巻 頭 言 錦 成郎 - 日本放射線技術学会 近畿支部

日本放射線技術学会近畿部会雑誌
第13巻2号
巻 頭 言
天理よろづ相談所病院
錦
成郎
インターネットの検索エンジンで 「学会」 という文言で web 検索したら, 何と 1 億件以上のヒット項目がある.
「日本放射線技術学会」 では100万件以上の項目がヒットした. この数字を早計に比較できないことは承知の上で,
100分の 1 に相当するではないか. ちょっと驚いた.
私は, 学会とは自己研鑽の場であり, 教育の場であり, 社会貢献の場であると認識している. 日本放射線技術学
会は, 約17000名の会員を擁する比較的大きな組織である. この大きな組織を下支えしているのは, 各委員会であ
り分科会であり地方部会であると考えている. 強固な組織形態を維持するためには, 縁の下の力持ちが必要になる
のは, どんな世界でも同じである.
では, 近畿部会としての独自性を保ちつつ, 縁の下の力持ちとして何をすべきなのか. 近畿部会の学術事業に関
していえば, 企画委員会が将来構想を立案し, 学術委員会が具体的な事業計画を立てて遂行している. そのなかで
最近は, 学会本部と部会の共催事業が増加する傾向にあり, 学術委員が部会の事業を企画するという意味で, モチ
ベーションの低下を危惧する声も聞かれる. 私は基本的に共同で事業を行うことには大いに賛成である. ただし,
主催, 共催の役割分担を明確にして, 運営への関わり方を整理する必要性を感じる. その辺りが明確になれば, 気
負わずに多くの本部主催の事業を誘致する方が, 地方部会員の利便性の向上に繋がるものと信じている.
今年度の近畿部会の事業を列挙すると, 春季勉強会, ステップアップ臨床セミナー, 夏季セミナー, 部会活性化
事業, 秋季勉強会に代表される従来からの継続事業と, ディジタル画像評価セミナー, CT 管理計測セミナーに代
表されるコラボレーション事業に大別できる. 後者は事業の性格が明確であるが, 前者は内容の自由度を優先して
いるために, 名称だけ取り上げた時に内容が見えてこない. しかし, 予定されている事業内容を分類した場合は,
新人をターゲットにしたベースアップ目的の事業, 中堅層も対象に含めた事業, 学会のアピール事業, 専門に特化
した事業に大別することができる.
私の考える近畿部会の事業形態は, 先達の教えにあるように, 新人教育を含めたベースアップ事業を主体として,
研究の基本である考えることの面白さを伝える事業, ひいては学会活動への参加を促す事業, より深く専門性を極
める事業, 社会的還元事業に集約できる. できるだけ多くの会員の皆さんに興味を持って参加して頂くためにも,
上記の目的をうまくミックスした事業を創造していくことが重要だと考えている.
最期になりましたが, さらに躍動感あふれる近畿部会へ発展できますよう, 会員の皆様のご支援を賜りますこと
をお願い致します.
2007 年 9 月
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