資料1 東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の概要 平成27年5月18日・23日 東 京 都 福 祉 保 健 局 高齢社会対策部介護保険課 介護人材の需給推計 ~介護職員は、約3万6千人不足~ ○ 都では、介護職員の需給推計を実施 ○ 需給推計は、需要推計と供給推計から成り立っており、それぞれ、平成29年度、平成32年 度、平成37年度の介護職員数を推計 ○ 平成29年度には約1万5千人、平成32年度には約2万3千人、平成37年度には約3万6千 人の介護職員の不足が見込まれる。 供給推計 需要推計 現状の離職率、再就職率、入職者数の推移を踏まえ て介護職員数を推計 区市町村が見込んだ、将来の介護サービス利用者 数をもとに、必要となる介護職員数を推計 <介護職員の需要・供給推計結果の比較> 250,000 148,475 148,475 ( ) 介 200,000 護 職 150,000 員 数 100,000 198,965 人 50,000 0 220,244 184,410 247,786 197,716 22,528 14,555 211,495 毎年約2,800人 の確保が必要 36,291 供給 0 平成24年度 需要 平成29年度 平成32年度 1 平成37年度 需要と供給の差 介護人材の現状・課題① ~人材の確保・定着が困難~ ○ 東京都における介護関連職種の有効求人倍率は3.29倍と、全産業の1.20倍を大きく上 回っている。 ○ 離職率は介護関連職種計で16.6%、全産業平均の15.6%に比べ、高い。 ○ 離職の理由として、「職場の人間関係に問題」、「施設等の運営のあり方に不満」が多い。 (倍) <有効求人倍率の動向> 5.00 4.34 4.50 4.00 3.50 3.00 1.50 1.74 1.42 1.30 1.00 0.50 0.00 3.29 2.82 2.10 1.02 0.97 全産業平均(全国) 15.6% 介護関連職種計(全国) 16.6% 介護職員 17.7% 訪問介護員 14.0% 東京都(介護関連職種) 3.52 2.50 2.00 <離職率(平成25年度)> 2.20 1.05 0.73 2.40 1.33 2.71 2.17 1.38 2.79 全国(介護関連職種) 1.73 1.65 東京都(職業計) 0.55 0.42 0.63 0.51 <仕事をやめた理由(平成25年度)> 0.79 0.61 0.99 0.74 1.91 1.20 0.87 全国(職業計) 18年度 19年度 20年度 21年度 22年度 23年度 24年度 25年度 2 職場の人間関係に問題 24.7% 理念や運営のあり方に不満 23.3% 他によい仕事・職場があった 18.6% 資料: 厚生労働省職業安定局「職業安定業務統計」 厚生労働省「雇用動向調査」(全産業平均) (公財)介護労働安定センター「介護労働実態調査」 (介護関連職種計・仕事をやめた理由等) 介護人材の現状・課題② ~働く上での不安・不満等の声が散見~ ○ 介護職員は、「賃金が低い」、「社会的評価が低い」など、自らの業務に対する評価が低いと いう不満を抱えている。 ○ また、「利用者に適切なケアができているのか不安」といった、自らの介護スキルに対する不 安を感じている。 <利用者及びその家族についての悩み、不安、不満等(複数回答)> <労働条件等の悩み、不安、不満等(複数回答)> 0% 10% 20% 30% 40% 50% 0% 人手が足りない 45.0% 仕事内容のわりに賃金が低い 43.6% 有給休暇が取りにくい 身体的負担が大きい 60% 47.1% 26.5% 31.3% 精神的にきつい 28.5% 業務に対する社会的評価が低い 28.2% 休憩が取りにくい 40% 利用者に適切なケアができている か不安がある 介護事故(転倒、誤嚥等)で利用者 に怪我をおわせてしまう不安がある 34.5% 20% 利用者と家族の希望が一致しない 利用者は何をやってもらっても当然 と思っている 26.8% 資料:(公財)介護労働安定センター「平成25年度介護労働実態調査」 25.0% 20.0% 資料:(公財)介護労働安定センター「平成24年度介護労働実態調査」 3 介護人材の現状・課題【まとめ】 ○ 平成37年度には、約3万 6千人の介護職員の不足が見 込まれる。 ○ 介護関連職種の有効求人 倍率は、全産業と比べ、大きく 上回る。 ○ また、離職率も高い。 ○ 離職の理由として、「職場の 人間関係」、「施設等の運営に 対する不満」が多い。 ○ 介護職員は、「自らの業 務に対する評価が低い」とい う不満を抱えている。 ○ また、「自らの介護スキル に対する不安」を感じている。 人材の定着が進まず、人材不足が深刻化 実際に介護業界で働く職員からは、「労働条件等への不満」、「介護スキルへの不安」の声が 多い。 4 東京都が実施すべき新たな取組 人材の定着が進まず、人材不足が深刻化 職員からは、労働条件等への不満、介護スキルへの不安など、働く上での悩み等の声が多い 課題の背景とは? 職責に応じて処遇がなされるキャリアパスの仕組みが十分でない。 キャリアパスの導入に取り組む介護事業者に対する支援が十分でない。 これらの課題を抜本的に 解決するため 東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の創設【27年度新規】 キャリアパスの導入に取り組む介護事業者に対する都独自の補助制度を創設 ※なお、この補助制度を受けるためには、介護キャリア段位制度に基づくレベル認定者の輩出等が必要 5 東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の概要① 1. 介護キャリア段位制度を活用し、キャリアパスの導入に取り組む介護事業者に対して、都が 補助金を支給 2. 介護事業者は、この補助金を活用し、レベル認定者などに手当相当額の支給や、事業所の キャリアパスの構築に向けた体制づくりを推進 3. なお、補助を受けるためには、都が実施する職場の人事管理等に関するセミナーの受講が必 要(開催時期は秋以降を予定) 事業スキーム図 補助金の活用(3年間) レベル認定者の輩出 セミナーの受講 (秋以降開催予定) 【希望した場合】 個別相談会への参加 ① レベル認定者への手当等 支給 ② キャリアパス導入に向けた 体制づくりの推進 (注1)補助金交付申請基準日: 各年度1月1日現在とする。 (注2)補助対象経費の支払期間: 各年度とも、当該年度の4月1日か ら3月31日までとする。 6 キ ャ リ ア パ ス の 仕 組 み を 構 築 職 員 の ス キ ル ・ や り が い の 向 上 介 護 職 員 の 育 成 ・ 定 着 の 促 進 東京都介護職員キャリアパス導入促進事業の概要② 1 目的 介護保険事業所にキャリアパスの導入を促し、職員がキャリアアップを図れる環境を実現することで、専門人材の育成・定 着を促進 2 概要 国の介護キャリア段位制度を活用し、職責に応じた処遇を実現するキャリアパスの導入に取り組む介護事業者を支援 3 対象事業所 介護保険施設・事業所を運営する事業者(人員配置基準に介護職員の配置がない事業所等は除く。) 4 補助対象経費 (1) 年間補助額 ○レベル認定者1人当たり:年50万円まで(レベル2以上認定者が対象) ○上限額:1事業所当たり年200万円まで(レベル認定者4名まで) (2) 補助期間 ○原則として、レベル認定者を初めて輩出した年度から起算して3年間 (3) 補助に当たっての要件 ① レベル認定者及びアセッサーへの手当相当額の支給 ② 都が実施する職場の人事管理等に関するセミナーの受講 等 5 27年度予算額 1,073百万円(680事業所) ※全額、都の一般財源で対応 7 ※セミナー等に関する具体的内容は、現在調整中 対象事業所(サービス事業一覧) ○ 介護保険施設・事業所を運営する事業者 ただし、人員配置基準に介護職員の配置がない事業所等は除く。 <対象となる介護サービス事業の一覧> サービスの種類 サービスの種類 (介護予防)訪問介護 (介護予防)小規模多機能型居宅介護 (介護予防)訪問入浴介護 看護小規模多機能型居宅介護 (介護予防)通所介護 (介護予防)認知症対応型共同生活介護 (介護予防)短期入所生活介護 (介護予防)認知症対応型通所介護 (介護予防)短期入所療養介護 地域密着型特定施設入居者生活介護 (介護予防)通所リハビリテーション 地域密着型介護老人福祉施設入居者生活介護 (介護予防)特定施設入居者生活介護 介護老人福祉施設 定期巡回・随時対応型訪問介護看護 介護老人保健施設 夜間対応型訪問介護 介護療養型医療施設 (注1)都内に所在する介護保険施設・事業所とする。 (注2)国又は地方公共団体が設置する介護保険施設・事業所(指定管理者が管理するものを含 む)は除く。 8 補助対象経費(年間補助額①) ○ レベル認定者とは、レベル2以上の認定者とし、4人を上限 ○ レベル認定者1人当たりの補助額は年50万円まで ○ 対象経費とは、レベル認定者への手当相当額とキャリアパス導入に向けた体制づくり経費等 <認定者1人当たり年50万円までとは> <レベル認定者とは> レベル2以上の認定者 レベル認定者への手当相当額(24万円程度) ※レベル1認定者及びユニット認定者は対象外 レベル認定者数は4人を上限 ※3年間で実人数は4人・延人数は12人が上限 ※レベル認定者数に応じた上限額を設定 ※上限額:レベル認定者数×24万円 キャリアパス導入に向けた体制づくり経費等 (26万円程度) ※アセッサーへの手当相当額を含む 職員名 レベル 27年度 28年度 29年度 A 2① ○ ○ ○ B 4 ○ ○ ○ C 2② ○ ○ 職員 区分 D 3 ○ ○ A(レベル2①) 手当相当 6万円 体制づくり 44万円 手当相当 30万円 体制づくり 20万円 手当:月0.5万円 E 1 F ユニット × G 2① ○⇒× 補助対象人数計 × 2 4 【(例)27年度の場合】 4 9 B(レベル4) 手当:月2.5万円 計 手当48万円の 範囲内 補助金活用 100万円 補助対象経費(年間補助額②) ○ 補助対象経費である、レベル認定者への手当相当額とキャリアパス導入に向けた体制づくり 経費等のうち、レベル認定者及びアセッサーへの手当相当額については、必須経費とする。 レベル認定者への手当相当額 【必須】対象経費項目 キャリアパス導入に向けた体制づくり経費等 【必須】対象経費項目 【選択】対象経費項目 レベル認定者申請手数料 アセッサー講習受講料 代替職員経費 レベル認定者への手当等 アセッサーへの手当等 人事制度分析、財務分析等経費 (社会保険労務士への謝金、経営コンサ ルタントへの謝金等) 研修経費 レベル認定者への手当相当額 は、認定されたレベルに応じて、 事業所内で差を設けること。 アセッサーへの手当相 当額は、レベル4認定 者の手当相当額と同等 とすること。 10 設備整備費及び備品購 入費は対象外とする。 補助対象経費(補助期間) ○ 原則として、レベル認定者を初めて輩出した年度から起算して3年間 ○ 例外措置としては以下のとおり。 ・ レベル認定者を初めて輩出した時期が、当該年度の補助金交付申請基準日(1月1日)を過ぎた1月2日か ら同年度3月31日までの場合は、翌年度から3年間 ・ 26年度中にレベル認定者を初めて輩出した場合は、27年度から3年間 ○ なお、レベル認定者が各年度1月1日現在で当該事業所に在籍していることが条件 イメージ図 【レベル認定者を初めて輩出した年度が27年度の場合】 平成27年度 4/1 3/31 4/1 1/1 在籍 レベル認定者を輩 出した時期 ( ※) 4/1~1/1 (※) 27年度 レベル認定者数とし てカウントする年度 から対象 平成28年度 1/1 3/31 4/1 在籍 平成29年度 1/1 在籍 1/2~1/1 1/2~1/1 1/2~3/31 28年度から対象 29年度から対象 補助対象外 レベル認定者を初めて輩出した年度から3年間 補助対象経費の 支払期間 3/31 4/1~3/31 4/1~3/31 (※)26年度中にレベル認定者を初めて輩出した場合を含む。 