Page 1 Page 2 水戸アカデミー 自己肯定観と執着心が個性を育てる

∬θ.5び
2015年
度
入 試 用
く秋 冬 号 )
串
水戸アカメミ
水戸アカデミー
自己肯定観 と執着心が個性 を育てる。
開成 中学校 ・
高等学校 校 長 インタ ビユー
柳沢 幸 雄 校 長先生
水戸アカデ ミー
柳沢校長
水戸アカデミー
柳沢校長
今年 で創立 143周
授業の様子
年。私学 として 開成学園 の 目指す ところ とは何 なので しょうか。
開成 の名前は易経 の 「
開物成務 (かいぶつせ いむ)」とい う言葉 に出来 します。 「
開物」
の 「
務 めを成す」 とは、そ の 開 い た素質
物」 とは 素質 の ことで、 生徒 の 素質 を開 く。 「
を使 つて社会 の 中できちん と生きて い け る大人 になる ことによって社会 に貢献 して い く
ことだ、 と話 しています。 中学高校 の 6年 間あ るい は高校 の 3年 間で 「
開物成務」 とい
うもの をきちん と 自分 の 中 に埋 め込 んでほ しい、 とい う思 いが この学校 の教育 の原点 で
す。生徒はみな一 人一 人ちが う。 この学校 では、 こうしなさい とい う こ とはほ とん どの
場合言 い ません。 我 々がめ ざ して い る教育 は、生徒 が 自分は こうした いんだ とい う こと
を言 ってきた ら、それ に対 しては い ろ い ろなア ドバ イスや支 えをす る。生徒 自身が こう
したい、 とい う こ とが言 えるまで、そ うい う雰 囲気 になるような、そ うい うものの考 え
方 になるよ うな教育 が最 も基 本的 なスタイル で すね。 中 にはお もしろ い生徒が いて、競
馬 の調教師や花火師 にな りた い といってなった ものもい る。在学中高 3の ときに 日展 に
最年少 で入選 した生徒 は、芸術 と学問 の選択 に悩み に悩 んで 高 1の とき絵 を選 んだ。そ
うい う一 人ひ とりの個性 を支 えて い くのが本校 の特徴 です。
学校行事 な ど課外活動が非常に盛んに行われてい ますが、どのような特色があ りますか。
生徒 一 人 の個性 が発揮 され るのは授業が終わ った放課後 の課外活動 で とい う ことにな
ります。 部活動 ・学校行事 に伴 うよ うな課外活動、それか ら生徒会活動 とい った 中で 自
い ますが、 部 の数が 70近 くもあ
分 の居場所 を見 つ け る。 開成 は 中学高校 で 2100名
り、 大体 自分 のや りた い部 はある。それ で もな ければ、仲間 3人 集 めて 同好会 を作 る こ
ともできる。学校 の行事 では、運動会 ・文化祭 ・学年旅行 ・中学 1年 生 の水泳学校、冬
にはス キ ー 学校 もある。 こ うい う学校 の行事 のほ とん どは生徒主体 でマ ネ ー ジします。
具体的な中身 は生徒 が決め る。運動会 にして も 1年 かけてや りますか ら、運営、 準備 か
ら始 まって、 い ろ い ろなル ー ル作 り、 役割分担 とか い うもの を生徒 が 自分た ちで会議 を
開 いて まとめ上 げ る。だれが どの役 をや るのかは立候補。 自分が これや りた い とい う立
候補者が複数 の ときは、投票があ るんです。行事 をや るときに最初 にで きるのが選挙管
理 委員会。演説会 を行 って、それか ら管理 をぜ んぶそ こがや る。
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日頃か ら生徒 たち に心掛 け させている ことは どのよ うな ことで しょうか。
始業式や終業式 でよ く話 をす るのは、 中学高校 6 年 間、大学 4 年 間 の 1 0 年 経 つ と先
生は もういな いとい う こと。そ こか ら先は 自分 で 自分 の時間、何 をや るべ きか、判断 も
含 めて全 部 自分 でできな ければな らな い。それが大人。 中学高校時代は大人へ の練習 な
わけです。ですか ら時間 のマ ネイ ジメン トが できない と社会人 にな って 一 番 困 ります。
ところが、課外活動 を一切や らな いで勉強 だけに集 中 しましょうとなった ら、そ うい う
マネイ ジメン ト能力が育たな い。課外活動 で 自分 の好 きな ものをや る、選 んだ以 上はや っ
ぱ りや りた い。だけ ど勉強 もや らなければ い けな い。そ こで どうや って、 自分 の 中で決
着 をつ けてい くか。そ うすれば両方が できるようにな ります。
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中学受験 が終 わ るまで親が か りで育 ってきた子 どもも多 くい ますが、 いかが で しょう
か。
