一百口
生ける予
者の教え
１１
生徒用資料宗教コース333
一言口
生 け る 予
者 の 教 え
教会教育部編
◎19871nteUectualReserve,hc.
版権所有
印刷：日本
原題:TeachingsoftheLivingProphetsStudentManualReligion333
Japanese
目次
単元｜生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者
第4章生ける予言者と聖典…………………………21
4−1聖典とは何か，どのようにして得ら
第｜章はじめに…………………………･…………･･3
1−1
現代の諸問題には，神の解決策が必
れたか……………………………………21
4−，
1−，
神は過去のあらゆる時代と同様，今
4−3生ける予言者はその時代に必要な聖
典をつけ加える…………………………22
もみこころを人に啓示される…………4
1−3私たちに何よりも必要なのは，予言
標準聖典を使って，あらゆる教えの
真偽を判断する…………･…･…･………22
要である…………………………………3
4−4最も重要な聖典は，現代の聖典であ
る…………………………………………23
者の声に聞き従うことである…………5
4−5標準聖典と生ける予言者は，両方と
もに受け入れられるか拒まれるかの
第2章予言者，聖見者，啓示を受ける者とは……7
1−1
神託とは何か……………………･……･･7
2−，
予言者とは何か…………………………7
どちらかである…………………………25
4−6牛ける予言者の言葉が聖典と考えら
れるのは，どのような場合か…………25
2−3聖見者とは何か．………･………･………8
1−4啓示を受ける者とは何か………………9
4−7予言者が「主はこう言われる」と宣
言しなければ，その言葉には拘束力
1−5神が予言者，聖見者，啓示を受ける
がないのか………………………………26
者を撰んで権威を授ける．………･…･…9
1−6現代の予言者，聖見者，啓示を受け
4−8予言者の勧告は常に役立つ……………27
る者は，大管長会と十二使徒定員会
4−9研究課題と応用･………･………………･27
の会員だけである………………………10
1−7研究課題と応用･…………………･……･11
第5章大管長会………………………………………28
5−1大管長会は教会内におけるすべての
神権の働きを管理する……･……･……･28
第3章生ける予言者……………………………･…･･12
3−1生ける予言者に与えられる啓示は，
5−，
3−，
大管長会は教会の管理運営の責任者
である……………………………………29
真の宗教の某盤である…………………12
牛ける予言者の重要性を理解するこ
5−3大管長会の語る言葉は聖典である……30
とは不可欠である………………………13
5−4教義に関する解釈は大管長会の職務
である……･…….･･………………………31
3−3生ける予言者は聖なる神権のすべて
の鍵を有する．………………………．．…14
3−4教会のすべての指導者は，生ける予
言者の指示のもとに働く……･………･･15
5−5末日聖徒は大管長会に指示をあおぐ…31
5−6大管長会に従う人は迷うことがない…31
5−7研究課題と応用……………･………･…･31
3−5教会全体に対して，また全教会員の
ために語る権威を持つのは生ける予
言者だけである…………………………16
第6章十二使徒定員会………………………･……･･33
6−1オリヴァ・カウドリは，この神権時
代の最初の十二使徒定員会に訓告を
3−6予言者は神からの任命以外に，何の
与えた……………………………………33
資格証明も必要としない………………17
3−7主は生ける予言者が教会を誤った道
へ導くのを許されない…･…･…･………18
3−8生ける予言者の特権について忘れて
ならないことは何か．………･…･………18
3−9研究課題と応用…………………………19
6−，
使徒はキリストの特別な証人である…34
6−3十二使徒会は大管長会の指示のもと
にのみ働く………………………………36
6−4王国のすべての鍵が使徒に与えられ
る…･………………………………．｡……36
6−5大管長が死亡した場合，十二使徒会
111
６７
６６
が教会を管理する………………………36
10-3
研究課題と応用…･･･………．．…･………37
真に改宗した末日聖徒は，予言者を
支持する…………………………………62
使徒は教会員を背教から守る…………37
10-4
予言者を支持することには，教会の
ほかの指導者を支持することも含ま
れる………,…………………･……･……62
第7章大管長の職の継承……………………………39
7−1主は継承の順位を定められた…………39
7−2
10−5
7−3聖徒は継承に関する推測をやめるべ
見解の相違があっても，教会幹部を
支持できるか..………….………………63
神が大管長の職の継承を支配される…40
10-6
研究課題と応用…….……………･…･…63
きである………･…………･……………･40
7−4新しい大管長はどのようにして選ば
れるか………･……･……･………………40
7−5ハロルド。B・リー大管長の死去の
第￨￨章予言者を受け入れる人と拒む人の報い……65
11−1予言者は不合理な理由で拒絶される…65
11-2
する人は，主のみたまを失う…………66
際に示された継承の方法･…･…………･41
7−6新しい大管長会の正式な支持は，ど
予言者の勧告に対して反対や拒絶を
11−3教会の指導者を非難し続ける人は，
のように行なわれるか…………………42
背教する……………･……･…………･…68
7−7研究課題と応用…………………………43
11-4予言者に従う人は，安全な道を歩む…68
11−5黄泉の力も，生ける予言者の言葉に
従う教会員に打ち勝つことはない……69
単元2生ける予言者に従う
11−6予言者に従う人々は，永遠の生命を
第8章正しいものの見方一斗為りから身を守る…47
得る……………………･………･…･……69
8−1この世的な見方には限界がある…･･･…48
11−7研究課題と応用･………………………･･70
8−，
出所がどこであれ，真理はすべて調
和する………………．．………………･…48
単元3総大会
8−3予言者は私たちを真理へ導く……．．…･48
8−4神と予言者に頼る人は賢明である…･･･49
8−5神のみ言葉を指針とする人は，欺か
れない．……………･…………………･…50
8−6研究課題と応用……･……･……………･52
第'2章教会の大会の目的と重要性…………………73
11−1総大会には特別な目的がある．…･…･…73
1’−，
教会員は総大会に備える必要がある…73
11−3総大会は聖徒の日々の生活を変える…74
11−4総大会では問頴が明らかにされ，そ
の解決方法が提案される………………75
第9章自由意志と従順………………･……･………･53
9−1
神のみこころに従うことは自由意志
12-5総大会でいつも同じことが強調され
るのはなぜか……………………………75
を損なうことではない…………………53
9−，
個人の自由と従順は，適度の均衡を
12−6教会員は予言者のメッセージを心に
留めるべきである．………………．．……75
保っている………………………………53
9−3教会はすべきことをだれにも命じる
ことはない…･…………･……･…………55
12−7警告の声を発しなければならない……76
11−8研究課題と応用…･･…………･…………77
9−4神に従うことは，盲従ではない．……･･55
9−5末日聖徒は，予言者が霊感を受けて
第'3章大会報告を分析し，活用するには…………78
いるという揺るぎない証を得るべき
13-1大会説教を研究するのは大切である…78
である．……･…………………………･…56
13-2
9−6研究課題と応用…………………………58
大会報告は私たちの言葉と行ないの
指針である………………………………79
13-3総大会は私たちの霊的成長を促す……79
第'0章予言者を支持するとは………･……･･………59
13−4大会説教を研究するための提案………80
10-1教会の指導者を支持するには，正式
13−5研究課題と応用…………………………82
の手順がある……………………･･……･59
10−，
1V
予言者を支持するとは，予言者に従
参考文献………………………………･……………．．…83
うことである………………･･･…………60
著者別索引･･…………･…………………………………85
生ける予言者，聖見者，
啓示を受ける者
単元1
はじめに
第1章
私たちは大変複雑な世の中に住んでおり，絶えず重
を求めずして，あらゆる者おのが心のままに振舞いお
大な疑問や問題に直面します。堕胎は正しいのでしょ
のれらの神の姿を求む』（教義と聖約1:16)ことにあ
うか。道徳には絶対的な基準があるのでしょうか。女
る。皆さんに率直に尋ねるが，世界中の民や国の現状
性の本来の役割は何でしょうか。どうすれば家族がひ
をこれ以上的確に表わす言葉があるだろうか｡」(｢大会
とつになれるのでしょうか。地球は絶滅の危機にある
報告」1965年4月,p.105)
のでしょうか。
このような問題がいつも私たちにのしかかってきま
す。人類の多くは，自分が盲目であることに気づかな
いまま，暗中模索しているのです。N・エルドン・タ
ナー副管長は次のように述べています。
（’一｜）現代の諸問題には，神の解決策が必要であ
る
この世の知恵だけで，人類が直面する問題をいつも
解決できるとは限りません。ひとつの問題が解決した
「人々は，自分自身の問題について，また世の中の
問題について，答えを求めて暗中模索している。だが，
かと思うと，すぐにどこかまた別の場所で，さらに深
刻な問題が起きています。現代の様々な問題を解決す
その努力も実を結んでいない。実際，抜け出すことの
るためには，人間の知恵を超えたものが必要とされて
できない泥沼に次第次第に深くはまり込んでいるので
いるのです。
ある｡」（『感謝を神にささげん，予言者の導き』「聖徒
の道」1976年3月号,p.153)
聖典は，神が解決策をご存じであると断言していま
す。パウロはコリント人に次のように書き送りました‘
パウロはテモテに予言して言いました｡「このことは
「なぜなら，この世の知恵は，神の前では愚かなもの
知っておかねばならない。終りの時には，苦難の時代
だからである｡」(Iコリント3:19)神はすべてのこ
が来る。その時，人々は…･･･常に学んではいるが，い
とをご存じであり(IIニーファイ9:20参照),「天で
つになっても真理の知識に達することができない｡」
(IIテモテ3:1-2,7)これは現代の世間一般の
も地でも全知全能である……。また，人間は主の悟り
たもうことをことごとくは悟れない．…．．｡」（モーサヤ
人々に見られる状態です。マリオン。G・ロムニー副
4：9）「わが思いは，あなたがたの思いとは異なり，
管長は次のように述べています。
わが道は，あなたがたの道とは異なっていると主は言
「私たちの豊かな社会は，多くの不安に満ちている。
その原因は，世の人々が『主の義を打建てんために主
われる。天が地よりも高いように，わが道は，あなた
がたの道よりも高く，わが思いは，あなたがたの思い
よりも高い｡」（イザヤ55：8−9）
主は，この世で私たちが行なう選択がどのような結
果を招き，そこにはどのような危険が待ち構えている
鐸騨鑑蕊鐘鐸蕊︾
のか，知っておられます。主だけが，私たちの直面す
る問題の解決策をご存じなのです。主の声に耳を傾け
ることが，今ほど必要とされるときはありません。
#辮蕊
蓮
§
ヒュー。B・ブラウン長老が英国の著名な判事と交わ
瀞
した会話の中に，その必要性が見事に表わされていま
す。現代の予言者という概念が信じられなかったその
判事は，ブラウン長老に対し，神は現代においても人
に語られるという主張の根拠を示すように求めました。
そこでブラウン長老は次のように尋ねました。
識
瀞
「『あなたはクリスチャンであると存じますが｡』
鐸
「そのとおりです。」
『旧新約聖吉を信じていらっしゃいますね｡』
齢
ウ即響灘
『もちろん信じています｡』
ヒュー。B・ブラウンは生ける予言者の必要性について語った
『祈りを信じていらっしゃいますか｡」
つ
J
『信じています｡』
愛しておられないから，人のことにもはや関心を持っ
『今の時代に神が人に語られるのは，おとぎ話のよ
ておられないからでしょうか｡』
うで不合理だとおっしゃるのですね｡』
『いいえ，神はすべての人を愛しておられます。人
を偏り見るお方ではありません｡』
『そうです｡」
『神がこれまでだれかに語られたことがあると信じ
『それでは，もし神が語る力を持っておられ，人を
愛しておられるとすれば，私に考えられるもうひとつ
ていらっしゃいますか｡』
『神はアダムに語られましたか｡』
の理由は，人が神を必要としていないということです。
科学は急速に進歩し，私たちは十分な知識を身につけ
『ええ｡』
ているので，もはや神を必要としないのです｡』
『ええ，聖書の至るところにその証拠があります｡』
『エノク，ノア，アブラハム，モーセ，ヤコブ，ヨ
セフ，それに続く予言者に対してはどうですか｡』
判事は今にも起こりそうな戦争のことを考え，震え
る声で言いました。『ブラウンさん，人類の歴史の中
で，今ほど神の声が必要とされる時はありません｡』」
『語られたと思います｡』
『神と人との交わりは，イエスが地上に来られたと
きになくなったとお考えですか｡』
『いいえ，神との交わりはそのときに頂点に達しま
（『予言者の横顔』「ブリガム・ヤング大学年度講話」
pp.3-5)
神からの啓示の必要性はますます高まっていますが，
多くの人は，神が人と語られる可能性を否定していま
した｡』
『イエスが神の御子であると信じていらっしゃいま
す。ジョン・テイラー長老は，そのような立場をとる
のは不合理であると述べています。
すか｡』
「多くの善良な人やクリスチャンを公言する人が，
『信じています｡』
『それでは，イエスが復活された後，律法学者であ
り，天幕作りでもあったタルソのサウロという名の男
が，ダマスコヘ向かう途中，十字架につけられ，復活
現代の啓示という概念を鼻であしらっている。神との
交わりなしに，真の宗教について知った人がいるだろ
『信じています｡』
うか。私にとってそれは，あまりにばかげた話に思え
る。人々が一般に啓示の原則を否定するときに，懐疑
まんえん
主義や不信仰が驚くほど蔓延するのは，少しも不思議
あなど
なことではない。実に大勢の人々が宗教を侮り，知性
『サウロが聞いたのは，どなたの声でしたか｡』
ある人にとって注目に値しないものと決めこんでいる。
『イエス・キリストの声です。主ご自身がそう言わ
啓示がなければ，宗教は名ばかりのまねごとにすぎな
し，昇天されたナザレのイエスと言葉を交わしたこと
を，信じていらっしゃいますか｡』
いからである。私を神のもとに導くことも，神と調和
れました｡』
『それでは判事，神が人に語られるのは，聖書の時
できるようにしてくれることもせず，私に不死不滅と
代に一般的な方法であったことを，私は謹んで申しあ
永遠の生命の原則をはっきりと理解できるように示し
げます｡』
てくれない宗教なら，私はそのような宗教とは何のか
『それは私も認めます。しかし，キリストの時代か
かわりも持ちたくない｡」（｢説教集」16：371）
ら1世紀たって間もなく，それがなくなったのです｡』
『なぜなくなったとお思いですか｡』
（’−2）神は過去のあらゆる時代と同様，今もみこ
ころを人に啓示される
『わかりません｡』
『それ以来，神が語られなくなったとおっしゃるの
神はいつの時代にも，みこころを進んで受けようと
する神の子供たちに，そのみこころを啓示してこられ
ですね｡』
ました。
『そうです｡』
『何か理由があるはずです。それがおわかりになり
「何千年もの問，人々に導きとその時々に合った警
告を与える大切なメッセージが，天より絶えず送られ
ますか｡』
『いいえ｡』
てきた。この強力な天の放送局の放送が途切れること
『いくつか理由を考えてみましょう。神が人に語ら
はなかった。歴史を通じて，予言者たちは幾度も天の
れないのは，それができないから，つまりその力を失
放送局に波長を合わせ，人々にその放送を中継ぎする
われたからでしょうか｡』
役目をしてきた。天よりのメッセージは決してやむこ
ぼうとく
『それでは，神に対する冒涜も当然のことになって
しまいます｡』
『そうすると，神が人に語られないのは，もう人を
4
とがない｡」（スペンサー。W・キンボール『予言者に
必要なこと』「聖徒の道」1970年10月号,p.265参照）
マーク。E・ピーターセン長老は，主が各々の時代
に予言者を召して，その時代の様々な問題に対処でき
るようにしてくださる，と述べています。
「世の人々と同じように，聡明な末日聖徒は，現代
文明が堕落への道をたどり，豊かな社会が多くの不安
「モーセは自分の民の必要に応じた教えと導きを施
に満ちていることを十分承知している。しかし，世の
したのではなかっただろうか。エレミヤ，イザヤ，エ
人々と違って,『その解決方法を……捜し求めてはいな
ゼキエルもそうではなかっただろうか。ペテロもパウ
い｡』すでに知っているのである。全能の神ご自身が，
ロも，自分の隣人や友人が直面している状況に即して，
それを明らかにされた。堕落の原因を告げて，唯一の
自分たちの時代の当面の問題に答えたのではなかった
救済方法を啓示されたのである。私たちはそれを知っ
だろうか。……
ているだけでなく，すでに述べたように，世の人々に
神は昔確かにみ姿を示された。聖典で言われている
ように，神が変わらないお方であるならば，現代の民
にも昔と同じことをされるのではないだろうか。
も宣く伝えるという神聖な責任を負っている。
だからこの責任に従って，私たちは次のように宣言
するのである。すなわち，人間の行き着く先をご存じ
神は聖書の時代にご自身について教えられた。特に
の永遠の父なる神は，百年余の前に天を開いて警告を
主の民が道を迷い始めたときには，力あるみ姿を示し
与えられた。神はこの世が堕落していることをはっき
て彼らを群れに引き戻された。
りと認めただけでなく，その原因も指摘された。そし
主は折々に召した新しい予言者たちを通じてこれを
行ない，すでに与えられている神のみ言葉に息吹きを
与え，さらに意義を添える新しい啓示を，予言者たち
てさらに，堕落から世を救う方法を示されたのであ
る｡」（｢大会報告」1965年4月,p.104)
神は実際今日も，予言者を通して語っておられます。
に与えられた｡」（『良識の民』「大会報告1970-72｣pp.
私たちの幸福に欠かせない教えや，この世のあらゆる
302-303)
問題の解決方法を与えておられるのです。現代のある
神の戒めを拒んだ人々に災いが下ることをご存じの
主は，この世に警告を与えるために，私たちの時代に
予言者は，主の言葉が世に現わされる方法とその効果
について，次のように説明しています。
も予言者を召されました。予言者ジョセフ・スミスに
「〔総大会の〕延べ7回にわたる各2時間の部会にお
与えられた啓示の中で，主は次のように述べておられ
いて，またいくつかの関連集会において，世の中全体
ます。
をそのすべての悪から，文字どおりすべての罪悪から
しか
「而して主の怒りは燃え，主の剣は天にてうるおい
たれば，今やこの世に住む人々の頭に下されん。
救うのに十分な真理が教えられ，教義が説かれ，訓戒
が与えられた｡」（スペンサー。W・キンボール『世に
かいな
その時主の腕現われて，主の声もまた主の僕らの声
も聞かんとせず，予言者にして使徒なる者たちの言に
も耳傾けんとせざる者のその民の中より絶たるべき日
来るなり。
あって世のものとならず』「ブリガム･ヤング大学年度
講話」〔1968年5月14B,プロボ]p.2)
これは永遠に変わらぬ事実です。主が予言者を通し
て絶えず与えられる導きや勧告を心に留めるならば，
いや
そは彼らわが儀式より離れ去り，わが永遠の誓約を
破りたればなり。
世のあらゆる問題は解決され，またあらゆる病弊は癒
されるのです。
彼らは主の義を打建てんために主を求めずして，あ
らゆる者おのが心のままに振舞いおのれらの神の姿を
（’−3）私たちに何よりも必要なのは，予言者の声
かたち
求むれども，その姿は人の世の像にしてその本質は一
個の偶像なり。そは古びてついにバビロンにて，すな
わちついに亡ぶべき大バビロンにて朽ちん。
に聞き従うことである
世の中はどこに向かって進んでいるのでしょうか。
このまま進んで行けばどのような結果になるのでしょ
されば，主なるわれ，この世に住める人々に雲い来
うか。その結果から逃れるには，どうすればよいので
るべき禍を知れば，わが僕ジョセフ･スミス（二代目）
しょうか。神はそれらのことをはっきりと告げてくだ
わざわい
を呼び天より語りて彼に誠命を下せり。
また他の者どもにもこれを世の人々に宣ぶる様誠命
さいました。私たちに何よりも必要なのは，神が予言
者を通して与えられる勧告に聞き従うことです。J・
を与えたれど，すべてこは予言者たちの記せし事の成
ルーベン・クラーク・ジュニア副管長は，次のように
就せんがためなり。」（教義と聖約1：13-18）
述べています。
マリオン。G・ロムニー長老は，現代社会が誤った
「いつだったか，私の机の上に1冊のパンフレット
方向に進んでいることを指摘し，主は私たちの時代に
が置いてありました。あいにくそれをどこかへやって
ますます悪化する問題から人類を救済する道を備えら
しまいましたが，表紙には『私たちには予言者が必要
れた，と述べています。
である』と書いてありました。そのパンフレットを読
5
んだときに，また今考えてもそうですが，世の人々は
璽顯
何と盲目なのだろうかと思いました。私たちには予言
者がいます。……その予言者は，私たちが知っていて，
蕊
鍵
世の人々も一部知っている偉大な正義の原則を与えて
爵
くれました。しかも..…･百年以上も前にです。．…・・
，
蕊
聯
さて,予言者ジョセフ・スミスと,彼に続く予言者た
ちは−この教会にはいつも予言者がいて，皆さんは
大会ごとに，ここにいる兄弟たちを予言者,聖見者，啓
示を受ける者として支持します−主から啓示を与え
＊
零
；
られて，人々が聞き従いさえすれば世を救うことので
きる偉大な原則を教えました。予言者がいないのでは
ありません。人々が聞く耳を持たず，神から命じられ
たままに生活しようという決意がないのです。私たち
雫
に必要なのは，それだけです。道は完全に明らかにさ
れています｡」（｢大会報告」1948年10月,pp.79-80)
本書を研究すれば，神の生ける予言者の役割につい
て理解が深まり，予言者の言葉をさらに積極的に受け
入れるようになるでしょう。神の予言者に従うと公言
する人は，予言者の声に耳を傾け，その指示に従わな
J・ルーベン・クラーク・ジュニアは，私たちに必要なのは「聞
く耳」であると語った
ければなりません。それを怠るならば，古代の予言者
神の予言者に従う決意をする Zとは，現代の人々への
の勧告を拒んで滅びた人々と同じ状態に陥るでしょう。
チャレンジなのです。
6
予言者，聖見者，
啓示を受ける者とは
第2章
末日聖徒イエス・キリスト教会が組織されて間もな
く，主は予言者ジョセフ・スミスに与えた啓示の中で，
この教会を「全地の面に齢ける唯一の真にして生命あ
〔る〕教会」（教義と聖約l:30)と呼ばれました。そ
れは，生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者と，神
託によって導かれる教会です。本章では，これらの言
葉の定義について学びます。また，予言者，聖見者，
啓示を受ける者の重要性と，ほかの教会指導者との関
係についても触れます。
(2-1)神託とは何か
教義と聖約で使われている「神託」という言葉は，
英語の「oracle」を翻訳したもので，このroracle」に
は少なくとも3つの意味があります。ブルース。R・
マッコンキー長老は次のように説明しています。
「1.予言者を通して神から与えられた啓示を意味
「イエスのあかしは，すなわち預言の霊である」（黙示19:10)
いる。(教義と聖約124:39)｣(｢モルモンの教義｣p.547)
する。（使徒7：38；ローマ3：2；へブル5：12)大
生ける神託(oracle)として主の代理人を務める人
管長会は『全教会のため神託を受くるために』（教義と
が，教会員によって，予言者，聖見者，啓示を受ける
聖約124:126)任命される。これらの啓示すなわち神
者として支持されます。
託が人々に与えられるとき，それを受ける者は，明ら
かにされた光の中を歩むという厳粛な義務を負うこと
になる。『而してすべて神託を受くる者は，これを決し
（2−2）予言者とは何か
ハロルド。B・リー長老は，次のように教えていま
みとめ
て軽々しきものと認てこれによりて罪の宣告を受け，
す。「広い意味で予言者とは，神の霊感を受け，神のみ
また暴風雨来り，風吹き雨降りて彼らの家を打つ時，
名によって語る人である｡」（『生ける予言者，聖見者，
つまず
蹟きて倒れざらんがために謹みて神託を守るべし｡』
（教義と聖約90：5）
啓示を受ける者の地位』「教会教育者の務め」p､119)
主はモーセに，すべての予言者の中で最も偉大なお方，
2．民のために啓示すなわち神託を受ける人々を意
イエス・キリストについて，次のように告げておられ
味する。（サムエル下16:23)大管長会と十二使徒評議
ます。「わたしは彼らの同胞のうちから，おまえのよう
員会の会員は……教会の予言者，聖見者，啓示を受け
なひとりの預言者を彼らのために起して，わたしの言
る者として任命し支持されているので，生ける神託
葉をその口に授けよう。彼はわたしが命じることを，
(oracle)である。すべて福音を宣く伝える者は，啓示
ことごとく彼らに告げるであろう。」（申命18：18）こ
によってそれを行なう義務がある。福音を聞く人々に
れが，神によって召されたすべての予言者に与えられ
対し，みずからが生ける神託としての役割を果たすた
る役割です。
めである。『語る者は，神の御言を語る者にふさわしく
語〔る〕……べきである』(Iペテロ4:11)と，ペテ
ロは述べている。
3．一般的な意味では，神託を受ける神聖な場所を
ヨハネはパトモス島にいたとき，神の使いが「イエ
スのあかしは,すなわち預言の霊である」(黙示19:10)
と宣言するのを聞きました。予言者ジョセフ・スミス
は次のように説明しています。イエスの証を持つ者は
すべて指す。この意味では，特に至聖所と呼ばれた所
「予言の霊をもっており，それによって予言者とされ
のある神殿は，神託(oracle)である。（列王上6:16;
る｡」（｢予言者ジョセフ・スミスの教え」p.269)した
8：6；歴代下5：7；詩篇28：2）そのような場所
がって予言者とは，聖霊の力によって，イエスがキリ
で与えられた神聖な啓示や託宣は，そこが啓示を受け
ストであると知っている人を意味します。
る宮居すなわち，神託(oracle)であることを証明して
「パウロは〔予言の霊について〕コリント人に次の
ワ
'
ように語っている。『そこで，あなたがたに言っておく
る。それゆえ必要とあらば，将来のことを予言し，主
が，神の霊によって語る者はだれも「イエスはのろわ
れよ」とは言わないし，また，聖霊によらなければ，
から受けた啓示を人々に明らかにするのである｡｣(｢地
上におけるメシヤ」2：169）
だれも「イエスは主である」と言うことができない。
〔予言者ジョセフ・スミスはこの箇所を「だれも『イ
エスは主である』と知ることができない」と訳すべき
だと語っている]｣(Iコリント12:3)すなわち，神
のみ言葉を明らかにする賜を享受する人はだれでも，
予言の霊啓示の力を受けている。したがって，ある
意味でその人は，自分に与えられている責任と権限の
範囲内で予言者と言うことができる｡」（ハロルド。B・
リー「教会教育者の務め」pp.119-20)
（2−3）聖見者とは何か
聖見者とは,「肉の眼をもては見えざりしもの｣(モー
セ6：36)を見る人のことです。すなわち｢霊眼」（モー
セ1：11）で見ることにより，ほかの人には理解する
ことができない真理の知識を得る人です。また，「覚り
の眼」（教義と聖約110:1;76:12)を開かれて示現
を見ることにより，過去，現在，未来のそれぞれの時
に必要な事柄を理解し，永遠の真理を解釈し，明確に
ブルース。R・マッコンキー長老は，だれでも予言
することができます。エノクとモーセは，聖典に出て
の賜を受けることができるが，教会全体に対する予言
者はひとりだけである，と述べています。
「もちろん，予言を行なう責任と権威には，等級や
段階がある。すべての教会員は，自分自身の事柄に関
して予言者であるべきである。モーセはこう祈ってい
る。『主の民がみな預言者となり，主がその霊を彼らに
与えられることは，願わしいことだ｡』（民数11：29）
予言はみたまの賜のひとつで，資格あるすべての聖徒
に与えられる。(Iコリント12:10)忠実な教会員は，
『預言することを熱心に求め』るように勧められてい
くる聖見者の例です。（モーセ1:8-11,27-29;
6：35−36；7：21-67参照）モルモン経の次の聖句
は，聖見者の役割について重要な概念を教えています。
「アンモンはこれに答えて，王よ，私はこの記録を
たしか
訳することのできる人を確に教えてさし上げる。その
人はあるものを持っていて，これで見ればどんな昔の
記録でも訳することができる。これは神から授けられ
た賜物であって解訳器と言う。神の命を受けた人のほ
のぞ
かには一人もそれを覗いて見ることはできない。見て
せんさく
はならないものを詮索してそれがために亡びるおそれ
る。(Iコリント14:39)
があるからである。およそ，これを覗いて見よと命ぜ
しかし，教会で役職をもつ者は，自分自身のことに
ついても，自分が管理する組織の事柄についても予言
られる人を聖見者と言う。
者でなければならない。……大管長会と十二使徒評議
員会の会員は……全員が教会の予言者，聖見者，啓示
た人であってこの貴い賜物を神から授かっている，と
を受ける者として支持される。教会に対して与えられ
すると王は『聖見者は予言者よりも偉大である』と
る新しい啓示は，言うまでもなく，地上における神の
実にゼラヘムラの地に住む民の王は，この命を受け
いうことを言った。
言った。
代弁者である大管長によって，人々に明らかにされる。
アンモンは答えて，聖見者とは啓示者であってまた
（教義と聖約21：1−7)」（｢モルモンの教義｣p.606)
予言者でもある。誰も神の全能を受けなければこれよ
教会を導くために主が送られる予言者の召しについ
り大きな賜物を受けることができないが，誰も神の全
ちから
て，ブルース。R・マッコンキー長老は次のように定
能を受ける者はない。しかし，人は大きな能力を神か
義しています。
ら授かることがある。
「真の予言者は，イエスに対する証を持つ人である。
聖見者は過去のことも将来のことも知ることができ
すなわち，イエス・キリストが生ける神の御子であり，
る。聖見者によってよるずのことが示される。すなわ
この世の罪のために十字架にかかられることになって
ち，秘密は明らかにされ，隠れたことは公然となり，
いること，あるいはかかられたことを個人の啓示に
知られていないことは知られるようになる。聖見者に
よって知っている人であり，神から言葉を受け，みた
よってこれらが知られるのであって聖見者でなければ
まの『静かなる細き声』を聞き分ける人である。また
知られない｡」（モーサヤ8:13-17)
オルソン。F・ホイットニー長老は，聖見者の役割
聖なる神権を有し，合法的な管理者であり，地上で神
の代理人を務める権威と権能を授かっている人である。
さらに，福音の真理について啓示を受け，それを同胞
に伝えて，彼らが最高の天において救いを受け継ぐ者
15参照〕予言者は必ずしも聖見者ではないが,『予言者』
となれるように導く，義の教師である。真の予言者は，
という言葉が神の代弁者だけでなく，将来に起こるこ
生ける証し人であり，自分で知識を得て証する人であ
とを予告する者をも意味するならば，聖見者は本来予
8
を次のように説明しています。
「聖見者は予言者よりも偉大である。〔モーサヤ8：
ツォー長老は，啓示を受ける者の働きを次のように説
…
明しています。
鼬､
「啓示を受ける者とは，主の助けを得て未知の事柄
を知らせる人のことである。未知の事柄とは新しいま
籍
たは忘れられていた真理であるし，もしくはすでに知
られている真理を人の必要に応じて，新しいまたは忘
れられている方法をもって適用するということであるc
輌甜
啓示を受ける者は常に真理を，それも確かな真理を扱
：
う。（教義と聖約100:11)そしてその真理は，神の承
認を得てもたらされる。啓示はいろいろな方法で受け
蝉
ることができるが，啓示者は聖なる啓示のみたま，す
なわち真理のみたまに調和する生活をし，みずからを
驚
整えることが常に要求される。そうして初めて神の
懲
メッセージを受けることができるのである｡」(｢証言と
1卜九
和解」p.258)
エジプトへ売られたヨセフは，給仕役と料理役の夢
を解き明かしたときに，またパロに夢の解き明かしを
告げたときに，啓示を受ける者の役割を果たしました。
（創世40;41:1-36参照）
f
（2−5）神が予言者，聖見者，啓示を受ける者を選
オルソン。F・ホイットニーは聖見者の役割について説明した
言者である。ジョセフ・スミスは予言者であり，聖見
者でもあった。
んで権威を授ける
神の王国は神権政体であって，王国のすべての権能
は，私たちの霊の御父である全能の神のもとにありま
聖見者とは見る人であるが，見るといっても肉眼で
す。神はご自身のみ名によって行動する権威と権能を
見るということではない。聖見者の賜は，神から授け
人に授けられますが，私たちはこの権威と権能を神権
られるものである。ジョセフは『モーセのごとき』者
と呼んでいます。生ける予言者，聖見者，啓示を受け
であり，神と顔を会わせて相見たモーセは，そのとき
る者は，神から授けられたこの神権を有しています。
の様子を次のように説明している。｢今やわれこの目を
予言者ジョセフ・スミスは，次のように記しています。
以て神を見奉りき･されど，肉眼にてはあらず霊眼を
「その〔メルケゼデク〕神権は，神権政体の完全な律
以て見奉りたるなり。何となればわれ肉眼にて見奉り
法であり，神に代わって人々に律法を与え，アダムの
はず
得る筈なかりし故なり。そは，神の御前に齢てはわれ
息子や娘に永遠の生命をもたらすものである｡」(｢予言
しぽ
枯れ萎みて死にしならんためなり。されど，神の栄光
者ジョセフ･スミスの教え｣p.322)したがって，神権は
わが上にありて，われ御顔を見奉りたり。これ神の御
神の政体なのです。律法を与え，施行し，裁きを下す
前に齢て,わが身の変りし故を以てなり｡』〔モーセ1：
権能は，神だけが持っておられます。生ける予言者，
11]これが，末日の聖見者〔ジョセフ･スミス〕によっ
聖見者，啓示を受ける者は，神によって選ばれ，聖任
て明るみに出された古代の聖見者の証である｡」(｢土曜
されます｡(出エジプト3:10;モーセ6:26-27;z
の夜の思い」pp.39-40)
レミヤl:5;ヨハネ15:16参照）だれもこの務めを
自分で得ることはできません｡(へブル5：4；出エジ
（2−4）啓示を受ける者とは何か
古代バビロンのネブカデネザル王は，解き明かしの
わからない夢を見ました。（ダニエル2:1-13参照）
プト28：1参照）
パーレー・P・プラット長老は次のように説明して
います。
「夜の幻のうちにこの〔夢の〕秘密がダニエルに示さ
「立法権，司法権，行政権はすべて主にある。主は
れたので｣，ダニエルは王に｢秘密をあらわすひとりの
律法を啓示し，役員を選び，任命し，また随意に役員
神が天におられます」と告げました。（ダニエル2：
を叱責し，正し，変更する権利を有しておられる。ゆ
19,28）啓示を受ける者は神から秘密を示され，その
えに主と主の教会の間には，直接の啓示による絶えざ
真理をほかの人々に伝えます。ジョン．A・ウイッ
る交通が必要なのである。その事実を示すものとして，
9
聖典の中に過去の実例が記録されている。
この政体はエデンに始まる。神はアダムに地を治め
るように命じ，律法を与えられた。
それは，アダムからノアへ，ノアからメルケゼデク，
（2−6）現代の予言者，聖見者，啓示を受ける者は，
大管長会と十二使徒定員会の会員だけである
教会には多くの教会幹部がいますが，予言者，聖見
者，啓示を受ける者として支持されるのは，大管長会
アブラハム，イサク，ヤコブ，ヨセフ，モーセ，サム
と十二使徒定員会の会員だけです。以下の図はそれを
エル，予言者たち，ヨハネ，イエス，使徒たちへと，
表わしたものです。
絶えることなく受け継がれた。これらの人々は皆，民
によって選ばれたのではなく，主によって選ばれたの
であった｡」（『宣言』「ミレニアルスター」1845年3月
号,p.150)
主は予言者，聖見者，啓示を受ける者を召して，神
権の権能と，主のみ名によって行動するために必要な
諸々の鍵とを授けられます。その鍵が大管長会の権限
です。ジョセフ。F・スミス大管長は次のように記し
ています。
十三熊会＞
予言者，聖見者，
啓示を受ける者
七十人第一定員会
管理監督会
、／
教会幹部
教会には秩序が必要ですから，教会全体の予言者，
「しかし，この権能の下に執行されるすべての事柄
は，適切な時に，適切な場所で，正しく，秩序に従っ
て行なわれなければならない。これらの働きを指示す
る権威が，神権の鍵である。すべての鍵は一時にただ
ひとりの人，すなわち予言者であり，大管長である人
だけが所有している。大管長はこの権威のいかなる部
分でも他の人に委任することができる。その場合，そ
の人がその部分の鍵を所有するのである｡」(｢福音の教
聖見者，啓示を受ける者として仕える人は，同時代に
義」p.132)
もちろん人々には，全体一致という権利があります。
た人々のことである。この賜は，民を教える際に与え
（教義と聖約20：65−66；26：2参照）すなわち，指
導者として選ばれた人々に管理されることに対し，支
持または不支持を表明できるのです。しかし，推薦や
解任をすることはできません。推薦や解任は，さらに
高い権能をもつ人が行ないます。パーレー･P･プラッ
ト長老は，この原則を次のように説明しています。
「もとより権能を授けるのは人々ではない。またそ
ひとりだけです。その人には，独自の役割と「特別な
みたまの賜」が与えられます。J・ルーベン・クラー
ク・ジュニア副管長は，様々な教会幹部に与えられる
賜についてこのように述べています。
「教会幹部の中で特別な召しを受けてきた人がいる
ことを心に留める必要がある。それは特別な賜を与え
られ，予言者，聖見者，啓示を得る者として支持され
られる特別なみたまの賜である。彼らは神のみこころ
とみ旨を宣く伝える権利や権威，権能を所有している
のである。そしてそれは大管長が有する総括的な権威，
権能の下に従属する。ほかの教会幹部には，この特別
なみたまの賜と権能が与えられていない。決定された
範囲内で行動するだけなのである。教えを宣く伝える
際のこの権威と権能の制限は，教会の全役員および会
員に適用される。なぜなら彼らのうちだれも予言者，
の権能を取り去ることも彼らにはできない。たとえば，
聖見者，啓示を受ける者として特別なみたまの賜を与
イエス・キリストの12人の使徒を選んだのは人々では
えられていないからである。このように大管長は特に
ないし，挙手によって使徒職を取りあげることも人々
深遠なみたまの賜を有している。なぜなら大管長は教
にはできなかった。
会全体の予言者，聖見者，啓示を受ける者だからなの
古代に王国が存在していたように，現在，回復され
である｡」（『指導者の言葉が聖典と見なされる場合』
た王国がこの地上にある。その偉大な現代の使徒であ
「チャーチニューズ」1954年7月31日,pp.9-10)
り，予言者であるジョセフ・スミスを選んだのは人々
主は教義と聖約の中で，大管長を予言者，聖見者，
ではない。彼を選んだのは神であり，示現や天からの
啓示を受ける者とはっきり呼んでおられます。「また，
ご自身の声によって，かつてほかの予言者たちを選ん
大神権の職を管理する長たる者の義務は全教会を統轄
だと同じ方法で選ばれたのである｡」（『宣言』p.150)
すべきものにして，モーセの如くあるべし。すなわち，
全体一致の原則を通して，教会員も，神聖な権威あ
見よ，この教会の頭首に神の与えたもうあらゆる賜を
る啓示を受け入れることを表明します。しかし，予言
有し誠に彼は聖見者たり，啓示を受くる者たり，翻訳
者に与えられた啓示を無効にすることはできません。
者たり，また予言者たり，ここに智恵現わる｡」（教義
と聖約107:91-92)
Z0
（2−7）研究課題と応用
1．予言者，聖見者，啓示を受ける者の必要性につい
て感じていることを簡潔に書きなさい。
ついて，以下の聖句は何を教えていますか。教義
と聖約68:14-20:107:22-26,33-34;120;
124:138-39｡
2．以下の参照聖句は，神が常に予言者を選んで召さ
ジョセフ・フイールデイング・スミス大管長の次の
れたことに関するものですが，これらの聖句を読
言葉は,教義と聖約107：24-26の意味を明確にしてい
んで印をつけなさい。創世6：13−22；12：1；
ます。
17：1；26：1−5；出エジプト3:1-10;ヨ
「大管長会が解散すると，新たに大管長会が組織さ
シユア1：1−2；イザヤ6：1，8−9；エレ
れるまで，十二使徒定員会が教会の管理定員会になる。
ミヤ1:4-10;エゼキエル1:26-2:5;ヨ
十二使徒定員会はその間，実質上，大管長会すなわち，
ナ1：1−2；ルカ6：13；ヨハネ15：16；使徒
管理定員会になるのである。もし万一何らかの理由で
13：1−3．
3．現在の予言者，聖見者，啓示を受ける者の名前を
すべて覚えなさい。
4．次の質問に答えなさい。(a)私たちがほかのだれよ
このふたつの定員会が両方ともなくなった場合には，
教会を管理する責任は七十人第一定員会に移り，七十
人が管理定員会となる。
ここで言っておかなければならないと思うが，大管
りも予言者，聖見者，啓示を受ける者に目を向け，
長会が十分に正しく組織されている場合には，十二使
その勧告に従う必要があるのはなぜですか。(b)聖
見者の働きと，予言者や啓示を受ける者の働きの
徒定員会が大管長会と同等の権能を持つことはあり得
関連性について，モーサヤ8：13-17は何を教え
同時に存在することはあり得ない。そのようなことに
ていますか。(c)聖見者にはどのような特権があり
なれば,混乱を招くからである｡」（『大管長会と十二使
ますか。（ジョセフ･スミス2：35；モーサヤ8：
徒評議員会』「インプルーブメント・エラ」1966年11月
13；28：13-16参照)(d)大管長会，十二使徒定員
号,p.979)
ない。等しい権能を持つふたつ，あるいは3つの頭が
会，七十人第一定員会および管理監督会の関係に
ZZ
3章
生ける予言者
地上の予言者，聖見者，啓示を受ける者の中からひ
とりが主によって選ばれ，他の使徒よりも高い召しを
（3−｜）生ける予言者に与えられる啓示は，真の宗
教の基盤である
ジョン･テイラー大管長は，「啓示が存在するという
与えられます。その人は教会全体を管理し，「教会の大
神権の大管長」（教義と聖約107:65)と呼ばれ，教会
原則は……私たちの宗教のまさに基盤である」（｢説教
員と全世界の人々に対する主の代弁者になります。
集｣p.371)と述べています｡予言者アモスはこう宣言し
「教会員でない人々は，〔予言者〕の召しの重要な意
ました｡「まことに主なる神はそのしもべである預言者
味に気づかないであろう。末日聖徒でさえ，その意味
をまだ悟っていない人々がいる。だが，教会の大管長
は事実，この未の時代に，末日聖徒に限らず全世界の
にその隠れた事を示さないでは，何事をもなされな
い｡」（アモス3：7）リグランド・リチャーズ長老は，
民を霊感により導くべく召された予言者なのである｡」
予言者に知らせずに，み業を行なわれたことは一度も
（『良識の民』「大会報告1970-72｣p.302)
予言者の召しは非常に重要なものですから，生ける
この聖句を次のように説明しています｡｢主が頭である
なかった｡」（｢大会報告」1975年10月,p.75)
「神が予言者を通さずにみ業を行なわれることはあ
予言者の役割と，その導きに従う必要性とを理解する
りません。アダムの時代からすべての神権時代を経て
ことが大切です。主は予言者について何と言っておら
現在に至るまで，教会の歴史の中で，神が予言者を通
れるでしょうか。生ける予言者はどのくらいの頻度で
さずに人々に働きかけられたことは一度もないのです。
啓示を受けるのでしょうか。その啓示をどのような方
これは，主イエス・キリストの福音の根本的な原則
法で人々に伝えるのでしょうか。生ける予言者と主の
です。神は予言者を通さずにはみ業を行なわれないの
教会はどのような関係にあるのでしょうか。予言者が
です｡」（マーク･E・ピーターセン『神から召されね
教会を誤った道へ導くのを，主は許されるでしょうか。
ばならない」「年度講話，1979年」p.180)
これらの質問の答えから，神の王国で永遠の生命にあ
ずかるうえで役立つ知識が得られます。
スペンサー．W・キンボール大管長は，主が生ける
予言者に啓示を与えて日々教会を導いておられること
を証しています。また，古代の民のように，メッセー
ジが劇的な方法で与えられないという理由で予言者を
拒むことがあってはならない，と警告しています。
「今日，私は世の人々に証する。今から1世紀半以
上前に……天が再び開かれ，それ以来，啓示は続いて
いる。。….．
1820年のあの記念すべき日から，数多くの重要な啓
示が，神から地上の予言者に絶えることなく下され，
聖典に追加されている。……
啓示は続き，時々刻々ともたらされる啓示が教会の
保管庫やファイルに収められるということを，私たち
は世に証する。1830年に末日聖徒イエス・キリスト教
会が組織されて以来，時が続く限り，神とその民に認
められる予言者が絶えることなく主のみ旨とみこころ
を説き続けることを，私たちは証する。
さて，これは警告である。昔ながらの過ちを繰り返
さないようにしよう。現在は大勢の信徒がアブラハム，
モーセ，パウロを信じながら，現代の予言者を否定し
ている。古代の民もそれ以前の予言者を受け入れなが
マーク。E・ピーターセンは「神が予言者を通さずにみ業を行
なわれることはない」と語った
7ワ
J／ざ
ら，同時代の予言者たちを非難し，呪っていた。
今の時代も昔と同じように，啓示が下るときには，
おそ
地が震え，怖るべき示しを伴うはずだと考える人が大
ちはこの予言者を怒って追い出し，その上この予言者
勢いる。したがって，モーセの時代，ジョセフの時代，
を殺すあらゆる手段をめぐらし，この予言者があなた
あるいは私たちの今の時代に下される数多くの啓示は，
たちの行いは悪いと証をすると，かれは偽りの予言者
多くの人にとって啓示として受け入れ難い。それらの
である，罪人である，悪魔から来た者であると言う。
啓示は，天より下る露，あるいは夜の闇を払う朝日の
これは主が確にいますように確であるから，あなたた
ようにやって来て，予言者の知と情に深く消し去るこ
ちは昔の人たちよりもさらに悪い｡」（ヒラマン13：
とのできない印象を与えるものだからである。
24-26）
華々しいことを期待する人は，絶えず下される啓示
現代人の多くもまた，過去の予言者を敬いますが，
の流れに十分な注意を払っていないと思う。私は心か
主がこの時代の人々を導くために遣わされた現代の予
らへりくだり，しかし心に力強く燃える証をもって申
言者を受け入れようとしません。ハロルド。B・リー
しあげる。回復の予言者から現在の予言者に至るまで，
大管長は，この傾向を表わす話をふたつ紹介していま
天との交流の糸は切れず，権能は続き，光は鋭く鮮や
す
。
かに輝き続けている。主のみ声は間断なく奏でる調べ，
「私にはニューヨークの銀行に勤めている友人がい
とどろく力である。1世紀半の間，それが途絶えたこ
る。私は数年前に，当時東部諸州伝道部を管理してい
とはなかった。
たジェイコブソン伝道部長と一緒にその友人のもとを
あつ
孤立する必要はない。信仰篤い人はだれでも自分自
訪れ，ずいぶんと話し合った。それ以前に，彼はジェ
身の限られた王国のために霊感を受けることができる。
イコブソン伝道部長からモルモン経をもらい，すでに
しかし，主は現在はっきりと予言者たちを召し，隠れ
それを読んでいた。「すばらしい教えですね』と言いな
たことを彼らに示しておられる。昨日も，きょうも，
がら，彼はモルモン経のことをいろいろと話した。勤
そして明日も。それが真実である｡」（『啓示一主が予
務時間が終わる頃，彼は私たちに，伝道本部まで車で
言者に伝えるみ言葉』「聖徒の道」1977年10月号,pp.
