まだ
まだ『未』熟者ですが宜しくお願いいたします。
(臨床検査科(臨床検査技師) 今井悠貴)
り
え
ます。入職当初は学生では感じ
られなかった社会人としての責
任、また慣れない土地での生活
に戸惑うことも多くありました。しかし、スタッフ
の皆様や家族、友人の支えがあり、少しずつではあ
りますが、成長できたと実感しています。今年は年
女ということで、良い年になるように『笑う門には
福来たる』ということわざを意識して、常に笑顔を
忘れず日々精進していきたいと思います。
(リハビリテーション科(作業療法士) 山崎里恵)
管理栄養士としてスキルアップできる年に
チームワークを深め、一致団結
明けましておめでとうござい
昨年 2 月に当院地域医療連携
ます。昨年の 4 月から栄養管理
室に入職、1 年が経ちました。
科で勤務している荒巻桃子です。
私の地域医療連携室での主な業
昨年は大学を卒業し、以前から
務は地域の医療機関や施設との
の夢であった病院栄養士になる
連携、公開医学講座や広報活動
ことができ、忙しくも充実した
などです。この 1 年間は、仕事
日々を送ることができました。
を覚え日々の業務をこなしてい
今年は積極的に勉強会に参加し、
く中で、毎日新たな発見や学び
栄養管理についての知識を増やしていきたいと思っ
があり、大変充実した 1 年間だったと思います。ま
ております。ただスキルアップするだけでなく、学
た、多くの方々との繋がりや連携を通して、人と人
んだことを日々のこれからの業務につなげ、昨年以
とのコミュニケーションの大切さ、信頼関係の大切
上に充実した一年にしていきたいと思います。
さを強く実感しました。未年は干支の中でも群れを
まだまだ一人前の管理栄養士とは言えませんが、
なすということで、「団結」「一家の安泰」を象徴す
チームワークを大切にする羊のように、栄養管理科
る存在のようです。私もこれにあやかり、この 1 年
の先輩方、厨房スタッフと協力し、患者様に安全で
間支えてくださったスタッフの方々と共に、チーム
おいしい食事を提供できるようにがんばります。
ワークを深め、一致団結し、より良い病院づくりを
(栄養管理科(管理栄養士) 荒巻桃子)
目指していきたいと思います。
(地域医療連携室(事務員) 田邉絵理奈)
5
「早島町マラソン・駅伝大会に参加して」
平成 27 年 1 月 25 日(日)
、JR 久々原駅周辺をコースとした
「第 6 回早島町マラソン・駅伝大会」が開催されました。この
大会はマラソン競技と駅伝競技に分かれており、我々職員有志
8 名は、2.9km×4 人の駅伝に 2 チームで挑みました。
(参加
全 62 チーム)
気楽な気持ちで参加しましたが、2.9kmとはいえ、慣れない
私からするとすぐに息が切れつらくなりましたが、タスキをつ
ないできた仲間のことを考え必死で走りなんとか完走できまし
た。結果、練習時のタイムを大幅に縮めることができました。
後列右から 2 人目が筆者
【出場者(区間順及び成績)
】 (総務課 池田一樹)
A チーム:上田祐己・森美穂・池田一樹・川口裕志 (39 位:55 分 03 秒)
B チーム:羽原雄仁・江本里菜・森脇由美・池田匡 (45 位:56 分 51 秒)
新任医師紹介
<1 月 1 日付>
佐藤 暢(さとう とおる)
担当診療科:内科
出身大学:岡山大学 昭和 30 年卒
所属学会:日本救急医学会(専門医・指導医)
、日本ペインクリニック学会(暫定専門医)
、
日本麻酔科学会、日本輸血細胞治療医学会、日本疼痛学会、日本蘇生学会、
日本麻酔・集中治療テクノロジー学会、日本医師会認定産業医
岡山大学第2外科の出身ですが、米国での臨床研修から麻酔学を志し、大学院修了後
に岡山大学講師(手術部)
、関西医大助教授(麻酔学)を経て、昭和41年から鳥取大学
で麻酔学講座を担当しました。平成9年に定年退官してからは、主に老健、特養などで
老人医療、血液透析、産業医などの仕事にあたりました。昨年末に故郷の岡山市に50
年ぶりに帰り、今年初めから当院でお世話になっています。今年5月には84歳にもな
る老骨ですので、色々とご迷惑をおかけしていますが、何卒宜しくお願い申し上げます。
木村 泰彦(きむら やすひこ)
担当診療科:内科
出身大学: 香川医科大学 平成 2 年卒 香川医科大学大学院 平成 6 年修了
所属学会: 日本内科学会(認定内科医)
、日本肝臓学会(専門医)
日本消化器病学会(専門医)、日本消化器内視鏡学会(専門医・指導医)
日本医師会認定産業医