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子 どもの親離 れは簡単 で す。 あつ とい う間に離れ ます。 しか し、 親 の子離れが で きな
い。そち らのほ うが大 変。 中学 の合格者説明会や入学式 の時 によ くい うのは生徒 たちに
合格 おめで とう、よ く頑張 ったね」。それ で保護者 には 「ご卒業 おめで とう ござい ます。
「
皆 さんが子供 にべ った りと時間 を使 うのは、それはそれ で必 要 な時間だった。 ですか ら
こうい う成果が勝 ち取れた。 で すが、そ れは今 日で もう卒業 です。 これか ら子 供 は親離
れ して い きます。ですか ら遠 くか ら見守 って 下 さい」。
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公立 の 中学校 で は一 クラス の生徒数 を減 らす方向で進んで い ますが、 開成 の 中学 1学
級 43人 、高校 50名 と生徒数 が 多 いので はな いで しょうか。
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減 らす 計画 は今 のところ あ りません。 43人 や 50人 が 多 いですか。決 して多 くな い
んです。 少 な くなければ教育 できないのは、教師 の教育力が不足 している。生徒 は先生
をちゃん と見抜 きます。尊敬 を集 め られな い先生 では 当然生徒 は離 れて い く。 開成 の先
生は、特 に教室 の 中では持 って い る知識 の伝達方法 で勝負 できない と務 ま らな い。 レベ
ルが高 くな い と教 えきれな い。生徒 には 図抜 けた生徒が い ますか ら、 ときには意地悪 な
質問 もされる。それ にち ゃん と対応 できな ければ い けな い。 同 じ理 科 であって も、た と
えば地 学 の先生は大学 で地学 を専 攻 して きた人で す。生物 を教 える ことはあ りません。
社会科 も国語科 もそ うです。 また、特 に課外活動、生徒が 自主性 を育 てるため、教員は
生徒 の活動 に手 を出 しませ ん し、 日も出 しません。 じっ と見 てい ます。 ほん とうに危な
いところでは、ちゃん とブ レー キ をか け る。そ こに至 らな ければ、 少 々のぶ つ か り合 い
で あろうと、 じっ と見 ています。生徒 たちが どうや って解決 してい くのか をず っと見 て
い ます。ただ、 ここか ら先 まで行 って崖 を滑 り落 ちて しま う、 とい うときには、ちゃん
と教員が来 る。
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次 に授業内容 ですが、教科書 中心 の授業 ですか。
まった く自由で す。学習指導要領 に則 った うえで、具体的 にど うい う教材 で教 えるか、
それは全 部現場 の教員 の裁量。 た とえば最近 で は、中 2か らの 3学 年 での国語 の教材 で 、
一― ネ ッ ト
ス マイ リー キ クテ氏 の 『
突然、僕 は殺人犯 にされた
中傷被害 を受けた 10年
)を 使 った。 国語科 の先生が選 んだ この教材 を読 み下 して い ろ
間』 (竹書房 2011年
コ
んな メン トな リディスカ ッシ ョンな り評論 な りをや る、 とい ぅ授 業 を 1カ 月 くらい し
一
た。おかげでネ ッ ト上 の悪 ふ ざけが 切 な くな りま した。
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開成 の道徳教育 につ いて うかが います。授業 で論語な どを用 いる ことはあるで しょう
か
。
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古文 を中 1か ら、漢文 を中 2か らは じめてお り、古典 に関 してはきちん と教 えて い ま
す。そ れ を道徳教育 とい う観点 で 教 えるか、 ある いは国語 として教 えるか、 結局 そ の境
目は非常 に曖味。 きちん とした人 間 の倫理 とい うもの を読 み取 るというのは、国語 力が
な い とできませんか ら、そ うい うの と一体化 している。 また、生徒 たちが 開成 の特徴 は
何 ですか と聞かれ た ら、彼 ら全員答 える のは、 「自由」 だ とい う こと。それぞれ の 自由
があった ときには、 当然ぶ つ か りあ いがあ ります。だか ら学校 行事 にして もい ろんなア
イデアがあ り、生徒 たちは様 々な意見 の 中で、 自分 の考 えを実現す るために、 演説会 を
