老朽化対策及び災害復旧・復興への市町支援の本格展開に向けて

記者発表(資料配付)
月/日
担当課(室)名
担当課名
1/20
(火)
(公財)兵庫県まちづくり技術センター
電
話
078-367-1223
発表者
(担当課長名)
理事長 濵田 士郎
(企画部長 上田 浩嗣)
その他
配布先
なし
老朽化対策及び災害復旧・復興への市町支援の本格展開に向けて
~新年度から当センターの技術力を活かした3つの取り組みをスタートします!~
公益財団法人 兵庫県まちづくり技術センター
技術力が質的・量的に不足する市町では、社会問題化している橋梁等インフラの急速な老朽化の進行、
先の丹波豪雨災害のような大規模災害直後の復旧・復興に対し、各市町単独での対応が極めて困難な情
勢となっています。
このため、公益財団法人 兵庫県まちづくり技術センターでは、社会基盤整備を総合的に支援する公
的機関として、市町支援の体制を一層強化するため、平成 27 年度から3つの新たな取り組みをスター
トします。
記
1.橋梁の老朽化対策への支援 ~近接目視点検への対応~
取組1 橋梁定期点検の地域一括発注支援
当センターが市町から橋梁定期点検業務を受託。センターが複数市町分の業務を一括して点検業
者に発注するとともに、点検成果の横断的チェックを実施する。
その結果、点検成果のバラツキが無くなり精度向上やスケールメリットによるコスト縮減を図る
ことが可能となる。
市町橋梁の現状
・市町管理橋梁数:約 2 万橋(橋長2m以上、神戸市除く)
・昨年 7 月の道路法改正による道路橋の近接目視点検の義務化(1回/5年)により毎年約 4,000 橋の
点検が必要
・近接目視点検とは触診や打音検査ができる距離まで近づいて行う点検(遠望目視点検と比べて、よ
り高い技術力や経験が求められる)
・センターでは H20 年に市町橋梁マネジメントシステムを整備、これまで 39 市町の長寿命化計画策定を支援
・橋梁定期点検の地域一括発注に関して既に 23 市町から要請がある
取組2「ひょうご橋守隊」の創設
道路橋点検士等の専門的資格を有する「ひょうご橋守隊」(県土木技術職OBによるボランティア)
を創設し、技術職員・経験が不足する市町に対して、老朽橋梁等の観察を無償で実施する。
2.災害復旧・復興への支援 ~近年の局所化、集中化、激甚化する降雨への対応~
取組3「緊急災害復旧支援派遣隊」(ひょうごE-DASH)」の創設
(Emergency-Disaster Assist & Support Head)
昨年8月の丹波豪雨災害での教訓と経験を踏まえ、センター内に災害支援等に精通した職員で構成
する派遣隊を創設。発災直後に市町に派遣し、迅速な初動対応、円滑な災害復旧着手、復興計画の
策定など復旧・復興への一貫した支援を行う。
丹波豪雨災害に関するセンターの支援状況
・市要請に基づき、当センター職員を司令塔(ヘッドクォーター)として派遣、災害査定設計図書の作成等を
支援
(市町からの相談対応:H26.1~)
公益財団法人 兵庫県まちづくり技術センターとは
・兵庫県の安全・安心な社会基盤整備を総合的に支援することによ
り公共の福祉に寄与することを目的とした、高度な技術力と豊富
な実績を有する公益財団法人
・平成8年4月の設立で出捐は兵庫県及び県内全市町
老朽化対策及び災害復旧・復興への市町支援の本格展開に向けて
取組1
橋梁定期点検の地域一括発注支援
【参考資料】
取組3センター『緊急災害復旧支援派遣隊(ひょうご E-DASH)』の創設
~発災直後から復興への一貫支援~
【背
景】
平成26年7月の道路法施行規則の改正により、橋梁・トンネル等の施設
は5年に1回の近接目視による定期点検が道路管理者に義務付けられた。
しかし、点検のための財源の確保、職員数や技術力の不足といった課題
を抱えている市町がある。
【事業の目的】
職員や技術力が不足し、更に予算が不足する市町の課題に対し、センタ
ーが複数の市町から橋梁定期点検業務を受託し、点検作業をまとめて業者
に外注する『地域一括発注』を行う。
