田ノ上 史郎 - 出水総合医療センター

がんと免疫の関わり
-がん免疫の基礎研究から最新の免疫療法まで消化器内科 科部長 田ノ上
三大がん治療は、外科治療、放射線治療、化学療法で
す。これにつづく『第4のがん治療』として注目されて
いるのが免疫療法です。
今回はこの免疫と癌との基礎的な知見を中心に述べた
いと思います。
免疫の2面性: がんを攻撃する免疫と促進する免疫
―がん免疫監視機構からがん免疫編集機構へー
私たちのからだの中には、白血球という免疫を担う細
胞がいます。その中には、マクロファージ、樹状細胞、
好中 球、NK 細胞、ヘ ル パー T 細胞、キ ラー T 細 胞、
NKT細胞、制御性T細胞、B細胞など多くの種類があ
り、日々からだの中の異物を排除しています。がん細胞
もこれら免疫細胞の排除対象になります。
健康な人でも、毎日おおよそ5,000個もの細胞ががん
化しているといわれています。
免疫系が自己の細胞から発生したがん細胞を非自己と
して認識しそれを排除する、いわゆる免疫監視機構があ
るのかどうかは腫瘍免疫学において大きな論点でありま
した。1950年代以降に動物実験を用いた実験の検討か
らその存在は肯定的でありました。免疫不全マウス(T
細胞、B細胞を欠くマウス)に化学発癌剤を投与し観察
したところ、野生型と比較し腫瘍の発生頻度が有意に高
かったのです[1](図1)。 この結果からT細胞、B細胞と
いったリンパ球は腫瘍の発生を防いでいることがわか
り、マウスにおける免疫監視機構の存在が証明されまし
た。
さらに前述の免疫不全マウスに発生した腫瘍を野生型
マウスに移植すると約40%が拒絶されますが、野生型
史郎
から発生した腫瘍はすべて拒絶されずに増殖したので
す。この結果は免疫系はがんから生体を守ると同時
に、腫瘍の免疫原性を編集し、より免疫原性の低い
(免疫から排除されにくい)細胞を選び出しているこ
とを示しています。こういった免疫系の二面性はがん
免疫監視機構だけでは説明できないとのことで、がん
免疫編集機構というあたらしい考え方が提唱されるよ
うになりました。
またマウスと同様に免疫不全状態にある人において
は理論上がんの発生頻度が高くなると考えられます。
実際にエイズ患者ではウィルスによっておこされる癌
以外にも固形癌の 頻度が高いといった報告や[2]、免疫
抑制剤を受けた移植患者での非ホジキンリンパ腫、肺
癌、肝癌、膵癌、腎癌などのリスクが増加するといっ
た報告[3]がありヒトにおけるがんの免疫監視機構の存
在を 示しています。
【【基本理念】
私たちは良質な医療を提供し、市民に信頼される病院を目指します。
【基本方針】
1.市民が必要とする地域医療の提供に努めます。
2.患者の立場に立った医療を行います。
3.地域完結型医療における基幹病院としての役割を果たします。
ひまわり
夏号
がん免疫編集機構
がん免疫編集機構は、排除相、平衡相、逃避相の3相
からなります。(図2)[4]
正常細胞は発癌物質や放射線、ウィルスなどの発癌誘
発に暴露されてもすぐに癌化するわけではなく、自身の
修復機能により正常にもどるか、みずから細胞死(アポ
トーシス)や老化を誘導するといった内因性の腫瘍抑制
作用により異常な細胞が増殖しないようにコントロール
されています。
排除相:この内因性の腫瘍抑制作用が機能しない場
合、細胞はがん化してしまい腫瘍抗原や危険シグナルを
発現するようになり免疫系に認識されます。そして自然
免疫系と獲得免疫系の両方がはたらくことで腫瘍が排除
されます。
平衡相:この排除が不完全におわり、生き残った腫瘍
細胞が存在すると平衡相にはいり獲得免疫系によって維
持されますが、まだ免疫系の制御下にあります。
腫瘍細胞自身の変化:腫瘍抗原の消失やMHC分子(自
己や非自己のペプチドを表面に提示するためのお皿のよ
うなもの)の消失など腫瘍自身が変化し免疫系から認識
されず腫瘍が増殖します。腫瘍抗原が消失してしまうの
は、強く抗原を発現していた腫瘍細胞はT 細胞により排
除され、腫瘍抗原を強く発現していない腫瘍細胞がのこ
るといった免疫選択された結果おこっているといった考
え方などいくつかの機序があると考えられています。