送りましょうと言ってくれた。私たちはそうしてもら
512-13)
うことにした。その途中，彼がモルモン経について話
きぺん
救い主に従って，悪魔の欺きや論弁から逃れたいと
し，その教えに対する自分の気持ちを述べてくれたと
願う人は，主の予言者に従うことでしょう。なぜなら，
き，私はこう言った。『それでは，なぜあなたは行動を
「救い主は絶えることのない啓示により，今日聖徒た
起こさないのですか。モルモン経を受け入れていなが
ちのただ中にあって統治しておられる｣からです。（ハ
ら，何をためらっていらっしゃるんですか。どうして
ワード。W・ハンター『だれも書き加えたり，取り除
教会にお入りにならないんですか。どうしてジョセ
いたりしてはならない』「聖徒の道｣1981年9月号,p.
フ・スミスを生ける予言者として受け入れないのです
1
0
7
)
かc」
すると彼は，考え込み，おもむろに言った。『ええ，
（3−2）生ける予言者の重要性を理解することは不
可欠である
そのわけは，ジョセフ・スミスがあまりにも今の時代
に近いからだと思います。彼が2,000年前の人だった
イザヤ，エレミヤ，エゼキエルをはじめ，何人かの
ら，私は信じると思います。けれども，あまりにも時
古代の予言者たちは，その時代の大多数の民から拒絶
代が近すぎます。だから，予言者として受け入れられ
されました。モルモン経の多くの予言者も同じことを
ないのだと思います｡』
経験しています。予言者サムエルはニーファイ人に次
のように語りました。
わざわい
言い換えればこうである。『昔の予言者は信じます。
でも，現代の予言者を信じることはとてもむずかしい
「まことにこの民は禍である。なぜならば今あなた
です｡』この態度は，神に対しても同じである。現在は
たちは昔の人のように予言者たちを追い出し，これを
すでに天が閉じており，啓示がなくなっていると語る
噛り笑い，これに石をうちつけ，これを殺し，またこ
ことは，生けるキリスト，生ける神を信じないという
れにあらゆる悪い事をしている。
ことである。つまり，キリストと神は死んでから久し
あざけ
そして，あなたたちは話すときに『われわれがもし
先祖の時代に生きていたならば，予言者らを殺し，予
いと考えているのである。以上のことから，この『生
ける予言者』という言葉は大きな意味を持っている。
言者らに石をうちつけ，これを追い出すようなことは
しなかったであろうに』と言っているが，
かつて宣教師の頃，私は伝道部長と一緒にノーヴー
実際に予言者があなたたちの中にきて，あなたたち
とカーセージを訪れた。そして私たちは，ジョセフと
の罪と悪事とを証する主の言葉を宣くると，あなたた
ハイラムが殉教した牢獄で宣教師の集会を開いた。そ
Z3
のとき，伝道部長は，殉教に至った歴史的な出来事に
予言者は，教会におけるいかなる役職をも務めるこ
ついて語り，最後に，次のような意義深い言葉でその
とのできる権能や賜,祝福を受けています。（教義と聖
話を結んだ。『予言者ジョセフ・スミスが殉教したと
約46:29;107:91-92参照）
「教会の大管長は，この世の人間が受けられる最高
き，霊的にジョセフと共に死んだ聖徒たちが大勢いま
した｡』ブリガム･ヤング大管長の死に際しても同様で
あった。またジョン・テイラー大管長の場合も同じで
王国の地上における頭であり，教会の最高責任者であ
ある。皆さんは今日も，ジョン・テイラー大管長に啓
り，『教会の大神権の大管長……言を換えて言わば……
示されたと言われる事柄をよく引用する。確かにテイ
教会の大神権の管理大祭司』(教義と聖約107：65-66）
ラー大管長は数多くの啓示を受けた｡しかし,今日マッ
である。大管長の義務は，『全教会を統轄すべきものに
の役職と最大の賜を全能者から授かる。大管長は神の
ケイ大管長の告げる事柄以上に果たして権威があるで
して，モーセの如くあるべし。すなわち，見よ，この
あろうか｡皆さんはどうお考えだろうか｡ウイルフォー
教会の頭首に神の与えたもうあらゆる賜を有し誠に彼
ド・ウッドラフ，ロレンゾ・スノー，ジョセフ。F・
は聖見者たり，啓示を受くる者たり，翻訳者たり，ま
スミス，ヒーバー・』・グラント，ジョージ・アルバー
た予言者たり，ここに智恵現わる｡』（教義と聖約107:
ト・スミスの各大管長が亡くなったときに，霊的に死
91-92；21：1）
んでしまった教会員たちがいる。今でも同じ問題があ
その人の言葉を今日の生ける予言者の言葉よりも権威
大管長は，王国の完全な鍵を有して行使できる『こ
の世に齢て一代唯一人の』人である。(教義と聖約132:
7）大管長に授けられた権威により，福音のすべての
あるものとして受け入れているのである｡」(『生ける予
儀式が執行され，救いの真理に関するすべての教えが
言者，聖見者，啓示を受ける者の地位』「教会教育者の
認可される。そして，大管長の有する鍵を通して，そ
務め」pp.117,119)
スペンサー。W・キンボール長老はこのように述べ
の時代の人々に救いそのものがもたらされるのであ
ています。「教会においてさえ，過去の予言者の碑を飾
り立てて，心の中で生ける予言者に石を投げつけてい
pp､591-92)
神権の鍵は，古代の予言者から現代の予言者へと引
る者が大勢いる｡」（『主の僕，予言者へ』「インストラ
き継がれてきました。この地上における最初の父，私
クター｣1960年8月号,p.257;マタイ23:29-30,34
たちの偉大な先祖アダムは，聖なる神権の鍵を受けた
参照）私たちはキンボール大管長の次の質問を自分自
初めての人でした。予言者ジョセフ・スミスは次のよ
身に問いかけてみるとよいでしょう。｢あなた方も死ん
うに教えています。「神権は最初にアダムに与えられ
だ予言者のために碑を建て，何年も前に死んだ人のた
た。彼は大管長会の権能を得，その鍵を代々にわたっ
めに墓を建てて，今生きている人々をないがしろにし
て保持した｡」（｢予言者ジョセフ･スミスの教え｣p.157)
ていないだろうか｡」（｢大会報告｣1949年10月,p.123)
アダムはその権能を自分の子孫に譲り渡しました｡(ウ
エズラ・タフト・ベンソン会長は，生ける予言者に
イルフォード・ウッドラフ「説教集」16:264参照）そ
まず目を向けるという大切な原則を教えています｡｢最
の結果，「アダムから現在までつながった，権威と権能
も大切な予言者は，皆さんや私について言えば，現代
の鎖ができたのです｡」（｢予言者ジョセフ･スミスの教
の生ける予言者，すなわち主が私たちに関するみここ
え」p.191)
る。一部の人々は，すでに死んでしまった人を信じ，
ろを現在表わしておられる予言者です｡」(『予言者に従
う14の原則』「聖徒の道」1981年6月号,p.2)
る｡」（ブルース。R・マッコンキー「モルモンの教義」
神権とその鍵は，正当な系譜を経て私たちの時代ま
で引き継がれてきました。ジョセフ・スミスは，イエ
スの使徒ペテロ，ヤコブ，ヨハネから神権の鍵を受け，
（3−3）生ける予言者は聖なる神権のすべての鍵を
彼らはイエスから直接それを受けました｡(マタイ16：
19;18:1,18;教義と聖約27:12-13参照）そのほ
有する
生ける予言者は，地上における神の管理大祭司とし
て，主のみ業を管理する諸々の鍵を有しています。
「これらの鍵とは管理の権限であり，地上で主のみ
業のすべてを指導し，管理する権能，権威である。こ
れを保持する者は，他の人々が神権者として働く仕事
かにも，神権の鍵を持つ古代の予言者たちがジョセ
フ・スミスのもとを訪れて，各々の権能を授けました。
（教義と聖約110:11-16;128:20-21参照）
ジョセフ・スミスに与えられた鍵と権威は，代々の
大管長に引き継がれてきました。
そな
を管理し，監督する権能を具えている｡」（ジョセフ・
「ジョセフ・スミスが有していたと同じ権能，また
フイールディング･スミス『永遠の鍵と管理する能力』
管理権として神より託された権限そのものである同じ
「大会報告1970-72｣p.321)
14
鍵と権威が，彼によって，ブリガム・ヤングを長とす
資格がないからである。
偽りの予言者はあらゆる時代に現われたが，私たち
の時代にもいる。彼らの中に，聖なる権能の鍵を持つ
者はひとりもいない。鍵を持たない偽りの予言者は，
にようはち
『やかましい鐘』であり，『騒がしい饒鉢』である。
神の真の予言者は，神聖な鍵と，それを行使する権
限を持っているのである。……
聖典に定められている方法で神から授けられた神聖
箪鍵議蕊識
な召しの鍵を有していることが，真の予言者の確実な
しるしである｡」（｢義のために」pp.59-60)
（3−4）教会のすべての指導者は，生ける予言者の
指示のもとに働く
壗輯
萱]晶暉_弘一輔韻
「神は，モーセと神の関係と，アロンとモーセの関
hI
係を次のように述べておられる。『あなたは彼に語って
鍔試澤唾
言葉をその口に授けなさい。わたしはあなたの口と共
毎
にあり･･･…あなたがたのなすべきことを教え……彼は
あなたの口となり，あなたは彼のために，神に代るで
あろう。』（出エジプト4:15-16)
主の予言者である大管長，予言者，聖見者，啓示を
ゴードン。B・ヒンクレーは，鍵と権威の途切れることのない
鎖について語った
受ける者と，彼から権能を委任される者との関係を明
らかにする言葉として，これに勝るものはないと思
る十二使徒会に授けられたのです。そのとき以来，す
う｡」（ハロルド。B・リー『生ける予言者，聖見者，
べての大管長は，十二使徒評議員会を経て，その最も
啓示を受ける者の地位』「教会教育者の務め」p.120)
気高く神聖な職に就いてきました。これらの人々はい
ずれも，いと高き所より啓示のみたまと力を与えられ
教会の第二の長老であったオリヴァ・カウドリは，
主から次のように告げられました。
てきました。また，予言者ジョセフ・スミスからスペ
「オリヴァよ’見よ，われ汝に告ぐ。わが与えたる
ンサー．W・キンボール大管長まで，歴代大管長は途
啓示と誠命とに関し，かの「慰め主』によりておよそ
切れることなく一本の鎖として結ばれているのです。
汝が教うるすべての事は，われ教会の人々をしてこれ
そのことを，私はきょう，皆様に厳粛に証申しあげま
を間かしむるなり。
す。この教会は予言と啓示の確かな言葉の上に築かれ
されど見よ,誠にまことにわれ汝に告ぐ｡わが僕ジョ
ています。それは，パウロがエペソ人に次のように書
セフ・スミス（二代目）のほか，何人たりともこの教
き送っているとおりです。『あなたがたは，使徒たちや
会に齢てわが誠命と啓示とを受くるために任命せらる
預言者たちという土台の上に建てられたものであって，
ることなし。そは，彼は正にモーセの如くわれより啓
キリスト・イエスご自身が隅のかしら石である｡」（エ
示と誠命とを受くる者なればなり。
ごと
ペソ2：20)」（ゴードン。B・ヒンクレー『ジョセフ・
されば，汝はわが彼に与うるところに就きて正にア
スミス三世に関わる記録と王国の鍵」「聖徒の道｣1981
ロンの如くこれに従い，以て能力と権威とによりて教
年9月号,p.33)
会員に誠命と啓示とを忠実に告げ知らすべし。
いましめ
マーク。E・ピーターセン長老は，神権の鍵を有し
汝は何時にても，もしかの「慰め主』に導かれて説
ていることが真の予言者の確実なしるしであると指摘
きもしくは教えんとする時は，或いはもし，いつも誠
しています。
命として教会員に語らんとする時は，汝はこれをなす
ある
「ジョセフ・スミスがはっきりと述べているように，
神権の鍵は，神の予言者として仕えるすべての人に不
可欠である。予言者は神の権威を受けなければならな
い。そうでなければ，彼の言葉には何の効力もない。
また，神から召され，律法にかなった任命を受けてい
なければならない。そうでなければ，予言者としての
ことを得くし。
されど，汝は神の誠命として何事も誌すべからず。
ただ汝の智恵より出でたるものとして誌すべし。
また，汝は己が上に長たる者にしてまた教会の長た
るものに命令すべからず。
われは，わが代りの者を命ずるまで彼に奥義の鍵と
Z5
封じたる啓示とを与えたればなり。」（教義と聖約28：
でただひとりの神の代弁者である。神のみ旨とみここ
ろを民に宣言できるのは，大管長だけである。教会の
1−7）
また副管長のシドニー・リグドンは，主から次のよ
うに告げられています。
「わが僕シドニ−よ。汝がこの民に語る代弁人とな
るは必要なり。誠に，われ汝をこの天職に聖任せん。
すべか
ほかのいかなる役職にある人も，この崇高な権限と特
権を有してはいない。
したがって，だれであれ大管長以外の人が，大管長
から特別な許可を受けずにこれらのことを行なおうと
すなわち，汝須らくわが僕ジョセフの代弁人たるべ
するなら，その人は『聖霊によりて感ずるままに』（教
し
。
義と聖約68：3）行動しているのではないことがわか
而して，われは彼に強き証を為す能力を与えん。
また，汝が彼の代弁人たらんがためにすべての聖典
を力強く釈き明す能力を汝に与えん。また彼は，汝が
この世に齢けるわが王国の事に就けるよろずのことの
確実なるを知らんがために汝にとりて啓示を与うる者
る。……
予言者，聖見者，啓示を受ける者，教会の大管長以外
の者が，ある事柄に関して，『聖霊によりて感ずるまま
に』語っているのではないことを判断するための原則
となるべし｡」（教義と聖約100:9-11)
である。
同様に，現在の教会幹部には，主の代弁人となって
「能力と権威とによりて教会員に誠命と啓示とを忠実
に告げ知らす」責任と特権があります。（教義と聖約
28：3）この「誠命と啓示」は，主によって予言者に
与えられます。教会幹部は，予言者から派遣されて指
示されるままに語り，また「『慰め主』に導かれて説き
もしくは教え」るのです。（教義と聖約28：4）主はそ
大管長以外の人が，教会の指導について神から啓示
を受けたと宣言するなら，その人は『聖霊によりて感
次に繰り返し述べる基本的な原則は，管理大祭司，
ずるままに』語っているのではないことがわかる。
また，大管長以外の人が，教会の聖典が修正，変更
あるいは破棄されたと宣言するならば，大管長から直
接指示や権限を受けていない限り，その人は『聖霊に
よりて感ずるままに』行動しているのではないことが
の僕たちに次のように宣言されました｡｢およそ聖霊に
わかる。……
感じたる時語るところはことごとく聖典の言となり，
主の意となり，主の精神となり，主の言となり，主の
大管長以外の人が，未解決の教義を確定した教会の
教義として宣言するならば，大管長から指示と権限を
声となり，世を救いに導く神の能力となるべし｡」（教
受けていない限り，その人は『聖霊によりて感ずるま
義と聖約68：4）
まに』語っているのではないことがわかる。
こころ
私たちは以上のことについて揺るぎない確信を持っ
（3−5）教会全体に対して，また全教会員のために
語る権威を持つのは生ける予言者だけである
この地上ですべての神権の鍵を持つ人は，主の予言
者ただひとりですが（教義と聖約132：7参照)，教会
全体に関する啓示を受ける権能を持つのも主の予言者
ただひとりです。副管長も，十二使徒定員会の会員も，
あるいは教会のほかのいかなる役職にある人も，予言
てよい。疑問や言い逃れの余地はないのである｡」（『教
会指導者の言葉が聖典と見なされる場合』「チャーチ
ニユーズ」1954年7月31日,pp.10-11)
これらの原則は，主から与えられた次の言葉と調和
しています。
しか
「聴け，わが教会の長老らよ･而してわれ汝らに告
げんとする言に耳を傾けよ。
者の許可を受けずに，公式の教義を宣言したり，方針
見よ，誠にまことにわれ汝らに告ぐ，汝らはわが手
を変更したり，主の代理人として語ったりすることは
より誠命と啓示とを受くる様聖職に任命したる者より
できないのです。この原則について,J・ルーベン・
教会の律法として誠命を受けたり。
クラーク・ジュニア副管長は次のように述べています。
われが汝らに任命したる者は，もしわれに背かざれ
「ここで私たちが心に留めて理解しなければならな
ば，彼が取り去らるるまで誠命と啓示とを受くるため
いことは，教会の管理大祭司である大管長だけが，教
会のための予言者，聖見者，啓示を受ける者として支
に何人といえども他に任命さるることなし。このこと
持されるということである。また大管長だけが，新た
なものであれ修正されたものであれ，教会に対する啓
されど，誠にまことに汝らに告ぐ。彼によるにあら
ざれば，何人もこの賜を受くるために任ぜらるること
示を受けたり，教会員を拘束する権威ある解釈を聖典
なし。そは彼この賜を失うときは，自己の代りとして
に施したり，現在の教義に何らかの変更を加えたりす
他の一人を任命する権能のほか何ものをも有せざれば
る権限を有するということである。大管長は，唯一真
なり。」（教義と聖約43：1−4）
の教会である，末日聖徒イエス・キリスト教会の地上
16
を汝ら確に知るべし。
予言者は地上における主の唯一の代弁者として，教
会が正しい道をたどれるように導く権能を授かってい
雄弁である必要もない。なぜなら神が語られるから
ます。デルバート｡L・ステイプレー長老は次のよう
である。主は人の弱きを強きに変えてみ言葉を伝えら
に証しています。
れる。主はモーセのかよわい声を力強い声に変え，若
「兄弟姉妹に証申しあげる。神は予言者を認め，支
持しておられる。今日この世に，予言者以外にこのよ
うな立場にある人はいない。なぜなら，彼は予言者，
聖見者，啓示を受ける者としての聖なる召しを授かり，
きエノクに人を震えあがらせる力を与えられた。モー
セもエノクも神と共に歩んだからである。
主は言われた。『わが声にて言わるるも，僕らの声に
て言わるるもみな一つなり｡』（教義と聖約1：38）
この時代に地上にあって主の代理をする人だからであ
世に必要なのは，清く，信仰深く，自分の名を汚す
る。教会全体に関する啓示を受ける権利を持つ者はほ
ことなく神のように振る舞い，愛される夫，誠実な父
かにいない。すべての人がこのことを理解していれば，
として模範を示す予言者である。
教会や崇高な原則から引き離そうとねらっている者た
ちにかき乱されることはないであろう。……
予言者は，祭司や牧師や長老以上の人でなければな
らない。彼の声は，新しい計画，新しい真理，新しい
そして，偽りの教師やキリスト反対者の介入を防ぐ
解答を啓示する神の声となるのである。私は予言者に
ために身を固めるのである。そのような者が実際に私
完全無欠を要求するつもりはないが，神から権威ある
たちの群れの中にいるのである｡」（｢大会報告｣1953年
者として認められなければならない。任命されず，権
1
0
月
,
p
.
.
