展示資料 - SAWADA LAB

芝浦工業大学 環境システム学科 澤田研究室 & Learning Studio_BIM&B-eIM
システム思考を基盤にした
BIM・ICT を活用した建築設計教育
リ サ ーチ
BIM の可能性
*1 BIM (Building Information Modeling)
従来の2次元図面から3次元へと立ち上げていく建築手法ではなく、実際の建築がつくられるよ
うにコンピューター上で3次元に組み上げ統合する手法である。3次元オブジェクトCADによっ
て、建築や空間の形状情報に素材や名称、寸法などの属性情報を持たせた建築データベースとし
ての3次元デジタルモデル(プラットフォーム)を構築する。このプラットフォームを中心に形態・
空間・構造・設備の統合、各種の環境解析や景観シミュレーション、施工・生産プロセスの合理
化計画など全工程における建築情報の一元的管理を行い、包括的な問題解決を図ろうとするもの
である。この他、施主(ユーザー)
・設計者・施工者間の情報共有や他分野との連携、クラウドコ
ンピューティングなどによって自然環境における最適化、見える化そして社会における説明責任
を果たす手法として期待される。
芝浦工業大学システム理工学部環境システム学科澤田研究室は、Building Information Modeling*1 を活用した建築設計教育を実践してい
ます。当研究室の前身である衣袋研究室(∼ 2011 年度)は、BIM・ICT を連携統合した独自の e-Learning システム「Web Learning Studio(W.L.S)」
を構築し、それをベースに社会に近接する建築設計教育の実践が様々に行われ、多くの実務設計者を育んできました。研究室ではこれら
の実績を背景に、BIM・ICT(情報通信技術:Information and Communication Technology)を様々に活用し、さらなる可能性を見出すべく、
情報社会に柔軟かつ創造的に対応し得る建築設計者の基礎的育成を念頭に置いた研究・創作活動を展開しています。
BIM から B-eIM へ
意匠設計用 CAD
構造設計用 CAD
W・L・S
スケッチ
・企画・構想・5W1H
BIM ツール
データ入力
フィードバック
設備設計用 CAD
意匠・構造・設備図面
BIM:Building Imagination Modeling
BIM:Building Information Management
解決型プロセスモデルの実践(システム思考)、多様な事象を包括的に捉えた設計(ホリス
まちづくり
・VR による景観形成
ティック・デザイン)、自らの動機と他の知見の協働による創発(コラボレーション)によって、
・危機管理
・流体・温熱・日影
3 次元オブジェクト
・エネルギー・行動
CAD
・スマートグリッド
建 築 を 自 然・社 会 環 境 と 一 体 的 に 捉 え て 考 え る 方 法 を、私 た ち は Built-environment
解析シミュレーション
プラットフォーム
・アルゴリズム
VR:バーチャルリアリティ
Information Modeling(built‒environment= 構築環境)と名付けています。この方法論を、
まちづくり
材料・施工
・施工計画
生産
クラウド
・施工計画、管理
・フロントローディング
・高性能サーバー
・干渉チェック
・プレファブ化
・点群計測データ
・修繕計画
・3D プリンター
・高画質レンダリング
クラウド
・高性能サーバー
・点群計測データ
・高画質レンダリング
・VR による景観形成
3 次元オブジェクト CAD
・材料計画
・インフラ
・レイヤー・クラス・属性
・安全と防災計画
VR:バーチャルリアリティ
生産
・プレファブ化
マネジメント
施工・積算
・都市計画
プラットフォーム
・積算
成果 物
社会に対する合意形成と説明責任を果たす根拠となるものとして、研究背景としています。
・平面図・立面図・断面図・躯体図・設置系統図・干渉チェック
・ファシリティ
講評 ・ 評 価
Built-environment Information Modeling
