NPO 法人 大磯ガイドボランティア協会 第 第25 23号 号 照 ケ 崎 平成 平成27 27 年 年115月 月11日 日 〒255-0003 神奈川県中郡大磯町大磯927-12 大磯町商工会内 Tel 0463-79-5516 FAX 0463-61-3897 http://www.scn-net.ne.jp/~o-guide/ 大磯ガイド 検索 平成 27 年度 大磯町委託事業 “おもてなしの心”育成講座始まる! テーマ 「大磯の自然と特産物」 講師は町内の専門家中心 去る 9 月 17 日(木)照ケ崎において、平成 27 年度大磯町委託事業である「おもてなしの心」育成講座、 第 1 回が雨天のなか実施されました。気温が低く、 「アオバト」にはお目にかかれませんでしたが、会場を 図書館に移し、 「アオバト」の研究グループ「こま たん」の斎藤常實氏のレクチャーを受講しました。 長年の観察の蓄積に裏付けられた豊富で非常に深 い内容の資料により、改めて大磯の町の鳥「アオバ ト」を深く識ることが出来ました。講師の斎藤氏が 「アオバト」に魅せられ、愛する心に触れた一日で した。 尚、大磯町委託事業は、初めての試みとして今年 1 月~3 月にかけて 5 回に亘って実施され、大好評 でした。引き続き今年度も計画されたもので、9 月 から来年 3 月にかけて 5 回予定されております。メ インテーマは「大磯の自然と特産物」 、即ち、大磯の豊かな自然を反映した特産物を中心として学びます。こ れらの講座を通して、郷土への愛着や誇りをさらに深めて欲しいと思います。 (佐竹 明雄) 27 年度 「おもてなしの心」育成講座 一覧表 回 数 テ ー マ 日 時 集合場所 講 師 9 月 17 日(木) 照ケ崎~図書館 こまたん 斎藤常實氏 1 大磯町鳥「アオバト」 2 大磯の農産物(大玉柿の試食) 10 月 16 日(金) 国府支所 二挺木治雄氏(農業経営士) 3 大磯で獲れる魚 11 月 21 日(土) 図書館→魚市場 加藤孝氏(大磯魚協組合長) 4 大磯に住んだ文化人たち(駅東側) 2 月 6 日(土) 図書館 斎藤直人(当協会員) 5 「高麗山」の草木を楽しむ 3 月 26 日(土) 高来神社 1 武山加根子(当協会員) こまきんメンバー 企画ガイドの経過及び活動報告 平成27年8月~10月 大磯駅西側に住んだ文化人を訪ねる 9 月 26 日(土) お客様 161 名 ガイド 28 名 前日一日中降り続いた雨に心を乱されましたが、当日は雨があがり、ガイドするには理想的とも云えるよう な気候気温でした。8 月に当協会が初めて配布したビラの効果があってか、今回の参加者は大磯町住民の申し 込みが多いようでした。中里恒子の『時雨の記』からの導 入も楽しく期待を込めての出発になりました。福田恒存の お墓がある妙大寺、平賀敬の旧アトリエ、坂西志保邸跡、 旧石川達三邸、高田保の住まい跡、山本彪一の旧アトリエ、 村上春樹氏の旧居と資料室、山下泰裕邸、代官山の旧三岸 節子邸へは足に自信のない方の為の定点説明が用意され ましたが、多くの方が上まで登り緑の中の景観を堪能され ました。山際の細道を下り十一代目片岡仁左衛門邸跡、旧 R.H.ブライス邸、獅子文六邸跡、旧濱谷浩邸では道からの 眺めでしたが、日本家屋に楓の風情が素晴らしく、皆さん 溜息混じりのようでした。新婚時代の白洲正子・次郎が住 んだ樺山資紀邸跡、旧安田靫彦邸、旧初代中村吉右衛門邸の裏門を拝見し、夢の地下道を抜けて旧島崎藤村 邸へ着きました。最後に大磯小の校庭を挟んで五代目尾上菊五郎邸のあったあたりを指差して、三菱財閥と の繋がりや菱陰広場と呼ばれた校庭の事を説明する等、盛り沢山の内容でした。お客様が大磯に長年住んで いても知らなかった事を、少しでも挽回するお手伝いができたのなら幸いです。 (庄 凱子) 秋の大磯の小径で`“ 陶芸展 ” とお抹茶を楽しむ 10 月 24 日(土) お客様 28 名 ガイド 14 名 秋晴れのもと、本年第 5 回を迎えた「大磯うつわの日」に、史跡の案内と作品の展示会場を巡るという新 企画のガイドが行われました。