行 い、 投票す る。そ して多数 の意思が決 まる と、 合意 に従 って行動す る。 つ ま り、合意
す る経過 をきちん と身 につ けて いる。 自由が支え られ るための一番 重 要 な のは 自治。 自
治 とい うのは、 自分た ちでル ー ル を作 って、そ のル ール を自分た ちで守 る。 規則 を守 り
ましょうとい うの は 自治 の片方 で しかな い、 自分たち の 目標 を確実 に、 心地 よ く達成す
るためにまずル ール を作 りま しょう。そ うい う ことは節 々で教 えて い ますか ら、 ある意
味道徳教育 というのは、 課外活動 が全部道徳教育かな、 とい うふ うにも思 い ます。 ″
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開成 で は先 輩 の後 ろ姿 を見 て後輩 が育 つて い くとい う印象 があ ります。 いかが で しょ
うか。
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それは本 当に伝統 とい うか歴 史 のなせ る業 かな。 ほ とん どの 開成 の生 徒 は高校 2年 生
まで課外活動 に夢 中で す。 た とえば部員 の数 は生徒数 よ り多 いですか らね。掛 け持 ちも
ある。そ して学校行事 での い ろんな活動がある。大体平均す る と 2役 ぐらいや って いる。
夢 中 になって や って いる。高 3の 先輩が 5月 第 2日 曜 日の運動会が終わ る ととたんに、
坊 主頭 になって受験勉強 を始 める。そ して次 の春第 一志望 に進んで い く。す る と後輩た
ちは、 「
あつ、 あれ で いい んだな」 とみんな思 うわ けで す。先輩 の成功事例 をず っ と見
て いるか ら、 あま り心 配す る こともな く、みんな真似す るのです。お手本 になる先輩が
た くさん い る。お手本 とい うの は教員が どんなに頑張 つて も見 せ られな い。それ に、 中
学 へ入 つて 6年 間 です と、中 2中 3っ て 非常 にや んち ゃなんです。 大体男 の子 で すか ら、
思春期 を迎 えて、 い ろんな ことに興味 を持 つ。だけ どそれが 高校生 になると、 途端 に大
人 になる。それは、部活動 を 中高 一貫 で行 って い るので、 高校生 になる と指導す る立場
になる。そ うなる と、 ち ゃん ときちん とした ものの考 え方 ができるよ うになる のです。
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入試 問題 についてお 聞 き します。 どの科 目もタフな難問が多 い 中で、1科 目 50分 の
時間 の制約 の 中で あき らめず、粘 り強 く解答 して い く生徒が開成 に合格す るよ うに思 い
ますが、 いかがで しょうか。
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そ の通 り。 部分点 はちゃん とつ けている。途 中で どうひ らめきがあって、何 を考 えて、
何 を言葉 として表現 して い るか。 採点 には ものす ご く手間がかかる。 中学入試段階あ る
いは高校入試段階 ではそれ ほ ど個性 とい うのは 明確化 して いな い。 だか ら入 試 で は、個
性 の もっ ともっと根本 になるよ うな 自己肯定観 で あるとか執着心 で あるとか、そ うい う
力があ るか どうか を見 るわ けです。 自己肯定感 と書 く ことが多 い と思 い ますが、 自己認
識、 自分 自身 を肯定的 に観 る とい う語感 を強 めるためにここでは観 を使 って い ます。大
学 の教育 では個性 に基 づいて行 われ るべ きだ と思 い ます。そ こで、こうい うと ころで尖 つ
ている、それ を伸 ば してや る、 とい う入試 の方法 を とる。 これか らは、 こ うした ことは
たぶん非常 に必 要 で はな いで しょうか。 教育 とはある意味で 目利 きですか ら。 若者 の 中
に隠 れて い るもの、キ ラッ と一 瞬 しか光 らな いよ うな ものをち ゃん と捕 まえて、 伸ば し
て あげる。
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柳沢校長
校長先生は、 開成 を卒業 した段階 での生徒 たちはハ ーバ ー ドや MITと の入学時点 と
比 べ て も優秀 とお っしゃっていますが、ただ 4年 後 どうなっているかわか らな い とい う
お 話 をされて い ます。それ には 日本 の大学 に対す るメ ッセ ー ジがあるので しょうか。
私 は東 大 で長 い 間教 えて きま した。東大生 には 3つ の グル ー プが ある。 「