腫瘍細胞自身がつくりだす増殖しやすい環境:腫瘍が
存 在 す る 局 所 で は、免 疫 抑 制 性 に 働 く 制 御 性 T 細 胞
(Treg)や骨髄由来抑制細胞(MDSC)などの細胞浸潤
が多くみられ、 IL-10やTGFβといった免疫抑制性サイ
トカイン、働きを抑制するCTLA-4やPD-1などの分子
の発現が強くなっています。こういった腫瘍自身自分が
増殖しやすい環境をみずから作り出していると考えられ
ています。(図3)
免疫療法の変遷:非特異的免疫療法から狙い撃ちす
る特異的免疫療法へ
20世紀までは全身の免疫力をあげる非特異的な免疫
療法が主流でした。キノコ成分や細菌製剤(例:丸山
ワクチン、BCG、 OK-432(ピシバニール))など
を用いた免疫賦活療法、IL-2, IFNを投与するサイトカ
イン療法、患者リンパ球を採取し、外部で培養、活性
化させた後、再び点滴で体内に戻す養子免疫療法(細
胞療法)といったものがこれにあたります。こういっ
た方法でもある程度の効果がある症例があったもの
の、特にターゲットが絞られていないため効く症例と
そうでない症例の違いがはっきりとはわかっていませ
んでした。
21世紀に入り基礎的な腫瘍免疫の解析がすすんだこ
とで、それらを応用した特異的免疫療法といわれる、
より狙い撃ちした治療の開発がすすみます。
抗原特異的がんワクチン免疫療法、Her2, CD20な
ど を タ ー ゲ ッ ト に し た 受 動 特 異 免 疫 療 法(抗 体 療
法)、能動特異免疫療法(ワクチン療法、TCR遺伝子
治療、チェックポイント阻害療法、キメラ抗原受容体
改変 T 細胞療法(CAR-T細胞療法)などがありま
す。
PD-1やCTLA-4などのT細胞機能抑制分子をチェッ
クポイント(immune-checkpoint)とよび、先述の
ようにがん細胞はこういった免疫を制御するチェック
ポイントを利用してT細胞を抑制することにより攻撃か
ら逃れていることが知られています。CTLA-4とPD1は、いずれもT細胞表面上にある重要な抑制性の免疫
チェックポイント分子で、受容体であるCTLA-4やPD
-1、および、結合するリガンドであるPD-L1に対する
抗体は、これらの機能を阻害し、T細胞の抑制を解除し
て活性化し抗腫瘍効果を発揮する薬剤です。(図4)
米国においては2011年に切除不能または転移性悪
性 黒 色 腫 に 対 し て 抗 CTLA 抗 体 が YERVOY®(一 般
名:ipilimumab)保険適応となっておりましたが、日
本においては2014年9月に悪性黒色腫に対する抗PD1抗体OPDIVO® (一般名:nivolumab)が保険適応 と
なり、腎細胞がん、非小細胞肺がん、頭頸部がん、胃
がん、食道がんを対象とした臨床試験が進行中です。
また米国において2010年ホルモン療法抵抗性前立腺
がんに適応となる癌ワクチンPROVENGE® (一般名:
sipuleucel-T)が保険適応となっています。
ひまわり
患者本人から抗原提示細胞である樹状細胞を採取し
体 外 で 培 養、前 立 腺 癌 特 異 的 た ん ぱ く 質 PAP
(prostatic acid phosphatase)を 抗原として提示
させ、患者に戻すと体内のT細胞がPAPを認識、攻撃
する細胞障害性T細胞となって抗腫瘍効果を発揮する
ものです。
(図5)
次世代の免疫療法 キメラ抗原受容体改変 T 細胞
(CART)
米国・ペンシルベニア大学の研究グループが取り組
むもので、同大が2014年に報告しています[5]。キメ
ラ抗原受容体(CAR)を使ったこの治療方法は、「キ
メラ抗原受容体T細胞療法(Chimera Antigen Receptor T therapy:CART)」と呼ばれ、遺伝子治療
と細胞治療を組み合わせた治療法です。免疫の攻撃部
隊であるT細胞を体外へ採り出し、その表面にあるT
細胞受容体(TCR)を、特定のがん抗原を認識でき
るよう人工的に遺伝子改変して増殖させてから、体内
に戻すというものです。(図6)
この治療法はがん抗原がHLAと結合している必要
はないため、従来のTCR遺伝子治療と異なり患者さん
