66 濱田

女子ラグビーの普及・強化に関する研究
-2016 年・2020 年五輪に向けて-
濵田
英莉
(生涯スポーツ学科 地域スポーツコース)
指導教員 佐藤 馨
キーワード:女子ラグビー,マイナースポーツ,普及,強化
1.緒言
体(代表チームの強化,育成年代の選手育成,
近年,なでしこジャパンはもちろんオリン
指導者養成)と呼んでいるものがあり,これ
ピックやW杯などで活躍する女性アスリー
らをバランスよく力つけていくことが必要
トを頻繁に目にすることが多くなった.女
であるが,それに加えて普及が重要となっ
子ラグビーの歴史は古く,日本ラグビーフ
てくる(図).なぜなら多くの人が競技を行
ットボール協会によれば,1988 年に日本女
わないと競技力が上がっていかないため,
子ラグビーフットボール連盟が設立されて
普及の土台を固めることがトップ選手のレ
いるものの,競技人口はなかなか増えず,今
ベルを引き上げることになる.
も低迷を続けている.またラグビーは男子
でさえ 3K(きつい,危険,汚い)スポーツと
して敬遠されがちで,競技人口減少の一途
をたどっていると指摘されている(寺田,岡
図:三位一体(日本サッカー協会HPより)
本,高田,廣瀬,2014).しかしながら 2016 年
4.まとめ
のリオデジャネイロ五輪から男女 7 人制ラ
女子サッカーとの比較から女子ラグビー
グビーが正式種目となり,結果として女子
において三位一体と普及が重要になる.こ
の競技人口は過去 4 年間で 3 倍の約 3,000
の 4 つを連携させ,機能させていくことが
人にまで増えた.それでも女子ラグビーの
重要となってくる.今まで女子サッカーで
競技人口は,女子サッカーの競技人口(約 3
は様々な工夫がなされていたが,ここまで
万人)と比べ,非常に少ないのが現状であ
人気があがったのはなでしこジャパンがワ
る.
ールドカップで優勝した効果が 1 番大きか
そこで本研究は,先行研究で指摘されてい
った.女子ラグビーは 2016 年のリオデジャ
る競技人口を飛躍的に伸ばした女子サッカ
ネイロのオリンピックはもちろん,2020 年
ーから強化・普及の手がかりを得ることで,
の東京オリンピックに向けて日本代表の強
今後の課題を探り,女子ラグビーの競技力
化を行い,各クラブチームの選手の底上げ
向上の方法を探ることを目的とする.
をしていくことが重要である.また,レフリ
2.研究方法
ーの強化も今後は必要となってくるであろ
調査は半構造化インタビューを行った.基
う.選手の試合の質を上げるためにも,国際
礎資料・文献を収集するため GeNii,CiNee
大会を経験できるレベルのレフリーを育成
を使い,キーワードに「女子サッカー」
「ラ
し、国内でも世界基準の試合ができるよう
グビー」
「マイナースポーツ」
「普及」
「強化」
になればクラブチームでも強化に繋がると
を用いて検索を行い,それらをまとめた.
考える.
3.結果と考察
引用・参考文献
日本サッカー協会は,サッカー日本代表の
東明有美ら(2003)「女子サッカーの日米比
強化は普及なくしてはあり得ないというこ
較研究(Ⅱ)-日本女子サッカーの歴史と現
とをはっきり言っている.協会では,三位一
状について-」大阪教育大学紀要