7
0
)
能もないのに職を受けたつもりでいる人は世に大勢い
聖徒たちは決して欺かれる必要はありません。なぜ
るが，予言者はそうであってはならない。主と同じよ
なら主が誤解の余地のない指導方法を定めておられる
うに，『律法学者たちのようにではなく，権威ある者の
からです。主は予言者について，教会員に次のように
ように』（マタイ7：29）語らなければならない。
述べておられます。「汝ら教会員は，彼が上より受くる
予言者は，制限を緩めようという人々の声に対して
ままに汝らに与うる誠命と彼の言とを皆心にとめてよ
も，勇敢に真理を語り，神から与えられた自分の務め
く聞き，……あたかもわが口より聞くが如くにこれを
と任命の神聖さと，人を召して聖任し，永遠の生命へ
受け入るべきなればなり｡」（教義と聖約21：4−5）
の道を開く鍵を渡す権能が自分にあることを確信して
「主は，過去に人々に告げた事柄と違った事柄を告
げようとなさるときには，だれかれの区別なく語るの
ではなく，主の予言者にそれを語られることだろう。
いなければならない。
彼は古代の予言者たちのように,『天に舩ても地に齢
ても，福音を信ぜず教えにそむく者たちに対する証詞
「君は，主がこの世にいる予言者を差し置いて直接主
を結び固むる権能……，また，誠に神の怒り限りなく
の民に諸々の事柄を明らかになさると思いますか。予
悪しき人々の上に注がるる日まで，……彼らに対する
言者がいるのはそのためなんですよ。主はこの教会に
証詞を結び固むる』（教義と聖約1：8−10)絶対の権
何かを与えようとするとき，それを大管長に告げられ
能を持っている。また，『何にても地に齢て汝の結び固
ます。そして大管長は教会幹部と同時に，ステーキ部
むるところは天に総ても結び固められ，何にても地に
長と伝道部長にそれを伝えます。それを受けたステー
齢て汝のわが名によりわが言によりて結ぶところは天
キ部長と伝道部長は，自分の担当する地域の教会員に
に総て永遠に結ぱるくし。……また，何者の罪にても
伝えることになっています｡』」（ハロルド。B・リー｢生
汝地に砂て留むるところの罪は天に齢て留められん』
ける予言者，聖見者，啓示を受ける者の地位』「教会教
育者の務め」pp.121-22)
（教義と聖約132：46)と主が言われる大いなる権能を
持っている。
必要なのはパロではなくてモーセであり，ベルシャ
（3−6）予言者は神からの任命以外に，何の資格証
明も必要としない
ザルではなくてエライジャ，ポンテオ・ピラトではな
くてパウロである。
そな
「主の予言者になるには，すべてが具わった人であ
予言者は家や学校や高層ピルを建てる建築家である
る必要はない。若々しい運動家，実業家，資本家，農
必要はない。しかし，今も永遠にわたって耐える建物
学者である必要はない。音楽家，詩人，芸人，銀行家，
を建て，人と造り主との間の溝に橋を渡す人となる。
医者である必要も，大学の学長，陸軍大将，科学者で
ある必要もない。
フランス語や日本語，ドイツ語，スペイン語を話す
必要もない。ただ，神の言葉を理解し，天よりの教え
世が予言者に従ったときは，進歩があった。しかし
予言者を無視したとき，結果は低迷と隷属と死であっ
た｡」（スペンサー。W・キンボール『予言者が必要で
ある』「大会報告1970-72｣p.72)
を受けることのできる人でなければならない。
Z7
（3−7）主は生ける予言者が教会を誤った道へ導く
のを許されない
次にあげる3人の証は，生ける予言者が教会を誤っ
た道に導くのを主が決して許されないことを明確にし
ています。
「私は皆さんに厳粛に証申しあげる。私たちには，
生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者がいる。私た
ちが頼るのは，……過去の時代の啓示ばかりではない。
．．…現在にも，神がみこころとみ旨を明らかになさる，
神の代弁者がいる。神は決して，この代弁者が私たち
を誤った道へ導くのをお許しにならない。もしそのよ
うにしようとするなら，すでに言われているように，
神はその人の地位を取り除かれるであろう。したがっ
て，皆さんは心配する必要はまったくない。神の王国
の管理運営は主に託そうではないか。予言者個人に関
する事柄についてあら捜しをするのはやめ，予言者を
通して下される啓示に従おう。」（ハロルド。B･リー
『生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者の地位』「教
会教育者の務め」p.124)
「私が何年も昔に監督を務めていたときの経験を紹
ウイルフォード･ウッドラフは，「神は予言者が私たちを誤った
道へ導くのを決してお許しにならない」と述べた
介しよう。私はヒーバー。J・グラント大管長をワー
ド部に招いて話をしてもらった。集会が終わると，車
導くことはできません。神がそれを許されないからで
で彼の家まで送って行った。……家に着くと，私は車
「安全な道は，主から任命された指導者とその勧告
を降りてグラント大管長と一緒に玄関まで行った。グ
ラント大管長は私のそばに立ち，私の肩に腕をまわし
す｡次の引用はその点を明確にしています。
に従うことである。……
この権威と権能の鍵は，教会の大神権の大管長のも
てこう言った。『マリオン，教会の大管長にいつも目を
とにある。大管長以外に，この地上で神の代理人を務
向けていなさい。そして大管長が何かするように言っ
められる人はいない。……
たら，それが間違いであっても，実行しなさい。そう
主の教会は，万物の更新が行なわれる時満ちたる神
すれば，主から祝福を受けるでしょう。』グラント大管
権時代の最後のときに設立された。主はこの教会が堕
長は瞳をきらりと輝かせて，言葉を続けた。『でも，心
落した予言者によって，あるいは主が望んでおられな
配する必要はありません。主の代弁者が主の民を誤っ
い人によって導かれることを許されないのである｡」
た道へ導くようなことを，主は決してお許しにならな
いのですから｡』」（マリオン｡G・ロムニー「大会報告」
1960年10月,p,78)
「イスラエルの人々に申しあげる。主は私であれ，
だれであれ，この教会の大管長の職にある人が，あな
（デルバート。L・ステイプレー「大会報告」1952年
4月,pp.49-50)
「私はイスラエルの神のみ名によって証する。神は，
教会の頭，すなわち頭として立つよう選ばれた者が神
の律法を破り，背教するのを許されない。彼がそのよ
た方を誤った道へ導くのを決してお許しになることは
うな方向に道をとればすぐ、に，神はその者を取り除か
ない。そのようなことは，主のご計画にもなければ，
れる。なぜだろうか。邪悪な人にその地位を占めさせ
主のみこころでもない。もし私がそのようなことをし
ることは，泉を汚させることであり，神はそのような
ようとすれば，主は私からその地位を取り去られるで
ことを決して許されないからである｡」（ジョセフ。F・
あろう。これはまた，だれであれ，人の子らを神のみ
スミス「説教集」24：192）
言葉やその義務から誤った道へ導こうとする者につい
ても言えることである｡」（ウイルフォード・ウッドラ
フ『総大会』「ミレニアルスター｣1890年11月24B[52:
741〕；または「ウイルフォード・ウッドラフ説教集」
pp､212-13)
主のみこころと調和しない人は，決して主の教会を
Z8
（3−8）生ける予言者の特権について忘れてならな
いことは何か
「最後に，これまでお話ししてきた『予言者に従う
14の原則』,つまり私たちの救いがかかっている大切な
鍵をまとめてみましょう。
1.予言者はすべての事柄について主と語る唯一の人
である。
である大管長会を構成する。
14.生ける予言者と大管長会に従う人は祝福を受け，
2．生ける予言者は，私たちにとって標準聖典よりも
重要である。
拒む人は苦難を受ける。
以上の生ける予言者に従う14の原則が真実であるこ
3．生ける予言者は，私たちにとって過去の予言者よ
りも重要である。
とを証します｡」（エズラ・タフト・ベンソン『予言者
に従う14の原則」「聖徒の道」1981年6月号,p、8)
4．予言者は教会員を誤った道へと導くことはない。
5．予言者はいかなる主題について語るときも，また
いついかなる行動を起こすときも，特別にこの世
的な訓練や教育を受ける必要はない。
（3−9）研究課題と応用
1.次の質問に答えなさい。(a)生ける予言者を通して
与えられる啓示が，なぜ私たちの宗教の真髄であ
6．予言者は私たちに聖文を与えるときに，必ずしも
『主かくのごとく言う」と宣言する必要はない。
7．予言者は必ずしも私たちが知りたいと思うことを
り，基盤なのですか。(b)主の代理人である生ける
予言者なしに，主が地上で何事もなさらないのは
なぜですか。(c)教義と聖約1:38で，主が予言者
告げるのではない。知る必要のあることを告げる
の教えについて述べておられる大切なことは何で
のである。
すか。(d)ただひとりの人が地上で神権のすべての
8．予言者は人の論理に制約されない。
鍵を持つことが必要なのはなぜですか。(e)古代の
9．予言者は物心両面にわたりいかなる物事について
予言者の言葉だけでは，現代の私たちに十分でな
も啓示を受けることができる。
いのはなぜですか。(f)生ける予言者が神の教会を
10.予言者は一般社会の問題について勧告を与えるこ
誤った道に決して導かないのはなぜですか。
2．次の言葉を読んで感じたことを簡潔に害きなさい‘
とができる。
1l.予言者に従ううえで最大の障害を持つ人とは，教
養を誇る人と富を誇る人である。
「私たちには予言者があるか，さもなくば無であ
る。私たちには予言者があってこそ，すべてがあ
12．予言者は俗世間の人々から必ずしも好評を博する
ことはない。
る｡」（ゴードン。B・ヒンクレー「感謝を神に捧
げん』「大会報告1973-75｣p.139)
13．予言者とその補佐は，教会における最高の定員会
3．以下の聖句と引用を読み，生ける予言者がどのよ
うな点でモーセのような人なのか説明しなさい。
モーセ1：3，6：教義と聖約28:2:107:9192｡
「どれだけ多くの人々が，『もし私たちにモーセ
のような人がいたら，主の民はもっと違った方向
に導かれ，今よりもすばらしい力の現われを体験
できただろうに」と考えていることだろうか。ま
た，どれだけ多くの人々が，現在神の行なってお
られることに満足せず，説得力のある絶大な権能
を表わす人の出現を今や遅しと待っていることだ
ろうか。あるいは，どれだけ多くの現代人が，自
分の予測や考えと合わない方法で啓示が与えられ
るからといって，神からその民に授けられる非常
に貴重な啓示の賜を否定していることだろうか。
言い換えると，示された驚くべき権能が自分の想
像していたものとは違うからといって，教会のあ
り方が気に入らないと言う人がどれだけ多くいる
ことだろうか。・・…・
モーセが持っていたと同じ啓示のみたまが｡…・・
…
この王国の鍵を持つ者に授けられた。ヤング大管
長の時代も，今の時代も，神の民の中の先任使徒
エズラ・タフト・ベンソンは，予言者に従う14の原則をあげた
として，管理の権能を持つ者に，同じ啓示のみた
Z9
まが授けられるのである。……
啓示のみたまを授かったモーセは，イスラエル
この点について聖徒の間で様々な論議があった
の民を導いて紅海を渡った｡〔出エジプト14：26−
ので，『タイムズ．アンド・シーズンズ』（6：922）
31；へブル11：29参照〕その同じみたまが，この
誌に，当時の編集長ジョン・テイラーが次の声明
民の中の神の僕たちに授けられている。もし皆さ
を掲載した。『啓示によれば,大管長は教会におい
んが彼らの勧告を聞き，その導きに従うならば，
て，イスラエルの子らに対するモーセと同じ立場
あらゆる面で満足を得られるであろう。これは真
にある｡』
実である｡」（ジョージ。Q・キャノン「説教集」
21:268,270-71)
｢現代の啓示の中で，大管長はしばしばモーセ
20
にたとえられている。
教会におけるモーセのごとき者とは，大管長の
ことである｡」（ジョン。A・ウイッツォー「証言
と和解」p.248)
第4章
生ける予言者と聖典
聖典とは何でしょうか。なぜ「標準聖典」と呼ばれ
るのでしょうか。生ける予言者と標準聖典はどのよう
対して，主は啓示の中で，聖典を次のように定義され
ました。
な関係にあるのでしょうか。生ける予言者の言葉はす
「見よ，見よ，こはかくの如き神権に按手聖任され
べて，聖典に書かれた言葉と同等に扱うべきでしょう
て出で行く使命を受けたる皆の者にとりて一つの範例
か。予言者が「主はこう言われる」と宣言しなければ
なり。
聖徒はその言葉に拘束されないのでしょうか。そのほ
か多くの質問が，生ける予言者の役割と聖典の役割と
の関連性をよく理解していない人々から出されます。
すなわち……聖霊によりて感ずるままに語るべき
．.…｡なり。
およそ聖霊に感じたる時語るところはことごとく聖
こころ
本章で学ぶ原則は，これらの質問に答えるものであり
典の言となり，主の意となり，主の精神となり，主の
主の予言者の教えと勧告をどのように考えるべきか説
言となり，主の声となり，世を救いに導く神の能力と
明するものです。
なるべし｡」（教義と聖約68：2−4）
ブルース.R･マッコンキー長老は，次のように説
（4−｜）聖典とは何か，どのようにして得られたか
明しています｡｢話されたものであっても書かれたもの
キリスト教の多くの教派では，「聖典｣という言葉は
であっても，聖霊の力によって神から人へ伝えられた
聖書のみを指していますが，末日聖徒にとってはもっ
メッセージは｢聖典の言』となる｡」（｢モルモンの教義」
と広い意味を持っています。信仰箇条第9条には，次
p.682)聖典の言葉は古代の記録の中にあるだけでな
のようにあります。「われらは，すべて神のこれまでに
く，生ける予言者への啓示を通して絶えず与えられて
啓示したまいしこと，すべて今啓示したもうことを信
います。マーク・E･ピーターセン長老は次のように
じ，なお今より後，神の王国につきて多くの偉大にし
述べています。
て重要なることを啓示したもうことを信ず｡」
末日聖徒は神の言葉として聖書を尊重しますが，ほ
「神のみ言葉のすべてが聖書に網羅されていると教
えられてきた人々は，どうしてそのほかに聖典がある
かにも聖典を持っています。聖書以外にも，聖霊の力
のかと私たちに尋ねる。彼らは，聖書がほかの聖典の
を通して神の予言者から与えられるメッセージは，す
現われに備えるものであること，また聖典を世に現わ
べて聖典なのです。
後に十二使徒定員会の会員になる，初期の神権者に
すために予言者を送るという，主が古代に定められた
方式を聖書が示していることを知らないのである。
予言者たちに下される啓示は，その時代の歴史とと
もに記録され，聖文となった。そして，新しい予言者
が記録するたびに，それは既存の聖文に加えられた。
このようにして聖なるみ言葉の記録は増え続けた。そ
の結果，これらの多くの記録が現在聖書として知られ
ている1冊の本にまとめられることになったのである。
この方式は旧約の時代，新約の時代を問わず，主の
予言者が地上にいる限り続いていた。したがって，聖
書に神のみ言葉のすべてが網羅されているとは考えら
れない。なぜなら，主はそれぞれの時代に新しい予言
者を送っては彼らに新たな啓示を下したまい，それが
次々に新しい聖典となって加えられてきたからである。
それが，族長の時代から黙示者ヨハネの時代に至るま
での主の定められた方式であった｡」(『まだ見ていない
事実を確認すること』「聖徒の道J1978年10月号,p.97)
末日聖徒は4つの聖典，すなわち聖書モルモン経，
聖典を読むスペンサー。W・キンボール
教義と聖約，高価なる真珠を標準聖典として受け入れ
2I
ています。これらの聖典に記された啓示はどれも真実
なく標準聖典の教えと一致するはずである。主の家は
ですが，正典，すなわち教会が正式に認可する聖典全
秩序の家であり，真理は決して矛盾することはないの
体の一部として認められています。聖徒はこれらの聖
である｡」（｢モルモンの教義」pp.764-65)
典を教会の正典のひとつとして受け入れるとき，それ
聖典には，変わることのない永遠の原則が記されて
を生活の標準，真理の判断基準として受け入れること
います。しかし，人々を取り巻く環境や人々の必要と
を誓約するのです。
することは，それぞれの神権時代によって異なるかも
しれません。そこで，それぞれの神権時代の人々が聖
（4−2）標準聖典を使って，あらゆる教えの真偽を
典に記された原則を理解して実践できるように，予言
者が遣わされるのです。聖典を解釈することは，生け
判断する
啓示は標準聖典として一度認められると，それまで
る予言者の特権です。マリオン。G・ロムニー長老は，
にはない重要性を帯びることになります。その啓示は
次のように述べています｡｢天父はそれらの啓示の解釈
拘束力のある文書となり，ほかのあらゆる声明の真偽
に当たって導きを下さらないことはないし，また現在
を判断するための基準となるのです。
起きている事柄について主のみこころを知らせずに私
「主は標準聖典の中に，真偽をはかる手段を与えら
たちを放っておかれることもないのである。主は生け
れた。次の主の言葉に心を向けていただきたい。『汝の
る予言者を与えられ，その予言者を通して啓示の解釈
受けたるところのもの，すなわちわが聖典の中にて律
を与えてこられた｡」（｢大会報告」1945年4月,p.89)
法として汝に与えられたる事は，すべからく取りて以
おきて
てわが教会を支配する律法となすべし｡』（教義と聖約
42：59)」（ハロルド。B・リー『聖典の中から答えを
見つけなさい』「聖徒の道」1973年12月号,p､529)
ハロルド。B・リー長老は，だれかが聖典と矛盾す
ることを言うなら，それは偽りであることがわかる，
（4−3）生ける予言者はその時代に必要な聖典をつ
け加える
生ける予言者が私たちに語ることは，常に標準聖典
と調和しています。しかしこれは，予言者が標準聖典
の制約を受けるという意味ではありません。聖霊の導
と教えています。（『生ける予言者，聖見者，啓示を受
きのもとに語る予言者は，標準聖典に見られる原則と
ける者の地位』「教会教育者の務め」p.123参照）ジョ
矛盾することは話しませんが，それらの原則を拡大，
セフ・フィールディング・スミス大管長も，その原則
あるいは超越することができます｡また予言者は,人々
について述べています。
の霊的な備えに応じて，原則やプログラムを与えたり，
「筆記されたものであると，口述されたものである
取りあげたりすることもできます。以下の例がそのこ
とを問わず，私たちは主の啓示と矛盾するものを受け
とを表わしています。
入れることはできない。私が語る言葉，あるいはいか
(1)モーセの律法は，イスラエルの民を「キリストに
なる地位にある教会員が教えることであっても，啓示
連れて行く養育掛」として与えられたが，福音の
と一致しないことを受け入れる必要はないのである。
律法が授けられたときに「効用なきもの」となっ
このことをはっきりと理解していただきたい。私たち
た。(ガラテヤ3：13−25；モーサヤ13：27−35；
はかり
はいろいろな人々の教えを測る物差し，あるいは秤と
して四大標準聖典を受け入れている｡」（｢救いの教義」
1I1ニーファイ9:15-20参照）
(2)イエスが地上におられる間，福音はイスラエルの
家にだけもたらされたが(少数の例外を除く），後
3：181）
人の行ないは，標準聖典と比較してみなければなり
に使徒たちは，すべての人に福音を宣く伝えるよ
ません。聖霊の導きを受けた人の語る言葉や書く言葉
うに命じられた｡(マタイ10：5−6；15：24；マ
は，聖典と調和しています。ブルース。R・マッコン
ルコ7：25−27；16：15；使徒10参照）
キー長老はこの点について，次のように述べています。
「人の書物，著作，説明，解説，見解，理論は，教
会の内外を問わず，いかなる賢人や偉人のものであっ
(3)モーセの時代に，イスラエルからメルケゼデク神
権が取り上げられ，アロン神権がレピ人にだけ与
えられた｡(教義と聖約84：24−26；民数8：10−
ひけん
ても，標準聖典と比肩することはできない。神の予言
22；へブル7：5参照）キリストと使徒の時代に
者の著作や教え，意見も，神が啓示された事柄や標準
なると，メルケゼデク神権がアロン神権とともに
聖典の教えに一致して，はじめて受け入れられるので
使えるようになり，レピ人以外の人々に授けられ
ある。生ける予言者が主のみ名によって聖霊に感じて
た。(ルカ6：13−16；へブル7:11-12;ピリピ
語るとき，それを聞くすべての者はその言葉に従わな
1：1参照）現在神権は，すべての資格ある男性
ければならない。そしてそのとき語られることは例外
に授けられている。（公式宣言2参照）
22
(4)この神権時代に奉献の律法が与えられたが，人々
の罪悪のために廃止された｡(教義と聖約42:3036；51；105：2−6，34参照）
世の中は静止しているわけではありません。様々な
新しい問題（あるいは過去の問題の変化したもの）が，
次々と私たちの前に現われます。だからこそ，主は生
受けない民は闇の中を歩かなければならない。
民を導くために神から選ばれた生ける予言者，その
時代に応じた啓示を神から受ける人々，新たな聖文と
なるみ言葉を記録する人々がいることこそ，真の教会
の確かなしるしである。
その予言者たちの働きから新たに聖文が追加される
ける予言者をいつも送ってくださるのです。予言者は
ことこそ，真の教会の確かなしるしである。神が定め
今ある聖典を解き明かすだけでなく，主の代理人とし
たもうたこの確実な方法は，時の初めから，神の民に
ての役割も果たします。すなわち，人々の必要に応じ
明らかにされてきた｡」(『まだ見ていない事実を確認す
て，主から新しい聖典を授かるのです。予言者が聖霊
ること』「聖徒の道」1978年10月号,p.98)
の導きを受けて語るとき，その言葉は同じ問題につい
て述べられたほかのいかなる声明よりも優先します。
（4−4）最も重要な聖典は，現代の聖典である
霊感によって予言者から与えられる勧告は，標準聖典
主は生ける予言者の言葉について,「あたかもわが口
の中の永遠の真理と調和し，その時代の必要や状態に
より聞くが如くにこれを受け入るべき……なり」(教義
あったものなのです。
と聖約21:5)と明言されました。
教会の大管長は，聖典を超えた声明や新たな聖文を
エズラ・タフト・ベンソン会長は，「生ける予言者は
現わす権能を神から授かったただひとりの人です｡｢教
私たちにとって標準聖典よりも重要である」と述べて
会幹部の話すことはすべて霊感によるとか，彼らが
います。（『予言者に従う14の原則』「聖徒の道｣1981年
語ったり書いたりすることはことごとく聖霊により動
6月号,p.2)なぜなら，生ける予言者は今の時代の
かされてそうしたものであると考えてはならない。皆
人であり，私たちが直面している問題について主に代
さんに心に留めておいていただきたいことがある。ど
わって語るからです。
のような職にあるかは問わない。もしだれかが教会の
「最も重要な予言者は，私たちに関する限り，今の
標準聖典の教えを超えた著述や発言をした場合，その
時代に生きている予言者である。それは，神から私た
人が予言者，聖見者，啓示を受ける者でない限り，直
ちに向けられた現代の教えを授かる予言者である。ア
ちに『それはその人の個人的な考えです』と言うこと
ダムに与えられた啓示は，ノアに箱舟の造り方を教え
ができる｡」（ハロルド．B・リー『生ける予言者，聖
るものではなかった。あらゆる時代の人々は，古代の
見者，啓示を受ける者』「教会教育者の務め」p.123)
聖典に加えて，生ける予言者から与えられるその時代
マーク。E・ピーターセン長老もそのことを断言し
の聖典を必要としている。したがって，皆さんが読ん
ています。その言葉によれば，生ける予言者の導きは
で熟考すべき最も重要な聖典は，主の代弁者から霊感
あらゆる時代に必要であり，神のまことの教会である
によって与えられたごく最近の言葉である。だからこ
ことを示すひとつのしるしは，生ける予言者によって
そ，最近の教会出版物を入手して，その中の予言者の
導かれ，その予言者を通してその時代に必要な新たな
言葉を注意深く読むことが，不可欠なのである｡」（エ
聖文が明らかにされることです。
ズラ・タフト・ベンソン「韓国ソウル地域大会報告」
「イエス・キリスト教会は，天の絶えざる導きを受
ける生ける使徒と予言者によって常に導かれなければ
ならないのである。彼らは聖見者，啓示を受ける者と
していつまでも教会に存続するであろう。
1975年,p.52)
この声明は，ヘンリー。D・モイル長老の次の言葉
とも一致しています。
「年を取るにつれ，また大管長と近く接するにつれ，
そしてその務めに携わりながら，彼らは主の方式に
『今日私たちが持っているあらゆる聖典のうち最も重
添って，その時代にかなった新しく追加される聖文を
要なものは現代の聖典である』という認識をますます
世に明らかにするのである。
強めている。神の代弁者が神の子供たちに語ることは，
初期のキリスト教会の予言者たちは，過去幾世紀に
聖典である。それは地上のすべての神の子供たちのた
もわたって旧約聖書の予言者が行なってきたと同じ方
めに語られるものであり，聖任され油注がれた神の僕
法で，その時代のみ業を進めた。それはなぜであろう
を通して世の人々に示される神のみ言葉であり，み旨
か。アモスが述べているとおり，主は予言者を通じて
であり，律法である。大管長の語る言葉は聖典であり，
のみ導かれる（アモス3：7参照）ので，彼らもその
私はほかの何よりもそれを愛している。その言葉は特
聖なる方法に従ったからである。
予言者がいない時代は神の導きがなく，神の導きを
に今の私に，そして皆さん方すべてに当てはまるもの
である｡」（『誘惑に用心せよ』ブリガム･ヤング大学3
aJ
も役立つ。しかし，判断を下し，解決しなければなら
ないすべての事例に触れているわけではないし，その
罐唱
ようなことは不可能である。
私たちには，天の生ける神権者からこの世の生ける
神権者を通してもたらされる，生ける木，生ける泉，
生ける英知が必要である。……アダムが初めて神と交
鼠 …
蕊
通したときから，パトモス島でヨハネが神と交通した
ときまで，あるいはジョセフ・スミスの前に天が開か
れたときに至るまで，教会あるいは個人の置かれた状
亀
況に応じた新しい啓示が常に必要とされてきた。アダ
艶
鷺
證当
ムに下された啓示は，箱舟を造るようノアに指示する
ものではなかったし，ノアに下された啓示は，ソドム
鴬
を出るようロトに告げるものでもなかった。また，そ
鱗鶚
鶴
れらのいずれも，エジプトを出発するようイスラエル
の民に語りかけるものではなかった。これらの啓示は
みな，それを受ける者にかかわりのある啓示であった。
イザヤ，エレミヤ，エゼキエルッイエス，ペテロ，ハ
ウロ，ヨハネ，ジョセフはみな，自分のために啓示を
受けた。私たちもそうでなければならない。さもなけ
れば，私たちは難破してしまうことだろう｡』（｢福音の
ヘンリー。D・モイルは，「あらゆる聖典のうち最も重要なもの
は現代の聖典である」と語った
王国」p.34)
これに勝る力強い言葉はないと思う。私はこれと同
ステーキ部合同ファイヤサイド[1963年1月，プロボ〕
じことを自分の言葉で語ることもできた。そうすれば，
pp.7-8)
ハロルド．B・リー大管長は，過去に記された聖典
皆さんは信仰があつく，現代の生ける神託を信じる基
と生ける予言者の言葉との関係について，次のように
あろう。しかし，私は（ジョン･テイラー大管長まで）
述べています。
時代をさかのぼったので，この引用はおそらく，私が
礎が十分にできているから，私の言葉を信じたことで
「私たちはときどき，耆物に書かれていることの方
自分の言葉で話すよりも，はるかに『叙事詩的』な過
が，最近の総大会で話されたことよりも真実であると
考えてしまう。しかし，書物に書かれているという理
去の記録としての権威を帯びていると思う。それでも
皆さんは，テイラー大管長の指摘する点を理解してい
由だけでは，私たちの歩む方向を示す権威としては不
る｡」（『生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者』「教
十分である。ジョン・テイラー大管長はこのことにつ
会教育者の務め」p.121)
いて述べ，なぜ過去の聖典が今日の私たちにとって十
分ではないかを次のように語っている。
『聖書は人にとって有益である。パウロはテモテに，
エズラ・タフト・ベンソン会長は，聖徒たちに次の
ように勧告しています｡｢現代の予言者に対抗して過去
の予言者の肩を持とうとする人には注意してください。
聖耆を学んで，恥じるところのない練達した働き人に
常に生ける予言者が優先します｡」(｢予言者に従う14の
なり，真理の柱，真理の礎である生ける教会（ここに
原則』「聖徒の道」1981年6月号,p.3)生ける予言者
も「生ける」という言葉が使われている）の前に正し
や現在の啓示が，過去の聖典や啓示とどのような関係
く振る舞うようにと告げている。パウロにとって教会
にあるかについて，オルソン。F・ホイットニー長老
は，真理の基，真理の柱，真理の礎，生ける教会であ
は次のように説明しています。
り，死んだ文字ではなかった。モルモン経も人にとっ
「何年も前に，ギリシャ正教会の博学な高位聖職者
て有益である。また，教義と聖約も道標として価値が
がユタを訪れた。……そして『モルモン』の聖餐会に
ある。けれども，大洋に船を乗り出す水夫は，より確
出席し，主の晩餐を執り行なう方法について，多くの
実な道しるべを必要とする。したがって水夫は，進路
批判を浴びせた。特に，葡萄酒の代わりに水を使って
を正しく取るために天体のことをよく知り，星を観測
いることを非難した。その聖職者は，『人々が水を飲ん
しなければならない。先にあげた書物は，手本や先例，
でいるのを見て，身震いがしました』と言った。さら
研究の対象としても，ある律法や原則を展開するのに
に事実を指摘してこう言った。『聖吾によれば，救い主
24
はユダヤ人に聖餐について教えられたとき，葡萄酒を
神はきょうしかじかのことをするように命じておきな
お使いになり，それが主の血，すなわち主の血の象徴
がら，明日はその戒めを取り消すこともあり得る。し
であると宣言されました｡」……
かしそれだからと言って神に一貫性がなく矛盾するこ
ギリシャ正教徒である私の友人は，知ってか知らず
とにはならないのである。……神はアブラハムに息子
か，神の教会とほかのすべての教会とを区別する際
を犠牲として捧げるように命じられたが，アブラハム
立った特徴を指摘していた。すなわち，世の諸々の教
がまさに息子を殺そうとした瞬間，次のように言われ
会は書物や伝統，人の考えなどに基を置いているが，
た。『わらべに手をかけてはならない｡』この戒めが与
この教会はキリストの岩，天から直接下される絶えざ
えられるまで，アブラハムには最初の戒めを遂行する
る啓示の上に築かれているのである。末日聖徒は，書
義務があった。しかし2番目の戒めが与えられたとき，
物に印刷されているからという理由で書かれた事柄を
前の戒めよりも新しい戒めに従う義務が生じたのであ
行なうのではない。神がユダヤ人に行なうように命じ
る。もしそれに従わなければ，アブラハムは罪ありと
られたから，行なうのでもない。またキリストがニー
されたであろう。
ファイ人に教えられたことだからと言って，それを行
…･･･神のみ業は前進している。その外形は変わって
なったり，行なわなかったりするのでもない。この教
も，原則は不変である。神のみ業の基盤となる真理は
会が行なうことはすべて，私たちの時代に天から語ら
永遠で，変わることがない。しかし，み業が進むにつ
れる神がこの教会に命じられたことである。だから行
れて多くの調整が行なわれ，様々な変更が加えられる
なうのである。いかなる書物もこの教会を管理してい
のである｡」（｢大会報告」1916年10月,pp.55-56)
るのではなく，また教会の基となっているのでもない。
どんなに書物を積み上げても，聖霊の力によって霊感
を受ける神権者の代わりにはならない。それがキリス
トの教会の本質である。主の晩餐の聖餐において葡萄
（4−5）標準聖典と生ける予言者は，両方ともに受
け入れられるか拒まれるかのどちらかである
標準聖典と生ける予言者の霊感による声明は，どち
液の代わりに水を使うのは，主がそのように命じられ
らも有効かつ不可欠な真理の源と見なされるべきです。
たからである。神からの啓示そのものも，人々の状態
この点を正しく理解していない教会員の中には，標準
や環境に合わせて変わり，様々な変化を加えながら神
聖典を神聖なものとして受け入れながら，生ける予言
のみ業がその目的に向かって進歩し続けるのである。
者の言葉に同等の信頼を置こうとしない人がときどき
この教会を管理するに足る優れた書物は存在しない。
います。そのような人は矛盾した道をたどっているの
このように申しあげたとしても，私は聖典に記され
であり，「〔聖典を〕知らないから，思い違いをしてい
ている神のみ言葉を心から尊重していることには変わ
る」（マタイ22：29）のです。なぜなら，聖典自体も，
りない。その中には，すでに目的を達して廃され，本
生ける予言者に注意を向けるようにはっきりと証して
棚に積まれているものもあるかもしれないが，そのほ
いるからです。（教義と聖約1：14，38；21：1，4−
かの聖典は今も効力があり，私たちの現状，すなわち
5参照）オルソン・プラット長老もこの点について，
私たちの現在の進歩の状態に当てはまるものである。
次のように証しています。
しかしこの有効な部分ですら，正しい解釈を必要とし
「私たちが生ける予言者の言葉を拒否するとき，そ
ている。神の代弁者は，神に代わって語り，み言葉を
れはとりもなおさず神の啓示を拒否しているのである。
解釈する。したがって，いかなる人といえども，神の
なぜであろうか。神の啓示は私たちに，生ける予言者
代弁者にはばかることなく聖典に書かれていることを
の言葉に耳を傾けるようはっきり命じているからであ
る。そのため，もし私たちが書き記された言葉に従お
めぐって論議すべきではない。そのような行為は，神
託を授かる生ける予言者よりも，死んだ文字に従うこ
うとしながら，同時に，生ける神の予言者の言葉に注
とを意味し，これはどんな場合にも誤りだからである。
意を向けないならば，書き記された言葉は私たちを罪
主が2千年前にユダヤ人とニーファイ人に語られたこ
ありとするであろう｡」（｢説教集」7：373）
とや，50年あるいは60年前に末日聖徒に語られたこと
は，主から選ばれ任命された僕を通して与えられた主
の最新の指示，すなわち現在の啓示と調和していなけ
れば，今の時代に対して何の効力も持たない。この事
（4−6）生ける予言者の言葉が聖典と考えられるの
は，どのような場合か
予言者ジョセフ・スミスは次のように教えています。
示が正しくとも，私たちがそれ以上に心に留めるべき
「予言者は，予言者として振る舞うときにのみ予言者
である｡」（｢予言者ジョセフ・スミスの教え」p.278)
ものは，最近になって与えられた神のみ言葉である。
予言者にも，個人の意見を述べる権利があります。し
実を無視する者は，罰を受けることになる。過去の啓
妬
たがって，予言者の語るすべての言葉が，公式な解釈
「主の予言者が『主はこう言われる』と宣言しなけ
や宣言と見なされる訳ではありません。しかし予言者
れば，その言葉を啓示として受け入れようとしない
が聖徒に対して行なう説教や，書き記した公式の文書
人々がいるが，このような基準は誤っている。教義と
は，予言者としての召しによるものと考えられ，注意
聖約に含まれる近代の啓示の多くがその言葉を使って
を向けるべきものです。
いるが，それが使われない啓示も多いからである｡」
私たち教会員は，だれかが聖霊の導きのもとに行動
（『指導者の言葉はいつ聖典の言葉となるか』p.10)
しているかどうかを，みずからの証によって知ること
「予言者は私たちに聖文を与えるときに，必ずしも
ができるように，主のみたまと調和した生活を送る責
『主かくのごとく言う』と宣言する必要はありません。
任があります。J・ルーベン・クラーク・ジュニア副
このことについて論争する人をときどき見かけます。
管長は，この責任について次のように述べています。
「問題は，〔教会幹部〕の言葉が『聖霊に感じて』語ら
彼らの話によれば，予言者は勧告を与えるが，それが
戒めであると宣言されない限り，守る義務はないとい
れたものであることを知るには，どうすればよいかと
うのです。しかし，主は予言者ジョセフ・スミスにつ
いうことである。
いて次のように述べておられます｡『彼が上より受くる
私はこの問題について少し考えてみたが，私なりの
ままに汝らに与うる誠命と彼の言とを皆心にとめてよ
結論はこうである。私たちは自分自身が『聖霊に感じ
く間……〔く〕べきなり｡』（教義と聖約21：4）」（エ
て』いなければ，話者が『聖霊に感じて』語っている
ズラ・タフト・ベンソン『予言者に従う14の原則』「聖
かどうかはわからない。
徒の道」1981年6月号,pp.3-4)
したがって，見方を変えて言うならば，聖霊に感じ
教義と聖約第108章の啓示の中で，主はライマン･ワ
て語っているかどうかを判断する責任は彼らにあるの
イトに，予言者の勧告の価値について告げられました。
ではなく，まったく私たちにあることになる｡」（『指導
「主誠にかくの如く汝に告ぐ。わが僕ライマンよ，汝
者の言葉はいつ聖典の言葉となるか』｢チャーチニュー
の罪赦されたり。そは汝わが声に従い，今朝この地ま
ズ」1954年7月31日,p.9)
で来りてわが命じたる人よりその助言を聞かんとすれ
ブルース。R・マッコンキー長老も，この点を強調
しています。
蕊霞
「さて，天においても地においても，ある啓示の真
実性と妥当性について知る唯一の方法は，その啓示を
受けた人に授けられたものと同じみたまを授かること
く』「エンサイン」1980年6月号,p.58)
教会員は，みたまからこのような確認を受けるにふ
さわしくなければなりません。ハロルド｡B・リー大
管長はかつて次のように述べています。
「〔生ける予言者〕の語る言葉が主のみ言葉であると
証できるような生活をするならば，私たちには予言者
が霊感を受けて語っていることがわかる。確実な方法
はただひとつ，実際にそれを知っていると証できるよ
うな生活をすることである｡」（『生ける予言者，聖見
者，啓示を受ける者』「教会教育者の務め」p.123)
（4−7）予言者が「主はこう言われる」と宣言しな
ければ，その言葉には拘束力がないのか
残念なことに，一部の教会員は予言者の言葉に制限
をもうけている。すなわち，「主はこう言われる」とい
う宣言がなければ，予言者としての真の宣言とは受け
とらないのである。J・ルーベン・クラーク・ジュニ
ア副管長は，そのような考え方は誤りであると指摘し
ている。
26
零
野溌
である｡」（『この世の人々は汝を通してわが言葉を聞
罐
雛
蕊
篭
エズラ・タフト・ベンソンは，「予言者は私たちに聖文を与える
ときに，必ずしも「主かくのごとく言う』と宣言する必要はな
い」と語った
ばなり。」（教義と聖約108:1)
（4−8）予言者の勧告は常に役立つ
多くの人々は，予言者がいつ主に代わって話してい
るのかについて，疑問を持っているかもしれません。
大切なことは，予言者の言葉が神から霊感を受けて語
られたものであるという個人の証を得ることです。し
かし，まだそのような証を得ていない人も，心に留め
ておくべきことがあります。それは，予言者の勧告が
じぎ
常に時宜を得たもので，私たちに祝福をもたらす，と
いうことです。予言者の勧告の重要性について，ウイ
ルフォード・ウッドラフ大管長は次のように述べてい
ます。
「私たち主の民は，この勧告を軽々しく扱ってはな
らない。なぜなら，私は主のみ名によって告げるが，
主から権能を受けたこの民の指導者の勧告にさからっ
て，栄えた人はひとりもいないからである。それは，
私が教会員になって以来，目にしてきたことである。
……皆さんも気づくであろうが，この勧告に反対する
人は決して繁栄しないのである。
勧告が与えられたときは，それが何に関するもので
あれ，軽々しく扱ってはならない。もしそのように扱
うならば，悪い影響がもたらされるであろう。……
私たちは多くの面で，戒めではなく勧告によって治
められてきた。それが聖徒にとって，ひとつの祝福に
ジョン。A・ウイッツォーは，予言者の勧告には常に従うべき
であると教えた
からの勧告に従えば，私たちの身は安全であり，究極
的には幸福を得ることができるのである｡」(｢予言者は
いつ予言者として語るか』「証言と和解」p.237)
なってきたのである｡」（｢説教集」14：33，36）
ジョン。A・ウイッツォー長老は，いかなるときに
も予言者からの勧告に従うことは賢明である，と述べ
ている。
「確かに予言者は，日常生活を営むに当たって，そ
の公務から離れることはできるが，みたまとその力ま
で脱ぎ捨てることは決してできない。みたまとその力
は予言者という聖なる職に付随するものであり，主が
予言者に授けられたものだからである。主のみ業を行
なうための信仰と備えは，予言者をその高い役職にふ
（4−9）研究課題と応用
1．神の生ける予言者の言葉に耳を傾けることに関す
る以下の聖句を読んで，相互参照しなさい。ヨハ
ネ13:20;111ニーファイ12:1;28:34-35;教
義と聖約1:14,38;84:36;112:20;124:45．
2．聖典がどのようにして得られ，なぜ標準聖典が貴
重なのか説明しなさい。
3．主は各時代の民に同一の教えではなく，民の必要
と霊性に適した様々な教えや戒めを与えられます。
さわしいものとし，また予言者自身の生活をも福音の
その実例を聖典の中からいくつかあげなさい。
永遠の原則や目的に調和したものへと変えていく。中
4．教会全体のために聖典を解釈する権限は，だれに
には才能や能力の点で世の標準から比べれば劣ってい
る人もいよう。しかし予言者は霊感による導きの下に
ありますか。
5．大管長からの勧告や指示が聖典に記されているこ
生活している。それが予言者を偉大ならしめている。
とを超えている場合，主は私たちに，どのように
したがって予言者の言葉は，たとえ非公式なもので
対処するよう望んでおられるでしょうか。簡潔に
あっても，予言をする力のない人の言葉よりも重きが
説明しなさい。
置かれる。それは相手が予言者以上に才能があり，経
6．聖霊に導かれて話されているかどうかを見分ける
験豊かな人でも同じことである。それゆえに，いつい
ために，私たち一人一人がしなければならないこ
かなるときでも，どのような問題についても，予言者
とは何ですか。
の声に耳を傾けることが賢明であると言える。予言者
27
第5章
大管長会
イエス・キリストの教会の最高統治機関は，「大管長
「教会の大管長を務める管理役員は，教会の全会員
会なる定員会」（教義と聖約107:22参照）と呼ばれる
を管理する。また大神権の大管長として,大神権の諸々
3名の管理大祭司によって構成されています。大管長
の鍵を授かっているので，教会のすべての神権を管理
会には地上の神の王国を導く責任があります｡(教義と
し，それを統制する権能を有している。
聖約81：2参照）また，彼らの特権と義務について次
のように記されています｡｢メルケゼデクの神権の大神
大管長は啓示により，副管長を与えられてきた｡……
教会の最高統治権は，大管長ならびに副管長に授け
権の大管長会は，当教会に齢ける｡一切の職務を行う権
られている。大管長会は，教会のあらゆる評議会や定
能を有す｡」（教義と聖約107:9)
員会，組織を管理し，任命や指名に関する最高の権限
神の王国を導く際に，大管長会はどのような責任を
を有する。〔教義と聖約107:9参照〕これらの任命，
負っているのでしょうか。毎日どのような機能を果た
指名，管理に関する権能は，大管長会がみずから選び，
しているのでしょうか。私たちが大管長会と一致する
主の民が教会統治における大管長会の代理人として支
ことは，なぜ大切なのでしょうか。大管長会に従う教
会員には，どのような約束が与えられているでしょう
持した人々にゆだねることができる｡」（ジョセフ・
か。本章では以上のような質問に答え，主が大管長会
員会』「インプルーブメント・エラ」1966年11月,pp.
に与えられた大いなる権能と非常に重い責任について
977-78）
フィールディング・スミス『大管長会と十二使徒評議
教会員全体を管理する管理大祭司として，大管長会
理解を深めます。
は教会の最高評議会を構成し，すべての事柄に対して
（5−｜）大管長会は教会内におけるすべての神権の
最終決定権を持っています。主は大管長会の権限の範
囲について，次のように述べておられます。
働きを管理する
「われまた誠に汝らに告ぐ，教会の最も重大なる事
や
非
諒審寺．蜂？鄙︲部〆壁
i
!
〃
‘
務，および教会の最も解決困難なる訴えは，監督すな
わち判士らの判決に満足せざる所ある時はこれを教会
の評議の会に移ちようすべし。すなわち，これを大神
・蝿一．。︲唾稚噛軽み
鍵藩蓉や
，錨︾皆：
I
権の大管長会に訴うべし。
而して，大神権の評議会の大管長会は他の大祭司す
.＄
》
艇も＃
ダ
倉
たす
なわち十二人を招集し，これを評議員として援けをな
さしむる権能あるべし。かくして，大神権の大管長会
と評議員とは教会の律法に従い証拠に基き判決を為す
権能を有すべし。
この判決を経たる後は，再びこれを主の前に提出す
べからず。そは，これ神の教会に舩ける最高の評議会
にして諄のことに関する論争の最終判決なればなり。」
（教義と聖約107:78-80)
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は，大
騒
管長会の裁判権について次のように説明しています。
「大管長会は，神の生ける神託であり，教会におけ
る最高の裁判官，律法の解釈者である。大管長会は教
会の方針，組織運営のあらゆる面で教会全体の業を
４Ｊ
骨
﹃ｌ宮一一
ｆ４↑礎
４・堂
デビッド･O・マッケイ大管長とスティーブン･L・リチャー
ズ副管長（左),J・ルーベン・クラーク・ジュニア副管長（右）
と沼
管理する。教会の業の中で大管長会の権限から外れる
ものは何ひとつない｡」（『大管長会と十二使徒評議員
会』p.978)
さらに，大管長として，大管長会を代表して次のよ
うに述べています。
「私たちは聖なるメルケゼデク神権を持っている。
の定員会の職務を遂行し，大管長と共に管理の業を行
ないます。大管長会の4人はそれぞれに，主イエス・
これは，人類の救いに必要なすべてのことを地上で行
キリストの使徒であり，予言者，聖見者，啓示を受け
なうために神から人に委任された権威であり，力であ
る者でもあります｡」（『予言者に従う」「聖徒の道｣1982
る
。
年4月号,p.103)
また，私たちは末日聖徒イエス・キリスト教会とい
う地上の神の王国の鍵も所有している。
これらの鍵は管理の権限であり，地上で主のみ業の
大管長はときどき，必要に応じて，さらに副管長を
召してきました。ピーターセン長老が上記の話をした
のも，そのようなときでした。（そのほかの例について
すべてを指導し，管理する権能，権威である。これを
は，「教会歴史」2：509；「大会報告」1961年9/10
保持する者は，ほかの人々が神権者として働く仕事を
月,pp.39-40参照）
管理し，監督する権能を備えている。私たちはだれで
も神権を持つことができるが，その神権は鍵を持つ者
（5−2）大管長会は教会の管理運営の責任者である
から指示と権能を与えられて，はじめて行使できる｡」
4人の大管長の副管長を務めたN･エルドン･タナー
（『永遠の鍵と管理する権能』「大会報告1970-72｣p.