のHLA型に関係なく、同じ表面分子を持っているが
んに対して用いることができることや、がんが免疫細
胞による攻撃から逃れるために、HLA分子を消失して
いてもその影響を受けずに抗腫瘍効果が発揮できると
いう特徴があります。研究グループは、白血病とリン
パ腫の治療に成功し、その他のがんにも効果のある新
しいCARを開発中で、今後固形癌への応用が期待され
ています。
夏号
2014年7月、米食品医薬品局(FDA)がこの治療
法をブレークスルー・セラピー(画期的新薬)に認定
し今後米国において保険適応となる日は近いものと思
われます。
免疫療法の今後の課題
免疫療法は副作用が少ないという印象があるかもし
れませ んが、そ うで はあ りませ ん。実際 の報告 で は
TGN1412(抗CD28アゴニスト抗体)という免疫賦
活剤を用いた第1相臨床試験において健常者6人全員が
多臓器不全からICUへ入るという重大な副作用があり
ました。これはヘルパーT細胞の強力な賦活化によるサ
イトカインストームが原因でした。また抗CTLA4抗
体、抗PD1抗体による自己免疫反応の誘導やCD19導
入CAR-T細胞による;サイトカイン放出症候群、B細胞
形成不全といった副作用の報告もあります。
また免疫療法評価法も課題があります。免疫療法に
は遅れて抗腫瘍効果があらわれることがある遅発性効
果(late effect)の存在が知られています。
通 常、抗 が ん 剤 を 用 い た 場 合 に は RECIST
(Response Evaluation Criteria in Solid Tumors)を
用いて評価しますが、この場合遅発性効果がよく評価
されません。そこでirRC(immune-related response
criteria)判定基準やFDAガイドライン(FDA Guidance for industry Clinical Considerations for
Therapeutic Cancer Vaccines)といった遅発性効
果を加味した評価法が考えられています。
最後に
免疫療法は現時点で保険適応のある治療法はほとん
どなく、特に日本ではまだまだ発展途上の分野です。
ただ発展途上であるからこそ伸びしろの多い将来性の
ある治療法と思われます。
世間では"怪しい"免疫療法が過大に評価され、情報
は玉石混交となっており、実際エビデンスのある"ホン
モノの"免疫療法の情報を自分のアンテナをひろげて自
ら収集することが大切です。
私は実際の臨床の場で免疫療法に関わっているわけ
ではありませんが、消化器系の癌に対する治療をおこ
なっている一臨床医として、この免疫療法の将来性に
大きな期待を寄せています。
(参考文献)
[1]
V. Shankaran, et al. “IFNgamma and lymphocytes prevent primary tumour development and shape tumour immunogenicity.,” Nature, 2001.
[2]
A. K. Chaturvedi, et al.“Elevated risk of
lung cancer among people with AIDS.,”
AIDS, 2007.
[3]
D. J. Loeffelbein, et al.
“Immunosuppressive regimen influences
incidence of skin cancer in renal and pancreatic transplant recipients.,” Transplantation, 2009.
[4]
G. P. Dunn, et al.“The immunobiology of
cancer immunosurveillance and immunoediting.,” Immunity, 2004.
[5]
S. L. Maude, et al.“Chimeric Antigen Receptor T Cells for Sustained Remissions in
Leukemia,” N. Engl. J. Med. 2014.