研究室では、BIM に発見・発想メディアとしての可能性を見出すことを考えています。問題
及び周辺ツールの活用
BIM
BIM:Building Information Modeling
解析シミュレーション
・液体・温熱・音・光・日影・力と変形・照明・行動
フィードバック
表現・プレゼンテーション
成果物
・各種図面・3D デジタルモデル
・VR 及び模型
BIM による建築設計教育フローのイメージ
BIM による建築設計フローのイメージ
BIM・ICT を活用したアクティブ・ラーニング「居住環境デザイン演習」
中間案
最終案
2014 年度居住環境デザイン演習
第一課題『自分の家族の家』
夏 風解析「自然を浴びる家」柳直登
参加者
第 1 週目
現地班
( 上司としての教員との打ち合わせ )
施主 chat 期間
統合班
( 現地の情報提供・島民視点の意見者 )
エスキスの流れ
デザインプロセスの流れ
受講生・教員・TA 他
( 全ユーザーのバランスを考えた設計者 )
・関連画像
・スケッチ
学生 B 班
学生 B 班
学生 A 班
学生 A 班
学生 B 班
学生 B 班
学生 A 班
学生 A 班
学生 B 班
学生 B 班
学生 A 班
学生 A 班
学生 B 班
設計条件構築
などの閲覧
クラウド型
蓄積・記録
= プラットフォーム
アナログ
第 3 週目
アイデアの具体化
発言したログの
オルタネーション
表示・蓄積・記録
第 4 週目
デジタル:設計過程の蓄積
モデリング
アナログ:連絡
チャット書き込み欄
部分班
( 各ユーザーごとの設計班 )
BIM による建築設計フローのイメージ
W.L.S をベースに行われるロールプレイのイメージ
第 5 週目
中間発表
最終案
学生 A 班
第 2 週目
・3DPDF
中間案
デジタル型指導
ニーズの把握
設計者の提案
デジタル
アナログ型指導
全作品 3DPDF 統合
各種シミュレーション
冬 日影解析「めぐりめぐる家」吉本萌
第 6 週目
施主 chat 期間
モデリング
第 7 週目
各種シミュレーション
第 8 週目
設計図作成
第 9 週目 提出
全作品 3DPDF 統合
各種シミュレーション
講評会
環境シミュレーションによるデザイン検証
授業の特徴
3DPDF による全作品を統合した景観シミュレーション
Ⅲ. まちづくりへの意識
履修者全員に別敷地を与え、全員の設計で一つの
街を形成する設定で、地域デザインを意識した建
築設計を行います。
ショナルに見える化、分析し、他者との協働活動を通し
Ⅰ. ロールプレイによる「住宅設計(第1課題)」
設計者(履修者)
、施主(OB 等の学外協力者)
、
所長(専任教員、遠隔型非常勤講師)のフォーメー
ションでロールプレイを行い、対話から住まい方
やニーズなどを引き出しながら自らの設計条件を
構築していきます。
て様々な情報を読解し、問題発見と解決を図る統合的設
Ⅱ. BIM ツールの導入
Ⅳ. デザインプロセスへの意識
本授業は、
3 次元オブジェクト CAD を中心とした BIM ツー
ルと W.L.S を基盤にした建築設計演習授業(アクティブ・
ラーニング)
です。変化する自然・社会情報をコンピュテー
計能力を修得することを目的とします。BIM における情
報の統合性、W.L.S における即時性、情報交換性、ユビキ
タス性等の特性を生かした双方向性のあるアクティブな
演習授業であり、対面型だけでは得られない、履修者の
能動性を引き出す教育効果を確認しています。
日照や風などの居住環境シミュレーションによる
分析を通して建築空間の検証を行います。中間発
表では、風・日照等の環境解析シミュレーション
や 3DPDF(自ら移動体験できる動画)による景
観シミュレーションなどのレビューを行い、議論
します。
全作品を統合した風環境シミュレーション
振り返り
授業進行チャートによるデザインプロセスの理解
システム工学(問題解決型プロセスモデルの実践)
を背景にしたデザインプロセスの理解を図りま
す。
アナログによるエスキス風景
OB 等の学外協力者も参加する講評会
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