1 月から勤務しています。卒後大学院へ進学し、大学院時代、アメリカ留学時代には
自己免疫性肝疾患の研究に従事しておりました。大学退職後は一般病院で肝疾患をはじ
め、広く一般内科の診療を行ってきました。現在、総合内科専門医の取得を目指し勉強
中です。よろしくお願いします。
~かき~
牡蠣(かき)は、「海のミルク」と呼ばれるほど滋養強壮に効果がある食品であり、亜
鉛、良質のタンパク質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよく含んでいます。
身の部分だけではなく、牡蠣(かき)の殻にも、汗止め効果、鎮静効果、緊張緩和など
の作用があるとされており、ヒステリー、不眠、寝汗、精神不安定の治療に効果的な漢
方薬として用いられています。ただし、加熱用牡蠣は、ウイルスを多く含んでいるため、
しっかり加熱をして召し上がってください。
6
<栄養管理科>
映画ロケ地シリーズ(31)「(新しき民)井原市
中世夢が原」
今回の映画ロケ地シリーズのご紹介は、
昨年 10 月以降、
岡山県内を中心に巡回上映されている映画「新しき民」。こ
の映画は江戸時代に美作国で起きた山中一揆(さんちゅう
いっき)を題材に、真庭市、井原市、備前市、高梁市、奈
義町の県内5市町村でロケを行った作品。監督は真庭市在
住の山﨑樹一郎さん。一部カラーのモノクロ(白黒)映画
で上映時間は約2時間の大作です。私は1月24日(土)
児島市民交流センターでの上映を鑑賞しました。
物語は、小作農民の治兵衛(中垣直久)は身重のたみ(梶
原香乃)と静かに暮らしていた。そこに義理の兄である地
主の新六から、藩に対して年貢の免除を交渉するため決起
するので参加するよう促され、本意ならず重い腰を上げて
取材協力をいただいた井原市立病院
参加した。交渉は津山藩が百姓の要求をのみ、一件落着か
野﨑正広事務部長様(右)と筆者
にみえた。しかし、交渉結果に満足しない百姓の一群が、
大庄屋や富豪の家に襲撃をかけ、多くの米を強奪した。驚愕した庄屋らは津山藩に鎮圧隊の派遣を要請、藩か
ら物々しい武装の鎮圧隊が繰り出された。藩兵と農民軍の戦いは圧倒的な武力差と農民側から裏切り者が出た
ことで、短期間で壊滅。捕らえられた農民軍の総大将である徳右衛門ら多くの農民が処刑された。その状況を
目の当たりにした治兵衛は、何とか生き残ろうと考え、自らの顔面に石をぶつけて人相を変え、村と妻、やが
て生まれてくる子をも捨て、雪の中を逃走した。
月日が経ち、逃げ延びた治兵衛は町で暮らしていたが、ある日、そこに新六の子である喬之介が現れる。そ
して運命に導かれるように村に帰ると、妻や初めて目にする娘の姿があった・・・。
昨年10月29日付山陽新聞朝刊で、
“山﨑監督は「多様な見方
を楽しんで」と呼びかけている”と報じていましたが、確かに視聴
者の感じ方は一様ではなかったものと思います。
私は一度しか鑑賞
していませんが、多分制作者の意図としては、今の平和は多くの犠
牲やいくつもの負のできごとの経過を踏まえ築かれたもの。
だから、
その犠牲の歴史や当事者である先人たちの気持ちに思いを致し、
今
を生きる人は平和を維持し、次代がより平和な世となるよう努める
義務があるんですよ。と呼びかけているように感じました。
さて、私はこれまで百姓一揆を題材にした映画を3本観ました。
最初は小学生の頃に観た「義民 佐倉宗五郎」の物語(インターネ
中世夢が原「城主の館」
ットで検索したところ、題名は「怨霊佐倉大騒動」ではなかったか
農民の大集結シーンが撮影された
と思います。)。主演は当時の大スター嵐寛寿郎さんです。とても怖
い映画だったので、今でも記憶の片隅にあります。佐倉宗五郎は本
名を木内惣五郎といいますが、通称の佐倉宗吾が一般化しているようです。この事件は、江戸年間の1652
年、当時佐倉藩の領民は藩主の暴政と重税に喘いでいました。公津台方村(現・成田市台方)の名主・木内惣
五郎は、年々増す上納米の年貢で塗炭の苦しみに泣いている多くの百姓を救おうと、単身将軍家綱に直訴に及
び見事訴状を手渡すことに成功。このことで後に藩主堀田家の暴政は改められますが、将軍直訴という当時の
重罪を犯した惣五郎は磔(はりつけ)となり、妻と4人の幼子も死罪となりました。惣五郎の生涯が千葉県成
田市の東勝寺(宗吾霊堂)にパノラマ展示されています。10数年前に当時、千葉市内に住んでいた私はこの
寺を訪れたことがあります。
もう1本は、2000年公開の「郡上一揆」。これは美濃・郡上(ぐじょう)藩が増税を目的として、それ