ひまわり
夏号
新任のごあいさつ
~よろしくお願いします~
放射線科
大屋 夏生 医師
■新任のあいさつ
本年度4月より、非常勤で放射線治療の支援を
させて頂くことになりました。
当院のリニアックが、有効に活用されることを
期待しています。
放射線治療の適応、セカンドオピニオンなど、
遠慮なくご相談頂ければ幸いです。
■現所属
熊本大学医学部附属病院放射線治療科
■専門
放射線治療
■主な資格
放射線治療専門医
■主な所属学会
日本放射線腫瘍学会
日本医学放射線学会
日本癌治療学会
放射線科
松山 知彦 医師
■新任のあいさつ
平成27年4月より放射線治療を担当させて頂
いています。2年程前までも非常勤で担当してお
りました。今回復帰ということになります。
放射線治療は根治から緩和まで幅広い適応があ
ります。放射線治療に関してどんなことでもご相
談下さい。
■現所属
熊本大学医学部附属病院 放射線治療科
■専門
放射線治療
■主な資格
放射線治療専門医
■主な所属学会
日本放射線腫瘍学会
日本医学放射線学会
呼吸器外科
吉本 健太郎 医師
■新任のあいさつ
出水では4年間、一般外科医として修行させ
て頂き、今度は十数年ぶりに非常勤で帰って来
ることになりました。出水を離れて後は呼吸器
外科を専門として熊本大学病院、南九州病院、
国立がん研究センター東病院で研鑽を積んで参
りました。
出水阿久根地区では、呼吸器内科・外科を標
榜する病院が非常に少ない状況です。高リスク
症例は専門施設で行うのが望ましいですが、中
~低リスク症例は地元で治療を完結したいと考
えています。この地域の医療へ貢献できれば幸
いです。
地域性や希望に応じて適宜専門医への紹介も
行いますので、お気軽にご相談下さい。
■現所属
国立病院機構南九州病院
■専門
呼吸器外科
■主な資格
外科専門医・指導医
呼吸器外科専門医・評議員
気管支鏡専門医・指導医
■主な所属学会
日本外科学会、日本呼吸器外科学会
日本呼吸器内視鏡学会、胸部外科学会
肺癌学会、胸腺研究会など
ひまわり
血液内科
肝臓内科
勝屋 弘雄 医師
椨 一晃 医師
■新任のあいさつ
福岡大学病院、腫瘍・血液内科にて9年間研
鑽を積み、その間に成人T細胞白血病/リンパ
腫の研究を行い、大学院を卒業しました。
現在は、熊本大学エイズ学研究センターでH
TLV-Iの研究を行っております。
よろしくお願い申し上げます。
■現所属
熊本大学 エイズ学研究センター
■専門
血液内科、成人T細胞白血病/リンパ腫
■主な資格
内科認定医、がん薬物療法専門医
■主な所属学会
日本内科学会
日本臨床腫瘍学会
日本血液学会
神経内科
平松 有 医師
■新任のあいさつ
4月より月曜日の外来を担当することになりま
した平松 有と申します。
出水での勤務は初めてですが、少しでも力に
なれますよう務めたいと思っております。
宜しくお願い致します。
■現所属
鹿児島大学病院神経内科
■専門
神経内科
■主な資格
日本内科学会認定医
■主な所属学会
日本内科学会
日本神経学会
夏号
■新任のあいさつ
平成27年5月より、出水総合医療センター
で毎週木曜日に肝臓外来を担当しております椨
(たぶ)と申します。
肝疾患全般にわたり診療させていただいてお
りますが、中でもC型肝炎治療の進歩は目覚ま
しいものがあります。出水の地域医療の力にな
れるよう努力しますので何卒宜しくお願い致し
ます。
■現所属
鹿児島市立病院 消化器内科
■専門
肝臓内科
■主な資格
放射線治療専門医
■主な所属学会
日本内科学会認定内科医
日本消化器病学会専門医
日本肝臓学会専門医
ひまわり
夏号
第15回
出水地域脳卒中連携ネットワーク研究会
アンケート集計結果報告
出水地域脳卒中連携ネットワーク研究会は、出水地区の脳卒中診療急性期・回復期・維持期における
地域連携ネットワークについて検討し、施設間連携により情報を共有し地域完結型診療システム構築の
ために開催しています。平成27年6月12日に当院にて開催され、アンケート結果は以下の通りです。
■講演会について
■参加職種
※参加者のうちアンケート回答者
医師
熊本地域の脳卒中地域連携パスの運用実績について
熊本赤十字病院 神経内科 寺崎 修司 医師
1
看護職
薬剤師
PT・OT・ST
栄養士
事務
ケアマネ
その他
13
0
17
0
8
4
2
大変満足
17
満足
23
やや不満
0
不満
1
未回答
4
0
5
10
15
20
25
■連携でどのような点にもっと力を入れて
■時間設定、場所について
大変満足
満足
やや不満
不満
未回答
改善すべきだと思いますか?