燃 え尽 きた
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燃 えて い る グル ー プ」。 「
燃 え尽 きたグル ー プ」
グル ー プ」と、「
冷 めて いる グル ー プ」と、「
というのは東大 に入 る こと 自体 が 目的 で、それ に対 して最 も効率 のいい勉強 の仕方 を教
わって 中学高校 を過 ごして きた生徒 たち で、大 学 へ行 くと自分 の勉強 の仕方 を持 つて い
な い。なおか つ合格 して 目標 を達成 して しまった、 とい う ことで燃 え尽 きて しまう。 次
は 「
冷 めて い るグル ー プ」。 開成 を含 む首都 圏 の進学校。なぜ 冷 めるか とい うと、 みん
な 自分 の勉強 の仕方 を持 って い る。す る と、 大学 の試験 というのは簡単。そ うい う学生
な ら本 当に簡単 に単位 が とれて しまう。 しか も首都圏 の場合 には 自宅か ら通 うので、高
Sら
いい るか
校時代 と全 く生活パター ンが変 わ らな い し、 ましてや 開成 の卒業生が 6%く
ら、た くさん高校時代 と同 じ友達 は いる し、 受験 という重 しがないので、 もうや る こと
な い よなあ、 とい う感 じで 4年 間過 ぎて しまう。 最後 に 「
燃 えて い るグル ー プ」。地方
か らきて、全 く一 人で、 ほ とん ど先輩 もいな い という環境 で 生活 を作 らなければな らな
い。そ の場所 で 人間関係 を作 りだ し、それ でなお か つ勉強 もしな ければな らな い。地方
であま り受験 の ノウハ ウが伝わ つて こな い ところで合格 した生徒た ちって い うのは、 自
分 の勉強 のス タイル を持 って い る。す る と、それ らを全部総合 して ものす ご く伸 びる。
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ハ ーバ ー ド大学 へ進学 した生徒 も昨年 は出ま したが、海外 へ進学 して い く生徒 たちに
ア ドバ イ スはあ りますか。
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海外 に行 った学 生たちは、 丁度地方 か ら出てきた学生 と同 じ境遇 にな るわ けです。だ
か ら伸 びる。ただ、 日本 の社会 で は同調圧 力が強 い。海外 の学部 に進学す る生 徒た ちに
必ず 言 うのは、海 外 の学部 を出て 日本 の企業 に就職 した い と希望す るな ら、 現地 で採用
活動 して い る 日本 の会社 に入 りな さい、 と。 帰 つてきてエ ン トリー シー トを書 いて、大
企業だか らとい う形 で就職活動 をす るのはや めなさ い、 と。なぜか というと、 これは社
会 の評価 のシス テムに違 いがあ り、主 張す る ことが必 要 な社会 と、 同調す る ことが求め
られ る社会 との違 いがある。 海外 で教育 を受 け る と、主 張 しないと生き残 れな い とい う
ことをみんな知 る。そ うす る と、 同調す る ことが基 本 の状況 になっている 日本 の会社 に
入 つて来 る と、 ミスマ ッチ が起 こる。 けれ ども、主 張す る ことをもっ と社会が受け入 れ
てい けば、 この 日本 の社会 で も若者 の能力 はあっ という間 に花開 く。で も、 今 はそれ を
社会が潰 して い る。社会 とは何 か というと、 我 々の ような上の世代。 上の世代が若者 を
つ ぶ して い る。 日本 の評価 は減点主義 の評価 だが、主張す る文化 では最初はみんなゼ ロ
か らスター トす る加点 主 義。 自分 が考 えて、 自分が実行す る ことを主 張 して いかな い と
自分 の点が積み上が らな い。 開成 の生徒 たちは ものす ご く頭が いいか ら、社会 の雰 囲気
とい うもの を敏感 に感 じとる。 同調圧力があれば KYに な らな いよ うにと一 生懸命考 え
る。 ところが、そ こが面 白 くな い と思 う生徒は飛び出 してい く。 私 に言 わせれば、高校
卒業 した段階 で 非常 な能力 の発展 が見 えるよ うな子 どもたちで も、 同調圧力 にうま くど
うやって あわせ るか とい う ことに舵 を切 って しまうとみんな曇 ってきて しまう。
水戸アカデミー
今 の社会情勢 を考 えると、若者 が主張 できる環境 は厳 しいと思 い ますが、いかが で しょ
うか。
柳沢校長
それ 面 白いね、や ってみよ
それは違 う。我 々一 人 一 人が若 い人 の意見 をど こまで も 「
うよ」 って言 えるかです。若 い人 を肯定的 に受け入 れてや る。それで 「