3
2
1
)
1981年10月の大会で，マーク。E・ピーターセン長
老は，大管長と副管長の関係を次のように説明してい
ます。
「大管長会は教会のひとつの定員会であり，聖きみ
たまの力の下に，完全に一致して働き，聖徒たちに霊
感あふれる導きを与えています。
大管長会は教会の管理評議会でもあります。教会の
長老は，大管長会の日常の業務を次のように説明して
います。
「教会の管理運営に関するあらゆる事柄は，大管長
会の指示の下に置かれている。……
大管長会が直接管理する事柄をいくつかあげてみた
い。地域大会，聖会，予算，教育，歴史，人事，神殿，
監査，相互調整評議会，福祉活動である。”･…
総じて，これらすべての事柄は大管長会の管理下に
ある。具体的には，大管長会は毎週火，水，木，金曜
すべてを管理し，また，この神権時代のすべての鍵
日の午前8時から会合を開く。この会で話し合うこと
権能，賜，祝福を有しています。
の中には，大管長会に寄せられた手紙の検討がある。
大管長は管理大祭司です。副管長は大管長から委任
を受け，神の力によって地上に組織されたこの最高位
イヤリングをつけるために耳に穴を開けることから，
ステーキ部長会と高等評議員会が下した破門の判決に
スペンサー。W・キンボール大管長（右）と，マリオン。G・ロムニー（左),N・エルドン・タナー両副管長
と廻
対する控訴に至るありとあらゆる問題の問い合わせが
ある。そのほかにも，服装や身だしなみの標準，催眠
りの輪を作る。これを終えると再び平服に着替える。
それから私たちは，前回の議事を検討した後，次の
じゆんしゆ
術，安息日の遵守，聖句の解釈，集団感受性訓練，結
ような事柄について話し合う。ステーキ部長から推薦
び固め，地元役員への不平不満，霊魂再来説，科学や
のあった監督の交代を承認する。これは前もって十二
ほかの人のために体の一部を提供すること，火葬，移
使徒の会合で検討済みの推薦である。(参考のために申
植手術，法律問題など果てしなく続く。この会合での
しあげると，1977年に毎週25-30人の新しい監督が承
話し合いはすべて書記が記録する。
認された）全教会のステーキ部，ワード部，伝道部，
大管長会が決定する事柄には，神殿長会の選任，新
神殿の組織変更，これには区域の境界と役員の変更が
しい神殿建設の時期と場所をはじめ，十二使徒評議員
含まれる。補助組織の役員と管理運営，各部門の責任
会との会合や管理監督会との会合で討議する事柄など
者から提起された事柄，およびステーキ部大会に関す
がある。……
る私たちの報告，葬儀，説教などその週に行なったこ
大管長会は，火曜日の午前10時に支出承認委員会を
との報告もある。この会において，管理や方針に関す
開く。〔教義と聖約120参照〕この委員会は大管長会と
るあらゆる変更が考慮され，承認される。そして，承
4人の十二使徒および管理監督会で構成され，各部の
認された方針は教会の公式の方針となる。……
責任者からの支出請求を検討し，割り当て額を決定す
毎月第一木曜日に，大管長会は全教会幹部，すなわ
る。総合施設部から提出されるステーキ部やワード部
ち十二使徒定員会，七十人第一定員会，管理監督会と
の建物，伝道本部，訪問者センターなどの建物や土地
会合を開き，プログラムや手続きの変更を発表し，幹
の購入請求，維持費の検討などがその例である。管理
部の義務や責任について指導する。大管長は何人かの
監督会は福祉事業を含む支出の請求を提供する。
水曜日の大管長会では，直接大管長会の管理下にあ
幹部に証をするように求め，その後全員が神殿衣に着
替えて聖餐を受け，全員で祈りの輪を作って祈りを捧
る歴史，人事，広報などの各部門の責任者から報告を
げる。祈りが終わると，大管長会と十二使徒定員会を
聞く。また重要な来賓とは，できる限り水曜日の午前
残して全員が退出する。大管長会と十二使徒定員会は
に会うようにしている。私は手紙などでそのような訪
平服に着替えて，木曜日の定例の事務事項を処理する。
問者からの感想をうかがうたびに，大管長が彼らにど
ここで語られ，行なわれたことはすべて，記録担当書
れほど大きな影響力を及ぼしているかを知って，いつ
記が報告書に記録する。
も感銘を覚える。
毎週，木曜日の集会が終わると，大管長会と十二使
月に一度，水曜日に大管長会は教会教育委員会と理
徒定員会は用意された部屋で昼食を共にする。この部
事会を迎え，教会の大学，インスティテュート，セミ
屋には『最後の晩餐』の絵が飾られており，私たちは
ナリー，そのほか教会の学校に関する事柄を話し合う。
ここでくつろいだひとときを過ごす。そこで，それぞ
また毎月一度，別の水曜日に大管長会は……先に述べ
れの経験談や共通の話題について話し合うのである。
た福祉活動委員会を開く。
時間があれば，いくつか興味深い話を紹介したいのだ
木曜日の午前10時から神殿の一室において，大管長
が。金曜日は午前9時に，管理監督会が管理運営に関
会はすでに午前8時から会合を開いている十二使徒評
する事柄について大管長会に報告し，話し合う｡」（『教
議員会との会合を持つ。この部屋は神殿が完成して以
会の管理』「聖徒の道」1980年3月号,p.61)
来，教会の指導者が主の導きを受けてきた所である。
出席者はここで特別に霊的な気持ちを味わい，またと
きには世を去った偉大な指導者たちの臨席を感じるこ
（5−3）大管長会の語る言葉は聖典である
「今日主は，今起きている問題に対して，大管長会
とがある。この部屋には，12人の大管長と大祝福師ハ
をその頭とする予言者たちを通して地のすべての民に，
イラムの肖像画や，使徒たちを召されたガリラヤの海
特に主の教会員にそのみこころを表わしておられる。
辺での救い主，そのほか十字架上の主や，昇天される
大管長会が語る言葉は，主がこの場におられたならば
主の絵がかけられている。私たちはこの評議会室で，
語られるはずの言葉とまったく同じなのである。これ
ここに座を占めた多くの偉大な指導者たちや，主の導
こそがモルモニズムの土台となる岩である。……繰り
きによって重大な決定が下されたことに思いをはせる
返そう。大管長会が大管長の名のもとに語るところは，
のである。
主がその場におられたらそのように語られるであろう
大管長会は木曜日の午前10時にこの部屋へ入ると，
まさにその言葉であり，聖典の言葉なのである。そし
十二使徒全員と握手を交わし，神殿衣に着替える。そ
て教義と聖約をはじめほかの聖典に記されている啓示
して，讃美歌を歌い，祈りを捧げた後，聖壇の前で祈
と同じように研究し，理解し，従わなければならない。
30
このような道を歩む者は，大管長会の語る事柄を政治
は決して聖徒を間違った方向に導くことはないし，主
的偏見や利己心によるものだとは言わないであろう。
のみ旨やみこころと矛盾する勧告を世に声明すること
また，幹部はみずからの勧告が人々に与える影響につ
もないということである。
いてあまりにも知らなすぎるとは言わないであろうし，
個人としては道をはずれたり，主が意図されるとこ
『主はこう言われる』と前置きして語っていないから，
ろとは異なる見解や忠告を与えたりするかもしれない。
その勧告に耳を傾ける必要はない，と言うこともない
しかし大管長会の声明や王国の鍵を握るほかの人々の
であろう｡」（マリオン｡G･ロムニー「大会報告」1945
統一見解は，聖徒や世の人々を必ず主が望んでおられ
年4月,p.90)
る道へ導くのである。……
私たちが大管長会に目を向けて彼らの忠告や指示に
（5−4）教義に関する解釈は大管長会の職務である
「教義に関する解釈は，大管長会の職務である。主
従ったならば，この世のいかなる力も教会の進む道を
変えたり阻んだりすることはできない。また個人とし
は啓示によって，その管理の職を大管長会に授けられ
てこの世では平安を得，来るべき世では永遠の栄光を
た。いかなる教師も，教会員のために教義を解き明か
受け継ぐことができる｡」（『永遠の鍵と管理する権能』
す権限は持っていないのである｡」（エズラ・タフト・
ベンソン『福音の教師とメッセージ』「宗教教育者への
説教」1976年9月17日）
「大会報告1970-72｣pp､321-22)
マーク．E・ピーターセン長老はタスミス大管長の
霊感あふれるこの宣言について，次のように語ってい
ます。
（5−5）末日聖徒は大管長会に指示をあおぐ
「スミス大管長以前の大管長たちも述べてきたこと
予言者ジョセフ・スミスは，神から民に下される啓
であるが，私たちが大管長会の指導に従うならば，真
示に関する天の秩序について，次のように説明してい
理からそれることも，背教することも決してないであ
ます。
ろう｡」（｢塩と救い主」p.29)
「大管長または大管長会が教会を管理し，神のみ旨
とみこころを教会に示す啓示は，大管長会を通しても
（5−7）研究課題と応用
たらされる。これが天の秩序であり，この神権につけ
1.現在の大管長と副管長がだれであるか確認しなさ
る権能と特権である。・・…・
ダニエルは日に3度主の宮居に向かって祈りを捧げ
い。
2．大管長会の責任を書き出しなさい。
たが，皆さんはダニエルのような人々を見習わなけれ
3．次にあげるのは，大管長会からの声明に対して教
ばならない。大管長会に目を向けて，教えを受けなさ
会員がとる2通りの態度を表わしています。どち
い｡」（｢予言者ジョセフ・スミスの教え」pp.111,116)
らの方が好ましいでしょうか。それはなぜですか。
十二使徒定員会会員のポイド。K・パッカー長老は，
大管長会について次のように証しています。
「大管長会を与えたもうた神に感謝する。〔そびえ立
a・大管長会が教会の立場について声明を出した
ら，それは明らかに主のみこころを表わして
いると思います。もし何らかの勧告を受け入
つ〕峰のように，大管長会はだれよりも天に近くいる。
れるうえで問題を感じるならば，その教会幹
そして私たちの支持を必要としている。このように崇
部の言葉が真実であるという確認を主に求め
高な指導者の召しはときとして孤独を感じさせるもの
るのが，適切な対処方法でしょう。
である。なぜならば，彼らの召しは人を喜ばすもので
b.大管長会の声明は，その多くが個人的な見解
はなく，主に喜んでいただくことをなすよう求められ
にすぎないとしても，明確な霊感の源だと思
る召しだからである。願わくは神がこれらの偉大な義
います。私はそれを，私たちの指導者の言葉
人を祝福したもうように｡」（『みたまは証す』「大会報
と注意深く比較検討することにしています。
告1970-72｣p.196)
その際に，学識のある人かどうかも考慮しま
す。私にとって真理に至る道は，自分で切り
（5−6）大管長会に従う人は迷うことがない
ジョセフ・フィールディング・スミスは大管長とし
て，次にあげる重要な約束をしています｡
開いていくべきものです。残念なことに，教
会の指導者の中には，合理的な調査によって
証明できる事柄に相反する意見を述べる人が
「さて，兄弟たち，私たちが特に肝に銘じておくべ
います。そのような状態ですから，私たちに
きことがひとつあると思う。それは，教会の大管長や
は信じるものを自分で選ぶ権利があると思い
大管長会，あるいは大管長会と十二使徒会の統一見解
ます。
3Z
マリオン。G・ロムニー長老の次の言葉によれ
を受けて，教会に指示を与え，人々に勧告を与え
ば，永遠の生命を求めるあなたに，最も安全な道
を示してくれるのは，上記のどちらの態度でしょ
るのです。人も大管長会も同じ問題について『光
明と真理』に導かれていれば，不一致は起こり得
うか。
ません。したがって，兄弟たち，ほんの少しでも
「しかし，主のみたまは大管長会の勧告に反対
大管長会と意見を異にする人がいれば，そのよう
するよう人を導くことは決してありません。その
な人は皆悔い改めて，主に赦しを願い，完全に一
ようなことはあり得ないのです。その訳を話しま
致させるようにしなければなりません｡」(｢大会報
しょう。主のみたまは『真理』です。予言者ジョ
告」1942年4月,p､19)
4．大管長会を受け入れることについて主が告げられ
セフ･スミスは言っています。『神の栄光は英智な
り。すなわち,光明と真理なり｡』
大管長会は，この『光明と真理』の指示する力
32
た言葉を復習しなさい。（教義と聖約112:20;
124：84参照）
第6章
十二使徒定員会
1835年2月14B,オハイオ州カートランドにおいて，
この神権時代最初の十二使徒定員会が予言者ジョセ
フ・スミスの指示のもとに組織されました。十二使徒
そな
定員会の会員は常に偉大な霊性を具えた人々で，復活
された主を全世界に対して証する特別な証人として，
大管長会の指示のもとに行動するために召されていま
す
。
本章では，十二使徒の役割や責任について理解を深
め，それらが大管長会の役割や責任とどのような関係
にあるかを学びます。また，キリストの特別な証人に
なることが使徒にとってどのような意味を持つのか学
びます。さらに，使徒に与えられた神権の鍵の特質と
重要性，およびそれらの鍵が与えられた理由について
も学びます。
（6−｜）オリヴァ・力ウドリは，この神権時代の最
初の十二使徒定員会に訓告を与えた
1829年6月の初旬，オリヴァ・カウドリとデビッド・
ホイットマーは，「『十二人』を尋ね出すべし」と指示
オリヴァ・カウドリは十二使徒に訓告を与えた
されました。（教義と聖約18:37-39参照)それから6
なら，限りない祝福がいつもあなた方とともにあるで
年後に，使徒に聖任される12人の名前が提示されまし
あろう。
た。十二使徒定員会が召されたとき，オリヴァ・カウ
ドリは彼らに次のような訓告を与えました。
「『あなた方は誠心誠意この務めを果たしたいと思っ
ているだろうか。そのような望みを抱いているならば，
あなた方はこれまで人に助けられて証を得，それに
基づいて行動してきた。しかし，今や自分の力で天よ
りの証を受ける必要がある。……
信仰を強め，疑いや罪，一切の不信仰を捨てなさい。
あなた方は人によらず，神により召されて全世界に出
そうすれば，あなた方が神に近づくのを何ものも妨げ
て行くのである｡」
ることができないであろう。あなた方の聖任は，神ご
ここでオリヴァは再び先の啓示から，主が十二使徒
自身がそのみ手をあなた方の上に置かれてはじめて完
に対して言われた言葉を引用した｡『十二使徒の兄弟た
全なものとなる。私たちは資格を得るために，昔の使
ち，あなた方はこの啓示に示されている義務を負った
徒たちと同じことが求められているのである。神は昔
のである。聖なる神権に聖任され，み使いより権威権
も今も変わっておられない。救い主がかつて使徒たち
能を授かった人々からこれを受けている。あなた方に
の頭にご自身の手を置かれたのであれば，末日におい
は，すべての国々にこの福音を宣く伝える責任がある。
てもそうされるのではないだろうか。……
与えられた責任を十分に果たさなければ，大いなる罪
.…･･あなた方はひとつであり，すべての国民に対す
がその頭に下るであろう。偉大な召しであればあるほ
る王国の鍵を各々が等しく受けている。神の御子の福
ど，それを怠ったときの罪は大きい。それゆえ，心か
音を地の諸々の民に宣く伝えるために召されているの
らへりくだるようにと警告申しあげる。人の心の思い
である。あなた方が福音を地の果てや海の島々にまで
上がりというものを私自身よく知っているからである‘
宣く伝えることは，天父のみこころである。
世のへつらいに踊らされてはならない。世のものに心
人々を救うために熱心に働きなさい。どの人も同じ
を奪われてはならない。あなた方の務めを第一にする
ように尊い存在である。あなた方は自分を賢いと思っ
のである。忘れないでいただきたい。人々の救いがあ
ている人々にこのメッセージを伝えなければならない。
なた方の働きにゆだねられている。この召しに応える
そのような人々はあなた方に迫害を加えたり，命をつ
33
けねらったりするかもしれない。いつの時代も，悪魔
ように道を切り開くための完全な権能，鍵神権を与
は神の僕の命を奪おうとしてきた。だから，もしみ業
の発展と成就のために命を犠牲にするよう神から求め
られたら，いつでもそれに応じられるように備えてお
きなさい。神に不平を言ってはならない。常に祈りな
えられている。ほかの者は彼らの指示の下に行くので
さい。油断してはならない。……
あり，彼らに従う。この伝道の業は12人の手中にあり，
彼らは大管長会の指示の下に教会の諸業務をすべて推
進し，福音をすべての人々に宣く伝える｡」（｢救いの教
義」3:131)
あなた方の任務の偉大さは，この業の鍵を有し，は
「英語の『apostle(使徒)』という言葉には，『遣わさ
るかかなたの国々，すなわち闇に閉ざされた国々に出
れた者』という意味がある。これは，主が地上で使命
で行くことにある。神のみ業を遂行せねばならぬ時が
を果たしておられる間に同僚として選ばれ，昇天後は
やって来たのである。イスラエルの民が集められ，長
い間散らされていたヤコブの子孫が集合する。そして，
主の代理として派遣された12人に対して，主から与え
神の選ばれた民イスラエルのために祝宴が設けられる
であろう。悲しい話ではあるが，福音を宣く伝えても，
使徒はイエス・キリストの特別な証人である。真理
を知り，いつまでも変わらない証を持つことは，彼ら
神の僕たちは人々から拒絶されるであろう。しかし，
の権利である。使徒に課せられた厳粛な義務は，イエ
られた称号である。……
捜し出されてあなた方の証を受け入れ，それによって
ス・キリストがまさに神の独り子であり，世の晴い主
喜びを得ないイスラエルの民がどこにいるだろうか。
であり，罪を告白して悔い改め，戒めを守るすべての
どこにもいない。末日に起こる数々の偉大な事柄が予
人々の救い主であられることを確かに知ることなので
言されている。選民が選び出された後，破壊が地の民
ある｡」（『大管長会と十二使徒評議員会』「インプルー
を雲うであろう。そしていと高き神の聖徒から警告を
ブメント・エラ」1966年11月号,pp.978-79)
受けた後，すべての国民は神の怒りを思い知るであろ
使徒がキリストについて持っている知識は，並大抵
う。あなた方が警告を発しなければ，ほかの人が発す
のものではありません。イエスがキリストであり，復
るであろう。そして，あなた方は自身の冠を失うこと
活して昇栄した人として現に生きておられることを，
になるのである。
個人の啓示によって確信しなければならないのです。
……そこであなた方の召しを忠実に果たすように勧
告する。欠けるところがあってはならない。すべての
ジョセフ。F・スミス大管長は，使徒の召しの神聖さ
について次のように明言しています。
点において十分に召しを果たさなければならない。も
「これらの12人のキリストの弟子は，イエス・キリ
う一度言わせていただくが，すべての国民にはあなた
ストの神聖な使命を直接目で見，耳で聞いた証人と考
方に要求する権利がある。あなた方は髪が白くなるま
えられている。十二使徒は，ただ単に，私は信じる，
で，分かれては会い，会っては分かれるのを繰り返す
とか，私は信じているので受け入れているのだ，と言
であろうが，三人の見証者のように互いに堅く結ばれ
うことは許されない。啓示を読めば明らかなことであ
ているのである｡』
るが，彼らは知らなければならない，自分で知識を得
それから一人一人の手を取って尋ねた｡『あなたはこ
なければならないと主は私たちに教えておられる。十
の使命を誠心誠意果たし，あなたが受けた訓戒の主旨
二使徒は，自分の目で見，耳で聞いたかのように，真
に従って，これらの兄弟たちと共に熱心に福音を宣く
理を知らなければならない。十字架につけられた後死
伝えますか｡』全員が『はい』と答えた｡」（｢教会歴史」
からよみがえり，現在全能の力を持って神の右手に
pp.195-98)
立っておられる，世の救い主イエス・キリストを証す
るのが彼らの使命である。この教えと真理を世界に宣
（6−2）使徒はキリストの特別な証人である
く伝え，また宣く伝えられるように配盧するのが使命
別な証人としての使徒の召しについて，次のように教
であり，義務である｡」（｢福音の教義」p.172)
ボイド。K・パッカー長老は，使徒の資格に関連し
えています。
てしばしば尋ねられる質問に，次のように答えていま
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は，特
「すべての人は神権の権能と聖霊の賜により，キリ
ストの証人になることができる。実際教会の長老はす
す
。
「ときどき私は様々な質問を受けてきた。その多く
べてそうならなければならないが，しかし証人の召し
はキリストの証人として立つための条件についてで
の性質において，教会のほかの長老とは異なる特別な
あったが，好奇心から生まれたとりたてて意味のない
召しが12人の特別な証人に与えられている。この12人
ものであった。『イエス・キリストを見たことがありま
は福音がすべての国民，種族，国語の民に伝えられる
すか」という質問である。
34
私は，証はしるしを求めることによって得られるも
のではないことを知っている。断食と祈り，行動，実
行，従順によって得られるものである。また主の僕た
ちを支持し，彼らに従うことも必要である。
カール．G･メーザーが宣教師の一団を連れてアル
プス山脈を越えたときのことである。一行が頂上にた
どり着くと，メーザーは休憩を取った。そして，後方
の氷河を渡る道を示すため雪の上に点々と立っている
ポールを指して言った。「兄弟たち，あれが神権なので
す。あのポールは私たちと同様，何の変哲もない普通
鮮瀞
の棒です。けれども立っている位置が大切なのです。
もしあのポールの示している道からそれたら，私たち
は迷ってしまう｡』〔アルマ・P・バートン「モルモン
の教育者カール．G･メーザー」p.22]
私たちはここで挙手し，主の僕を支持したが，行な
ｆ
いによってもそれを表わさなければならない。これが
私たちの証を左右するのである。
ボイド。K・パッカーは使徒の神聖な役割について語った
私はこのような質問をしたことがない。定員会の兄
さて，私も皆さんと同じように，なぜ私のような者
が聖なる使徒職に召されたのか不思議に思っている。
弟たちにも尋ねたことがない。私はこのような質問は
私には多くの点でこの召しを果たすに必要な条件が欠
非常に神聖な個人的なものであり，質問をするにも何
けている。またこの召しを果たすために私は努力して
か特別な霊感，言葉を換えて言えば認可が必要だと考
はいるが，まだまだ不十分である。このことについて
えているからである。
考えてみたとき，私はたったひとつ，おそらくこの職
非常に神聖なため話をすることができない事柄があ
る。．.…・
私は先程，みたまの導きがなければ決して軽々しく
扱ったり，答えてはならない質問があると申しあげた。
に召された理由だと思われることに気づいた。それは
私が先程述べた証を持っているということである。
私はイエスがキリストであるということを皆さんに
証する。私はイエスが生きておられることを知ってい
私自身はそのような質問をしたことがない。けれども，
る。イエスは時の絶頂に生まれ，福音を教え，試しに
質問されなくともそれに対する答えが述べられたのを
遭い，十字架にかけられた。そして3日後に復活され
聞いたことがある。彼らは『みたまが証す』る神聖な
た。イエスは復活の初穂であり，骨肉の体を持ってお
ときに，みたまの勧めによってそれに答えたのである。
られる。これらのことを証する。私はイエス・キリス
（教義と聖約1：39）
私は幹部のひとりが次のように語るのを聞いたこと
トの証人である｡」（『みたまは証す』「大会報告1970-
72｣pp.196-98)
がある。『私はあまりに神聖であるため口に出すことが
使徒に与えられるイエス・キリストについての証は
できませんが，自分の経験からイエスがキリストであ
実際に目で見て得られる証よりも，はるかに強いもの
ることを知っています｡』
です。
またある幹部はこう証した｡『私は神が生きておられ
「使徒はイエス・キリストの特別な証人である。真
ることを知っています。主が生きておられることも
理を知り，いつまでも変わらない証を持つことは，彼
知っています。それだけでなく，私は主を知っていま
らの権利である。使徒に課せられた厳粛な義務は，イ
す｡』
エス・キリストがまさに神の独り子であり，世の晴い
彼らの証に意味をもたらし，力を与えたものは，そ
主であり，罪を告白して悔い改め，戒めを守るすべて
の言葉ではない。みたまである。『人が聖霊の力で語る
の人々の救い主であられることを確かに知ることなの
ときには，聖霊がその話を人の心の中に浸みこませる
である。
からである｡』(IIニーファイ33:1)
よく次のような質問を受ける。『十二使徒評議員会の
私は，この聖なる職に召された人々の中では自分が
方々は，使徒になるために，救い主とまみえていなけ
あらゆる点で最も小さな者である，という気持ちを常
ればならないのでしょうか｡』必要とあれば，救い主と
に抱きつつ，謙遜にこの話をしている。
まみえるのは彼らの特権である。しかし，主が教えら
､妬
れたように，実際に目で見るよりもっと強い証がある。
格があります。ジョセフ・フィールディング・スミス
たとえ示現の中で神の御子を見たとしてもである。聖
大管長は次のように説明しています。
霊が人の心に与える様々な印象は，示現よりもはるか
「教会に対する啓示を受けるのは一時にただひとり
に重要である。みたまが霊に語るとき，その人の心に
の人しかおらず，その人が鍵を保有している。〔教義と
刻み込まれる印象は，容易に消し去ることができない。
教会のすべての会員は聖霊の証を通して，イエスが神
の御子であるという消えることのない印象を自分の心
に刻むべきである｡」（『大管長会と十二使徒評議員会』
聖約43：3−7参照〕十二使徒は自分たちを導く啓示
「インプルーブメント・エラ」1966年11月号,pp.979)
主のみこころにかなって他の事柄を処理したりする権
を，あるいは神権や教会組織を整えるための啓示を受
けることができる。十二使徒は管理者からステーキ部
に派遣されると，啓示を受けたり，組織を変更したり，
能を持っている。言い換えれば教会全体のために啓示
（6−3）十二使徒会は大管長会の指示のもとにのみ
と導きを受ける権利が十二使徒のひとりひとりに与え
働く
られており，大管長の地位を継げばその権利を行使で
「十二使徒会は，巡回管理高等評議員会にして，教
さだめ
会の大管長会の指揮下に齢て，天の制に適うよう主の
御名によりて職務を行う。すなわち，これらの者は教
会を設立し，よるずの国民に総ける教会のあらゆる事
務を整理し，まず異邦人より始めて次にユダヤ人に及
きるのである｡」（｢救いの教義」3：140）
スミスが死ぬ前に使徒たちに授けたすべての鍵と権能
ぼすべき者たちなり。」（教義と聖約107:33)
を付与される。しかし，大管長の職に就くまでは，そ
ジョセフ・フィールデイング・スミス大管長は，使
徒の役割について次のように説明しています。
「使徒は『巡回高等評議員』，すなわち全世界に出て
（6−4）王国のすべての鍵が使徒に与えられる
「各々の使徒はその職に聖任されるとき，ジョセフ・
れらの権能を行使することはできない。それまでは発
動されない力なのである。使徒たちが予言者，聖見者，
啓示を受ける者として支持されても，教会全体に対す
行って福音を宣く伝える特別な証し人である。このこ
る啓示を受ける者が一時期にただひとり『大管長』し
とからわかるように，十二使徒は大管長会の勧告や指
かいないのは，この理由によるのである｡」（ジョセフ・
示なしに出て行くべきではないのである｡」(『大管長会
フイールディング・スミス「教会歴史と近代の啓示」
と十二使徒評議員会』p.979)
1：389）
十二使徒の務めは，大管長から委任されたことを何
であれ行なうことです。マーク。E・ピーターセン長
国を築くことができたであろうか。決してできなかっ
老は次のように教えています。
「ジョセフ・スミスは，まず使徒にならずに神の王
た。永遠の神権すなわち『神の御子の神権』（教義と
「十二使徒にも神聖な鍵が与えられていますが，そ
聖約107：3）の諸々の鍵は，使徒にならなければ理解
れらの鍵をすべて行使できるのは大管長だけです。そ
できないからである。すべての神権，すべての鍵，す
の特権が与えられるのは，地上で同時代にひとりの人
だけだからです。十二使徒もまた大管長の委任を受け
子のみもとへ帰るためのすべての備えは，使徒職の範
て働きます。彼らは大管長から責任を受け，全力を尽
くしてそれを果たします｡」（『予言者に従う』「聖徒の
職によって限定され，あるいは包含されると言えるで
道」1982年4月号,pp.103-104)
ハロルド。B・リー長老は十二使徒定員会の会員の
年7月23日,p.489)
ときに，次のように述べています。
「すべての鍵は大管長が保有しており，そのいくつ
べての賜，すべてのエンダウメント，そして御父と御
囲内にあり，使徒職の範囲から生み出され，また使徒
あろう。」（ブリガム･ヤング「ミレニアルスター」1853
十二使徒定員会の各々の会員は，使徒の職に召され
るとき，大管長が有しているのと同じ王国の鍵を与え
かを委任されてはじめてそれが私たちの仕事になりま
られます。これは理解すべき重要な点です。しかし，
す。ですから，大管長から権能を託されなければ，そ
与えられた鍵を行使する権限は未発動の状態で，大管
れは私たちの仕事ではないし，私たちには大管長に代
わって行なう権利はありません｡」（『生ける予言者，聖
長の権限に従属しています。大管長に召された場合に
見者，啓示を受ける者の地位』「教会教育者の務め｣p.
を行使する権限を有するのです。
だけ，地上における先任使徒として，そのすべての鍵
1
2
0
)
大管長から委任された任務を遂行するとき，十二使
徒は予言者，聖見者，啓示を受ける者として，その責
任を正しく果たすために必要な啓示と導きを授かる資
36
（6−5）大管長が死亡した場合，十二使徒会が教会
を管理する
次にあげる「教会歴史」からの引用は，十二使徒会
の権威と大管長会の権威の関係を明らかにしています。
て，使徒パウロは次のように教えています。「わたした
「スミス大管長は次に十二使徒会の義務と，大管長
ちはもはや子供ではないので，だまし惑わす策略によ
会に次ぐ彼らの権威とについて説明を始めた。･･･…ま
り，人々の悪巧みによって起る様々な教の風に吹きま
た十二使徒会は大管長会以外のどこにも従属しない。
わされたり，もてあそばれたりすることがなく･･･…｡」
……そして私（大管長を指す）がいなければ，十二使
徒会を統轄する大管長会は存在しない｡」（｢教会歴史」
2：373-74）
（エペソ4:14)教会を安定させる予言者の働きにつ
いて，マーク．E・ピーターセン長老は次のように述
べています。
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長はさら
「神から啓示を受けるこれらの使徒と予言者は，偽
予言者や偽りの教えから人々を守る防壁の役割を果た
に次のように説明しています。
「大管長会が解任されると，教会の諸事を秩序正し
く導く責任は十二使徒評議員会に与えられる。
す義務があった。したがって，もしだれかがひそかに
やって来て，秘密の啓示を受けたと言ってあなたを惑
『この十二人は，前記の三人の管理大祭司と権威と
わそうとしたら，その人は使徒ではないことを是が非
権能とを同じくせる定員会を構成す｡』（教義と聖約
でも思い起こしていただきたい。神のみ言葉が知りた
107：24）
ければ，十二使徒評議員会または大管長会のところへ
すなわち，大管長会が解散すると新たに大管長会が
行きなさい。彼らは教会の土台であり，あなたが安心
組織されるまで，十二使徒定員会が教会の管理定員会
して正しい道を歩んでいけるように助けてくれるので
になる。十二使徒定員会はその間，事実上，大管長会
ある｡」(『人は神によって召されなければならない』｢年
すなわち管理定員会になるのである。……
度講話」1979年,p.184)
ここで言っておかなければならないと思うが，大管
使徒の勧告に従う聖徒は，安全な道を歩むことがで
長会が十分に正しく組織されている場合には，十二使
きます。使徒は献身的に大管長に従っていますから，
徒会が大管長会と同等の権能を持つことはあり得ない。
大管長や大管長会と同じように，十二使徒定員会も決
等しい権能を持つふたつ，あるいは3つの頭が同時に
して教会員を背教に導くことはありません。
存在することはあり得ない。あってはならないのであ
「主がこの教会に与えられた幹部の人々は，教会員
る。そのようなことになれば,混乱を招くからである｡」
のための言わば港，避け所，繋留所となっている。主
けいりゆうじょ
（『大管長会と十二使徒評議員会』p.979)
がこの教会に置かれた教会幹部にしっかりとつながっ
ている人は，決して誤った道に踏み迷うことはないで
(6−6）使徒は教会員を背教から守る
あろう。この教会は決して道を誤らないであろう。ま
使徒や予言者が教会の中に置かれている理由につ’
た，十二使徒定員会はあなたを決してわき道へ導かな
いであろう。そのようなことはかつてなかったし，こ
§識議蕊蕊瀧識“
灘議蕊鶏議蕊譲驚灘
れからもない。個人的には迷う人がいるかもしれない。
しかし，十二使徒評議員会の大多数はいかなる時にも
蝋藍
纐鳶
瀞
龍軍学
蕊
道を誤らないであろう。主が彼らを選び，特別な責任
を与えられた。したがって,彼らから離れずにいる人々
は安全である。逆に，権能に逆らう道を歩み始めると
き，その人は大きな危険に陥っている。主の選ばれた
指導者が必ずしも非常に才能豊かで，鍛えられている
蕊
蕊騨狂騨距
鱗
『篭
鷺
︾溌驚蕊
割ず
撚擢
轆鱗蕊‘
驚趨
；
ジヨセフ・フイールデイング・スミスは十二使徒の権威につい
て語った
稚蕊熱蕪郵‘
心
とは申しあげない。しかし彼らは選ばれている。主か
ら選ばれた彼らには，主の認められる権能が与えられ
ている。したがって，彼らの身近にとどまる人は安全
である｡」（スペンサー．W・キンボール「大会報告」
1951年4月,p.104)
（6−7）研究課題と応用
1．現在の十二使徒定員会の会員を先任順にあげなさ
い。
2．本課と以下の聖句を読み，十二使徒定員会の召し
と責任を簡単にまとめなさい。教義と聖約107:
？ゲ
ノ '
3
．
23-24,33-35,58;112:1,14,21｡
拘束力あるものとなるでしょう｡」（｢大会報告」
マリオン。G・ロムニー長老の次の言葉を読みな
1967年10月,pp.136-37)
使徒の証を聞いた後，あなたにはどのような責
さい。
「主の証し人である私たちの責任は，予言者の
証と私たち自身の証を皆さんに伝えることです。
私たちがそれを行なう程度に応じ，証し人や証の
真偽を判断する責任は，私たちから皆さんに移さ
れます。この判断の重要性を過少評価しないよう
にしましょう。……
兄弟姉妹の皆さん，私はこれらのことを主イエ
ス・キリストのみ名と，私の持つ聖なる使徒職の
権能によって証します。この証は皆さんにとって
認
任があるか，簡潔に書きなさい。
4．聖任された使徒は｢キリストの御名の特別の証人」
（教義と聖約107：23）であると記されています
が，この言葉の意味を簡単に説明しなさい。
5．十二使徒定員会と大管長会の関係について説明し
なさい。
6．使徒が予言者，聖見者，啓示を受ける者として支
持される理由を説明しなさい。
管長の職の継承
第7章
「だれが新しい大管長になるのだろう｡」
「信頼できる筋によると，十二使徒が集まって秘密
投票で決めるらしいよ｡」
「第一副管長が大管長になるのが，理にかなってい
ると思うけどな｡」
教会員の間でこうした会話がときどき聞かれますが，
これは，大管長の職の継承に関する原則を正しく理解
していないことを表わしています。
継承の原則はすでに定められ，聖徒たちに明確に説
明されています。次の大管長になる人については，論
争も推論もすべきではないのです。
主は，教会をだれに導いてほしいかを考えておられ
ます。予言者ジョセフ・スミスのあとを継いだ人々に
ついて，ゴードン。B・ヒンクレー長老は次のように
述べています。
「長年の献身の間に，彼らは洗練され，えり分けら
スペンサー。W・キンボール会長はハロルド。B・￨ノー大管長
れ，試されて，全能者の目的にかなった人物となるよ
のあとを継いだ
う培われたのである。……主は彼らの心を謙遜にし，
しい使徒を聖任するのである。
性質を練って，のちに彼らに負わせる大いなる神聖な
教会の最高定員会では，聖任順位が基本である。使
責任の備えをさせられたのである｡」(｢感謝を神に捧げ
徒たちは皆，これを完全に理解しており，教会の事柄
ん』「大会報告1973-75｣p.141)
に精通している会員も皆，この完全な継承方法を熟知
している｡」（『感謝を神にささげん予言者の導き』「大
（7−｜）主は継承の順位を定められた
予言者の職の継承は，十二使徒定員会における先任
順位に従って自動的に行なわれます。スペンサー．W・
キンボール会長は次のように述べています。
「私たちの主は，責任の交替に備えて常に完壁な準
会報告1970-72｣p､360)
教会を導く人の交替は自動的に，また即座に行なわ
れます。特別な啓示は必要ありません。
「さて，これが方法であり，制度である。大管長の
職の継承は，秩序正しく系統だった方法で行なわれる。
備をしておられる。今日では，12人の使徒とふたりの
なぜなら，主は十二使徒評議員会の会員に，過去のあ
副管長，合わせて14人の使徒職を持つ人々がいて，状
らゆる時代，あらゆる神権時代の鍵と権威権能を授け
況が変わればいつでもその権能を行使できる状態にあ
られたからである。十二使徒評議員会の会員に聖任さ
る。この人々は皆，聖任順位が進んで自分に順番がま
れた各々の使徒は，すべての鍵を与えられている。し
わってくればいつでも指導者の地位に就くことができ
かし，それらの鍵は大管長会の権限であるから，本人
るよう，聖任されているのである。