(一部抜粋)
・連携パスの評価やデータの出し方など計画管理病院で統一(Ns)
・地域連携パスの有用性をもう少し勉強したいと思う(リハビリ)
・後方施設・病院がなかなかないため、連携が難しい。地域の病院
のアピールが重要(Ns)
・各病院・施設間での交流・情報交換の場(リハビリ)
・データでの必要情報の詳細化と記載の簡略化(リハビリ)
12
30
0
1
2
0
5
10
15
20
25
30
35
■現況報告・意見交換会について
大変満足
6
満足
21
やや不満
3
不満
0
未回答
15
0
5
10
15
20
25
■全体をとおしての感想等(一部抜粋)
・電子化によって情報もスムーズにいき、連携の大切さを感じた
(Ns)
・リハビリ資源マップはとても良いと思う。患者・家族の声をとり
あげ、行動していることに志の高さを感じた(Ns)
・大変勉強になった。連携パスの必要性、活用法が理解できた気が
します。(リハビリ)
・連携パスの運用についての意見交換会中心で、意義のある会に
なっていた(Ns)
・連携パスを進化させることにより、分かりやすい情報提供ができる
ようになるのではないか(リハビリ)
リハビリ資源マップ作成のお願い
リハビリ資源マップは、患者さんや要介護者の方の状態に応じたリハビリテーションを切れ目なく、適切に
受けていただくための情報提供、情報共有を目的としています。
当院は、出水地域リハビリテーション広域支援センターの指定を受けて活動を行っており、今後、リハビリ
テーション広域支援センターの活動の一環として、リハビリ資源マップを作成していきます。医療機関・訪問
リハ・通所施設・老人保健施設の4つに分類してアンケートを実施し、リハビリテーションに関する情報を集
めて、出水地域リハビリテーション広域支援センターのホームページ上で施設・病院を地図上で紹介し、誰で
も閲覧できるようにしていきたいと考えております。
リハビリ資源マップ作成のご協力、よろしくお願いします。
問い合わせ先:出水総合医療センター リハビリテーション技術科(☎ 67-1611)
ひまわり
夏号
消 火 訓 練 を 実 施 し ま し た
5月22日(金)、新規採用職員などの職員を対象とした消火訓練を実施しました。
この訓練は、万が一の火災発生に備え、職員全員が消火器などの消火器具を適切に使用できる
ようにするため、毎年実施しているもので、今年は28名の職員が参加しました。
訓練では、消防職員の方に消火器具の使用方法や使用上の注意事項について説明を受けたあ
と、実際に消火器と院内消火栓を使用した消火訓練を行いました。
消防職員による指導
院内消火栓による放水訓練
災 害 訓 練 を 実 施 し ま し た
7月4日(土)、災害発生により多数の負傷者を受入れるための災害訓練を実施しました。
出水総合医療センターは、災害拠点病院にも指定されており、近隣で災害が発生した場合には多
数の負傷者を受入れることとなります。当院では、そのような万が一の災害発生時に負傷者の受
入体制を整え、迅速な対応ができるよう毎年訓練を実施しています。
今回の訓練では、豪雨による土石流が発生し、被災地の負傷者が短時間のうちに当院に搬入さ
れるとの想定で訓練を行いました。
訓練には76名の職員が参加し、負傷者搬入時のトリアージ訓練を中心に、各種検査・入院等
の対応、災害対策本部の設置、各種情報のとりまとめなどについて、机上訓練・実地訓練を通し
て訓練を行いました。
机上訓練開始
負傷者へのトリアージ訓練
災害対策本部の様子
ひまわり
夏号
出水市民大学のご案内
昨年度好評をいただきました当院医師による
医療講演会を、本年度も第5回の講義で開催す
ることになりました。この機会に是非、ご参加
ください。
○日時 9月5日(土) 午後2時~
○会場 出水市音楽ホール