11 4/1~3/31 キャリアパス導入スケジュール(モデル例) ○ 補助金を活用して、各事業所の実情に応じた、キャリアパスの仕組みを構築 ○ キャリアパスの仕組みを構築することで、補助期間終了後の事業所によるキャリアパスの自 主的な運用を推進 【レベル認定者を3名輩出した場合:補助基準額150万円×3年間】 補助期間 事業所での対応 4月 5月 6月 評価の実施 1年目 ○アセッサーによる評価の 実施 ○評価中における代替派遣 職員の配置 ○レベル認定申請・認定 ○就業規則等の変更 等 8月 認定申請 代替派遣職員の配 置(代替職員経費:48 万円) 7月 9月 10月 11月 12月 1月 2月 3月 キ ャ リ ア パ ス 導 入 段 階 認定 アセッサーへの手当等(20万円:月2.5万円×8月) レベル認定の 申請・3人分 3 名 認 定 (レベル認定者申 請手数料:2万円) レベル認定者への手当等(48万円) ( レ ベル4)20万円:月2.5万円×8月 ( レ ベル3)16万円:月2.0万円×8月 ( レ ベル2②12万円:月1.5万円×8月 就業規則変更(社労士 への謝礼:11万円) 外部研修受講 (研修経費:5万円) 外部研修受講 外部研修受講 (研修経費:5万円) (研修経費:5万円) 外部講師派遣 (研修経費:6万円) キ ャ リ ア ア ッ プ 体 制 づ く り 段 階 2年目 アセッサーへの手当等(30万円:月2.5万円×12月) ○アセッサー等のスキル アップ(外部研修の受講) ○OJTマニュアルや研修計 画等の作成に伴う代替派遣 職員の配置 等 レベル認定者への手当等(72万円) ( レ ベル4)30万円:月2.5万円×12月 ( レ ベル3)24万円:月2.0万円×12月 ( レ ベル2②)18万円:月1.5万円×12月 外部研修受講 ( 研修経費:2万円) 外部講師派遣 ( 研修経費:2万円) マニュアル等の作成に伴う代 替派遣職員の配置(代替職員 経費:44万円) 内部研修の実施 (講師:内部職員) キ ャ リ ア ア ッ プ 体 制 づ く り 完 了 段 階 3年目 ○経営コンサルティング ○OJTマニュアル等の見直 しに伴う代替派遣職員の配 置 ○アセッサー等による内部 研修の実施(事業所職員の スキルアップ) アセッサーへの手当等(30万円:月2.5万円×12月) レベル認定者への手当等(72万円) ( レ ベル4)30万円:月2.5万円×12月 ( レ ベル3)24万円:月2.0万円×12月 ( レ ベル2②)18万円:月1.5万円×12月 財務分析等(経営コンサルタ ントへの謝礼:30万円) マニュアル等の改定に伴う 代替派遣職員の配置(代替 職員経費:18万円) 12 内部研修の実施 内部研修の実施 (講師:内部職員) (講師:内部職員) 最 後 に ○ 介護業界は、高齢化社会が到来するなか、今後の日本を支える最も重要な産業の一つであ るとともに、今後とも、ますます発展を遂げる将来性を大いに秘めた成長分野です。 ○ この成長分野を支えていく、質の高い介護人材を安定的に確保していくためには、介護の仕 事の魅力を発信することはもちろんのこと、介護職員が安心して将来の展望を持って働き続けら れる仕組みづくりに早急に取り組んでいく必要があります。 ○ 本事業の補助金を活用し、キャリアパスの仕組みを構築することで、職員のスキル・やりがい が向上できる、働きやすく、魅力ある職場を作っていきましょう! ●本事業の制度に関する問合せ● 東京都福祉保健局 高齢社会対策部 介護保険課 介護人材係 TEL03(5320)4267 ●補助金の申請に関する問合せ● 公益財団法人東京都福祉保健財団 人材養成部福祉人材養成室 介護キャリアアップ担当 13 TEL03(3344)8532
© Copyright 2024 ExpyDoc