(公財)兵庫県まちづくり技術センター
【背
景】
時間雨量50㎜を超える雨が頻発するなど、近年の降雨が局所化、集中化、激甚化するなかで、大
規模災害の発生時に一つの市町だけで初動対応から災害査定、復旧・復興にスムーズに取り組むこ
とは困難となっている。
センター市町アンケート
【支援内容】
地域一括発注により点検成果の精度向上やスケールメリットによるコ
スト縮減を図る。またセンターでは、点検データを施設管理システムに蓄
積し、継続的に劣化の進行等を管理していく。
地域一括発注に際し、センターが橋梁点検車を調達し、点検業者に貸与
することにより、スムーズな点検の実施が可能となる。
【事業の目的】
平成 26 年度の丹波豪雨の教訓を踏まえ、県内市町において大規模な災害が発生した際に、土木施
設等の被災状況をいち早く把握し、市町に対し応急対策や災害復旧に係るアドバイスを行うととも
に、防災エキスパートの派遣を打診するなど、市町の災害復旧の迅速かつ的確な実施を支援するた
め、災害対応の知識や経験をもつセンター職員で構成する『緊急災害復旧支援派遣隊(ひょうご E
-DASH)』を創設する。
【支援内容】
発災直後より、ひょうご災害緊急支援隊の要請を受け、被災状況確認、防災エキスパートの派遣、
災害査定設計書の作成、コンサルタント指導等総合的に支援を行う。
【緊急災害復旧支援のイメージ】
【スケジュール】
H27.1
市町意向確認
H27.4
市町とセンターの業務契約
H27.4~ センターが点検業務を業者に発注し、点検結果の精査と診断
を実施
取組2『ひょうご橋守隊』の創設による市町橋梁の点検支援
【背
景】
定期点検で損傷が判明した橋梁は、長寿命化修繕計画に基づき計画的に
架け替えや補修を行うが、損傷の大きな橋梁は、対策までの間、毎年「経
過観察」を行い、橋梁の安全通行を確保する必要がある。
技術者の多い市町であれば技術職員が日常点検の中で経過観察を行うこ
とができるが、多くの市町では技術職員不足・経験不足が理由で経過観察
を行うことができない。
橋梁点検車(北陸地方整備局 HP)
【平成 26 年8月
【事業の目的】
市町が抱える課題に対応するため、橋梁に関する豊富な現場経験や各種
資格を有する県土木技術職OBの人材を活用し、橋梁点検を代行すること
により、市町橋梁の適切な維持管理を支援する。
【支援内容】
市町からの要請を受け、ひょうご橋守隊※により橋梁点検(経過観察)を
代行する。
ひょうご橋守隊活動フロー図
公共土木施設の被災状況
橋梁・法面・護岸崩壊、ため池決
壊などの他土砂災害 104 箇所
ひょうご E-DASH が発災直後の被
災状況を把握し市町支援を実施
防災エキスパート※の活動
4名の防災エキスパートが 20 箇所の土
砂災害箇所の応急復旧、対策工法を助言
※土木技術等に精通したボランティア。平
成 26 年末 401 名が登録。
支援体制拡充
現地対策事務所を設け、丹
波市公共土木施設災害査定
設計書の6割を支援
(参考)ワンストップ相談窓口の活用状況
※ひょうご橋守隊:兵庫県防災エキスパートに登録し、道路橋点検士や技術士、コン
クリート診断士等の道路に関する資格を有する等の高度な技術力を有して、
『ひょうご
橋守隊』の登録を行った者。
【スケジュール】
H27.2
市町意向確認
H27.3
協定締結、ひょうご橋守隊発足式
H27.4
ひょうご橋守隊活動開始
丹波豪雨災害におけるセンター支援状況】
平成 26 年1月に設置した『ワンストップ相談窓口』についての活用状況は以下のとおりである。平成 27
年度も新たな市町支援のメニューを踏まえて市町社会基盤施設の老朽化対策やまちづくり等に関して、県及び
センターが有する技術力・情報等を活用し、適切に回答・助言を行う。
第1回点検講習の状況(H26.11.5)
【相談件数】
【兵庫県内の市町管理施設数】
平成 25 年度(1~3月
11 件 道路延長:24,723 ㎞、橋梁:約 20,400 橋
平成 26 年度(12 月末現在) 103 件 トンネル:25 箇所、下水処理場:133 処理場
114 件