平成27年度事業計画

平成27年度事業計画
1 基本方針
最近の国の積極的な経済・金融政策等により、大企業を中心に企業収益が大幅に拡
大し、賃金も上昇するなど、長期にわたる経済の低迷から脱出しつつあります。一方、
それに伴う円安等の影響で諸物価が上がり、消費税の引き上げもあり、国民の日常生
活の負担感は大きくなっています。特に地方では、まだ景気回復の影響が感じられな
いため、賃金アップへの期待はさらに大きく、国では平成27年度の方針として、ア
ベノミクスの効果が地方でも享受できるよう政策強化を図るとしたことで、地方経済
の活性化が期待されています。
一方、我が国の総人口が減少過程にある中、660万人とも言われる『団塊の世代』
が65歳を迎え、高齢化は一段と進んでいます。また『人生百年時代』と言われる長
寿社会にあるため、徐々に地方でも元気な高齢者が増加するものと推測されています。
少子高齢化の進展によって、高齢者は「福祉の受け手」から、
「社会の支え手」として
認識されてきましたが、
「生涯現役社会」では、働く意欲も能力もある元気な高齢者は、
現役の「労働者」として期待されており、国のシルバー補助金も、これまでの「請負」
から「労働者派遣事業」に取り組むセンターへ助成する方向に変更されています。
本町の65歳以上の高齢者数は、平成27年1月末で7,934人、総人口24,
951人に占める割合、高齢化率は31.8%。シルバー人材センターの会員資格が
できる60歳以上の人口は10,225人で、それに占める会員数の割合を示す「粗
入会率」は1.50%です。全国平均が1.9%となっているため、
「会員数百万人」
を目標とする全シ協から、会員の確保と就業先の拡大が強く求められています。
高齢者の急激な増加によって、高齢者対策は国の重要施策ですが、シルバー人材セ
ンターは、高年齢者が希望すれば生涯活動できる公益社団法人であるため、今後の超
高齢社会を支える有力な組織の一つとして期待されています。一方、センター事業が、
若い人たちの仕事を奪っているとの「民業圧迫」批判があるのも忘れることはできま
せん。今後、多様な能力等を持った高齢者が増加する中、地方において多種多様な就
業先を確保することは難しいとの予想もあり、また定年退職年齢が65歳となる社会
においては、センター運営に新たな視点や知恵が求められています。
当センターでは、こうした状況に対処するため、高年齢者の方々に積極的に加入を
呼びかけるとともに、新たな就業先の確保・拡大に努めてまいります。また、法律に
基づく団体として、
「公益社団法人」として認定されていることを再認識し、基本理念
である「自主・自立、共働・共助」のもと、事業運営を進めてまいります。
2 事業計画
当センターの今年度の受託業務を職種別にみると、受託総件数642件(平成27
年1月末現在)のうち「一般作業群」
(草刈り・草取り・清掃・農作業等)が383件
(59.7%)
、次に「技能群」
(植木剪定・障子襖張り等)252件(39.2%)
で、
「事務群」
(筆耕等)は5件(0.8%)
、
「管理群」2件(0.3%)となってい
ます。一般作業群と技能群で全体の99%を占めています。しかし、草取り作業や草
刈作業、植木剪定作業などは作業時期が重なっており、会員も高齢化しているため、
発注者の要望に応えるためには、多くの会員が必要です。また農家の高齢化と後継者
不足等により、少しずつ農作業の依頼も増えており、過疎化対策としてもセンターの
役割は重要ですが、会員の手配ができない場合はお断りせざるを得ない状況です。
今後、多種多様な能力や経験をもった高齢者の加入が予想されるため、対応する就
業先の確保も必要です。従い、即戦力となる会員、さまざまな能力をもった会員、女
性会員の拡大が急務となっています。また、就業能力の向上や会員の資質の向上を図
るため、技能講習等各種講習会を開催、就業機会の確保、安全就業に努めながら、次
のとおり事業を進めていきます。
(1) 就業開拓提供事業
これまで利用実績のある家庭や企業、公共団体等に対し、役職員や会員、就業
開拓推進員が訪問等を行い、地域のニーズや情報の把握に努め、高年齢者の安全
で適正な就業が可能な就業先の確保と就業機会の拡大を図り、会員に提供します。
(2) 普及啓発事業
広報紙やしおり等の発行、
ホームページ等により、
センター事業の周知を図り、
センター事業に対する理解と就業機会の確保に努めるとともに、60歳以上の高
年齢者に対し、加入を呼びかけます。毎年10月の「センター事業の普及啓発促
進月間」では、特に第3土曜日の「シルバーの日」には、公共施設等でゴミ拾い
などの清掃奉仕作業、植木剪定作業等のボランティア活動を実施し、
「地域のセン
ター」として宣伝広報活動を行います。また多数の町民が集まるイベントでの活
動として、秋まつり等でPR活動を行い、センター事業の浸透に努めます。
日頃の普及活動では、役職員や地域班長、会員の協力により、センター事業の
周知を図るとともに、
会員相互の交流と親睦に努め、
生きがいの充実を図ります。
(3) 研修・講習事業
会員のみならず町内在住の高年齢者(会員予定者)を対象に、各種研修会や講習
会等を開催し、就業に必要な知識・技術の習得とレベルアップを図るとともに、
当センターの理念や事業等を理解していただく機会とします。研修・講習会への
参加費用は原則無料とします。
(4) 調査研究事業
会員の提言や、発注者に対するサービス内容の改善・充実、また新たな就業機
会の開拓等について研究し、センター事業に反映させるため、各種調査を行いま
す。
① 就業意向調査
会員のセンター事業への参加意識の向上と意見の集約、就業に対する機会
の確保・公平化等を図るため、今後の就業についての会員の意向について調
査を行います。
② 顧客満足度調査
センター事業の管理と活動方針等を検討するため、発注者に対しアンケー
ト調査を行います。同時にセンターのPRに努め、就業機会の増加及び就業
先の開拓を図ります。なお、調査結果は会員に周知し、会員の就業に対する
意識の啓発と作業の質の向上を図ります。
(5) 相談事業
入会を希望する町内の高年齢者を対象に、毎月1回程度「入会説明会」を開催
します(センターを会場として無料で開催)。
また、就業相談や臨時的・短期的な就業またはその他の軽易な就業についての
相談や職業紹介等を行います(有料)
。
(6)安全就業推進事業
高年齢者が就業時に安心して就業できるよう、安全確保に対する意識の普及と
徹底、事故防止を目的とする安全パトロール等の実施、さらに安全適正就業に関
する講習会等を開催し、安全就業を推進します。
(7)その他
その他センター運営上必要な業務について推進します。
以上の事業実施計画に基づいて実施し、具体的目標を次のとおりとします。
平成27年度具体的目標
会
員
数
168 人
受 注 件 数
755 件
契 約 金 額
36,470 千円
就業延人数
9,815 人
就
業
率
90 %