○対象 中学生以上の出水市民
※市民大学生以外の市内の方および市外の方
も聴講生として1回500円で受講可
循環器内科 科部長 楠元孝明
所属:循環器内科
演題:『不整脈ってなんだろう?』
~不整脈について少し勉強してみよう~
腎臓内科 科部長
吉嶺陽造
所属:腎臓内科
演題:『腎臓をまもるために』
~慢性腎臓病について~
眼科医師 有村 昇
所属:眼科
演題:『加齢黄斑変性ってどんな病気?』
~眼科治療の最前線~
■開催場所
■開催時間
8/5
(水)
1.医療機器のよくあるトラブル事例
臨床工学科 塩山貴志技師長
2.感染管理認定看護師教育課程研修報告
医療安全管理室 中野幸治
8/12
(水)
1.「障害者スポーツボランティアについて」
リハビリテーション技術科 松﨑厳斗
2.「優しさ伝えるケア技術
ユマニチュード(認知症ケアの方法)」
リハビリテーション技術科 川越大輔
3.「透析認定士に合格して」
臨床工学科 橋本誠士
8/19
(水)
緩和ケア研修会「リンパ浮腫について」
小倉記念病院
緩和ケア認定看護師・リンパ浮腫指導技能者
餘永真奈美様
8/27
(木)
1.個人情報保護・患者の権利研修会
医事課 宮崎龍美課長
2.初期臨床研修(地域医療)報告
大場未紀先生(九州大学)
出水総合医療センター
2階講堂
17:30~18:30まで
※どなたでも参加できます。
第2回循環器研修会
1.「循環器診療に重要な
ネットワーク構築」
熊本総合病院 循環器内科
8/25
診療部長 田山信至先生
(火)
2.「熊本県南の心臓血管外科:
ここまで出来るようになりました」
熊本総合病院 心臓血管外科
診療部長 毛井純一先生
※内容は、講師の都合などにより
変更になる場合がございます。
ひまわり
夏号
「第3回ふれあい健康フェスタ」のご案内
出水総合医療センターでは、市民の皆様の健康に対する意識を高め、当院への理解を深めていただく目的で
「ふれあい健康フェスタ」を開催いたします。多くの市民の皆様のご来場を心よりお待ちしております。
■日時:平成27年8月22日(土) 午前9時~同11時30分
(受付開始8時45分)
■会場:出水総合医療センター1階ロビー
■対象:一般市民の方々
■内容:
ふれあい看護体験
転倒予防、栄養指導講演
院内見学ツアー(消化器疾患センター、最新医療機器)
健康相談、栄養相談、お薬相談
各種無料測定
血圧測定、血糖測定、体脂肪測定、
骨塩量測定(先着30名様)
動脈硬化測定(抽選で8名様)
展示コーナー
患者さんの手作り作品展示
リハビリテーション広域支援センター活動ポスター展示
緩和ケアチームの活動内容のポスター展示
腎教室の活動内容のポスター展示
お問い合わせ先
出水総合医療センター 経営管理課(☎67-1611)
平成27年度
開 催 日 時
糖尿病教室のご案内
内
容
場 所
8月27日(木)
午前10時~午後1時
調理実習
出水市民交流センター
(出水市本町7-16)
9月 8日(火)
午後2時~同3時
運動療法について
出水総合医療センター
薬物療法について
出水総合医療センター
糖尿病の検査について
出水総合医療センター
調理実習
出水市民交流センター
(出水市本町7-16)
11月10日(火)
午後2時~同3時
12月 8日(火)
午後2時~同3時
平成28年2月18日(木)
午前10時~午後1時
お問い合わせ・申込先
出水総合医療センター 栄養科 (☎67-1611)
ひまわり
夏号
初期臨床研修(地域医療)を終えて
熊本大学医学部付属病院 初期研修医 前田和也
熊本大学医学部初期臨床研修2年目の前田和也
と申します。
2015年5月の1か月間、地域医療研修を出水総
合医療センターでさせていただきました。とても
印象深い研修となった1か月間でした。
私は出身が出水市高尾野町であり、下水流小学