いつもは古色蒼然としている鴫立庵で、紙工家と陶芸家の二人展が、旧島崎 藤村邸では花と器の個性がとり合わされた作品が、大磯 迎賓舘では新進気鋭の作家の個展が催されました。それ ぞれのギャラリーでは、普段使いのうつわから、芸術作 品のレベルまでの力作が並びました。コースの最終会場 となった東光院では、東海圏からの 12 名の陶芸家の迫 力ある作品群と、カジュアルな茶会が行われました。斬 新な衣装をまとった茶人が、美しい所作で点てたお抹茶 をいただきました。参加されたお客様も、陶芸や茶道に 心得のある方が多く、それぞれの会場で、うつわに触れ てその感触を楽しんでいるようでした。私の担当した最 終出発班は終了時刻がかなり遅くなり、空腹感を味あわ せてしまいました。 (武山 加根子) 依頼ガイド ~湘南ウエディングサポート「まち歩き」~ 9 月 27 日(日) お客様 19 名 「大磯、まち歩き」と海岸でのお月見がセッティングされた若い男女 19 名のお客様でした。最初は恥ずかし そうで自己紹介の時間をとっても、名前だけしか言わない状態でしたが、そぞろ歩きや休憩をしているうち にリラックスしてきました。ガイドとしても大変楽しく見守りました。その夜はスーパー・ムーンと言って、 大きなお月様が現れる時期です。お月さまは見えたでしょうか?まち歩き、迎賓館でのティー・パーティー、 海岸のお月見、何が心を動かしたのでしょう。2 組のカップルが生まれたそうです。 (三田村 洋子) 2 “おもてなしの心”育成講座 第1回 “大磯の鳥 アオバト” 9月 17 日(木) お客様 36 名 ガイド 14 名 昨夜からの雨が、無情にも降り続いている中で「アオバト観察」が始まりました。 「こまたん」の斎藤常實さんを 講師に迎え、今か今かと「アオバト」を待ちました。が、残 念ながらやって来る気配はありません・・・。場所を変えて 図書館で講演がありました。映像から「アオバト」の鳴き声 を聴きました。彼らが自然界で生きるイメージが浮かびまし た。大磯の天然記念物「照ヶ崎海岸」の岩礁に丹沢山地から 海水を飲みにやって来るのです。命がけだと伺いました。天 敵の鷹に気をつけ、荒波に気をつけ、己の命を守る、そして 雄雌協力して幼鳥を育てるのだそうです。約 30 年間の観察 を通し、様々なデ-タを提示された講演と、斎藤さん始め「こ またん」の皆様の「アオバト」に対する愛情を我々参加者に ずっしりと伝えていただきました。質問は次々と展開され、大変活発で楽しいひと時となりました。5 月から 10 月にかけて渡り鳥「アオバト」がやって来る「照ヶ崎海岸」は、日本一の「アオバト飛来地」です。青空に群れを 成してやってくる姿、岩礁に遊ぶ瞬間を見たいものです。 (北村 タカ子) 第 2 回 “大磯の農産物 大玉柿” 10 月 16 日(金) お客様 15 名 ガイド 11 名 今年度の“おもてなしの心”育成講座のキーワードは大磯の自然と特産物で、10 月 16 日に開催された第 2 回のテーマは「大磯の農産物」であった。前半は、大磯町農業 経営士・二挺木治雄氏による約 45 分の講義。大磯の温暖な気 候により、キュウリが他より早く出荷できること、また種あり から種なしミカンへの品質改良の苦労話など、農業に不案内な 人にも分かり易い説明だった。受講者の皆様が熱心にメモを取 っていたのが印象的。後半は、3 班に分かれ国府支所から王福 寺経由で馬場公園まで約 2 時間の散策。途中 2 か所を現地見 学。三宮氏の水耕栽培ハウス内に広がるリーフレタスの緑の絨 毯に、皆様感激の様子。岩田農園では、樹齢百年の柿の傍で用 意して頂いた大玉柿を試食。全員、 「美味なる哉!」の表情。 大磯の農業の現状について、その一端を垣間見ることが出来、 また農業従事者の方がこだわりを持って取り組んでいることを知り得た講座であった。 (秋山 由紀雄) 会員研修 “パワーポイントで出来ること” 8 月 8 日(土) 参加者 28 名 今回の研修は、技量の高い当協会メンバーからの PC ソフトの使い方を受講しました。研修内容は準備がな により大切、 「伝えたい内容を整理する・構成を整える(目次を作成) ・デザインフォーマットを作成する・ 情報(文や写真)を準備する」といった内容でした。