が先任使徒となり，大管長の職に就いてほかのすべて
ジョセフ・スミスの時代から今日まで，およそ80人
の人の働きを導くようになるまでは，いわば未発動の
の人々が使徒職の権能を与えられた。だが，その中で
状態に置かれている。したがって継承は，いわば自動
大管長の地位に就いた人は11人しかいない。他界した
的に起こるものなのである｡」（ブルース。R・マッコ
人々がいるからである。主の僕たちの死は，主の力と
ンキー｢大管長の職の継承』「年度講話｣1974年,p､25)
統治力と支配の及ぶ範囲内にあり，主は，その指導の
神の先任使徒がほかの使徒よりも長くその職にある
職に就くよう予任されている人々にのみ，教会の筆頭
という事実は，主から選ばれた者であることをはっき
職に就くことをお許しになるのである。生も死も主の
りと示しています。スペンサー．W・キンポール会長
支配の要因となる。主により新しい使徒が順次選ばれ，
がハロルド。B・リー大管長のあとを継いだことにつ
そのときの生ける予言者に啓示され，その予言者が新
いて，ブルース。R・マッコンキー長老は次のように
39
述べています。
「リー大管長が息を引きとったとき，教会の最高指
導者の衣はキンボール会長の肩にかけられ，キンポー
粋な信仰を示し，神によって教会を管理するように定
められた人々を通して語られた霊感あふれる言葉を受
け入れたのである。
ル会長のはく息は，地上における生ける神託，神の管
その当時，グラント大管長は高齢であり，もう長く
理権能を有する者の息となった。そして，その瞬間か
はないだろうと思われていた。よくあることであるが，
ら，教会はキンボール大管長の指示のもとに導かれた
聖徒の間では様々な憶測が飛びかっていた。予言者は
のである。
間もなく死ぬだろう，次の大管長になるべき人は心身
主から啓示を与えられる必要もなかったし，特別な
両面でその激務に耐えられないだろう，などといった
指示を与えられる必要もなかった。律法はすでに定め
憶測である。皆さんの中には，そのようなときに遭遇
られていたからである。神は毎朝天より見降ろして，
『日よ昇れ』とは言われない｡神はすでに法則を定めて，
し，憶測を口にする人がいるかもしれない。そんなあ
る日，家族のひとりがグラント大管長のそばに来てこ
太陽を大空に置かれた。そして太陽は定められた法則
う言った。『おじいちゃん，もし大管長が亡くなった
に従って昇るのである。リー大管長からキンボール大
管長への指導者の交替も，同様に行なわれたのである。
大管長が亡くなると大管長会は解任され，教会の最
高指導者の衣，すなわち管理の権限は，残された先任
使徒と十二使徒評議員会に移行される。つまり事実上
十二使徒評議員会が大管長会となり，再び正式な大管
長会が組織されるまで，その役割を果たすのである｡」
ら，そして次に大管長になる人が準備のできていない
（『大管長の職の継承』pp.19-20)
人だったら……｡』グラント大管長は耐えられずに口を
はさんだ。『そんな憶測はやめなさい。主にあっては憶
測はないんだよ。主はだれが教会を管理すべきか，ご
存じだからね｡』」（ハロルド。B・リー「イエス・キリ
ストの福音における守り」p.6)
（7−4）新しい大管長はどのようにして選ばれるか
「『教会の大管長はどのようにして選ばれるのか』と
（7−2）大管長の職の継承は神のみこころによって
行なわれる
質問する人に対して，正しく明確な答えを信仰箇条第
5条から引用しなければならない。『われらは，福音を
「神は初めから終わりまで，すべてのことをご存じ
宣く，且つその儀式を執り行うためには，啓示と，権
である。イエス・キリストの教会の大管長に召される
威ある者の按手により，神によりて其任に召されねば
こともその職にとどまることも，また天に召されるこ
ならぬことを信ず｡』
ともみな単なる偶然の出来事ではない｡」（エズラ・タ
フト・ベンソン「韓国ソウル地域大会報告」1974年，
p.52)
手順1
人が大管長に召される場合，実際には十二使徒定員
実際に使徒が召される以前に，主はその人が大管長
会の会員として召され，聖任され任命されるところか
になるかどうか，そしてもしなるとすれば，いつなる
ら始まる。すなわち，啓示，言い換えれば主の霊感に
のか知っておられます。エレミヤに告げられたことは
より管理の鍵を有する者として召され，次に同じ権能
（エレミヤ1:5参照),主のすべての予言者に当ては
まるのです｡｢主は主ご自身の方法で予言者を召されま
により按手聖任，任命されて，使徒職を持つ12人から
成る神権定員会の一員となるのである。
す。主は彼らをこの世に生まれる前からご存じでし
た｡」（リグランド・リチャーズ『予言者の召し』「聖徒
手順2
の道」1981年9月号,p.52)主は全知全能のお方で，
こうして教会の大管長により聖任されたすべての使
人の生と死を支配する力を持っておられますから,｢神
徒は，ほかの聖任された使徒たちと共に神の王国の鍵
の予言者が時ならずして天に召されることはない」の
を握り，教会のあらゆる職に必要な神権の権能を持つ。
です。（エズラ･タフト･ベンソン『伝道一偉大な務め』
そして管理役員により召され，教会員の集まりにおい
「聖徒の道｣1974年10月号,p､466)したがって，みここ
ろにかなわないときに主の教会の大管長になる人もい
て賛成の挙手を受けて支持された場合には，教会を管
理する職をも受けるのである。
ないのです。
手順3
（7−3）聖徒は継承に関する推測をやめるべきであ
「病床にあったヒーバー・』・グラント大管長は純
40
予言者ジョセフ･スミスはこう宣言している。「大管
長がいなければ大管長会は存在しない｡』大管長の死に
る
伴い，次位にある十二使徒定員会が即座に管理機関と
なり，新しい大管長が公式に聖任され支持されるまで
啓示により聖任され，組織された）十二使徒定員会で
十二使徒会会長が大管長代理を務める。
ある。それではこの十二使徒たちが教会を管理すると
教会を管理したことがあった。教会の情勢が安定する
き，教会の大管長を務めるのはだれであろうか。十二
使徒会の会長である。会長は，大管長会が組織された
ときにふたりの副管長を管理するのと同様に事実上，
につれて，大管長の死後すぐに新しい大管長会が組織
十二使徒を管理しながら教会の大管長を務めるのであ
されるようになってきた。
る｡』しかもこの原則は，教会が組織されて以来140年
を経た今も実行されている｡」（ハロルド。B・リー『私
この神権時代の初期において，ある事情から，新し
い組織ができるまで，十二使徒評議員会が3年もの間
大管長会と十二使徒会の会員はすべて通常，『予言
者，聖見者にして啓示を受ける者』として支持を受け
たちの時代』「聖徒の道」1970年10月号,pp.258-59)
る。これは今日でも変わらない。啓示によると，これ
は，選ばれ聖任されたすべての使徒が，『当団体(完全
な十二使徒定員会と解釈されている）によりて選ばれ，
（7−5）ハロルド。B・Iノー大管長の死去の際に示
された継承の方法
きゅう
その職に任命して按手聖任され，教会員の信任と信仰
「1973年12月26日にハロルド。B・リー大管長が急
と祈りによりて支持せられ』た場合には，教会を管理
蓋した後,どのようなことが行なわれたかについて詳
することができるという意味である。その場合，管理
しくお話ししたいと思う。私はアリゾナ州フェニック
するのは十二使徒定員会の先任使徒，すなわち会長で
スで娘の家族と共にクリスマスを過ごしていた。そこ
ある。（教義と聖約107:22参照）
へ，リー大管長の秘書であるアーサー・ヘイコック兄
弟から電話があった。リー大管長が重病のため，すぐ
に帰ってきてほしいという連絡だった。それから30分
手順4
時折，先任の十二使徒以外の人が大管長に召される
かどうかという質問を耳にする。この件に関して，主
してまた電話があった｡『リー大管長はたった今主のみ
もとへ召されました』というのである。
が十二使徒会会長にほかの人を選ぶよう啓示した場合
私が不在であったため，教会の諸業務を指示してい
のみ，先任使徒以外の人が教会の大管長になることが
たロムニー第二副管長が，十二使徒評議員会会長のス
できるという考えがある。
ペンサー。W・キンボール長老と共に病院に詰めてい
主はこの神権時代における最初の予言者に前もって
定められている地上の神の王国の組織を通して，教会
た。リー大管長が亡くなると，ロムニー副管長は直ち
にキンボール会長に向かってこう言った｡『これからは
の指導者に関する秩序正しい計画を示された。これら
あなたの責任ですね｡』大管長がいなければ，十二使徒
を話し合ううえで，主は次のような説明を与えておら
会を管理する大管長会は存在しないと語った予言者
れる。
ジョセフ・スミスの言葉を思い出していただきたい。
も
『メルケゼデク神権を有てる者の中三人の管理大祭
リー大管長が死去し，十二使徒会が教会の管理機関
司あり，当団体によりて選ばれ，その職に任命して按
になるまでに1分とかからなかった。
手聖任され，教会員の信任と信仰と祈りによりて支持
リー大管長の葬儀の後，12月30日日曜日午後3時，
キンボール会長はソルトレーク神殿の会議室に使徒の
せられ，当教会の大管長会なる定員会を構成す。
なわち全世界に総けるキリストの御名の特別の証人と
全員を招集した。ロムニー副管長と私は，それぞれ先
任順位に従って席に着いた。したがって，出席者は14
なるべき者なり。すなわち，かくの如く彼らは当教会
名である。
十二人の巡回評議員は召されて十二使徒となる，す
に砂ける他の職員とは，その天職に就ける義務を異に
歌と，ロムニー副管長の祈りの後，キンボール会長
す。またこの十二人は，前記の三人の管理大祭司と権
は心からへりくだって自分の思いを私たちに打ち明け
威と権能とを同じくせる定員会を構成す｡』（教義と聖
た。キンボール会長は金曜日に神殿に入って主と話し，
約107:22-24)
新しい責任に就くことと，副管長を選ぶことについて
この問題について，第4代大管長ウイルフォード・
ウッドラフは，当時十二使徒会の一員であったヒー
バー・』・グラント大管長にあてた1887年3月28日付
導きを求めて祈ったとき，涙をとめることができな
かったと語った。
聖なる神権の衣をまとった私たちは祈りの輪を作り，
の手紙で所見を述べている。以下にその手紙を引用す
キンボール会長からの要請で私が祈りを指揮し，トー
る
。
マス。S・モンソン長老が祈りを捧げた。次にキンボー
『教会の大管長が死亡した場合，教会の管理役員に
はだれがなるのであろうか。それは，（ほかならぬ神の
ル会長は，その集いの目的を説明し，定員会の全員に，
エズラ・タフト・ベンソン長老から始めて先任順に意
4Z
『教会の管理』「聖徒の道｣1980年3月号,pp.58-59)
､
鑑
：
熱
魁
蕊
漣
（7−6）新しい大管長の正式な支持はどのように行
なわれるか
1974年4月6日，ユタ州ソルトレーク・シティーに
r謡
あるテンプルスクウェアのタバナクルで，新しい大管
遥
蕊
長会を支持する聖会が開かれました。N・エルドン・
錨
タナー副管長が新しい大管長会ならびに教会幹部の名
謬
§
前を読みあげて，支持の挙手を求めました。タナー副
管長は，ジョン・テイラーの時代に確立された手順に
従ってこれを行ないました。その手順は次のとおりで
す
。
「兄弟姉妹の皆さん，これはきわめて神聖な会です。
識
私たちはこの聖会を尊重し，ふさわしく運営しなけれ
、等ゴ
叢
鴬
ばなりません。聖会にはかなりの時間がかかりますが，
私たちがしかるべき態度と心とを保つならば，決して
退屈することはないでしょう。
私たちはソルトレーク・シティーのテンプルスク
N・エルドン・タナーは新しい大管長を支持する手順について
説明した
ウェアにあるタバナクルに集い，教会の公式の聖会に
おいて，新しい大管長に対する初めての支持の挙手を
見を求め，大管長会をその日に組織すべきかそれとも
行ないます。この手順は，ジョン・テイラー大管長が
十二使徒評議員会として継続すべきかを尋ねた。全員
総大会で支持を受けて以来，現在まで受け継がれてき
が今組織すべきである旨を表明し，キンポール会長と
た教会の慣習に従うものです。
彼の十二使徒会に対する働きについて多くの称賛の言
葉が述べられた。
そして，エズラ・タフト・ベンソン長老はスペン
教会の神権者は，タバナクルに集っている人に関す
る限り，神権定員会ごとに着席しています。
大管長会，十二使徒評議員会，十二使徒評議員会補
サー．W・キンボール会長を大管長として推薦した。
助，大祝福師，七十人第一評議員会会長，管理監督会
マーク。E・ピーターセン長老がこれに賛成し，全会
は，タバナクルの壇上にある各々の席に着いています。
一致で承認された。次いでキンボール大管長は,N･
十二使徒の地区代表と十二使徒および七十人第一評
エルドン・タナーを第一副管長に，マリオン。G･ロ
議員会の伝道部代表は，手すりの内側の低い席を含む，
ムニー長老を第二副管長にそれぞれ指名した。指名を
壇の北側と南側の席，それに1階ホールの前列に座っ
受けた両者は，その職を受け入れ，その職務を果たす
ています。
ためにすべての時間と力を捧げることを表明した。
祝福師は,1階ホールの前に近い席に座っています。
そして，全会一致の賛成を得た。次いで十二使徒会
ステーキ部長会，高等評議員，定員会会長会ならび
の第二先任順位にあるマーク。E・ピーターセン長老
に会員，ワード部監督会を含む大祭司は，1階ホール
が，エズラ・タフト・ベンソン長老を十二使徒会の第
の中央から東側ギャラリーの下にかけての席に座って
一先任会員および十二使徒定員会会長として推薦した。
います。
この提議も全会一致の承認を得た。
ここで全員がスペンサー。W・キンポール長老の頭
七十人は，北側ギャラリー下の1階席に座っていま
す
。
お
に手を按き，エズラ・タフト・ベンソン会長がスペン
サー。W・キンボール長老を末日聖徒イエス・キリス
ト教会第十二代大管長として聖任し，任命した。
次いで，キンポール大管長がN・エルドン・タナー
を第一副管長に，マリオン．G・ロムニー長老を第二
長老は，南側ギャラリー下の1階席に座っています。
アロン神権者（祭司，教師，執事）は，東側ギャラ
リーの下，大祭司のすぐ後ろに座っています。
ほかの席には，一般の教会員が座っています。
このほか大勢の人々がアッセンブリーホールやソル
副管長にそれぞれ任命した。同様に，キンポール大管
トパレス，各々の家庭に集まっています。教会員の皆
長はエズラ・タフト・ベンソン長老を十二使徒定員会
さんはどこにいようとも，これから行なわれる挙手に
会長に任命し，祝福を与えた｡」(N･エルドン･タナー
参加することができます。
42
最初に神権定員会による挙手を行ない，それから大
会に出席している全会衆による挙手を行ないます。
神権定員会および定員会グループによる挙手は，次
第二副管長
十二使徒定員会会長
十二使徒評議員
の順序で行ないます。
大祝福師
1．大管長会
副管長，十二使徒評議員，大祝福師を予言者，聖見
2．十二使徒定員会
3．祝福師
4．大祭司（この中には，十二使徒会補助，地区代表，
伝道部代表，ステーキ部長会，高等評議員，定員
者，啓示を受ける者として支持します。
定員会がこれらの役員を支持した後，残りの教会幹
部，教会の中央の役員，中央補助組織役員を，通常の
総大会と同じように挙手により支持します。以上は，
会会長会ならびに会員，管理監督会，ワード部監
ジョン・テイラー大管長によって定められた手順に
督会が含まれます）
従ったものです。
5．七十人
6．長老
7．アロン神権者（祭司，教師，執事）
8．神権者を含め，この場に集っている全会衆
挙手を始めてよろしいでしょうか。教会員だけが挙
手する資格があります。
ひとつの定員会ごとに，場合によっては定員会のグ
ループごとに，それぞれ挙手を行ないますので，呼ば
挙手は以下の手順で行ないます。
れたら起立してください。残りの方は呼ばれるまで着
各々の定員会またはグループが呼ばれ，提示された
席していてください。
役員を支持するように求められます。挙手をする人は
主によって定められたこの神聖な儀式を行なうとき，
呼ばれたときに起立します。賛成の挙手を求められた
主の導きがありますように，そしてみたまが私たちと
ら，その意志のある人はひじを直角に曲げて右手を挙
共におられますように。各々の教会員はこの機会を通
げ，役員を支持することを主に表わします。そして手
して，教会とそのみ業，すなわち人に救いと昇栄をも
をおろします。次に，提案に反対の人は同じく右手を
たらす業を管理するために召された人々を支持するこ
挙げて，役員を支持しないことを主に示すように求め
とができるのです。
られます。
賛成と反対の挙手が終わったら，その定員会の会員
は着席します。
最初に，定員会が大管長と副管長に対する挙手を行
ないます｡」(N・エルドン・タナー「大会報告」1974
年4月,pp.54-55)
同様にして，すべての定員会が挙手を行ないます。
各自は自分の思うままに自由に挙手をすることがで
（7−7）研究課題と応用
きます。この挙手には何らの強制もありません。賛成
1．本章を参考にして，主が新しい大管長の選任につ
の挙手をする人は，その役員を支持するという神聖な
いて定められた手順を要約しなさい。最初の手順
誓約を主と交わします。すなわち，あいまいな余地を
として，新しい使徒はどのように選ばれますか。
残さず無条件に，その役員に完全に忠誠を尽くし，支
2．教会における継承の原則について，ブルース。R・
持することを誓約するのです。
すべての定員会が挙手を終えたら，神権を持つ人も
マッコンキー長老は次のように述べています｡｢地
上に主のみ業を導くこれらの兄弟の召しに，偶然
持たない人も共に，全会衆で挙手をします。全員が起
はありません｡そこには主のみ手があります｡主は
立します。まず，提議に賛成する人が右手を直角に挙
初めから，終わりのことをご存じなのです｡」（｢大
げ，役員を支持することを表明します。賛成する人が
手をおろしたら，提議に反対する人の挙手が求められ，
右手を直角に挙げてその意を表わします。
定員会による挙手が求められる役員は，次のとおり
です。
大管長
第一副管長
会報告」1974年4月,p.101)
3．ジョセフ・スミスの次の言葉の意味を説明しなさ
い。「私〔大管長〕がいなければ，十二使徒会を管
轄する大管長会は存在しない｡」（｢予言者ジョセ
フ・スミスの教え」p.106)
4．教義と聖約107：24の内容とその重要性について
説明しなさい。
43
生ける予言者に従う
単元2
正し〃ものの見方
偽りから身を守る
第8章
私たちはある特定の状況下である決定を下し，それ
神の見地
に基づいて行動しますが，そのほとんどは自分の考え
や信条，憶測などに左右されています。同じ現象を目
にしたふたりの人が，それぞれまったく異なる観点か
ら評価を下したために，非常に異なった結論を導き出
すということもあり得ます。そこで行動や動機にも違
冒紺
いが出てくるということになります。
世の中のほとんどの人は，物事を自分の目にどう映
るかという観点だけから見ています。しかし，神や予
颪0
言者を信じる人は，永遠の観点から物事を見ます。す
なわち，人生は永遠の存在の一部分であり，この世の
出来事は前世や永遠の来世と関連づけて評価すべきで
この世の見地からしか物事を見ない人は，永遠の世
あると考えています。つまり，この世の存在というこ
界を理解することができません。それは理性と科学的
とに制限されない神の見地から物事を見ようとするの
な方法だけに頼って知識を得，評価するからです。他
です。
方，永遠の見地から物事を見ようとする人は，適切で
次の図表は，主の見地と人の見地との関係を表わし
あれば理性や科学的な方法も使いますが，それに加え
て，神からの啓示に導きを求めます。ですから，同一
たものです。
の問題に対しても結論が異なってきます。たとえば，
最近の社会問題である人口制限をそれぞれの見地から
分析してみましょう。
前提
この世の見地
生命の発生は偶然に
よる
絶え間ない人口増加
により
0
達成すべき目的や全
結論
現象
9
地球の資源が
人口増加を抑制しな
ければならない。
急速に枯渇しつつある。
体的な計画はない。
人生の目標は，生き
残って幸福を得ること
である。
永遠の見地
神により定められ，
絶え間ない人口増加
導かれている神聖な計
により
画がある。
急速に枯渇しつつある。
霊たちが肉体を得る
機会を待ちわびている。
9
地球の資源が
「
うめよ
ツ
ふえよ，
地に満ちよ」という主
の戒めに引き続き従う
べきである。
人口を支えるために，
人類にとって
地球の資源の保護と有
十二分な資源を地球に
効利用に努めるべきで
備えられた。
ある
主は
，
0
47
異なった見方をするために，社会的，政治的，宗教
ある。また主の奥義が何と深くて，隅々まで知ろうと
的なほかの多くの問題についても，このような相違が
してもむつかしいことよ･それであるから，主のなし
生まれてくることでしょう。
たもうことを一切知るのはとても人間業でできること
ではない。主の道が啓示されなかったならこれを知る
（8−｜）この世的な見方には限界がある
この世的な見方でしか世の中を見ない人は，人間の
理性に頼り，触知できる物的な証拠によって観察，評
価，または証明できないものを知ろうとはしません。
者は一人もない。それであるから兄弟たちよ，神の下
さる啓示を軽んじてはならない｡」（モルモン経ヤコブ
4：8）
「いったい，人間の思いは，その内にある人間の霊
彼らの出す結論は，手に入る情報とそれを評価する能
以外に，だれが知っていようか。それと同じように神
力に左右されます｡自分の理性だけに頼る人々は,まっ
の思いも，神の御霊以外には，知るものはない。……
たく異なる結論に至るかもしれません。それぞれの
生れながらの人は，神の御霊の賜物を受けいれない。
持っている憶測や情報が間違っている場合や，ゆがめ
それは彼には愚かなものだからである。また，御霊に
られている場合もあるからです。
よって判断されるべきであるから，彼はそれを理解す
人類はこの世的な見方（論理や実験）だけを用いて
みたま
ることができない｡」(Iコリント2:11,14)
このように驚異的な進歩を遂げてきたため，一部の
天から啓示される真理は不変です。もし啓示された
人々はもっぱらそのような見方しかしないようになり
真理が，論理や科学が打ち立てた仮説と一致しないよ
ました。彼らは霊的な事柄（啓示，復活，續罪など）
うな場合，私たちは忍耐し，信仰を行使しなければな
は，この世的な見方では評価できないからと言って，
りません。啓示された真理が正しいことは，時が証明
永遠の見地に立って物事を見ようとしません。
私たちは神から与えられた理性や探求心を活用すべ
してくれるからです。しかし，個人の解釈を啓示され
た真理として受け入れたり，啓示された真理から不当
きですが，この世的な手段によって得られる知識と，
な結論を導き出したりしないように注意しなければな
神から授けられる知識との間には違いがあることも認
りません。
識しなければなりません。この世の学問と神の勧告と
の正しい関係を保つことの大切さについて，予言者ヤ
コブは次のように証しています。
「おお人間の虚栄と意志の弱さと愚さよ･人間は学
（8−3）予言者は私たちを真理へ導く
予言者の物事を見極める力は，永遠の原則を理解す
ることによって研ぎ澄まされ，予言者の知識は個人に
問があると自分は賢いと思って神の訓戒に耳をかさず，
与えられる啓示によって深められます。そのため，予
自分独りで解ると思って神の訓戒をうち捨てるから，
言者の出す結論は，こうした天からの賜に欠けるほか
その智恵は愚であって何の益にもならず，かれらはつ
の人の出す結論よりも，正確で信頼できるものです。
いに亡びるのである。しかし，人間がもしも神の訓戒
「教会の大管長から教えを受けるとき，主が私たちに
に従うならば，学問のあるのも善いことである｡｣(II
行なうように望んでおられることを大管長が告げられ
ニーファイ9：28-29）
ていると考えている。私たちにとってそれは，人の勧
告以上に重要なものである｡」（ジョージ･アルバート・
（8−2）出所がどこであれ，真理はすべて調和する
スミス「大会報告」1930年10月,p.66)「啓示，すなわ
真理は「現在の事をありのままに示し」たものです
ち真理を知る明らかで秩序立った経路は，今なお開か
から，真理が矛盾し合うことはありません。（モルモン
れている。天父は引き続き，予言者に霊感を与えてお
経ヤコブ4：13）人間の論理によって発見されようと，
られる。この霊感は，人生の決断を下す際に確かなガ
神からの啓示によって明らかにされようと，真理は真
イドとなるものであり，私たちを真理へ導くものであ
理なのです。
る｡」（トーマス。S・モンソン「完成への小道」p.34)
この世の学問と神への信仰を正しい見地に立って見
極めることができる人が大勢います。そのような人々
は，学者が受け入れている方法をどのように使って真
エズラ・タフト・ベンソン会長は，次のような賢明
な助言を与えています。
「死すべき人間である私たちは，指導者，予言者，
理を探求したらよいかを心得ています。しかし，理性
聖見者，啓示を受ける者，すなわち大管長に，しっか
や科学的な方法では発見できない真理があり，それら
りと目を向けていなければなりません。……大管長は，
を見いだすには啓示に頼らなければならないことも認
生命の水の泉に最も近い存在だからです｡」(｢韓国ソウ
識しています。
ル地域大会報告」1975年,p.52)
「ごらん，主の御業は本当に偉大で驚嘆すべき事で
48
まうことだろう。したがって，主のみ言葉をこれらの
理論や教えに一致させようと空しい努力をする必要は
ないのである。主のみ言葉は必ず成就する。しかし，
これら偽りの教義や理論はすべて無に帰するであろう。
すべてが滅びる中で，真理が，ただ真理だけが存続す
るであろう。主はこのように述べておられる。『真理と
は，事物の現在あるがまま，過去にありしまま，未来
にあるがままの知識なり｡』（教義と聖約93：24)」（｢大
会報告」1952年10月,p.60)
ボイド。K・パッカー長老は聖徒たちに対し，教会
の教えとそのプログラムを尺度として世のものを評価
するように勧告しています。
「これはほとんど例外なく見られる傾向であるが，
ある学問の分野の専門家は，自分の専門分野の原則に
照らして教会を評価する。学生や教師は，絶えず意識
してこのような傾向を克服し，專門的な知識よりもイ
エス・キリストの福音の原則を優先させる必要がある
と私は強く感じている。
言い換えれば，専門分野の原則に照らして教会とそ
のプログラムを評価するのではなく，まず教会とそこ
トーマス。S・モンソンは，今なお天が開かれていると語った
で行なわれているプログラムを基準として受け入れ，
その基準に照らして専門的な教育を評価するのである。
（8−4）神と予言者に頼る人は賢明である
こうした態度を身につけるのはとてもむずかしいこと
古代の予言者ニーファイは，人間の論理に頼って神
であり，場合によっては，それを維持することはさら
の啓示を否定することの愚かさについて，次のように
に困難である｡」（｢信仰への献身』「ブリガム・ヤング
教えています。
大学年度講話」p.6)
私たちはほかのすべての事柄についても，教会とそ
「実に人の誠命に聞き従い，神の権能と聖霊の賜と
をしりぞける者は禍である。……
のプログラムを基準として評価するだけでなく，予言
人にたよりまたは人間をそのすがる腕にする者はの
者によって定められた方針や標準の中にこそ安全な道
ろわれる。聖霊の力で与えられる誠命をよそにして人
があることを忘れてはなりません。ブルース。R･マッ
の誠命に聞き従う者もまたのろわれる｡」(11ニーファ
コンキー長老は聖徒たちに次のように勧告しています。
イ28：26，31）
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は，あ
らゆる真理の指標となる原則について次のように述べ
ています。
「人の哲学と世の知恵に関する限り，神の啓示され
「世の中に流行している見方や，移り変わる空しい考
えに心を動かされずに，啓示されたみ言葉に心を向け，
教義をしっかりと理解し，教会の本流からはずれない
ようにしなさい｡」（『私たちと主の関係』「年度講話」
1981年〔プロボ；ブリガム・ヤング大学出版局,1982
たみ言葉に添わなければ，それは何の意味もない。宗
年]p.97)スティーブン。L・リチャーズ副管長は，
教，科学，哲学，そのほか何と名づけられているもの
教会員はときどき次のような考えを受け入れているが，
であろうと，いかなる教えもそれが主の啓示されたみ
そのような考えは避けなければならないと，次のよう
言葉に矛盾しているならば，役に立たない。説得力の
に述べています。
ある言葉で述べられ，何の返答もできず，まことしや
「最近このような主張をよく耳にする。すなわち，
かに見えるかもしれない。また反論の余地がないほど
教義の公式な解釈や教会の標準には何の許可もなく，
きちんと説明済みのように思われるかもしれない。そ
一人一人が自分で聖典を読んで解釈し，自分で選んだ
のような場合には，時期を待つことが必要である。時
教義だけを受け入れ，必要な啓示と不必要な啓示とを
がすべてを解決するであろう。主の僕に告げられた主
分けることができる，と言うのである。こうした考え
の神聖なみ言葉に添わない教義や原則はすべて，いか
を主張する人は，主の訓戒を知らないか，あるいは無
に広く信じられていようとも，将来必ず姿を消してし
視している。主は「聖書の預言はすべて，自分勝手に
49
解釈すべきでない』(IIペテロ1:20)と告げておられ
るからである。彼らは正統派を非難し，自分の自由な
1
8
）
イエス・キリストの福音に関する事柄について欺か
考えに得意になっている。彼らの多くは教会に忠実で，
れないようにするには，どうすればよいでしょうか。
いわゆる『自由な考え方』を広めることによって教会
マリオン。G・ロムニー長老は，その方法について貴
員のために仕えている，と本気で信じている人もいる。
重な助言を与えています。
残念なことであるが，彼らの主張を支持する一部の
「私はここで，真実と偽りを見分ける確実な方法に
わな
教会員は，みずから罠に陥っていることに気づいてい
ついて，いくつか提案したいと思う。すでに指摘した
ない｡敵を助け,元気づけ，自分やほかの人の証を徐々
ように，自由意志を行使することによって，様々な組
に弱めているのである。そのような人に気をつけなさ
織や主義主張や方策の真偽を試すことができる。
い。そのような会員は自分自身に気をつけなさい。不
イエス・キリストの福音に関係すると思われるもの
可知論的な論議はやめ，忠実な教会員と一緒に，かつ
は何であれ，次の4つの簡単な基準に照らしてみると
て愛していたみ業，今でも愛しているに違いないみ業
識別できる。
を推し進めていただきたい｡」（｢大会報告」1951年10
月,pp.116-17)
1．それは人間の知恵によって考え出されたものだろ
うか，それとも天からの啓示によるものだろうか。
もし人間の知恵によるものであれば，神からのも
（8−5）神のみ言葉を指針とする人は，欺かれない
のではない。救い主がニコデモに語られた言葉を
この世の見地からだけ物事を見る人の誘惑や説得に
忘れてはならない。『だれでも新しく生れなけれ
よって，多くの人が偽りにだまされ，道をそれていま
ば，神の国を見ることはできない。……神の国に
す。エズラ・タフト・ベンソン長老は，こうした事態
はいることはできない｡』（ヨハネ3：3，5）主
は避けられるものであると言明し，聖徒が真理をよく
はさらに次のように言われた｡『わたしの教はわた
理解して欺かれないようにするための助言を与えてい
し自身の教ではなく，わたしをつかわされたかた
ます。
の教である｡』（ヨハネ7：16）イエスご自身でさ
「欺かれないようにするために，3つの簡単な指針
え，福音の教義を作り出すことはされなかった。
を提案したいと思います。……
人間は理性だけで真理に到達することはできない
1．標準聖典はそれについて何と教えているでしょう
のである。……
か。イザヤはこう述べています。『ただ教とあかし
モルモン経の中で予言者ヤコブは次のように述
とに求めよ。まことに彼らはこの言葉によって語
べている。『おお悪魔の狡滑な謀ごとよ・おお人間
るが，そこには夜明けがない｡』（イザヤ8：20）
の虚栄と意志の弱さと愚さよ･人間は学問がある
こうかつはかり
と自分は賢いと思って神の訓戒に耳をかさず，自
私たちは聖典を熱心に学ばなければなりません。
特に重要なのは，モルモン経と教義と聖約です。
分独りで解ると思って神の訓戒をうち捨てるから，
その智恵は愚であって何の益にもならず，かれら
2．2番目の指針はこれです。末日の予言者，特に生
はついに亡びるのである｡』このあとヤコブは，す
ける予言者は，その問題について何と言っている
ばらしい言葉をつけ加えている。『しかし，人間が
でしょうか。……
現在，教会全体に対して語る人は，地上でただ
ひとりです。（教義と聖約132：7；21：4参照）
それは，〔教会の〕大管長です。大管長は現代の私
だれもがよく知っているパウロの偉大な教えに
あるように，神につける事柄は神の力によらなけ
たちに主のみ言葉を伝えるので，その言葉は過去
れば理解できないが，人につける事柄は人間の知
の予言者の言葉よりもはるかに重要です。予言者
恵によって理解することができる。『生れながらの
が聖典に導かれて語るとき，その言葉は聖典とな
人は，神の御霊の賜物を受けいれない。それは彼
ります。（教義と聖約68：4参照）
3．3番目の最後の指針は，聖霊です。みたまによっ
て判断するのです。私たちはみたまによって『一
には愚かなものだからである。また，御霊によっ
て判断されるべきであるから，彼はそれを理解す
ることができない｡』(Iコリント2:14)
切の事の真実』（モロナイ10:5)を知ることがで
私たちは決して，世の学問によって欺かれては
きます。神と交わる経路が清く高潔で，罪によっ
ならない。人間の知恵に根ざした教義は，常に避
て汚れていない場合に，この指針は最大の効力を
けておくのが無難である。
発揮します｡」（｢大会報告」1963年10月,pp.1650
もしも神の訓戒に従うならば，学問のあるのも善
いことである｡｣(IIニーファイ9:28-29)
2．その教えは出所が正しく明示されているだろうか。
イエスは，ニーファイ人の弟子から教会にどのよ
ているだけでなく，イエス・キリストの福音のほ
うな名前をつけるべきか尋ねられたとき，次のよ
かの教えとも一致していなければならないのであ
うに答えられた。『われまことに汝らに告ぐ，民が
る
。
このことにつきてつぶやき争うは何故ぞ。
4．さて，4番目の最後の基準を紹介しよう。それは
かれらは「汝らキリストの名を受くくし」と言
正しい教会の経路を通じて来たものだろうか。教
う聖文を読まざるか。キリストとはわが名にして，
義と聖約の第42章には，次のように記されている。
「またわれ汝らに告ぐおよそ誰か権威ある者より
終りの日に汝らはこの名にて呼ばるべきなり。
聖職に按手任命され，またその者の権威を有てる
さて，わが名を受けて終りまで堪え忍ぶ者は，
ことと，教会の長たる者たちより正式の按手聖任
終りの日になりて必ず救わるべし。
を受けたることとが教会員の知る所にあらざれば，
されば，何事にてもわが名によりてなさざるべ
からず。故に教会にはわが名をつけ，また御父が
何人といえどもわが福音を宣くんために出で行く
わがために教会を祝福したもうよう，わが名によ
こと，または教会を創立することを許されざるく
し｡』（教義と聖約42:11)神が定められたこの秩
りて御父に祈れ。
序に照らしてみるならば，教会員の知らない所か
わが名をつけざるものはいかでわが教会ならん
や。教会にもしもモーセの名をつけたらばそは
らひそかに生み出される教義を，どうして受け入
モーセの教会なり。あるいはまたある人の名をつ
れることができるだろうか。主がとりわけ明瞭に
けたらばそはある人の教会なり。もしわが名をつ
表わされたように，人の権威は教会の定められた
けて,わが福音を基となさば,そはわが教会なり。』
経路を通してもたらされなければならず，大管長
こそがその秩序の頭である。主がそのように定め
（ⅡIニーファイ27：4−8）
られたのである｡」（｢大会報告」1960年10月,pp.
以上のことから明らかなように，キリストの教
76-77）
えのように思えるものでも，イエス・キリストの
教えであると明示されていなければ，神からのも
ジョセフ･F・スミス大管長も，欺かれないための
３
のではないと言える。
貴重な助言を与えています。スミス大管長は，正しく
上記の聖句の最後の部分が，3番目の基準である‘
ない教えの中には福音の真理とまぎらわしい響きを
『もしわが名をつけて，わが福音を基となさば，
もったものがあることを懸念し，それらの見せかけの
そはわが教会なり。』教えの出所が正しく明示され
教義は一般に2種類の人から出てくると助言していま
す
。
「末日聖徒の中に，福音の真理と装って偽りの教義
を説く人々がいるが，彼らはふたつのタイプに分ける
ことができる。また，実際にはこれ以外にない。
第1は，完全に無知な人。怠惰のために英知を欠き，
読書や勉強によって自己の進歩をはかろうとほとんど
努力しない人。不治の病すなわち怠惰という恐ろしい
病気にかかり，病んでいる人。
第2は，誇りが高く，うぬぼれの強い人。自分のう
ぬぼれた考えに照らして読み，自分の考えた法則で解
釈し，自らが律法になろうとして，自分こそが自分の
行為を裁く唯一の裁き手であるとする人。このような
人は，第一の人以上に危険で無知な人である。
怠惰な者と誇り高ぶる者に気をつけなさい。彼らの
影響は伝染する。まだ毒されていない清い人が守られ
るように，警告の旗をかざした方が，彼らにとっても，
すべての人にとっても良いだろう｡」（｢福音の教義｣p.