までの毎年一定の年貢を徴収する定免法から、その年の収穫に応じて税額が決められるという検見取(けみど
り)法、つまり藩にとっては年貢を最大限にとることができる都合のよい徴租法を実施しようとしたことに反
発した農民が駕籠訴(かごそ)という直訴に及んだ1755年の事件です。この駕籠訴は登城中の老中の駕籠
にめがけて突進し、
「御訴訟、御訴訟」と叫びながら駕籠前に飛び出し、訴状を差し出すというものです。こ
のことで藩主の金森家は領地を召し上げられ、お家断絶の処分を下された(このことを改易(かいえき)とい
います。
)。江戸時代に一揆を理由に幕府高官が免職となり、藩主が改易となったのはこの事件が唯一という異
例のものでした。また、駕籠訴や箱訴の当事者であった定次郎ら4名は御法度破りの罪で獄門となりました。
主演の定次郎を緒形直人が演じ、古田新太、岩崎ひろみらが脇を固めています。
「新しき民」の題材となった山中一揆は、1726年の美作真庭郡の山中地方から津山藩全域に拡がった百
姓一揆で、藩が藩主松平浅五郎の病死による改易の不安から、年貢の大幅な増徴とその前納を強行しようと企
てたことが原因になり、その反対のために領民5千人余が蜂起した一揆です。一揆史上最大となる51名もの
犠牲者を出したことで著名な事件です。
さて、このロケ地となった井原市美星町にある「中世夢が原」は鎌倉から室町時代にかけての吉備高原一帯
に見られたむらの様子を、絵巻物や発掘資料をもとに、時代考証により再現されています。園内には辻堂、農
家、砦、屋敷、三斎市(月のうち3回開かれた市)
、物見櫓、山城、詰所、城主の館などが再現されています。
中世夢が原はそうした中世のむらの風景と職人仕事などの生活情景を演出しています。「新しき民」では、最
大の見せ場である農民の大集結シーンなどが撮影されました。また、これまでにも中世夢が原ではNHK大河
ドラマ「武蔵」
(2003 年放映)や映画「あずみ2」
(2003 年公開)のロケ地としても有名です。
(馬場洋一)
(参考資料:
「義民新版」横山十四男(三省堂)、
「再現日本史 江戸Ⅱ④」
(講談社)、
「一揆:⑤一揆と国家」
青木美智男ほか(東京大学出版会)
7
ようこそ!! オープンギャラリー
「癒しの空間」へ
2 月は定例のちぎり絵の作品展示です。石原保恵講師の
ご指導による地域のご婦人方の作品です。参加者の皆様は
当病院をご利用されておられることもあり、展示すること
に積極的にご賛同くださいました。その中の作品「雪の庭」
は、70 数年お住いのお家が、この冬の雪であらためて美し
い風景に変身した感動の作品です。 (外来スタッフ一同)
「赤富士」
(石原保恵様:唐琴)
「雪の庭」
(清板須美子様:唐琴)
【今回の展示作品一覧(順不同)】
題名
作者
題名
作者
題名
作者
四君子
関川美津子様(稗田町) 白の世界
石原保恵様(唐琴)
赤富士
石原保恵様(唐琴)
サギ
岸田八重子様(稗田町) 雪あかり
中川美智子様(唐琴)
雪の庭
清板須美子様(唐琴)
竹本秀子様(稗田町)
片山希江子様(稗田町)
さざんか
すいせん
※(おことわり)掲載の写真は展示絵画の撮影にあたり、光が額のガラスに反射して十分な色合いが反映していません。
**********************************
当番医のお知らせ 2 月 15 日(日)は、地区の当番医です。
********:*************************
公開医学講座のご案内
日
時:2 月 12 日(木)午後 2 時 00 分~(約 1 時間程度)
会
場:児島中央病院 多目的ホール(新館 2 階)
テーマ:『手の汚れを見てみましょう』
講
師:外来師長(感染管理認定看護師)
渡邉優子
公開介護講座のご案内
日
時:2 月 13 日(金)午後 2 時 00 分~(約 1 時間程度)
会
場:児島中央病院 多目的ホール(新館 2 階)
テーマ:『在宅における薬剤師のかかわり』
講
師:薬剤科薬局長 渡邉茂永
主催:ホロニクスヘルスケア(株)
8
児島中央病院だより Vol.98
平成 27 年 2 月 1 日発行
(毎月発行)
発行責任者
田邉
秀幸
編集責任者
馬場
洋一
一般財団法人仁厚医学研究所児島中央病院
〒711-0912 倉敷市児島小川町 3685 番地
代表(086)472-1611
FAX (086) 474-3148
地域医療連携室直通(086)473-7815
FAX(086)473-7816
http://www.kojimach.or.jp