校、高尾野中学校、出水中央高校と、高校までは
地元の学校に通っていました。
今回、地域医療の研修先を選ぶにあたって、地
元の医療はどうなっているのか実際に体験してみ
たい、という思いで出水総合医療センターを選択
させていただきました。研修は出水総合医療セン
ターの他、野田診療所、高尾野診療所、上場診療
所、出水保健センター、特別養護老人ホーム鶴寿
会たかおので行わせていただきました。
研修内容ですが、野田診療所では外来陪席や往
診、また、エコー等の検査を行いました。今まで
エコーのレクチャーをしっかりと受けたことはな
く、なかなか思うように画像を出せなかったので
すが、内村先生にしっかりと指導していただき大
変勉強になりました。高尾野診療所では実際に外
来診療を行いました。慢性疾患を診るという経験
が今までなく、戸惑う場面もありましたが、注意
すべきポイント等指導していただきなんとかこな
すことができました。出水総合医療センターでは
消化器内科で研修させていただきました。主に消
化器センターで研修させていただき、腹部エ
コー、内視鏡検査の指導をしていただきまし
た。指導医の先生方がやっているのを見ている
とそんなに難しそうに見えないの ですが、実際
に自分でやってみると全く思ったようにいか
ず、経験不足、技術不足を実感しました。特に
エコーは将来どの科にいくにしろ必要な手技で
あり、技術の向上に努めたいと思います。外来
では、知識としては知っていても実際に診たこ
とのない疾患をいくつかみることができとても
勉強になりました。また、医療センターでは医
療安全管理室、地域医療連携室、リハビリテー
ション科、臨床検査科でも研修をさせていただ
きました。今までそういう部署があることは
知っていても、どういう内容の仕事をしている
のかよく理解していませんでしたが、今回話を
伺い、また実際に様々な体験をさせていただ
き、医療が様々な職種の連携によって成り立っ
ていることを実感できました。
1か月という短い期間でしたが、今までの研
修ではできなかった経験がたくさんあり、とて
も勉強になりました。今回学んだことを今後に
生かし、医師として成長し、将来は出水の医療
に貢献したいと思っています。研修担当の宗清
先生、消化器内科の先生方をはじめ、多くの人
に大変お世話になりました。ありがとうござい
ました。
ひまわり
夏号
初期臨床研修(地域医療)を終えて
鹿児島大学病院
初期研修医
霧島 茉莉
鹿児島大学病院初期研修医2年目の霧島茉莉
です。地域医療研修として、2015年6月の
1ヵ月間、出水総合医療センターで研修させて
いただきました。
野田診療所で研修を開始し、先生の御指導の
下、上部消化管内視鏡検査や心臓・腹部・頸部
エコーを行いました。訪問診療では雨に濡れた
茶畑や田園の美しさに感動するとともに、民家
の疎らな地域や山中に住む高齢者の生活に触れ
て、地域における福祉と医療の充実が求められ
ていることを痛感しました。
雨の多い季節でしたが、晴れた日には脱水や
熱中症による救急患者を経験しました。高尾野
診療所では田植え中に熱中症で倒れて救急搬送
された農家の方を診療しました。通常の外来で
は、高血圧や糖尿病、狭心症などの慢性疾患で
通院している患者の診療を行いました。
特別養護老人ホーム鶴寿会たかおのでは認知
症のある方の診療や気切チューブの入れ替えな
どを行い、介護と医療の交わる現場を見ること
ができました。養護老人ホーム、通所介護、認
知症対応のグループホームなど鶴寿会の経営す
る他の施設についても説明を受け、福祉施設の
法的根拠を学ぶとともに、地域の必要性に対応
した鶴寿会の取り組みを知ることができまし
た。
出水保健センターでは乳幼児の健康相談や3
歳児検診を見学しました。検診後のカンファレ