3
5
9
）
主の選ばれた指導者に目を向け，彼を通して与えら
マ'ノオン。G･ロムニーは，欺かれないための方法について助
言した
れる主の勧告に従いさえすれば，聖徒はこの世の落と
し穴や欺き，偽りの教えなどを避けることができるの
5Z
ができる。
です。
2．以下の原則は，人が聖霊の導きを受けて教えてい
（8−6）研究課題と応用
1．神のものと人のものとを比較する際に役立つ指針
について，以下の要点を復習し覚えなさい。
理解しなさい。
a・霊的な事柄は，この世的な人には愚かに見え
a・聖典は，あらゆる物事の真偽を判断する基準
るかもしれないが，それは現実上に存在する
ものであり，みたまによって識別することが
できる。
b・人間の推論に基づいた科学やほかの学問は，
偉大な知識や祝福をもたらす正統で重要な事
業である。
C.科学も人間の知恵も，救いの手段にはならな
いo
である。
b.教会の大管長だけが聖典に公式の解釈を施し
たり，変更を加えたり，聖典に述べられてい
る以上のことを語ったり，新たにつけ加えた
りすることができる。
c・教会の大管長だけが，教会全体を導くために
神からの啓示を宣言する権能を持つ。
d・教会の大管長も，大管長会も，あるいは十二
d・まったく異なる見地から物事を見る人と結論
使徒会の一致した声も，主のみこころに反す
について議論をしても，無益である。前提が
る見解を出したり，誤った助言を与えたりす
正しいかどうかに焦点を当てて話し合うべき
ることはない。
である。
e、どのようにして人々が様々な結論に至るかを
理解しなければならないが，永遠の見地に
立って見れば自信をもって先へ進むことがで
きる。その際に，ほかの人の見解に対して忍
e・人が聖霊の導きによって語っているか，また
は書いているかを判断するには，自分自身が
聖霊に導かれていなければならない。
f.人間の知恵に基づいた考えは，神のみ言葉と
調和していない限り，受け入れてはならない。
耐を示し，争いを避ける必要がある。多くの
g・キリストから出た教えには，主のみ名がつけ
問題について，主は明らかな指針を与えて疑
られ，必ず主の教会の中に見いだされる。
問に答えてくださっている。私たちはそれら
h.神から出た教えは，神のすべての教えと調和
の真理に対する証を求め，信仰をもって従う
する。
べきである。そのほかの問題については，主
i・神は人々の霊的な備えに応じて，すなわち受
は明確な答えを与えてはおられない。それら
け入れて実践できる度合に応じて，様々な教
については，私たちは引き続き理解しようと
えを与えられる。教会のプログラムや指針は
努めるべきであるが，最終的な結論を出すの
変わることもあるが，原則は不変である。（本
は控えなければならない。
書の3−4；3−5；3−7；4−2から
f、いかなる源から出ようと，啓示された主のみ
言葉より人間の知恵を重んじる教えには，注
意すべきである。
9．標準聖典，予言者，聖霊の導きに照らして判
断することにより，偽りの教えを避けること
52
るかどうかを識別し，欺かれないようにするため
に役立つものです。各々の原則を確実に習得し，
4−7；5−3から5−6；6−6を参照す
る
）
3．関心のある問題をひとつ選び，それについて生け
る予言者が語っている事柄を調べなさい。
第9章
自由意志と従順
私たちは生ける予言者に従うとき，自由意志を放棄
リオン。G・ロムニー「大会報告」1942年4月,p.20)
するのでしょうか。また自分の意見と異なる生ける予
言者の指示に従うとき，私たちは正直さを犠牲にする
のでしょうか。予言者の勧告が真実であるというみた
（9−2）個人の自由と従順は，適度の均衡を保って
いる
まの証を受けていなくても，教会員は予言者に従うべ
ボイド。K・パッカー長老は，従順と権威と自由意
きなのでしょうか。忠実な末日聖徒にとって，これら
志がいかによく調和しているかについて，また自由意
の質問の答えは明らかです。神の律法が存在すること，
志を行使して権威ある人々に従うことにより，いかに
善と悪が実在すること，自分の決定や行ないの報いを
自由が増し加えられるかについて，次のように説明し
刈り取らなければならないこと，そして生ける予言者
ています。
がいることを理解していれば，何を選択すべきかは明
「権威について語らずに従順について語ることはで
らかです。生ける予言者の勧告に従うことは，自由意
きないし，自由意志について語らずに権威と従順につ
志を制限するものではなくむしろ自由を増し加えてく
いて語ることはできません。
れるものなのです。
非常に興味深いことですが，私がこれまで教会にお
ける権威と個人の自由のバランスについて読んだ中で
（9−｜）神のみこころに従うことは自由意志を損な
うことではない
「そのような道をたどる〔すなわち大管長会に従う〕
のは，『道徳的な選択の自由｣を放棄するに等しい，と
いうような主張に応ずるには，深い森の中で茂った樹
木に視界をさえぎられている人を思い浮かべるとよい。
この人が，見晴らしのよい塔の上に立っている人の指
示に従って進んだら，自由意志を放棄することになる
だろうか。私にとって教会の指導者は，シオンのやぐ
最もすばらしい物は，1963年版の『教会指導総合手引
き』の中に書かれています。これには大管長会の署名
があります。その序文の一部を引用してみましょう。
『教会の組織の際立った特色は，権能と個人の権利
とのバランスにある。神権は兄弟愛を貴重としたもの
であり，それが機能する際には，人の最高の能力，す
なわち自由意志のままに行動する能力と，霊的に成長
する能力が尊重され，伸ばされなければならない。指
導者は寛大で柔和な心をもって人々を招き，説き，励
らの上の番人であり（教義と聖約101:45参照),彼ら
まし，勧める。そして会員はみたまの導きのままに自
の助言に従う人々は，森の中の人のように自由意志を
由に応える。このような応え方でなければ，道徳的な
存分に行使しているのである。私は無条件で次のこと
価値はない。個人の人格や性質を表わすものでなけれ
を事実として受け入れている。すなわち，この教会の
めにみずから選んで任命した人々を通して，教会に指
ば，すなわち知識や信仰，愛，宗教心などの源から生
じるものでなければ，その行ないは道義にかなうとは
言えない。恐れや強制は，道義にかなう行ないを生み
示を与えられる。主は教会の指導者にみこころを告げ
出さないし，自由意志という神の賜に反するゆえに，
られ，彼らは主のみたまを享受しながら，私たちに勧
神の王国には存在してはならないのである｡』(｢教会指
告を与えるのである。
導総合手引き」1963年）
頭は主イエス・キリストであり，主はその民を導くた
この点については，救い主ご自身が偉大な模範を示
この声明は，権威と個人の自由が教会においてどの
された。大いなる犢罪を成し遂げるために，この世の
ように取り扱われるべきであるか，また現在どのよう
罪の重荷を負って苦しんでおられたとき，主は身と霊
に取り扱われているかを明らかにしています。……
の苦悩の中で次のように叫ばれた。『わが父よ，もしで
もし皆さんが強制されているようで自由でないと感
きることでしたらどうか，この杯をわたしから過ぎ去
じるならば，その原因は次のふたつのうちのどちらか
らせてください。しかし，わたしの思いのままにでは
でしょう。ひとつは，もし自由を失ったとしたら，そ
なく，みこころのままになさって下さい｡』(マタイ26：
れはおそらく自分自身の無責任な行為によるものだと
39）そして主は御父のみこころにご自身を従わせて，
いうことです。そのような人は失った自由を取り戻さ
なければなりません。皆さんの中には怠惰やなまけ癖
のついている人がいるかもしれません。あるいは何か
崇高な使命を果たされた。このときに，主がご自身の
自由意志を放棄されたと,だれが言えるだろうか｡」(マ
a3
に基づく原則です。
神への従順は，人が自立した状態にあることの最高
の表われてす。神にひとつの贈り物をすることについ
て少し考えてみてください。その贈り物は，神が私た
ちに無理に求めようとしたり，私たちの手からもぎ取
ろうとされるようなものではありません。次の詩をご
存じのことでしょう。
『汝知らずや，霊の自由なるを，
未来を見定めるに自由なるを，
そは，神，人を強いて天に入らせず，
この真理永遠に与えられたればなり。
神は召し，説き，正しく導きたまい，
知恵と愛と光とをもて祝福したもう。
名状しがたき善と親切とを示したもうなれど，
決して人の心を強いるお方にあらざるなり。』
（末日聖徒イエス・キリスト教会讃美歌90番〔英文〕，
ウィリアム。C・グレッグ作）
神は従順を人から強制的に取り上げることはなさい
ボイド。K・パッカー長老は，従順は自由をもたらすと語った
ません。神がそれをお受けになるのは，人が自由意志
におぼれてその奴隷となっている人がいるかもしれま
をもって捧げたときだけです。そのときには，主は皆
せん。もうひとつ考えられる原因は，自由でないのは
さんに自由をお返しになるでしょう。それは皆さんが
それをまだ獲得していないからだということです。自
夢想だにしなかった自由です。心に感じる自由，知る
由は何もせずに与えられる賜ではありません。みずか
自由，行なう自由，存在する自由が主に捧げた分の少
ら獲得して守るべきものなのです。…“・
なくとも千倍にもなって返ってくるのです。不思議な
私は自由であり，この自由を失わないように用心し
ています。自分が自立し，自由であるとためらうこと
なく宣言できます。様々な自由の中で特別な自由は，
ことに，自由を得る鍵は従順なのです。．”…
私には，自分の思うままに行なう自由があります。
たとえば，大管長会の一員または十二使徒会の会長か
従う自由です。私が従うのは，自分で望むから，自分
ら，冬に北方の地の大会に，あるいは夏に南方の地の
で選んだからなのです。
大会に出席するように言われたら，私は自分の思うよ
中には疑い深い人がいて，人間は強制されているか
うに対処することができます。『行きたくありません』
ら従うのにすぎないと考えています。つまり，強制さ
と答えることもできれば，ただ『いいえ」と言って断
れたときにだけ従うものと思い込み，強いられなけれ
わることもできます。いつでも自分の思うままに行動
ば人は従わないと考えています。しかし，彼らは自己
できるのです。
を弁護しているにすぎません。私は自分の自由意志に
でも，私はそうはしません。言われたことを行ない
よって従順になるのです。自分でそう決心したのです
ます。なぜでしょうか。彼らは主の僕であるという証
十分に考え，論証し，いくらか試みてもみました。不
と確信を抱いているからです。彼らは私の指導者とし
従順な行ないから悲しい教訓も学びました。そして，
て召されています。もしその期待にそぐわない行動や
霊的な問題に取り組む大いなる実験室で，どんな原則
見苦しい行ないによって彼らを失望させたら，私は良
も判断できる最も精巧で正確でかつ綿密なテストを通
心の呵責を覚えるでしょう。
かしゃく
して，私はそれを実際に試してみました。ですから，
なぜそのような気持ちになるのでしょうか。皆さん
少しもためらうことなく，福音の原則に従いたいと宣
はこう反論するかもしれません｡『彼らもただの人間で
言できます。私がそうしたいのであって，自分でそう
すよ｡｣いいえ，そうではありません。彼らはすべての
決めたのです。みずからの自由意志で決心しました。
人の上に立つように召された主の僕なのです。・・…・
そのことは主がご存じです。
従順は自由意志の鍵であり，自由への門戸です。そ
ある人々は，従順が自由意志を無にすると主張して
のことを皆さんが理解できますように。そして神の導
います。しかし皆さんに申しあげますが，従順は正義
きにより，イエスがキリストであり，生きておられる
5
型
という証を得ることができますように。確かに神は生
きておられます。皆さんが次のことを理解されますよ
うに。神は骨肉の体を持っておられ，この教会はキリ
ストの教会であり，キリストご自身によって管理され
知恵と愛と光とをもて祝福したもう。
名状しがたき善と親切とを示したもうなれど，
決して人の心を強いるお方にあらざるなり。』
したがって，教会の見解と不従順な者の見解は；少
ています。神の予言者や大管長会，そして彼らを補佐
なくともこの点においてのみ一致します。すなわち，
してみ業を行なうために召されたほかの人々は，主に
教会はすべきことをだれにも命じる(強制的な意味で）
導かれています。教会の中には，監督，ステーキ部長，
ことはできないし，またそうすることもないのです。
定員会指導者をはじめ,｢説服と堅忍と柔和と温'冑と偽
では，主の方法はどのようなものでしょうか。
そな
らざる愛』（教義と聖約121:41)を具えた主の僕がい
主は，私たちが大管長に従うべきであることをこの
ます。指導者たちはそうした外面的な訓練を通して
ように言われました。『汝ら全き忍耐と信仰とを以て，
人々が自己訓練を培うようにと願っています。自己訓
あたかもわが口より聞くが如くにこれを受け入るべき
練と従順は,永遠の生命への門を開くのです｡｣(｢従順』
…･･･なり｡』（教義と聖約21:5)
「ブリガム・ヤング大学年度講話」1971年12月7日，
pp.1-4,6-7)
不従順の中でも最も悪いもののひとつは，指導者と
の協力を約束しておきながら，後になってそれを履行
しないことです。これは不従順であるばかりでなく，
（9−3）教会はすべきことをだれにも命じることは
ない
「私たちの中には，『何を行なうか，どのように生活
偽善でもあります。主が偽善者について語られた言葉
を忘れることができるでしょうか。
現代社会には，様々なたくらみやイデオロギーが広
するかを教会から命じられたり，教会に自由意志を奪
まっています。教会の公式な意向に従おうとせずに，
われたりしたくない』と言う人がいます。まったく彼
教会が強調している事柄についてさえ，頼りない感覚
らの言うとおりです。彼らは教会から何かをするよう
主義者に助言を求める人がいるようです。これは理解
に命じられることはありません。なぜなら，不従順な
に苦しむ奇癖です。.…・・
心や反抗心を抱いて耳をふさぎ，聖典に記されている
ように，聞こうとはしないからです。
もちろん教会は，何かをするように命じることはで
きませんし，決してそうすることはありません。教会
教会員はもはや『様々な教の風』（エペソ4:14)に
従わずに，正しい権能を持った指導者の声に聞き従わ
なければなりません｡」（マーク．E・ピーターセン「義
のために」pp.154-55)
は自由意志を尊重しますし，だれにも強制しないから
筒"戸÷
里．ソo
『神は召し，説き，正しく導きたまい，
(9−4）神に従うことは，盲従ではない
スペンサー．W・キンボール長老の次の言葉が明ら
十二使徒定員会，1982年
55
かにしているように，神の勧告に従うことは盲従では
ないのです。
学生が授業料を納め，読書課題を読み，授業に出席
し，最終的に学位を取るとき，それは盲従でしょうか。
「守りなさい！聞き従いなさい！何とむずかし
い要求！私たちはこんな言葉をよく耳にします｡『何
テーブルの上にいる幼い子供が，ほほえんでいる父
を着て，何を飲み，何を食べようと，だれからも指図
親の力強い腕の中に飛び降りるとき，それは盲従で
は受けないよ。日曜日に何をしようと，自分で稼いだ
しょうか。それとも，自分を愛し，必ず自分を受け止
金をどう使おうと，自分の勝手だし，人からとやかく
めてくれる父親への完全な信頼でしょうか。
言われる筋合はないね。自分の思うままにするのさ。
盲従などごめんだ｡』
盲従！何と理解の乏しいことでしょう。主はジョ
セフ・スミスを通して次のように語っておられます。
病気で苦しむ人が医者の処方してくれた苦い薬を飲
むとき，また大切な体を外科医のメスにゆだねるとき，
それは盲従でしょうか。それとも，信頼しても大丈夫
だと思った人を信じての従順でしょうか。
そうだ
『神が要求されることは，何であれ正しい。たとえ，
操舵手が，暗礁を避けて安全に航海するためにブイ
出来事が起こってからずっと後になるまで，その理由
の間を進むとき，それは盲従でしょうか。それとも，
が明らかにならないとしてもである｡』(｢モルモン文学
安全な道を定めてくれた人々を信じての従順でしょう
のスクラップブック」2：173）
か。
創造主の戒めに従うことは，盲従ではありません。
それでは，狭い視野と初歩的な知識，利己的な願望，
専制君主に震えあがって服従する人と，威厳をもって
隠れた動機，肉欲などを持つ私たちが，愛に満ちた天
神に進んで従う人とでは，何と大きな違いでしょう。
父の導きを受け入れて従い，戒めを守るとき，それは
独裁者は野心に満ち，利己的で，ひそかなたくらみが
盲従でしょうか。天父は私たちをもうけてこの世界を
あります。一方，神の戒めはすべて正義に基づいてお
創造し，私たちを愛し，私たちのために建設的なプロ
り，その指示はすべて重要な意味があり，祝福をもた
グラムを計画し，何のもくろみもなしに，すべての神
らします。したがって前者は盲従であり，後者は信仰
の子供に『不死不滅と永遠の生命とをもたらす』こと
に基づく従順です。……
を最大の喜びと栄光にしておられるのです。
刑務所に収容されている犯罪者は，従うことを強制
選択の余地がなく，統制だけがあるとき，それは盲
されているのですから，盲従的に従っていることにな
従になるでしょうが，主の僕を通して与えられるすべ
るでしょう。ほとんどの決断は，彼らの代わりにほか
ての戒めには，強制とは無縁の完全な自由意志があり
の人が行ないます。それゆえに彼らは独裁者の臣下の
ます。一部の人々はこれに異議を唱え，『罰が科せら
ようなものです。仕事，レクリエーション，宗教，そ
れ，罪の宣告が下ると言って脅かされるなら，そこに
のほかあらゆる活動を制限され，画一化されているの
自由意志はない』と主張しています。福音を拒むこと
です。そこにあるのは盲従です。……
によって罪に定められることが，ある人々には過酷で，
信仰や従順がすべて盲目的だと非難する人々は，自
自由意志を奪い去られるように思われるのです。これ
分自身の弱点を覆い隠してはいないでしょうか。聞き
は正しくありません。決断を下すのは私たちです。私
従えなかった自分の失敗を正当化するために，口実を
たちは受け入れることも，拒むこともできます。従う
探しているのではないでしょうか。
ことも，無視することもできるのです｡」（｢大会報告」
人々は法律を守って取得税を納め，定められた期日
1954年10月,pp.51-53)
までに財産税を完納しますが，安息日の律法や什分の
一の律法をおろそかにしても，何とか理由をつけて自
分を正当化してしまいます。前者を怠れば，自由や資
（9−5）末日聖徒は，予言者が霊感を受けていると
いう揺るぎない証を得るべきである
産を奪われ，家や財産を失うことになるかもしれませ
神の真の聖徒は，いつでも喜んで主の予言者に従う
んが，後者を怠れば，身と霊を損なう扉を開けること
でしょう。しかしそれでもなお，自分のしていること
になるのです。この世の法律と同じように，霊的な法
が正しいという証をみたまから得なければなりません。
律にも必ず罰が伴います。おもな違いは，法律はすぐ
そのような証を得た人は，主のみ業を一層効果的に，
に罰をもたらしますが，主は忍耐強く待たれるという
また力強く推し進め，主の選ばれた指導者を心から信
点です。
頼して支持し，圧力や反対にあっても信仰を固く守り
人々は法律に従うことを決して盲従とは呼びません
が，霊的な戒めに関しては，ときどきそう呼ぶことが
あるのです。
56
ます。
「これが今大会で実際に話されてきたことです。す
なわち，すべての教会員は，この教会が神の教会であ
るという揺るぎない証を自分で得なければ,『誓約によ
たち末日聖徒が指導者に従い，彼らの勧告を受け入れ
る選民』が試される現代において，欺かれる者のひと
るだけでは不十分だということです。さらに重大な義
りになってしまいます。自分でこの証を得た人だけが‘
務として，指導者が神によって召され，彼らの言葉が
生き残れるのです。
天父のみこころであるという揺るぎない証を自分で得
……ブリガム・ヤングは次のように述べています。
『もし信仰が正しいものに向けられ，揺るぎない確信
を持ち，清く汚れのない生活をし，神から授けられた
なければならないのです｡」（ハロルド。B・リー「大
会報告」1950年10月,pp.129-30)
ブリガム・ヤングとハロルド．B・リーが教えてい
神権や能力に応じて召しに伴う義務を果たすならば，
るこの原則は，次のマリオン。G・ロムニーの経験の
あなたは聖霊に満たされ，羽毛が炎の中で燃えずに残
中にも表われています。
るのが不可能なように，だれもあなたを欺いて滅ぼす
ことができないであろう。』
ブリガム・ヤングはさらにこう述べています。
『私がもっと恐れていることは，この民があまりに
「政治の分野ではご都合主義のために理想や原則を
妥協するような圧力が大きくのしかかってきますが，
政党員はすぐにマリオン。G・ロムニー長老の態度に
感嘆するようになりました。たとえ政党指導者との争
も指導者に頼りすぎて，指導者が神によって導かれて
いの種になろうとも，彼は教会指導者の助言や自分自
いるかどうか，自分で尋ね求めようとしなくなること
身の良心に対して強い忠誠心を示し，国民の福利に影
である。私が心配するのは，いい加減な信頼で自分の
響を及ぼす重要な問題に関する教会指導者の見解を，
行く末を指導者の手にゆだね，むやみに安心感にひた
神より霊感されたものであるとして受け入れていたか
ることである。このような信頼は，それ自体が彼らの
らです。あるとき，教会の指導者が簡明な論説の中で
救いにおける神の目的を妨げ，指導者に及ぼせるはず
当時の政権の動向を公然と批判しました。そのとき彼
の影響力を弱めてしまう。指導者が正しい方法で導か
が私に打ち明けてくれたことを，すべての忠実な教会
れているという確信を,イエス・キリストの啓示によっ
員が社会生活の中で実践したら，すばらしいと思いま
てみずから得た人は，彼らに大きな影響を及ぼせるの
す。彼はこう言いました。『私はその論説を読んだとき
である。指導者が主に導かれて歩んでいるかどうか，
に，自分が何をすべきかわかりました。しかし，それ
神のみたまのささやきによって，各々が確かめようで
だけで十分だとは思いませんでした。教会指導者の勧
はないか｡』
告に従うことが義にかなっていることと，指導者の判
私にとって実に大きな真理があります。それは，私
蟻
：
断が正しいことを，自分自身で実感しなければならな
いと思ったのです。そのために私は一晩中ひざまずい
て祈り，遂にそれを実感することができました｡』私は
灘灘
この話を聞いて，『知恵を用いて従うこと』と『盲目的
に従うこと』の違いをはっきりと知りました。マリオ
ン・G・ロムニー長老は自分を管理する立場にある人
に不忠実だったことも，『盲目的に従っている」と非難
されたこともなかったのです｡」（ハロルド。B・リー
「十二使徒定員会マリオン｡G･ロムニー』｢インプルー
ブメント・エラ」1962年10月号,p.742)
もし私たちが予言者の言葉について主から確認を得
ようと熱心に求めるなら，そして進んでその勧告に従
うなら，主は私たちの信仰を確かなものにしてくださ
います。マリオン．G・ロムニー副管長は，彼自身の
経験に基づいて次のように証しています。
「これは私自身の経験を通しての証だが，たゆまぬ
券
ハロルド。B・リーは，「自分が正しく導かれているという確か
な証を求めなければならない」と語った
祈りと熱心な研究によってみずからこれら生ける予言
者の言葉に耳を傾け，またその言葉どおりに行動する
人は，主のみたまのおとずれを受ける。そして啓示の
みたまによって，予言者が主のみこころとみ旨を語っ
ていることを知るのである｡」（｢大会報告」1945年4
月,p.90)
ﾗ7
（9−6）研究課題と応用
1．神は私たちに.自由意志を与えて，現世で取るべき
道を自分で選べるようにしてくだいました。その
E・予言者の考え方が大きく食い違ったことはあ
りません。もしそうなったら，主に導きを求
めるでしょう。
ことについて証している以下の聖句を研究し，印
F・予言者や啓示などは信じられません。
をつけなさい。モーセ7:32;IIニーファイ2:
G・両親が活発な教会員なので，教会に通ってい
25−29；10：23；ヒラマン14：30；教義と聖約
58:27-28｡
2．教会員は予言者の勧告に対して様々な反応を示し
ます。（9−5）の説教の中で，リー大管長は「知
ます。
H，もちろん神殿で結婚します。そうしなければ，
会員の人からいろいろうわさされますからね。
I．ええ，大管長が伝道に出るように言っている
恵を用いて従うこと」について述べていますが，
ことは知っています。でも私は行きません。
この際立った特徴を身につけた人は，マリオン。
したいことがたくさんあるからです。
G・ロムニー副管長が行なったように，自分自身
で主に答えを求めます。主の選ばれた指導者をど
作業を終えたら，表をよく見て考え，自分自身
の従順の度合を評価しなさい。
の程度支持し，彼らが神の王国を建設するのを助
けられるかどうかは，指導者が神に導かれている
知恵を用いた従順
というみたまの証にどの程度基づいて，私たちが
10．具体的な勧告や決断が正しいとい
行動するかによって大きく左右されます。私たち
う証をみたまから得ているので従
は自分の従順または不従順の根本的な理由を明ら
う
。
かにすべきです。そして，すべての行ないが，予
神が実在し，予言者が神から召され
言者の勧告に対する「知恵を用いた従順」に基づ
ているという証があるので従う。
くものとなるまで努力する必要があります。
次の意見を分析し，右の図表の線上のどこに位
ほかの人の証が信頼できるので従う。
置するか，その場所に各々の記号を書き入れなさ
い。
人から期待されているので従う。
A・疑問を持つことがときどきありましたが，主
に導きを求めた結果，自分の考えを改めまし
自分と意見が合うときや，都合のよ
た
。
いときだけ従う。
B・自分の知識で理解できるまでは，いかなる意
見といえども，疑ってかかる責任があります。
0．勧告を拒む。
C・予言者の勧告が自分の考えと一致しなければ，
大抵無視してしまいます。
D・予言者は神に召された人ですから，私はその
勧告に従います。
58
不従順
予言者を支持するとは
第10章
末日聖徒は教会の大会で定期的に，主の予言者，聖
総大会で教会員全体によって，政治用語で言えば有権
見者，啓示を受ける者を挙手によって支持します。教
者によって『支持」され，ある意味では『選挙』され
会員の中には，支持の挙手をすることの重要性につい
る
。
て，深く考えたことがない人がいるかもしれません。
しかし，すべての末日聖徒は次の質問の答えを理解し
この教会では，教会員全体には人を役職に『推薦』
する権限はない。この権限は教会幹部に与えられてお
ておく必要があります。私たちはなぜ指導者を支持す
り，最終的な検討は霊感された啓示の導きを受ける立
るのでしょうか。この慣習は聖典に基づくものでしょ
場にある大管長にゆだねられている。事実，ほかの教
うか。支持の挙手をするとき，私たちは主とどのよう
会の教義にほぼ相当するものとして信仰箇条第5条と
な誓約を交わすのでしょうか。教会の指導者を支持し
して宣言されている。
ているかどうかを知るには，どうすればよいでしょう
『第5条，われらは，福音を宣く，且つその儀式を
執り行うためには，啓示と，権威ある者の按手により，
か。
神によりて其任に召されねばならぬことを信ず｡』
（'0−｜）教会の指導者を支持するには，正式の手順
権威を持つ管理者がある人を職に『推薦』，選択ある
いは召した場合，その人は支持を受けるため，政治用
がある
この神権時代において指導者支持の手順が定められ
たのは，回復の初期の時代までさかのぼります。1830
語で言えば『選挙されるため』に，教会員全体の前に
提示される。
年7月に与えられた啓示の中で，主は次のように断言
したがって，教会員全体には『推薦」または召す権
されました｡｢すべてのことは……各教会各々の全体一
能はなく，ただ支持する，政治的に言えば『選挙』す
致によりて為されざるべからず｡」(教義と聖約26：2）
る権能があるだけである。
教会内の役職に就く人は，自分が仕える人々から正式
権限を持つ管理者がある人を支持するよう教会員全
の挙手による支持を受けなければなりません。主は次
体に提議した場合，会衆が持っている唯一の権能は挙
のように言われました｡｢正式に組織せられたるわが教
会支部のある所にありては，何人といえどもその教会
支部の支持の挙手によらずしてはわが教会内のいかな
る職にも按手聖任さるる能わず｡」(教義と聖約20：65）
この規則は，地元と中央のいずれの場合にも当てはま
ります。1841年，主は教会幹部を定めた後に次のよう
に言われました。「われ今汝らに一つの命令を与う。す
すべか
なわち汝ら須らくこの職を全部充たしてわがその名を
挙げたる人々をわが一般大会に齢て承認すべし｡」（教
義と聖約124:144)この原則は，末日の神権時代を通し
て適用されてきました。
J・ルーベン・クラーク・ジュニア副管長は，総大
会で教会幹部を支持したとき，支持の手順にかかわる
範囲と権能とを明らかにし，役員を支持することは聖
徒の大切な特権であると説明しました。
「私たちはこれから教会幹部を支持しようとしてい
る
。
この手順についてよく理解していない人が会場やラ
ジオを聞いている人々の中におられるかもしれないの
で，その方々のために簡単に説明しておきたいと思う。
この教会では，すべての教会幹部とほかの役員は，
教会の役員は正式に支持される
59
手により支持または不支持を表明することである。
明らかに教会員全体としてもまたいかなる会員も，
あなた方も私たちも，聖任された神の僕から勧告や
指示という形でもたらされる言葉を軽々しく扱ったり，
ほかの人をその職に召すように提案することはできな
また無視し，そのゆえに当然受けなければならない罰
い。なぜなら人を召すことは権限のある管理者だけの
を逃れたりすることはできない。しかしながら，私た
権能と職務だからである。
ちには自由意志がある。不従順を決めこむこともでき
したがってあらゆる論争，ほかの候補者の提議長
よう。だが選択の報いは必ず受けなければならないの
所やふさわしさの討議などを会衆の面前で行なうこと
である｡」（ジェームズ。E・タルメージ「大会報告」
はまったく不適当である。議事の妨害をもくろむ者は
1921年10月,pp.187-88)
だれであっても公衆の平安を乱す者であり，世の譽官
正式な支持の挙手は教会の集会で行なわれますが，
の目を免れることはなく，それ相当に処分されるであ
支持することには，召しに対して賛成を表わしてただ
ろう。
手を挙げること以上の意味があります。指導者を支持
ここで言っておかなければならないが，教会の役員
するとは，召しに賛成の挙手をするのみならず，召さ
をだれであれ告発する気持ちのある人は，教会の規律
れた人を支え，擁護し，その言葉に聞き従うというこ
を守るための手段として定められている正規の教会法
とでもあるのです。ゴードン。B・ヒンクレー長老は，
廷で，それを行なうことができる。しかし，教会の集
生ける予言者について次のように述べています｡｢私た
会で行なわれるこの支持は，そのような審判ではない。
ちがもしも彼の勧告を守らないならば，彼の聖なる召
ではこれから，この大いなる神権者と教会員全体か
しを否むことになる。しかし彼の勧告に従うならば，
ら支持をいただくのに，教会幹部の名前を提示したい
神から祝福されるであろう｡」(『感謝を神に捧げん』｢大
と思う。
会報告1973-75｣p.141)
これは神聖な儀式である。あなた方神権者は，最大
エズラ・タフト・ベンソン会長は次のように教えて
かつ最高の特権のひとつを行使するのである｡｣(｢大会
います。「主をどの程度支持しているか測るよい方法
報告」1940年10月,pp.28-29)
は，地上における主の代理人，予言者である大管長の
霊感あふれる言葉に対して，どのように感じ，行動す
（'0−2）予言者を支持するとは，予言者に従うこと
である
るかをみることです｡」（｢韓国ソウル地域大会報告」
1975年,p.52)別の説教の中で，ベンソン会長は次の
教会員は，ある人を使徒または予言者として支持す
ように述べています｡｢生ける予言者は私たちにとって
るとき，そこで交わされる約束や契約を理解する必要
知る必要のある言葉を語りますが，私たちはむしろそ
があります。ハロルド。B・リー大管長は，「予言者を
の言葉を聞きたくない場合があります。そのようなと
支持するとき，私たちは彼の勧告や支持に従うことに
きに私たちがどう対応するかによって，私たちの忠実
同意する」と述べています。またジョセフ・フィール
さが試されます｡」（『予言者に従う14の原則』「聖徒の
デイング･スミス大管長を支持する聖会において，リー
道」1981年6月号,p.4参照）
大管長は次のように語りました。
「すべての人は自分の思うままに自由に挙手するこ
とができる。この挙手には，いかなる強制もない。賛
「生ける予言者に従うということは，時期や状況を
問わずに実践すべき重要な事柄である。私たちはマリ
オン。G・ロムニー副管長のようになる必要がある。
成の挙手をするとき，皆さんは支持すること，すなわ
ロムニー副管長は謙遜な態度で次のように語った｡『教
ち皆さんが賛成した役員に対して何の言い逃れもため
会幹部の勧告がたとえ私の社会生活や職業，あるいは
らいもなく，完全な忠誠と支持を捧げることを主と誓
政治活動と相いれないものであったとしても，私はそ
約するのである｡」（｢大会報告」1970年4月,p.103)
の勧告に従うことを濤踏したことはない｡』（｢大会報
主とこのような誓約を交わしたのであるから，教会
告｣1941年4月,p.123)予言者の言葉が，私たち個人の
員は自分が支持した人々に進んで従わなければなりま
せん。
「神が定められた方法で指導者として，民の予言者
プライドや見せかけの利益とぶつかり合うことがある。
これからもあるであろう。そのような状況はたくさん
ある。たとえば，日曜日に仕事を休むために努力を要
として，さらにはまさに啓示を受ける者として召され，
する事業家は，4番目の戒めに対する自分の気持ちを
聖任された人に対して右手を挙げて神の前に神聖な支
はっきりさせなければならない。ポルノまがいの映画
持の挙手をしていながら，集会に集い，彼らの言葉を
を見せる劇場の支配人は，利益と予言者のどちらをと
聞き，終わったらあとはまるで頓着しないということ
るか決断しなければならない。誤った運動に参加して
では，矛盾していないだろうか。．…．．
いる政治家は，大管長会の勧告を思い起こし，どちら
60
「ウイルフォード・ウッドラフです｡」
『ウイルフォード・ウッドラフは神の予言者だった
と信じていますか｡」
『はい｡」
『あなたは彼の後継者ロレンゾ・スノー大管長が神
の予言者だったことを信じていますか｡」
「はい，信じています｡』
『ジョセフ．F・スミス大管長が神の予言者だった
ことを信じていますか｡」
『はい｡』
そして最後に大事な質問をした。『あなたはヒー
バ一・J・グラント大管長が神の予言者であることを
信じていますか｡」
彼はこう答えた｡『彼は老人援助問題に関しては口を
差しはさむべきではないと思います｡』
さて，私は皆さんに申しあげるが，このような立場
をとる人は，背教への道を歩んでいる。永遠の生命に
至る機会を失っている。神の生ける予言者に従えない
人々は，すべてそうなるのである｡」（｢大会報告｣1953
ニール。A・マックスウェルは，いかなるときも予言者に従う
べきであると語った
の旗につくか決めなければならない。教会幹部が指摘
年4月,p.125)
都合のよいときだけ生ける予言者に従う人は，みず
から偽りの予言者になっています。
している倫理的な問題を引き起こすような研究分野の
「予言者は金曜日の朝，私たちの責任が何であるか
学者たちは，同じ学者仲間か予言者のどちらかを選ば
なければならない。労働者はユニオンショップに従う
を，はっきり話されました。。…･･その後，ある人が私
か，自由意志に従うかを選ばなくてはならない。こう
した困難な事態に直面した人々は，次の質問をする必
思う限り予言者の言うことに全面的に従うが，自分が
正しいと思わないことであったり，訴える力を感じな
要を痛感せざるを得ないものである。すなわち，生け
かったりすると従わない人がいます。こうなるとこの
る予言者が私たちに不都合な事柄や私の專門分野につ
いて単刀直入に語った場合でも，私はその予言者を信
人々は，自分が予言者になっているのです。主が何を
求め，何を求めておられないかを自分で決めているの
じるだろうか。それとも，支持するのをやめるだろう
です｡』
か。もし後者であれば，私たちの国で予言者は敬われ
ていないのである｡」（ニール。A･マックスウェル「あ
私たちがどの誓約を守り，どの戒めに従おうかと選
び始めると，それは本当に危険な徴候です。守らなく
てよいものもあると考えるとき，私たちは主の律法を
るがまままに」p.73)
マリオン．G･ロムニー長老が語った次の出来事は，
にこう言いました。『私たちの州には，自分が正しいと
ベンソン会長やマックスウェル長老が述べた原則を物
