埼玉県防災航空隊 ニュース【第31号】 台風18号の影響による大雨により

あらかわ
埼玉県防災航空隊
ニュース【第31号】
発行日 2015.10.1
編集: 内田 雅章
台風18号の影響による大雨により9月9日から11日にかけて関東・東北地方が水害に見舞
われました。埼玉県内でも、県東部地域を中心に多くの被害が発生。越谷市内では、北部を流れる
新方川から水があふれ、多くの家屋が床上床下浸水する被害に見舞われました。また、東部スカイ
ツリーラインせんげん台駅では、線路が冠水し電車の運転を見合わせるなど交通機関にも被害が発
生。さいたま市や春日部市などでも家屋の床上床下浸水、道路冠水など多くの被害が発生していま
す。
茨城県では河川堤防が決壊し、自衛隊や警察、消防などによる大規模な救出活動が行われまし
た。
埼玉県防災航空隊は、9月10日に総務省消防庁からの緊急消防援助隊出動要請を受け茨城県常
総市へ出場。関東平野を南北に流れる1級河川「鬼怒川」の堤防決壊によって浸水、崩れかかり流
される寸前の家屋から住民を救出する活動を3日間に渡り実施し計47名を救出しました。当航空
隊のほか、関東一帯の自治体消防の防災航空隊も出動し、国の総力を挙げた救助活動となりまし
た。その後、宮城県大崎市でも河川の堤防が決
壊し約400世帯が浸水。福島県南会津町でも
河川が氾濫し、川沿いの国道が削られて地域の
313世帯が孤立状態となりました。
鬼怒川の堤防決壊現場
決壊場所付近・家屋からの救出
最近では短時間に極端な大雨が
降る、ゲリラ豪雨が増えていま
す。気象庁によると、1日に20
0ミリ以上の大雨が降る年間の日
数が、ここ100年ほどで、1.
4倍に増えたそうです。大雨特別
警報は、1時間に50ミリの雨が3時間以上も降
り続くなど、大きな災害が発生
しかねないときに発令されま
す。今後、大雨特別警報が発令
された時には、すぐに安全な場
所へ避難してください。
1番機で出動し救出活動を行った4クルー有山副
隊長が語る緊迫の現場・・・
平成27年9月10日(木)11時58分
埼玉県防災航空隊として最初の
出場をしました。捜索・救助活
動の現場は、まさに鬼怒川堤防
が決壊し住宅地域に川の水が濁
流のように流れ込み緊迫した場
面であり、避難が遅れた住民に
とって生命に係わる危険な状況
でした。上空から視認できるだ
けでも数カ所で手を振り救助を
求める住民が確認できました。
その中でも特に緊急性のある場所を見極め、順番に
救出活動を実施しました。また、要救助者が複数点在
する中、他県防災航空隊と連携し効果的な救助活動が
できたことも印象深かったです。