ンスには保健師、看護師、歯科衛生士、臨床心
理士など様々な職種の方が参加し、発達や発育
に支援が必要と思われる子どもとその家族にど
う関わっていくかを検討していました。医学的
に見る発育や身体所見の評価だけでなく、保護
者と子どものやりとりや言葉の選び方、待ち時
間に子どもが他の子どもとどのようにコミュニ
ケーションをとっているかなどを多角的に捉え
る視点は大変勉強になりました。出水総合医療
センターでは総合内科で研修しました。総合内
科外来では心窩部痛や腰痛、めまいなどを主訴
とする患者を診療し、問診と診察を行いながら
鑑別を進めることを学びました。救急外来では
意識障害と片麻痺で救急搬送された脳血管障害
の患者や、転倒による大腿骨頸部骨折の患者、
交通外傷の患者など様々なケースの初期診療を
経験しました。精査加療のため患者を出水郡医
師会広域医療センターへ搬送する際に救急車に
同乗したこともよい経験となりました。また医
療安全管理室、地域連携室、臨床検査科やリハ
ビリテーション技術科での研修を通して、安全
で質の高い医療を提供するためには多職種の連
携が重要であることを学びました。
地域の必要性に応える医療の在り方を意識
し、今後も救急の初期対応を含めて総合内科的
な視点を培っていきたいと存じます。御指導し
てくださった先生方、関係者の皆様に厚く御礼
を申し上げ、研修報告とさせていただきます。
8月 外 来 診 療 表
診療科
月
火
水
木
金
総合内科
吉井 博
吉井 博
吉井 博
吉井 博
吉井 博
健康管理科
宗清 正紀
宗清 正紀
宗清 正紀
宗清 正紀
楠元 孝明
楠元 孝明
楠元 孝明
楠元 孝明
本里 康太
本里 康太
本里 康太
本里 康太
循環器内科
内
■診療受付時間 8時30分~
11時まで
時まで
30分~11
桑野 孝志
動脈硬化外来
(第2・4・5)
腎臓内科
吉嶺 陽造
神経内科
平松 有
血液内科
勝屋 弘雄
消化器内科
消
化
器
疾
患
セ
ン
タ
ー
再診のみ)
有銘 工
猪狩 洋介
本川 郁代
【毎週月曜日】
大礒 洋(第1)
佐藤 明子(第2)
和田 昭宏
和田 昭宏
和田 昭宏
和田 昭宏
和田 昭宏
才田 郁
才田 郁
才田 郁
才田 郁
才田 郁
嵜山 敏男
田ノ上 史郎
川平 真知子
嵜山 敏男
川平 真知子
川平 真知子
嵜山 敏男
田ノ上 史郎
田ノ上 史郎
肝臓内科
外科
(午後
(第2・4)
呼吸器内科
小児科
吉嶺 陽造
吉嶺 陽造
科
糖尿病・代謝内科
本里 康太
藤澤 和夫(第3)
河島 淳司(第4・5)
椨 一晃
花田 法久
齋藤 誠哉
江藤 慎一郎
大熊 利忠
花田 法久
江藤 慎一郎
齋藤 誠哉
外科医師
緩和ケア外科
(11~12時)
吉本 健太郎
呼吸器外科
(第2・4午後)
上村 万里
乳腺外科
(第1・3午前)
整形外科
中沢 不二雄
(手術)
鎌田 聡
(手術)
中沢 不二雄
脳神経外科
加治 正知
瀬戸 弘
瀬戸 弘
熊本大学
加治 正知
脊椎外来
婦人科
眼科
白石
昭司
鹿児島大学
熊本大学
飯尾 一登
(午前)
(午後)
(午後)
有村 昇
(予約のみ)
有村 昇
皮膚科
麻酔科
鹿児島大学
有村 昇
(予約のみ)
増口 信一
松本 真 一
竹下 次 郎
竹下 次 郎
松本 真 一
松本 真 一
松本 真 一
竹下 次 郎
竹下 次 郎
竹下 次 郎
浦門 忠仁
放射線科
田村 吉高
(午後)
浦門 忠仁
浦門 忠仁
浦門 忠仁
浦門 忠仁
松山 知彦
大屋 夏生
放射線治療
◎●急患の診察は、担当科医師もしくは地域医療連携室にご相談ください。●◎
(午前)
(午前)
出水総合医療センター地域医療連携室 直通電話67-1657 FAX67-1769 発刊責任者: 瀬戸 弘
内視鏡
消化器内科
消化器内科
消化器内科
消化器内科
消化器内科