面 白い」 としば
こ
ここ
つたほ
うや
し
は
うが
で
もう少
もっ と うま くい くよ」 と言
らく言 って あげた後 、 「
うと、 もっ と花開 く。 駄 目だ よつて言 つた らそれ で もう終わって しまうのです。
水戸 アカデ ミー
水戸 アカデ ミー で も今春 開成 に合格 した生徒が い ます。 高校入試 につ いて お 聞かせ 下
さい。
柳沢校長
中学 の段階 では 家族 と住 むのは のぞ ま しいが、 高校生を見 ている と、 下宿 してで も こ
こで学 びた い って生徒 は結構 いる。 開成 の高校編 入は非常 にユニ ー ク。 た とえば、 中高
一貫校 で 高校 か ら入 るとなんか疎外感 が あ る。それ を開成ではないよ うにきめ細か い対
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策 をとって い る。 高校 1 年 の ときは編入 生だけ別 クラス。そ こで みんな同 じ環境か ら一
斉 スター トができるよ うに配慮 して い ます。 若干数学や古文 ・漢文 の進度が違 うので、
そ の進度調整はや る。それが高校 2 年 生で 全生徒が混 じって、1 ク ラス の 中 に 2 5 % が
編入 生 にな り、 高 3 ま でそ の まま。 出 日の大学入試 での実績が どうか とい うと、 中学か
らの入学生 と高校か らの入学生 は ほとん ど変 わ らな い。た とえば東大 の合格者数 の割合
もまさに人数 に比例 して、2 5 % プ
ライス マ イナ スで 2 % ぐ らい。がんばって高校か ら
入 つて現役 で どうして も東大 へ行 きた いとい う生徒 には適 している。チ ャ レンジす るだ
け の価値 はあ ります。
水戸アカデ ミー
柳沢校長
開成 中学校 ・高等学校 へ の受験 を志す生徒 たちにメ ッセ ー ジをお願 い します。
開成 を出た ときに 自分 の頭 か ら発 した意見が言 える、 つ ま り自分 というものをきちん
と考 えて 発言す る、そ うい う人生 を送 りた い と思 って いる若者 にぜ ひ来 て も らいた い。
そ うい う志 を持 って い る生徒 にぜ ひ ともチ ャ レンジして もらいた い。 当然発信す るには
受信す る力 も要 る。知識 と知 力 とは結局 は持続 力で あ り、執着心。勉強 はお もしろいなあ、
とや りつづ け られ るだ け の執着心。そ して、 これ をや ることは 自分 の人生 にとって望 ま
しいのだ とい う自己肯定観。 自己肯定観 があればそ こか ら発信す る ことが できる。 自分
は世 の 中のためになるため に生まれて きたんだ。それは誰 もが知 るよ うな業績 でな くて
もいい、だれかにあの人が いて くれてよかったと思われるような人生であればそれは一
`
番 いいのではないで しょうか。
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ありが とうございました。
イン年 ビューを終えて
紙面 の都合 上校長先生 のお 話 のす べ て を掲載す る ことはできませ んが、 今 回 のイ ンタ ビュー で柳沢
校長か らあま り知 られて いな い 開成 生 の姿や、 開成 の教育 につ いて 詳 しくうかが い ま した。イ ンタ
ビュー に あたっては、 東大進学者数 No lを 続 け る 開成 とい うイ メー ジではな く、 あ りの ままの 開成
は どうなのか を 中心 にお 聞 き しました。 開成 とい う学校 の本質 は 自由。教員が東大進学 を勧 める こと
は しない し、 生徒 も東大進学だけを目的 に通学 して いるわ けでは あ りません。生徒た ちは授 業や課外
活動 を通 して、 自由 に行動す るためには どうい う手 続 きをとり、 自分か らどの よ うに発信 していかな
ければな らな いか を学 んで い きます。それ を支 えるのは生徒個 人 の知力、知性 で あ り、柳沢校長 のお っ
しゃ る 「自己肯定観」 と 「
執着心」 です。
水戸 アカデ ミー が 目指す教育 も、生徒 たちが予習学習 を通 して 自ら進んで学習 し理解 してい く能動
的 な姿勢 を身 につ け させ る ことにあ ります。そ して、生徒 たちが将来 の 自己実現 に向けて 自分 で考 え、
行動 できるよ うにさせていきます。 このよ うな生徒 が開成 を志 し、 合格 を勝ち取 って い くのも当然 と
い えます。 水戸 アカデ ミー で は、 これか らも 自分 の将来 を切 り開 いてい く子 どもたちの後押 しを して
ま い ります。
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