中でも「作成資料1ページに伝えたいテーマを1つに する、起承転結、文章は短く簡潔に!」には感心しました。その後、具体的な PC 操作を、事例を持って紹介 頂き、資料作成の取掛りから順を追っての作成手順で、自分でも容易に作れるのではという気になりました。 合わせて機能の裏ワザも勉強になりました。町をご案内する上で、今はファイルブックを持って説明補助に 使っていますが、間もなくノート PC やタブレットで、動画やネットを活用してのご案内に代わるやもしれま せん。まだ研修中の身ですが、今回学んだ技術を身に着け、お客様に感動までお伝えできる日を夢みており ます。 (尾崎 俊従) 3 特集 高麗山にねむる神(その二) 前山 茂 第二章 若光の大磯での事績 2-1)若光一族の渡来上陸地 若光一族の上陸地は、相模湾の中ほどにある大磯の浜で、花水川の当時は広い河口の草原地で、現在も唐 ケ原と称す町名を残しています。大磯町高麗地区の花水川沿いの海辺は、戦前まで近くの浜には海亀がよく 産卵したところで、長者林と称する白砂青松の景勝地であります。花水川の清流と肥沃な土地は渡来した若 光一族を十分に養うことのできる余裕があり、そこで彼らは持ち前の生活技術をこの地におろすのでありま す。 2-2)製鉄技術 高麗地区にもたらした先進文化の最右翼は製鉄技術であろう。高麗寺の境内に高良(たたら)明神社(祭 神:高多玉垂(たたらたまたり) (製鉄の神) )が境内の平嘉久社に合祀されている。そして高麗寺(現高来 神社)境内の隣接地(小字前田)の山麓から古い製鉄場らしき跡、即ちふいごの素焼の羽口(送風機の出口) や多くの鉄滓が出土されている。大磯高麗に住んだ高麗人の足跡であろう。高麗寺祭の市では昔から鉄製の 鋤(すき)鍬(くわ)などの農器具が売られ近郷,隣郡から求める人で賑わっていたと云う。また戦国時代 秀吉の小田原攻めに北条方は銃器鋳造のために大量の大磯土(鋳型用)を小田原に運ばせた。大磯に鋳造技 術があり其の鋳型の土があったことからの調達である。 2-3)木工細工技術 建長 7 年(1255)版木の細工者(定禅坊)が高麗寺 の寺宝牛王刻印(護符)の版木と其の細工所を高麗寺に 献上している。渡来人の木工技術を伝承していたのであ ろう。この護符のデザインは伊豆山神社の護符に酷似し ている。高麗権現社に降臨された神が後、伊豆山神社に 遷祀されたことによるものであろう。高麗人の木工技術 は箱根に箱根細工、小田原に木工製品、そして大山の独 楽として引き継がれている。 2-4)養蚕 大磯の浜を小余綾(こゆるぎ)と称している。又、大 宝律令(701 年)により国郡制がしかれた時、相模国 高来神社の裏手にある平嘉久社 の大磯を中心とした地区を余綾(よろぎ)郡と称され綾 の文字が用いられている。渡来養蚕技術による綾織物の産地であった為と考えられる。 これ等の産業文化は相模各地に広まり若光の渡来した大磯がその発進の一つの基地であったのであろう。 (次回は釜口古墳の謎) 企画ガイド予定表 11/ 1 (土) 大磯宿を巡り“宿場祭”にご案内 1/11 (月) 左義長を訪ねる 12/ 5 (土) 吉田茂ゆかりの大磯散策 3/12 (土) 群像シリーズ “大財閥をつくりあげた男たち” 【編集後記】 知るは楽しみなりと云います。長年住み慣れた我が町をあまりにも知らなかった、と少しの後悔と侘しさを感 じながらも、今はご案内する立場にいて、お客様にいかに多くの情報の中から楽しくお伝えする事が出来るか と、悩む事が我が協会員の特権です。 “おもてなし講座”も盛況です。クラブツーリズムのバスが大磯駅前に毎 日のように到着し、遠来のお客様のうちの何人かは、大磯を知って帰っていかれると嬉しく思いながら、心か らお見送りする事ができます。それにつけても、協会の諸先輩方のここまでの資料作りと整理には頭が下がり ます。どれほどの時間と努力が掛ったことでしょう。その志を今後も引き継いで行きたいものです。(庄 凱子) 4
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