s1. 人流シミュレーション > [Ctg4] 建築計画規模算定支援 全体(マクロ)シミュレーションモデル説明資料 株式会社ベクトル総研 1.概要 弊社で開発した全体(マクロ)シミュレーションは、計画の初期段階や広範囲な空間に対して、歩行 者全体の流動を効率的に表現・評価するためのシミュレーションシステムです。歩行者の発生地点や待 ち行列といった基本的な空間構成要素を組み合わせて階段やエスカレータ、扉、トイレなどの要素を作 成し、これらを構成して空間を表現し、歩行者の流動シミュレーションを行います。 Generator2 生成地点 Exit 退出地点 Queue 待ち行列 Server ( andOptime) ( _ fork) 処理窓口 Path ( _ mstep) 通路 Serverand Optime_ fork 分岐 図 ・ ・ ・ 空間構成要素 Eki_ multipath 通路 対象空間例: 図 通路 出口閉鎖 検出用 ( 減速) (2 列型の場合) Eki _ esc エスカレーター 対象空間例: 図 エスカレータ 1 2.分析例(駅改札の適正数評価) IC カード専用改札機と磁気券共用機の台数配分を検討した例を以下に示します。 ケース 1 : IC カード専用改札が多いケース ケース 2 : IC カード専用改札が少ないケース ケース 3 : 全て磁気券共用機のケース 2 ケース1 ■凡例 1 Rnd 2 Exit 退出地点 Generator 生成地点 ID:1 name: IC利用旅客 発生地点 Queue 待ち行列 Server 処理窓口 (送り元順位指定) ServergetRandom 処理窓口 (送り元ランダム) Path 通路 経路 ID:101 name: IC専用通路 ID:11 name: IC利用客の 待ち行列 ID:102 name: IC専用通路 ID:3 name: 旅客退出地点 2 ID:4 name: 旅客退出地点 1 ID:2 name: 磁気券利用 旅客発生地点 ID:21 name: 磁気券利用客の 待ち行列 ID:201 name: 磁気券共用通路 ■IC専用通路数 2(通路総数3) ■旅客平均流動数 IC利用客 70[人/min] (0.85[s/人]) 磁気券利用客 40[人/min] (1.50[s/人]) 一般的な乗車客を想定し、到着はばらつき(指数分布)をあたえる ■改札機処理時間 IC利用客 1.2[s/人] 磁気券利用客 1.3[s/人] ばらつきなし ■結果 IC利用客 平均待ち人数 1.04[人] 待ち確率 0.45 磁気券利用客 平均待ち人数 18.03[人] 待ち確率 0.99 待ち行列の推移 35 30 待ち人数 25 20 IC Suica利用客 磁気券利用客 15 10 5 0 0.1 60.1 120 180 240 300 時間[s] 360 420 480 540 3 磁気券共用通路が滞留しやす い状況に近い設定として、共 用磁気券共用通路は磁気券 利用者が優先的に利用し、待 ち行列がない場合のみIC利用 客が利用する設定とした。 ケース2 ■凡例 1 Rnd 2 Exit 退出地点 Generator 生成地点 ID:1 name: IC利用旅客 発生地点 Queue 待ち行列 Server 処理窓口 (送り元順位指定) ServergetRandom 処理窓口 (送り元ランダム) Rnd ID:201 name: 磁気券共用通路 ID:3 name: 旅客退出地点 Rnd ID:202 name: 磁気券共用通路 ID:21 name: 磁気券利用客の 待ち行列 ■IC専用通路数 1(通路総数3) ■旅客平均流動数 IC利用客 70[人/min] (0.85[s/人]) 磁気券利用客 40[人/min] (1.50[s/人]) 一般的な乗車客を想定し、到着はばらつき(指数分布)をあたえる ■改札機処理時間 IC利用客 1.2[s/人] 磁気券利用客 1.3[s/人] ばらつきなし ■結果 IC利用客 平均待ち人数 2.21[人] 待ち確率 0.54 磁気券利用客 平均待ち人数 1.74[人] 待ち確率 0.48 待ち行列の推移 18 16 14 待ち人数 12 10 IC Suica利用客 磁気券利用客 8 6 4 2 0 0.1 60.1 120 180 経路 ID:101 name: IC専用通路 ID:11 name: IC利用客の 待ち行列 ID:2 name: 磁気券利用 旅客発生地点 Path 通路 240 300 時間[s] 360 420 480 540 4 ID:4 name: 旅客退出地点 ケース3 ■凡例 1 Rnd 2 Exit 退出地点 Generator 生成地点 Queue 待ち行列 Server 処理窓口 (送り元順位指定) ServergetRandom 処理窓口 (送り元ランダム) Path 通路 経路 Rnd ID:1 name: IC利用旅客 発生地点 ID:201 name: 磁気券共用通路 ID:11 name: IC利用客の 待ち行列 Rnd ID:202 name: 磁気券共用通路 ID:3 name: 旅客退出地点 Rnd ID:2 name: 磁気券利用 旅客発生地点 ID:203 name: 磁気券共用通路 ID:21 name: 磁気券利用客の 待ち行列 ■IC専用通路数 0(通路総数3) ■旅客平均流動数 IC利用客 70[人/min] (0.85[s/人]) 磁気券利用客 40[人/min] (1.50[s/人]) 一般的な乗車客を想定し、到着はばらつき(指数分布)をあたえる ■改札機処理時間 IC利用客 1.2[s/人] 磁気券利用客 1.3[s/人] ばらつきなし ■結果 IC利用客 平均待ち人数 1.69[人] 待ち確率 0.48 磁気券利用客 平均待ち人数 0.92[人] 待ち確率 0.38 待ち行列の推移 14 12 待ち人数 10 8 IC Suica利用客 磁気券利用客 6 4 2 0 0.1 60.1 120 180 240 300 時間[s] 360 420 480 540 5 ID:4 name: 旅客退出地点 3.まとめ IC利用客の利便性は3ケースとも大きな変化はない 磁気券利用客の利便性(待ち発生確率、平均待ち行列人数)からみて、 IC専用通路を0から1台に増やすことによる利便性低下は少ない IC専用通路を1台から2台に増やすことによる利便性低下は著しく、待ち発生が常態となる よって、設定条件の下ではIC専用通路は1台がおおむね妥当であるといえる。 到着時待ち発生確率 1.00 確率 0.80 0.60 IC Suica利用客 磁気券利用客 0.40 0.20 0.00 IC Suica専用機2/3(ケース1-1) IC Suica専用機1/3(ケース2) IC Suica専用機0/3(ケース3) ケース 平均待ち人数 平均待ち人数 20.00 15.00 IC Suica利用客 磁気券利用客 10.00 5.00 0.00 IC Suica専用機2/3(ケース1-1) IC Suica専用機1/3(ケース2) Suica専用機0/3(ケース3) IC ケース 出力される結果は待ち人数や密度といった数値データですが、以下の指標などを用いて評価を行います。 また、類似した状況の画像を参照することで数値のイメージを把握することができます。 6 4.補足資料(待ち行列以外の評価指標) [待ち行列以外の評価指標] ・ジョン・J. フルーイン,長島正充訳,歩行者の空間:理論とデザイン,鹿島出版会,1974 通路空間 図 空間構成要素の評価基準(通路空間) 7 階段・エスカレータ空間 図 空間構成要素の評価基準(階段・エスカレータ空間) 8 待ち空間 図 空間構成要素の評価基準(待ち空間) 9 待ち行列 待ち行列のサービス水準は仮に設定したものである 図 空間構成要素の評価基準(待ち行列) 10
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