第 63 回 日本PTA全国研究大会 札幌大会 参加報告書 平成 27 年 8 月 21 日(金)・23 日(土) ○大会スローガン ひろがれ 子の未来!つながれ親力! ~今 札幌から始まるこれからのPTA~ ○大会メインテーマ (1) たくましく おもいやりのある子どもを育むPTA活動 (2) いのちの重さを語りあえるPTA活動 (3) 大人がともに学びあうPTA活動 (4) 家庭・学校・地域が手をつなぐPTA活動 ○大会内容 ・分科会(第 1 分科会) ・アトラクション 札幌市立啓明中学校 吹奏楽部 ・基調講演 「南極観測隊というチーム」 西村 淳 氏 南極料理人 ・アトラクション HBC少年少女合唱団 ・次回開催地PR活動(徳島うずしお大会) ・研究討議 「改革・変化・協力 ~札幌市立三角山小学校 PTA 見直し委員会の取り組みから~」 札幌市立大学 デザイン学部 准教授 武田 恒明 ・パネルディスカッション ・全体会 ・歓迎アトラクション よさこいソーラン 平岸天神Jr 平岸天神(平成 27 年 YOSAKOI ソーラン 大賞受賞) ・記念講演 「あなたは子どもたちの想像力を育てていますか」 倉本 聰 氏 脚本家/「北の国から」「駅-STATION-」など ○参加報告 分科会での基調講演では南極料理人 西村 淳 氏による講演がなされ、冒頭から参加者 の気持ちを和やかにする面白写真トークから始まった。 ババナ? 子持ちなのにオス? 埼玉産なのに輸入? そんな和やかな雰囲気の中、南極での出来事を映像と写真と話をおりまぜ本当に「まさか!」の連続で ご本人も「私の話は、写真を見せないと信じてもらえないから...」と言っていましたが、本当に信じられな いことばかりです。 そんな楽しいお話が続く西村さんの講演ですが、やはり南極は自然の厳しい力に立ち向かいながら生 活をする場所。 相棒の隊員が行方不明になったり、人間関係がぎすぎすしたり、様々なことが起こります。 しかし、自然という大きくもシンプルな力に対しては、人間の団結力でしか立ち向かうことはできません。 「南極観測隊は、探検隊ではありません。」 そう西村さんがおっしゃるように、全員が元気で生きて日本に帰ることが観測隊のミッションです。 そして、南極の生活をじっとおとなしく耐える必要はどこにもないとでもいうように、西村さんの料理の力 は時には隊員を喜ばせ、驚かせます。 それが、結果として自然にコミュニケーションを誘発し、チームとしての結束力を高めていったというお話 は、普段の私たちの PTA 活動でもとても参考になりました。 次に2日目全体会の倉本聰氏の記念講演を聞いて感じたことは、SNS 等で便利になったようで、ひと つ間違うと命を落とすというような事が起きる世の中は、何かが間違っていると。しかし、危ないからとい って、子どもから様々な経験を奪うことは、想像しない考えない子どもになってしまう。そうさせない為に は、便利さばかりを経験させるのでなく、あえて不便な環境・状況に置いてみて、想像力を育むことが重 要なのではないか。というメッセージを感じとりました。 また、ふらので暮らしていると本当の闇を経験するそうです。目の前の自分の手も見えない。夜の闇は 本当に怖い。今の子どもたちは闇の恐怖をしらない。 想像することが大切。 ふらの塾をつくられた時に起草文を発表されています。http://furanogroup.jp/furanojyuku/index.html とても考えるさせられる文なので、ご紹介します。 あなたは文明に麻痺していませんか? 石油と水はどちらが大事ですか? 車と足はどちらが大事ですか? 知識と知恵はどちらが大事ですか? 批評と創造はどちらが大事ですか? 理屈と行動はどちらが大事ですか? あなたは感動を忘れていませんか? あなたは結局何のかんのと云いながら、わが世の春を謳歌していませんか? 皆さんはどのように感じますか? 最後に倉本さんの大好きな開高健のエッセイを紹介されました。 パリのシャルルドゴール空港で 1 人の旅人がトランクに腰をおろしている。空港職員が「どうしました か?」とたずねると、旅人は言います。「体はパリに着いたのだが、心がまだ来ていないので、心の到着 を待っているのです。」 このあと、倉本さんは「今の私たちもたまにはトランクに腰をおろしてみるのもいいのではないでしょうか」 と講演をしめました。 脚本家というご職業のため、ひとつひとつ言葉がしみていくような講演でした。 以上 大会参加者 森会長、鈴木、石川(事務局)
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