引きずりおろし，自分が自分の予言者になっているの
です。神の予言者に従わないとき，私たちは自分で偽
語る例です。
りの予言者になっているのですから，私たちは誤りに
所にいた。そのときある年輩の人が私を訪ねてきた。
陥っていくに違いありません。これは確かなことです。
私たちは決して，守る戒めと，守らない戒めを区別し
てはなりません｡」(N・エルドン・タナー「大会報告」
彼はその大会で私を含めた幹部の話にひどく腹を立て
1966年10月,p.98)
「グラント大管長が生きておられた頃のある日，総
大会が終わって，私は通りを隔てて向かいにある事務
ていた。彼は外国から来たということだけに留めてお
マーク･E・ピーターセン長老は聖徒たちに対し，
こう。彼の心を静め，私の言葉を聞くようになだめ，
予言者は普通の人ではないと述べています。予言者は
全能の神によって選ばれ，油を注がれ，神聖な権能を
与えられた人です。したがって，主の予言者に対する
私はこう言った｡『あなたはなぜアメリカへ来たのです
か。』
『神の予言者から来るように言われたからです。」
「その予言者はどなたですか｡』
忠誠は神に対する忠誠を表わしているのです。
「予言者に対する態度は，私たちが心の奥深く秘め
6Z
ている神ご自身に対する思いが，そっくりそのまま表
会の指導者の上に留まるのを見て，それが胸の中で炎
われたものと言えるのではないでしょうか。つまり，
のように燃えるようにならないうちは，その人は真実
体裁や見せかけを一切取り除いた，何の飾りもない，
の意味で改宗したとは言えない｡』教会員は，自分たち
ありのままの姿の信仰なのです。
が正しく導かれているという確信を得，神の人である
神を真実愛していると言いながら，その僕を拒むよ
うなことができるものでしょうか。
本当に神を愛しているなら，主が油注がれた人を愛
し，敬うはずですし，それが当然のことです｡」（『予言
指導者が神のみ手によって正しく任命され，霊感を受
けているという確信を得てはじめて，真実の意味での
改宗をするのである｡｣(『神権の強さ』｢大会報告197375｣p.330)
者に従う』「聖徒の道」1982年4月号,p.107)
ブルース。R・マッコンキー長老もこの事実を強調
して，次のように書いています。「主と主の予言者とは
ひとつである。キリストを信じながら主の予言者を拒
むことはできない｡」（｢この世のメシヤ」2：79）
「この地上で，神とキリストに次ぐ者がひとりいる。
（'0−4）予言者を支持することには，教会のほかの
指導者を支持することも含まれる
末日聖徒の中には，地元の教会指導者を支持しなく
ても予言者を支持できると，思い違いをしている人が
います。ボイド。K・パッカー長老は，はっきりした
聖なる神権の権威と権能の鍵はこの人に授けられてお
言葉で，地元の指導者を支持しない人は大管長会を支
り，管理の権限も与えられている。彼はシオンの確立
持しないことになると述べています。
と，民の霊の救いと肉の救いとにかかわるよろずの事
「しかし，あなた方は小事に忠実でなければ大事に
柄について，神に代わってその民に語る者である。彼
忠実であることはできないことを覚えておかなければ
は神に代わって働く者である。私はこの真理を宣言し
ならない。あなたが王国である教会で行なわなければ
てはばからない。なぜならば，これは神のみ言葉であ
ならない，いわゆるささいな，つまらない仕事を引き
り，それゆえ真実だからである。主の戒めを守るとい
受けなければ，大きなチャレンジに満ちた奉仕をする
う誓約を交わした民は，民を管理する職に召された人
機会はないだろう。
の言葉に聞き従わなければならない｡」（ジョセフ．F・
スミス「大会報告」1898年4月,p.68)
大管長や教会幹部は支持するが，自分のワード部の
監督は支持できないと言う人は，思い違いをしている。
自分の所属しているワード部の監督やステーキ部長を
（'0−3）真に改宗した末日聖徒は，予言者を支持す
る
支持しない人は，結局は大管長を支持していないこと
になるのである｡」（『教会幹部に従う』「ブリガム・ヤ
福音に従って生活しようと熱心に努力する教会員は，
何の苦もなく予言者を支持し，その勧告を受け入れま
ング大学年度講話」pp.4-5)
「人を支持するとは，どういう意味だろうか。私た
す。真に改宗した末日聖徒は，予言者には神のみここ
ちはその意味を理解しているだろうか。皆さんにとっ
ろを明らかにする義務があり，また自分たちには誓約
てどうかは知らないが，私にとっては非常に単純なこ
によって予言者に従う義務があることを理解していま
とである。たとえば，ある人を教師の職に支持する挙
す
。
手をしたとしよう。その人から正式な訪問を受けたら，
「福音に従って生活しているならば，心から次のよ
私は彼を心から歓迎し，思いやりと敬意をもってもて
うに感じることでしょう。すなわち，予言者の勧告に
なし，助言が必要であればそれを求め，彼を支持する
は政治的な含みがあると思う人がいようといまいと，
ためにできることをすべて行なう。そのようにするの
大管長会には末日聖徒の物心両面の福利にかかわる事
は正しいことであり，義の原則である。私はその人の
柄について勧告する権利だけでなく，そうする義務が
品位を傷つけるようなことは決して口にしない。もし
あるのです。
兄弟姉妹の皆さん，私たちは正しいと知っているこ
これが正しくないとすれば，私はこれから支持すると
いうことについてまだ学び足りないということになる。
とを固く守り，現代のイスラエルの指導者として支持
もしだれかが，その人の評判を落とすようなことを私
された人々を擁護しなければならないのです｡」（エズ
の前でささやいたら，私はこう言うだろう。『君は末日
ラ・タフト・ベンソン「大会報告」1950年10月,p.148)
聖徒ですか｡」『はい｡』『君は挙手をしてあの人を支持
ハロルド。B・リー大管長は，改宗することの意味
を次のように説明しています。
しませんでしたか｡』『支持しました｡』『では，なぜ彼
を支持しないようなことをするのですか｡』人を支持す
「私は次のことを皆様に強調したい。だれかがこの
るとは，こうしたことなのである。支持された人の信
ように言ったが，これは正に真実である。『神の力が教
用をだれかが傷つけたら−だれにとっても信用は大
62
切であるから−私はすでに述べたような方法でその
人を擁護するであろう。
現在行なわれているように，厳粛な方法で人を支持
するとき，私たちはその誓約を守るだろうか。それと
も破ってよいのだろうか。もし破るなら，私たちは誓
約を破る者となる。支持すると誓約した人々の行為に
蕊蕊
蕊
ついて，私たちは神と兄弟たちの前で立てた誓約を破
鴬蕊
ることになる。しかし，その人が何か悪いことをする
か，うそをついたり，詐欺をしたりしていたとしよう。
崇端
または人から巻き上げたり，盗みを働いたり，あるい
は不純な習慣を身につけていたとしよう。あなたはそ
れでもこの人を支持するだろうか。こうなると私は，
ほかの人に対するのと同じように，その人に向かって，
かくかくしかじかのことを聞いた，このような状態で
はあなたを支持することはできない，と言わなければ
ならない。もし私が知っている情報が誤っていること
繋繋蕊溺“蕊蕊
がわかれば，私の非難は引っこめよう。しかし間違っ
ていなかったら，裁判を受け，しかるべき法廷に召喚
され，その過誤について申し開きを求められるように
しなければならない。もしそうでなければ，私はもは
や彼について何も言う権利はない｡」(ジョン･テイラー
「説教集」21:207-208)
要するに，私たち教会員が完全な意味で予言者を支
ジヨージ。Q・キヤノンは，予言者を公に非難することに対し
て警告を発した
て，戦いを挑むことになるであろう。」（ジョージ｡Q・
持するとは，教会の中央と地元のすべての指導者を支
キャノン『背教とは何か』「デゼレトニューズ」1869年
持し，私たちが支持すると誓約した人々を決して悪く
11月3B,p.457)
言わないということなのです。
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は，教
会の基本的な標準や教義に関するものでなければ，意
（'0−5）見解の相違があっても，教会幹部を支持で
見の相違が許されると指摘しています。
「人はよく自分の意見を述べることがある。主は人
きるか
「ある友人が……一教会員と教会幹部の間の明らか
な意見の違いは背教かどうか知りたいと言ってきた。
から個人の意見を取り上げられたわけではない。善良
な人々，信仰のある人々の間にもいろいろな事柄につ
そこで私たちは，教会員と教会幹部の間に意見の違い
いて様々な異なる見解がある。根本的な事柄に関して
があっても背教とは言えないと答えた。なぜなら，教
異なるのでなければ，これは別に害を及ぼすものでは
会幹部と意見が一致していなくても背教していない人
ない。ある者は甲という政党を支持し，ある者は乙と
しんぽう
がいるからである。しかし，意見の対立をわざわざ出
いう政党を支持する。ある人が一つの政治哲学を信奉
きくん
版し，議論と論弁と弁解を追い求める人はそうではな
しているのに対して，他の者はそれに猛反対である。
い。このような人はそのような考えをほかの人々に押
しかしふたりとも福音に対する証という点では忠実な
しつけ，分裂と争いを引き起こし，できることならば，
人々であることができる｡」（｢救いの教義」1：179）
教会幹部の行ないと勧告を誤った光によって評価させ
ようとする。その人は，背教者ではないとは言えない。
('0−6）研究課題と応用
そうした行為は，背教にほかならないと私たちは考え
1．教会幹部を支持することの意味を説明しなさい。
ているからである。さらに言えば，理解力の不足のた
2．異なる意見を持っていても教会幹部を支持できる
めに正直な心から教会幹部と異なる意見を持っている
のはなぜか，説明しなさい。
人は，その相違に関する行動に細心の注意を払わなけ
3．ハロルド．B・リー大管長は，この教会の会員に
ればならない。さもないと，悪魔につけ込まれてすぐ
与えられる試練について話し，現在私たちがどの
に背教心に満たされ，神に対して，また神の教会を管
ような試練に直面しているかを明らかにした。
理するためにこの地上に置かれた権威ある人々に対し
リー大管長は，「論弁｣の時代にあって主の予言者
a3
を支持する勇気を持つように勧告している。
「教会の初期の時代に，私たちは中傷と誤伝を
チャーズの受けた試し，シオンの陣営の受けた大
経験し，その苦難を切り抜けてきた。外部の敵の
きな試しの話もある。そしてシオンの陣営に加
ために私たちは一致団結し，生き長らえてきた。
わった人々の中から，この神権時代の最初の教会
暴徒に雲われ，追い立てられ，命を奪われ，血が
幹部が選ばれたのである。しかし忠誠心の試しに
流された。しかし殉教者によって私たちは強くさ
合格しなかった人々もおり，彼らは自分の地位を
れた。次いで，背教の時代を迎え，内部からの裏
守れなかった。
切りを経験した。これは私たちが経験したことの
私は十二使徒評議員会に席を置いて以来，教会
中で最も厳しい試練のひとつである。そして現在
幹部の兄弟たちの中において多くの事柄を体験し
私たちは今ひとつの試し，誰弁の時代と呼ぶべき
てきた。そのことで皆さんに申しあげたい。私よ
時代を迎えている。現在知にたけた多くの人々が
りも後に十二使徒評議員会に席を置くようになっ
主の謙遜な予言者たちの言葉に耳を傾けようとし
た方々は皆，あたかも神の摂理によるかのどとく
ない。そのことは，私たち聖徒を悩ます大きな問
に，同様の忠誠心の試しに耐えてきた。ときには，
題であり，これは非常に厳しい試練である｡」（『悪
試しに合格するだろうかと心配なこともあったが，
魔の誘惑は甘い』「インストラクター」1965年6
今日彼らがここにいることは，それに合格したこ
月,p.217)
この試練に負けないためにはどうすればよいで
しょうか。(Iニーファイ8:24-28も参照）
4
．
との証拠である。そして神は，彼らを尊んでくだ
さっている。
十二使徒定員会補助の少なくともふたりの会員，
ハロルド。B・リー長老の次の言葉を読み，私た
マリオン。G・ロムニー兄弟とアルマ・ソニ兄弟
ちが教会の指導者を自信をもって支持する理由を
についても私は同様の証を持っている。ふたりが
書きなさい。
どのような試しに会ったか，またどのようにして
「私はこの会場におられる教会幹部の兄弟たち
自分が信任に足ることを身をもって示したか，こ
と共に働き，また過去の神権時代の歴史を調べて
の目で見て知っているからである。そこで神は彼
みてわかったことであるが，主は教会の指導者に
らを尊んでくださっている。この教会で高い役職
対する忠誠ということに関していつの時代にも試
に召されるすべての人は，人の手によらないこれ
しを与えてこられた。聖典を見てみると，ダピデ
らの試しに必ず合格しなければならないと，私は
の忠誠の物語が記されている。王が彼の命を奪お
確信している。こうして御父は，生ける神の予言
うとしたときにも，ダビデは王に忠誠を尽くした。
者に進んで従い，自分の教える真理の証人，また
命をねらわれても，主の油注がれた者を汚そうと
模範者として誠実に生活する指導者の集まりに，
はしなかったのである。また現在の神権時代でも，
これらの試しに合格した者たちを加えてくださる
ブリガム・ヤングの受けた試しの話がある。ヒー
ことだろう｡」（｢大会報告」1950年4月,p.101)
バー。C・キンボールの受けた試しもある。カー
64
セージの獄でジョン・テイラーとウイラード・リ
予言者を受け入れる人と
拒む人の報〃
第11章
主はいつの時代にも予言者を通して人類に語ってこ
られましたが，ほとんどの人はその霊的なメッセージ
に耳を貸そうとせずに，世の中の魅惑的な声に従って
しまいました。予言者に従うことには，どんな価値が
あるのでしょうか。犠牲を払うだけの価値のある祝福
が得られるでしょうか。予言者の勧告を拒む人々はど
うなるのでしょうか。勧告を拒むことは，なぜ重大な
ことなのでしょうか。本課を読みながら，これらの質
問について考えなさい。すべての人には自由意志があ
り，予言者の言葉を受け入れることも拒むこともでき
ますが，自分の選択の結果を自分で決めることはでき
ません。このような選択の結果については，これまで
に明らかにされてきました。すなわち，予言者の指示
に従うならば，私たちは幸福になり，最終的に昇栄を
得るでしょう。しかし，もし予言者の勧告を拒むなら
ば，幸福になれずに，永遠の生命という祝福も失って
1士具マ､1レ易
し ふ ノ 呈 し ［ 尖 ノ 、
マリオン．G・ロムニー副管長（左）とスペンサー。W・キン
ボール大管長
きました。スペンサー。W・キンボール大管長は，不
義な人々が主の予言者に背くために用いた不合理な口
（'’一｜）予言者は不合理な理由で拒絶される
モルモン経の予言者サムエルは，当時の邪悪なニー
ファイ人を叱責して，次のように言いました。
「まことにこの民は禍である。なぜならば今あなた
実をいくつかあげています。
「過去にこれら神の使者たちを追放しようとして
様々な口実が用いられた。出身地が名もない土地だか
らといって拒まれたこともある。『ナザレから，なんの
たちは昔の人のように予言者たちを追い出し，これを
よいものが出ようか｡」（ヨハネ1:46)イエスご自身，
潮り笑い，これに石をうちつけ，これを殺し，またこ
『この人は大工の子ではないか』（マタイ13：55)と言
れにあらゆる悪い事をしている。．…“
われたことがある。聖なる予言者を拒否する一番手っ
実際に予言者があなたたちの中にきて，あなたたち
取り早い方法は，たとえ偽りであっても何らかの手段
の罪と悪事とを証する主の言葉を宣くると，あなたた
を用いて，人物そのものを抹殺して口を封じる口実を
ちはこの予言者を怒って追い出し，その上この予言者
見つけることであった。弁が立たず，口の重い予言者
を殺すあらゆる手段をめぐらし，この予言者があなた
は，無用な者と見なされた。パウロがメッセージを述
たちの行いは悪いと証をすると，かれは偽りの予言者
べたとき，その言葉に耳を傾けようとせずに，姿かた
である，罪人である，悪魔から来た者であると言う。
ちを見くだし，語ることも大したことはないだろうと
これは主が確にいますように確であるから，あなたた
たかをくくった人々がいた。おそらく彼らは，パウロ
ちは昔の人たちよりもさらに悪い。
を，彼の述べる真理ではなく，話し方や音声で判断し
ところが，ある人があなたたちの中へ来て『これこ
たのであろう。驚くのは，多くの場合，初めは侮りか
れをしても罪にならない。これこれをしても罰を受け
ら予言者を受け入れようとしなかったものが，結果的
ない。心のままに誇り高ぶってほしいままを行え」と
には，そのためにますます予言者を侮るようになって
すすめると，あなたたちはこの人を迎えて予言者であ
しまっていることである。予言者を拒む理由として，
ると言い，この人を崇めて，自分の持物と金銀とを割
ほかにこれ以上のものが考えられるだろうか。世のわ
いて与え，価の高い衣を着せ，この人があなたたちに
ずらいは実に多く，また複雑で，善良この上ない人々
へつらって万事よるしいと言うによって決してこの人
までがこの世のことに心を遣いすぎて真理の道から離
を非難しない｡」（ヒラマン13:24,26-28)
れている。。･･･・・
時の初めから，多くの人々が主の謙遜な僕を拒んで
ときに人々は，世の誉れや世事に心を向けすぎて，
︽ぬ
最も大切な教えを学ぶことができずにいる。明らかな
不義と叫ぶ神から遣わされた監査人である｡｣(『予言者
真理が，大して重要ではない人間の哲学のせいで拒否
の声を聴け』「聖徒の道」1978年10月号,pp.121-23)
されることがある。これも予言者を拒むもうひとつの
残念なことに，教会員の中にさえ，予言者や教会の
指導者たちの勧告に進んで聞き従おうとしない人がい
理由である。
拒絶する口実は様々あるが，このような悲しい記録
ます。N・エルドン・タナー副管長は次のように述べ
となったのには確かな原因があり，それを無視するこ
ています｡｢教会の指導者や教義に対する最も大きな非
とはできない。世の事柄に対する執着や世の誉れ，過
難の言葉は，ほとんど例外なく，十分に自分の義務を
分に望むこと，これらはすべて，ほかの人々を率いよ
果たしていない人や，指導者に従わない人，あるいは
うとする少数の説得力ある人々により感化を及ぼされ
福音に添って生活していない人々の口から出ている｡」
（『人をさばくな｡自分がさばかれないためである｣｢聖
て民の間に広がるものである。……
すうせぃ
聖なる予言者たちは世の間違った趨勢に従うことを
徒の道」1973年2月号,p.86)
拒んだばかりではなく，その誤りを指摘した。したがっ
て，人々が予言者たちに必ずしも無関心でいられな
かったこともうなずける。こうして，自分の住む社会
の悪弊を否定したために拒まれた予言者たちは多い。
（'’−2）予言者の勧告に対して反対や拒絶をする人
は，主のみたまを失う
私たちがもし主の予言者に反対するとしたら，それ
民は実ににつまらない口実で予言者を拒んでいる。
は必ず主のみこころに背くということになります。予
物事をあいまいにせずに筋を通そうとするときには苦
言者を拒むと，主はその人からみたまを取り上げてし
難が付き物であるが，神はしばしばそのみ業をあいま
まわれます。そして主のみたまが退くと，次の言葉に
いにせずに明るみに出そうとしておられる。主ご自身
あるように，悪魔の霊が大きな影響力を及ぼすように
がそう言っておられる。（教義と聖約1:30参照)……
なります。
予言者を個人的によく知っている人が予言者を拒む
「王国であるこの教会の指導者に反対する人は，背
理由としてあげるのに，彼がだれそれの息子あるいは
教への道を歩いている。本人は自分がどのような力に
隣人だからというのがある。予言者は人々の中から選
支配されているか知らず，暗闇の中にいることに気づ
ばれるのであって，どこか別の惑星から送られてくる
いていない。速やかに悔い改めない限り，落ちていく
といった夢のような出来事ではない。……
であろう。これはいつでも起こり得る事実と見なすこ
名声に欠けるからという理由で予言者を拒むことに
とができる。なぜなら，この教会が神の教会であり王
ついて，パウロは，神のみ業に関連して私たちにこう
国であるなら，また大管長や副管長，十二使徒が神に
警告している。『兄弟たちよ。あなたがたが召された時
選ばれた人であるなら，彼らを傷つけようとする人は，
のことを考えてみるがよい。人間的には，知恵のある
大きな危険を冒しているのであり，神に敵対している
者が多くはなく，権力のある者も多くはなく，身分の
ことがわかるであろう。イエスは次のように教えてお
高い者も多くはいない｡』(Iコリント1:26)
られるからである。『あなたがたを受け入れる者は，わ
主は聖典の多くの箇所で，世間から侮られ，弱いと
たしを受け入れるのである。わたしを受け入れる者は，
される人々によってみ業を進めると語っておられる。
わたしをおつかわしになったかたを受け入れるのであ
聖なる予言者たちが拒まれるのはもちろん民の心がか
る。あなたがたを拒む者は，わたしを拒むのである。
たくななせいであるが，民はその社会によって形成さ
そしてわたしを拒む者は，わたしをおつかわしになっ
れるのである。……
たかたを拒むのである｡』
予言者たちは肉欲の心に衝撃を与える。多くの場合，
聖なる予言者は厳格で,『それについてはすでに言った
自分の兄弟を憎みながら，神を愛すると言うことは
できない。それゆえ，神の僕の言葉や勧告を拒みなが
はずです』というために記録作りに熱心だと，間違っ
ら，神の律法に従っていると言うことはできないので
て受け取られている。しかし，私の知る限り，予言者
ある｡」（ジヨン・テイラー「説教集」7：325）
たちは最も愛情豊かな人々である。彼らの愛が深く，
誠実であるために，人に気に入られようとするよりも
「神がその僕たちを選ばれたのだ。もし僕たちを罰
する必要があるとするなら，罰するのは神の特権であ
むしろ主のみこころをはっきりと告げようとするので
ると言っておられる。神は，彼らを非難する権利を私
ある。……
たち個人には与えられなかった。いかに信仰の強い人
彼らは時の初めから終わりに至るまでのことを理解
であろうと，神権の高い職にいようと，主に油を注が
できるように助けてくれる。予言者は常に世の悪とは
れた者の悪口を言ったり，地上で神の権能を持つ人の
ぎまん
かかわりを持たず，欺隔は欺職横領は横領，不義は
66
欠点を捜したりしながら，神の怒りを買わずに済む人
はいない。『聖きみたま』は，そのような人から離れ去
の清い人』だけが『神」すなわち人の内にある神性を
り，その人は暗黒の中を歩むことになろう。こういう
見ることができ，教会の指導者を生ける神の予言者と
わけだから，私たちが注意深くあることがどんなに大
して受け入れることができるのである。……
切かがわかるであろう。教会幹部の取る行動がどんな
長年の経験から得た私の証を述べたいと思う。この
に不可解に見えても，私たちはあまり性急に彼らの行
教会の指導者を批判するのは，霊的な病気の徴候であ
動に異議を唱えたり，間違っていると決めつけたりす
り，放っておくといつかは霊の死をもたらす。また，
べきではない｡」（ジョージ･Q･キャノン『説教』〔大
公然と指導者を非難してけなし，評判を落とさせよう
会説教の報告〕，「デゼレトニューズ・ウイークリー」
とする人々は，自分が中傷しようとした人々よりも自
1896年10月31日[53:609];「福音の真理」p.278)
分自身を深く傷つけるであろう。私は長い間この目で
私たちは教会の指導者と調和していないときに，福
音の精神と調和することはできません。
見てきたことや，教会を離れていった多くの人々につ
いて読んだことから，証したいと思う。教会を去った
「私は，忠誠の原則について注意を喚起したいと思
背教者の中で，その後地域社会に感化を及ぼすことの
う。真理に対する忠誠と神が真理の業を進めるために
できる者として成功した者はひとりもいないのであ
選ばれた人々に対する忠誠である。私は「真理』と
る｡」（｢大会報告」1947年10月,p.67)
「人々」をひとまとめにして言っている。それは，一
エズラ・タフト・ベンソン会長は，ブリガム・ヤン
方を全面的に受け入れながら，もう一方を部分的に拒
グ大管長の経験を紹介して，教会の指導者に対して非
むなどということは不可能だからである
難を浴びせたり，不信感を抱いたりすることの危険性
私は声を大にして，そのような批判に用心するよう
を指摘しています。
警告し，勧告する。……そのような批判は，ときに高
「イエス・キリストへの証を持っていると言いなが
い地位にある，あるいはあった人から出てくることが
ら，主の教会の指導者の教えや勧告に従おうとしない
ある。そのような人々は，うわくだけは教会の中で良
ことを正当化する人は，非常に危険な状態にいます。
い評価を得ている。そして，自分たちの気持ちを表現
救いを危うくしているのです。
するときには，たびたび，『私たちも教会員ですから，
私たちの気持ちも考えてください』と言うのである。
そのような人々は，福音の精神に完全に調和し，教
会員として特権を十分享受しながら，同時に教会の指
教会の指導者も普通の人と何ら変わらない，欠点や
過ちがあるのだと言って，あら捜しをしている人々が
います。そういう危険な考えについて警告したいと思
います。
導者やその指導や助言と調和しないでいることができ
ると考えている。このような考え方はまったく矛盾し
ている。この教会を導く力の源は，ただ文書化された
言葉だけでなく，絶えざる啓示もそうだからである。
主はその啓示をご自身の選んだ指導者を通じて教会に
与えられるのであって，それ以外の人を通じては与え
られない。それゆえ，福音を受け入れると公言しなが
ら，一方で指導者の勧告を批判し従おうとしない人々
に，弁護の余地はない｡」（マリオン．G･ロムニー「大
会報告」1942年4月,pp.17-18)
主に油注がれた指導者を悪く言う人々は，非常に危
険な状態にあります。なぜなら，彼らは自分自身の中
に，霊的な死をもたらす種をまいているからです。ハ
ロルド．B・リー大管長は次のような証と警告を与え
ています。
「教会の指導者や神に油注がれた人々が，何か利己
的な動機を持っているのではないかと考えている人々
がいる。彼らはいつも教会の指導者の言葉をねじまげ，
主のみ業を巧みなやり方で失敗させようとする。主に
油注がれた者を悪く言う人は汚れた心で語っているの
で，そのような人には十分に注意する必要がある。『心
ブリガム。ヤングは，忠誠心の偉大な模範を常に示した
67
ブリガム・ヤング大管長が明かしたところによると，
あるとき，彼は財政上のひとつの問題で予言者ジョセ
す。彼らの批判は，自分の知性にうぬぼれることに端
を発します。次にあげる例はそうした行動様式がどの
フ・スミスを非難したいという思いに駆られたことが
ようなものであるか，また批判する人が批判される人
あったそうです。しかし，その気持ちは30秒もたたな
よりも多くのものを失うことを示しています。
いうちに消えました。自分の中にそのような考えがわ
いてきたことを，彼は非常に悲しく思ったのです。
「ある男が自負心にかられて，教会幹部に反対する
立場を取った。お決まりのパターンに従い，最初のう
ヤング大管長が教会員に与えたこの教訓は，サタン
ちは背教せずに，知識をひけらかせて軽い批判を述べ
がさらに激しく動き回っている現在，一層意義深いも
るだけだった。彼はこう言った。『私は教会幹部の方々
のになってきているのではないでしょうか。
が好きです。でも，彼らには見落としているところが
『私は，ジョセフにも過ちがあるという考えにいつ
ありますし，私と違った解釈をしています｡』彼はまだ
までも捕らわれていたとしたら，彼に対する信頼感を
教会を愛していると主張していたが，次第に批判が激
失くし始めていたであろう。そして段々とその思いを
しくなり，とめどなく大きく広がっていった。自分は
募らせて，最後にはほかの人々同様，ジョセフが全能
正しい，そう信じていたがそれは良心からではなく，
者の予言者であるという証をも失うようになると，自
慢心からくるものであった。子供たちは彼の考えを全
分に与えられた啓示のみたまによってはっきりと知ら
面的には受け入れていなかった。しかし，次第に信仰
された。……
私はすぐさま自分の不信仰を悔い改めた。その過ち
に疑いを抱くようになり，挫折感を味わい，教会外の
人と結婚してしまった。子供たちは失われたのである。
を犯すのも早かったのだが，悔い改めも時を移さず行
やがて彼は自分の愚かさに気づいて謙遜な気持ちに
なった。ジョセフがいついかなるときも神の導きの下
なったが，すでに遅すぎた。失われた子供たちは帰ら
にあったことに対しては，私が疑いをはさむ余地のな
なかった。『とげのあるむちをければ,傷を負うだけで
いことである。
彼のいかなる行ないに対しても異議を唱えたり，批
判したりする権利など私にはない。彼は神の僕であり，
ある｡』〔使徒26：14〕」（｢大会報告」1955年4月,pp･
94-95）
ハロルド。B・リー長老は，教会歴史の中から次の
私の僕ではないのである。彼は人間にではなく神に従
出来事を引用して，予言者に反対するとどのような結
う者なのであり，主のみ業に携わる者なのである｡」
果を招くかを明らかにしている。
（『イエスの証をなすに雄々しくあれ』｢聖徒の道｣1982
年7月号,p.111)
「これは教会初期の時代に，特にオハイオ州カート
ランドで起こった出来事であると思う。そこでは教会
は管理評議会に名を連ねる数人の指導者たちが，秘密
（'’−3）教会の指導者を非難し続ける人は，背教す
の会合を開いて，予言者ジョセフを指導者の地位から
追放するという陰謀を企てようとしていた。ところが
る
回復の初期の時代から，聖徒たちは教会指導者を拒
彼らは，ブリガム・ヤングをその会に招待するという
絶するとどのような結果になるのか告げられていまし
失策を犯した。ブリガム・ヤングは会合の目的を聞く
た。あるとき予言者ジョセフ・スミスは聖徒たちに，
と，そこにいた人々を叱責し,その中で次のように言っ
指導者への批判がゆくゆくは背教に至ることを警告し
た｡『あなた方には神の予言者の使命を打ち砕くことは
ました。
できない。できるのは，神の予言者とあなた方とを結
「王国の奥義の鍵のひとつをあなたに与えよう。そ
れは永遠の原則であり，神と共に永遠に存在してきた
ぶ糸を断ち切って,みずからを地獄に沈めることだ｡』」
（｢大会報告」1963年4月,p.81)
原則である。もしだれか立ち上がって他人を攻撃し，
教会の欠点を捜そうとしたり，また自分は正しいがほ
（'’−4）予言者に従う人は，安全な道を歩む
かの人々は道からはずれている言ったりする人がいる
使徒パウロは，教会に使徒や予言者をはじめとする
なら，その人は，背教に通じる道をかなり進んでいる
指導者が立てられた目的について，次のように教えて
と判断すべきである。そしてそのような人は，もし悔
います。「こうして，わたしたちはもはや子供ではない
い改めないなら，神が生きてましますように確かに，
ので，だまし惑わす策略により，人々の悪巧みによっ
背教に陥るであろう｡」（｢予言者ジョセフ･スミスの教
て起る様々な教の風に吹きまわされたり，もてあそば
え」pp.156-57)
れたりすることがなく……｡」（エペソ4：14）予言者
スペンサー。W・キンボール大管長は，教会幹部を
に従う人々は，偽りの教義によって誤った道へ導かれ
批判する人々には一定の行動様式があると述べていま
ることがありません。N・エルドン・タナー副管長は
68
こう述べています。「予言者に従いなさい。そうすれ
ば，道を誤ることはない｡」（『私たちがなすべきこと』
「年度講話」1976年,p.458)
私たちが正しい経路を通して勧告を求め，また勧告
を従順に受け入れるときに，どのようなことが約束さ
れているか，それに目を向けてみよう。『これらのこと
この勧告は個人にも，教会にも当てはまります。デ
を為さば，地獄の門も汝らに打勝たざるくし。而して，
ルバート。L・ステイプレー長老は次のように述べて
います。「私たち教会員は，私たちの予言者である主の
誠に主なる神は汝らの前より暗闇の力を追い払い，汝
らの為と神の御名の栄光のためにもろもろの天をも震
予言者に従って，その教えと勧告と彼自身が示す模範
い動かしめん｡』（教義と聖約21：4−6）
に心を留めるならば，決して道を誤ることはない｡」
（『民を備えさせる』「大会報告1973-75｣p.409)
末日聖徒はどこに住んでいようと，主が教会に置か
れた指導者に従い，忍耐と信仰をもって彼らの勧告を
「さて，私たち教会員にとって最も安全な道は，主
受け入れるなら，この約束を手にするであろう。その
が教会設立の日に語られた言葉に従うことである。私
ような人には地獄の門も打ち勝つことはない。主は彼
たちは主が予言者を通じて下された言葉や戒めによく
らの前から暗闇の力を取り除かれ，彼らの幸福のため，
従わなければならない。この言葉や戒めには，『心にと
また神のみ名と栄光のために天を揺り動かされるので
めてよく聞き』，主の前に『全く聖き道を履』み，さら
ある｡」（ハロルド。B・リー「英国マンチェスター地
に『あたかもわが口より聞くが如くに』受け入れるよ
域大会報告」1971年,pp.134-35)
う与えられたものだからである。(教義と聖約21：4−
主は，予言者に対して支持と愛を示す人々のことを
心に留め，守り，祝福し，助けてくださいます。とき
5）……
私たちの安全は，主が主の教会を管理するよう召さ
には勇気が必要になることもありますが，主の予言者
れた人に従うかどうかにかかっている。主はこの教会
の側に立つ人は，主の側にとどまることができるので
をだれに管理させたいかをご存じである。決して誤る
す。このことについて，予言者ジョセフ・スミスは次
ことはない。主は気まぐれに物事をなすお方ではない。
のように述べています。
「悪を拒絶しなさい。そうすれば危険はない。神も，
私たちは大管長に目を向けようではないか｡」（ハロ
ルド。B・リー「大会報告1970-72｣pp.148-49)
この世において唯一真の安全な道は，主が私たちを
導くために選ばれた人々に従うことである。
「どこかほかに導きを求められるだろうか。現代の
人も，天使も，あらゆる悪に背を向ける人を罪に定め
ることはできない。むろん悪魔もできない。すべての
悪を拒絶する罪なき人を滅ぼすことができるくらいな
ら，悪魔はエホバの王座を奪うことができるであろ
う｡」（｢予言者ジヨセフ・スミスの教え」p.226)
世の中のどこかに安全な道があるだろうか。戦車や鉄
はできない。安全な場所はただひとつ，全能なる神の
（'’−6）予言者に従う人々は，永遠の生命を得る
N・エルドン・タナー副管長は次のように教えてい
権能の中だけである。そしてこの権能は，主が定めら
ます｡｢私たちのふるさとである神のみもとへ帰るため
れた経路を通して語られるときに，そのみ言葉と戒め
の唯一の道は，予言者を通してもたらされる神のみ言
葉に従うことである｡」(『感謝を神にささげん予言者の
砲，飛行機，原子爆弾によって，安全を勝ち得ること
とを守る人々に授けられる｡」（ハロルド。B・リー「大
会報告」1973年10月,p.169)
よみ
（'’−5）黄泉の力も，生ける予言者の言葉に従う教
会員に打ち勝つことはない
「教会が組織された日，主は次のように言われた。
『この故に汝ら教会員は』−これはその日集ったご
導き』「聖徒の道」1976年3月号,p.153)聖典の中に
は，予言者に従う人々に神が約束されたことが記され
ています。たとえばモルモン経の中のベンジャミン王
は，予言者を通して主から与えられた戒めに従う人々
は繁栄して幸福になると教えています。
「さらに私はお前たちが神の命令を守る人々の受け
この教会の会員となる人々すべてに対して語られたも
る幸福な楽しい境涯をよく考えるように望む。ごらん，
その人たちはこの世に関係のあることでも霊に関係の
のである｡−『彼が上より受くるままに汝らに与うる
あることでもすべてに祝福を受けて，もし最後まで耐
誠命と彼の言とを皆心にとめてよく聞き，わが前に全
え忍んで忠実であるならば天に迎えられ，とこしえに
く聖き道を履むべきなり。
幸福な有様で神と共に住めるのである。主なる神がこ
のように言いたもうたから，以上のことが真実である
くわずかな人々に対して語られたことではなく，将来
そは彼〔大管長〕の言は，汝ら全き忍耐と信仰とを
以て，あたかもわが口より聞くが如くにこれを受け入
るべきなればなり。』
のを忘れずに記憶せよ｡」（モーサヤ2：41）
アピナダイも，これらの約束について次のように教
69
からです｡『預言者の名のゆえに預言者を受けいれる者
は,預言者の報いを……受けるであろう｡』(マタイ10:
41)『預言者の報い』とは，神の王国における永遠の生
命のことです｡」（ブルース･R･マッコンキー「約束
されたメシヤ」p.41)
（'’−7）研究課題と応用
1.デビッド.O･マッケイ大管長は，次のように述
べています｡｢神権組織や補助組織の指導者に対す
る不平不満は，末日聖徒の家庭に持ちこまれる最
殻一一呈錨.
塗露識一
も有害なもののひとつである｡」(『4つの標識』｢イ
ンプルーブメント・エラ」1969年3月号,p、3)
あなた自身を吟味しなさい。教会の指導者に対し
あざ唖ＪＬ号
罰“泳廿轆斡瀦帥惑令
凝蕊恥篭謬嬬渉
搾岸野戎’２
醗添寺︲Ｊ、ざ哩ｆｆｔ韓
。．潟袴綴・〆∼︾
て不平を言ったことはありませんか。愛する家族
の前でそのようなことをしたことがありませんか。
2．予言者の勧告に従わない人はどのような重大な報
,
輔
鰔
：
隷瀞§
…
§︾
… ､
§
いを受けますか。
3．予言者に従う人々は，どのような祝福を受けます
か。
ブルース．R･マッコンキー長老
4．エズラ・タフト・ベンソン会長は，予言者に従う
えています。「予言者の言葉に聞き従（う）者は……神
人と拒む人の受ける報いを次のように要約してい
の王国を嗣ぐ者になる｡」（モーサヤ15:11．教義と聖
ます。
約20：25-26参照）主の僕を受け入れる人々に対して，
主はこの神権時代に次のように告げられました。
「生ける予言者と大管長会に従う人は祝福を受
け，拒む人は苦難を受けます。
「そは，わが僕らを受け入るる者はわれを受くれば
……主をどの程度支持しているか知りたいと
なり。また，われを受け入るる者はわが父を受くるな
思ったら，次のように自問してみましょう。主が
り。而して，わが父を受け入るる者はわが父の王国を
この世に遣わされた指導者をどの程度支持してい
受くるなり。この故にわが父のもてるすべては彼に与
るだろうか。主が油注がれた生ける予言者である
えらるくし｡」（教義と聖約84：36-38）
教会の大管長の言葉や，大管長会とどの程度調和
これと同じ約束が，時の絶頂の神権時代にも主から
与えられました。（マタイ10:40-41参照）
「ですから，義を求めるすべての人は，主と主の予
言者を受け入れ，彼らの教えに聞き従い，彼らのよう
になるために努力しましょう。聖典にこう書いてある
7
り
した生活をしているだろうか｡」(『予言者に従う14
の原則』「聖徒の道」1981年6月号,p.8)
この言葉を指針にして考えると，あなたは主を
どの程度支持しているでしょうか。
総大会
単元ろ
教会の大会の目的と重要性第12章
1830年4月，主は次のように告げられました。
「このキリストの教会を組織する諸長老は，三ケ月
「教義と聖約を参照すると，大会には4つの主要な
目的があることが明らかである。
毎に一回大会を開きて集合すべきものとす。またはそ
第1に，当面の事務を処理する。
の大会に舩て命ぜられ，または指定されたる所に従い
第2に，報告と教会全体の統計を聞く。
時々会合すべし。
第3に，主が『その名を挙げたる人々を……承認』
その大会は，その当時為すべき必要なる教会の事務
を何事によらずこれを為すべきものとす｡」（教義と聖
する。または否認する。（教義と聖約124:144参照）
第4に，敬戻な思いで真心から主を礼拝し，励まし
やﾖ￨￨戒，指導を与え，また受ける｡」（｢大会報告｣1938
約20:61-62)
1830年以来，教会では，聖徒たちの生活を改善する
ために様々な大会が開かれてきました。大会は，ワー
ド部，ステーキ部，全教会のレベルで開かれます。ス
ペンサー･W・キンボール大管長は次のように説明し
年10月,pp.130-31)
マッケイ大管長は後の大会で，総大会の基本的な目
的についてさらにこう述べています。
「総大会の目的をまとめると，次のようになる。
ています。「私たちは，主を礼拝し，キリストのみ言葉
(1)経済面，宗務面，霊性面での教会の進歩または退
にあずかり，信仰と証を強めるために，たびたび大会
歩など，全般的な状況を教会員に知らせる。(2)優れた
を開いている｡」(『教会の基盤である家族を強める｣｢聖
功績を推賞する。(3)神の導きに対する感謝を表わす。
徒の道」1978年10月号,p.69)
(4)福音の原則，教義律法について教える。(5)イエス・
キリストの福音のあらゆる儀式を執行する神聖な権能
（'2−｜）総大会には特別な目的がある
教会員には毎年2回（4月と10月)，総大会で予言者
をもって福音の回復を宣言し，使徒ペテロの言葉にあ
るように，『〔イエス・キリスト〕による以外に救はな
の言葉を聞く機会があります。デビッド。O・マッケ
い。わたしたちを救いうる名は，これを別にしては，
イ長老は，大会のおもな目的を次のように説明してい
天下のだれにも与えられていない』（使徒4：12)こと
ます。
を宣言する。(6)活動をさらに発展させるために訓戒と
霊感を与える｡」（｢大会報告」1954年10月,p.7)
マリオン･G・ロムニー長老は，教会の指導者が総
大会に出席するために世界中から集まる目的について，
次のようにはっきり述べています。
「私たちは世界の多くの国からこの大会にやって来
た。しかし，それぞれの国の政府の代表者として来た
母殿
のではない。私たちは神の王国の指導者を代表してこ
：鶴
こに集っている。この教会は文字どおり，地上におけ
る神の王国である。私たちは議論をしたり，地位を得
ようと企てたり，相違点を妥協させたり，方針を確立
騨剖
霧
するために来たのではない。私たちがここに来たのは，
霞
主の召された僕を通してすでに明らかにされ，また今
.〆
明らかにされた神のみ言葉を聞いて学び，それを持ち
一
帰って私たちの民に教えるためである｡」（｢大会報告」
1961年4月,p.117)
¥蕊
（'2−2）教会員は総大会に備える必要がある
「2，3日したら，教会の総大会が開かれ，主の僕
たちから勧告が与えられます。皆さんはそれをよく注
一ﾆｰ冒司
デビッド。O・マッケイは大会の目的を要約した
意して聞くこともできれば，耳を貸さずにいることも
'アQ
′Lノ
できます。それらの説教から皆さんが何を得るかは，
要なものです。主の選ばれた指導者から霊感あふれる
話者の準備よりも，聞く者の準備にかかっているので
勧告を受けることにより，聖徒は啓発され，精神を高
す｡」（ボイド。K・パッカー『教会幹部に従う』「ブリ
められ，福音の原則を実践することを学ぶのです。
ガム・ヤング大学年度講話」p.10)
「愛する兄弟姉妹の皆様，私たちがこの大会に集っ
教会員が主の僕の教えを受けるために準備すること
たのは，主に仕え，みたまにより清められ高められる
の大切さについて，マリオン。G・ロムニー長老はこ
ためであり，また真の礼拝の精神を心から理解するた
のように教えています。彼は本部から遠く離れた場所
めである。
にあるステーキ部のステーキ部大会に出席した後，次
のように報告しました。
「初めて総大会に出席したばかりの人が何人か話を
期待どおりのすばらしい大会であった。主はみたま
の力を注いで私たちと共にいてくださり，私たちはこ
の大会に参加してよかったと感じている。
した。彼らの話は実に感動的なものだった。ある監督
皆様が，ここで述べられてきた教えを信じ，教会幹
は，ワード部の全会員がタバナクルでの総大会に一度
部の兄弟たちの勧告に従い，そしてこの大会で私たち
でよいから出席できたらと述べた。別の監督は，大勢
の心を高めてくれた同じみたまの恩恵に浴しながら，
の会衆と共に立ち上がって讃美歌を歌ったとき，感動
今より一層前進されることを望んでいる。……
のあまり涙がほおをつたい，声がつまって歌うことが
さて，啓示を通して与えられたこの宗教の体系こそ，
できなかったと話した。また別の監督は，グラント大
きわめて実践的な宗教であると言える。この宗教は，
管長の説教の最後の言葉に心を打たれ，次のような言
私たちが持っている家畜や財産について教え，また，
葉で話を結んだ。『大管長は3度こう言われたのです。
私たちが共存していくためにはどうすればよいかにつ
「私は皆さんを祝福します。私は皆さんを祝福します。
私は皆さんを祝福します」と｡』
ところが，また別のある地方のステーキ部で，以前
いても教えてくれる。さらに，わびしくつまらないこ
の世の生活を明るく楽しい経験に変えるひとつの生き
方を教えてくれる宗教でもある｡」（スペンサー。W・
に監督だった人が私にこう言った｡『大会は政治的な集
キンボール『キリストにあって永遠の望みを抱く』「聖
会にすぎませんよ｡』別の人はこう言った。『指導者の
徒の道」1979年2月号,pp.117-18)
勧告に従うかどうかは，話の内容によります｡』
人によってこのように違った反応を示すことを，ど
1975年10月の総大会で，スペンサー。W・キンボー
ル大管長は，大会で与えられた数多くの有益な勧告を
う説明したらよいだろうか。私はこのように考えてい
記録することの大切さについて強調しています。また，
る。一方は神の戒めを守っていたが，他方は守ってい
ここで教えられた原則をみずから実践する決意を表わ
なかった。一方は真理の光の中を歩いていたが，他方
され，そしてすべての聖徒たちにも同じことをするよ
は暗闇の中にいた。一方は主のみたまを受けていたが，
うにと，次のように勧告されました。
他方は受けていなかったのである｡」（｢大会報告｣1942
年4月,p.19)
「また幹部の兄弟たちの説教を聞いて心に浮かんだ
思いを，数多くメモにしてきたことであろう。あなた
方指導者がその務めを完全に果たせるように，多くの
（'2−3）総大会は聖徒の日々の生活を変える
ハワード。W・ハンター長老は，総大会の持つ精神
や影響力について，次のように述べています。
「総大会は再び霊を奮い立たせる時です。神が生き
有益な提案が与えられた。また，自分自身の生活を改
善するために役立つ提案も示された。私たちがこの大
会に来た第一の理由はここにある。
私は自分の席に座っていながら，今夜この大会を終
ておられて信仰深い人々を祝福してくださるという知
えて帰宅してから決心すべき事柄について考えていた。
識と証がより深く，確かなものとなるからです。また
私の生活には，不完全な点が非常に多くある。私は心
この時期は，イエスが救い主であり生ける神の御子で
の中でそれらの点を一つ一つ書き出してみた。そして
あるという理解力が，主に仕え，主の戒めを守ろうと
今，大会を終えたらすぐにそれを始めたいと思ってい
決意する人々の心に燃えあがるときでもあります。そ
る。……〔ここでキンポール大管長は，いくつかの大
して指導者から人生に必要な霊的な指針を授かるとき
会説教の内容を繰り返して述べた〕
です。さらに，良き夫，良き妻，良き父親や母親，従
順な息子や娘，良き友人や隣人になるために奮起し，
そのほかのすばらしい説教についても述べる時間が
あればと思う。なぜなら，私にとって，これらの事柄
新たな決意をするときでもあります｡」(『総大会によせ
をまとめ，自分が聞いたこと，覚えておきたいこと，
て』「聖徒の道」1982年4月号,p.19)
そして実行したいことを心の中で整理することは助け
総大会は聖徒の物心両面の福利にとってきわめて菫
7
￥
となるからである。……
兄弟姉妹たち，この福音はイエス・キリストの福音
私たちは人々に，「常に罪悪を憎むこと』を教えたいと
である。耳を傾けるすべての人にとって価値あるもの
願っているのである。また，『悔い改めねばならぬこ
である。この3日間に私たちが語ってきたことは真実
と,主イエス・キリストを信ずること』(アルマ37：32-
である。一点の疑いもない真理である。耳を傾けて聞
33)を説いている。さらに，謙遜さを称え，『主イエス・
くすべての人に救いと昇栄を必ずもたらすものであ
キリストを信ずる信仰を以て悪魔の誘惑をことごとく
る｡」（『兄弟たちの説教』「大会報告1973-75｣pp.452-
うち破ること」（アルマ37：33)を教えたいと願ってい
5
3
）
る。また，『善を行って決して飽』（アルマ37：34）き
ることのないよう教えている。
（'2−4）総大会では問題点が明らかにされ，その解
決方法が提案される
ハロルド。B・リー大管長は，みずから管理した最
後の総大会において，次のように述べています。
予言者たちがいつも同じことを説教するのは，私た
ちが根本的にはいつも同じ問題に直面しているからで
ある。兄弟姉妹，そうした問題に対する解決法は，何
ら変わらないのである。入港する船舶を誘導するたび
「これほど多くの率直な教えや勧告が与えられた大
に異なった信号を出すような灯台は，信頼のおけない
会は過去にない。問題がはっきりと示され，解決の道
灯台である。また，安全な山道を知りながら，疑わず
も提案された。
について来る登山隊を戻る者のない人跡未踏の危険な
今や耳を傾けて，主に霊感を受けた主よりの言葉と
道へ連れて行くような山岳ガイドは，やはり信頼のお
してこれに聞き従おうではないか。そうすれば，主の
けないガイドである｡」(『人手によらずに切り出された
子らのために備えられたすべてのことが成就する日に
石』「聖徒の道」1976年8月号,p.316)
至るまで，私たちはシオンの山にあって守られるであ
ろう。大会の閉会に当たり，私はかつてない感動を覚
えている。主が近くにいて私たちを導いておられると
いうこの確信がもしもなかったならば，私は荷の重さ
に耐えられなかったであろうが，主は確かにおられて
私たちの声を聞き，私たちが聞く耳を持ちさえすれば
（'2−6）教会員は予言者のメッセージを心に留める
べきである
1831年11月1日，教義と聖約の啓示に対する主のは
しがきの中で，主は次のように述べておられます。
「その時主の腕現われて，主の声もまた僕らの声も
いつでも共にいて助けてくださることを私は知ってい
聞かんとせず，予言者にして使徒なる者たちの言にも
る｡」（｢大会報告1973-75｣p.145)
耳傾けんとせざる者のその民の中より絶たるべき日来
るなり。」（教義と聖約l:14)
（'2−5）総大会でいつも同じことが強調されるのは
なぜか
使徒パウロは次のように証しています。
「もしラッパがはっきりした音を出さないなら，だ
ジョセフ・フィールディング・スミス大管長は次の
ように証しています。
「私は謙遜な気持ちでこう述べたい。私たちは総大
会のたびに，霊感すなわち啓示によって勧告を受ける。
れが戦闘の準備をするだろうか。
それと同様に，もしあなたがたが異言ではっきりし
ない言葉を語れば，どうしてその語ることがわかるだ
ろうか。それでは，空にむかって語っていることにな
る｡」(Iコリント14:8-9)
どの時代においても，福音のメッセージは変わりま
せん。大会で語る予言者は，「主ご自身が定められたと
おりに，イエス・キリストの福音を説き，教えるので
す｡」（マリオン。G・ロムニー「大会報告」1955年4
月,p.31)スペンサー。W・キンボール大管長は次の
ように述べています。
「なぜ教会幹部たちは総大会のたびごとに，同じこ
とを説教するのかといぶかしく思う人もいるかもしれ
ない。しかし，何世紀にもわたる予言者たちの言葉を
研究してみると，それは非常にはっきりと，いつも同
じことを述べている。アルマの言葉を借りて言えば，
大管長が総大会を管理する
7
万
教会員がこれらの勧告にもっと注意を払い，さらに多
1976年10月の総大会の閉会に当たり，キンボール大
くの啓示を受けるためにみずからを備えるのは，賢明
管長は聖徒たちに，主を呼び求めるだけでなく，多く
なことではないだろうか｡」（｢福音の質疑応答」2：
の関連ある問題について与えられた霊感あふれる勧告
2
0
5
)
に従って生活するように強く勧めています。
スペンサー。W・キンボール長老は，十二使徒定員
「教会幹部の説教はほとんどあらゆるテーマや問題
会に召されて以来，教会の様々な大会を通じて国々の
を取りあげてきており，非常に内容の濃いものである。
民に警告を与え，主の再臨に聖徒たちを備えてきまし
私たちは彼らの貢献のすべてを非常に喜んでいる。
た。総大会が持っている人々を幸福に導く偉大な力に
ついて，キンボール長老は次のように述べています。
「4月7日，日曜日の夜，壮大なタバナクルは閉じ
られた。照明は消え，録音装置が止まり，扉には鍵が
教会幹部の兄弟たちが私たちに強く訴えた勧告や説
教に，私たちはなぜ従うことができないのであろうか。
救い主がなぜ失望され，次の言葉を残されたかが，私
かけられ，こうしてまたひとつの歴史的な大会が史上
たちにはわかる。『わたしにむかって「主よ，主よ」と
に残ることになった。もしも人々がこの大会で言われ
言う者が，みな天国にはいるのではなく，ただ，天に
たことに注意しないならば，この大会のために費やさ
いますわが父の御旨を行う者だけが，はいるのであ
れた時間と労力と金銭は無駄になるであろう。2時間
る｡』（マタイ7：21）
にわたるセッションが7回と，衛星中継によるいくつ
また主はこう言われた。『わたしを主よ，主よ，と呼
かの集会が開かれ，そこで真理が教えられ，教義が説
びながら,なぜわたしの言うことを行わないのか｡｣(ル
かれ，訓戒が与えられた。これは全世界の人々をあら
カ6：46）この言葉が私たちの家庭に，また将来の生
ゆる病から救うのに必要な教えである。実に，すべて
活に指針を与えるものとなるよう希望している。
の病を癒すものである。……
このすばらしい大会を終えるに当たって，話に耳を
主の教会で開かれたこの3日間の総大会は，過去に
傾けておられる方々に，主が告げておられることを行
行なわれたすべての総大会や集会よりも重要であると
ない，またこの大会できわめて明確にされた事柄を行
言えないだろうか。……
なうよう，もう一度お願いしたい。
ごうまん
傲慢でうぬぼれの強い偏った知識人が，そこで教え
……主はゲームに興じているのではなく，人と神の
られた真理や述べられた証を投げ捨てたり，また，そ
栄光のための大切な計画を進めておられるのである。
こで与えられたメッセージや指示に対して議論するの
主はご自分の行なっておられることを知っておられ，
をやめさせようではないか｡」(『世にあって世のものと
いつも適切な方法を用いておられる。……
ならず』「ブリガム・ヤング大学年度講話」〔1968年5
月14日，プロボ)pp.2-3)
総大会の重要性を過少評価すべきではありません。
私はまた，主が予言者たちに言葉を下しておられる
ことを知っている。主はアダムやアブラハム，モーセ，
ペテロ，そしてジョセフ・スミスの時代，また，その
マーク。E・ピーターセン長老はこの点について次の
ほかの数多くの時代に真理を明らかにされたように，
ように述べています。
今日も主の予言者たちに真理を啓示しておられる。ほ
「末日聖徒イエス・キリスト教会の総大会は，ほと
かの神権時代におけると同様，光と真理を告げる神の
んどの人が考えている以上に，はるかにずっと重要で
教えは，確かに今日も人に与えられているのである｡」
ある。……
総大会は，現代において最も重要な行事のひとつに
（『人のためのプログラム』「聖徒の道」1977年2月号，
pp.147-48)
数えられる。世の中には，末日聖徒の中でさえ，その
ことに気づいていない人が大勢いる。しかし，総大会
（'2−7）警告の声を発しなければならない
の真の意味を理解している人にとっては，この上ない
「総大会の目的，そして特にこの大会の主要な目的
重要性を持っている。なぜなら，それは生ける予言者
は，警告の声を発することである。そして，その警告
である神の予言者が語る集会だからである。
を受け，警告の声を耳にしたあなたは，あなたの隣人
神から人類に与えられるメッセージは，軽々しく扱
に警告を与えなければならない。私たちが与えられた
うべきものではない。主ご自身が言われたように，主
警告に耳を貸さず，また隣人に警告を発することをし
がみずから語られる言葉も，予言者を通して語られる
なければ,私たちは皆失われてしまうであろう。」(N･
言葉も，同じなのである。
それゆえにこの総大会でも，主の予言者が語るので
ある｡」（｢なぜ宗教生活なのか」pp,203-204)
76
エルドン･タナー『大会の目的』「聖徒の道」1977年2
月号,p.115)
エゼキエル3:17-19;33:1-20;モルモン経ヤ
コブ1：19；教義と聖約88：81も参照。
4．次の質問の答えを簡潔に書きなさい。
●総大会で与えられるメッセージをより完全に受
（'2−8）研究課題と応用
1.総大会の目的と重要性について教えている以下の
聖句に印をつけ，相互参照しなさい。教義と聖約
1:14;20:61-66;43:8:58:56;124:144｡
2．総大会に関して上記の各々の聖句の意味を簡単に
説明しなさい。
け入れるために，私はどのようにして自分を備
えたらよいだろうか。
●私は，大会からどのような祝福を受けているだ
ろうか。
●総大会が私の生活に大きな変化を及ぼすために
は，どうしたらよいだろうか。
3．総大会の目的を列記しなさい。
77
大会報告を分析し，
第15章
活用するには
次にあげるのはある青年と指導者の会話を想定した
ものですが，これを読んで，自分ならどう答えるか考
ハロルド。B・リー大管長は，これと非常によく似
た出来事を紹介しています。
えてみてください。この青年は本当に忠実な教会員と
言えるでしょうか。
「この教会が生ける予言者によって導かれていると
信じていますか｡」
「あるとき，ひとりの人が私に面会を求めてきて，
このような話を聞いたと語った。それは，ある人が不
意に神殿職員たちのところに来て，『間もなく，作物が
まったくできなくなるので，皆さんは1年分ないしは
「はい，教会の指導者を予言者，聖見者，啓示を受
2年分，または3年分の貯蔵を急いで行なった方がよ
ける者として支持しています。指導者は主から霊感を
いですよ』と警告したというのであった。それについ
受けて教会を導いています｡」
てどう思うかと尋ねられた。私はこう言った。『あなた
「それらの霊感された指導者はどれくらいの頻度で，
は1936年の4月の大会に出席なさいましたか｡』
実際に主から啓示を受けていると思いますか｡」
『いいえ，出席できませんでした｡』
「絶えず導きを受けていると思います。それが日々
この教会を支えているのです｡」
「その啓示は，どのようにして教会員に与えられま
『ところで，その大会で教会幹部の語った話の記事
をお読みになったことでしょうね｡』
彼は読んでいなかった。
すか｡」
『その大会で，主は食糧貯蔵に関する啓示を下され
「指導者が総大会で教えてくれます。教会員に最新
ました。もしあなたがその大会に出席しておらず，そ
の指示を与えるおもな手段は，総大会で毎回指導者か
の上その大会の説教集を読む時間を取っていないとし
ら与えられる霊感に満ちた勧告です｡」
たら，主はあなたに行なってほしいと思うことを一体
「総大会に出席しない人については，どうですか｡」
どのようにして告げられるでしょうか｡』
へんせん
「すべての会員が読めるように，大会報告が出版さ
れます｡」
「ほとんどの会員がその大会報告を読んでいると思
いますか｡」
「むろんすべての教会員が読んでいるとは言えない
でしょうね｡」
「あなたはいつも大会報告を読んでいますか｡」
私たちは変遷の激しい世界に住んでいる。したがっ
て主は，民が耳を傾けるならば，民に必要な事柄を教
えてくださる。かつてクラーク副管長は，『私たちに必
要なのは，予言者ではなく，聴く耳である』と語った。
これこそ私たちの世代が非常に必要としているもので
ある｡」（『生ける予言者，聖見者，啓示を受ける者の地
位』「教会教育者の務め」p.122)
「実は読んでないんです。時間がないものですか
ら
。
」
「前回の総大会で何が話されたか，知っています
か｡」
（'3−｜）大会説教を研究するのは大切である
すべての教会員は可能な限り，総大会で与えられる
予言者の言葉を聞くべきです。（教義と聖約1：14参
「いいえ｡」
照）総大会のときに予言者の言葉を聞くことのできな
「でも，教会が生ける予言者によって導かれている
い人や，それらのメッセージを覚えて研究したいと思
と，本当に信じているのでしょう｡」
う人が大勢いるので,大会報告や国際機関誌(訳者注：
「ええ｡」
日本では「聖徒の道｣）の大会特集号が出版されていま
「生ける予言者が何を話しているのか知らずに，ど
す
。
うして生ける予言者を信じることができるでしょう
か｡」
「神の生ける代弁者について語り，彼らに敬意を払
いたいと思うなら，どうすればよいだろうか。彼らの
「それはそうですね｡」
話を読まずに，また彼らの言葉に注意を向けずに，そ
「あなたは自分の成功や幸福に欠かせない大切な勧
れができるだろうか。それは到底無理な話である。私
告や啓示を聞き逃してはいないかと心配になりません
ちは生ける予言者の言葉に耳を傾けなくてはならない。
か｡」
直接聞くことができなければ，読むべきである。それ
「そんなふうに考えたことはありませんでした｡」
尻3
らは神から権能を授けられた僕の言葉だからである。
私は，この点をおろそかにしている人が非常に多いと
に，総大会の説教を研究し熟考するように勧告してい
感じている｡」（ジョージ。Q・キャノン「大会報告」
ます。そして，祈りの気持ちで求めるならば，与えら
1897年10月,p,38)
れた勧告が真実であるという確信を聖霊から授かると
スペンサー。W・キンボール長老がブリガム・ヤン
グ大学の学生に与えた次のチャレンジは，すべての教
約束しています。
「私たちは世の人々にこう告げたいと思います。『こ
の大会で話されることに耳を傾け，よく吟味してくだ
会員に当てはまるものです。
「若人の皆さんは，先月話された普遍的なメッセー
さい。また，ここで話す人が与える指示と勧告につい
ジに耳を傾けてくれたことと思います。半年毎に大会
てよく考えてください。そして祈りの気持ちをもって
が開かれますが，国際機関誌（｢聖徒の道｣）の大会特
熟考したならば，聖霊を通してもたらされるあの心温
集号を入手して，皆さんに関連のある箇所に下線を引
まる確信が，指示と勧告の言葉が真実であることを証
き，常に参照するようにしてください。教会の標準聖
してくれるでしょう｡』｣(『総大会に寄せて』｢聖徒の道」
典を除けば，皆さんの書棚でこの機関誌ほど重要な位
1982年4月号,p.21)
置を占める書物はほかにありません｡」(『世にあって世
のものとならず』「ブリガム・ヤング大学年度講話」
（'3−2）大会報告は私たちの言葉と行ないの指針で
ある
〔1968年5月14B,プロポ]p.3)
10年後に大管長になったキンボール長老は，次のよ
ハロルド．B・リー長老は大管長として次のように
述べています。
うに勧告しています。
「今，この総大会を閉じる当たって，これまでに語
「主が聖徒たちに知ってほしいと思っておられる事
られたことに注意を払おうではないか。語られた勧告
柄が何であるかを知り，以後半年間の導きを得たいと
が自分に与えられたものであると見なそうではないか。
思うならば，大会の説教録を1部入手することである。
予言者，聖見者として支持した人々と，そのほかの幹
そうすれば，聖徒たちに関する最新の主のみ言葉がわ
部の兄弟たちの言葉に従おうではないか。私たちの永
かる｡」（『閉会説教』「大会報告1973-75｣p.143)
遠の生命はそれにかかっているからである。
･･･…国際機関誌（｢聖徒の道｣）に掲載される教会の
総大会の説教を是非読んでいただきたい｡」(『予言者の
声を聴け』「聖徒の道」1978年10月号,p.123)
同様に，ハワード｡W･ハンター長老はすべての人々
神のみ言葉を聞くだけではそれ自体基本的に十分で
はありません。私たちはそのメッセージについて研究
し，深く考えなければならないのです。マリオン。G・
ロムニー長老は1954年4月の総大会のときに，大会で
話されるメッセージの重要性を強調して，次のように
言いました。「今大会で聞いた真理と啓示は，それに従
うならば私たちを神のみもとへ導くのに十分なもので
ある｡」（｢大会報告」1954年4月,pp.132-33)
馬
（'3−3）総大会は，私たちの霊的成長を促す
認
；
「非常に有益な大会であった。すばらしい説教の一
つ一つに，私はよく耳を傾けることができた。また，
懲蕊
蕊
識Ⅲ鶴
認
＃
家に帰ったら，前にもまして立派な人間になろうと決
心をすることができた。そして指示や提案を聞いた今，
それを聞くすべての人が同様の決心をするようにと
蕊
一深︾謹鍵譲顯熱鐸蟻
墨
願っている。私たちが耳にしたことはすべてイエス・
キリストの教えに一致している。主の奉仕のみ業に献
麓
身する人々による美しい話であった。この大会で学ん
だ多くの事柄を家に持ち帰り，自分の心に留まった事
礎里”
柄をもう一度よく考えてみていただきたい。あなたの
生活に生かせる限り，それを生かして，主が私たちに
求めておられる完全に至る道に立ち返っていただきた
い｡」（スペンサー．W・キンボール『イエス・キリス
；
ハワード。W・ハンターは，大会説教を研究するよう勧告した
ト』「聖徒の道」1978年2月号,p.115)
「兄弟姉妹たち，帰宅しても，大会を扉の外に締め
え
）
大会説教を読み，要点を書きとめてまとめ，相互参照
すれば，そのメッセージを覚えて実践するのに役立ち
ます。
大会報告を研究する効果的な方法は，各々の説教の
内容を分析して以下のように分類してみることです。
公式の発表
教義の解釈や説明
予言
戒めや勧告
原則をわかりやすく説明するための霊的な話，物語，
出来事
個人的に得た洞察
各々の分野について以下に簡単に説明し，研究方法
の例をあげてみましょう。
公式の発表
私たちは家族で予言者の言葉を研究する
公式の発表には，教会の指導者による重要な決定，
出さないでいただきたい。自分の身に着けて，家に持
組織や方針，人事の変更が含まれます。たとえば，七
ち帰ってほしい。……だがとりわけ，あなた方の家族
十人第一定員会の再組織，新しい神殿の建設の発表な
に話をして，あなた方が受けた霊感や生活を変えて天
どがこれに当たります。将来参照できるように印をつ
父にさらに喜ばれるようになろうという決意から生ま
けておきましょう。
れる恩恵を与えていただきたい。
…”･兄弟姉妹たち，私はこれが主のみ業であること
教義の解釈や説明
を知っている。あなた方は，訳もなくわざわざ遠くか
各々の総大会で重要なのは，教会幹部，特に大管長
らやって来たのではない。自分の魂を養いにやって来
会と十二使徒定員会の会員が説教の中で行なう標準聖
たのである｡」（スペンサー。W・キンボール「大会報
典や予言者についての解釈です。こうした説教に注を
告1973-75｣p.308)
つけたり，下線を引いたりファイルしておけば，さら
「それぞれのワード部，ステーキ部，伝道部，さら
に使いやすく役立つ資料になります。
には家庭にお帰りになった後も，天父が皆様と皆様の
「聖徒の道」の大会特集号を読み，教義の解釈や標
家族を祝福してくださるように祈っている。この大会
準聖典の説明の部分に下線を引くか，マーカーで印を
のメッセージならびに精神を，家庭や職場集会，日
つけます。そして，それらの説明を標準聖典と相互参
常生活におけるこれからのすべての行ないに反映させ
照し，聖典の学習やレッスンのときに使えるように
るようにしていただきたい。これまで以上に立派な末
ファイルを作るとよいでしょう。たとえば,小さなカー
日聖徒になろうではないか｡」（スペンサー．W・キン
ドを用意して，次のように引用文を書き込みます。
ボール『キリストにあって永遠の望みを抱く』「聖徒の
道」1979年2月号,pp.120-21)
教義と聖約1：36
「されど主もまたその聖徒らを支配し，その真中
（'3−4）大会説教を研究するための提案
総大会のたびに，霊感あふれる説教が与えられてい
ます。聴衆は深く感動して，次のように考えます。「す
にありてこれを統治せん。而してイヅミヤ，すなわ
ちこの世に下る審判のために天より降り来らん｡」
「イエス・キリストはどのようにして私たちを統
ばらしい大会だった。みたまが豊かに注がれていた。
治されるのであろうか。いかにしてその聖徒たちを
ここで話されたことをひとつも忘れないで，生活の中
支配されるのであろうか。昨夜の神権部会に出席し
で実践していけたらどんなにかいいだろう。」
ておられたら，皆さんは偉大な力が確かにその場に
総大会で与えられたメッセージを覚えて実践するに
は，どうすればよいでしょうか。
大会の説教は通常,1月と7月に「聖徒の道」大会
特集号として出版されます。祈りの気持ちで注意深く
80
あったことがおわかりになったであろう。そこには
2,000人の神の権能を有する神権者が集っていたの
である。主は神権の力によって彼らを通してご自身
の目的を達成される。主は私たちの中にあって，神
権者を通して私たちを統治しておられるのである｡」
（ハロルド。B・リー「英国マンチェスター地域大
予言
教会幹部の説教の中の予言に下線を引き，書き留め
ておきます。たとえば，ヒュー。B・ブラウン副管長
会」1971年ll月,p.12)
は1967年の神権部会で，若い人々に次のように述べて
います。
創世3：16
私の声を聞いているすべての若人の皆さん，今晩，
「それでもなお，あなたは夫を慕い，彼はあなた
このように決心していただきたいと思います｡｢私は
を治めるであろう。」
「私は『治める』という言葉に疑問を感じる。こ
清い生活をしよう。私は主に仕えよう。最後の戦い
の言葉は間違った印象を与える。私はむしろ『管理
が来たときに備えができているように，将来の奉仕
する』という言葉を用いたい。なぜなら，夫のして
に備えて今できる準備をすべて行なおう。
皆さんの中には，その戦いに加わる人がいるで
いることは，まさしく管理することにほかならない
からである。正しい夫は妻子を管理するのである｡」
しよう。また最後の試しにあう人がいるでしょう。
（スペンサー。W・キンボール『女性の祝福と責任』
そのときは近づいています。それも，私たちが考え
〔扶助協会大会での説教〕「エンサイン｣1976年3月
ているよりもずっと間近に迫っているのです。
私は皆さんに，大管長会と十二使徒会の祝福を与
号,p.72)
えたいと思います。私たちは．…．．
このカードには次の項目を書き入れます。聖典の参
照箇所，その聖句を説明している大会報告からの引用
戒めや勧告
戒めや勧告は，具体的に何かを行なうようにという
文，大会報告の参照箇所。
カードに情報を記入したら，聖典と大会特集号とを
訓戒や要請です。大会説教にはこうしたものが数多く
相互参照します｡聖典に次のような大会報告の参照箇
含まれています。それらを研究すれば，主のみこころ
道”
の
う塵
徒、いく。
と調和した生活をするために行なうべき事柄を学ぶこ
所を示す注を書き入れるとよいでしょう。
エレミヤ書
おう
ます。そのリストには，次のような項目を列記すると
よいでしょう。
家庭菜園を行なう
個人の歴史を書く
しよ
とき
︾﹄
日記をつける
断食献金を惜しみなく納める
家庭内の争いを避ける
ち
ちせい
ことば
さいし
れん
Ⅳ第一章一。ヘニャ︾こンの地アナトテの祭司のひ
︾﹂
とし
ｐとりである、ヒルキャの子エレミャの言葉。ニァモンの
ねんおわ
ははたい
子、ユダの王ヨシャの時、すなわちその治世の十三年に、
号，〃
”・ゞぱ。￥ゞ︲”
おう
あなたを知り、
一﹂
五﹁わたしはあなたをまだ母の胎につくらないさきに、
し
月主型言葉がエレミャに臨んだ。と
三きそ
のの
ぞ言葉はまたヨシャ
おう
１の子、ユダの王エホヤキムの時にも臨んで、ヨシャの子、
１Ｊ
かた
あなたがまだ生れないさきに、
い
脾単ダの王ゼデキャの十
一と
年らの
わちその
年の五
およ
とき
たみ
う終
つ りゞすな
８月にエルサレムの民が捕え移された時にまで及んだ。
のぞい
しゆことば
的四主の言葉がわたしに臨んで言う、
ｒ
わがもの
あなたを立てて万国の預言者とした﹂。
しゆかみ
とき
六その時わたしは言った、﹁ああ、主なる神よ、わたしは
ん冠
ただ若者にすぎず、どのように語ってよいか知りませ
聖ぁなたを聖別しｒこ§蛍げんしや
とができます。大会説教を読んで戒めや勧告に下線を
引き，行なうべきことを忘れないようにリストを作り
大管長会からの勧告は最も大切ですから，リストの
最初にあげるとよいでしょう。さらに，ほかの教会幹
部の勧告もすべて大管長の勧告と一致しており，あな
たの生活の貴重な指針になることを忘れないようにし
てください。
この作業には多くの時間と努力が必要ですが，もし
進んで行なうならば，非常に役立つ資料となるでしょ
原則をわかりやすくするための霊的な話，物語，出来
う。予言者の言葉を理解するうえで何よりも信頼でき
事
るよりどころは，ほかの予言者の言葉です。(IIペテロ
霊的な言葉を書き留めておくと役立ちます。たとえ
1:20-21参照）予言者が聖句について説明したこと
ば,次のような言葉があります。「だれかが話す必要の
は，私たちが聖句を理解するうえで特に価値がありま
す。自分自身に合ったやり方でそれらの説明を記憶し，
あるときが，聴くときである｡」（マービン・』・アシュ
容易に引用できるようにしておく必要があります。
トン「家族の交流』「聖徒の道」1976年8月号,p.367)
物語や出来事なども，レッスンや話に取り入れたり，
8Z
自分自身が霊感により着想を得るために役立ちます。
(13−5）研究課題と応用
たとえば,「わたしの兄弟であるこれらの最も小さい者
1．大会説教を「これから半年間，あなたの言葉と行
のひとりにしたのは，すなわち，わたしにしたのであ
ないの指針」とするには，どうすればよいでしょ
る」（マタイ25：40)という原則は，モンソン監督と彼
うか。（ハロルド。B・リー「大会報告」1946年4
のワード部の会員たちがドイツ人の家族を助けた話に
月,p.68)自分なりの方法を考えなさい。たとえ
よってわかりやすく説明されています。（トーマス。
ば，大会説教で与えられたチャレンジの中から，
S･モンソン『監督一福祉活動の中核』「聖徒の道｣1981
毎日聖典を勉強する，家庭内の争いを避ける，断
年4月号,pp.168-73参照）
食献金を惜しみなく納めるなど，特に努力を要す
る項目のリストを作るのもひとつの方法です。次
個人的に得た洞察
に，それを達成するための計画を立てます。
総大会で教会幹部から与えられた勧告について深く
2．本課で提案されている勉強方法の中から，自分自
考えるとき，聖霊から自分の必要と霊的な成熟度に
身の勉強に役立ついくつかのアイデアを選び，選
合った導きや洞察を受けることができます。それらを
んだ方法を用いて前回の総大会の説教を研究しな
書き留めておくと，心にしっかりと刻み込まれて，あ
さい。
なたの行ないに大きな影響を与えるでしょう。
82
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「なぜ宗教生活なのか」WhytheReligiousLife.
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著者別索引
アシュトン，マービン。J
だれかが話す必要のあるときに聴く13−4
予言者の条件3−6
予言者を拒絶する理由11-1
予言は天からの声である1−2
ゥイッッォー，ジョン。A
啓示を受ける者の役割2−4
クラーク,J・ルーベン，ジュニア
モーセと生ける予言者の類似点3−9
教会幹部のみたまの賜2−6
予言者の勧告を尊重する4−8
教会幹部を支持する方法10-1
教会全体に対する啓示は予言者だけが受ける3−
ウッドラフ，ウイルフォード
アダムの権能の継承3−3
予言者の勧告を尊重する3−9
予言者は教会を誤った道に導くことを許されない
3−7
5
「主はこう言われる」と宣言する必要はない4−
7
聖霊は予言者の言葉が正しいことを認める4−6
予言者の声に聞き従うことが何よりも必要である
1−3
カウドリ，オリヴァ
十二使徒定員会への訓告6−1
ステイプレー，デルバート。L
教会全体に対する啓示は予言者だけが受ける3−
キャノン，ジョージ．Q
5
意見の相違と予言者の支持10-5
予言者に従う人は安全な道を歩む11−4
総大会のメッセージを研究する13-1
予言者は教会を誤った道へ導くことを許されない
モーセと生ける予言者の類似点3−9
3−7
予言者を拒むと，みたまを失う11−2
スミス，ジョージ・アルバート
キンボール，スペンサー。W
大管長は主の勧告を伝える8−3
夫は妻を管理する13−4
過去の予言者が生ける予言者よりも尊重される3
スミス，ジョセフ
−2
アダムから受け継がれた神権の鍵3−3
教会の指導者を批判する人は背教する11-3
教会に対する非難は背教へ通じる11−3
教会は予言者を通して導かれる3−1
主は予言者に従う人々を助けられる11−5
使徒は教会員を背教から守る6−6
神権は神の統治する権能である2−5
総大会で与えられる勧告はこの世の問題を解決する
聖徒は大管長会に指示をあおぐ5−5
1−2
大管長なしに大管長会は存在しない7−7
総大会の勧告に従う12−6
予言者の定義2−2
総大会の内容を記録する12−3
予言者は，予言者として振る舞うときにのみ予言者
総大会のメッセージの一貫性12−5
である4−6
総大会のメッセージを研究する13−1
総大会のメッセージを心に留める12−6
スミス，ジョセフ。F
総大会の目的12−序
欺きを避ける方法8−5
総大会は進歩成長を促す13-3
神権の鍵と権威は大管長会が所有する2−5
総大会は霊的再生のときである12−3
大管長の死後は十二使徒が管理する6−5
大管長の職の継承7−1
予言者は神の代弁者10-2
盲従は従順ではない9−4
予言者は教会を誤った道へ導くことを許されない
師
3−7
予言者を支持することには，地元の指導者を支持す
ることが含まれる10−4
スミス，ジョセフ・フイールディング
意見の相違と予言者の支持10−5
ハンター，ハワード。W
神のみ言葉は世の知恵にまさる8−4
救い主が教会を導かれる3−1
教義と聖約107:24-26の解説2−7
総大会のメッセージを研究する13−1
キリストにまみえた使徒たち6−2
総大会は再び霊を奮い立たせるときである
12−3
使徒に授けられる王国の鍵6−4
使徒はキリストの特別な証人6−2
使徒は大管長会の指示のもとに働く6−3
ピーターセン，マーク。E
神は予言者を通してみ業を行なう3−1
総大会のメッセージを心に留める12−6
教会はすべきことを命じることはない9−3
大管長会が教会を管理する5−1
使徒は教会員を背教から守る6−6
大管長会の鍵は予言者が持つ3−3
神権の鍵は真の予言者のしるし3−3
大管長会の裁判権5−1
聖書に加えられる聖典4−1
大管長会は教会を誤った道へ導かない5−6
総大会の重要性12−6
標準聖典は真理の尺度である4−2
大管長会は教会を誤った道へ導かない5−6
大管長だけがすべての鍵を行使できる6−3
タナー,N・エルドン
大管長と副管長の関係5−1
教会指導者に対する批判11−1
予言者はあらゆる時代に召される1−2
総大会の目的は警告の声を発することである12−
予言者はあらゆる世代に必要な聖典を与える4−
7
3
大管長会の日常の業務5−2
予言者は人類に語る3−序
大管長の正式な支持7−6
予言者は普通の人ではない10-2
人間の考えは，世の中の問題を解決するのには不十
分である1−序
万事において予言者に従う10−2
ヒンクレー，ゴードン。B
ジョセフ・スミスから渡された鍵と権能3−3
予言者に従う人は安全な道を歩む11−4
ジョセフ・スミスの後継者とその特質7−序
予言者に従う人は永遠の生命を得る11−6
予言者があってこそ，すべてがある3−9
リー大管長の死後に行なわれた継承の手順7−5
予言者を支持すれば祝福される10−2
タルメージ，ジェームズ。E
支持することは誓約することである10−2
ブラウン，ヒュー。B
英国の判事に抗弁した生ける予言者1−1
若人は将来の奉仕に備えるべきである13−4
テイラー，ジョン
過去の聖典だけでは十分ではない4−4
啓示は宗教の基盤である3−1
プラット，オルソン
標準聖典と生ける予言者を共に受け入れる4−5
現代の啓示を拒むのは不合理である1−1
予言者を拒むとみたまを失う11−2
プラット，パーレー・P
予言者を支持することには，地元の指導者を支持す
教会は啓示を通して統治される2−5
ることが含まれる10−4
予言者は神により選ばれる2−5
パッカー，ポイド。K
ベンソン，エズラ・タフト
キリストにまみえた使徒6−2
欺かれないための指針8−5
従順は自由を増し加える9−2
生ける予言者の特権3−8
聖徒は大管長会に指示をあおぐ5−5
生ける予言者は過去の予言者よりも重要である4
総大会への備え12−2
−4
判断の基準としての教会8−4
改宗した聖徒は予言者に従う10-3
86
教義に関する解釈は大管長会の職務である5−4
ワード部会員の経験13−4
現代の予言者が最も重要である3−2，4−4
「主はこう言われる」と宣言する必要はない4−
ヤング，ブリガム
指導者に授けられる王国の鍵6−4
7
大管長の職の継承は神により支配される7−2
予言者への批判を拒む11−2
予言者が時ならずして天に召されることはない7
リー，ハロルド。B
−2
予言者に従うと祝福を受ける11−7
証は各自で得るものである9−5
予言者に対する態度により忠実さが試される10−
改宗した聖徒は予言者に従う10−3
過去の予言者が敬われ，現在の予言者が拒まれる
2
予言者は啓示に最も近い人である8−3
3−2
予言者は標準聖典よりも重要である4−4
神は神権者を通して支配される13−4
予言者への非難に直面したブリガム・ヤング11−
教会に関する啓示を受けるのは予言者だけである
3−5
2
継承に関して憶測するのは誤りである7−3
現在の予言者が最も重要である4−4
ホイットニー，オルソン。F
生ける予言者は過去の予言者よりも重要である4
従う人々の忠実さが試される10−6
−4
支持することは誓約することである10−2
聖見者の定義2−3
主に油注がれた者への悪口は，汚れた心から生じる
11−2
主は予言者に従う人々を助けられる11−5
マックスウェル，ニール。A
いかなるときも予言者に従うべきである10-2
聖霊は予言者の言葉が正しいことを認める4−6
総大会は啓示が与えられるときであり，場所である
13−序
マッケイ，デビッド。O
神権者に対する不平不満は有害である
11−7
総大会の目的12−1
総大会は言葉と行ないの指針となる13−5
総大会は問題を明らかにし，解決するときである
12−4
マッコンキー，ブルース。R
大会報告は最新の指針と指示である13−2
教会の本流にとどまる8−4
大管長の指示のもとに働く使徒6−3
キンボール大管長の継承7−1
大管長の職の継承の方法7−4
主と予言者はひとつである10-2
標準聖典は真理の尺度である4−2
神託の定義2−1
ブリガム・ヤングは，ジョセフ・スミスを批判する
真の予言者の定義2−2
者を叱責した11-3
聖典の定義4−1
マリオン。G・ロムニーの従順9−5
聖霊は予言者の言葉が正しいことを認める4−6
予言者だけが教会全体に対する啓示を受けられる
大管長の職の継承7−1
2−2
大管長の職の継承は主の指示による7−7
予言者だけが聖典の教えを超えた発言ができる4
標準聖典は真理の尺度である4−2
−3
予言者が有する王国の鍵3−3
予言者と神との関係3−4
予言者に従って永遠の生命を得る11−6
予言者に従う人は安全な道を歩む11−4
予言者の定義2−2
予言者の定義2−2
予言者は教会を誤った道へ導くのを許されない3
モイル，ヘンリー。D
現在の予言者が最も重要である4−4
モンソン，トーマス。S
予言者は真理へ導く8−3
−7
予言者を支持する勇気10−6
リチャーズ，ステイーブン。L
聖典の個人的な解釈は教義ではない8−4
87
リチャーズ，リグランド
主のみ業は予言者によって導かれる3−1
予言者は主の方法で召される7−2
総大会のメッセージの一貫性12−5
総大会の目的12−1
総大会への備え12−2
大会報告は私たちの言葉と行ないの指針となる
ロバーツ,B・H
大管長の死後は十二使徒が管理する6−5
13−2
大管長会と一致することは，主と一致することであ
る5−7
ロムニー，マリオン。G
欺かれないための指針8−5
大管長会の声明は聖典である5−3
予言者に従うことを薦路してはならない10-2
神は世の中の問題の解決法をご存じである1−2
予言者によって解釈される啓示4−2
今日の人々は自分自身の道を歩んでいる1−序
予言者の言葉に対する確証9−5
指導者に従う際の自由意志9−1
予言者は教会を誤った道へ導かない 3 − 7
使徒の証の拘束力6−7
予言者を拒むと，みたまを失う11−2
すべてのことにおいて予言者に従う10−2
＆3

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